JPH10282985A - 聴覚支援装置 - Google Patents

聴覚支援装置

Info

Publication number
JPH10282985A
JPH10282985A JP9087871A JP8787197A JPH10282985A JP H10282985 A JPH10282985 A JP H10282985A JP 9087871 A JP9087871 A JP 9087871A JP 8787197 A JP8787197 A JP 8787197A JP H10282985 A JPH10282985 A JP H10282985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
data
unit
frequency
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9087871A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Oka
実 岡
Jintaro Deki
仁太郎 出来
Shigeru Hitomi
繁 人見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP9087871A priority Critical patent/JPH10282985A/ja
Publication of JPH10282985A publication Critical patent/JPH10282985A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 日常生活で一般的に聞こえる種々な音の種別
を簡単な構成によりしかも適確に識別できるようにした
聴覚支援装置を提供する。 【解決手段】 周囲の音を音データとして入力部(1
0)で取り込み、この取り込んだ音データから該音デー
タに対応する音の周波数の特徴を変換処理部(30)で
抽出し、この抽出した周波数の特徴を識別処理部(6
0)で予め設定した既知の音の周波数の特徴と比較する
ことによりこの取り込んだ音データに対応する音の種別
を識別し、これを出力部(80)から使用者に報知す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、耳が不自由な人
等に対する聴覚支援を行う聴覚支援装置に関し、特に、
日常生活で一般的に聞こえる「音」(非言語)の種類を
識別し、その音が何の音なのかを使用者に知らせること
により聴覚支援を行う聴覚支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、日常生活の中には様々な音が氾
濫しており、これらの音の種類を適確に識別できない
と、非常に困ることもあり、場合によっては非常に危険
なことがある。
【0003】例えば、電話が鳴ったのに、耳が不自由な
ためにこの音に気が付かなかったり、また周囲の騒音で
これを識別できなかったりすると、この電話には応答で
きないので、場合によっては貴重な通話の機会を逸する
ことがある。
【0004】また、例えば、自動車が通行者に危険を知
らせるためにクラクションを鳴らしたが、通行者が耳が
不自由なためにこれに気が付かないと、重大な事故に繋
がる虞もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
音を完全に認識するのはかなり難しく、そのための装置
は非常に高価になり、生活の中で気軽につかえるものに
はなり得なかった。
【0006】そこで、この発明は、日常生活で一般的に
聞こえる種々な音の種別を簡単な構成によりしかも適確
に識別できるようにした聴覚支援装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、周囲の音を音データとして取り
込む音取込手段と、上記音取込手段で取り込んだ音デー
タから該音データに対応する音の周波数の特徴を抽出す
る特徴抽出手段と、上記特徴抽出手段で抽出した周波数
の特徴を予め設定した既知の音の周波数の特徴と比較す
ることにより上記音取込手段で取り込んだ音データに対
応する音の種別を識別する音識別手段と、上記音識別手
段で識別した音の種別を報知する報知手段と、を具備す
ることを特徴とする。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、上記音取込手段は、上記周囲の音のレベルが
予め設定した所定のレベルを越えた場合に該周囲の音を
音データとして取り込むことを特徴とする。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項2の発明
において、上記所定のレベルは、上記周囲の音の状態に
合わせて可変設定されることを特徴とする。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項1の発明
において、上記音取込手段は、取り込んだ音データに対
応する音の方向を検出する音方向検出手段を有し、上記
報知手段は、上記識別した音の種別とともに上記音方向
検出手段で検出した音の方向を報知することを特徴とす
る。
【0011】また、請求項5の発明は、請求項4の発明
において、上記音方向検出手段は、それぞれ異なる方向
からの音を検出する複数のマイクロフォンと、上記複数
のマイクロフォンの上記音のそれぞれの検出音のレベル
を比較することにより該音の方向を推定する音方向推定
手段と、を具備することを特徴とする。
【0012】また、請求項6の発明は、請求項1の発明
において、上記特徴抽出手段は、上記音取込手段で取り
込んだ音データを周波数軸データに変換する変換手段、
を具備し、上記音識別手段は、上記変換手段で変換され
た周波数軸データに対応する周波数パターンを予め設定
した既知の音に対応する周波数パターンと比較すること
により上記音取込手段で取り込んだ音データに対応する
音の種別を識別することを特徴とする。
【0013】また、請求項7の発明は、請求項6の発明
において、上記変換手段は、上記音取込手段で取り込ん
だ時間軸データを周波数軸データに変換する高速フーリ
エ変換手段を具備することを特徴とする。
【0014】また、請求項8の発明は、請求項6の発明
において、上記変換手段は、上記音データを予め設定さ
れた時間単位で分割する音データ分割手段を具備し、上
記音データ分割手段で分割された音データ単位で上記音
データの上記周波数軸データへの変換を行うことを特徴
とする。
【0015】また、請求項9の発明は、請求項1の発明
において、上記音取込手段は、周囲の音を入力するマイ
クロフォンと、上記マイクロフォンで検出された音を上
記音データに変換する音データ変換手段と、を具備し、
上記マイクロフォンは、上記音データ変換手段および上
記特徴抽出手段および上記音識別手段および上記報知手
段を含む部分から分離可能に構成されることを特徴とす
る。
【0016】また、請求項10の発明は、請求項1の発
明において、上記報知手段は、上記音取込手段および上
記特徴抽出手段および上記音識別手段および上記報知手
段を含む部分と通信手段を介して接続されることを特徴
とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】図1は、この発明に係わる聴覚支援装置の
