JPH10267786A - 風洞試験装置 - Google Patents

風洞試験装置

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JPH10267786A
JPH10267786A JP7186197A JP7186197A JPH10267786A JP H10267786 A JPH10267786 A JP H10267786A JP 7186197 A JP7186197 A JP 7186197A JP 7186197 A JP7186197 A JP 7186197A JP H10267786 A JPH10267786 A JP H10267786A
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test
wind tunnel
aircraft
measuring
airflow
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JP7186197A
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Tsunetoshi Muramatsu
矩年 村松
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 飛行中の航空機から投下された付加物の挙動
を把握するために行われる投下試験に使用される風洞試
験装置に関し、遷音速、超音速においても、投下試験を
行うことのできる風洞試験装置を提供する。 【解決手段】 風洞試験装置は、付加物の投下、投棄特
性を把握するための供試体を装着した航空機模型3が設
置され、分離された後の供試体の挙動を計測できる計測
筒1が、カート2により上、下、両側の外方を包囲され
るとともに、このカートは、計測筒1の上方から内部に
航空機模型3を吊り下げて設置する吊下装置5と、投下
試験時に気流中を後方へ落下していく供試体の挙動を、
側方および下方から計測する計測装置12と、計測筒1
の側方に作業員が出入りするための出入扉とを具えるも
のとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機に搭載され
ている増槽タンク等の付加物を飛行中の航空機から投
下、投棄する状態を模擬して行う試験を、風洞内で実施
するための風洞試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機においては、航続距離を伸ばすた
めに機体の胴下または翼下に増槽タンクを搭載して飛行
する場合がある。さらに、航空機によっては、その飛行
用途に応じて種々の機器を機体の外側に搭載して飛行す
るようにしたものもある。
【0003】これらの機体の外側に搭載される付加物の
うち、特殊の用途に使用されるものは地上まで持ち帰る
ようにしているが、機体外側への付加物の搭載は、航空
機の飛行性能を劣化させるため、付加物の使用目的が達
せられると同時に、飛行中の航空機から投下、投棄し
て、航空機自体の飛行性能を維持するようにしている。
しかしながら、このように搭載された付加物を飛行中の
航空機から投下する場合、付加物の形状、又は投下時の
航空機の速度姿勢によっては、投下された付加物が投下
を行った航空機に衝突、接触することが起り得る。
【0004】このために、航空機の開発時においては、
搭載が予想される付加物を種々の速度、姿勢角で飛行中
投下投棄した時の付加物の落下時の運動(軌跡)特性
(以下投下投棄特性という)を把握し、航空機に衝突、
接触しないことを確認しておくことが必要である。
【0005】図3は、このような飛行中の航空機から付
加物を投下、投棄したときの、投下、投棄特性を把握す
るために行われる風洞試験の様子を示す図である。図に
示すように、所定流速の気流Fを発生させた風洞の計測
筒内に、航空機を模擬して製作された航空機模型01を
設置するとともに、付加物を模擬して製作された供試体
02を航空機模型01の翼下に装着しておき、風洞外か
らの操作により供試体02の航空機模型01への装着状
態を解除し、気流中を落下していく供試体02をストロ
ボ撮影することにより、021 〜023 と変化する供試
体02の挙動を計測し、この計測映像を解析することに
