JPH10274246A - 内燃機関のベアリングキャップ及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関のベアリングキャップ及びその製造方法

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JPH10274246A
JPH10274246A JP7799697A JP7799697A JPH10274246A JP H10274246 A JPH10274246 A JP H10274246A JP 7799697 A JP7799697 A JP 7799697A JP 7799697 A JP7799697 A JP 7799697A JP H10274246 A JPH10274246 A JP H10274246A
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Yoshiki Hirai
佳樹 平井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム合金鋳物材のシリンダーブロック
と組み合わせる鉄合金製ベアリングキャップの内径を切
削加工する時、切削加工能率と加工歩留りを向上させ
る。 【解決手段】内燃機関のクランクシャフト軸受のアルミ
ニウム合金製シリンダーブロックと組み合わせる鉄合金
製ベアリングキャップ1において、ベアリングキャップ
1の本体の半円筒面6に、互いに凹凸4で噛み合って一
体化しているアルミニウム又はアルミニウム合金の薄層
3を備え、アルミニウム合金鋳物材のシリンダーブロッ
クと組み合わせて同一材質の内径を切削することができ
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関のクランク
シャフトの軸受のベアリングキャップ及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】レシプロエンジンのクランクシャフトの
軸受は、シリンダーブロック側の半割軸受部と、これに
取付ける他方の半割軸受部とから構成されている。他方
の半割軸受部は、半円筒面を備えシリンダーブロックに
ボルト締めされるベアリングキャップとなっている。軸
受はクランクシャフト1個につき、少なくとも気筒数よ
り1個少ない数になっている。
【0003】この軸受の製作方法は、第1工程として、
鋳造された半割円筒面を備えたシリンダーブロック素材
に、鋳造又は金型で圧縮造形された半割円筒面を備えた
ベアリングキャップ素材を所定の締め付けトルクでボル
ト締めして、巻きブッシュ等の軸受部材の厚さを見込ん
だ寸法の円筒に切削加工する。次に第2工程は、2部材
の締結をはずして、シリンダーブロック側およびベアリ
ングキャップ側の半割円筒に対応させて半割軸受摺動部
材を装着して所定の締め付けトルクでボルト締めし、摺
動面となる軸受部材の内径面をファインボーリング加工
し、所定内径寸法に仕上げ加工する。以上の第1工程、
第2工程とも、同軸で並ぶ複数の軸受部を同時に加工す
る。
【0004】クランクシャフトの取付けは、シリンダー
ブロックからベアリングキャップ及び軸受部材を取外し
ておき、クランクシャフトの軸部をシリンダーブロック
の半割軸受部に載せ、半割軸受部材及びベアリングキャ
ップを被せて所定の締め付けトルクでボルト締めして取
付ける。シリンダーブロックは、鋳鉄製のものもある
が、エンジンの軽量化及び熱伝導率の観点からアルミニ
ウム合金鋳物が多く用いられる。一方、ベアリングキャ
ップは機械的強度面から鉄合金が用いられており、生産
性や軽量化のために焼結合金のものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記したクランクシャ
フトの軸受製作の第1工程において、アルミニウム合金
製のシリンダーブロックと鉄合金からなるベアリングキ
ャップとを組み合わせて同時に軸受収納孔を切削加工す
る場合、そのままでは、半円周毎に切削材が異なるた
め、そのたびに切削抵抗値が変わる。両材料のどちらに
も適合するような切削工具の選択及び切削条件の選定に
困難が伴うばかりでなく、工具の寿命が短くなり、切削
加工面の品質を維持するためには加工能率を低くしなけ
ればならないことになる。
【0006】また、切削加工屑はアルミニウム材と鉄材
の混合物になるので、再生用に供給するためには、磁気
等による選別が必要であり、また、他方の材料の混入が
避けられないため、不純物の多いものとして扱われる。
鉄合金製ベアリングキャップの切削加工される部分を脱
炭処理して軟質にする技術も提案され、効果が得られて
いるが、シリンダーブロックと材料が異なるという本質
は変わっていないので改善の余地がある。
