JPH1028600A - テロメラーゼ活性の測定法 - Google Patents

テロメラーゼ活性の測定法

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JPH1028600A
JPH1028600A JP8187350A JP18735096A JPH1028600A JP H1028600 A JPH1028600 A JP H1028600A JP 8187350 A JP8187350 A JP 8187350A JP 18735096 A JP18735096 A JP 18735096A JP H1028600 A JPH1028600 A JP H1028600A
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telomerase
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fluorescence
cell
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JP8187350A
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Kazuma Ooyashiki
一馬 大屋敷
Jiyunko Ooyashiki
純子 大屋敷
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Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • C12N9/1241Nucleotidyltransferases (2.7.7)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 癌の早期発見に役立ち、細胞レベルにおける
テロメラーゼ活性を客観的な定量性を持ち、一般検査室
でも適用可能な簡便なテロメラーゼの測定方法を提供す
る。 【解決手段】 直接細胞内で蛍光ラベルした基質を用い
てテロメラーゼ延長反応を行った後、蛍光ラベルしたプ
ライマーを用いて塩基結合連鎖反応を行い、細胞内テロ
メラーゼ反応により、生じた蛍光をフローサイトメトリ
ーで定量的かつ簡便に確認する細胞内のテロメラーゼ活
性の測定方法およびテロメラーゼ陽性細胞の検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、癌細胞の分裂・増
殖に重要な役割を果たし、臨床検査の測定対象因子とし
て重要なテロメラーゼ活性の定量的および簡易な測定方
法に関する。また、本発明は、テロメラーゼ陽性細胞の
検出方法に関する。本発明は、例えば、癌診断およびそ
の経過観察のための臨床検査技術として重要である。
【0002】
【従来の技術】テロメラーゼ活性の測定方法として、プ
ライマーにラジオアイソトープをラベルした後、テロメ
ラーゼ反応を行い、生じたテロメラーゼ反応生成物をポ
リメラーゼ連鎖(PCR)反応により増幅した後、該P
CR反応生成物を電気泳動に付した後オートラジオグラ
フィーにより活性を測定する方法が知られている(キム
ら、サイエンス、266巻、2011頁、1994年:
WO95/13381号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法は、試料に
細胞抽出液等を用いるため、個々の細胞におけるテロメ
ラーゼ活性の検出ができず、テロメラーゼ活性の定量化
は困難であった。また、ラジオアイソトープおよび電気
泳動装置を用いるため、一般検査としての利用は繁雑な
操作が必要であった。このため、癌の早期発見に役立
ち、かつ細胞レベルにおけるテロメラーゼ活性を客観的
な定量性を持ち、一般検査室でも適用可能な簡便なテロ
メラーゼの測定方法が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題を解決するために、直接細胞内で蛍光ラベルした基質
を用いてテロメラーゼ延長反応を行った後、蛍光ラベル
したプライマーを用いて塩基結合連鎖反応(PCR反
応)を行い、細胞内テロメラーゼ反応により生じた蛍光
をフローサイトメトリーで定量的かつ簡便に確認すると
いう画期的な細胞内のテロメラーゼ活性の測定方法がお
よび測定試薬が提供される。また、該測定方法の途中で
得られたフローサイトメトリーのヒストグラムを分析す
ることにより、テロメラーゼ陽性細胞の検出方法および
検出試薬が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、(1)細胞内でテロメ
ラーゼによるテロメラーゼ基質の延長反応を行う工程、
(2)得られた延長反応生成物を細胞内で塩基結合連鎖
反応に付す工程、および(3)フローサイトメトリーを
用いて細胞中の反応生成物の蛍光を定量することを特徴
とするテロメラーゼ活性の測定方法に関する。また、本
発明は(1)細胞内でテロメラーゼによるテロメラーゼ
基質の延長反応を行う工程、(2)得られた延長反応生
成物を細胞内で塩基結合連鎖反応に付す工程、および
(3)フローサイトメトリーを用いて細胞中の反応生成
物の蛍光を定量することを特徴とするテロメラーゼ陽性
細胞の検出方法に関する。
【0006】本発明における細胞内でテロメラーゼによ
るテロメラーゼ基質の延長反応を行う工程とは、試料と
して用いる細胞にテロメラーゼ基質の蛍光標識化体およ
びデオキシヌクレオシドトリフォスフェーツを添加する
ことにより、細胞内でテロメラーゼ基質延長反応を行う
ことをいう。
【0007】試料として用いる細胞とは、血液細胞、リ
ンパ系細胞、培養細胞、浮遊細胞等フローサイトメトリ
ーで分離できる細胞であればどのようなものでもよい。
生体等から採取した細胞を、細胞培養液またはpH6.
