JPH10277842A - 加工方法および電解加工装置 - Google Patents

加工方法および電解加工装置

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JPH10277842A
JPH10277842A JP8645197A JP8645197A JPH10277842A JP H10277842 A JPH10277842 A JP H10277842A JP 8645197 A JP8645197 A JP 8645197A JP 8645197 A JP8645197 A JP 8645197A JP H10277842 A JPH10277842 A JP H10277842A
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work
electrode
burr
processing
workpiece
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JP8645197A
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Yasunori Kobayashi
靖典 小林
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの位置決め許容範囲を拡大し、ワーク
の状態を正確に検知することができ、ワークの状態に応
じて精度よく効率的に加工を行う。 【解決手段】 ワークWのバリWaに対向するように配
置された工具としての電極1と、ワークWおよび電極1
にパルス電流を印加するパルス電流供給手段2とを備
え、電極1は、ワークのバリ取り加工用電極10と、ワ
ーク位置検知用電極11とからなる。ワークWと電極1
との間には、電解液3が流通される。ワークWの角部に
はバリWaが生じている。ワークWは、電極1に対して
所定の位置に位置決めされている。パルス電流供給手段
2は、直流電源20および制御装置21を備えてなるも
ので、直流電源20の陽極(+)はワークWに接続さ
れ、陰極(−)は制御装置21を介してワーク加工用電
極10およびワーク位置検知用電極11にそれぞれ接続
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工方法および電
解加工装置に関し、さらに詳しくは、例えば、ワークに
生じたバリを除去するための加工方法および電解加工装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電解加工は、一般に、図6および図7に
示すように、ワークWの加工部分とこれに所定間隔を有
する状態で工具としての電極50とを対向配置し、ワー
クWに直流電源の陽極(+)を接続すると共に電極50
が陰極(−)となるように接続し、ワークWと電極50
との間に電解液3を流通させている。このような電解加
工は、例えば、ワークWに切削加工や孔明け加工等を施
した際にエッジに生じたバリWaを取除くためのバリ取
り加工に用いられている。電極50には、ワークWに生
じたバリWaとの間で印加される電流によりバリ以外の
部分が溶解されるのを防止する目的で、あるいは、バリ
以外の部分が溶解することによってバリWaを溶解させ
るためのエネルギが減少するのを防止する目的で絶縁体
55,56が設けられている。ワークWと電極50との
間にパルス電流を印加すると、ワークWの電極50と対
向したバリWaが電解作用による陽極溶出により除去加
工される。
【0003】電解加工の条件としては、電解液の温度や
濃度、印加するパルス電流および電圧の値並びに印加時
間、工具とワークとの間隔等が挙げられる。図6に示す
ように、電極50とワークWとの間隔L(図7)を一定
に保つために、通常、ワークWを治具51のマスター面
51aに当接させ、電極50に対して所定の位置に位置
決めしている。
【0004】このような電解加工において、バリ取り加
工を行う場合には、電極とワークとが直接接触しない非
接触加工であるためにワークの加工状況を把握するのが
困難である。また、上述したような切削加工等を施した
際のワークのエッジに生じるバリは、その大きさにバラ
つきがある場合が多い。そのため、電解バリ取り加工に
おいては、一般に、発生し得る最大のバリを想定し、こ
の最大のバリを完全に溶解するように各種条件を設定す
ることにより、ワークのエッジに発生したバリの完全除
去を補償している。そして、この場合には、印加するパ
ルス電流の幅(時間)を一定に設定し、バリを完全除去
するまで繰り返しパルス電流を印加している。
【0005】また、従来の技術としては、特開昭64−
5736号公報に開示されているように、電極部分に絶
縁性材料からなるブラシを設け、このブラシを回転させ
ることにより電解液を澱ませることなく均等にワークの
加工面に流通させると共にパルス電流を印加し、起立状
態にあり且つ電極に近いバリを選択的に除去するものが
知られている。
