JPH10272475A

JPH10272475A - 磁気分離装置

Info

Publication number: JPH10272475A
Application number: JP9079568A
Authority: JP
Inventors: Fumitaka Handa; 文隆半田; Shiro Nakahira; 四郎仲平; Minoru Morita; 穣森田
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1997-03-31
Filing date: 1997-03-31
Publication date: 1998-10-13

Abstract

(57)【要約】【課題】磁気分離装置の小型化を図ること。【解決手段】除去されるべき懸濁物質を含む被処理水に
磁性体と凝集剤を添加して撹拌手段により撹拌し、磁性
凝集体を生成させることで懸濁物質に磁性をもたせ、磁
気分離部で被処理水から磁性凝集体を磁気的に分離する
磁気分離装置において、取水口２の近くで磁性体と凝集
剤を添加し、磁気分離部２５までの管路１７、１９を撹
拌手段として利用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、除去されるべき懸
濁物質を含む被処理水を磁気的な処理をして懸濁物質を
除去するための磁気分離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の磁気分離装置は、例えば特開昭５
９−３７２号公報に記載されるように、被処理水を採取
後に磁気分離工程の前処理として、強磁性体微粒子と無
機質凝集剤を加えて撹絆する。これにより被処理水中の
固形浮遊物や藻類、菌類等の微生物は、凝集剤の作用で
互いに結合し多数のコロイド状の磁性を持った磁性凝集
体となる。これらの磁性凝集体は磁気分離部を通過する
際に磁気によって被処理水から分離される。

【０００３】従来技術による運転操作基本フローを図１
に示す。浄化対象の貯水池１の取水口２から、ポンプ４
でくみあげられ、原水貯槽５に一旦蓄えられる。取水口
２には大きな固形物を取り除くためのストレーナ３をと
りつける。原水６に、あらかじめ水を加え電動機７で駆
動する撹拌機８によってよく撹拌しておいた四酸化三鉄
等の磁性粉を注入装置９で加える。次に、ポリ塩化アル
ミニウム等の凝集剤を電動機１０で駆動する撹拌装置１
１によって水溶液化して注入装置１２で加え、水酸化ナ
トリウム等のｐＨ調整剤を電動機１３で駆動される撹拌
装置１４によって水溶液化して、注入装置１５で原水に
注入する。次に電動機１６で駆動される急速撹絆装置１
７で急速に撹拌する。ここで十分強く撹拌することでフ
ロックの強度が上がる。次に電動機１８で駆動される緩
速撹絆装置１９で緩速撹絆し、凝集体を成長させる。フ
ロック強度を上げるための高分子は電動機２０で駆動さ
れる撹拌装置２１によって水に溶解させた後、緩速撹拌
装置１９と急速撹拌装置１７の間に設置した注入装置２
２ａで原水６に注入する。もしくは緩速撹拌装置１９が
ある程度進んでから緩速撹拌装置１９にとりつけた注入
装置２２ｂで高分子を加える。

【０００４】以上で磁性凝集体を含む前処理水２３がで
きる。前処理水２３は弁２４を経て磁気分離部２５内に
流入し磁性凝集体が分離捕捉される。磁性凝集体を取り
除かれた処理水は弁２６を通して運ばれ、一旦処理水タ
ンク２７に貯められて貯水池１に戻される。磁気分離部
２５で捕捉された磁性凝集体は所定の周期で空気タンク
２８に貯められた空気を弁２９を通して磁気分離部２５
内に導き、フィルタをエアバブリングすることにより逆
洗される。磁性凝集体を含む逆洗処理水３０は弁３１を
通って逆洗処理水槽３２に貯められる。この逆洗処理水
は別途逆洗処理水槽３２から運び出され、埋立地などに
廃棄されたり、焼却される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】磁気分離装置の利点は
小型で高速処理が可能であることで、広大な敷地を要す
る沈降方式等による水質浄化設備の設置が困難な場所に
設置可能であることが特徴であるため小型化への要求が
非常に強い。

【０００６】磁気分離装置内で処理に必要な時間は、磁
気分離部が数十秒であるのに対し、前処理部はその数十
倍の数百秒かかるので、前処理部の中に滞留している水
の体積が非常に大きくなる。よって、磁気分離装置の小
型化を行うには磁気分離部の小型化よりも、前処理部を
小型化したほうが効果的である。

