JPH10266811A - クロスコンパウンド形蒸気タービン発電プラント - Google Patents

クロスコンパウンド形蒸気タービン発電プラント

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JPH10266811A
JPH10266811A JP9074830A JP7483097A JPH10266811A JP H10266811 A JPH10266811 A JP H10266811A JP 9074830 A JP9074830 A JP 9074830A JP 7483097 A JP7483097 A JP 7483097A JP H10266811 A JPH10266811 A JP H10266811A
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JP
Japan
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turbine
primary
generator
steam
pressure
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Application number
JP9074830A
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English (en)
Inventor
Misao Kizaki
操 鬼崎
Susumu Ozawa
進 小澤
Toshiaki Nishiyama
俊昭 西山
Takayuki Akihara
隆幸 秋原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2系統の同一送電量を有する送電系統に送電す
ることができるようにすること。 【解決手段】プライマリータービン15にプライマリー
発電機23が接続される一方、セカンダリタービン16
にセカンダリー発電機24が接続され、プライマリータ
ービン15とセカンダリータービン16との間に蒸気連
通路14が設けられ、プライマリー発電機23とセカン
ダリー発電機24との発電量を等しくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電所の送電系統
が独立した2回線となり、各々の送電系統が同一容量と
なる発電所に設置されるクロスコンパウンド形蒸気ター
ビン(二軸並列形蒸気タービン)発電プラントに関す
る。
【0002】
【従来の技術】クロスコンパウンド形蒸気タービン発電
設備を採用する理由としては、次のような理由が挙げら
れる。まず、2軸にすることによって発電機の最大容量
以上のタービンを設計して、大容量化を図ることができ
る。また、据付場所に制約がある場合、発電設備の全長
を短くすることができる。さらに、発電設備の軸方向の
長さが短いため、起動および停止などの運転を比較的容
易に行うことができるなどの利点を有している。
【0003】一般的なクロスコンパウンド形蒸気タービ
ン発電設備は、高圧タービンと中圧タービンを組み合わ
せたプライマリータービンと、このプライマリータービ
ンに接続されるプライマリー発電機と、複流排気の低圧
タービンを組み合わせたセカンダリータービンと、この
セカンダリータービンに接続されるセカンダリー発電機
とから構成され、各々の発電機で発生した電力は一つの
系統に供給され、一つの主変圧器を介して遮断器を通り
送電系統に供給される。
【0004】このとき、蒸気タービン出力の配分は、プ
ライマリータービンの出力割合が60%に対し、セカン
ダリータービンの出力割合は40%となり、総発電量を
一つの主変圧器および遮断器を介して送電することが一
般的である。
【0005】一方、他のクロスコンパウンド形蒸気ター
ビンとしては、高圧タービンと複流排気の低圧タービン
とを組み合わせたプライマリータービンと、中圧タービ
ンと複流排気の低圧タービンとを組み合わせたセカンダ
リータービンとから構成されている場合もある。この場
合には、プライマリータービンとセカンダリータービン
の発電量をほぼ5対5の割合にすることができるが、こ
の場合においても送電系統を一系統にて送電するのが一
般的である。
【0006】送電系統を一系統にする理由は、前述した
通り大容量化、据付場所の制約によりクロスコンパウン
ド化し、発電機を2台備えているので、敢えて系統を別
々にする必要性がないからである。
【0007】図5は従来のクロスコンパウンド形蒸気タ
ービンを示す概略系統図である。図5に示すように、ボ
イラ1で発生した蒸気は、主蒸気管2,主蒸気止め弁3
および蒸気加減弁4を通り、高圧タービン5に導かれ
る。この高圧タービン5で仕事を行った蒸気は、低温再