【0006】さらに、別の従来の技術としては、特公昭
51−27610号公報に開示されているように、電極
と被加工物との間に流通される電解液中に振動音の検出
器を設け、該検出器の検出音により加工の完了を判別す
るようにしたものが知られている。
【0007】さらにまた、別の従来の技術としては、特
開昭55−110799号公報に開示されているよう
に、研摩材による軽擦過によりバリの形状、大きさをそ
ろえたのち、電解作用による陽極溶出によりバリを取り
除くものが知られている。
【0008】一方、ワークを電極に対して位置決めする
ことにより、電極とワークとの間隔を一定に保つ場合、
発生したバリの大きさによって上述の電解加工の条件の
うちの大きな要因であるバリの先端と電極との間隔が大
きく異なることとなる。そこで、ワークと電極との間に
印加された電流値を検知することによりバリの大きさを
検知し、この検知されたバリの大きさに応じて加工条件
を変更することが考えられている。このものは、所定の
距離に位置決めされたワークのバリの先端と電極との間
の距離を検知することにより、バリの大きさを検知す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
一般的な電解バリ取り加工のように、想定した発生し得
る最大のバリを完全に溶解するように各種条件を設定す
る場合にあっては、一定時間のパルス電流を印加するた
め、ワークのエッジに発生したバリのバラつきにより、
電解バリ取り加工後のワークのエッジの仕上がり形状に
もバラつきが生じるという問題があった。また、完全に
バリを取り除くまで一定時間のパルス電流を繰り返し印
加するため、バリが大きい場合には加工時間がかかると
いう問題もあった。
【0010】また、従来の技術のうち特開昭64−57
36号公報や特公昭51−27610号公報に開示され
たものも同様に、バリの大きさやバラつき等を考慮して
おらず、しかも、バリの溶解状況を検知せずに電解加工
を行っているために、加工後のワークの形状精度を得る
ことができないという問題があった。さらに、特公昭5
1−27610号公報に開示されたものにあっては、流
通される電解液中に振動音の検出器を設ける必要があ
り、また、流通される電解液の振動音を検出するために
周囲のノイズに影響されやすいという問題があった。
【0011】さらにまた、上記従来の技術のうち特開昭
55−110799号公報に開示されたものにあって
は、電極に研磨材を装着するために、電極を回転可能に
支持すると共に電極を回転駆動するよう構成する必要が
あり、構造が複雑となるという問題があった。また、電
極に装着された研磨材が摩耗することにより電極とワー
クとの間隔が変化するため、これに伴って電圧等の他の
電解加工の条件を変化させなければならないという問題
があった。そして、バリの形状、大きさをそろえても、
ワークおよび電極の相対位置に誤差があれば加工条件が
異なることとなるが、このものは相対位置の誤差につい
て考慮してはおらず、したがって加工条件を変更すると
いうことはなかった。このことは上記いずれの従来の技
術であっても同様である。
【0012】一方、上述のバリの大きさを検知し、この
検知されたバリの大きさに応じて加工条件を変更する場
合にあっては、各ワーク毎の電極に対する位置(電極と
各ワークとの間隔)が一定であることを前提として、バ
リの先端と電極との距離を検知してそれぞれのバリの大
きさを検知するものであるため、前提条件であるワーク
の位置決め精度によって検知されるバリの大きさに誤差
が生じることとなる。そして、特に、バリが微小になる
につれて、ワークの位置決め精度によって検知されるバ
リの大きさへの影響が多大となるため、バリの大きさの
正確な検知が困難となるという問題があった。そして、
ワークのバリが微小である場合においては、ワークの位
置決めを電極に近づける(両者間のクリアランスを小さ
くする)ように設定することも考えられるが、これで
は、ワークの治具のマスター面への搬入が困難となり作
業性が悪くなるという問題を有するようになる。また、
ワークをより精度よく位置決めするために、マスター面
を備えた治具とは別の位置決め機構を設けることは、設
備のコストやワークの搬入・搬出のためのサイクルタイ
ムの面で不利となり、しかも、硝酸ソーダ等の電解液に
よる腐食等の問題から、複雑な位置決め機構を設けるこ
とはできない。これらの問題を上述のいずれの従来の技
術では解決することができなかった。
【0013】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、ワークの位置決め許容範囲を拡大し、しかもワーク
の状態を正確に検知することができ、これによりワーク
の状態に応じて精度よく効率的に加工を行うことができ
る加工方法および電解加工装置を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の加工方法に係
る発明は、上記目的を達成するため、ワークと工具との
相対位置を検知し、ワークの状態を検知し、該検知した