【0007】また、ベアリングキャップをアルミニウム
合金製にすれば上記切削上の問題はなくなるが、ベアリ
ングキャップの機械的強度を確保するために厚さを増す
などの形状的変更を要し、それに伴ってエンジン全体に
わたる大幅な設計変更が必要となるため、有効な対策と
なっていないのが現状である。このような背景から、本
発明は、アルミニウム合金鋳物材のシリンダーブロック
と機械的強度のある鉄合金製ベアリングキャップの組合
せを堅持したままで、切削加工能率と加工歩留りが向上
するようなベアリングキャップを提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、鉄合金製ベアリングキャップ本体の半円
筒面に本体と一体化したアルミニウム又はアルミニウム
合金の薄層を備えたことを特徴とする内燃機関のベアリ
ングキャップを提供する。このアルミニウム又はアルミ
ニウム合金の薄層とベアリングキャップ本体との固着は
ベアリングキャップ本体と薄板とが凹凸で噛み合って一
体化していることが望ましい。
【0009】上記ベアリングキャップは次の方法によっ
て製造することができる。すなわち、本発明の製造方法
は、鋳造合金又は焼結合金からなり半円筒面に凹凸を備
えた鉄合金製ベアリングキャップ本体を製作する工程、
前記ベアリングキャップ本体の半円筒面形状にアルミニ
ウム又はアルミニウム合金の薄板を湾曲させる工程、及
びベアリングキャップ本体の凹凸と噛み合うまで前記薄
板を押圧して塑性変形させる工程を含む内燃機関のベア
リングキャップの製造方法である。この場合、前記アル
ミニウム又はアルミニウム合金の薄板を円弧面を有する
パンチでベアリングキャップ本体の半円筒面に押圧して
薄板を湾曲させた後に、薄板の仕上がり円弧面を有する
パンチを用いて前記薄板を半円筒面に押圧し、薄板を塑
性変形させベアリングキャップ本体の半円筒面の凹凸に
噛み合わせることとすれば、一層容易に製造することが
でき好適である。
【0010】また、本発明の別の製造方法として、鉄合
金製ベアリングキャップ本体2個を、半円筒部を対向さ
せて円筒形に組み合わせ固定し、前記円筒形の内孔に一
対の半割円筒状のアルミニウム又はアルミニウム合金の
薄板を嵌合させたのち、マンドレルを挿入して前記薄板
の内径寸法を拡張すると共に薄板を塑性変形させてベア
リングキャップ本体の半円筒面の凹凸に噛み合わせるこ
とを特徴とする内燃機関のベアリングキャップの製造方
法を提供する。
【0011】さらにまた、半円筒面に凹凸を備えた前記
鉄合金製ベアリングキャップ本体の半円筒面にアルミニ
ウム又はアルミニウム合金の薄板を円弧面を有するパン
チで押圧して前記薄板をベアリングキャップの半円筒面
の凸部に当接させた後、ベアリングキャップ本体と薄板
とを狭窄部を有する前方押出ダイ孔へ軸方向に押し入れ
通過させ、薄板を塑性変形させて半円筒面凹凸に噛み合
わせることを特徴とする製造方法でもよい。
【0012】また別の方法として、鋳造合金又は焼結合
金からなり半円筒面に凹凸を備えた鉄合金製ベアリング
キャップ本体を製作し、ベアリングキャップ本体の半円
筒部に所定厚さのキャビティを形成するダイカスト金型
に前記ベアリングキャップ本体を装着して、前記キャビ
ティにアルミニウム又はアルミニウム合金溶湯を注入し
て固化させ離型することを特徴とする内燃機関のベアリ
ングキャップの製造方法によって製造することもでき
る。
【0013】以上のように、本発明のベアリングキャッ
プは、本体の半円筒面部にアルミニウム又はアルミニウ
ム合金の薄板を押圧する方法によっても製作することが
でき、又はアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を
ダイカスト成形又は溶融鍛造する方法によって製作する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施例のベアリングキャ
ップの斜視図を図1に示す。ベアリングキャップ1は、
半円筒部6があり、その両側の脚部にはボルト孔5を備
えている。本体2は、鋳鉄の鋳物又は鉄系焼結合金製で
ある。半円筒部6の内径側は、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金の薄層3が凹凸4にめり込んで本体2と一体
の状態になっている。
【0015】本体2が焼結合金の場合は、圧粉及び焼結
する通常の方法で製作することができる。焼結合金の材
料強度は、引張り強さで約30〜40kgf/mm2
度であればよいので、組成が重量比でCu:1〜2%、
C:0.6〜0.8%、Fe:残りで、密度が約6.6
〜6.8g/cm3 程度のものである。凹凸4は、切削
や段取り中にアルミニウム薄層が本体2から簡単に脱落
され難くする引っかかりの効果があり、山の高さは0.
