JPH10286776A - 回転研削砥石用基体円板及びその製造方法 - Google Patents

回転研削砥石用基体円板及びその製造方法

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JPH10286776A
JPH10286776A JP10541497A JP10541497A JPH10286776A JP H10286776 A JPH10286776 A JP H10286776A JP 10541497 A JP10541497 A JP 10541497A JP 10541497 A JP10541497 A JP 10541497A JP H10286776 A JPH10286776 A JP H10286776A
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ceramic powder
grinding wheel
rotary grinding
metal
composite material
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JP10541497A
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English (en)
Inventor
Hiromasa Shimojima
浩正 下嶋
Mitsuyoshi Kimura
光良 木村
Kazunari Naito
一成 内藤
Mutsuo Hayashi
睦夫 林
Heishiro Takahashi
平四郎 高橋
Tomikazu Koyama
富和 小山
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Nihon Cement Co Ltd
Original Assignee
Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の回転研削砥石用基体円板は、高速化が
難しかった。 【解決手段】 円板が、セラミックス粉末で形成された
プリフォームにアルミニウムを主成分とする金属を浸透
させた金属−セラミックス複合材料から成り、その複合
材料の比剛性が60×1062/s2以上、熱膨張率が
15×10-6/℃以下、比重が3.5以下及び破壊靱性
が10MN/m2/3以上であることとした回転研削砥石
用基体円板。プリフォームの形成方法が、セラミックス
粉末と、バインダーと、尿素をセラミックス粉末に対し
て0.1〜5重量%含む水とを混合してスラリーとし、
そのスラリーを沈降法で成形し、その成形した成形体を
型に入れたまま凍結し、脱型し、乾燥し、焼結して形成
する方法であるとし、その形成したプリフォームにアル
ミニウムを主成分とする金属を非加圧で浸透させること
とした回転研削砥石用基体円板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転研削砥石用基
体円板及びその製造方法に関し、特に金属−セラミック
ス複合材料を用いた回転研削砥石用基体円板及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、難削性であるセラミックスなどを
研削加工する要求はますます強まり、それに伴って、基
体である円板の外周に砥粒層を接着することにより作製
される回転研削砥石にも種々の改良や新製品開発がなさ
れてきた。例えば、接着される砥粒については、従来の
アルミナや炭化珪素からより硬質なダイヤモンドやCB
Nなどが開発され、実用化されてきた。また、砥粒の接
着方法についても、電着、ビトリファイドボンド、さら
にはCVDによる薄膜被覆によって接着する各種の方法
が試され、製品に適用されている。しかし、砥石の土台
である基体については、その改良や新製品の開発があま
りなされていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近は
加工能率の向上を目指して砥石の回転速度を高速化する
ことが強く望まれるようになり、その高速化に対応でき
る砥石の必要性が高まってきた。この要求に対して、従
来の基体には、鋼、鉄、アルミニウム合金、セラミック
スなどが用いられていたが、これらを用いた回転砥石
は、それぞれ以下の欠点があり、今以上の高速化に耐え
ることが難しいという問題があった。
【0004】それは、鋼、鉄については、比剛性が小さ
く比重が高いという欠点があり、アルミニウム合金につ
いては、比剛性が小さく熱膨張率が大きいという欠点が
あり、セラミックスについては、衝撃に弱く靱性が低い
という欠点があり、それら欠点により、以下の理由で砥
