JPH10269962A - グリッド電極及び電子銃 - Google Patents

グリッド電極及び電子銃

Info

Publication number
JPH10269962A
JPH10269962A JP8732297A JP8732297A JPH10269962A JP H10269962 A JPH10269962 A JP H10269962A JP 8732297 A JP8732297 A JP 8732297A JP 8732297 A JP8732297 A JP 8732297A JP H10269962 A JPH10269962 A JP H10269962A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
grid electrode
cathode
thermal expansion
grid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8732297A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Yuki
典夫 結城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikko Kinzoku KK
Original Assignee
Nikko Kinzoku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikko Kinzoku KK filed Critical Nikko Kinzoku KK
Priority to JP8732297A priority Critical patent/JPH10269962A/ja
Publication of JPH10269962A publication Critical patent/JPH10269962A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作時の熱膨張による電子ビームのずれの抑
制と不要電子放射の防止に優れるグリッド電極の開発。 【解決手段】 電子銃においてカソード4から電子放射
方向に配置されたグリッド電極11〜15にして、Ti
を主成分とする材料から構成することを特徴とするグリ
ッド電極並びにそれを使用する電子銃。グリッド電極を
Tiを主成分とする材料で製造すれば、カソードから蒸
発したBa、BaO等がグリッド電極に付着しても不要
電子放射は起きず、また、熱膨張による電子ビームのず
れも問題ないレベルに抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動作時の熱膨張に
よる電子ビームのずれの抑制と不要電子放射の防止に優
れるグリッド電極とそのグリッド電極を使用した電子銃
に関するものであり、特にはグリッド電極がTiを主成
分とする材料から構成されることを特徴とする。
【0002】
【従来の技術】図1は、公知のシャドウマスク型カラー
ブラウン管の断面図であって、パネル1に赤、緑、青の
3原色を発する蛍光膜2が塗布されており、一方、ネッ
ク部には、赤色用、緑色用及び青色用の合計3本の電子
ビーム3(ここでは、便宜上1本のみを示す)を発射す
る電子銃が装着されている。各電子銃はカソード4及び
複数の第1、第2、第3、第4及び第5グリッド電極1
1〜15から構成され、カソードから放射された電子を
グリッド電極により収束、加速して電子ビームとして蛍
光膜に向かって照射する。各グリッド電極には3本の電
子ビームを通過させる電子ビーム透過孔が形成されてい
る。電子ビーム3は偏向ヨーク5により偏向走査され
る。6はシャドウマスクである。
【0003】一般に、受像管などに用いられるグリッド
電極のような電子銃部品は、板厚0.05〜0.5mm
程度の非磁性ステンレス鋼をコイニングを経てあるいは
経ずに電子銃の各々からの電子ビームを通過させる電子
ビーム透過孔をプレス打抜き加工することにより完成さ
せる。
【0004】一般に、受像管などに用いられる電子銃部
品用材料としては、非磁性ステンレス鋼が良く知られて
いるが、最近は、電子銃の陰極から放出された電子を制
御する電極には、非磁性であることよりもむしろ熱膨張
が小さいことが重要視されるようになっている。すなわ
ち、近年のコンピューターディスプレー等の受像管の高
精細化、高機能化にともない、電極部品の熱膨張による
微妙な寸法変化がパネル1(図1参照)上の画面の性能
(色純度)に影響するようになってきたのである。そこ
で、低熱膨張特性を有するFe−Ni合金、特にFe−
42%Ni合金(42合金)が電極材料として用いられ
始めた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この4
2合金は、従来から使用されている非磁性ステンレス鋼
に比べると、不要電子放射(ストレイエミッション、グ
リッドエミッション)を起こしやすいという問題があ
る。カラーブラウン管の電子銃のカソードは陰極基体と
その表面に形成されている電子放射物質層を備えてお
り、電子放射物質層はBaを含むアルカリ土類金属酸化
物からなり、カソード内部に設置されているヒーターに
よりこの電子放射物質層が加熱され、電子を熱放射す
る。ところが、その際Ba、BaO等が蒸発し、近傍の
グリッド電極(例えば第1、第2グリッド電極)に付着
し、この付着したBa、BaOが仕事関数を低下させ不
要電子放出を引き起こすとされている。
【0006】非磁性ステンレス鋼に比べてFe−Ni合
金のほうが不要電子放射を起こしやすい理由については
明らかでないが、近年、ブラウン管の大型化、高精細
化、高輝度化の進む中で低熱膨張特性は必須条件となっ
てきており、低熱膨張でかつ不要電子放射を防止できる
グリッド電極が強く求められている。
【0007】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たものであり、動作時の熱膨張による電子ビームのずれ
の抑制と不要電子放射の防止に優れるグリッド電極とそ
のグリッド電極を使用した電子銃を提供することを課題
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、熱膨張特性
と電子放射特性(特にBa、BaOが付着した状態での
電子放射特性)の両面について種々の材料を研究したと
ころ、Tiがどちらの特性も満足できるレベルにあるこ
とを見出した。本発明は、このTiをグリッド電極の主
成分として用いることを特徴とするものである。かくし
て、本発明は、(1)電子銃においてカソードから電子
放射方向に配置されたグリッド電極にして、Tiを主成
分とする材料から構成することを特徴とする、動作時の
熱膨張による電子ビームのずれの抑制と不要電子放射の
防止に優れるグリッド電極、並びに(2)カソードと、
該カソードから電子放射方向に配置されたグリッド電極
とを構造の一部として含む電子銃において、少なくとも