熱管6を通りボイラ1に導かれる。そこで蒸気はボイラ
1にて再加熱され、高温再熱管7,再熱蒸気止め弁8,
インターセプト弁9を通り中圧タービン10に導かれ、
そこで仕事を行い低圧タービン11および12に導かれ
る。そこで仕事を行った蒸気は復水器13に導かれる。
そして、図示しないプライマリー発電機およびセカンダ
リー発電機で発電された電力は一系統の送電線により送
電される。
【0008】また、クロスコンパウンド形蒸気タービン
発電設備の特徴として、プライマリータービン15およ
びセカンダリータービン16の出力は、主蒸気加減弁3
で制御され、1台のタービンとして制御される。タービ
ン非常停止装置は、両タービン15,16の共通の装置
となっており、いずれか一方のタービンがトリップした
場合は、他方のタービンもトリップする。
【0009】さらに、クロスコンパウンド形蒸気タービ
ン発電プラントの代表的な起動方法としては、2軸同期
回転数への昇速過程からスピードマッチング弁17を開
制御し、セカンダリータービン16の回転数をプライマ
リータービン15の同期速度と一致するように制御す
る。セカンダリータービン16の回転数が規定値(半
速)になったら、2軸同期装置を動作させ初期励磁を印
加することにより、プライマリー発電機とセカンダリー
発電機の同期が完了する。それ以降プライマリー発電
機、セカンダリー発電機は1つの発電機となり、タービ
ンの速度(負荷)が主蒸気加減弁4により制御される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、平成7年の
電気事業法の改正により、IPP(Indipendent PowerP
roducer)業者の卸電力業への参入が可能になったが、
安定した質の良好な電力を供給するために、電力会社の
系統への接続に関して様々な制約が出てきている。
【0011】例えば、従来一系統で可能であった送電系
統が、系統アクセス容量の制約からプライマリー発電機
およびセカンダリー発電機の容量を等しくし、各々を別
の系統で送電する必要性が生じてきた。また、2軸のタ
ービンのうち1軸がトリップした場合には、もう片方の
軸もトリップさせなければならず、電力の安定供給とい
う面から問題点がある。さらに、一旦1軸のタービンを
トリップさせると、2軸のタービンを同期させる作業が
必要なため、起動が煩雑になってしまうという問題点が
ある。
【0012】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、2系統の同一送電量を有する送電系統に送電す
ることができ、またプライマリータービンとセカンダリ
ータービンをそれぞれ定格回転数まで昇速させ、その定
格回転数でそれぞれのタービン発電機を単独に同期可能
としたクロスコンパウンド形蒸気タービン発電プラント
を提供することを目的とする。
【0013】また、他の目的とするところは、一方のタ
ービン発電機がトリップしても他方のタービン発電機を
継続運転可能とし、トリップしたタービン発電機を再度
起動して通常運転に移行可能としたクロスコンパウンド
形蒸気タービン発電プラントを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の請求項1は、高圧タービンと単流排気
の低圧タービンから組み合わされるプライマリータービ
ンと、中圧タービンと単流排気の低圧タービンから組み
合わされるセカンダリータービンとを備えたクロスコン
パウンド形蒸気タービン発電プラントであって、前記プ
ライマリータービンにプライマリー発電機が接続される
一方、前記セカンダリタービンにセカンダリー発電機が
接続され、前記プライマリータービンと前記セカンダリ
ータービンとの間に蒸気連通路が設けられ、前記プライ
マリー発電機と前記セカンダリー発電機との発電量を等
しくしたことを特徴とする。
【0015】請求項2は、請求項1記載のクロスコンパ
ウンド形蒸気タービン発電プラントにおいて、プライマ
リー発電機およびセカンダリー発電機が各々別々の系統
に接続されるとともに、プライマリータービンおよびセ
カンダリータービン毎に制御可能なタービン制御装置
と、前記プライマリータービンおよび前記セカンダリー
タービン毎に設けられた非常停止装置と、一方のタービ
ンの発電機がトリップした場合に他方のタービンに蒸気
を導くバイパス装置とを設けたことを特徴とする。
【0016】請求項3は、請求項1または2記載のクロ
スコンパウンド形蒸気タービン発電機プラントにおい
て、セカンダリータービンの初期負荷の容量を有するス
ピードマッチング弁を設置したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0018】図1は本発明に係るクロスコンパウンド形
蒸気タービン発電プラントの第1実施形態を示す系統図