5〜8.5、濃度1〜300mMのリン酸緩衝液等に浮
遊させるか、またはシラン処理をしたミクロチューブ容
器上に静置した状態で基質延長反応に用いることができ
る。なお、細胞は採取後、15C°以下、好ましくは4
C°で冷却保存し、速やかに基質延長反応に用いること
が好ましい。細胞培養液は、通常、浮遊細胞の培養に用
いるものであればどのようなものでもよいが、RPMI
1640、ダルベッコ変法ミネラルエッセンシャル培地
等を用いることが好ましい。
【0008】本発明においてテロメラーゼ(EC2.
7.7.31)とは、自己複製能を持つ線状染色体に必
要な末端構造であるテロメアの繰り返し配列(テロメア
反復配列)の合成に関与する酵素を意味する。テロメア
とは、直鎖状染色体の末端部分を意味し、テロメア反復
配列とは、テロメアに局在化している特定塩基配列の反
復配列を表す。
【0009】テロメラーゼ基質は、テロメリック配列を
含まないオリゴヌクレオチドを用いることが好ましく、
5’−GTTAGGGTTAGGGTTAGG−3’、
5’−TTAGGGTTAGGGTTAGGG−3’等
も用いることができるが、とりわけ好ましくは、TSプ
ライマー(5’−AATCCGTCGAGCAGAGT
T−3’)を用いる。
【0010】テロメラーゼ基質の蛍光標識化体とは、蛍
光標識を結合したテロメラーゼ基質を含むテロメラーゼ
基質を意味する。蛍光標識を結合したテロメラーゼ基質
はテロメラーゼ基質に、蛍光ホスフォアミダイト(クロ
ーンテック社製)等の蛍光試薬を結合させることにより
得ることができる(牧野ら、PCR方法と応用、199
2年、コールドスプリングハーバーラボラトリー社
刊)。
【0011】デオキシヌクレオシドトリフォスフェーツ
とは、デオキシヌクレオシドトリフォスフェートの混合
物を意味し、デオキシアデノシントリフォスフェート、
デオキシグアノシントリフォスフェート、デオキシシチ
ジントリフォスフェートおよびデオキシチミジントリフ
ォスフェートからなる。
【0012】テロメラーゼ基質延長反応とは、細胞中の
テロメラーゼによりテロメラーゼ基質の蛍光体を基点と
するテロメア反復配列を合成する反応をいう。より詳細
には、細胞中のテロメラーゼによりテロメラーゼ基質の
蛍光体にデオキシアデノシントリフォスフェート等の各
デオキシヌクレオシドトリフォスフェートがテロメア反
復配列に従って結合される結果、テロメラーゼ基質の延
長体が合成されることをいう。
【0013】テロメラーゼ基質延長反応は、ライトの方
法(ライトら、ヌクレオシド アシド リサーチ23
巻、3794頁、1995年)等に記載されている手法
で行えばよい。細胞にテロメラーゼ基質の蛍光標識化体
およびデオキシヌクレオシドトリフォスフェーツを含ん
だ緩衝液を添加した後、インキュベートする。この際細
胞が浮遊液の状態にあるときは、遠心分離の後、ミクロ
チューブの底等に沈降した細胞に該緩衝液を添加して反
応を開始させることが好ましい。この際、緩衝液に塩基
結合酵素連鎖反応に用いる耐熱性(Taq)塩基結合酵
素およびプライマーのどちらかを加えておくことが好ま
しい。また、インキュベーションは暗箱中で行うことが
好ましい。
【0014】緩衝液とは、濃度1〜100mMで、pH
6〜9、好ましくはpH7.5〜8.5の緩衝液であれ
ばどのようなものでもよいが、リン酸緩衝液、トリス塩
酸緩衝液等を用いることが好ましい。該緩衝液には塩化
カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグ
ネシウム等の金属塩、ポリオキシエチレン ソルビタン
モノラウレート(以下、ツイン20という)等の界面活
性剤、エチレングリール ビス(2−アミノエチルエチ