05〜1mm程度あれば十分で0.5mm程度が好まし
い。凹凸は大きくてもよいが、無駄なアルミニウムを消
費し、固着手段が塑性加工による場合は、変形量を多く
しなければならないので好ましくない。凹凸4は図1で
は軸方向にセレーションに形成されたものであるが、ロ
ーレットのようなものや、金型で成形することができる
各種形状の組合せ、又は表面を梨地状にしても効果があ
り、成形金型によって、或いは切削加工やピーニング処
理によって形成することができる。
【0016】薄層3は、純アルミニウム又はSiやMg
等を含むアルミニウム合金が適用される。薄層3は板材
を塑性変形させて固着させる方法又はダイカストで溶湯
を鋳込む方法や溶融鍛造法で形成することができる。薄
層3を形成する板材は、粉末冶金法によっても作製する
ことができるが、溶製の圧延板を剪断又は打ち抜いて作
製する方が能率がよい。板材の厚さは、シリンダーヘッ
ドと一緒に切削加工するときの加工量が約0.5mm程
度なので、加工中に薄板が剥離や折れ曲がりを生じない
ように適度の厚さが必要であり、1〜5mm程度とすれ
ばよい。板材は平らな状態で供給し、本体2の半円筒部
に押し込んで折り曲げてもよく、本体2の半円筒部6に
はめ込めるように、予め円筒状に折り曲げておくことと
してもよい。
【0017】次に、アルミニウム又はアルミニウム合金
の板材を本体2に固着させる方法を説明する。第1に
は、本体2の半円筒部6の底方向に板材を押す方法であ
る。押すための治具は、半円筒部6の薄層3の内径と同
じ円弧面を持つパンチである。板材は平板の形で供給
し、本体2の半円筒部6の脚部に橋渡し状態にセット
し、パンチで所定位置まで押圧する。或いは、予め、板
材を半円弧状に曲げておき、本体2の半円筒部6に装着
して押圧することもできる。
【0018】第2には、半円弧状の板材を本体2の半円
筒部6に装着しておき、板材の孔側にマンドレルを押し
入れて、板材を本体側に押し拡げる方法である。この場
合、半円弧状の板材を半円筒部6に装着した2個の本体
2を対向させて、油圧クランプやボルトを用いて固定す
るか又はダイの孔に装着固定し、薄板の内孔に先端がテ
ーパ状のマンドレルを押し込む方法がある。前記マンド
レルに替えて、外周にテーパ付きの回転ロールを2個以
上備えた治具を一方向回転又は揺動回転させながら押し
込む方法がある。2個の本体2を対向させた1セットを
軸方向に積み重ねた状態で、マンドレル又は治具を貫通
させることもできる。また、前記のように本体同士を対
向させないで、一方の側を金型に代え、その金型に対向
させて板材が装着された本体2を固定する方法でも可能
である。
【0019】第3には、狭窄部のあるダイ中に本体2と
半円弧状の板材とを軸芯方向に押し入れ通過させる前方
押し出しによる方法である。押出ダイに挿入される前
に、本体2の半円筒部6にパンチを用いて板材を所定位
置まで押圧し、板材を半円筒部6に倣って半円弧状に曲
げるか、又は予め金型で半円弧状に曲げておき、本体2
の半円筒部6に当接装着する。次いで押出ダイの案内キ
ャビティへ押し込んでおき、その上に同様に半円弧状の
板材が装着された本体2を置き、軸方向に押し進めるこ
とにより、前方にあるワークは狭窄部を通過し、その最
中には板材は本体2側へ圧縮され固着する。後方にある
ワークは一部が狭窄部に入った状態で案内キャビティま
で進むことになる。この繰り返しで製作することができ
る。
【0020】本体2と薄層3の固着は、本体2に設ける
凹凸に薄板部材が噛み合うことで2部材が容易に離脱し
なくなるが、アルミニウム又はアルミニウム合金に新生
面が出て、本体2と凝着結合を伴っていると結合力が増
大する。前記第3の方法によれば凝着が多いが、本体2