一実施の形態を概略ブロック図で示したものである。
【0019】図1において、この聴覚支援装置は、入力
部10で感知した周囲の音の種別を識別してその識別結
果を出力部80から出力することにより該聴覚支援装置
の利用者に周囲で発生している音が何の音なのかを知ら
せるものである。
【0020】入力部10は、例えばマイクロフォンから
構成され、周囲で発生した音を取り込む。ここで、後に
行われるこの取り込んだ音の識別を容易にするために、
周囲で発生した音の入力レベルが予め設定した所定のレ
ベルを越えた場合のみこの周囲で発生した音を取り込む
ように構成することができる。この入力部10で取り込
まれた周囲の音に対応するアナログ信号は、音データ処
理部20に渡される。
【0021】音データ処理部20では、入力部10から
渡された周囲の音に対応するアナログ信号をディジタル
データに変換する。この音データ処理部20における処
理は連続的に行われ、入力部10から入力された音に対
応するアナログ信号は全てデジタルデータに変換され
る。
【0022】音データ処理部20でデジタルデータに変
換された音データは、ある一定の長さに区切られて、変
換処理部30に伝えられる。この音データ処理部20で
デジタルデータに変換された音データは、時間軸に従っ
て変化する時間軸データである。
【0023】変換処理部30では、音データ処理部20
から受け取ったこの時間軸データを周波数軸データに変
換する。この時間軸データから周波数軸データへの変換
には、高速フーリエ変換(以下、FFTという)を適用
することができる。
【0024】この変換処理部30における時間軸データ
から周波数軸データへの変換の様子を示すと図2のよう
になる。
【0025】すなわち、図2において、左側の図の波形
31は、入力部10から入力された音に対応する時間軸
に関して変化する音データの一例を示す。この音データ
31は、変換処理部30における処理により、その周波
数成分が解析され、右側の図のように、その周波数成分
のスペクトルパターン32に変換される。
【0026】この変換処理部30で変換された入力音に
対応するスペクトルパターン32は記憶部40に一時記
憶される。
【0027】ところで、記憶部50には、予め周囲で発
生されることが予測され、識別の必要性のある複数の既
知の音のスペクトルパターンに対応する比較パターンが
登録されている。
【0028】識別処理部60では、上記変換処理部30
の処理により記憶部40に一時記憶された周囲から検知
した音に対応するスペクトルパターンと記憶部50に予
め登録されている上記複数の比較パターンとを比較し、
そのパターンマッチングから、周囲から検知した音の種
別を識別する。
【0029】この識別処理部60におけるパターンマッ
チングの手法を図で示すと、図3のようになる。
【0030】図3において、入力データは上記記憶部4
0に一時記憶された周囲から検知した入力音に対応する
スペクトルパターン32である。識別処理部60では、
上記入力音に対応するスペクトルパターン32と上記記
憶部50に予め登録されている既知の音のスペクトルパ
ターンに対応する比較パターン51とを比較し、その比
較波形61から、その一致を判断することにより、入力
音の種別を識別する。
【0031】この識別処理部60における識別結果は伝
達部70に通知され、伝達部70はこの識別処理部60
からの識別結果を可視的に表示または機械的振動で報知
することにより、この装置の利用者に知らせる。
【0032】ところで、上記音データ処理部20では、
上述したように一定間隔に音データを分割しているが、
ここで、音データの分割は、音識別の即時性を持たせる
ために、比較的短い区間、例えば1秒以内に分割するの
が好ましい。
【0033】また、上記音データ処理部20で分割した
区間の最大音圧があるレベル以下の場合若しくは最小音
圧があるレベル以上の場合には、その分割した音データ
を変換処理部30に通知しないようにすることができ
る。この構成により変換処理部30の負荷を軽減するこ
とができる。
【0034】変換処理部30における処理は、入力され
た音の特微量を抽出するものである。具体的にはFFT
を行い、時間軸のデータを周波数軸のデータに変換し、
次に、この変換された区間データをその区間の最大値で
正規化する。
【0035】ここで、ある一定値以下の値を全て“0”
とすることも可能である。これによって、その音に特徴
的な周波数成分が強調される。
【0036】識別処理部60では、記憶部50に登録さ
れている比較パターンと記憶部40に一時記憶されてい
る入力音に対応する音データのスペクトルパターンとを
比較する。
【0037】ここで、入力された音データは周波数、音
圧ともにある範囲を持って入力されているので、記憶部
50に登録されている比較パターンと厳密な比較をする
と一致する入力データが無くなってしまうことが考えら
れる。
【0038】そこで、この実施の形態の聴覚支援装置に
おいては、記憶部50に登録される比較パターンを周波
数方向にある程度の幅を持たせ、入力データとの比較時
には音圧の比較だけを行うようにする。
【0039】また、このときに、音のある方向にもある
程度の誤差を認める。これによって、認識率の向上をは
かることができる。
【0040】識別処理部60における比較において、上
述したように、入力データはある幅を持っている。ま
た、連続して全く同じデータが届くことも無いとも考え
られる。 そこで、識別処理部60において、比較パタ
ーンとの比較を行う際には、そのパターンであるか否か
の判断のために以下のようなアルゴリズムを用いる。
【0041】すなわち、まず、比較パターンを作成す
る。この比較パターンは、特徴となる周波数帯(特徴周
波数帯と呼ぶことにする)以外は全て“0”としてお
く。また、特徴周波数帯にはある幅と高さを持たせてお
く。
【0042】そして、比較時には入力データが全ての特
徴周波数帯の一部または全部を含んでいることを必要条
件とする。
【0043】さらに、特徴周波数帯の一部のみを含む場
合にはどの程度含んでいるかを判断する。
【0044】ところで、特徴周波数帯は周波数方向にあ
る幅を持っているので、ある面積を持っている。そこ
で、入力データとの比較時には入力データの特徴周波数
帯と同じ周波数帯のデータの面積を比較し、どの程度一
致しているかをみる。
【0045】全ての特徴周波数帯で、ある割合以上の面
積が有ればその入力データは比較パターンの音であると
する。
【0046】図4は、識別処理部60における比較にお
いて、入力データが比較パターンに一致すると判断され
る場合の一例を示したものである。
【0047】図4に示す場合、入力データは比較パター
ンの特徴周波数帯を全て含んでいる。
【0048】また、各特徴周波数帯ごとの面積とその特
徴周波数帯に含まれる入力データの面積を特徴周波数帯
毎に算出し、あらかじめ決めた値以上で有ればこの入力
データは比較パターンの音であるとする。
【0049】例えば、特徴周波数帯における比較パター
ンの面積と入力データの面積の比が10:3以上であれ
ば一致したとする。この比較は、特徴周波数帯毎に行わ
れそれぞれの面積比が一定以上であることにより一致判
断が行われる。
【0050】図5は、識別処理部60における比較にお
いて、入力データが比較パターンに一致しないと判断さ
れる場合の一例を示したものである。
【0051】図5において、入力データには、比較パタ