ワークの状態を前記相対位置に基づいて補正し、該補正
したワークの状態に基づいてワークの加工を行うことを
特徴とするものである。
【0015】請求項2の電解加工装置に係る発明は、上
記目的を達成するため、ワークとの間に所定間隔を有す
る状態で配置された工具と、ワークと工具の間に電位差
を与える電源とを備えた電解加工装置において、前記工
具は、ワーク加工用電極と、ワークとの相対位置検知用
電極とを備えてなることを特徴とするものである。
【0016】請求項1に係る発明では、ワークの加工部
分以外の部分と工具との相対位置を検知し、ワークの状
態を検知し、検知されたワークと工具との相対位置によ
りワークの状態を補正する。したがって、ワークの位置
決めを正確に行う必要がなく、位置決めのための手間が
低減する。その後、補正したワークの状態に応じてワー
クの加工条件を設定してこれにより加工を行う。
【0017】請求項2に係る発明では、相対位置検知用
電極とワークの加工部分以外の部分との間に位置検出用
パルス電流を印加してその電流値を測定することによ
り、ワークと工具との相対位置を検知する。次いで、ワ
ーク加工用電極とワークの加工部分との間に測定用パル
ス電流を印加してその電流値を測定することにより、ワ
ーク加工用電極と加工部分の先端との間隔からワークの
加工部分の大きさを検知する。そして、検知された加工
部分の大きさをワークと工具との相対位置に応じて補正
し、補正したワークの加工部分の大きさに応じて加工用
パルス電流の印加時間等の加工条件を設定し、この加工
条件に従ってワーク加工用電極とワークの加工部分との
間に加工用パルス電流を印加する。
【0018】
【発明の実施の形態】まず最初に、本発明に係る電解加
工装置の実施の一形態を、ワークWに生じたバリWaを
除去するための電解バリ取り装置の場合によって、図1
に基づいて説明する。図において同一符号は同一部分ま
たは相当部分とする。
【0019】この実施の形態における電解バリ取り装置
は、概略、ワークWのバリWaに対向するように配置さ
れた工具としての電極1と、ワークWおよび電極1にパ
ルス電流を印加するパルス電流供給手段2とを備え、電
極1は、ワークのバリ取り加工用電極10と、ワーク位
置検知用電極11とからなるものである。ワークWと電
極1との間には、電解液3が流通される。ワークWの角
部には、切削加工や剪断加工等によりバリWaが生じて
いる。ワークWは治具51のマスター面51aに当接さ
れ(図6および図7参照)、電極1に対して所定の位置
に位置決めされる。
【0020】図1に示すように、電極1は、ワークWの
バリ取り加工用電極10とワーク位置検知用電極11と
の間に絶縁体12を介装し、また、この絶縁体12との
間にワーク位置検知用電極11をはさむようにして絶縁
体13を設けてなるものである。ワーク加工用電極10
には角部10aが形成されており、この角部10aはワ
ークWのバリWaと対向するように配置されている。絶
縁体12は、ワーク加工用電極10のワークWと対向す
る角部10aまでの側面を覆う側壁12aが形成されて
いる。ワーク位置検知用電極11は、ワーク加工用電極
10の側面が絶縁体12の側壁12aに覆われているこ
とにより、ワーク加工用電極10の角部10aから所定
の間隔を有する状態で、絶縁体12の側壁12aと絶縁
体13との間でワークWのバリが発生していない側面W
bに対向するように配置されている。
【0021】パルス電流供給手段2は、直流電源20お
よび制御装置21を備えてなるもので、直流電源20の
陽極(+)はワークWに接続され、この実施の形態の場
合、陰極(−)は制御装置21を介してワーク加工用電
極10およびワーク位置検知用電極11にそれぞれ接続
されている。なお、ワーク加工用電極10およびワーク
位置検知用電極11は、この実施の形態に限定されるこ
となく、直流電源20の陰極(−)への接続に代えて、
アース接続することも可能である。さらに、ワーク位置
検知用電極11は、ワークWのバリ取り加工を目的とし
ておらず、ワークWのバリが発生していない部分Wbと
の間で位置検知用パルス電流(後述する)を通電するこ
とができれば良い。そのため、ワーク位置検知用電極1
1に直流電源20の陽極(+)を接続し、ワークWに直
流電源20の陰極(−)を接続またはアース接続するこ
ともできる。
【0022】パルス電流供給手段2の制御装置21は、
直流電源20からワークWとワーク加工用電極10およ
びワーク位置検知用電極11との間にパルス電流を所定
の電圧で所定幅(時間)で通電させるよう供給制御する
もので、ワークWとワーク加工用電極10およびワーク
位置検知用電極11との間に通電される電流値をそれぞ
れ測定する手段(図示を省略した)を有している。
【0023】制御装置21の制御内容は次のとおりであ
る。すなわち、制御装置21は、ワーク位置検知用電極
11に所定の電圧で位置検知用パルス電流を所定の時間
印加し、このときに測定された電流値に基づいてワーク
Wと電極1との相対位置を検知する。また、制御装置2
