JPH10291616A - ローラコンベヤにおける制動装置 - Google Patents

ローラコンベヤにおける制動装置

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JPH10291616A
JPH10291616A JP11512697A JP11512697A JPH10291616A JP H10291616 A JPH10291616 A JP H10291616A JP 11512697 A JP11512697 A JP 11512697A JP 11512697 A JP11512697 A JP 11512697A JP H10291616 A JPH10291616 A JP H10291616A
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JP
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roller
roller conveyor
braking
braking device
rubber tube
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JP11512697A
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Kenji Watari
研司 渡
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Seibu Electric and Machinery Co Ltd
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Seibu Electric and Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラコンベヤにおける制動装置において、
制動装置の作動機構として流体の充填で弾性膨張する中
空部材を採用することで、機高を低くし、且つローラに
対する制動力を均等化する。 【解決手段】 機枠4に取り付けられた底面板9と、上
面板8及び摩擦部材7から成る制動部材6との間にゴム
チューブ10を介装する。エアー配管11を通じてエア
をゴムチューブ10に充填すると、ゴムチューブ10の
弾性変形によって、摩擦部材7が下方からローラコンベ
ア3のローラ5の周面に摩擦係合して、ローラ5の回転
に対して制動力を与え、ローラ5上を搬送される搬送物
30の速度を制限する。ゴムチューブ10の高さは低
く、ローラコンベヤの機高も低く抑えられる。制動部材
6は、複数のローラ5に均等な制動力を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ローラコンベヤ
に適用され、且つローラコンベヤによって搬送される搬
送物の搬送速度を制限する制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物品、例えば、紙巻きタバコを包
装したタバコ包装体やかかるタバコ包装体を複数個単位
で箱詰めしたタバコカートンを搬送物として搬送する手
段として、フローラック(流動棚)がある。フローラッ
クは、ローラコンベヤを敷いた複数段の棚であって、各
棚において、ローラコンベヤには上流側から下流側に向
かって下りの角度が付けられている。フローラックにお
いて、物品が上流より供給されるとき、物品はローラ上
を勢い良く流れ、下流のストッパ等に衝突して停止す
る。物品の強度等によっては、ストッパに衝突した際に
破損又は変形を生じることとなり、商品性が低下する。
フローラックの傾斜角を小さくして物品が流れ下る速度
を低下させると、ストッパへの衝突の激しさを抑えるこ
とができるが、フローラックに接触する物品の底面の凹
凸によって、フローラック上で停止して滞留を生じるこ
とがある。
【0003】したがって、フローラックにおいては、傾
斜角を搬送物30が滞留することがない程度に大きくし
て、搬送物30がフローラックを流れ下るようにしてお
き、図5に示すような、フローラックの途中に設けられ
た制動装置31によってローラ35に制動力を与えるこ
とにより、フローラック上を流れる搬送物30の搬送速
度を制限させることが行なわれている。即ち、搬送物3
0がローラコンベヤ32のフリーローラ33上を搬送さ
れてくるときに、制動装置31がローラ35の回転に制
動をかけていると、搬送物30に対するローラ35の運
動は転がりのみならず、すべりを生じることになるの
で、ローラ35からは搬送物30に対してその速度を制