ル)−N,N,N′,N′−テトラアセテックアシド
(以下、EGTAという)等のキレート剤、T4ジーン
32プロテイン、牛血清アルブミン等の蛋白質を添加し
てもよい。
【0015】プライマーとしては、塩基結合酵素連鎖反
応にPCR反応を用いる場合は、不完全なテロメリック
反復配列(5’−CCCTTA−3’)と完全なテロメ
リック反復配列(5’−CCCTAA−3’)から構成
されるものが用いられ、3個の不完全なテロメリック反
復配列と1個の完全なテロメリック反復配列から構成さ
れる蛍光標識化CXリバースプライマー(5’−CCC
TTACCCTTACCCTTACCCTAA−3’)
を用いることが好ましい。また、塩基結合酵素連鎖反応
にリガーゼ連鎖(LCR)反応を用いる場合は、Cリッ
チテロメリック配列(5’−CTAACC−3’)から
構成されるものが用いられ、蛍光標識化ACTプライマ
ー(5’−GCGCGGCTAACCCTAACCCT
AACC−3’)を用いることが好ましい。
【0016】該プライマーまたは本明細書に記載された
以下のオリゴヌクレオチド・プライマー等は、DNA自
動合成機等を用いる常法により得ることができる。蛍光
標識化CXリバースプライマーまたは蛍光標識化ACT
プライマーとは、蛍光標識を結合したCXリバースプラ
イマーまたはACTプライマーを意味する。蛍光標識を
結合したCXリバースプライマーまたはACTプライマ
ーはCXリバースプライマーまたはACTプライマー
に、蛍光ホスフォアミダイト(クローンテック社製)等
の蛍光試薬を結合させることにより得ることができる
(牧野ら、PCR方法と応用、1992年、コールドス
プリングハーバーラボラトリー刊)。
【0017】耐熱性(Taq)塩基結合酵素は、塩基結
合酵素連鎖反応にPCR反応を用いる場合はTaq D
NAポリメラーゼ(E.C.2.7.7.7)を表し、
LCR反応を用いる場合はTaq DNAリガーゼ
(E.C.6.5.1.1)を表す。塩基結合酵素連鎖
反応としては、PCR反応またはLCR反応が挙げら
れ、該反応のいずれかひとつを選択することにより、耐
熱性塩基結合酵素およびプライマーが上記のように決定
される。
【0018】より具体的には、テロメラーゼ基質延長反
応生成物とプライマーとを、TaqDNAポリメラーゼ
を用いて増幅させるPCR反応に付する場合(サイキ
ら、サイエンス、239巻、487頁、1988年;キ
ムら、サイエンス、266巻、2011頁、1994
年)、またはテロメラーゼ基質延長反応生成物とプライ
マーとを、Taq DNAリガーゼを用いて増幅させる
LCR反応に付する場合(バラニーら、プロシーデング
オブ ナショナルアカデミー オブ サイエンス A
87巻、1874頁、1987)が挙げられる。上記の
ように耐熱性塩基結合酵素およびプライマーが適当に組
み合わされることにより塩基連結酵素連鎖反応が開始さ
れるが、該反応を行うには、市販の自動PCRシステム
(商品名サーマルサイクラー、パーキンエルマー社製)
等を用いることが好ましい。
【0019】塩基連結酵素連鎖反応終了後、遠心分離を
行い得られた細胞を上記の緩衝液で洗浄する。得られた
細胞をフローサイトメトリーに用いられるよう、常法に
より再び緩衝液中に浮遊させる(細谷ら、蛋白質、核酸
酵素39巻、1888−1898頁、1994年)。得
られたサンプルをフルオロサイトメーターに注入するこ
とにより、細胞中の蛍光強度をフルオロサイトメトリー
により検出することができる。この際、得られた試料の
総蛍光強度を求めれば、試料中のテロメラーゼ活性を定
量することができる。また、ソーターを用いて試料中の
細胞を分離した場合は、各細胞群におけるテロメラーゼ
活性を定量することができる。さらに、試料中の細胞の