1個のグリッド電極がTiを主成分とする材料から構成
されることを特徴とする、動作時の熱膨張による電子ビ
ームのずれの抑制と不要電子放射の防止に優れる電子銃
を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】不要電子放射の問題は、例えば
「テレビジョン学会誌」Vol.4、No.6、736
〜742頁(1990)「CRT用高電流密度陰極」−
中西寿夫及び佐野金次郎著−に採り上げられている。そ
の図2には、高解像度CRT電子銃のカソード(陰極)
周辺部の一例が示され、ここでは図1の第1、第2及び
第3グリッド電極がG1 、G2 及びG3 電極として示さ
れている。その図2及びその説明の一部を参照して、説
明を追加する。転載した図2からわかるように、G1
極はカソードからわずか0.1mmの位置にあり、ま
た、G2 電極はG1 電極から0.3mm間隔をあけて配
置されている。G1 及びG2 電極に開けられている、カ
ソードから放出された電子が通過する孔の直径は約0.
4mmであり、CRTの解像度を上げるためには、この
開口径を小さくして電子ビームを絞る必要がある。カソ
ード、G1 電極、及びG2 電極から構成される部分は3
極部あるいはBFR(Beam Forming Region )と呼ば
れ、電子ビームを形成し、その電子流量を変調する機能
を持つ。上述したようにG1 およびG2 電極はカソード
に近接しているので、動作時にはカソードからの熱輻射
を受けて各電極は加熱される。一般的な酸化物カソード
の場合、G1 電極は250℃程度に加熱される。不要電
子放射について、「G1 、G2 両電極の電子ビーム通過
孔は、直径1mm以下の微少孔の打ち抜き加工であり、
孔の加工表面が荒れて Cat Whisker様の突起を生じやす
い。このような所に、陰極からの蒸発Baが付着する
と、グリッドエミッションという不要電子放射が発生す
る。その電流量は数μAないし数十μA程度であるが、
映像に関係なく画面中央部に常時見える輝点となり、画
像妨害を起こす。」と述べており、陰極からのBa(バ
リウム)の蒸着がストレイエミッションの重要なポイン
トであることがわかる。
【0010】本発明に従えば、こうしたグリッド電極を
Tiを主成分とする材料で製造すれば、カソードから蒸
発したBa、BaO等がグリッド電極に付着しても不要
電子放射は起きず、また、熱膨張による電子ビームのず
れも問題ないレベルに抑えられる。なお、Tiは非磁性
であるのでFe−Ni合金では磁性の問題で使用できな
かったグリッド電極に使用することも可能である。
【0011】Tiを主成分とする材料とは、好ましくは
純Tiであるが、Ti合金をも含み、またそれらにBa
拡散吸収体となる金、銀、白金等の被膜を形成したもの
をも含む。
【0012】グリッド電極は、Ti薄板に3本の電子ビ
ームを通過させる3つの電子ビーム透過孔を打ち抜き加
工により形成しまた固定取付用の適宜の支持部を周辺部
に形成することにより作製される。
【0013】
【実施例】高電界が印可されて不要電子放射が起きやす
い第2グリッド電極にTiを用い電子銃を製造した一例
を示す。なお、比較のため、第2グリッド電極にFe−
42%Ni合金を使用した例も併せて示す。
【0014】板厚0.5mmの純Ti薄板及びFe−4
2%Ni合金薄板からプレス打抜きにより第2グリッド
電極を加工した。この第2グリッド電極を他のグリッド
電極やカソード等とともに組み合わせて電子銃を組立
て、カラーブラウン管に組み込んだ。不要電子放射に関
する評価は、第2グリッド電極と第3グリッド電極の間
の電圧を次第に高くしていき、蛍光スクリーンに第2グ
リッド電極からの不要電子放射による輝点が発生したと
きの電圧を測定することで行った。
【0015】この測定方法によれば、Fe−42%Ni
合金により第2グリッド電極を作成した場合は、印可電
圧16kVで不要電子放射が発生したのに対し、本発明
例のTiで第2グリッド電極を作製したものは印可電圧
23kVでも不要電子放射は起きず、本発明の不要電子
放射防止に対する効果が確認された。
【0016】一方、動作時の熱膨張による色ずれは、本
発明例でも比較例のFe−42%Ni合金で第2グリッ
ド電極を作製した場合と比べほとんど遜色なく、従来の
非磁性ステンレス鋼によるグリッド電極の場合に比べる
と大きく改善されていることが明らかになった。これ
は、実際の動作時の温度と考えられる250℃までの平
均熱膨張係数が、非磁性ステンレス鋼で約17×10-6
-1、Fe−42%Ni合金で約5×10-6-1
そしてTiで約9×10-6-1であることから、熱膨
張係数が10×10-6-1程度まで小さくなれば実用
上問題ないと考えられる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
動作時の熱膨張による電子ビームのずれの抑制と不要電
子放射の防止に優れるグリッド電極とそのグリッド電極
を使用した電子銃を得ることができ、カラー受像管の大
型化、高精細化、高輝度化に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知のシャドウマスク型カラーブラウン管の断
面図である。
【図2】「テレビジョン学会誌」Vol.4、No.
6、736〜742頁(1990)「CRT用高電流密
度陰極」の図2に従い、高解像度CRT電子銃のカソー
ド(陰極)周辺部の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パネル 2 蛍光膜 3 電子ビーム 4 カソード(陰極) 5 偏向ヨーク 6 シャドウマスク 11 第1グリッド電極 12 第2グリッド電極 13 第3グリッド電極 14 第4グリッド電極 15 第5グリッド電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃においてカソードから電子放射方
    向に配置されたグリッド電極にして、Tiを主成分とす
    る材料から構成することを特徴とする、動作時の熱膨張
    による電子ビームのずれの抑制と不要電子放射の防止に
    優れるグリッド電極。
  2. 【請求項2】 カソードと、該カソードから電子放射方
    向に配置されたグリッド電極とを構造の一部として含む
    電子銃において、少なくとも1個のグリッド電極がTi
    を主成分とする材料から構成されることを特徴とする、
    動作時の熱膨張による電子ビームのずれの抑制と不要電
    子放射の防止に優れる電子銃。
JP8732297A 1997-03-24 1997-03-24 グリッド電極及び電子銃 Pending JPH10269962A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8732297A JPH10269962A (ja) 1997-03-24 1997-03-24 グリッド電極及び電子銃