限する方向に摩擦力が作用する。制動装置31は、機枠
34に設けられたエアシリンダ41と、エアシリンダ4
1に供給される圧縮空気によって伸出するピストンロッ
ド42と、ピストンロッド42の水平方向往復動を制動
部材36の上下方向への移動に変換する2個のレバー機
構43とを備えており、制動部材36をローラ35に押
圧させることによりローラ35に対してその回転を抑制
するように制動力を与えている。上記の制動装置31の
レバー機構43は、両端がそれぞれピストンロッド42
と上面板38とに係合し、且つ機枠34に固定されてい
る横枠34aに対して中央部が回動軸44によって枢着
されたレバー45を有している。
【0004】フローラックを多段に設置するには、一段
当たりの高さを可能な限り低くする必要があるので、エ
アシリンダ41を横方向に配置し、ピストンロッド42
の前進後退運動を運動変換機構としてのレバー機構43
を介して上面板38の上下運動に変換している。制動部
材36は、ローラの周面に係合可能な摩擦部材37と、
摩擦部材37を上面に取り付けた上面板38から成って
いる。上面板38は、機枠34に設けられたガイド39
によって上下方向に移動を案内されている。
【0005】ピストンロッド42の水平方向の往復動を
各レバー45の回動運動に変換し、且つ制動部材36を
上下方向に移動させるため、各レバー45の端部には、
それぞれ第1長孔46及び第2長孔47が形成されてい
る。即ち、ピストンロッド42の水平方向の往復動と、
レバー45の回動運動との運動の違いを吸収するため
に、ピストンロッド42に設けられた第1ピン48が第
1長孔46に嵌合し、ピストンロッド42の水平方向の
往復動に応じて第1ピン48は第1長孔46に沿って変
位する。また、レバー45の回動運動に対して上面板3
8はガイド39に案内されて上下方向にのみ移動可能で
あるから、上面板38の突出部38aに設けられた第2
ピン49が第2長孔47に嵌合し、上面板38の上下方
向の往復動に応じて第2ピン49は第2長孔47に沿っ
て変位する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の制動装置では、
作動機構として、エアシリンダ41及びピストンロッド
42とレバー機構43を有しており、ピストンロッド4
2の水平運動をレバー機構43で上下運動に変換させて
いるので、作動機構の構造が複雑になり、また、レバー
機構43を配置する必要がある分だけ装置の機高が高く
なっている。フローラックのようにローラコンベヤを各
棚に敷設する場合には、棚のピッチを低くすることがで
きず、棚の段数が制限されていた。更に、レバー45と
ピストンロッド42及び上面板38との間の連結には、
上記のとおり第1及び第2の長孔46,47とピン4
8,49を介しているので、制動力の伝達経路にガタを
生じやすい。制動力の伝達経路にガタを生じると、上面
板38が傾斜し、上面板38に設けられている摩擦板3
7が各ローラ35に作用する制動力が一様でなくなり、
場合によっては一部のローラ35が空回りして、搬送物
30に所定の制動力を与えることができないという問題
点があった。
【0007】従来のローラコンベヤに適用される制動装
置には、以上のような不都合が存在しており、それゆ
え、制動部材をローラに押圧するローラコンベヤにおけ
る制動装置において、制動部材を上下方向に駆動する作
動機構として、エアーシリンダとリンク又はレバー機構
のような運動変換機構を用いることなく、機高を低くし
且つ複数のローラに作用する制動力を均等にすることに
ついて解決すべき課題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
問題を解決し、制動部材をローラに対して押圧させるた
めの作動機構を、エアダンパの如く圧縮空気の供給によ
って弾性変形する中空部材を用いて構成することによ
り、作動機構の構造を簡単にしてローコンベヤの機高を
低くし、且つ中空部材に充填される流体の圧力の均一性
を利用して、制動部材によって作用するローラに与える
制動力を均等化することである。
【0009】この発明は、ローラコンベヤによって搬送
される搬送物の速度を制限するため前記ローラコンベヤ
のローラに摩擦係合して前記ローラに制動力を与える制
動部材、及び前記制動部材を前記ローラに押圧する作動
機構を備えたローラコンベヤにおける制動装置におい
て、前記作動機構は機枠に支持され且つ内部に流体が充
填されて弾性変形する中空部材によって構成され、前記
制動部材は前記流体の充填によって生じる前記中空部材
の弾性変形によって前記ローラに押圧されることから成
るローラコンベヤにおける制動装置に関する。