大きさ、蛍光強度等を事象としてヒストグラムを作成す
ることにより、テロメラーゼ陽性細胞の検出および総細
胞数に対する陽性細胞の比率を確認することができる。
【0020】フローサイトメトリーを用いて検出すると
は、例えば、細胞中に存在するPCR反応により増幅さ
れた蛍光標識した塩基連結酵素連鎖反応の産物に、励起
波長488nmのレーザー光を照射し、1度に細胞1個
づつ通過する度に5個の光学検出器を用いて5種類のパ
ラメーターを測定し、蛍光標識された細胞を検出するこ
とを示す。5種類のパラメーターとは、前方散乱光(F
SC:フォワードスキャター)、側方散乱光(SSC:
サイドスキャター)、そして3種類の蛍光(FL:フル
オレッセンス)である。該反応により増幅された蛍光標
識プライマーは、レーザー光に対して垂直方向で検出さ
れる(矢田純一、藤原道夫編:リンパ球機能検索法、中
外医学社、1994年、15〜53頁)。該反応の検出
を行うには、市販のフローサイトメーター等を用いるこ
とが好ましい。〔MedicalTechnology
22 965−974(1994)〕。なお、フロー
サイトメトリーにおけるレーザー光の波長等の条件は、
プライマー等にラベルされる蛍光試薬の種類によって変
化させることもできる。
【0021】以下に、本発明方法の詳細について説明す
る。生体から採取した検体から常法により遠心分離法等
を用いて細胞を採取する。検体は組織から細切後に分離
した細胞でも可能である。得られた細胞を細胞培養液
(RPMI 1640等)あるいは燐酸緩衝液等で洗浄
した後、ミクロチューブに回収し、遠心により上清を除
く。1〜100mMのトリス塩酸緩衝液(pH=6〜
9)に1〜1000pmol好ましくは5〜200pm
ol、とりわけ好ましくは10pmolの蛍光標識化T
Sプライマー(5’−AATCCGTCGAGCAGA
GTT−3’)、1〜300mMのデオキシヌクレオシ
ドトリフォスフェーツおよび0.1〜20ユニットのT
aq DNAポリメラーゼを含有させミクロチューブ内
の試料に添加し、細胞を懸濁する。10〜50℃、好ま
しくは20〜40℃、とりわけ好ましくは22℃で、1
0分〜1時間、好ましくは30分、暗箱中でインキュベ
ートする。
【0022】TSプライマー延長反応が終了した後、1
〜300pmol、好ましくは50〜200pmol、
とりわけ好ましくは10pmolの蛍光標識化CXリバ
ースプライマー(5’−CCCTTACCCTTACC
CTTACCCTAA−3’)を添加する。これにより
PCR反応が開始されるが、PCR反応の熱反応サイク
ルは、例えば90〜100℃の温度で1〜120秒間、
40〜60℃の温度で1〜120秒間、60〜80℃の
温度で1〜240秒間のサイクルを1〜50回行えばよ
い。PCR反応を行うため、上記のサーマルサイクラー
等を用いることが好ましい。
【0023】PCR反応終了後、細胞を燐酸緩衝液で洗
浄した後、再度、燐酸緩衝液に懸濁し、フローサイトメ
ーターを用いて、試料中のテロメラーゼ活性の定量、ソ
ーターで分取した細胞群別のテロメラーゼ活性の定量お
よび試料中のテロメラーゼ陽性細胞の比率を確認するこ
とができる。フローサイトメトリーを用いての陽性細胞
の比率の確認とは、例えば、PCR反応のみを行わなか
った細胞における蛍光発色を陰性として、PCR反応後
の細胞における蛍光発色細胞を陽性として、細胞数の総
和での引き算を行い、蛍光の増加した細胞の比率から陽
性細胞を算出することを示す。
【0024】また、本発明で用いられている、テロメラ
ーゼ基質、プライマー、デオキシヌクレシドトリフォス
フェート、TaqDNAポリメラーゼ、T4ジーン32
プロテイン等の化合物、上記の緩衝液、洗浄液またはそ
れに含まれる上記の各種添加剤を、本発明に用いるミク
