JPH10275439A - クランプ治具とその製造方法 - Google Patents

クランプ治具とその製造方法

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JPH10275439A
JPH10275439A JP9079402A JP7940297A JPH10275439A JP H10275439 A JPH10275439 A JP H10275439A JP 9079402 A JP9079402 A JP 9079402A JP 7940297 A JP7940297 A JP 7940297A JP H10275439 A JPH10275439 A JP H10275439A
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JP
Japan
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thermal expansion
weight
clamp jig
sintered body
crystal
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Application number
JP9079402A
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English (en)
Inventor
Chiharu Wada
千春 和田
Makoto Sakamaki
誠 酒巻
Norihiko Misaki
紀彦 三崎
Masao Sasaki
正雄 佐々木
Hiroshi Shimizu
浩 清水
Hideo Kaneko
英雄 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Chichibu Onoda Cement Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコン基板を有する磁気ディスク等に対
しても温度変化の影響が少ないクランプ治具の提供 【解決手段】リチウムアルミノシリケート結晶とカルシ
ウムシリケート結晶が複合した結晶組織を主体とし、熱
膨張係数が1.0〜5.0×10-6/℃の焼結体からな
り、高密度信号記録ディスクに用いられることを特徴と
するクランプ治具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度信号記録デ
ィスク、例えば、磁気記録装置の情報記録媒体である磁
気ディスクなどをクランプするためのクランパーや複数
枚の磁気ディスクを挟み、かつクランプするための治具
であるスペーサリング等として用いられるクランプ治具
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進展に伴い大容量の記録媒
体が必要とされており、特にコンピュータの外部メモリ
として中心的な役割を果たしている磁気デイスクは、記
録容量および記録密度が共に年々増加の一途を辿ってい
る。このような傾向はノート型パソコンやパームトップ
パソコンの開発により更に加速されており、ディスクの
小型と高密度化が一層求められている。
【0003】一般に、磁気記録装置の構成要素は、情報
を記録する磁気ディスク、磁気ディスクから情報を読み
書きする磁気ヘッド、ディスクを回転させるスピンドル
モータ、スピンドルモータにディスクをクランプするク
ランパー、またディスクが複数枚あるときは、磁気ディ
スクを挟んでクランプするための治具であるスペーサリ
ングからなっている。この磁気ディスクにおける記録媒
体の強度、表面の平滑度、そり、重量等の特性の大部分
は、基板素材の特性に依存している。基板素材として
は、NiPをメッキしたアルミ合金基板が用いられてい
るが、アルミ合金は柔らかいために基板の厚みを薄くで
きず、またハンドリングの最中に傷がつきやすく、衝撃
によって凹みやすい等の問題があった。このため、アル
ミ合金基板では ノート型パソコンのような携帯型コン
ピュータに用いられる3インチ以下の小型磁気ディスクド
ライブには対応出来ない状況になりつつある。
【0004】そこで、このような問題を解決するものと
してガラス基板が実用化されたが、さらに記録密度を高
めるために、基板に単結晶シリコンを用いることが提案
されている(特公平1-42048号、特公平2-41089号、特公
平2-59523号、特公平1-45140号、特開平6-68463号、特
開平6-28655号、特開平4-259908号)。特に、特公平2-4