【0010】この発明によるローラコンベヤにおける制
動装置は、上記のように構成されているので、次のよう
に作動する。即ち、作動機構を構成する中空部材へ流体
を充填することによって中空部材は膨張するように弾性
変形をする。制動部材はその弾性変形によってローラコ
ンベヤのローラに押圧されて摩擦係合する。ローラコン
ベヤ上を搬送される搬送物が、上記の制動装置が設置さ
れた領域に至ると、制動部材が摩擦係合しているローラ
は、搬送物によって回転させられようとしても、制動部
材による摩擦係合に起因してローラの回転に制動がかか
る。その結果、搬送物とローラとの間ですべりが生じて
搬送物の搬送に対して抵抗となり、搬送物が減速する。
また、各ローラが分担する制動力は小さく、搬送物がロ
ーラコンベヤ上を流れるにしたがって搬送物には徐々に
制動が加わるため、制動初期の搬送物に作用する制動の
衝撃が和らぎ、搬送物が転倒することもない。
【0011】また、上記のローラコンベヤにおける制動
装置において、中空部材は、鼓状又は蛇腹状のゴムチュ
ーブである。中空部材に流体、特に圧縮空気が充填され
ると、鼓状の中空部材の場合には、中間部のくびれた部
分が拡大するように、又蛇腹状の中空部材の場合には、
蛇腹が延びるように変形して、その結果、中空部材は高
さ方向が伸び、制動部材を駆動してローラに対して押圧
することになる。
【0012】また、上記のローラコンベヤにおける制動
装置において、制動部材はローラの周面に摩擦係合する
摩擦部材と当該摩擦部材を取り付けた第1板部材とから
成り、中空部材は第1板部材と機枠に取り付けられた第
2板部材との間に介装されている。中空部材の両端を第
1板部材と第2板部材という両板部材の間に介装してい
るので、中空部材の機枠に対する支持とローラに対する
制動の付与のための作動とは、各板部材を介して行なわ
れることになり安定化する。また、中空部材の弾性膨張
は直接に第1板部材に作用し、第1板部材を介して摩擦
部材をローラの周面に摩擦係合させるので、中空部材及
び制動部材の作動行程が非常に短くなり、制動装置した
がってローラコンベヤの機高を低く抑えることができ
る。
【0013】また、上記のローラコンベヤにおける制動
装置において、中空部材は、ローラコンベヤによる搬送
物の搬送方向に沿って順次位置する複数箇所に配置され
ている。即ち、個々のローラによって搬送物に与えるこ
とができる制動力には限りがあるので、搬送物の重量が
大きい場合には制動距離が長くなるが、複数の中空部材
を搬送方向に沿って位置する複数箇所に配置させること
で、ローラコンベヤの長手方向に広い範囲にわたって搬
送物の速度を制限する制動領域が形成され、重量のある
搬送物でも、長い範囲の制動領域を通過することで充分
な減速を与えることが可能となる。
【0014】また、上記のローラコンベヤにおける制動
装置において、第1板部材及び第2板部材は、それぞれ
複数個の中空部材に共通して設けられた単一の板部材で
ある。複数の中空部材に流体を供給して制動部材をロー
ラに摩擦係合させても、個々の中空部材を機枠に対して
個別に支持し、また、制動部材を各中空部材に個別に設
けている場合には、各中空部材に充填する流体の圧力が
同じでも、ローラに与えられる制動力にバラツキが生じ
る可能性がある。摩擦部材を取り付けた第1板部材及び
中空部材を機枠に支持する第2板部材を、それぞれ各中
空部材に共通して設けられた単一の板部材とすることに
より、摩擦部材がローラの周面に係合する摩擦係合力は
均等化され、ローラ毎に作用する制動力のバラツキを抑
えることが可能になる。
【0015】また、上記のローラコンベヤにおける制動
装置において、ローラコンベヤの搬送物の流れ状態を検
出するセンサ、及びセンサからの検出信号に応答して搬
送物の速度を制限する必要の有無を判断し、且つ搬送物
の速度を制限する必要が有ると判断した場合に作動機構
を作動させるコントローラを有している。ローラコンベ
ヤの搬送物の流れ状態を検出するセンサとしては、例え
ば、この制動装置が配置される制動領域よりも上流に設
けられる速度センサ(2か所に搬送物の通過を検出する
センサを設け、通過に要した時間差から速度を計算して
もよい)とすることができる。コントローラは、かかる
センサの検出信号が入力され、その検出信号に基づいて
搬送物の速度が予め定められた速度以上であるか否かを
判断し、搬送物の速度が予め定められた速度以上の速度
である場合には、コントローラは、搬送物の速度を制限
する必要かあると判断して作動機構を作動させる。即
ち、作動機構を構成する中空部材に流体を供給し充填す
る。
【0016】更に、上記のローラコンベヤにおける制動
