JPH10290808A - 医療用器具包装函 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用度合いの高い器具と比較的使用度合いの低
い器具とを分離収納するための対応を図り易くするとと
もに、複数の収納箱をバラバラに取り扱うことなく全体
が一体的に取り扱えるようにして、取り扱いが容易で器
具の経済的な使用ができるようにする。 【解決手段】上面を開口した下箱２と、下箱２の上面開
口部８の対向二辺に回動可能に連結され下箱２の上方に
面一にして並べられて下箱２の上面開口部８を開閉可能
に覆う二つの上箱３，４とから構成し、上箱３，４それ
ぞれは下箱２との連結部分を中心にして下箱上から下箱
側方へ回動可能に設け、下箱への重ね合わせ時に下箱側
となる面側を開口し、その開口部１４，１７を開閉可能
に覆う蓋板１６，１９をそれぞれの上箱３，４に設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は手術などで使用する
複数種のディスポーザブル医療器具をセットとして収納
する函に関するものである。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】近年、病院の治療室や
手術室で行われる手術などに際して、各種の医療器具を
予めまとめてセットとし滅菌処理されたものが使用され
るようになってきており、治療や手術の作業に入る前に
必要な医療器具を取り揃えて準備しておく手間が軽減さ
れるようになってきている。そして、これらセットは金
属製あるいはプラスチック製のものが使用されていて、
金属製のものは洗浄後再使用され、プラスチック製のも
のは廃棄される。しかしながら、上述した従来のもので
は、一つのトレーに多種多様な器具を収めており、この
ため、使用する前に、滅菌された器具が汚染される危険
性がある。また、前述のように比較的多くの種類の器具
を一つのトレーに入れるようにするため、器具が積み重
ねられた状態で収めなければならず、治療作業の前に必
要な器具を手順通り並び変える必要がある。そして、前
述したように収める器具の種類を多くしているため、個
々の治療や手術では使用しない器具が多く生じてしま
い、加えてこれらセットは感染の防止などの目的から使
用後にセットごと破棄されるため、未使用の器具を破棄
するとによる無駄が多くなってしまい不経済であるとい
う問題が発生していた。また、医療用具のディスポーザ
ブル化に伴い、廃棄処理方法も問題となってきた。

【０００３】そこで本発明は上記した事情に鑑み、使用
度合いの高い器具と比較的使用度合いの低い器具とを分
離収納するための対応を図り易くするとともに、複数の
収納箱をバラバラに取り扱うことなく全体が一体的に取
り扱えるようにすることを課題とし、取り扱いが容易で
経済的な使用が可能となり、かつ廃棄処理が容易な包装
函を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を考慮
してなされたもので、上面を開口した下箱と、この下箱
の上面開口部における対向した二辺それぞれに回動可能
に連結され、かつ、下箱の上方に面一にして並べられて
下箱の上面開口部を開閉可能に覆う二つの上箱とからな
り、前記上箱それぞれは下箱との連結部分を中心にして
下箱上から下箱側方へ回動可能に設けられ、下箱への重
ね合わせ時に下箱側となる面側が開口され、この上箱の
開口部を開閉可能に覆う蓋板がそれぞれの上箱に設けら
れていることを特徴とする医療用器具包装函を提供し
て、上記課題を解消するものである。そして、本発明に
おいて、上記下箱における上箱対向方向に沿った二側壁
それぞれは、外面板と内面板との内外二重とされている
ものとすることが良好である。また、上記上箱それぞれ
の蓋板は、上箱の開口部における上記連結部分と対向す
る辺に折り部を介して回動可能に連続しているものとす
ることが良好である。加えて、上記下箱と上箱との上記
連結は、下箱から上箱に亘って貼り付けた粘着テープに
よりなるものであることが良好である。