より、供試体02の投下投棄特性を把握するようにして
いる。
【0006】この種の供試体02の投下、投棄を航空機
01の種々の姿勢角で行い、落下する供試体02の運動
特性を風洞試験で把握するいわゆる投下試験は、従来低
速風洞では実施されているが、高速風洞での実施はこれ
まで行われていない。すなわち、気流Fの流速が音速近
傍の遷音速、又は流速が音速の1.2倍程度以上になる
超音速において風洞試験を行う高速風洞には、通常、吹
出し式の風洞又は連続式の風洞等が使用されているが、
これらの風洞では、付加投下試験を行うことが難しいか
らである。
【0007】まず、高速風洞として使用されている吹出
し式の風洞を、図4および図5にもとづき説明する。図
4に示すように、吹出し式風洞は、圧縮機等の高圧空気
製造装置03で製造された高圧の圧縮空気を貯留する高
圧貯気槽04、高圧貯気槽04から導入された圧縮空気
の流れを整流する整流筒05、整流筒05で整流された
圧縮空気をノズル06で加速した気流Fが導入され、内
部に設置された供試体010に作用する空力荷重の計測
を行う計測筒07、計測筒07を通過した気流を減速す
る拡散筒08、および拡散筒08から流出する気流Fを
消音して大気に放出する消音塔09からなる。
【0008】また、上述した計測筒07の内部に設置さ
れる供試体010は、図5に示すように、計測筒07の
後方に設けられた支持装置011から前方へ向けて突出
して設けられたスティング012の先端に、供試体01
0に作用する空気力を測定する天秤を介して取付けら
れ、支持装置011の上下動によりスティング012の
後端を上下動させることによって供試体010を回転中
心013まわりに回動させて、気流Fに対する姿勢を変
角させ、各姿勢角時に気流Fによって発生する空力荷重
を天秤で計測するようにしている。
【0009】さらに、高速の風洞試験では供試体010
の表面から発生する衝撃波の干渉による悪影響を除くた
め、計測筒07の下端には走行装置014が設けられ、
遷音速風洞試験時と超音速風洞試験時には、それぞれの
流速で発生する傾斜角の異る衝撃波が供試体010の計
測に影響しないように、製作された計測筒07を使い分
け使用するようにしている。
【0010】このような、従来の吹出し式の風洞で投下
試験を行うような場合、風洞の作動時間を投下試験に必
要な数秒間にして作動できるため、風洞の稼動効率を上
げることができる反面、上述したように、付加物を模擬
する投下された供試体02が後方に流されるときの挙動
を観測するために必要なクリアーにする必要のある空間
が、供試体02を支持するためのスティング012の設
置により、確保できないという不具合がある。さらに、
投下試験においては、落下時の供試体02を写真撮影す
るためのカメラ、照明装置類の設置が必須となるが、従
来の吹出し式の風洞では、これらを設置する場所がな
く、投下試験がこれまで実施されることはなかった。
【0011】また、高速風洞としては、風路の途中に強
力な(大型)の送風機を設置して、吹出し式風洞の通常
の20〜30secの試験時間に対して、高速気流を計
測筒内に長時間発生させることができるようにした回流
式等の連続式の風洞もある。しかしながら、このような
連続式の高速風洞においても、上述した吹出し式の風洞
と同様の理由により、投下試験がこれまで実施されるこ
とはなかった。さらに、連続式の風洞では、強力な送風
機を使用することにより、起動、気流の整定、停止に長
時間要することから、供試体投下後瞬時に終了する投下
試験には不向きであり、また、後方に流れる供試体によ
って送風機等を損傷する恐れがあることから、投下試験
に使用することは吹出し式の風洞よりも困難であった。
【0012】このように、投下試験を高速風洞で行うこ
とは難しく、従来、実施されていなかったにも拘わら
ず、飛行中の航空機にとっては、付加物の投下、投棄の
必要性は、何れの飛行速度においても生じるものであ
る。
【0013】このために、高速風洞でしか試験できない
ような高速飛行中での、付加物の投下、投棄特性は、
(1)計測筒の横断面積を比較的大きくでき、また上方
又は下方からの航空機模型の支持が、気流の乱れを少く
して容易にできるとともに、通常、設けられている観測
窓から投下された供試体の挙動を計測できる低速風洞で
の投下試験結果からの推定、(2)又は航空機模型を基