1089号には、半導体級のシリコン基板を用い、これに下
地層を設けて鉄合金、コバルト合金などの磁性体からな
る記録膜を形成する技術が開示されている。
【0005】一方、クランパーやスペーサリング等のク
ランプ治具の材質としては、アルミやアルミ合金、ステ
ンレス、アルミナを主としたセラミックスなどが実用化
されている。これらの材質は基板の材質によって選択さ
れており、基板がアルミ合金の場合にはアルミ合金かス
テンレスが用いられ、ガラス基板の場合にはアルミナの
クランパーやスペーサリングが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】シリコンを基板とした
磁気ディスクを用いると磁気ヘッドと磁気ディスクとの
間のフライングハイトを低くすることができ、高記録密
度化が可能となる。しかし、磁気記録装置は-10〜4
0℃程度の温度で使用されることを想定しているため、
従来から用いられているアルミ合金、ステンレス等のク
ランプ治具を用いてディスクをスピンドルモータにクラ
ンプすると、シリコンの熱膨張係数に比べてクランプ治
具のそれが大きすぎる為、環境温度の変化によって反り
が生じ、結果として高記録密度化が困難になるという問
題がある。また、ハードディスクドライブが組み込まれ
ているコンピュータ内部で発生する熱量は増大する傾向
に有り、上記温度よりも更に高温になることが想定さ
れ、この面からも従来のクランプ治具素材では問題が大
きい。
【0007】一方、アルミナのクランプ治具はアルミ合
金、ステンレスより熱膨張係数が小さい為、上述の問題
をある程度抑制できるので、アルミ合金やステンレス製
治具よりもシリコン基板の特性を引き出せるが、それで
もアルミナの室温付近の熱膨張係数は約6〜8×10-6
/℃であり、これはシリコンの熱膨張係数3×10-6/℃
の約2倍であるため、温度変化による問題が依然として
生じ、シリコン基板の特性を十分に引き出すことは不可
能である。
【0008】以上のように、従来のクランプ治具素材は
シリコン基板との熱膨張係数の差が大き過ぎるために不
十分であり、シリコンの高特性を十分に引き出せない問
題がある。本発明は、このような従来のクランプ治具の
問題を解決したものであり、シリコンに近似した熱膨張
係数を有し、シリコン基板に対して優れた材料特性を有
するクランプ治具を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の構成からなるクランプ治具に関する。 (1) リチウムアルミノシリケート結晶とカルシウムシ
リケート結晶が複合した結晶組織を主体とし、熱膨張係
数が1.0〜5.0×10-6/℃の焼結体からなり、高密
度信号記録ディスクに用いられることを特徴とするクラ
ンプ治具に関する。
【0010】本発明の上記クランプ治具は以下の態様を
含む。 (2) リチウムアルミノシリケート結晶量10〜90重
量%、カルシウムシリケート結晶量90〜10重量%の
焼結体からなるクランプ治具。 (3) 各元素の含有量が酸化物換算の重量%で、0.7≦
Li2O≦7.0、 47.0≦SiO2≦60.0、 4.0
≦CaO≦44.0、 3.0≦Al23≦30.0である
クランプ治具を含む。
【0011】更に、本発明は以下に示す上記クランプ治
具の製造方法に関する。 (4) 各元素の含有量が酸化物換算の重量%で、0.7≦
Li2O≦7.0、 47.0≦SiO2≦60.0、 4.0
≦CaO≦44.0、 3.0≦Al23≦30.0となる
ように原料粉末を調整して成形し、あるいは溶融後、鋳
造して成形し、高温で熱処理することにより、リチウム
アルミノシリケート結晶とカルシウムシリケート結晶が
複合した結晶組織を有し、熱膨張係数が1.0〜5.0×
10-6/℃の焼結体からなる高密度信号記録ディスクに
用いられるクランプ治具を製造することを特徴とする方
法。
【0012】(I)クランプ治具の組成・物性 クランプ治具の一例を図1に示す。図示するものはスペ
ーサーリングとクランパーの例であり、スピンドルシャ
フト1にハブ2を介して複数枚のシリコンディスク3〜
5が嵌着されており、該シリコンディスク3〜5の間に
スペーサーリング6,7が介設されている。これらシリ
コンディスク3〜5およびスペーサーリング6,7はシ
ャフト先端に嵌合したクランパー8によって締め付け固
定されており、シリコンディスク相互の間隔はスペーサ
ーリング6,7によって一定に保たれている。シリコン
ディスク3〜5はシャフト1によって一体に回転され、
その表面にはヘッド9が各々面しており、該ヘッド9を