【０００７】本発明の目的は、小型化した磁気分離装置
を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的は、除去される
べき懸濁物質を含む被処理水に磁性体と凝集剤を添加し
て撹拌手段により撹拌し、磁性凝集体を生成させること
で懸濁物質に磁性をもたせ、磁気分離部で被処理水から
磁性凝集体を磁気的に分離する磁気分離装置において、
取水口の近くで磁性体と凝集剤を添加し、磁気分離部ま
での管路を撹拌手段として利用する、ことにより達成す
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の第１の実施例を図
１により説明する。図において、池１の水(以下原水と
称す)はポンプ４によって取水口２から、大きな固形物
を取り除くためのストレーナ３を通して汲み上げられ
る。ここで電動機７と撹拌機８でつくられた磁性粉と水
との混合物を注入装置９で、電動機１０と撹拌機１１で
調製された凝集剤を注入装置１２で加え、必要に応じ、
ｐＨ調整剤を電動機１３と撹拌機１４で水溶液とし、注
入装置１５で原水に加える。ｐＨ調整剤の添加の要否
は、必要濃度分だけ凝集剤を添加した後のｐＨと、凝集
剤により異なる凝集可能なｐＨの範囲で決まる。つま
り、原水に含まれる懸濁物質が多く凝集剤を大量に必要
とする場合、凝集剤は酸性であるので原水のｐＨが酸性
に片寄りすぎ、各凝集剤によって決まる凝集可能なｐＨ
の範囲から逸脱してしまうことがある。このような場合
にはアルカリ性のｐＨ調整剤を加えて凝集可能なｐＨの
範囲内に調整する。

【００１０】次に原水は磁気分離部２５への管路１７、
１９に入る。この管路１７、１９は撹拌装置を兼ねてお
り、従来装置の急速撹拌装置に相当する部分１７は管径
を小さくして流速を高くし、拡大管５１で管径を増大
し、緩速撹拌に相当する部分１９は管径を大きくして流
速を低くする。従来装置の撹拌機を駆動するための電動
機１６、１８は不要となる。取水口から磁気分離部まで
が遠い場合には、添加物が均一に混ざる様に工夫すれ
ば、特に管路に手を加えなくても良好なフロックを得る
ことができる。また、磁性凝集体の強度を上げるための
高分子は、電動機２０と撹拌機２１により水溶液化され
注入装置２２ｂで原水に加える。高分子注入装置２２ｂ
は急速撹拌から緩速撹拌に切り替わる部分もしくは緩速
撹拌部の途中に設置する。図１では後者の場合を示す
（図５の２２ｂに相当）。こうして前処理水２３ができ
る。原水の輸送用の管路を撹拌装置として用いることに
より、磁気分離部に比べ数十倍の滞留時間が必要である
ため広い設置面積を必要とする撹拌槽を設置する必要が
なくなり、磁気分離装置の用地１０１を狭めることが可
能となる。また、撹拌装置が不要となったため、機械的
可動部分が減り、信頼性が向上する。さらに撹拌装置用
の動力が不要なので磁気分離装置の運転に必要なエネル
ギーが小さくなる。前処理水２３は磁気分離部２５内に
流入し、磁性凝集体が分離捕捉される。磁性凝集体を取
り除かれた処理水は貯水池１に戻される。

【００１１】図２は第２の実施例であり、原水取水口と
磁気分離部２５が近くにある場合の実施例である。管路
１７、１９が撹拌装置を兼ねており、急速撹拌部１７は
管径を小さくして流速を上げ、拡大管５１で管径を増大
し、緩速撹拌部１９は管径を大きくして流速を下げる、
管径を変えることの他、曲管には撹拌効果があるので曲
管を効果的に配置することにより良好なフロックを得る
ことができる。

【００１２】なお、図では簡略化して、電動機７、撹拌
機８、注入装置９、電動機１０、撹拌装置１１、注入装
置１２、電動機１３、撹拌装置１４、注入装置１５、電
動機１６、急速撹絆装置１７、電動機１８、緩速撹絆装
置１９、電動機２０、撹拌装置２１、注入装置２２、前
処理水２３、弁２４、磁気分離部２５、弁２６、処理水
タンク２７、空気タンク２８、弁２９、逆洗処理水３
０、弁３１、逆洗処理水槽３２などをブラックボックス
で示してある。