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8732297A JPH10269962A (ja) 1997-03-24 1997-03-24 グリッド電極及び電子銃

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10269962A true JPH10269962A (ja) 1998-10-09

Family

ID=13911628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8732297A Pending JPH10269962A (ja) 1997-03-24 1997-03-24 グリッド電極及び電子銃

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10269962A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6244448Y2 (ja)
US6366011B1 (en) Electron gun for cathode-ray tube for image display having an electrode with reduced electron beam passage hole and a cathode with an electron emissive layer mainly made of an oxide of an alkaline earth metal and containing an oxide of a rare earth metal
US5028836A (en) Color cathode ray tube of shadow mask type
US3979632A (en) Cathode ray tube having surface charge inhibiting means therein
JP3189388B2 (ja) 陰極線管のカソード構体
US4471262A (en) Cathode ray tube with transparent metal oxide protective layer on phosphor screen
US5519283A (en) Internal magnetic shield for a color cathode-ray tube
JPH10269962A (ja) グリッド電極及び電子銃
US4692659A (en) Color cathode ray tube having shadow mask with silicon
US6433469B1 (en) Cathode ray tube having an internal voltage-dividing resistor
KR100213772B1 (ko) 칼라브라운관용 새도우마스크구조
US6495952B1 (en) Cathode ray tube having an internal voltage-dividing resistor
JP2002313214A (ja) 電子放出装置及び陰極線管
JP2964939B2 (ja) カラー陰極線管
US6724139B2 (en) Cathode ray tube having improved indirectly heated cathode
JP2001110298A (ja) 酸化物陰極及びこれを用いた陰極線管
US6713952B1 (en) Cathode ray tube
JPH0554789A (ja) 電子管陰極及びその陰極を備えた陰極線管
JP3130530B2 (ja) 陰極線管の製造方法
JPH07211247A (ja) 受像管
JPH06349417A (ja) カラー陰極線管およびその製造方法
JPH08115681A (ja) 陰極線管
JPS62100934A (ja) カラ−受像管
JPH11176315A (ja) 含浸型陰極構体及びこの陰極構体を用いた電子銃
JP2002216663A (ja) 電子銃構体及び陰極線管

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040213

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20040213

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050127

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050208

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050614

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02