ーンの特徴周波数帯と一致しないものが含まれている。
この場合、入力データは比較パターンと一致しない(N
G)と判断される。
【0052】なお、上記判断手法を単純化することも可
能である。すなわち、上記手法では面積という2次元の
情報を用いるが、周波数軸への投影の長さのみで判断す
ることも可能である。この場合は投影した長さの比で判
断する。
【0053】また、この実施の形態の聴覚支援装置にお
いては、比較パターンを複数持つことで複数の音の識別
も可能になる。すなわち、比較パターンを複数持つこと
で、複数の音を識別することができ、かつ、一つの入力
データを複数の比較パターンで比較することによって同
時に複数の音を識別することが可能となる。
【0054】図6は、上記複数の比較パターンを用いた
比較の様子を示したものである。図6においては、入力
データを2つの比較パターン、すなわち、比較パターン
1および比較パターン2とそれぞれ比較する。
【0055】そして、入力データが、比較パターン1と
一致すれば、入力データには比較パターン1に対応する
音が含まれていると判断し、入力データが、比較パター
ン2と一致すれば、入力データには比較パターン2に対
応する音が含まれていると判断する。
【0056】なお、一般の生活の中で発生する音には上
記したような単純な手法のみで認識が可能なものも多
い。
【0057】しかし、生活の中で発生する音の中で、例
えば、単一の周波数成分しか持たないものまたは複数の
周波数が繰り返されることに特徴があるものに対しては
上述した手法のみでは識別率を上げることが難しい。
【0058】なぜなら、単一の音に対する比較パターン
は一つの特徴周波数帯しか持たず、その周波数を持つ別
の音に対しても 一致 という判断をするからである。
【0059】また、電話のベルや救急車のようにある周
波数の繰り返しにその特徴があるものはある瞬間の音が
比較パターンと一致したからといって、それが必ずその
音の特徴を見つけたことにはならない。
【0060】そこで、上記のような音の識別に際して
は、上記の識別結果を時系列に並べることによって複雑
な音の識別を可能にする。
【0061】すなわち、関連する比較パターンを一つの
グループとしてまとめておく。各グループにはおのおの
グループ比較パターンがあり、定期的にグループ比較パ
ターンと識別結果パターンを比べる。
【0062】ここで、この場合、入力データは一定周期
で識別処理部に入力されるので、その結果をそのグルー
プ毎に時系列に(識別した順に)並べていく。このとき
一致するものが無ければ なし も含めて並べていく。
識別結果を並べる数はグループ毎に識別可能な数だけ並
べる。また、この識別結果のデータ列は、例えば、先入
れ先出し(FIFO)とすることで常に最新のデータで
比較するとともに必要な記憶領域を最小にすることがで
きる。
【0063】また、グループ比較パターンの例として各
パターンの割合を記述しておく。すなわち 電話のベ
ル:パターン1:無音―1:2、記録時間3秒 救急
車:パターン3:パターン4―1:1、記録時間4秒
などである。
【0064】ここでも、比率や時間を厳密に判断するの
ではなく、ある程度の誤差を認める。例えば、電話のベ
ル:パターン1:無音―1:1.8〜2.2、記録時間
3秒、電話のベル:パターン1―0.8〜1.2秒、無
音―1.8〜2.2秒 などである。
【0065】また、一つのパターンが連続する特徴のあ
る場合は、比率を パターン5:100%、記録時間4
秒 とすればよい。この手法を採用することによって、
単一の周波数しか持たない音についても識別することが
可能になる。
【0066】次に、図7乃至図10に示すフローチャー
トを参照して上記実施の形態の聴覚支援装置の詳細動作
を更に説明する。
【0067】図7は、図1に示した入力部10および音
データ処理部20の動作を示したものである。
【0068】図7において、まず、入力部10から入力
された周囲の音に対応するアナログ信号をディジタルデ
ータに変換するアナログ/ディジタル変換(A/D変
換)が行われる(ステップ101)。
【0069】そして、上記ステップ101で変換された
ディジタルデータは所定のデータサイズを決めてバッフ
ァリングが行われ(ステップ102)、その後、バンド
パスフィルタまたはローパスフィルタを用いたフィルタ
処理が行われる(ステップ103)。
【0070】次に、上記フィルタ処理がなされたディジ
タルデータのレベルチェックが行われ(ステップ10
4)、ここで、例えば、上記ディジタルデータの最大音
圧があるレベルを越えており、かつ最小音圧があるレベ
ルに満たない場合は、音識別の条件が成立するとして
(ステップ104でOK)、上記フィルタ処理がなされ
たディジタルデータを変換処理部30へ通知して(ステ
ップ105)、この図7に示したフローチャートの処理
を終了する。
【0071】しかし、ステップ104で、上記ディジタ
ルデータの最大音圧があるレベル以下の場合若しくは最
小音圧があるレベル以上の場合には、音識別の条件が成
立していないとして(ステップ104でNG)、次の通
知を待つ(ステップ106)。
【0072】図8は、図1に示した変換処理部30の動
作を示したものである。
【0073】図8において、変換処理部30は、音デー
タ処理部20から時間軸データであるディジタルデータ
(音データ)の通知を受けると、この時間軸データを周
波数軸データに変換する高速フーリエ変換(FFT)を
行う(ステップ301)。
【0074】そして、この高速フーリエ変換(FFT)
により変換された周波数軸データ(FFT結果)を正規
化し(ステップ302)、この正規化した結果を記憶部
40に格納し(ステップ303)、その後、識別処理部
60に対する通知を行い(ステップ304)、この図8
に示したフローチャートの処理を終了する。
【0075】図9は、図1に示した識別処理部60の動
作を示したものである。
【0076】図9において、変換処理部30から入力音
に対応する正規化した周波数軸データ(スペクトルパタ
ーン)を記憶部40に格納した旨の通知を受けると、ま
ず、図1に示した記憶部50からデータ(比較パター
ン)を読み出す処理を行う(ステップ601)。そし
て、記憶部40に格納したスペクトルパターンと記憶部
50から読み出した比較パターンとのパターンマッチン
グを計算する計算処理を実行する(ステップ602)。
【0077】次に、上記ステップ602の計算処理によ
り記憶部40に格納したスペクトルパターンと記憶部5
0から読み出した比較パターンとが一致したか否かの判
断がおこなわれ(ステップ603)、ここで一致したと
判断されると(ステップ603でOK)、この一致した
パターンを出力し(ステップ604)、次に、記憶部5
0に登録されている全パターンと比較したかが調べられ
(ステップ605)、全パターンと比較していないと判
断されると(ステップ605でNO)、ステップ602
に戻り、全パターンと比較したと判断されると(ステッ
プ605でYES)、この図9に示すフローチャートの
処理を終了する。
【0078】また、ステップ603で、記憶部40に格
納したスペクトルパターンと記憶部50から読み出した
比較パターンとが一致しないと判断された場合は(ステ
ップ603でNG)、ステップ605に進み、記憶部5
0に登録されている全パターンと比較したかを調べ、こ
こで、全パターンと比較していないと判断されると(ス