準として、そのまわりに付加物を模擬する供試体を網目
状に設置して高速風洞試験を行い、供試体の空力荷重を
計測するグリッド試験結果からの推定、(3)又は供試
体を後方より支持し、航空機模型から離れた瞬間の位置
での供試体の空力荷重を計測し、その計測結果より供試
体の移動点を計算し、計算結果から得られる位置に供試
体を移動させ、その位置での供試体の空力荷重を再び計
測し、その計測結果より、さらに供試体の移動点を計算
して移動させる方法をくり返し行い、供試体の一連の軌
跡を求めるCTS試験からの推定等、から把握すること
が従来から行われている。
【0014】しかしながら、上述した低速風洞での投下
試験結果、グリッド試験結果、およびCTS試験結果等
から推定して把握した、高速飛行中での付加物の投下、
投棄特性では、推定や仮定が介在して算出されているた
め、精度が悪く、航空機の開発終期において行われる飛
行試験において、詳細に確認する必要があり、飛行試験
時間が嵩むとともに、試験結果によっては設計変更が必
要になる場合があるという不具合がある。
【0015】特に、グリッド試験結果、又はCTS試験
結果から把握する投下、投棄特性では、上述した精度の
低下のほか、推定、計算という手順が、当該試験と次回
試験との介在するため、風洞試験の作業効率が低下して
風洞の稼動率が低下し、また、グリット試験では網目状
に設置した他の供試体からの影響を受けるという不具合
もある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の風洞試験装置の不具合を解消するため、亜音速で行
われる低速風洞試験時ばかりでなく、遷音速又は超音速
の流速で行われる高速風洞試験時においても、計測筒に
設置された航空機模型から直接搭載物を模擬する供試体
自身を落下させ、その運動状態を容易に写真撮影するこ
とができ、飛行中の航空機から投下される搭載物の投
下、投棄特性について、より信頼性の高いデータを得る
事が出来る風洞試験装置を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、従来使用されている吹出し式の高速
風洞においても、高速で飛行する航空機からの搭載物を
投下投棄する風洞試験を、より容易にできるようにする
風洞試験装置を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の風洞
試験装置は、次の手段とした。 (1)所定速度で飛行する航空機から投下されたときの
投下、投棄特性を把握する必要のある付加物を模擬した
供試体が装着された航空機模型が設置され、外部からの
操作により航空機模型から供試体を分離し、分離された
供試体に、投下時における付加物の挙動を模擬させるこ
とができるようにした計測筒を設けた。 (2)計測筒の上、下、両側の外方を包囲し、上方には
計測筒の上方から計測筒の内部に、供試体を搭載した航
空機模型を吊り下げて設置する吊下装置と、投下試験時
に航空機模型から解放されて気流中を後方へ落下してい
く供試体の挙動を、計測筒の側方および下方からストロ
ボ撮影等により計測することのできる計測装置と、計測
筒の側方に供試体の設置、または計測装置等の設置のた
めに、作業員が出入りするための出入扉とを具えたカー
トを設けた。
【0018】本発明の風洞試験装置は上述(1)、
(2)の手段により、(a)供試体、航空機模型が計測
筒の上方から、カートに設けられた吊下装置で吊り下げ
られて設置されるため、投下されて吊り下げ位置から後
方に流されて落下していく、供試体の挙動を観測するた
めの充分な空間が後方に充分確保できる。
【0019】また、計測筒の内部に設置することが難し
かった供試体の挙動を観測するためカメラ、照明装置が
カートの内部に設置されて、計測筒の側方および下方か
ら供試体の挙動を観測できるので、後方に流されて落下
していく供試体の投下、投棄特性を正確に観測でき、精
度の高い計測データが得られる。これにより、開発終了
時に行われる飛行試験時間を低減できるとともに、設計
変更の発生を低減できる。
【0020】さらに、カートには計測筒の側方に作業員
の出入するための出入扉を設けたことにより、頻繁に行
う必要のある供試体の設置、若しくは計測装置の配置等
を行う作業性が良くなり、これらの作業を短時間で行う