【０００５】

【発明の実施の形態】つぎに本発明を図１から図４に示
す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中１は医療
用器具包装函であり、該包装函１は、図１に示すように
下箱２とこの下箱２の上に面一にして並び設けられた大
小二つの上箱３，４とからなるものである。下箱２およ
び両上箱３，４それぞれは紙製素材などのブランクから
なるものであり、その下箱２にあっては上面を開口し上
方視を方形にしており、さらに一組の側壁５それぞれ
は、フラップを内方に折り込んでなる外面板６と内面板
７との内外二重に構成され、全体の強度を向上させるよ
うにしている。

【０００６】この下箱２の上面開口部８において、上記
側壁５方向に対向する開口二辺９，１０、即ち、側壁５
以外のもう一組の対向する側壁１１の上端それぞれに上
記上箱３，４が回動可能にして連結され、下箱２の上方
に位置する状態においては、その下箱２の上面開口部８
を覆って下箱２内に収納された医療用器具などを保護す
るカバーとしての役割を果たすように設けられている。
下箱２と上箱３、下箱２と上箱４におけるそれぞれの連
結は下箱２から上箱３，４にかけて貼着された柔軟な貼
着テープ１２からなるものであり、この柔軟な貼着テー
プ１２によって下箱と上箱とを貼着したことで開口二辺
９，１０を中心として上箱３と上箱４とが互いに異なる
方向に回動可能とされ、図３に示すように包装函１の展
開状態が下箱２を間としてその両脇に上箱３，４が位置
するごとく横一連に並ぶようにしている。このように上
箱３，４を観音開き状にして下箱２の上面開口部８から
単に回動させることでその上面開口部８が全面的に開放
され、下箱２側からの器具の取り出しが容易になる。ま
た、前記上箱３，４をそれぞれ下箱側に戻すことで上面
開口部８が簡単に閉じられる。下箱２の上に戻した上箱
３，４それぞれは、下箱２の内外二重構造として或る程
度厚みのある側壁５の上端における載置面１３に載るよ
うに設けられており、この二重構造として側壁５が上箱
３，４を支えるようにしている。

【０００７】上箱３，４それぞれは、下箱２に重ねた状
態のときにその下箱２側となる面が開口されており、そ
の開口部を覆うための蓋板を上箱３，４個々が備えてい
る。即ち、上箱３の開口部１４においては、下箱２との
連結部分に対向する辺１５に折り部を介して蓋板１６が
回動可能に連接されており、この蓋板１６が開口部１４
を開閉可能に閉じるものとしている。また、上箱４の開
口部１７においては、下箱２との連結部分に対向する辺
１８に折り部を介して蓋板１９が回動可能に連接されて
おり、この蓋板１９が開口部１７を開閉可能に閉じるも
のとされている。このように上箱３，４にあってはそれ
ぞれ下箱２との連結部分と対向する側を折り元として蓋
板が連接されているため、下箱２の両脇に上箱３，４を
位置させ、その上箱３，４の蓋板１６，１９を開いて
も、上箱の展開方向の外方に向けて蓋板が回動するた
め、蓋板を開いても下箱２の上面開口部を覆うことがな
い。勿論、展開状態から下箱側に戻す場合には蓋板にて
上箱の開口部を覆ってから上箱を下箱側に回動させる。
このように上箱の開口部を覆う蓋板を備えているため、
上箱を閉じたときにその上箱に収納していた医療用器具
が下箱側にこぼれ落ちることはない。そして、蓋板それ
ぞれによって下箱に収納した医療用器具の押さえ込みも
行える。さらに、上箱それぞれにその上箱の開口部を覆
う蓋板が設けられているため、使用直前まで上箱内が汚
染されることがない。