テップ605でNO)、ステップ602に戻り、全パタ
ーンと比較したと判断されると(ステップ605でYE
S)、この図9に示すフローチャートの処理を終了す
る。
【0079】図10は、図9に示したステップ602の
一致判断を行うための計算処理の詳細を示したものであ
る。
【0080】図10において、まず、図示しない入力パ
ターンカウンタおよび比較パターンカウンタを初期化し
(ステップ611)、続いて入力パターンデータポイン
タおよび比較パターンデータポインタを初期化する(ス
テップ612)。
【0081】次に、比較パターンの1要素を読み出し
(ステップ613)、この読み出した要素が 0 かを
調べる(ステップ614)。
【0082】ここで、読み出した要素が 0 でない場
合は(ステップ614でNO)、比較パターンカウンタ
に上記読み出した要素を加算する(ステップ615)。
【0083】次に、入力パターンの1要素を読み出し
(ステップ616)、入力パターンカウンタにこの読み
出した要素を加算する(ステップ617)。
【0084】そして、入力パターンデータポインタおよ
び比較データポインタを更新し(ステップ618)、次
データありかを調べる(ステップ619)。
【0085】ここで、次データがある場合は、ステップ
613に戻り、ない場合はステップ623に進む。
【0086】また、ステップ614で、読み出した要素
が 0 であると判断された場合は(ステップ614で
YES)、その前の比較データも 0 であったかが調
べられる(ステップ622)。
【0087】ここで、その前の比較データも 0 であ
ったと判断されると(ステップ622でYES)、次
に、次データがあるかが調べられ(ステップ621)、
次データがある場合は、入力パターンデータポインタお
よび比較パターンデータポインタを更新して(ステップ
620)、ステップ613に戻るが、次データがない場
合は、一致としてこの計算処理を終了する。
【0088】また、その前の比較データが 0 でなか
ったと判断された場合は(ステップ622でNO)、ス
テップ623に進む。
【0089】ステップ623では、入力パターンカウン
タ÷比較パターンカウンタの演算を行い、次に、その演
算結果が誤差範囲内かが調べられる(ステップ62
4)。
【0090】ここで、上記演算結果が誤差範囲内でない
と判断されると(ステップ624でNG)、不一致であ
るとしてこの計算処理を終了する。
【0091】また、ステップ624で、上記演算結果が
誤差範囲内であると判断されると(ステップ624でO
K)、入力パターンカウンタおよび比較パターンカウン
タを初期化し(ステップ625)、次に、次データあり
か否かが調べられる(ステップ626)。
【0092】ここで、次データがある場合はステップ6
20に戻るが、次データがない場合は、一致としてこの
計算処理を終了する。
【0093】次に、この実施の形態の聴覚支援装置の外
観の構成例について説明する。
【0094】この実施の形態の聴覚支援装置は、例え
ば、耳の不自由な人が常に携帯して利用する利用形態が
考えられるので、そのためにできるだけ小型軽量に構成
する必要がある。
【0095】図11は、このような利用形態を考えて構
成されたもので、この図11に示す構成においては、図
1に示した全ての構成が1つの筐体内に納められる。こ
こで図11に示すマイクロフォン11は、図1に示した
入力部10に相当し、文字表示部81は図1に示した出
力部80に相当する。なお、図1に示した他の構成、す
なわち、音データ処理部20、変換処理部30、記憶部
40、記憶部50、識別処理部60、伝達部70は、図
11に示した筐体内に収納される。なお、図11におい
て、設定・操作ボタン91は、この聴覚支援装置に関す
る各種設定および操作を入力するものである。
【0096】図12は、汎用パーソナルコンピュータを
用いてこの聴覚支援装置を構成した場合の構成例を示し
たものである。
【0097】図12において、この構成の聴覚支援装置
は、汎用パーソナルコンピュータに、マイクロフォン1
1で検出した音を入力するための音声入力ボード12を
装着することにより構成される。
【0098】この構成において、マイクロフォン11お
よび音声入力ボード12で図1に示した入力部10を構
成し、図1に示した他の構成、すなわち、音データ処理
部20、変換処理部30、記憶部40、記憶部50、識
別処理部60、伝達部70、出力部80は、図12に示
した汎用パーソナルコンピュータ上のソフトウエアで実
現するように構成したものである。
【0099】図13は、例えば、図11に示すようにマ
イクロフォン内蔵型で構成した場合の具体的ハード構成
例を示したものである。
【0100】図13において、この聴覚支援装置を構成
する筐体200内には、マイクロフォン(マイク)20
1、音声入力インタフェース(音声入力I/f)20
2、ROM203、RAM204、MPU205、表示
コントローラ206、表示部207、I/Oコントロー
ラ208、設定スイッチ209、バイブレータ210、
電池211を内蔵して構成される。
【0101】ここで、MPU205は、各種処理(変換
処理、識別処理、伝達処理)を実行するものである。
【0102】また、ROM203は、MPU205が実
行するプログラムを格納するものである。また、ROM
203がFlashROMなど電気的書き換え可能RO
Mを用いる場合は、このROM203に、識別する比較
元テーブルや各種設定が格納される。
【0103】また、ROM203としてFlashRO
Mなど電気的書き換え可能なROMを用いる場合、RA
M204は、MPU205が処理を実行する際のワーク
領域として使用する。また、マイクロフォン201によ
り入力された音をデイジタル化したデータなどもこのR
AM204に一時的にここに蓄えられる。
【0104】また、表示部207は、液晶ディスプレイ
などから構成され、入力音の識別結果、伝達内容などを
文字・絵などで表示する。
【0105】また、表示コントローラ206は、上記表
示部207を直接的に制御する。
【0106】また、設定スイッチ209は、本装置の各
種設定、伝達結果の消去の際の入力として使用する。
【0107】また、バイブレータ210は、登録されて
いる音が識別された場合に振動を発生させ使用者に知ら
せる。
【0108】また、I/Oコントローラ208は、設定
スイッチ209、バイブレータ210等、周辺の入出力
装置を制御する。
【0109】また、音声入力I/F202は、マイクロ
フォン201からの入力音に対してフィルタリング、デ
ィジタル化などの処理を行う。
【0110】また、電池211は、本装置の各部に動作
のための電力を供給するものである。
【0111】図14は、図13に示した構成において、
マイクロフォン(集音マイク)201を筐体200に対
して外付けにして構成した構成例を示したものである。
この図14の構成において、マイクロフォン(集音マイ
ク)201は、接続コネクタ201aを介して音声入力
I/F202に接続される。その他の構成は図13に示
したものと同様である。
【0112】図15は、音を識別処理する専用LSI2
12を使用して構成した構成例を示したものである。こ
の図15に示す構成においては、専用LSI212が、
変換処理・識別処理など音に関する処理を実行する。
【0113】このような専用LSI212を使用する構