装置において、ローラコンベヤはフローラックを構成す
る各段の棚に敷かれたローラコンベヤである。この発明
によるローラコンベヤにおける制動装置は、従来のよう
に作動機構にリンク又はレバー機構のような運動変換機
構を用いないので、複数段の棚部を有するフローラック
に適用しても、各棚間の高さが抑えられる。その結果、
フローラックの全体高さが低くなり、設置棚の段数を増
加することも可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明によるローラコン
ベヤにおける制動装置の一実施例を、図1〜図4の記載
を参照して説明する。図1はこの発明によるローラコン
ベヤにおける制動装置の概略図である。図1において、
制動装置1は、フローラック(流動棚)の一つの段を構
成する棚に全体として傾斜して敷設されたローラコンベ
ヤ2の中間部に適用されている。制動装置1が配置され
るローラコンベヤ2の部分は、水平に配置した状態で示
されているが、全体の傾斜に合わせた適宜の傾斜を設け
てもよい。フローラックそれ自体は、周知の構造のもの
でよく、ここでの図示及び詳細な説明を省略する。
【0018】搬送物30は、ローラコンベヤ2を構成
し、且つコンベヤフレーム(図示せず)に回転自在に支
持されたフリーローラ3上を図左側より流れ下りてく
る。制動装置1が配置される機枠4には、搬送物30の
制動用にローラ5(図示は、図面の煩雑さを回避するた
め一部のみを示す)が回転自在に支持されている。ロー
ラ5に対して下方からローラ5の周面に押圧させられる
制動部材6は、ローラ5の周面に摩擦係合する摩擦部材
7と、摩擦部材7を取り付けた第1板部材としての上面
板8とから成っている。機枠4には第2板部材である底
面板9が取り付けられており、上面板8と底面板9との
間に作動機構を構成する中空部材としてのゴムチューブ
10が載置されている。ゴムチューブ10は図示の例で
はローラコンベヤ2の搬送方向に2個設置されている
が、ゴムチューブ10の設置数はこの例に数に限られる
ことなく、必要に応じて増加することができる。制動部
材6は、ゴムチューブ10の直上に配置され、ローラ5
とゴムチューブ10との間の間隔は、制動部材6の高さ
とその僅かのストロークとの合計分のみであり、狭い間
隔に抑えられている。
【0019】ゴムチューブ10には、エアー配管11が
接続されており、図示しない圧縮空気源からの圧縮空気
がエアー配管11及びエアー配管11から分岐した分岐
管12を経てゴムチューブ10に供給し充填される。制
動装置1の上流には搬送物30の速度を検出するセンサ
13が設けられている。センサ13は、更に上流に設置
した搬送物の通過センサと組み合わされた通過センサと
し、両センサ間の距離を検出時間差で徐算して速度を検
出するようにしてもよい。センサ13が搬送物30の速
度を検出し、検出信号を受けたコントローラ(図示せ
ず)が、検出速度が予め定められた速度以上であると判
断すると、圧縮空気源(図示せず)に接続された弁の動
弁機構に開弁するように制御信号を出力し、この弁を通
じてゴムチューブ10に圧縮空気を供給する。特に、搬
送物30が重量物である場合には、超過速度の大きさに
応じて、充填すべき流体の量を制御することも可能であ
る。
【0020】圧縮空気が供給されたゴムチューブ10
は、上方向に膨らんで制動部材6をローラ5の周面に押
圧する。搬送物30は、ローラ5を回転させつつ流れ下
ろうとするが、摩擦部材7がローラ5に回転を妨げるよ
うな制動力を与えるので、ローラ5と搬送物30との間
には相対的なすべりが生じ、その摩擦力によって搬送物
30に制動がかけられる。制動領域においてもローラコ
ンベヤ2に傾斜を設けておくと、制動力が強い場合に搬
送物30は制動領域で停止することがあっても、制動部
材6によるローラ5への制動を解除すると、搬送物30
は、再度ローラコンベヤ2上を搬送されていく。
【0021】次に、図2〜図4の記載に基づいて、ロー
ラコンベヤにおける制動装置を更に詳述する。図2は図
4において線B−Bで示した切断面で切断したローラコ
ンベヤにおける制動装置の側面断面図、図3は図2に示
したローラコンベヤにおける制動装置の平面図、そして
図4は図2及び図3に示したローラコンベヤにおける制
動装置の線A−Aで示した切断面についての断面図であ
る。図2〜図4に示したローラコンベヤにおける制動装
置において、図1に示したものと構造及び機能が同等の
構成要素には同じ符号が付されている。なお、ローラコ
ンベヤ2においてコンベヤフレーム(図示せず)に並べ
て配置されているローラ5は、仮想線で示してあり、図
3では、図面の煩雑さを避けるためそれらのうち一部の