通じて記録の書き込みと読み出しが行われる。
【0013】このようなクランプ治具の特性として、熱
膨張係数の他に、ディスクの高速回転中にパーティクル
が発生しないこと、磁気ディスクを歪みなく保持し、ス
ピンドルモータの回転軸と磁気ディスクのデータ記録面
を正確に垂直に保持することが求められる。従って、ク
ランプ治具素材にはある程度の硬度、面粗さなどの特性
が必要となる。これは、読み取りヘッドと基板の間の隙
間であるフライイングハイトが極小であるため、パーテ
ィクルが生じるとヘッドクラッシュの原因となるためで
ある。また、磁気ディスクに歪みが生じたり、スピンド
ルモータの回転軸と磁気ディスクのデータ記録面を正確
に垂直に保持できないとフライングハイトを低減できな
かったり、ヘッドの追従性が悪くなったりする。
【0014】このような特性を有するクランプ治具素材
としては、シリコンと同等の熱膨張係数を有し、しかも
廉価で成形性がよい材料であることが求められる。金属
材料や有機材料はこれに適さず、無機材料の方が好まし
い。但し、無機材料には単一素材でシリコンと同等の熱
膨張係数を有する素材が無く、二種類以上の化合物を複
合した材料によってシリコンと同等の熱膨張係数の素材
を新たに創製することが必要である。
【0015】本発明のクランプ治具は、リチウムアルミ
ノシリケート結晶とカルシウムシリケート結晶が複合し
た結晶組織を主体とすることにより、シリコンに近似し
た熱膨張係数を有する焼結体からなるものである。この
セラミックス焼結体を用いることにより上記要求特性を
備えたクランプ治具を得ることができる。
【0016】以上のように本発明の上記焼結体は、少な
くともカルシウムシリケート結晶とリチウムアルミノシ
リケート結晶の複合した結晶組織を主体にしたものであ
る。両結晶の何れかが含有されない場合、該焼結体の熱
膨張係数あるいは多孔質の点でクランプ治具に適さない
ものになる。リチウムアルミノシリケート結晶は何れの
結晶型も使用できる。代表的なものとして、Li2O、
Al23、SiO2をL、A、Sと略記すると、LA
2、LAS4、LAS6、LAS8などが挙げられる。特
にLAS4のβスポジューメンが最も好ましい。カルシ
ウムシリケート結晶は、CaOをCと略記すると、C
S、C2S、C3S、C32などが用いられる。最も好ま
しいのはCSのウォラストナイトである。リチウムアル
ミノシリケート結晶の量比は上記両結晶の合計量に対し
て10〜90重量%が適当であり、20〜50重量%が
好ましく、更に好ましくは30〜40重量%である。従
って、カルシウムシリケート結晶の量比は10〜90重
量%が適当であり、50〜80重量%が好ましく、更に
好ましくは60〜70重量%である。
【0017】この焼結体が上記結晶組織を有し、かつ上
記範囲内の熱膨張係数を有するためには、各元素が酸化
物換算重量比(%)で、以下の組成範囲内にあることが求
められる。 0.7 ≦ Li2O ≦7.0 47.0≦ SiO2 ≦60.0 4.0 ≦ CaO ≦44.0 3.0 ≦ Al23≦30.0
【0018】Li2O、Al23の含有量が上記下限に
満たないと焼結体の熱膨張係数が上記範囲(1.0〜5.0×1
0-6/℃)を上回り、また焼結体が多孔質となってパーテ
ィクルが生じ易くなる。また、CaOの含有量が上記下
限に満たない場合には熱膨張係数が上記範囲より小さ過
ぎ、焼結体が多孔質になる。さらに、SiO2が上記下
限に満たない場合には熱膨張係数が上記範囲を上回り、
また何れの場合も十分なリチウムアルミノシリケート結
晶およびカルシウムシリケート結晶の複合組織が形成さ
れず、目的の材質のものが得られない。
【0019】一方、Li2O、Al23の含有量が上記
範囲の上限を上回ると焼結体の熱膨張係数が小さ過ぎ、
また、焼結体が多孔質となるためパーティクルの問題が
生じる。CaOが上記範囲を超えた場合には熱膨張係数
が大き過ぎ、多孔質の焼結体となる。さらに、SiO2
が上記範囲を上回ると熱膨張係数が過小になり、何れも
目的の材質のものが得られない。
【0020】上記組成範囲内であれば焼結体の熱膨張係
数は1.0〜5.0×10-6/℃であり、シリコンの熱膨
張係数との差は僅かである。また硬度もビッカース硬度
400〜600程度でパーティクルの発生が少なく、シ
リコンディスクの性能を十分に引き出すことができる。
【0021】上記組成のより好ましい範囲は以下のとお
りである。 1.0≦ Li2O ≦ 5.0 48.0≦ SiO2 ≦ 56.0 20.0≦ CaO ≦ 38.0 4.0≦ Al23≦ 14.0 上記組成範囲内では、焼結体の熱膨張係数は2.0〜3.
