JP2506026B2 - ア―ム取付軸の製造方法 - Google Patents

ア―ム取付軸の製造方法

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JP2506026B2
JP2506026B2 JP18050592A JP18050592A JP2506026B2 JP 2506026 B2 JP2506026 B2 JP 2506026B2 JP 18050592 A JP18050592 A JP 18050592A JP 18050592 A JP18050592 A JP 18050592A JP 2506026 B2 JP2506026 B2 JP 2506026B2
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啓司 田辺
一松 生木
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NICHIDAI KK
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KONDOO SEIKOO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アーム取付軸の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アーム取付軸は、乗用車の懸架機構を構
成する部品の1つであり、シャーシと懸架アームを連結
するためのものである。特に近年は、走行性能や乗心地
等の向上のためにダブルウィシュボーン形の懸架機構が
広く用いられているが、この機構には数本のアーム取付
軸が使用されている。
【0003】従来、アーム取付軸は熱間鍛造又は冷間多
段鍛造によって製造されている。
【0004】熱間鍛造は、通常、(1)丸棒の切断工
程、(2)加熱工程(約900℃)、(3)熱間鍛造工
程、(4)バリ抜き工程(第1プレス工程)、(5)バ
レル研磨工程、(6)第2プレス工程、(7)第3プレ
ス工程、(8)第1切削工程、(9)第2切削工程の9
つの工程から構成される。そして、この製造法で得たア
ーム取付軸の加工精度は約0.3〜0.6mm程度であ
る。
【0005】一方、冷間多段鍛造は、一般に、(1)切
断を含む冷間多段鍛造工程(丸棒両端を小径丸棒に加工
する工程)、(2)第1プレス工程(両端の小径丸棒部
分を平面成形する工程)、(3)バリ抜き工程、(4)
バレル研磨工程(抜きバリ除去工程)、(5)第2プレ
ス工程(穴抜き加工工程)の5つの工程から構成され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】熱間鍛造では、製造過
程で中間成形体の全周にバリが生じるため、バリ抜き工
程が必要である。また、バリはスクラップとなるため歩
留りが悪くなる。さらに、両端の板状部分の面精度や平
行度が良好でない等の不都合も生じる。
【0007】一方、冷間多段鍛造では、平面成形の段階
で中間部分と両端板状部分の間にクビレが生じる不都合
がある。また、ファイバーフローの不連続境界が発生
し、強度的な問題も生じる。
【0008】ところで、最近は特に乗用車の走行性能及
び燃費を向上させることが強く求められている。こうい
った乗用車を供給するためには、各部材の製造コストを
削減することも間接的にではあるが大きな意味をもって
いる。ところが、従来の製造方法ではアーム取付軸の製
造コストの引下げも限界に達していた。アーム取付軸の
製造コストを大幅に低減するためにはその製造方法を根
本的に見直す必要があった。
【0009】このような従来技術の問題点に鑑み、本発
明の目的は、高精度・高品質であってかつ精度及び品質
のバラツキも小さいアーム取付軸を低コストで製造する
ためのアーム取付軸の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、軸方向の押
出成形によって素材片を絞ってその素材片の一端及び他
端を板状に塑性変形させる工程を含むことを特徴とする
アーム取付軸の製造方法を要旨としている。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0012】まず、長尺の丸棒材を所定の長さに切断し
て、丸棒状の素材片とする。丸棒材の切断は、例えばク
イル(固定)とナイフ(可動)を用いてせん断によって
行うことができる。
【0013】この素材片に両面付を施して第1成形体1
0を得る。第1成形体10の両側端面には、図1〜3に
示すような両面異形の面付12,13が形成されてい
る。この面付12,13の成形工程の一例を図10に示
す。図10で符号101〜104はそれぞれパンチ、イ
ンサートパンチ、ノックアウト、ダイを示している。
【0014】次に、第1成形体10に軸方向の押出成形
(絞り成形ともいう)を施してその一端を絞り、一端を
板状に塑性変形させる。この押出成形工程の一例を図1
1に示す。この成形によって、一端に板状部分22を有
する第2成形体20が得られる(図4〜6参照)。
【0015】図11において、符号111,113〜1
15はそれぞれパンチ、ノックアウト、ダイA、ダイB
を示している。ダイ113,114内に設定された成形
体に向ってパンチ111を軸方向に移動させることによ
って、押出成形を行うのである。ダイ115の終端には
ノックアウト113が設定されている。
【0016】第2成形体20の大径部21はほぼ円筒状
である。大径部21の一端には移行部25を経て断面ほ
ぼ矩形状の板状部分22が形成されている。板状部分2