1は、例えば、ワーク加工用電極10に所定の電圧でバ
リWaの大きさ(状態)を測定するためのバリ測定用パ
ルス電流(図3のP2を参照)を所定の時間印加し、こ
のときに測定された電流値に基づいてバリWaの大きさ
を測定する。その後、検知されたワークWと電極1との
相対位置に基づいて測定されたバリWaの大きさを補正
し、バリWaを取り除くためのバリ取り加工用パルス電
流(図3のP1を参照)の印加時間等の加工条件を設定
し、この加工条件に合わせてバリ取り加工を実行させ
る。そして、制御手段21は、ワークWに発生したバリ
Waが残っているかを判断し、バリWaが残っていると
判断した場合には、その残っているバリWaの大きさに
応じてバリ取り加工用パルス電流の印加時間等の加工条
件を設定し、この設定にしたがってバリ取り加工用パル
ス電流を印加する。バリ測定用パルス電流P2とバリ取
り加工用パルス電流P1とを交互に印加するこれらの一
連の制御は、バリが残っていないと判断するまで繰り返
し行われる。
【0024】次に、本発明に係る加工方法の実施の一形
態を、上述のように構成された電解バリ取り装置を用い
て、ワークWに生じたバリWaを取り除くための電解バ
リ取り方法の場合によって図2ないし図5に基づいて説
明する。本発明に係る加工方法は、概略、工具1とワー
クWの加工部分以外の部分Wbとの間の電流または電圧
値に基づいてワークWと工具1との相対位置を検知し
(S1)、工具1とワークWの加工部分Waとの間の電
流または電圧値に基づいてワークWの状態を検知し(S
2)、該検知したワークWの加工部分Waの状態を前記
検知した相対位置に基づいて補正し(S3)、該補正し
たワークWの加工部分Waの状態に基づいてワークWの
加工を行う(S6)ものである。
【0025】ワークWと電極1との相対位置の検知(S
1)は、ワークWのバリWaが発生していない側面Wb
とワーク位置検知用電極11との間に所定の電圧の位置
検知用パルス電流を、例えば50msec程度印加し、
このときの電解液3を介してワークWとワーク位置検知
用電極11との間に通電される電流値を測定することに
より行う。すなわち、ワークWとワーク位置検知用電極
11との間に電解液3を流通させた状態で、所定の一定
電圧で印加された位置検出用パルス電流の電流値を測定
すると、ワークWとワーク位置検知用電極11との距離
が大きい場合には測定される電流値が小さくなり、両者
の距離が小さい場合には測定される電流値が大きくな
る。したがって、測定される電流値がワークとワーク位
置検知用電極との距離の逆関数となることにより、ワー
クと電極との距離(相対位置)が検知される。
【0026】ワークの状態の検知(S2)は、この実施
の形態の場合、図3に示すように、バリの大きさを測定
するためのバリ測定用パルス電流P2を所定の時間ワー
ク加工用電極10に所定の一定電圧で印加し、このとき
の電流値を測定することにより、バリWaの大きさおよ
び加工途中のバリWaの溶解状況を検知する。なお、ワ
ークの状態の検知は、この実施の形態に限定されること
なく、図5に示すように、電極1のワーク加工用電極1
0に絶縁材30,31を介して、または所定の間隔を有
する状態で基準電極32を設け、この基準電極32に電
源20の陽極(+)を接続してワーク加工用電極10と
基準電極32との間に基準パルス電流を印加し、この基
準パルス電流とバリ測定用パルス電流P2の測定された
電流値を比較することにより行うこともできる。
【0027】検知されたワークの状態(大きさ)の補正
(S3)は、検知されたワークWと電極1との相対位置
に基づいて行われる。すなわち、バリWaの大きさは、
ワークWが電極1と一定の位置に位置決めされているも
のと仮定して、ワークWに発生したバリWaの先端と電
極1との距離を測定することにより検知される。したが
って、ワークWの電極1に対する位置決めによる誤差が
生じている場合には、これに伴って測定されたバリWa
の大きさにも誤差が生じることとなる。この位置決め誤
差は、特に、バリWaの大きさが小さくなるにつれて、
測定されるバリWaの大きさの誤差が大きくなる。その
ため、本発明では、図4に示すように、ワークWと電極
1の相対位置に対するバリWaの大きさ(測定される電
流値)の相関データ(基準位置データDという)を実験
等により予め設定し、先に検知したワークWと電極1と
の相対位置が設定された位置よりも近い場合には、バリ
Waの先端と電極1との間で測定された電流値DBが基
準位置データDよりも大きくなるため、電流値DBを基
準位置データDまで小さくするよう補正する。また、先
に検知したワークWと電極1との相対位置が設定された
位置よりも遠い場合には、バリWaの先端と電極1との
間で検知された電流値DSが基準位置データDよりも小
さくなるため、電流値DSを基準位置データDまで大き
くするよう補正する。
【0028】制御装置21には目的とするワークWのエ
ッジ形状を得るときの電流値がしきい値として設定・記
憶されており、ワークWおよびワーク加工用電極10間
で印加されるバリ測定用パルス電流P2またはバリ取り