5×10-6/℃で、また硬度的もビッカース硬度400
〜600程度であって、パーティクル発生が少ない。
【0022】更に好ましい組成範囲は以下のとおりであ
る。 2.0≦ Li2O ≦ 3.0 49.0≦ SiO2 ≦ 52.0 26.0≦ CaO ≦ 32.0 8.0≦ Al23≦ 10.0 上記組成範囲内では、焼結体の熱膨張係数は2.7〜3.
2×10-6/℃でシリコンの値とほぼ同等であり、また
硬度的もビッカース硬度400〜600程度であって、
パーティクル発生が少ない。なお、本発明の焼結体に
は、上記物性を損なわない限り、不可避の不純物とし
て、Fe23、TiO2、MgO、MnO、Na2O、K
2O、P25などが含まれていても構わない。
【0023】(II)製造方法 本発明の上記クランプ治具は、各元素の含有量が、酸化
物換算の重量%で、0.7≦Li2O≦7.0、47.0≦
SiO2≦60.0、4.0≦CaO≦44.0、3.0≦
Al23≦30.0となるように原料粉末を調整して成
形し、あるいは溶融後、鋳造して成形し、高温で熱処理
することにより製造することができる。
【0024】原料粉末は結晶質粉末を用いても良く、ま
たは非晶質粉末を用いても良い。これらは個別に用いて
も良く、混合して用いても良い。すなわち、結晶性粉末
あるいは非晶質粉末を、溶融し鋳造成形した後に熱処理
を加えるか、または粉末を成形して該成形体に熱処理を
加える。あるいは、結晶質粉末と非晶質粉末の混合原料
を同様に粉末のまま、または溶融して成形、熱処理して
も良い。
【0025】ここで、結晶質粉末原料としては、L、
S、C、Aのそれぞれの単一組成および/または複数組
成を含む試薬や天然原料を使用することが出来る。ま
た、これらが入手できないときは、単一化合物および/
または複数化合物を含む試薬や天然原料を一部もしくは
全部用いても有効である。さらに、単一組成および/ま
たは複数組成を含む試薬と単一化合物および/または複
数化合物を含む試薬や天然原料を組み合わせて使用して
も良い。例えば、天然鉱物原料を使用する場合、C、S
源および/またはCS源としてケイ灰石を用い、L、
A、S源および/またはLAS源として葉長石などを使
用しても構わない。以上の原料を成形し、その成形体に
所定の熱処理を加えるか、あるいは、溶融し鋳型内に流
し込んで成形し、然る後に高温で熱処理を行う。
【0026】非晶質粉末を用いる場合も、L、S、C、
Aのそれぞれの単一組成および/または複数組成を含む
非晶質試薬や、単一化合物および/または複数化合物を
含む非晶質試薬を用いることができる。また、単一化合
物および/または複数化合物を含む結晶質試薬や天然結
晶質原料を一旦、高温で溶融し非晶質化したものを用い
ても良い。さらに、これらの原料を組み合わせて使用す
ることも出来る。以上の原料を成形し、その成形体に所
定の熱処理を加えるか、あるいは、溶融し鋳型内に流し
込んで成形し、然る後に高温で熱処理を行う。
【0027】以上の結晶質粉末および/または非晶質粉
末を用いる場合、200メッシュ以下の粉末を成形する
のが望ましい。これを越えると、焼結体中に大きな空隙
が残存しやすくなるため多孔質になり易い。また、原料
を溶融して鋳造成形する場合には、冷却による亀裂の発
生を抑制するため、流し込む鋳型を予め所定の温度に保
温していることが望ましい。この温度は、以下に述べる
熱処理温度との関係で適宜決定される。
【0028】成形後の熱処理温度は、700〜1300
℃の範囲が好ましく、特に非晶質粉末を含む原料を使用
する場合には、700〜1000℃に加熱して1時間ほ
ど保持した後、更に1100〜1300℃で約1時間保
持させることが好ましい。この保持温度帯は、熱処理に
よって生成されるリチウムアルミノシリケート結晶およ
びカルシウムシリケート結晶の量比に応じて調節され
る。例えば、LAS4とCSからなるセラミックスは、