である。なお、従来の構成と同一または対応する部分に
は図5と同一の符号を用いて説明する。
【0019】図1に示すように、ボイラ1は、高圧ター
ビン5と主蒸気管2を介して接続され、また高圧タービ
ン5と低温再熱管6を介して接続されている。そして、
主蒸気管2には主蒸気止め弁3および主蒸気加減弁4が
設置されている。
【0020】さらに、ボイラ1は、中圧タービン10と
高温再熱管7を介して接続され、この高温再熱管7には
再熱蒸気止め弁8およびインターセプト弁9が設置され
ている。中圧タービン10は、プライマリータービン1
5の単流排気の低圧タービン11と蒸気連通路としての
クロスアンダー管14を介して接続されている。
【0021】一方、セカンダリータービン16は、中圧
タービン10と単流排気の低圧タービン12とが一体に
なって構成されている。そのため、一台の単流排気の復
水タービンと同様に、中圧タービン10から低圧タービ
ン12へ蒸気が導かれることになる。
【0022】ここで、プライマリータービン15および
セカンダリータービン16は、それぞれ非常調速機18
a,18b、スラスト軸受19a,19b、第一軸受2
0a,20bからなる前部軸受台を有し、プライマリー
タービン15は、高圧タービン5と単流排気の低圧ター
ビン11とが一体ロータ21aにより連結され、タービ
ン排気口は1つの排気口から復水器13へ導かれる。
【0023】また、セカンダリータービン16も同様
に、中圧タービン10と単流排気の低圧タービン12と
が一体ロータ21bにより連結され、1台の単流排気の
復水タービンと同様に、高温再熱蒸気が中圧タービン1
0,低圧タービン12に導かれ、プライマリータービン
15と同一の復水器13に導かれる。
【0024】一方、セカンダリータービン16の中圧タ
ービン10の排気からプライマリータービン15の低圧
タービン11には、プライマリータービン15とセカン
ダリータービン16とが同出力となるように、低圧蒸気
量がクロスアンダー管14を通して導かれ、残りの低圧
蒸気量はセカンダリータービン16の低圧タービン12
に導かれる。
【0025】また、プライマリータービン15およびセ
カンダリータービン16には、それぞれ第二軸受22
a,22bを介してプライマリー発電機23およびセカ
ンダリー発電機24が接続され、プライマリー発電機2
3の発電量とセカンダリー発電機24の発電量とが各負
荷帯において同一発電量となるように組み合わされてい
る。
【0026】次に、第1実施形態の作用を説明する。
【0027】ボイラ1から発生した主蒸気は、主蒸気管
2,主蒸気止め弁3および主蒸気加減弁4を通り、高圧
タービン5に導かれる。この高圧タービン5で仕事を行
った蒸気は、低温再熱管6を通りボイラ1に導かれる。
そこで蒸気はボイラ1にて再加熱され、高温再熱管7,
再熱蒸気止め弁8およびインターセプト弁9を通りセカ
ンダリータービン16の中圧タービン10に導かれ、こ
の中圧タービン10で仕事を行い、クロスアンダー管1
4を経てプライマリータービン15の単流排気の低圧タ
ービン11へ導かれるとともに、中圧タービン10から
低圧タービン12へ蒸気が導かれる。
【0028】プライマリータービン15からの排気は、
1つの排気口から復水器13へ導かれる一方、セカンダ
リータービン16は、高温再熱蒸気を中圧タービン1
0,低圧タービン12に導き、プライマリータービン1
5と同一の復水器13に導かれる。
【0029】また、セカンダリータービン16の中圧タ
ービン10の排気からプライマリータービン15の低圧
タービン11には、低圧蒸気量がクロスアンダー管14
を通して導かれ、残りの低圧蒸気量はセカンダリーター
ビン16の低圧タービン12に導かれる。
【0030】このように第1実施形態によれば、高圧タ
ービン5と単流排気の低圧タービン11にて組み合わさ
れるプライマリータービン15と、中圧タービン10と
単流排気の低圧タービン12にて組み合わされるセカン
ダリータービン16とから構成されるとともに、プライ
マリータービン15に接続されるプライマリー発電機2
3の発電量と、セカンダリータービン16に接続される
セカンダリー発電機24の発電量とが各負荷帯にて同一
発電量となるように、プライマリータービン15とセカ
ンダリータービン16との間にクロスアンダー管14が
設けられているので、プライマリー発電機23とセカン
ダリー発電機24の発電量を25〜100%の負荷帯に
おいて同一にすることができる。その結果、2系統の同
一送電量を有する送電系統に送電することができ、IP
P業者の卸電力業への参入計画に十分対応することがで
きる。
【0031】図2は本発明に係るクロスコンパウンド形
蒸気タービン発電プラントの第1実施形態の変形例を示
す系統図である。なお、前記第1実施形態と同一の部分