【０００８】上述したように下箱２と上箱３，４との連
結は貼着テープ１２を用いてなるものであり、下箱２に
対する上箱３，４の連結作業が極めて容易である。この
ため、収納される医療用器具の組み合わせをそれぞれ変
えた複数種の上箱３、上箱４を予め用意しておき、基本
的な医療用器具を収めた下箱２に対して選択的に上箱
３，４を連結するようにすれば、包装函１全体としての
医療用器具の組み合わせのバリエーションが豊富にな
り、各種の治療や手術の内容それぞれに応じた器具の取
り揃えが、一つの包装函で行えるようになる。また、粘
着テープによる連結を行っているため、必要に応じて粘
着テープを分断したり剥ぎ取ったりすることで上箱の取
り外しが容易であり、上述したように一方向に一連にし
て展開できないような場合には、上箱を取り外してから
器具を取り出すことができる。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の医療用器
具包装函によれば、上面を開口した下箱と、この下箱の
上面開口部における対向した二辺それぞれに回動可能に
連結され、かつ、下箱の上方に面一にして並べられて下
箱の上面開口部を開閉可能に覆う二つの上箱とからな
り、前記上箱それぞれは下箱との連結部分を中心にして
下箱上から下箱側方へ回動可能に設けられ、下箱への重
ね合わせ時に下箱側となる面側が開口され、この上箱の
開口部を開閉可能に覆う蓋板がそれぞれの上箱に設けら
れていることを特徴とするものである。このように包装
函が複数の箱の組み合わせによって構成されているた
め、上箱において収納した器具の組み合わせが異なる各
種の上箱を用意するとともに、下箱においても収納した
器具の組み合わせが異なる複数種の下箱を用意し、これ
らを選択的に組み合わせることでその組み合わせのバリ
エーションが豊富な包装函が得られるようになり、個々
に作業内容が異なる治療や手術に則した器具を揃えた包
装函を形成し易くなる。さらに、上箱それぞれにその上
箱の開口部を覆う蓋板が設けられているため、使用直前
まで上箱内が汚染されることがない。また、上箱を下箱
の側方に回動させるように包装函を展開することで開口
部が横一連にして並ぶこととなり、器具の取り出し面が
広く器具の取り出し作業が容易になる。そして、広い取
り出し面が確保できるために多くの器具を収納しても器
具同士の重なり合いを少なくした状態とすることがで
き、所望の器具を取り出し易くなる。そして、構造が簡
単であることから紙製の包装材料を用いて実施すること
が容易であり、紙製とすることで使用後の押し潰しによ
る減容化が図れ、焼却による廃棄も可能になるなど、実
用性に優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る医療用器具包装函の一例における
外観を示す説明図である。

【図２】一例において上箱を回動させる状態を示す説明
図である。

【図３】上箱を下箱の両側に配置した状態を示す説明図
である。

【図４】上箱の蓋板を開いた状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１…医療用器具包装函 ２…下箱 ３，４…上箱 ８…上面開口部 １２…貼着テープ １４，１７…開口部 １６，１９…蓋板

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上面を開口した下箱と、この下箱の上面開
   口部における対向した二辺それぞれに回動可能に連結さ
   れ、かつ、下箱の上方に面一にして並べられて下箱の上
   面開口部を開閉可能に覆う二つの上箱とからなり、 前記上箱それぞれは下箱との連結部分を中心にして下箱
   上から下箱側方へ回動可能に設けられ、下箱への重ね合
   わせ時に下箱側となる面側が開口され、この上箱の開口
   部を開閉可能に覆う蓋板がそれぞれの上箱に設けられて
   いることを特徴とする医療用器具包装函。
2. 【請求項２】上記下箱における上箱対向方向に沿った二
   側壁それぞれは、外面板と内面板との内外二重とされて
   いる請求項１に記載の医療用器具包装函。
3. 【請求項３】上記上箱それぞれの蓋板は、上箱の開口部
   における上記連結部分と対向する辺に折り部を介して回
   動可能に連続している請求項１または２に記載の医療用
   器具包装函。
4. 【請求項４】上記下箱と上箱との上記連結は、下箱から
   上箱に亘って貼り付けた粘着テープによりなるものであ
   る請求項１から３のいずれか一項に記載の医療用器具包
   装函。