750〜850℃で1時間、900〜1000℃で1時
間、さらに1100〜1200℃で1時間それぞれ保持
することにより得られる。冷却に際しては、空冷などを
行わない限り、通常の炉冷速度の範囲で構わないが、8
00〜1100℃で一旦保持するのがより好ましい。こ
れにより冷却時のマイクロクラックの発生が防止され、
焼成歪みが除去される。
【0029】
【実施例および比較例】以下、実施例により本発明の具
体的な態様を示す。なお、これらの例は本発明の範囲を
限定するものではない。
【0030】実施例1 出発原料として天然鉱物のαスポジューメン(Li2O:7.5
重量%、Al2O3:25.0重量%、SiO2:62.5重量%、その他:
5.0重量%)とβウォラストナイト(CaO:44.6重量%、SiO
2:51.0重量%、その他:4.4重量%)を用い、このαスポ
ジューメン35重量%とβウォラストナイト65重量%
を混合し、水を溶媒にしたボールミルにて平均粒度2.0
μmに湿式粉砕した。このスラリーに結合剤として2重
量%のPVAを加え、スプレードライヤーにて造粒した
後に型に入れ、1トン/cm2で加圧成形した。この成形体を
5℃/minの速度で1100℃まで昇温した後、1hr保
持後炉冷した。得られた焼結体の熱膨張係数は室温〜1
00℃の温度下で2.9×10-6/℃であり、シリコンの
熱膨張係数とほぼ同一であった。また、ビッカース硬度
は500kgf/mm2であった。なお、粉末X線回折装置(リン
ト:リカ゛ク社)により主結晶相を確認したところ、この焼結
体の主結晶相はβスポジューメンとβウォラストナイト
であった。
【0031】この焼結体を用いて、外径23.8mm、内径2
0.0mm、高さ2.35mmのスペーサーリングを作製した。両
端面はラップ盤による鏡面仕上げとし、面粗さをRmax
=0.1μm、Ra=0.02μm、平坦度を1μmとし
た。一方、外径65mm、内径20mm、厚さ0.63mmの単結晶シ
リコン製基板の表面にクロム50nm、コバルト30nm、炭素
10nmの成膜を施し、さらにフルオロカーボンの潤滑剤を
塗布した磁気ディスクを準備し、上記スペーサーリング
を用いて該磁気ディスクをハードディスク装置に装着し
た。なお、このディスク装置のクランパー、スピンドル
ハブは低熱膨張合金製である。この磁気ディスクを取り
付けた装置を、−10〜40℃の範囲で温度を変化させ
て基板の反りと変形量の温度変化をレーザ光を用いて調
べた。この結果、各温度と20℃の時との差は最大でも
1μm以下であった。また、この温度試験の後に磁気デ
イスクを1時間回転させ、ハロゲンランプでディスク表
面を目視観察したところ、基板面にパーティクルは殆ど
無く、表面状態は極めて良好であることが確認された。
【0032】実施例2 αスポジューメンを20重量%、βウォラストナイトを
80重量%とした以外は実施例1と同様にしてスペーサ
ーリングを作製した。この焼結体の熱膨張係数は3.5
×10-6/℃であり、硬度は500kgf/mm2であった。実
施例1と同様にこのスペーサーリングを用いて磁気ディ
スクを装置に取り付け、温度変化による状態を調べたと
ころ良好な結果を示した。
【0033】実施例3 αスポジューメンを50重量%、βウォラストナイトを
50重量%とした以外は実施例1と同様にしてスペーサ
ーリングを作製した。この焼結体の熱膨張係数は2.1
×10-6/℃であり、硬度は400kgf/mm2であった。実
施例1と同様にこのスペーサーリングを用いて磁気ディ
スクを装置に取り付け、温度変化による状態を調べたと
ころ良好な結果を示した。
【0034】実施例4 炭酸リチウム(試薬1級)、無水珪酸(同前)、炭酸カルシ
ウム(同前)、アルミナ(住友アルミニウム精練:A-HPS30)を用
い、酸化物に換算して表1に示す組成となるように原料
を調合し、この原料を白金坩堝に入れて1550℃で1