ローラ5のみを図示している。
【0022】ローラ5に対して下方からローラ5に押圧
させられる制動部材6は、ローラ5の周面に摩擦係合す
る摩擦部材7と、摩擦部材7を上側面に取り付けた第1
板部材としての上面板8とから成っている。摩擦部材7
は、所定の摩擦係数を有する摩擦材を上面板8の長手方
向に沿って上面に貼着することにより構成されている。
制動部材6は、ゴムチューブ10の直上に配置され、ロ
ーラ5とゴムチューブ10との間の間隔は、制動部材6
の高さとその僅かのストロークとを合計しても狭いもの
に抑えられている。上面板8は、平坦な平面部14と平
面部14の両側から下方に屈曲された短いストッパ用脚
部15とから成っている。ゴムチューブ10内への圧縮
空気が排出された状態では、上面板8のストッパ用脚部
15が底面板9に当接してそれ以上のゴムチューブ10
の収縮を防止している。したがって、圧縮空気を再度充
填しようとするときに、ゴムチューブ10の膨張による
制動部材6の上方への移動の応答性が向上する。
【0023】機枠4には第2板部材である底面板9が取
り付けられている。底面板9は、図4に最も良く示され
ているように、断面がハット形をしており、ボルト等の
固着具19によって機枠4に取り付けられる裾部16
と、頂部17と、裾部16及び頂部17とを連結する脚
部18とから構成されている。頂部17と脚部18とで
囲まれる空間には、エアー配管11及び接続具12a,
12bを介してエアー配管11から分岐してゴムチュー
ブ10に接続する分岐管12が配置されている。
【0024】第1板部材である上面板8と第2板部材で
ある底面板9との間に作動機構を構成する中空部材とし
てのゴムチューブ10が介装されている。ゴムチューブ
10の形状は、縦方向中央部分がくびれ、且つ上端部2
0及び下端部21側に広がった鼓状を有している。上端
部20と下端部21とは、特に図3に示すように、それ
ぞれ四角状の上端板22と下端板23とによって封じら
れており、上端板22と下端板23とは、それぞれ上面
板8と底面板9の頂部17とにそれぞれボルト等の適宜
の固着具によって固定されている。下端板23にはエア
ー配管11から分岐した分岐管12が接続する連通孔2
4が形成されている。
【0025】搬送物30の重量が大きいと速度を充分制
限できない場合がある。このような場合に対処するた
め、ローラ5の個数を増加させることが考えられる。ゴ
ムチューブ10をローラコンベヤ2の搬送方向に沿って
順次複数配置して、制動領域を長く設定する。ゴムチュ
ーブ10は、図示の例ではローラコンベヤ2の搬送方向
に沿って順次等間隔に並んだ位置C,D,Eにおいて配
置されている。
【0026】ゴムチューブ10をローラコンベヤ2の搬
送方向に沿って順次複数配置し、制動部材6をゴムチュ
ーブ10毎に個別に設けると、ゴムチューブ10毎にロ
ーラ5に与えられる制動力に差が生じることがある。こ
のような事態を回避するため、図2及び図3に示されて
いるように、第1板部材である上面板8と第2板部材で
ある底面板9とを、それぞれ各ゴムチューブ10に共通
して設けられた単一の板部材で構成している。上面板8
と底面板9とをこのように構成すると、底面板9の機枠
4への取り付け高さが各ゴムチューブ10で異なるよう
な事態を避けることができ、また、各ゴムチューブ10
に作用する空気圧力が共通であること及び上面板8が共
通していることから、多数のローラ5に与えられる制動
力も均等化する。
【0027】ゴムチューブ10へ流体を充填することに
よって、各ゴムチューブ10は膨張するように弾性変形
をする。制動部材6はゴムチューブ10の弾性変形によ
ってローラコンベヤ2のローラ5に押圧されて摩擦係合
する。ローラコンベヤ2上を搬送される搬送物30が、
制動装置1が設置された領域に至ると、制動部材6が摩
擦係合しているローラ5は、搬送物30によって回転さ
せられようとしても、制動部材6によってローラ5の回
転に制動がかかる。その結果、搬送物30とローラ5と
の間ですべりが生じて搬送物30の搬送に対して抵抗と
なり、搬送物30が減速する。また、各ローラ5が分担
する制動力は小さく、搬送物30がローラコンベヤ2上
を流れるにしたがって搬送物30には徐々に制動が加わ
るため、制動初期に搬送物30に作用する制動の衝撃が
和らぎ、搬送物30が転倒することもない。この発明に
よるローラコンベヤにおける制動装置の実施例を説明し
たが、種々の変更が可能である。例えば、中空部材は、
鼓状のゴムチューブであるとして説明したが、ゴムチュ
ーブの形状はこれに限らず、充填した圧縮空気によって
高さ方向に変形すれば、例えば、蛇腹状等の任意の形状