ことができ、風洞試験期間を短縮でき、風洞の稼動率を
向上させることができる。
【0021】また、第2番目の本発明の風洞試験装置
は、次の手段とした。 (3)高圧空気製造装置で製造された高圧空気を貯留す
る高圧貯気槽、高圧貯気槽から導入された高圧空気を整
流する整流筒、整流筒で整流された高圧空気を加速した
気流が導入され、設置された模型に作用する空力測定を
おこなう計測筒、および計測筒を通過した気流を減速し
て大気に放出する拡散筒とで構成される吹出し式の風洞
試験装置に、次の計測筒を使用するものとした。
【0022】(31)前述した(2)の手段を具えるカ
ートで、上、下、両側の外方が包囲されて、(32)内
部に形成される風路の側壁が投下試験を亜音速、遷音
速、または超音速の三音速のいずれかの流速で使用でき
る側壁に交換可能なものにした。
【0023】本発明の風洞試験装置は上述(3)の手段
により、上述(a)に加えて、投下試験を行う三音速の
いずれかの流速に適したものに、側壁を交換することに
より、三音速の気流中での航空機から投下される付加物
の投下を模擬する投下試験が、高速気流中で発生する衝
撃波等の干渉を受けずに実施できる。さらに、投下試験
を行うことのできなかった既存の吹出し式の風洞試験装
置においても、計測筒の改造のみで投下試験ができるよ
うになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の風洞試験装置の実
施の一形態を図面にもとずき説明する。図1は本発明の
風洞試験装置の実施の第1形態を示す部分縦断面図、図
2は、図1に示す矢視A−Aにおける横断面図である。
なお、これらの図において、図4、図5で示すものと同
一部材については、同一符号を符し説明は省略する。
【0025】図に示すように、整流された所定の流速の
気流Fが導入されて試験を行う計測筒1は、内部に流路
4を形成する上面壁7、側壁8、下面壁9によって形成
されている。このうち、側壁8は遷音速、超音速用がそ
れぞれ用意され、投下試験が行われる速度領域に応じて
取り換えが可能となっている。
【0026】すなわち、流路4にセットされる後述する
航空機模型3等から衝撃波が発生し、流路4がチョーク
したり、若しくは航空機模型3から発生し、側壁8に衝
突して側壁8から反射される衝撃波の位置によっては、
供試体に作用する流れの状態が変わり、正しい計測デー
タが得られないため、ほぼ垂直の衝撃波が発生する遷音
速用には衝撃波の反射を少なくするためにポーラスを設
けた側壁を、また斜め衝撃波が発生する超音速用にはポ
ーラスのない側壁をそれぞれ使用するようにして、速度
領域によって、それぞれ使い分けて使用するようにして
いる。なお、衝撃波が発生しない亜音速用には、超音速
用の側壁を使用するようにすれば良い。
【0027】さらに、上面壁7には後述するように、支
持装置10が取り付けられており、また、側壁8および
下面壁9には、後述するカメラ11,12の視野が少く
とも外側、すなわち後述するカート2の内部、から確保
できて流路4内が透視できるように、アクリル材を部分
的に使って製作されている。
【0028】また、この計測筒1の上方、下方および両
側を包囲してカート2が設けられている。このカート2
は、計測筒1に対して上方を大きくし、計測筒1の流路
4を構成し、強度部材となる上面壁7、側壁8および下
面壁9を、極力上,下流側に設けた壁で持つようにし、
特に、航空機模型3を設置する計測位置まわりの空間ス
ペースを広くするようにしている。
【0029】また、計測筒1には上方から航空機模型3
を吊り下げ、その内部にセットできるようにしている。
すなわち、これらの図においては省略したが、図3に示
されるように、投下試験を行う供試体が電磁石等の吸引
力を利用して装着された航空機模型3は、上面壁7に取
り付けられた支持装置10によって上方より支持されて
計測筒1の内部にセットされる。また、供試体の航空機
模型3への取付時等の模型取扱い時には、カート2の上
方に設けた吊上装置5で全体に上に吊り上げられる。
【0030】従って、供試体を含む航空機模型3は、吊
上装置5で支持装置9、上面壁7とともに吊り上げられ
て、計測筒1の外で取付、整備された後、再び吊上装置
5によって吊り下げられ計測筒1の流路4にセットされ
る。なお、上述した支持装置10は、航空機模型3の上