ロチューブ等の器具のいずれかを組み合わせることによ
り、テロメラーゼ活性の測定試薬およびテロメラーゼ陽
性細胞の検出試薬が提供される。
【0025】
【実施例】
実施例1 白血病細胞株、K562細胞を採取した。得られた細胞
を4℃のRPMI1640培養液で洗浄した後、4℃の
状態で遠心機を用いて回収し、ミクロチューブに細胞を
移した。25μlの20mMのトリス塩酸緩衝液(pH
6〜9)[塩化マグネシウム1.5mM、塩化カリウム
63mM、ツイン20(商品名)0.05%、EGTA
1μM、T4ジーン32プロテイン1μg/ml(ベー
リンガーマンハイム社製)、牛血清アルブミン(0.1
mg/ml)含有]に、10pmolの蛍光標識化TS
プライマー(5’−AATCCGTCGAGCAGAG
TT−3’)[ファルマバイオテック社製〕、50mM
のデオキシヌクレオシドトリフォスフェーツおよび2ユ
ニットのTaq DNAポリメラーゼを含有させ、ミク
ロチューブ内の試料に添加した。ミクロチューブを22
℃で、30分間暗箱中でインキュベートした。
【0026】TSプライマー延長反応が終了した後、T
Sプライマーの不活性化を目的として、90℃の温度
で、1.5分間処理した。その後、25μlの10pm
olの蛍光標識化CXリバースプライマー(5’−CC
CTTACCCTTACCCTTACCCTAA−
3’)をミクロチューブ内の試料に添加した。これによ
り、PCR反応が開始されるが、PCRは上記のサーマ
ルサイクラー中で行った。熱サイクルは94℃の温度で
30秒間、50℃の温度で30秒間、72℃の温度で9
0秒間のサイクルを30回行った。PCR反応終了後、
ミクロチューブ内の試料を燐酸緩衝液(pH=6.4)
で2回洗浄した後、100μlの燐酸緩衝液に浮遊し
た。蛍光標識した細胞をフローサイトメトリーを用い
て、試料中のテロメラーゼ陽性細胞の比率を確認した。
フローサイトメトリーの検討にはPCR反応細胞を1
0,000個を用い、各々の細胞の蛍光強度を横軸に、
細胞の大きさを縦軸に検出できるようにフローサイトメ
トリーを設定した(図1A)。
【0027】フローサイトメトリーで計測した細胞の大
きさおよび蛍光強度をゲートし(図1Aの枠内)、フロ
ーサイトメトリーに付属するコンピューターを用いて、
個々の細胞の蛍光強度を積算し、横軸に蛍光強度、縦軸
に細胞数を表わすように設定した(図1D)。同様に、
PCR反応のみを行わなかった細胞における蛍光強度と
細胞数を計測し(図2−D)、テロメラーゼ陽性細胞の
検出は蛍光プライマーを用いてPCR反応を行った細胞
と(図1D)、PCR反応のみを行わなかった細胞にお
ける蛍光標識細胞(図2−D)との差を求め(図3)、
その差を蛍光の増強していた細胞に由来する増強率と
し、これをテロメラーゼ陽性細胞率として算出した。
【0028】フローサイトメトリーで確認したK562
細胞由来の蛍光シグナルがテロメラーゼ活性に依存する
ものであるか否かを確認するため、蛍光標識プライマー
による伸長反応およびPCR反応後の同検体をスライド
ガラスに固着させ、蛍光顕微鏡で観察した。なお、蛍光
顕微鏡で観察するとは、G−フィルターを用いて蛍光標
識した細胞が該反応により破壊されていないかどうかを
形態学的に確認することを指す。PCR反応のみを施さ
なかったサンプル(図2−D)、および蛍光標識プライ
マーのみを添加しないサンプルにおいては蛍光の減弱を
認めたことから、蛍光ピークが細胞内のテロメラーゼに
より合成されたPCR産物に由来することが裏付けられ
た。上記の方法により、テロメラーゼ陽性細胞を、PC
R反応のみを行わなかった細胞における蛍光標識細胞と
の差(図3)を求め、蛍光の増強していた細胞を陽性細