時間溶融した。次いで、この溶融した原料を水中に入れ
て急冷し、乾燥後、ポットミルで200メッシュ以下の粒度
に粉砕した。得られた粉末は、粉末X線回折装置より非
晶質であることが確認された。この非晶質粉末に、結合
剤として5重量%のパラフィンを加え、型に入れ1トン/c
m2で加圧成形した。得られた成形体を室温から800℃
まで5℃/minの速度で加熱し、1時間保持後、1000
℃まで3℃/minで加熱し、1時間保持し、更に1150
℃まで3℃/minで加熱した後に1時間保持した。その
後、室温まで炉冷してセラミックス焼結体を得た。この
焼結体の熱膨張係数は3.0×10-6/℃であり、ビッカ
ース硬度は450kgf/mm2であった。この焼結体を用い
て実施例1と同様のスーペーサリングを製作し、磁気デ
ィスクに適用して温度変化による状態を調べたところ良
好な結果を示した。
【0035】実施例5 αスポジューメンを90重量%、βウォラストナイトを
10重量%とした以外は実施例1と同様にしてスペーサ
ーリングを作製した。この焼結体の熱膨張係数は1.0
×10-6/℃であり、硬度は400kgf/mm2であった。実
施例1と同様にこのスペーサーリングを用いて磁気ディ
スクを装置に取り付け、温度変化による状態を調べたと
ころ良好な結果を示した。
【0036】実施例6 αスポジューメンを10重量%、βウォラストナイトを
90重量%とした以外は実施例1と同様にしてスペーサ
ーリングを作製した。この焼結体の熱膨張係数は4.8
×10-6/℃であり、硬度は500kgf/mm2であった。実
施例1と同様にこのスペーサーリングを用いて磁気ディ
スクを装置に取り付け、温度変化による状態を調べたと
ころ良好な結果を示した。
【0037】比較例1〜4 スペーサー材として、アルミナ(96%:京セラ社A-476)、
ジルコニア(京セラ社:Z-201N)、マコール(石原薬品社、
商品名:SiO246%,MgO17%,Ai2O316%,K2O10%,P2O37
%,F4%の成分からなるガラスマトリックス中にマイカ
結晶が析出したマシナブルセラミックス)、コーディエ
ライト(京セラ社:C-600)を各々用い、スペーサーリングを
製作して実施例1と同様の評価試験を行った。なお、こ
れらの熱膨張係数およびビッカース硬度は表1に示すと
おりである。アルミナ、ジルコニアを用いたものはパー
ティクルの問題は生じなかったが、熱膨張係数が大きい
ため温度変化に対する膨脹・収縮が著しく、温度による
基板の反りと変形量は最大で、アルミナで4μm、ジル
コニアで5μmと大きく、本用途には適さないものであ
った。マコール(商品名)を用いたものも同様に熱膨張係
数が過大であるため温度変化による変形量が大きく、ま
た硬度が200kgf/mm2と小さいためにパーティクルが
発生し易かった。同様に、コーディエライトを用いたも
のは硬度が100kgf/mm2と小さく、多孔質のためパー
ティクルが発生し易く、従って本用途に適さないもので
あった。
【0038】比較例5 αスポジューメンを100重量%、βウォラストナイト
を含まないようにした以外は実施例1と同様にしてスペ
ーサーリングを作製した。この焼結体の熱膨張係数は
0.5×10-6/℃であり、硬度も140kgf/mm2と小さ
く、しかも空隙の多い多孔質体であった。このため、磁
気ディスクをクランプした時に、温度変化による基板の
反りと変形量が大きく、パーティクルが発生し、実施例
のものに比べて性能の劣るものであった。
【0039】比較例6 αスポジューメンを含まず、βウォラストナイトを10
0重量%とした以外は実施例1と同様にしてスペーサー
リングを作製した。この焼結体の熱膨張係数は5.2×
10-6/℃とやや大きく、一方、硬度は110kgf/mm2
かなり小さく、しかも空隙の多い多孔質体であった。こ
のため、磁気ディスクをクランプした時に、温度変化に