下、左右の変角を可能にするものとなっており、付加物
を投下する航空機の種々の姿勢角を航空機模型3に付与
して、供試体を投下できるようにしている。
【0031】また、カート2内の流路4の側方および下
方には、写真撮影用のカメラ11,12、及び照明装置
13,14が設置され、投下試験時に航空機模型3との
連結が解除され、気流F中を後下がりに落下していく供
試体の撮影に最も適格な位置、角度が設置出来る様な装
置に取り付けられている。また、航空機模型3、及びカ
メラ11,12、照明13,14等撮影装置に接続され
ている各種電気配線、信号線、圧力配管等は、カート2
の側壁に設置されたマンホール15に設けた端子で外部
に導き出される。
【0032】さらに、カート2の側壁には、航空機模型
3、供試体の取扱い、又は種々装置の取扱いをするため
に人の出入りができるように、出入扉6を設け、そこか
ら計測筒1の側方にアクセスできるようにしている。さ
らに、カート2の下方には、人が立って作業の出来る様
な床16が設けられるとともに、カート2の上方には作
業時の明るさを確保するための照明ランプ17が数か所
設置され、作業時の作業性と安定性を確保するようにし
ている。
【0033】本実施の形態の風洞試験装置は、上述の構
成にされているので、航空機模型3に電磁石等により装
着されている供試体が、計測筒1外からの操作により航
空機模型から分離されると、供試体は降下しながら後方
に流れていく。この場合、従来の高速風洞のように、航
空機模型3を支持していたスティング等がなく、航空機
模型3は上方から支持されているため、供試体の挙動を
観測するための充分な空間が、航空機模型3の後方に確
保できるとともに、供試体に作用する気流がスティング
により乱されず、航空機周辺を流れる気流と相似の流れ
になるために、供試体は実際の付加物の投下を正確に模
擬する軌跡を描いて後方に流れる。
【0034】また、後方に流れていく供試体の挙動を観
測するため、カメラ11,12、照明13,14がカー
ト2の内部に設置されるとともに、計測筒の側壁8、下
面壁9を透視して、計測筒1の側方および下方から供試
体の挙動を観測できるので、後方に流されて落下してい
く供試体の投下、投棄特性を正確に観測でき、精度の高
い計測データが得られる。さらに、カート2には計測筒
1の側方に作業員の出入するための出入扉を設けたこと
により、頻繁に行う必要のある供試体の設置、若しくは
計測装置の配置等を短時間で行うことができ、風洞試験
期間を短縮でき、風洞の稼動率を向上させることができ
る。
【0035】さらに、上述の構成の風洞試験装置を、図
4に示す計測筒07に代えて設置することにより、三音
速の気流中での航空機から投下される付加物の投下を模
擬する投下試験が、従来は試験することが難しかった既
存の吹出し式の風洞試験装置においても、計測筒の改造
のみでできるようになり、しかも、高速気流中で発生す
る衝撃波等の干渉を受けず、試験することができ正確な
計測データが得られるようになる。
【0036】
【発明の効果】本発明の風洞試験装置は、投下、投棄特
性を把握する付加物を模擬した供試体を装着した航空機
模型が設置され、外部からの操作により、分離された供
試体に、投下時の付加物の挙動を模擬させるようにした
計測筒が、カートにより上、下、両側の外方を包囲され
て設けられるとともに、このカートには、計測筒の上方
から計測筒の内部に供試体を搭載した航空機模型を吊り
下げて設置する吊下装置と、投下試験時に航空機模型か
ら解放されて気流中を後方へ落下していく、供試体の挙
動を計測筒の側方および下方からストロボ撮影等により
計測する計測装置と、計測筒の側方に供試体の設置、ま
たは計測装置等の設置のために作業員が出入りするため
の出入扉とを具えたカートを設ける構成にした。
【0037】これにより、航空機模型から投下されて、
吊り下げ位置から後方に流されて落下していく、供試体
の挙動を観測するための充分な空間が後方に充分確保で
きる。また、供試体の挙動を観測するためのカメラ照明
装置がカートの内部に設置されて、計測筒の側方および
下方から供試体の挙動を観測できるので、後方に流され
て落下していく供試体の投下、投棄特性を正確に観測で
き、精度の高い計測データが得られる。
【0038】さらに、カートに出入扉を設けたことによ
り、頻繁に行う必要のある供試体の設置、若しくは計測