石の高速化を難しくしていた。
【0005】それは、高速化すると高速回転に伴う遠心
力が増大し、その遠心力に抗しきれずに変形し、それに
よって加工精度が低下する原因となることである。この
遠心力による変形のし難さを表すパラメーターとして比
剛性があるが、これは、単位重量当たりのヤング率であ
り、ヤング率を密度で割ることによって得られ、大きい
ほど変形し難いこと示している。この比剛性の値は、上
記の鋼や鉄、アルミニウム合金では25〜27×106
2/s2程度であり、この値から変形しない周速の限度
は150m/s程度である。今後の高速化に対応できる
ようにするためには、この比剛性をもっと高める必要が
あり、その必要な比剛性としては、鋼などの2倍以上の
60×1062/s2以上あれば当面充分と思われる。
【0006】また、高速になるとモーターや軸受けなど
への負担が大きくなって加工時の発熱がますます増大
し、その発熱の増大による回転砥石の寸法変化が熱膨張
率が大きいほど大きくなり、これも加工精度を低下させ
る原因となる。さらに、基体の比重が大きくなるとモー
ターや軸受けなどへのの負担がますます大きくなり、そ
れに伴って発熱もさらに増大し熱膨張が大きくなり、こ
れも加工精度をさらに低下させる原因となる。これに対
して、アルミニウム合金は比重は小さいものの熱膨張率
が20〜23×10-6/℃と非常に大きく、鋼、鉄は熱
膨張率は低いものの比重が7.2〜7.8と非常に大き
いものとなっている。
【0007】さらにまた、高速になると研削時にかかる
基体への衝撃が増大し、衝撃に弱い脆性材料であると基
体がチッピングを起こすという不安がある。これに対し
て、セラミックスは比剛性は高く、比重は低く、熱膨張
率も小さいものの靱性が極めて低く、またその信頼性も
低く、その破壊靱性は一般に10MN2/3以下であり、
高速回転する砥石に用いるには大きな不安がある。ま
た、セラミックスは小さい部品を除けば多くの場合は高
価であり、コストの面からも大きな問題がある。
【0008】本発明は、上述した回転研削砥石用基体円
板が有する課題に鑑みなされたものであって、その目的
は、前記した問題、即ち比剛性、熱膨張率、比重、破壊
靱性のいずれをも満足できる回転研削砥石用基体円板を
提供するとともに、その製造方法をも提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、回転研削砥石用基体
円板に、高い粉末充填率を有するセラミックス粉末によ
って形成されたプリフォームにアルミニウムを主成分と
する金属を浸透させた金属−セラミックス複合材料を用
いれば、比剛性、熱膨張率、比重、破壊靱性のいずれを
も満足できる当該円板が得られるとの知見を得て本発明
を完成するに至った。
【0010】即ち本発明は、(1)回転研削砥石用基体
円板において、該円板が、セラミックス粉末で形成され
たプリフォームにアルミニウムを主成分とする金属を浸
透させた金属−セラミックス複合材料から成り、その複
合材料の比剛性が60×1062/s2以上、熱膨張率
が15×10-6/℃以下、比重が3.5以下及び破壊靱
性が10MN/m2/3以上であることを特徴とする回転
研削砥石用基体円板(請求項1)とし、また、(2)セ
ラミックス粉末が、1〜150μmの平均粒径を有する
Al23、SiCまたは/及びAlN粉末であり、該セ
ラミックス粉末の粉末充填率が、50〜80vol%で
あることを特徴とする請求項1記載の回転研削砥石用基
体円板(請求項2)とし、さらに、(3)セラミックス
粉末で形成されたプリフォームにアルミニウムを主成分
とする金属を浸透させた金属−セラミックス複合材料か
ら成る回転研削砥石用基体の製造方法において、該プリ
フォームの形成方法が、セラミックス粉末と、バインダ
ーと、尿素をセラミックス粉末に対し0.1〜5重量%
含む水とを混合してスラリーとし、そのスラリーを型に
注入し、それに振動を掛けて固形物を沈降させ、生じた
上澄み液を除去して成形した後、その成形体を型に入れ
たまま凍結し、脱型し、乾燥し、焼結して形成する方法
であるとし、その形成したプリフォームにアルミニウム
を主成分とする金属を非加圧で浸透させることを特徴と
する回転研削砥石用基体円板の製造方法(請求項3)と
し、さらにまた、(4)セラミックス粉末が、1〜15
0μmの平均粒径を有するAl23、SiCまたは/及
びAlN粉末であり、該セラミックス粉末の粉末充填率
が、50〜80vol%であることを特徴とする請求項
3記載の回転研削砥石用基体円板の製造方法(請求項
4)とすることを要旨とする。以下さらに詳細に説明す
る。
【0011】回転研削砥石用基体円板としては、セラミ
ックス粉末で形成されたプリフォームにアルミニウムを