には同一の符号を付して説明する。以下の各実施形態も
同様である。
【0032】前記第1実施形態において、プライマリー
タービン15は高圧タービン5と低圧タービン11を一
体ロータ21aにより連結したが、図2に示す変形例の
プライマリータービン15は、高圧タービン5と単流排
気の低圧タービン11との間に中間軸受25が設置さ
れ、この中間軸受25を介して高圧ロータ26と低圧ロ
ータ27とが接続されている。この変形例でも前記第1
実施形態と同様の効果が得られる。
【0033】図3は本発明に係るクロスコンパウンド形
蒸気タービン発電プラントの第2実施形態を示す概略系
統図である。
【0034】第2実施形態は、図1に示す第1実施形態
に以下の構成が追加されている。すなわち、図3に示す
ように、高圧タービン5をバイパスして主蒸気管2から
低温再熱管6に主蒸気を導く、高圧タービンバイパスラ
イン28に高圧タービンバイパス弁29を介装した高圧
タービンバイパス装置50が設置されるとともに、低温
再熱管6に低温再熱止め弁30および低温再熱逆止弁3
1が設置されている。
【0035】また、高温再熱管7から中圧タービン10
をバイパスして低圧タービン11に蒸気を導く、中圧タ
ービンバイパスライン32に中圧タービンバイパス弁3
3を介装した中圧タービンバイパス装置51が設置され
ている。さらに、高温再熱管7から中圧タービン10お
よび低圧タービン11,12をバイパスして復水器13
に蒸気を逃がす、中低圧タービンバイパスライン34に
中低圧タービンバイパス弁35を介装した中低圧タービ
ンバイパス装置52が設置されている。
【0036】さらに、クロスアンダー管14には、中圧
タービン10から低圧タービン11への蒸気を遮断する
ためのクロスアンダー管仕切弁36が設置されていると
ともに、低圧タービン11への流入蒸気量を制御する低
圧タービン蒸気加減弁37が設置されている。
【0037】上記の他に、プライマリータービン15と
セカンダリータービン16には、それぞれのタービン毎
に設けられたタービン非常停止装置と、タービン毎に制
御可能なタービン制御装置とが設けられ、このタービン
制御装置は、一方のタービンがトリップした場合、他方
のタービンを制御可能な装置である。
【0038】次に、第2実施形態の作用を説明する。
【0039】まず、一方のタービンがトリップした場合
の動作について、プライマリータービン15がトリップ
した場合を例にとって説明する。
【0040】プライマリータービン15がトリップした
場合、プライマリータービン15のタービン非常停止装
置が動作し、主蒸気止め弁3および蒸気加減弁4が全閉
となりボイラ1からの流入蒸気が遮断されるが、以下の
制御を行うことによりセカンダリータービン16の単独
運転に移行させることができる。すなわち、
【0041】(1)高圧タービンバイパス弁29を急開
し、ボイラ1の発生蒸気を高圧タービン5をバイパスし
て低温再熱管6に導き、中圧タービン10への流入蒸気
を確保する。
【0042】(2)中低圧タービンバイパス弁35を急
開し、高温再熱管7から復水器13へ余剰蒸気を逃が
し、高温再熱管7の圧力上昇を防止する。
【0043】(3)クロスアンダー管仕切弁36および
低圧タービン蒸気加減弁37を急閉し、中圧タービン1
0から低圧タービン11に流入する蒸気を遮断する。
【0044】(4)タービン制御装置を個々のタービン
単独制御に切り替え、インターセプト弁9を低圧タービ
ン11への流入蒸気相当開度分急閉させるとともに、イ
ンターセプト弁9にてセカンダリータービン16への流
入蒸気を制御し速度(負荷)制御を行う。
【0045】なお、セカンダリータービン16の単独運
転への移行後、ボイラ1の発生蒸気を減少させるととも
に、高圧タービンバイパス弁29の開度を所定の開度に
移行させ、また中低圧タービンバイパス弁35を全閉す
ることになる。
【0046】その後、故障が復旧し、プライマリーター
ビン15を再度起動して通常運転状態に移行する場合
は、以下の手順にて行う。この手順では主な項目につい
てのみ説明する。
【0047】1)プライマリータービン15のタービン
非常停止装置をリセットする。このリセット動作により
部分噴射起動タービンの場合は、主蒸気止め弁3が全開
となる。
【0048】2)クロスアンダー管仕切弁36を開にす
る。
【0049】3)蒸気加減弁4および低圧タービン蒸気
加減弁37の開度を制御し、プライマリータービン15
を昇速し、同期併入して負荷上昇を行う。
【0050】なお、高圧タービンバイパス弁29は、高
圧タービン5への流入蒸気量により開度を調節する。ま
た、インターセプト弁9も低圧タービン11への流入蒸
気量により開度を調整する。
【0051】4)高圧タービンバイパス弁29が全閉
し、通常運転状態になったら、タービン制御装置を個々
のタービン単独制御から通常の1台のタービンとしての