に設ける凹凸の形を鋸歯或いはスプライン状にし、アル
ミニウム又はアルミニウム合金が塑性変形し凹凸4に流
動する最中に新生面が出易いように形状を工夫しても凝
着を多くすることができる。
【0021】次に、ダイキャストにより薄板3を形成す
るには本体2を金型に装着したとき、薄層3に相当する
部分がキャビティを形成するようにしておき、キャビテ
ィにアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を注入し
て固化させる。
【0022】
【実施例】以下、アルミニウム合金板材を塑性変形させ
て本体2に固着する実施例により本発明を説明する。 [実施例1]本体2は、組成がFe−1.5%Cu−
0.7%C、密度6.8g/cm3 の燒結合金で、半円
筒部の半径は30mm、厚さ20mmで、凹凸4は山高
さ0.7mmのセレーション形状である。
【0023】薄層3の材料は、厚さ3mmの市販のアル
ミニウム圧延板を切断して幅と長さを所定寸法に整えて
ある。本体2は、半円筒部を上向きにした状態ですっぽ
り入る治具穴に装着し、アルミニウム板を半円筒部の脚
間に橋渡しして、中間部を円弧面を持つパンチで押し、
アルミニウム板を半円筒面に当接させたのち、前記パン
チの円弧面より半径が0.5mm大きなパンチを再び半
円筒部6に押し入れる。アルミニウムの薄板3は、特に
本体2の脚部寄りの凹凸4に強く食い込み、固着され
る。アルミニウムの薄板3と本体2の間に釘を打ち込み
一部を剥離させると、アルミニウムの薄板3を分離する
ことができる。
【0024】[実施例2]本体2は実施例1と同じであ
り、アルミニウム薄層3の材料は予め本体2の半円筒面
に嵌合する円弧状に曲げ加工を施しておく。2個の本体
2を脚部で対向させボルト穴を通してボルト、ナットで
結合する。形成された内孔に半割状のアルミニウム薄板
を嵌合させ、直径56mmの孔が開いた基台の上に軸芯
を合わせて載せる。先端部に1/100のテーパがある
直径54.5mmのマンドレルを内孔に押込貫通させ
る。アルミニウム薄板3は本体の凹凸4に食い込み一体
に締結される。ボルトを外しベアリングキャップを分離
する。
【0025】前記棒状のマンドレルの代わりに、軸の回
りに回転自在にテーパ付きコロを複数個設けてあるマン
ドレルを回転しながら押し込むと、アルミニウム板は圧
延、転造されるのと同じように塑性変形し、押し込みの
抵抗が少なくなる。 [実施例3]本体2は実施例1と同じで、アルミニウム
板は平板である。図2及び図3は製造装置の原理図で、
図2は縦断面図、図3は上視図である。
【0026】基盤63上には、ダイス受け61、狭窄ダ
イ51、案内ダイ41の順に積載され、ダイホルダー6
2で一体に固定されている。案内ダイ41に接して、ホ
ルダー21があり、ホルダー21には軸方向と直角方向
に進退する曲げパンチ31がパンチガイド32に案内さ
れている(図3)。押出パンチ12及び押しカム13は
ダイセットに向かって進退するラム11に固定されてい
る。
【0027】この装置の細部は、図3に示すように、ホ
ルダー21には本体2を収納する孔があり、その孔の半
円筒部側が開口していて、開口側には薄板3を収容する
逃げ部33を形成したパンチガイド32があり、パンチ
ガイド32に案内されて、凸の円弧面を備えた曲げパン
チ31が軸心と直交して進退自在に設けられている。曲
げパンチ31はバネにより、図3の向かって左方向へ付
勢されている。
【0028】案内ダイ21は、本体2の半円筒面に薄板
3が円弧状に当接したときのプロフィールの孔が開いて
いる。狭窄ダイ51は、薄板3の半円筒部が案内ダイ4
1のダイ孔形状からテーパ状に順次断面減少している狭
窄部を備えた前方押出ダイである。押出パンチ12は、