2の幅は大径部分21の直径よりもわずかに小さい。板
状部分22の厚さはその幅の約1/3程度である。ま
た、板状部分22の中心線は円筒状大径部21の中心線
に一致している。
【0017】次に、もう一度軸方向の押出成形を行って
第2成形体20の他端側を絞り、他端部も同様に板状に
塑性変形させる。この押出成形工程の一例を図12に示
す。この成形によって、両端に板状部分32,33を有
する第3成形体30を得るのである(図7〜9参照)。
2つの板状部分32,33の形状はほぼ同じで、中心線
も一致している。
【0018】図12において、符号121〜125はそ
れぞれパンチ、インサートパンチ、ノックアウト、ダ
イ、スリーブを示している。パンチ121及びインサー
トパンチ122を軸方向に移動して押出成形を行う。成
形体はダイ124及びスリーブ125内に設定されてい
て、成形体の右端にはノックアウト123が配置されて
いる。他端の板状部分33は、パンチ121を押し込む
過程でパンチ121の当該板状穴部分に流入する形で形
成される。なお、金型のダイスリーブの肉厚は薄く、二
分割しても成形可能である。成形荷重はノックアウトと
ダイスリーブで分散して受ける形になっている。
【0019】通常は第3成形体30を得た後に、第4〜
第6の成形を続けて行い、中央胴部を膨らましたり、寸
法の仕上げをするが、これらの成形過程は公知であるの
で図示しない。第4〜6の工程で板状部分をさらに絞る
ことも可能である。
【0020】以上の一連の成形は6段成形冷間鍛造機を
用いて行うことができる。この鍛造機には連続同期切断
の機構も内蔵されている。6段成形冷間鍛造機によれ
ば、例えば毎分60個のスピードで製品を処理できる。
【0021】最後に、プレスによって、成形体両端の板
状部分に穴を形成するとともに全長の定寸を行う。
【0022】次に、押出成形時における断面の減少率に
ついて述べる。前述の押出成形では、丸棒材料径を例え
ば19mm程度とし、断面減少率を例えば59%程度に
設定できる。1回の押出成形では断面減少率を最大62
%程度まで大きく設定できるが、その場合には、金型に
表面処理(具体的にはCVD処理又はPVD処理)を行
うことが望ましい。
【0023】なお、この実施例によれば、アーム取付軸
の加工精度を0.05〜0.3mmに向上することがで
きる。
【0024】
【発明の効果】この発明によれば、軸方向の押出成形に
よって両端を絞って板状に変形させる構成になっている
ので、以下の効果を得ることができる。
【0025】材料使用量を例えば30%〜42%節減
できる。
【0026】製造工程数を9工程から2工程に減少で
きる。
【0027】寸法及び形状の精度が向上し、品質のバ
ラツキも小さくできる。
【0028】部品重量を例えば18%程度軽くでき
る。
【0029】物流コストを低減できる。
【0030】製造設備の所要床面積を少なくできる。
【0031】仕掛かり量を減少できる。
【0032】製作期間を短縮できる。
【0033】さらに以上の効果に加えてアーム取付軸に
設ける防振ゴムの加硫成形コストも下げることができ
る。
【0034】なお、本発明は前述の実施例に限定されな
い。例えば素材片は必ずしも丸棒状である必要はなく、
パイプ状や角状であってもよい。また、丸棒状の素材片
の両端にかなり深い軸方向の穴を形成し、その後に押出
成形を行っても良い。その場合には材料使用量をさらに
節減することができ、また、絞りの際の断面減少率も小
さくできる(例えば35%、累計では85%)。従っ
て、軸絞り加工力を低減でき、型寿命をのばすことがで
きる。さらに成形は温間で行ってもよい。また、両端部
の押出し成形を同時に行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法によって作られる第1成形体を示す
上面図。
【図2】図1の第1成形体の側面図。
【図3】図1の第1成形体の端面図。
【図4】本発明によって作られる第2成形体を示す上面
図。
【図5】図4の第2成形体の側面図。
【図6】図4の第2成形体の端面図。
【図7】本発明によって作られる第3成形体を示す上面
図。
【図8】図7の第3成形体の側面図。
【図9】図7の第3成形体の端面図。
【図10】図11の前の工程を示す断面図。
【図11】本発明による製造方法の一工程を示す断面
図。
【図12】本発明による製造方法の他の工程を示す断面
図。
【符号の説明】
10 第1成形体 11 本体 12,13 面付部 20 第2成形体 21 大径部 22 板状部分 25 移行部 30 第3成形体 31 大径部 32,33 板状部分 101,111,121 パンチ 102,122 インサートパンチ 103,113,123 ノックアウト 104,114,115,124 ダイ 125 スリーブ ◆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−148176(JP,A) 特開 平2−117737(JP,A) 特開 平3−77737(JP,A) 特開 昭54−112777(JP,A) 特開 昭62−168627(JP,A) 実開 昭55−160244(JP,U) 実開 昭58−4247(JP,U) 実開 昭58−9249(JP,U) 実開 平1−114133(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向の押出成形によって素材片を絞っ
    てその素材片の一端及び他端を板状に塑性変形させる工
    程を含むことを特徴とするアーム取付軸の製造方法。
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