でよい。底面板9の形状やエアー配管11の配置等、適
宜の設計変更が可能である。
【0028】
【発明の効果】この発明によるローラコンベヤにおける
制動装置は、上記のように従来のローラコンベヤに適用
される制動装置が用いているような制動部材でローラの
周面に押圧されるべき制動部材の上下方向の駆動をエア
ーシリンダとリンク又はレバー機構のような運動変換機
構を採用しておらず、制動部材を作動させる作動機構と
して、エアダンパの如く圧縮空気の供給によって弾性変
形する中空部材を採用しているので、作動機構の構造が
簡単化して設置高さを低くすることができ、中空部材に
充填される流体の圧力の均一性を利用して、制動部材に
よって作用する複数のローラに与えられる制動力を均等
化することができる。また、制動装置の、特に作動機構
の構造が簡単であるため、ローラコンベヤやフローラッ
クの製造コストを低減することができ、また、制動装置
のローラコンベヤへの取り付け及び交換作業が容易であ
る。更に、各中空部材は、ダンパー部品のような市販品
を利用できるため、低コスト且つ短納期を実現できる利
点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるローラコンベヤにおける制動装
置の側面概略図である。
【図2】この発明によるローラコンベヤにおける制動装
置の一実施例を示す図であって、図4に線B−Bで示し
た切断面で切断した側面断面図である。
【図3】図2に示したローラコンベヤにおける制動装置
の平面図である。
【図4】図2に示したローラコンベヤにおける制動装置
の図2及び図3に線A−Aで示した切断面で切断した断
面図である。
【図5】従来のローラコンベヤにおける制動装置の一例
を示す側面概略図である。
【符号の説明】
1 制動装置 2 ローラコンベヤ 4 機枠 5 ローラ 6 制動部材 7 摩擦部材 8 上面板(第1板部材) 9 底面板(第2板部材) 10 ゴムチューブ(中空部材) 11 エアー配管 13 センサ 30 搬送物 C,D,E 中空部材の設置箇所

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラコンベヤによって搬送される搬送
    物の速度を制限するため前記ローラコンベヤのローラに
    摩擦係合して前記ローラに制動力を与える制動部材、及
    び前記制動部材を前記ローラに押圧する作動機構を備え
    たローラコンベヤにおける制動装置において、前記作動
    機構は機枠に支持され且つ内部に流体が充填されて弾性
    変形する中空部材によって構成され、前記制動部材は前
    記流体の充填によって生じる前記中空部材の弾性変形に
    よって前記ローラに押圧されることから成るローラコン
    ベヤにおける制動装置。
  2. 【請求項2】 前記中空部材は、鼓状又は蛇腹状のゴム
    チューブであることから成る請求項1に記載のローラコ
    ンベヤにおける制動装置。
  3. 【請求項3】 前記制動部材は前記ローラの周面に摩擦
    係合する摩擦部材と前記摩擦部材を取り付けた第1板部
    材とから成り、前記中空部材は前記第1板部材と前記機
    枠に取り付けられた第2板部材との間に介装されている
    ことから成る請求項1又は2に記載のローラコンベヤに
    おける制動装置。
  4. 【請求項4】 前記中空部材は、前記ローラコンベヤに
    よる前記搬送物の搬送方向に沿って順次位置する複数箇
    所に配置されていることから成る請求項3に記載のロー
    ラコンベヤにおける制動装置。
  5. 【請求項5】 前記第1板部材及び前記第2板部材は、
    それぞれ複数個の前記中空部材に共通して設けられた単
    一の板部材であることから成る請求項4に記載のローラ
    コンベヤにおける制動装置。
  6. 【請求項6】 前記ローラコンベヤの前記搬送物の流れ
    状態を検出するセンサ、及び前記センサからの検出信号
    に応答して前記搬送物の速度を制限する必要の有無を判
    断し、且つ前記搬送物の前記速度を制限する必要が有る
    と判断した場合に前記作動機構を作動させるコントロー
    ラを有することから成る請求項1〜5のいずれか1項に
    記載のローラコンベヤにおける制動装置。
  7. 【請求項7】 前記ローラコンベヤはフローラックを構
    成する各段の棚に敷かれたローラコンベヤであることか
    ら成る請求項1〜6のいずれか1項に記載のローラコン
    ベヤにおける制動装置。
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