案内ダイ41に嵌合する形状で、狭窄ダイ51には侵入
しない。押出パンチ12と共に進退する押しカム13
は、前進すると曲げパンチ31の端部にカム面が当た
り、曲げパンチ31を本体2の半円筒面の底に向かって
前進させる。
【0029】次に、この装置を用いたベアリングキャッ
プの製作方法を説明する。ホルダー21、案内ダイ4
1、狭窄ダイ51の各孔には何も入っていない状態であ
り、最初は、案内ダイ41内に、本体2の半円筒部に手
作りで湾曲させたアルミニウム板をセットし、栓を設け
た状態を作る。次に、ホルダー21の孔に本体2を装着
すると共に、パンチガイド32と本体2の脚部端面との
間の逃げ部33を持つ隙間に、アルミニウム板の平板を
セットする。そして、上ラム11を前進させると、まず
押しカム13が曲げパンチ31に当接し、曲げパンチ3
1の円弧面がアルミニウムの薄板3を押し曲げ、本体2
の半円筒面に倣って当接するまで前進する。次いで、押
出パンチ12がホルダー21内の本体2及び薄板3の端
面に当接して前進することにより、案内ダイ41内にあ
ったダミーのワークを狭窄ダイ51に押し入れながら、
案内ダイ41に押し込んで、そして後退する。
【0030】再び、ホルダー21に本体2及び平板のア
ルミニウム薄板3をセットし、ラム11を前進し、曲げ
パンチ31で薄板3を押し曲げ、半円筒面に当接させ
る。そして案内ダイ41内まで押し込む。この状態でダ
ミーのワークは狭窄ダイ51を通過し、ダイス受け61
のワーク取出し空間部に排出され、また、第1のワーク
は狭窄ダイ51内にある状態となる。この繰り返しによ
り、薄板3が凹凸4に噛み合って本体2に固着したベア
リングキャップ1が得られる。
【0031】この実施例において、アルミニウム薄板の
断面減少量は、本体2の凹凸4に消費される体積に近い
量に設定される。断面減少量(狭窄量)が少ないと凹凸
4の谷部への食い込みが少なくなり、多すぎるとアルミ
ニウム薄板が押出方向へ延びることになり、押出圧力が
上昇するほか、本体2の厚さと薄板3の厚さが異なり、
ズレを生じる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のベアリン
グキャップは、鉄合金製ベアリングキャップ本体の半円
筒面にアルミニウム又はアルミニウム合金の薄層が一体
に固着されているので、切削加工される部分は、シリン
ダーブロックとベアリングキャップが共にアルミニウム
系材であるから、アルミニウム又はアルミニウム合金に
適する切削条件を選定することができ、工具の摩耗が少
なくなり、加工能率及び品質が向上する。また、切粉は
全てアルミニウム系材料となり、再生も容易になり、鉄
合金本体とアルミニウム又はアルミニウム合金の薄板と
は冶金的な結合をしていないので分離が比較的容易であ
り、金属の再生がし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のベアリングキャップの外観斜視図であ
る。
【図2】製造装置の縦断面図である。
【図3】製造装置の一部上視図である。
【符号の説明】
1 ベアリングキャップ 2 本体 3 薄層(薄板) 4 凹凸 5 ボルト孔 6 半円筒部 12 押出パンチ 13 押出カム 21 ホールダー 31 曲げパンチ 41 案内ダイ 51 狭窄ダイ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランクシャフト軸受のアル
    ミニウム合金製シリンダーブロックと組み合わせる鉄合
    金製ベアリングキャップにおいて、ベアリングキャップ
    本体の半円筒面に、本体と一体化したアルミニウム又は
    アルミニウム合金の薄層を備えたことを特徴とする内燃
    機関のベアリングキャップ。