成を採用すると、処理の高速化、MPU205のプログ
ラム負荷削減等ができる。
【0114】また、周辺の制御(I/Oコントロール、
表示コントロール)機能をこの専用LSI212に併せ
て実装して構成することも可能であり、その場合は、M
PU205、I/Oコントローラ208、表示コントロ
ーラ206が不要になるため、さらなる小型化・ローコ
スト化・省電力化が図られ、携帯により適した装置が実
現できる。
【0115】ところで、この発明の聴覚支援装置は、図
11および図13に示したように、コンパクトな大き
さ、電池による駆動で構成され、容易に携帯可能な外形
からなり、基本要素すべてが一つの筐体に納められてい
るので、携帯可能であり、日常生活上の様々な場所で本
装置の補助を受けることができる。また、外出時の車の
クラクションの音などの危険な場所においても使用者で
きる。
【0116】また、図14に示すように、図11および
図13の構成においてマイクロフォンのみ筐体の外付け
として構成すると、筐体をポケット、腰のベルトのあた
りなどに固定した場合においても、マイクだけ外に出し
ておくことができ、これにより効果的に周囲の音を周音
する事ができる。
【0117】また、この発明の聴覚支援装置において
は、あるレベル(音の大きさ、音圧)以上の音が検知さ
れた場合にのみ、装置に音を取り込むように構成される
が、この構成によると、各種小さいレベルの雑音が入力
され、処理されることによる各部の処理負荷を軽減で
き、省電力化にもつながる。
【0118】また、上記音取り込みの閾値を外部から設
定可能として構成することができる。この構成におい
て、閾値は、段階的に設定するように構成することもで
き、また、可変のボリュームで設定できるように構成し
たり、あらかじめ数段階のレベルを定めておき、設定ス
イッチによりそのレベルの内から選択できるようにする
ことができる。
【0119】このような構成によると、不要な音が多く
発生している場所などでの不要な処理動作を低減できる
ため、省電力化につながる。また、使用者が、登録され
ている音の識別レベルを自由に自分の好みにあわせて設
定でき、より使いやすいものにすることができる。
【0120】また、この発明の聴覚支援装置において
は、音データ処理部において、あらかじめ定められた時
間単位に音データを分割する機能を持ち、その分割され
た単位のデータごとに、変換処理を行うように構成さ
れ、これにより処理の簡略化を可能にしている。
【0121】また、上記単位に分割されたデータを元に
比較・識別された結果を時系列に記憶し、その記憶され
た結果列の状態をもって、伝達すべき音の識別結果とす
る。
【0122】この構成によると、長い音の変化パターン
をとらえるのに有効であり、時間変化に特徴を持つ音、
例えば、救急車のサイレン、電話のベル等の間欠音また
は複数の音色の時間的変化がある音等の識別に効果を発
揮する。
【0123】また、ある一定時間の間に、所定の音が認
識されなかった場合に、その結果を伝達部に伝えるよう
に構成することができる。この構成によると、ある想定
される時間内に音が発生していないことがなんらかの異
常と関連している可能性がある場合に効果を発揮する。
【0124】例えば、1時間以内に電話で連絡があるこ
とになっている場合、または赤ちゃんの泣き声がある時
間以上識別されないときには、様子がおかしいかも知れ
ないので見にいく等の場合である。
【0125】また、変換処理においては、FFT(高速
フーリェ変換)を適用して、時間データを周波数軸デー
タに変換する処理を行う。
【0126】一般に、音の場合、その特徴の大部分は周
波数成分の有無と関連がある。したがって周波数成分を
計算によって高速に求める方法の一つである上記FFT
を用いるのは音識別において有効である。
【0127】また、この発明の聴覚支援装置において、
図1に示した記憶部50に記憶される比較パターン、す
なわち、比較元テーブルを装置の外部から装置内に転送
し記憶部50に格納するように構成することができる。
例えば、本装置にデータ伝送インターフェース(RS2
32などの有線I/F、IrDAなどの無線I/F)、
を備えた、外部機器(パソコンなど)からテーブルデー
タを転送できるようにする。
【0128】このような構成によると、使用者の希望に
沿った識別音の登録が可能となる。また、外部の機器
で、認識率が向上するように加工した後のテーブルを登
録できるようにもできる。
【0129】また、この発明の聴覚支援装置において、
装置自体に、上記比較元テーブルを作成し登録する機能
をもつように構成してもよい。
【0130】このような構成によると、識別・登録した
い音の発生源の近くに持っていき、その場で登録ができ
るようになるため、新しい音がある環境に移った場合や
いままでとは異なった音に変化した環境で使用者する場
合、例えば、たまたま泊まった宿泊先の目覚まし時計の
音がいままでとはちがうため、その場で登録し、翌朝起
きるときに識別できるようにすることなどが可能にな
る。
【0131】また、上記比較元テーブルの一部を選択し
て、あるいは全部を削除することができるように構成す
ることもできる。この構成によると、不要になった音を
選択して削除することができ、登録に必要なメモリ容量
が限られている場合などに、より効果的に装置を利用す
ることができる。
【0132】また、上記比較元テーブルの作成・登録に
際して、この聴覚支援装置の基本構成の一部を共用する
事ができる。すなわち、上記比較元テーブルの作成・登
録に必要な機能(音の入力、音の変換、登録ボタン等)
は、機能的に本装置の基本構成と類似する機能で構成で
きる。従って構成を共用することにより、装置を簡略
化、小型化でき、コストダウン、省力化にもつながる。
【0133】また、識別した音を使用者に報知する出力
部は、LEDの点灯、点滅等または液晶ディスプレイに
よる文字表示などの可視な表示を利用することができる
が、人が感じることのできる機械的振動を採用すること
もできる。この場合、音の種類によって振動パターンを
変えるように構成することもできる。
【0134】また、登録された音の内のどれかが識別さ
れたことのみ振動で伝達し、音の種類は可視表示で行う
ように構成してもよい。
【0135】ところで、本装置においては、本装置を携
帯用に構成し、その様な利用形態を想定しているが、そ
の場合、ポケットベルや携帯電話などのように、本装置
を着用している衣類のポケットにいれたり腰のベルトに
つけたりして使用することが想定される。その場合に
は、識別結果を可視表示ですぐに見ることはできないの
で、これを振動で伝えることは有用である。特に、本装
置は耳が不自由な人の利用を目的の一つにしており、そ
のため音で知らせることは困難であるので、まず振動で
伝えることが有効となる。
【0136】また、表示部における可視表示は文字また
は画像によるものであり、その表示される文字または画
像は、音の識別結果を元に、音の種類以外に音の意味
や、その音が識別された場合につぎにとるべき行動を示
唆するものにすることができる。
【0137】例えば、車のクラクションが識別された場
合は、「車が近づいている」「危ない!車がきた!」等
の意味の伝達を行うことも可能である。
【0138】また、やかんの湯がわいた音が識別された
場合は、「お湯が湧いた!やかんの火をとめて」等の意
味および行動の伝達を行うことも可能である。
【0139】このような構成によると、音の識別結果か