装置の配置等を行う作業性が良くなり、これらの作業を
短時間で行うことができ、風洞試験期間を短縮でき、風
洞の稼動率を向上させることができる。
【0039】また、本発明風洞試験装置は、吹出し式の
風洞試験装置に使用される計測筒を、風路の側壁が投下
試験を亜音速、遷音速、または超音速の三音速のいずれ
かの流速で使用できる側壁に交換可能なものにした。こ
れにより、側壁を投下試験を行う三音速のいずれかの流
速に適したものに交換することによって、三音速の気流
中での航空機から投下される付加物の投下を模擬する投
下試験が、高速気流中で発生する衝撃波等の干渉を受け
ることなく行えるようになる。
【0040】さらに、投下試験を行うことのできなかっ
た既存の吹出し式の風洞試験装置においても、計測筒の
改造のみで投下試験ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風洞試験装置の実施の第1形態を示す
部分縦断面図,
【図2】図1に示す矢視A−Aにおける横断面図,
【図3】付加物投下試験の状況を示す図,
【図4】従来の吹出し式の風洞を示す全体図,
【図5】図4に示す計測筒近傍を示す部分縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 計測筒 2 カート 3 航空機模型 4 流路 5 吊下装置 6 出入扉 7 上面壁 8 側壁 9 下面壁 10 支持装置 11,12 カメラ 13,14 照明(撮影用) 15 マンホール 16 床 17 照明ランプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機から投下される付加物の投下試験
    を、前記航空機の飛行速度を模擬して発生させた気流中
    で行うようにした風洞試験装置において、前記航空機を
    模擬し、前記付加物を模擬した供試体が装着された航空
    機模型が設置されて前記供試体の投下時の計測を行うよ
    うにした計測筒には、外周を包囲するカートが設けら
    れ、前記カートには、上方から前記計測筒の内部に前記
    航空機模型を吊り下げて設置する吊下装置と、前記航空
    機模型への装着が解放され、気流中を落下する投下試験
    時の前記供試体の挙動を、前記計測筒の側方および下方
    から計測する計測装置と、前記計測筒の側方に出入りす
    るための出入扉とが設けられていることを特徴とする風
    洞試験装置。
  2. 【請求項2】 高圧空気製造装置で製造された高圧空気
    を貯留する高圧貯気槽、前記高圧貯気槽から導入された
    高圧空気を整流する整流筒、前記整流筒で整流された高
    圧空気を加速した気流が導入され、設置された模型に作
    用する空力測定をおこなう計測筒、および前記計測筒を
    通過した気流を減速して大気に放出する拡散筒とを設け
    た吹出し式の風洞試験装置において、前記計測筒は、内
    部に形成される風路の側壁が交換可能にされ、前記側壁
    の交換により三音速の気流中で、航空機から投下される
    付加物の投下を模擬する投下試験を行うことができると
    ともに、外周を包囲するカートが設けられ、前記カート
    には、上方から前記計測筒の内部に前記航空機を模擬す
    る前記航空機模型を吊り下げて設置する吊下装置と、前
    記航空機模型へ装着された前記付加物を模擬する供試体
    の装着が解放されたときの、気流中を落下する前記供試
    体の挙動を前記計測筒の側方および下方から計測する計
    測装置と、前記計測筒の側方に出入りするための出入扉
    とを設けていることを特徴とする風洞試験装置。
JP7186197A 1997-03-25 1997-03-25 風洞試験装置 Withdrawn JPH10267786A (ja)

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JP7186197A JPH10267786A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 風洞試験装置

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