  2. 【請求項2】 前記ベアリングキャップ本体とアルミニ
    ウム又はアルミニウム合金の薄層とが互いに凹凸で噛み
    合って一体化していることを特徴とする請求項1記載の
    内燃機関のベアリングキャップ。
  3. 【請求項3】 鋳造合金又は焼結合金からなり半円筒面
    に凹凸を備えた鉄合金製ベアリングキャップ本体を製作
    する工程、前記ベアリングキャップ本体の半円筒面形状
    にアルミニウム又はアルミニウム合金の薄板を湾曲させ
    る工程、及びベアリングキャップ本体の凹凸と噛み合う
    まで前記薄板を押圧して塑性変形させる工程を含む内燃
    機関のベアリングキャップの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム又はアルミニウム合金
    の薄板を円弧面を有するパンチでベアリングキャップ本
    体の半円筒面に押圧して薄板を湾曲させた後に、薄板の
    仕上がり円弧面を有するパンチを用いて前記薄板を半円
    筒面に押圧し、薄板を塑性変形させベアリングキャップ
    本体の半円筒面の凹凸に噛み合わせることを特徴とする
    請求項3記載の内燃機関のベアリングキャップの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 鉄合金製ベアリングキャップ本体2個
    を、半円筒部を対向させて円筒形に組み合わせ固定し、
    前記円筒形の内孔に一対の半割円筒状のアルミニウム又
    はアルミニウム合金の薄板を嵌合させたのち、マンドレ
    ルを挿入して前記薄板の内径寸法を拡張すると共に薄板
    を塑性変形させてベアリングキャップ本体の半円筒面の
    凹凸に噛み合わせることを特徴とする内燃機関のベアリ
    ングキャップの製造方法。
  6. 【請求項6】 半円筒面に凹凸を備えた前記鉄合金製ベ
    アリングキャップ本体の半円筒面にアルミニウム又はア
    ルミニウム合金の薄板を円弧面を有するパンチで押圧し
    て前記薄板をベアリングキャップの半円筒面の凸部に当
    接させた後、ベアリングキャップ本体と薄板とを狭窄部
    を有する前方押出ダイ孔へ軸方向に押し入れ通過させ、
    薄板を塑性変形させて半円筒面凹凸に噛み合わせること
    を特徴とする内燃機関のベアリングキャップの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 鋳造合金又は焼結合金からなり半円筒面
    に凹凸を備えた鉄合金製ベアリングキャップ本体を製作
    し、ベアリングキャップ本体の半円筒部に所定厚さのキ
    ャビティを形成するダイカスト又は溶融鍛造金型に前記
    ベアリングキャップ本体を装着して、前記キャビティに
    アルミニウム又はアルミニウム合金溶湯を注入して固化
    させ離型することを特徴とする内燃機関のベアリングキ
    ャップの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104870124A (zh) * 2012-12-21 2015-08-26 捷豹路虎有限公司 包括金属基加强构件的部件及其形成方法

Cited By (1)

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CN104870124A (zh) * 2012-12-21 2015-08-26 捷豹路虎有限公司 包括金属基加强构件的部件及其形成方法

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