胞としてコンピューターにより計算したところ陽性率は
39.3%であった。
【0029】実施例2 同様の方法を用いて、各種の細胞におけるテロメラーゼ
陽性細胞をフローサイトメトリーを用いて算出した。結
果を表1に示す。
【表1】 細胞の由来 テロメラーゼ陽性細胞 正常人末梢血単核球細胞 4.29% PHA−刺激正常人単核球細胞 64.52% 白血病細胞株 HEL 67.02% ML−1 65.18% U937 54.74% HAL−01 65.63% TALL2 27.00% HL60 97.19%
【0030】表1によれば、これらの細胞を用いた従来
のテロメラーゼ活性測定法でも正常人単核球細胞ではテ
ロメラーゼ活性は0.8と低く、一方白血病細胞株では
高いテロメラーゼ活性が見られることを確認した(大屋
敷一馬ほか、インターナショナル ジャーナル オブ
オンコロジー、1996年、8巻、417頁)。このこ
とより、PCR法により増強している蛍光はテロメラー
ゼ活性に由来するものであることが判明した。以上、本
願のフローサイトメトリーを用いた細胞内テロメラーゼ
測定方法により、細胞等のテロメラーゼ活性が定量的に
かつ簡単に測定でき、テロメラーゼ活性陽性細胞の比率
が測定できることが確認された。
【0031】
【発明の効果】本発明により、臨床診断上重要なテロメ
ラーゼ陽性細胞の測定に有用な測定方法および試薬が提
供される。本発明は臨床医学上多用される癌の細胞診断
に適用可能であり、フローサイトメトリーを用いること
により簡便にテロメラーゼ陽性細胞の比率を計測する方
法であるため、臨床検査、病理検査等に活用される。
【0032】
【配列表】
【0033】配列番号:1 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 配列:GTTAGGGTTA GGGTTAGG
【0034】配列番号:2 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 配列:TTAGGGTTAG GGTTAGGG
【0035】配列番号:3 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 配列:AATCCGTCGA GCAGAGTT
【0036】配列番号:4 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 配列:CCCTTACCCT TACCCTTACC
CTAA
【0037】配列番号:5 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 配列:GCGCGGCTAA CCCTAACCCT
AACC
【図面の簡単な説明】
【図1】 K562細胞におけるPCR反応後の蛍光強
度を示す図面。Aは10,000細胞当たりの大きさ
(縦軸)と蛍光強度(横軸)の関係を表す図面。BはA
のゲーティング後の細胞の大きさ(縦軸)と蛍光強度
(横軸)の関係を表す図面。Cは蛍光強度(横軸)と細
胞数(縦軸)の関係を表す図面。Dは細胞の大きさ(横
軸)と細胞数(縦軸)の関係を表す図面。
【図2】 K562細胞におけるPCR反応を行わなか
ったときの蛍光強度を示す図面。Aは10,000細胞
当たりの大きさ(縦軸)と蛍光強度(横軸)の関係を表
す図面。BはAのゲーティング後の細胞の大きさ(縦
軸)と蛍光強度(横軸)の関係を表す図面。Cは蛍光強
度(横軸)と細胞数(縦軸)の関係を表す図面。Dは細
胞の大きさ(横軸)と細胞数(縦軸)の関係を表す図
面。
【図3】 K562細胞におけるPCR反応前後の蛍光
増強の変化を示す図面。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】フローサイトメトリーで計測した細胞の大