主成分とする金属を浸透させた金属−セラミックス複合
材料から成るとし、その複合材料の比剛性が60×10
62/s2以上、熱膨張率が15×10-6/℃以下、比
重が3.5以下及び破壊靱性が10MN/m2/3以上で
あることとする円板とした(請求項1)。基体円板をセ
ラミックス粉末とアルミニウムを主成分とする金属の複
合材料とすることにより、大きい比剛性、低い熱膨張
率、低い比重及び高い破壊靱性を有する円板とすること
ができる。
【0012】その比剛性、熱膨張率、比重及び破壊靱性
を、各々60×1062/s2以上、15×10-6/℃
以下、3.5以下及び10MN/m2/3以上としたの
は、比剛性については、前記したように従来の2倍以上
の比剛性にするためであり、熱膨張率については、セラ
ミックス並の熱膨張率に抑えるためであり、比重につい
ては、アルミニウム並の比重に抑えるためであり、破壊
靱性については、セラミックスより高くするためであ
る。
【0013】セラミックス粉末としては、1〜150μ
mの平均粒径を有するAl23、SiCまたは/及びA
lN粉末とし、その粉末充填率としては、50〜80v
ol%とした(請求項2、4)。セラミックスの種類を
Al23、SiC、AlN粉末またはこれら粉末の混合
物としたのは、これら粉末がアルミニウム金属に浸透さ
れ易いことによる。その粉末の平均粒径としては、1〜
150μmが好ましく、1μmより細かいとアルミニウ
ムの浸透が難しくなり、150μmより粗いとプリフォ
ームの形成が難しくなる。また、粉末充填率を50〜8
0vol%としたのは、50vol%より低いと比剛性
が60×1062/s2より低くなる恐れが、また熱膨
張率も15×10-6/℃より大きくなる恐れがあるため
である。逆に80vol%を超えると、破壊靱性が10
MN/m2/3より低くなる恐れがある。
【0014】その複合材料の製造方法としては、プリフ
ォームの形成方法を、セラミックス粉末と、バインダー
と、尿素をセラミックス粉末に対し0.1〜5重量%含
む水とを混合してスラリーとし、そのスラリーを型に注
入し、それに振動を掛けて固形物を沈降させ、生じた上
澄み液を除去して成形し、その成形体を型に入れたまま
凍結し、脱型し、乾燥し、焼結して形成する方法とし、
その形成したプリフォームにアルミニウムを主成分とす
る金属を非加圧で浸透させることとする製造方法とした
(請求項3)。
【0015】高速回転する回転研削砥石用基体円板に
は、前記したように50vol%以上の高い粉末充填率
を有する複合材料が必要であり、その上高速回転するこ
とから円板中の粉末の分布ができるだけ均一であること
が要求されるため、その製造方法としては、米国ランク
サイド社が開発した非加圧金属浸透法が最適であり、こ
の方法、即ち上述の方法で製造することにしたものであ
る。この方法は、あらかじめプリフォームを形成するの
で、高い粉末充填率とすることができ、さらに、セラミ
ックス粉末の分散が他の溶融した金属と混合する方法よ
りはるかに均一となるので、前記した要求を満たすこと
ができる。
【0016】そのプリフォームを形成する方法として
は、沈降成形で形成する方法とした。それは、この方法
が粉末充填率の高いプリフォームを容易に形成し易いこ
とによる。そして、それに用いる水に尿素を含ませる点
が従来と異なるところであり、この尿素を添加する理由
は、作製された複合材料中の欠陥を防ぐためである。形
成したプリフォームにはメタルべインと呼ばれる欠陥が
発生し易いが、このメタルべインはプリフォーム中に筋
状に生じた亀裂に金属が浸透する欠陥を言うものであ
り、この欠陥により複合材料の強度が2割程度低下す
る。この欠陥はごく局部的なものであり、強度以外の物
性にはほとんど影響を与えないため、大多数の用途には
ほとんど問題にならないが、本砥石のような高速回転す
る用途では、致命的なものになる恐れがあるため、尿素
を添加することにより前記したメタルべインの発生を防
ぐことにしたものである。
【0017】このメタルべインの発生については、上記
で述べたように成形した成形体を凍結するものである
が、その凍結時に氷の結晶が成長し過ぎてプリフォーム
に亀裂を生じ、その亀裂に金属が浸透して発生すること
が判明した。そのため、氷の成長を抑えないとメタルべ
インの発生を抑えることが難しいので、その解決策とし
て氷の結晶成長抑制剤である尿素を少量添加した水を使
用することにしたものである。その尿素の添加量として
は、セラミックス粉末に対し0.1〜5重量%が好まし
く、0.1重量%より少ないと効果が少なく、5重量%
より多いとプリフォームの強度が低下するため、メタル
ベインが発生し易くなる。この尿素の添加により、凍結
時にプリフォームの亀裂がなくなり、メタルベインを防