よる基板の反り変形が大きく、パーティクルが発生し、
実施例のものに比べて性能の劣るものであった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明のクランプ治具は、シリコン基板
を用いた磁気ディスクなどに適用した場合に、温度変化
による基板の反りやその温度変化量が少なく、温度変化
の影響を受けずに信頼性の高い高記録密度での記録や再
生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クランプ治具の装着部分の概略断面図
【符号の説明】
1−スピンドルシャフト、2−ハブ、3〜5−シリコン
ディスク、6,7−スペーサーリング、8−クランパ
ー、9−ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 33/12 313 C04B 35/22 (72)発明者 三崎 紀彦 山口県小野田市大字小野田6276番地 秩父 小野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 佐々木 正雄 東京都港区西新橋二丁目14番1号 株式会 社サイマレック内 (72)発明者 清水 浩 山口県小野田市大字小野田6276番地 秩父 小野田株式会社セラミック事業本部内 (72)発明者 金子 英雄 福井県武生市北府2−1−5 信越化学工 業株式会社磁性材料研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムアルミノシリケート結晶とカルシ
    ウムシリケート結晶が複合した結晶組織を主体とし、熱
    膨張係数が1.0〜5.0×10-6/℃の焼結体からな
    り、高密度信号記録ディスクに用いられることを特徴と
    するクランプ治具。
  2. 【請求項2】リチウムアルミノシリケート結晶量10〜
    90重量%、カルシウムシリケート結晶量90〜10重
    量%の焼結体からなる請求項1に記載のクランプ治具。
  3. 【請求項3】 各元素の含有量が酸化物換算の重量%
    で、0.7≦Li2O≦7.0、 47.0≦SiO2≦6
    0.0、 4.0≦CaO≦44.0、 3.0≦Al23
    30.0である請求項1または2に記載のクランプ治
    具。
  4. 【請求項4】 各元素の含有量が酸化物換算の重量%
    で、0.7≦Li2O≦7.0、 47.0≦SiO2≦6
    0.0、 4.0≦CaO≦44.0、 3.0≦Al23
    30.0となるように原料粉末を調整して成形し、ある
    いは溶融後、鋳造して成形し、高温で熱処理することに
    より、リチウムアルミノシリケート結晶とカルシウムシ
    リケート結晶が複合した結晶組織を有し、熱膨張係数が
    1.0〜5.0×10-6/℃の焼結体からなる高密度信号
    記録ディスクに用いられるクランプ治具を製造すること
    を特徴とする方法。
JP9079402A 1997-03-31 1997-03-31 クランプ治具とその製造方法 Pending JPH10275439A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001339106A (ja) * 2000-05-26 2001-12-07 Hitachi Metals Ltd 圧電アクチュエータ素子

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JP2001339106A (ja) * 2000-05-26 2001-12-07 Hitachi Metals Ltd 圧電アクチュエータ素子

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