ら意味や行動を推定でき、それを伝達することにより、
より迅速にかつ有効に生活上の補助を行える。また、こ
の場合、絵を表示することにより、使用者に、文字で伝
えるより早く、より感覚的に伝達できるようにすること
も可能である。
【0140】また、この発明の聴覚支援装置において
は、音入力部の入力装置(マイク)の入力系統を複数持
ち、それぞれより入力された入力レベルを比較すること
により、どの入力系統の入力装置の方向に音の発生源が
あるかを推定し、その結果を前記音の識別結果とあわせ
て報知(伝達)するように構成することもできる。
【0141】例えば、この装置を固定設置して使用する
場合は、図16に示すように、4方向に入力できるよう
なマイク(4方向マイク)201を固定して使用する。
【0142】そして、それぞれの方向の音をマイク入力
して装置に伝送し、処理を行い、4つの方向の音の入力
レベルを判断し、音の発生源がある方向を推定する。
【0143】例えば、ある同じ周波数成分を持った音
が、図17に示すように、4方向から入力した場合、そ
の大きさの最大値(各音データの値の大きさの最大値)
がそれぞれ 前:150、右:140、後:70、左:40 だったとすると、前と右方向の値が大きくなっており、
かつ左方向が小さくなっているため、音の発生源は右前
方であろうと推定される。
【0144】このような構成によると、音の種類だけで
なく、その音の方向まで識別し報知することができ、使
用者により有用な補助の役割が果せる。
【0145】また、図18に示すように、識別した音を
使用者に伝達する表示装置等からなる伝達部214を装
置筐体200から分離し、その間は外部伝送インタフェ
ース213を介して通信・汎用入出力信号により接続す
るように構成することができる。
【0146】ここで、上記通信による接続は、モデムを
介した一般公衆網、公衆ベージャ網、構内型ベージャ伝
送によることができる。このような構成によると、発生
する音を識別する場所と使用者がいる場所がはなれてい
る場合でも使用できる。
【0147】例えば、お湯を沸かしている部屋から離れ
た部屋で別の作業をしている場合、赤ちゃんが寝ている
部屋に本体をおいておき、独立した伝達部を使用者が身
につけておくことにより、はなれた場所でその様子をよ
り確実に知ることができるという使用形態も可能にな
る。
【0148】また、本装置での識別結果を、分離された
複数の伝達部(または伝達装置)に通信を介して伝える
ように構成することもできる。
【0149】例えば、図19に示すように、この装置筐
体200に外部伝送インタフェース213を介して無線
伝送部215を接続する。
【0150】例えば、大きなホールや会議場などにおい
ては、この装置の認識部は音のよく聞こえる場所、例え
ば、部屋の高い場所などに設置しておき、使用者(複
数)は、小型の伝達部(構内ベージャのようなもの)2
14−1〜214−nを持っておく。
【0151】そして、この装置の認識部で例えばチャイ
ムなどの特定の音が識別された場合には、その結果を同
報などにより電波を通して使用者の伝達部214−1〜
214−nにしらせる。
【0152】すなわち、大きな会議場などは、場所によ
り、また雑音の有無により確実に音が入力されない場合
が想定される。しかし、その場合においても、確実に音
が入力される場所に本体を設置しておき、使用者にはデ
ータ伝送によりその結果を伝えるように構成すれば、複
数の使用者に対してより確実にデータ伝送をすることが
できる。
【0153】また、図20に示すように、分離された1
つの伝達部(または伝達装置)214は、離れた場所に
置かれた複数の識別装置200aおよび200bから伝
えられる識別情報をもとに伝達を行うように構成するこ
ともできる。
【0154】例えば、ある部屋には電話があり、また別
の部屋には赤ちゃんがいる場合を想定する。この場合そ
れぞれの部屋に装置本体200aおよび200bをおい
ておき、使用者は伝達部214をもっておく。
【0155】このような構成によると、例えば、装置本
体200aの無線伝送部215aを介する情報により電
話がなったことを知ることができ、装置本体200bの
無線伝送部215bを介する情報により、赤ちゃんが泣
いたことを知ることができるというように、複数の場所
での音の識別結果を知ることができる。
【0156】また、入力音の識別結果の伝達において、
リアルタイムで識別されている内容を伝達する、すなわ
ち、音がでている間だけ伝達し、音が消えると伝達もク
リアするように構成することもできる。
【0157】このような構成によると、その音が発生し
ていたという事実が重要な音の場合(赤ちゃんが泣いて
いたなど)、その音が識別された後、さらに別の音が識
別された場合にも、赤ちゃんが泣いていたという事実を
伝達できる。その事実を知ったのち、使用者が確認すれ
ばその履歴を使用者の操作に基づいて消すようにすれば
確実に事実を伝達できる。
【0158】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
周囲の音を音データとして取り込み、この取り込んだ音
データから該音データに対応する音の周波数の特徴を抽
出し、この抽出した周波数の特徴を予め設定した既知の
音の周波数の特徴と比較することによりこの取り込んだ
音データに対応する音の種別を識別し、これを使用者に
報知するように構成したので、日常生活で一般的に聞こ
える種々な音の種別を簡単な構成によりしかも適確に識
別することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる聴覚支援装置の一実施の形態
を示す概略ブロック図。
【図2】図1に示した変換処理部における時間軸データ
から周波数軸データへの変換の様子を示す図。
【図3】図1に示した識別処理部におけるパターンマッ
チングの手法を示す図。
【図4】図1に示した識別処理部における比較におい
て、入力データが比較パターンに一致すると判断される
場合の一例を示した図。
【図5】図1に示した識別処理部における比較におい
て、入力データが比較パターンに一致しないと判断され
る場合の一例を示した図。
【図6】図1に示した識別処理部における比較におい
て、複数の比較パターンを用いた比較の様子を示した
図。
【図7】図1に示した入力部および音データ処理部の動
作を示したフローチャート。
【図8】図1に示した変換処理部の動作を示したフロー
チャート。
【図9】図1に示した識別処理部の動作を示したフロー
チャート。
【図10】図9に示したステップの一致判断を行うため
の計算処理の詳細を示したフローチャート。
【図11】図1に示した全ての構成が1つの筐体内に納
められ構成を採用した場合の構成例を示す外観図。
【図12】汎用パーソナルコンピュータを用いてこの聴
覚支援装置を構成した場合の構成例を示した外観図。
【図13】図11に示すようにマイクロフォン内蔵型で
構成した場合の具体的ハード構成例を示したブロック
図。
【図14】図13に示した構成において、マイクロフォ
ン(集音マイク)を筐体に対して外付けにして構成した
構成例を示したブロック図。
【図15】音を識別処理する専用LSIを使用して構成
した構成例を示したブロック図。
【図16】4方向に入力できるようなマイク(4方向マ
イク)を固定して使用するこの発明の他の実施の形態を
示す概略構成図。