ぐことができ、ひいては欠陥のない、言い換えれば強度
の低下のない複合材料とすることができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法をさらに詳しく
述べると、先ず1〜150μmの平均粒径を有するAl
23、SiCまたはAlN粉末を用意する。これら粉末
を単独、または2種類以上を混合して用いる。これら粉
末を用いて本発明の比剛性や熱膨張率などを達成するた
めには、1つは、セラミックス粉末の粒度分布を変更し
てプリフォームの粉末充填率を調節することで特性を調
節する方法があり、もう1つは、複数のセラミックス粉
末を適当な量比で混合することで特性を調節する方法が
ある。いずれの方法で比剛性や熱膨張率などの特性を合
わせても構わないが、注意すべきは1つの特性を調節し
た場合、他の特性もそれに伴って必ず変わるという点で
ある。例えば、セラミックス粉末の粉末充填率を増やせ
ば比剛性は高くなるが、その分、破壊靱性が低下するの
で、諸特性の傾向を把握し、調合設計をしなくてはなら
ない。幸い、この非加圧金属浸透法による製造方法で
は、セラミックス粉末の粉末充填率、あるいはその量比
と特性との間に加成性が成り立つので、複合材料の特性
を予測するのも比較的容易である。
【0019】用意したセラミックス粉末にバインダーと
尿素を所定量添加した水とを加え、混合してスラリーと
する。そのスラリーをゴム等の型に注ぎ振動を掛けて固
形物を沈降させ、その上澄み液を除去し成形する。得ら
れた成形体を型に入れたまま凍結し、凍結した成形体を
脱型した後、乾燥し、次いで焼結してプリフォームを形
成する。そのプリフォームに窒素雰囲気中で700〜9
00℃の温度でアルミニウムを主成分とする金属を非加
圧で浸透させることにより、回転研削砥石用基体円板に
用いる複合材料が得られる。なお、アルミニウムを主成
分とする合金には、Mgを含むとそのMgとN2とが反
応することで、溶融したアルミニウムがセラミックス粉
末によく濡れるようになるので、Al−Mg系、Al−
Mg−Si系などのMgを含んだ合金の方が浸透に望ま
しい。
【0020】以上の方法で回転研削砥石用基体円板を作
製すれば、大きい比剛性、低い熱膨張率、低い比重、か
つ高い破壊靱性を有する回転研削砥石用基体円板が得ら
れる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に具体的
に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0022】(実施例) (1)プリフォームの形成 強化材として#320の市販Al23粉末(太平洋ラン
ダム社製、50A)を70wt%、#600の市販Al
23粉末(太平洋ランダム社製、LA)を30wt%混
合したAl23粉末に対し、バインダーとしてコロイダ
ルシリカ液をシリカ分が2wt%となる量だけ添加し、
それにメタルべイン防止用に尿素を0.2wt%添加さ
れたイオン交換水を25wt%加え、媒体を入れてない
ポットミルで16時間混合した。得られたスラリーを外
径φ250×内径φ30×厚さ30mmのドーナツ型の
シリコーンゴム型に流し込んで振動を掛けて固形分を沈
降させ、表面の水分を除いて成形した後、ゴム型に入れ
たまま−30℃に冷却して冷凍品を得た。得られた冷凍
品を1晩静置し、それを脱型し、1050℃で12時間
焼成し、プリフォームを形成した。
【0023】(2)回転研削砥石用基体円板(金属−セ
ラミックス複合材料)の作製 形成したプリフォームの上にプリフォームの2.5倍重
量のAl−7Mg組成のアルミニウム合金を置き、窒素
雰囲気中で810℃の温度で24時間非加圧浸透させた
後、100℃/hrの速度で冷却し回転研削砥石用基体
円板に用いる金属−セラミックス複合材料を作製した。
【0024】(3)評価 形成したプリフォームから試験片を切り出し、アルキメ
デス法で嵩比重を測定し、プリフォームの粉末充填率を
求めた。その結果、60vol%であった。また、得ら
れた複合材料から試験片を切り出し、その比重をアルキ
メデス法で測定した。その結果、3.45であった。さ
らに、その試験片を用い、その試験片のヤング率をJI
S R 1602(ファインセラミックスの弾性率試験
方法)の中の曲げ共振法で測定し、得られたヤング率か
ら比剛性を求めた。その結果、ヤング率は210GPa
であり、比剛性は61×1062/s2であった。さら
にまた、同じ試験片で熱膨張率をJIS R 1618
(ファインセラミックスの熱機械分析による熱膨張率の
測定方法)により測定し、破壊靱性をチェブロン・ノッ
チ法により測定した。その結果、熱膨張率は12×10
-6/℃であり、破壊靱性は14MN/m2/3であった。