きさおよび蛍光強度をゲートし(図1Aの枠内)、フロ
ーサイトメトリーに付属するコンピューターを用いて、
個々の細胞の蛍光強度を積算し、横軸に蛍光強度、縦軸
に細胞数を表わすように設定した(図1)。同様に、P
CR反応のみを行わなかった細胞における蛍光強度と細
胞数を計測し(図2)、テロメラーゼ陽性細胞の検出は
蛍光プライマーを用いてPCR反応を行った細胞と(図
1)、PCR反応のみを行わなかった細胞における蛍光
標識細胞(図2)との差を求め(図3)、その差を蛍光
の増強していた細胞に由来する増強率とし、これをテロ
メラーゼ陽性細胞率として算出した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】フローサイトメトリーで確認したK562
細胞由来の蛍光シグナルがテロメラーゼ活性に依存する
ものであるか否かを確認するため、蛍光標識プライマー
による伸長反応およびPCR反応後の同検体をスライド
ガラスに固着させ、蛍光顕微鏡で観察した。なお、蛍光
顕微鏡で観察するとは、G−フィルターを用いて蛍光標
識した細胞が該反応により破壊されていないかどうかを
形態学的に確認することを指す。PCR反応のみを施さ
なかったサンプル(図2)、および蛍光標識プライマー
のみを添加しないサンプルにおいては蛍光の減弱を認め
たことから、蛍光ピークが細胞内のテロメラーゼにより
合成されたPCR産物に由来することが裏付けられた。
上記の方法により、テロメラーゼ陽性細胞を、PCR反
応のみを行わなかった細胞における蛍光標識細胞との差
(図3)を求め、蛍光の増強していた細胞を陽性細胞と
してコンピューターにより計算したところ陽性率は3
9.3%であった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】表1に用いた細胞を従来のテロメラーゼ活
性測定法で測定すると正常人単核球細胞ではテロメラー
ゼ活性は0.8と低く、一方白血病細胞株では高いテロ
メラーゼ活性が見られることが確認されている(大屋敷
一馬ほか、インターナショナル ジャーナル オブ オ
ンコロジー、1996年、8巻、417頁)。表1のテ
ロメラーゼ陽性細胞の結果もほぼこれに準じているの
で、PCR法により増強している蛍光はテロメラーゼ活
性に由来するものであることが判明した。以上、本願の
フローサイトメトリーを用いた細胞内テロメラーゼ測定
方法により、細胞等のテロメラーゼ活性が定量的にかつ
簡単に測定でき、テロメラーゼ活性陽性細胞の比率が測
定できることが確認された。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)細胞内でテロメラーゼによるテロ
    メラーゼ基質の延長反応を行う工程、(2)得られた延
    長反応生成物を細胞内で塩基結合連鎖反応に付す工程、
    および(3)フローサイトメトリーを用いて細胞中の反
    応生成物の蛍光を定量することを特徴とするテロメラー
    ゼ活性の測定方法。
  2. 【請求項2】 (1)細胞内でテロメラーゼによるテロ
    メラーゼ基質の延長反応を行う工程、(2)得られた延
    長反応生成物を細胞内で塩基結合連鎖反応に付す工程、
    および(3)フローサイトメトリーを用いて細胞中の反
    応生成物の蛍光を定量することを特徴とするテロメラー
    ゼ陽性細胞の検出方法。
JP8187350A 1996-07-17 1996-07-17 テロメラーゼ活性の測定法 Withdrawn JPH1028600A (ja)

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