加工用パルス電流P1の電流値としきい値とを比較し、
加工残があるか、すなわちバリWaが残っているか否か
を判断する(S4)。このバリWaが残っているか否か
は、測定されたバリ測定用パルス電流P2またはバリ取
り加工用パルス電流P1の電流値がしきい値よりも大き
いか否かにより判断される。
【0029】バリWaが残っている場合(YES)に
は、補正したバリWaの大きさに応じてバリ取り加工用
パルス電流P1(図3参照)の印加時間等の加工条件を
設定し(S5)、この加工条件にしたがってバリ取り加
工用パルス電流P1を印加することによりバリ取り加工
を実行(S6)し、再度、バリ測定用パルス電流P2の
印加によりワークWの状態を検知し(S2)、該検知し
たワークWの加工部分Waの状態を前記検知した相対位
置に基づいて補正し(S3)、バリWaが残っていない
と判断されるまで(S4のNO)繰り返される。バリW
aが残っていないと判断された場合には、加工を終了す
る。
【0030】なお、図5に示したように電極1を構成し
た場合においては、バリ測定用パルス電流P2の初期段
階において測定される最大電流値(ピーク値)としきい
値となる基準パルス電流の電流値とを比較してその差か
らバリ取り加工用パルス電流P1の印加時間を設定する
こともできる。
【0031】この実施の形態では、ワークWの電極1に
対する位置決め誤差を補正するため、バリWaの大きさ
を正確に把握することができる。また、これにより、バ
リWaの大きさに応じて加工条件を設定することがで
き、エッジ形状の優れたバリ取り加工を正確に行うこと
ができ、加工時間の短縮を図ることができる。
【0032】目的とするワークWのエッジ形状は、電解
液3の温度や濃度、流速、あるいはワークおよび電極の
位置決めやワークWの前加工精度等、電解条件によって
もバラつくことになる。そのため、これらのバラつきの
要因となる情報を学習制御、ニューラルネットワーク、
ファジー制御等に取り込み、試行ごとにしきい値を決定
することが望ましい。
【0033】なお、この実施の形態においては、電解バ
リ取り方法の場合によって説明したが、本発明に係る加
工方法はこれに限定されることなく、電解バリ取り方法
以外の加工方法にも適用することができる。
【0034】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、検知した
ワークの状態をワークと工具との相対位置に基づいて補
正し、この補正したワークの状態に基づいてワークの加
工を行うこととしたことにより、容易にワークの位置決
めを行うことができ、またワークの状態に応じて正確に
加工条件の設定および制御をすることができるため、加
工精度の向上と効率化を図ることが可能となる。
【0035】請求項2に係る発明によれば、工具がワー
ク加工用電極と、ワークとの相対位置検知用電極とを備
えたことにより、ワーク加工用電極により検知したワー
クの状態を、相対位置検知用電極により検知したワーク
との相対位置により補正し、補正されたワークの状態に
基づいて加工条件を設定して加工を行うことができ、し
たがって、容易にワークの位置決めを行うことができ、
またワークの状態に応じて正確に加工条件の設定および
制御をすることができるため、電解加工の精度向上と効
率化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電解加工装置を示す一部断面拡大
図である。
【図2】本発明に係る加工方法の一実施の形態を示すフ
ローチャートである。
【図3】測定用パルス電流および加工用パルス電流の印
加とその測定される電流値との関係を示したグラフであ
る。
【図4】ワークと電極の相対位置による検知されたバリ
の大きさの補正を説明する図である。
【図5】電極の別の実施の形態を示す一部拡大断面図で
ある。
【図6】従来の一般的な電解加工装置を示す要部断面図
である。
【図7】図6の拡大図である。
【符合の説明】
W ワーク Wa バリ 1 電極(工具) 2 パルス電流供給手段 10 バリ取り加工用電極 11 ワーク位置検知用電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークと工具との相対位置を検知し、ワ
    ークの状態を検知し、該検知したワークの状態を前記相
    対位置に基づいて補正し、該補正したワークの状態に基
    づいてワークの加工を行うことを特徴とする加工方法。
  2. 【請求項2】 ワークとの間に所定間隔を有する状態で
    配置された工具と、ワークと工具の間に電位差を与える
    電源とを備えた電解加工装置において、 前記工具は、ワーク加工用電極と、ワークとの相対位置
    検知用電極とを備えてなることを特徴とする電解加工装
    置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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