なお、メタルべインについては、複合材料の表面を研削
し、目視で観察したが観察されなかった。これらの結果
から、この回転砥石用基体円板に用いる複合材料は、鋼
などの2倍以上の大きい比剛性を有し、アルミニウムよ
りはるかに低い熱膨張率を有し、しかもアルミニウムと
同程度の比重を有し、さらに、セラミックスよりかなり
高い靱性値を有する複合材料となっている。
【0025】(比較例)尿素を添加していないイオン交
換水を用いた他は実施例と同様にプリフォームを形成
し、複合材料を作製し、評価した。その結果、比剛性、
熱膨張率、比重、破壊靱性は概ね同じであったものの、
金属がリッチな筋状のメタルベインが認められたため、
JIS R 1601(ファインセラミックスの曲げ強
さ試験方法)で曲げ強度を測定したところ、実施例では
480MPaであったが、410MPaと低かった。こ
の結果から、比較例で作製された複合材料を高速の基体
円板に用いるには、実施例で作製された複合材料よりは
るかに危険性が大きいことを示している。
【0026】
【発明の効果】以上の通り、本発明の回転研削砥石用基
体円板であれば、セラミックス粉末の粉末充填率の高い
金属−セラミックス複合材料が用いられているので、大
きい比剛性、低い熱膨張率、低い比重、かつ高い靱性値
を有する回転研削砥石用基体円板とすることができるよ
うになった。このことにより、今後の高速化に対応でき
る回転研削砥石用基体円板とすることができ、この基体
円板を回転砥石に適用することにより、加工精度、加工
能率は大幅に向上するものと思われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 富和 東京都北区浮間1−3−1−805

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転研削砥石用基体円板において、該円
    板が、セラミックス粉末で形成されたプリフォームにア
    ルミニウムを主成分とする金属を浸透させた金属−セラ
    ミックス複合材料から成り、その複合材料の比剛性が6
    0×1062/s2以上、熱膨張率が15×10-6/℃
    以下、比重が3.5以下及び破壊靱性が10MN/m
    2/3以上であることを特徴とする回転研削砥石用基体円
    板。
  2. 【請求項2】 セラミックス粉末が、1〜150μmの
    平均粒径を有するAl23、SiCまたは/及びAlN
    粉末であり、該セラミックス粉末の粉末充填率が、50
    〜80vol%であることを特徴とする請求項1記載の
    回転研削砥石用基体円板。
  3. 【請求項3】 セラミックス粉末で形成されたプリフォ
    ームにアルミニウムを主成分とする金属を浸透させた金
    属−セラミックス複合材料から成る回転研削砥石用基体
    円板の製造方法において、該プリフォームの形成方法
    が、セラミックス粉末と、バインダーと、尿素をセラミ
    ックス粉末に対し0.1〜5重量%含む水とを混合して
    スラリーとし、そのスラリーを型に注入し、それに振動
    を掛けて固形物を沈降させ、生じた上澄み液を除去して
    成形した後、その成形体を型に入れたまま凍結し、脱型
    し、乾燥し、焼結して形成する方法であるとし、その形
    成したプリフォームにアルミニウムを主成分とする金属
    を非加圧で浸透させることを特徴とする回転研削砥石用
    基体円板の製造方法。
  4. 【請求項4】 セラミックス粉末が、1〜150μmの
    平均粒径を有するAl23、SiCまたは/及びAlN
    粉末であり、該セラミックス粉末の粉末充填率が、50
    〜80vol%であることを特徴とする請求項3記載の
    回転研削砥石用基体円板の製造方法。
JP10541497A 1997-04-09 1997-04-09 回転研削砥石用基体円板及びその製造方法 Pending JPH10286776A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6846233B2 (en) * 2002-02-12 2005-01-25 Noritake Co., Limited Segmental type grinding wheel

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6846233B2 (en) * 2002-02-12 2005-01-25 Noritake Co., Limited Segmental type grinding wheel

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