制御に切り替える。
【0052】セカンダリータービン16がトリップした
場合についても、同様に各バイパス装置などを制御する
ことでプライマリータービン15の単独運転に移行する
ことができ、またセカンダリータービン16を再起動し
て通常運転に復帰することが可能である。
【0053】このように第2実施形態では、プライマリ
ー発電機23およびセカンダリー発電機24が各々別々
の系統に接続され、各プライマリタービン15およびセ
カンダリタービン16毎に制御可能なタービン制御装置
と、プライマリータービン15およびセカンダリーター
ビン16毎に設けられた非常停止装置と、一方のタービ
ンの発電機がトリップした場合に他方のタービンに蒸気
を導くバイパス装置とが設けられ、一方のタービン発電
機がトリップしても他方のタービン発電機を運転継続可
能とし、またトリップしたタービン発電機を再度起動し
通常運転に移行可能とする。
【0054】すなわち、第2実施形態では、高圧タービ
ンバイパス弁29,中圧タービンバイパス弁33,中低
圧タービンバイパス弁35,クロスアンダー管仕切弁
(セカンダリー中圧タービン出口弁)36,低圧タービ
ン蒸気加減弁(プライマリー低圧タービン蒸気加減弁)
37を設けるとともに、各タービン毎に制御可能なター
ビン制御装置と、各タービン毎に設けられたタービン非
常停止装置とを有するので、一方のタービンがトリップ
した場合に、他方のタービンはトリップとならず、また
各バイパス装置を介して他方のタービンに蒸気を導き、
タービン制御装置を各タービン単独制御に切り替えるこ
とにより、他方のタービンを運転が継続可能とすること
ができる。
【0055】また、トリップしたタービン発電機の故障
復旧後は、トリップしたタービン発電機を再起動し、通
常運転に復旧可能となる。
【0056】図4は本発明に係るクロスコンパウンド形
蒸気タービン発電プラントの第3実施形態を示す概略系
統図である。
【0057】第3実施形態は、図3に示す第2実施形態
に以下の構成が追加されている。すなわち、図4に示す
ように、主蒸気管2とセカンダリータービン16の高温
再熱管7との間はライン40により接続され、このライ
ン40にセカンダリータービン同期装置であるスピード
マッチング弁41が設置されている。このスピードマッ
チング弁41は、セカンダリータービン16の初期負荷
までとれる容量を有している。
【0058】次に、第3実施形態の作用を説明する。
【0059】起動方法としては、タービン通気後、主蒸
気加減弁3を開にすることによりプライマリータービン
15およびセカンダリータービン16の昇速が始まる。
ここではセカンダリータービン16の回転数は、プライ
マリータービン15に遅れ出なりの速度となる。
【0060】その後、スピードマッチング弁41を開制
御し、セカンダリータービン16の回転数を同期速度と
一致するよう制御し、それぞれのタービンに設置される
同期装置によりセカンダリー発電機24側の同期装置を
作動させ、初期励磁を印加することにより、セカンダリ
ー発電機24の同期を完了させる。ここで、スピードマ
ッチング弁41は徐々に閉となり全閉となる。
【0061】一方、プライマリー発電機23は、セカン
ダリー発電機24の同期完了後、主蒸気加減弁3を開制
御し、プライマリータービン回転数を同期速度と一致す
るように制御し、プライマリー発電機23側の同期装置
を作動させ、初期励磁を印加し同期を完了させる。プラ
イマリー発電機23の同期完了後は、1台のタービン発
電機として主蒸気加減弁3により負荷制御を行うことに
なる。
【0062】このように第3実施形態によれば、タービ
ン起動時にセカンダリータービン16の回転数の同期を
とるために、セカンダリタービン16の初期負荷の容量
を有するスピードマッチング弁41を設置したことによ
り、スピードマッチング弁41にて先にセカンダリータ
ービン16から同期を完了させ、その後に主蒸気加減弁
4にてプライマリタービン15の同期を完了させること
ができ、それぞれのタービン発電機を単独に同期を完了
させることができる。すなわち、プライマリー発電機2
3とセカンダリー発電機24をそれぞれ単独に同期を可
能とすることができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、プライマリータービンにプライマリー発電機
が接続される一方、セカンダリタービンにセカンダリー
発電機が接続され、プライマリータービンとセカンダリ
ータービンとの間に蒸気連通路が設けられ、プライマリ
ー発電機とセカンダリー発電機との発電量を等しくした
ことにより、2系統の同一送電量を有する送電系統に送
電することができ、IPP業者の卸電力業への参入計画
に十分対応することができる。
【0064】請求項2は、請求項1記載のクロスコンパ