【００１３】図３は第３の実施例であり、緩速撹拌装置
を兼ねた管路の一部の斜視図である。図１の実施例にお
いて取水口から磁気分離部２５までの距離が短い場合も
しくは、図２の実施例のように管路で撹拌を行うため場
合には、管路を引き回して長さを稼ぐ必要があるので撹
拌装置の可動部が無くなり信頼性が向上する利点はある
が、省スペースの効果は期待できない。そこで、凝集を
促進するために緩速撹拌部１９の壁面に磁界を任意の時
に発生、消去できる磁界発生手段７１を複数設置するこ
とで、短い管路で撹拌を行うことができるようにする。
磁界発生手段７１はフロック強化用の高分子水溶液を添
加した後に設置する。図２は磁界発生手段７１の電磁石
による実施例であるが、管路の壁に永久磁石を近づけた
り遠ざけたりすることでも同様の効果が得られる。磁界
発生手段７１は電源装置８１より電力の供給を受け電源
の入り切りを制御する制御装置８２で制御される。磁界
発生手段７１が励磁されている時には壁沿いに扁平なフ
ロックが形成され、適当な厚さまで成長したら磁界発生
手段７１を消磁するとこの扁平なフロックが管路壁面よ
りはがれる。このフロックは面積が広く流れの流体力を
よく受けるため、流れに垂直な速度成分を持つ不規則な
動きをし、フロック相互の衝突の機会を増やし、その成
長を促進する。また、この扁平なフロックはやがては壊
れるが完全には壊れないのでフロックの核となる。この
磁界発生手段７１は乱れが不足している部分に設置す
る。曲管の出口等では元々乱れが大きく、本手段で生成
した扁平なフロックがすぐに壊れるので効果が薄い。

【００１４】図４は第４の実施例であり、従来の電動機
１８で駆動される撹拌機１９を設けて撹拌する緩速撹拌
槽の壁面に磁界を任意の時に発生、消去できる磁界発生
手段７１を複数設けた例である。磁界発生手段７１は電
源装置８１より電力の供給を受け電源の入り切りを制御
する制御装置８２で制御される。この場合、既存の装置
に磁界発生手段７１他を追設して撹拌部の処理能力を向
上させることも可能である。この場合も図３の実施例と
同様に、磁界発生手段は７１乱れの大きい羽根のそばを
避け、流れが穏やかなところに設置する。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、磁気分離装置の前処理
部の小型化、高信頼化が可能であり、それにより、磁気
分離装置全体としての省スペース化、高信頼化が達成で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による第１の実施例の運転操作のフロー
図である。

【図２】本発明による第２の実施例の説明図である。

【図３】本発明による第３の実施例の説明図である。

【図４】本発明による第４の実施例の説明図である。

【図５】従来技術の磁気分離装置における運転操作の基
本フロー図である。

【符号の説明】１・・・浄化対象の貯水池、２・・・取水口、３・・・
ストレーナ、４・・・ポンプ、５・・・原水貯槽、６・
・・原水、７・・・電動機、８・・・撹拌機、９・・・
注入装置、１０・・・電動機、１１・・・撹拌装置、１
２・・・注入装置、１３・・・電動機、１４・・・撹拌
装置、１５・・・注入装置、１６・・・電動機、１７・
・・急速撹絆装置、１８・・・電動機、１９・・・緩速
撹絆装置、２０・・・電動機、２１・・・撹拌装置、２
２・・・注入装置、２３・・・前処理水、２４・・・
弁、２５・・・磁気分離部、２６・・・弁、２７・・・
処理水タンク、２８・・・空気タンク、２９・・・弁、
３０・・・逆洗処理水、３１・・・弁、３２・・・逆洗
処理水槽、５１・・・拡大管、７１・・・磁界発生手
段、８１・・・電源装置、８２・・・制御装置。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】除去されるべき懸濁物質を含む被処理水に
磁性体と凝集剤を添加して撹拌手段により撹拌し、磁性
凝集体を生成させることで懸濁物質に磁性をもたせ、磁
気分離部で被処理水から磁性凝集体を磁気的に分離する
磁気分離装置において、取水口の近くで磁性体と凝集剤を添加し、磁気分離部ま
での管路を撹拌手段として利用することを特徴とする磁
気分離装置。
【請求項２】請求項１記載の磁気分離装置において、前
記取水口と前記磁気分離部とが近接している場合に、管
路を折り曲げて取水口から磁気分離部までの管路を長く
し、取水口の近くで磁性体と凝集剤を添加することで、
磁気分離部までの管路を撹拌手段として利用することを
特徴とする磁気分離装置。
【請求項３】請求項１及び２記載の磁気分離装置におい
て、前記撹拌手段として利用する管路の壁面に任意に磁
気を発生、消去できる手段を備えることを特徴とする磁
気分離装置。