【図17】図16に示した4方向マイクの動作を説明す
る図。
【図18】識別した音を使用者に伝達する表示装置等か
らなる伝達部を装置筐体から分離し、その間は外部伝送
インタフェースを介して通信・汎用入出力信号により接
続するように構成したこの発明の他の実施の形態を示す
概略構成図。
【図19】装置筐体に外部伝送インタフェースを介して
無線伝送部を接続し、複数の使用者が携帯する複数の伝
達部に音識別情報を送信するように構成したこの発明の
他の実施の形態を示す概略構成図。
【図20】分離された1つの伝達部(または伝達装置)
が離れた場所に置かれた複数の識別装置から伝えられる
識別情報をもとに伝達を行うように構成したこの発明の
他の実施の形態を示す概略構成図。
【符号の説明】
10 入力部 20 音データ処理部 30 変換処理部 40 記憶部 50 記憶部 60 識別処理部 70 伝達部 80 出力部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲の音を音データとして取り込む音取
    込手段と、 上記音取込手段で取り込んだ音データから該音データに
    対応する音の周波数の特徴を抽出する特徴抽出手段と、 上記特徴抽出手段で抽出した周波数の特徴を予め設定し
    た既知の音の周波数の特徴と比較することにより上記音
    取込手段で取り込んだ音データに対応する音の種別を識
    別する音識別手段と、 上記音識別手段で識別した音の種別を報知する報知手段
    と、 を具備することを特徴とする聴覚支援装置。
  2. 【請求項2】 上記音取込手段は、 上記周囲の音のレベルが予め設定した所定のレベルを越
    えた場合に該周囲の音を音データとして取り込むことを
    特徴とする請求項1記載の聴覚支援装置。
  3. 【請求項3】 上記所定のレベルは、 上記周囲の音の状態に合わせて可変設定されることを特
    徴とする請求項2記載の聴覚支援装置。
  4. 【請求項4】 上記音取込手段は、 取り込んだ音データに対応する音の方向を検出する音方
    向検出手段を有し、 上記報知手段は、 上記識別した音の種別とともに上記音方向検出手段で検
    出した音の方向を報知することを特徴とする請求項1記
    載の聴覚支援装置。
  5. 【請求項5】 上記音方向検出手段は、 それぞれ異なる方向からの音を検出する複数のマイクロ
    フォンと、 上記複数のマイクロフォンの上記音のそれぞれの検出音
    のレベルを比較することにより該音の方向を推定する音
    方向推定手段と、 を具備することを特徴とする請求項4記載の聴覚支援装
    置。
  6. 【請求項6】 上記特徴抽出手段は、 上記音取込手段で取り込んだ音データを周波数軸データ
    に変換する変換手段、 を具備し、 上記音識別手段は、 上記変換手段で変換された周波数軸データに対応する周
    波数パターンを予め設定した既知の音に対応する周波数
    パターンと比較することにより上記音取込手段で取り込
    んだ音データに対応する音の種別を識別することを特徴
    とする請求項1記載の聴覚支援装置。
  7. 【請求項7】 上記変換手段は、 上記音取込手段で取り込んだ時間軸データを周波数軸デ
    ータに変換する高速フーリエ変換手段を具備することを
    特徴とする請求項6記載の聴覚支援装置。
  8. 【請求項8】 上記変換手段は、 上記音データを予め設定された時間単位で分割する音デ
    ータ分割手段を具備し、上記音データ分割手段で分割さ
    れた音データ単位で上記音データの上記周波数軸データ
    への変換を行うことを特徴とする請求項6記載の聴覚支
    援装置。
  9. 【請求項9】 上記音取込手段は、 周囲の音を入力するマイクロフォンと、 上記マイクロフォンで検出された音を上記音データに変
    換する音データ変換手段と、 を具備し、 上記マイクロフォンは、 上記音データ変換手段および上記特徴抽出手段および上
    記音識別手段および上記報知手段を含む部分から分離可
    能に構成されることを特徴とする請求項1記載の聴覚支
    援装置。
  10. 【請求項10】 上記報知手段は、 上記音取込手段および上記特徴抽出手段および上記音識
    別手段および上記報知手段を含む部分と通信手段を介し
    て接続されることを特徴とする請求項1記載の聴覚支援
    装置。
JP9087871A 1997-04-07 1997-04-07 聴覚支援装置 Pending JPH10282985A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9087871A JPH10282985A (ja) 1997-04-07 1997-04-07 聴覚支援装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9087871A JPH10282985A (ja) 1997-04-07 1997-04-07 聴覚支援装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10282985A true JPH10282985A (ja) 1998-10-23

Family

ID=13926940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9087871A Pending JPH10282985A (ja) 1997-04-07 1997-04-07 聴覚支援装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10282985A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004059599A1 (ja) * 2002-12-24 2004-07-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 音声情報報知システム及び音声情報報知方法
WO2007088236A1 (en) * 2006-02-03 2007-08-09 Nokia Corporation A hearing agent and a related method
US7403895B2 (en) 2002-06-26 2008-07-22 Fujitsu Limited Control system outputting received speech with display of a predetermined effect or image corresponding to its ambient noise power spectrum
JP2008257003A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Hochiki Corp 電子音受信通知システム
JP2009181266A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Yamaha Corp 探索支援装置および被探索者報知装置
JP2010079182A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Nagoya Institute Of Technology ウェアラブル音認識装置
JP2017067929A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 日本電信電話株式会社 学習装置、識別装置、その方法、およびプログラム
JP2018525664A (ja) * 2015-06-30 2018-09-06 フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン ノイズを関連付けそして分析するための方法および装置
JP2021044202A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 富士通株式会社 発光制御プログラム、発光制御方法および発光制御システム

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7403895B2 (en) 2002-06-26 2008-07-22 Fujitsu Limited Control system outputting received speech with display of a predetermined effect or image corresponding to its ambient noise power spectrum
WO2004059599A1 (ja) * 2002-12-24 2004-07-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 音声情報報知システム及び音声情報報知方法
WO2007088236A1 (en) * 2006-02-03 2007-08-09 Nokia Corporation A hearing agent and a related method
JP2008257003A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Hochiki Corp 電子音受信通知システム
JP2009181266A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Yamaha Corp 探索支援装置および被探索者報知装置
JP2010079182A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Nagoya Institute Of Technology ウェアラブル音認識装置
JP2018525664A (ja) * 2015-06-30 2018-09-06 フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン ノイズを関連付けそして分析するための方法および装置
US11003709B2 (en) 2015-06-30 2021-05-11 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Method and device for associating noises and for analyzing
US11880407B2 (en) 2015-06-30 2024-01-23 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Method and device for generating a database of noise
JP2017067929A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 日本電信電話株式会社 学習装置、識別装置、その方法、およびプログラム
JP2021044202A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 富士通株式会社 発光制御プログラム、発光制御方法および発光制御システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20040155770A1 (en) Audible alarm relay system
EP3285237B1 (en) Notification device and notification method
SE504327C2 (sv) System för hörsel- och synhandikappade anordnat för att uppfatta signaler från omgivningen och för att avge larmsignaler
US7675407B2 (en) Life safety device for the hearing impaired
JPH10282985A (ja) 聴覚支援装置
US20130294205A1 (en) Electronic device and method for triggering function of electronic device
CN113205661A (zh) 一种反欺凌实现方法、系统、智能穿戴设备和存储介质
WO2011000113A1 (en) Multiple sound and voice detector for hearing- impaired or deaf person
US20070064105A1 (en) Indoor apparatus of intercom system and method for controlling indoor apparatus
KR20090094572A (ko) 청각장애인 등을 위한 알림 시스템
JP7071375B2 (ja) 少なくとも1人のユーザーの体調をモニターするためのシステム、及びユーザーの体調をモニターする方法
CN110031976A (zh) 一种具有报警功能的眼镜及其控制方法
RU2303427C2 (ru) Система для оповещения и коммуникации лиц со специальными потребностями по здоровью
JP2006285795A (ja) 監視システム及び居住者の監視方法
CN114821962B (zh) 紧急求助功能的触发方法、装置、终端及存储介质
KR101598466B1 (ko) 청각장애인용 안전보조시스템
US20050068183A1 (en) Security system and security method
JP2004020817A (ja) 報知音変換装置
KR101798035B1 (ko) Led 조명 장치 및 이를 이용한 스마트 모니터링 시스템
KR19990083808A (ko) 청각장애인을 위한 휴대용 음향인식장치
JP2005235230A (ja) 携帯型行動検出装置、及び行動解析装置
CN113450537B (zh) 跌倒检测方法、装置、电子设备和存储介质
JPH11120468A (ja) 聴覚障害者用生活支援装置
US20230292064A1 (en) Audio processing using ear-wearable device and wearable vision device
JP5025411B2 (ja) 通信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021011