ウンド形蒸気タービン発電プラントにおいて、プライマ
リー発電機およびセカンダリー発電機が各々別々の系統
に接続されるとともに、プライマリータービンおよびセ
カンダリータービン毎に制御可能なタービン制御装置
と、プライマリータービンおよびセカンダリータービン
毎に設けられた非常停止装置と、一方のタービンの発電
機がトリップした場合に他方のタービンに蒸気を導くバ
イパス装置とを設けたことにより、一方のタービン発電
機がトリップした場合でも他方のタービン発電機で運転
を継続することができる。
【0065】また、トリップしたタービン発電機の故障
復旧後は、トリップしたタービン発電機を再起動し、通
常運転に復旧可能となる。
【0066】請求項3は、請求項1または2記載のクロ
スコンパウンド形蒸気タービン発電機プラントにおい
て、セカンダリータービンの初期負荷の容量を有するス
ピードマッチング弁を設置したことにより、プライマリ
ー発電機とセカンダリー発電機をそれぞれ単独に同期を
可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクロスコンパウンド形蒸気タービ
ン発電プラントの第1実施形態を示す系統図。
【図2】本発明に係るクロスコンパウンド形蒸気タービ
ン発電プラントの第1実施形態の変形例を示す系統図。
【図3】本発明に係るクロスコンパウンド形蒸気タービ
ン発電プラントの第2実施形態を示す概略系統図。
【図4】本発明に係るクロスコンパウンド形蒸気タービ
ン発電プラントの第3実施形態を示す概略系統図。
【図5】従来のクロスコンパウンド形蒸気タービンを示
す概略系統図。
【符号の説明】
1 ボイラ 2 主蒸気管 3 主蒸気止め弁 4 主蒸気加減弁 5 高圧タービン 6 低温再熱管 7 高温再熱管 8 再熱蒸気止め弁 9 インターセプト弁 10 中圧タービン 11 低圧タービン 12 低圧タービン 13 復水器 14 クロスアンダー管(蒸気連通路) 15 プライマリータービン 16 セカンダリータービン 17 スピードマッチング弁 18a,18b 非常調速機 19a,19b スラスト軸受 20a,20b 第一軸受 21a,21b 一体ロータ 22 第二軸受 23 プライマリー発電機 24 セカンダリー発電機 25 中間軸受 26 高圧ロータ 27 低圧ロータ 28 高圧タービンバイパスライン 29 高圧タービンバイパス弁 30 低温再熱止め弁 31 低温再熱逆止弁 32 中圧タービンバイパスライン 33 中圧タービンバイパス弁 34 中低圧タービンバイパスライン 35 中低圧タービンバイパス弁 36 クロスアンダー管仕切弁 37 低圧タービン蒸気加減弁 40 ライン 41 スピードマッチング弁 50 高圧タービンバイパス装置 51 中圧タービンバイパス装置 52 中低圧タービンバイパス装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋原 隆幸 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧タービンと単流排気の低圧タービン
    から組み合わされるプライマリータービンと、中圧ター
    ビンと単流排気の低圧タービンから組み合わされるセカ
    ンダリータービンとを備えたクロスコンパウンド形蒸気
    タービン発電プラントであって、前記プライマリーター
    ビンにプライマリー発電機が接続される一方、前記セカ
    ンダリタービンにセカンダリー発電機が接続され、前記
    プライマリータービンと前記セカンダリータービンとの
    間に蒸気連通路が設けられ、前記プライマリー発電機と
    前記セカンダリー発電機との発電量を等しくしたことを
    特徴とするクロスコンパウンド形蒸気タービン発電プラ
    ント。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のクロスコンパウンド形蒸
    気タービン発電プラントにおいて、プライマリー発電機
    およびセカンダリー発電機が各々別々の系統に接続され
    るとともに、プライマリータービンおよびセカンダリー
    タービン毎に制御可能なタービン制御装置と、前記プラ
    イマリータービンおよび前記セカンダリータービン毎に
    設けられた非常停止装置と、一方のタービンの発電機が
    トリップした場合に他方のタービンに蒸気を導くバイパ
    ス装置とを設けたことを特徴とするクロスコンパウンド
    形蒸気タービン発電機プラント。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のクロスコンパウ
    ンド形蒸気タービン発電機プラントにおいて、セカンダ
    リータービンの初期負荷の容量を有するスピードマッチ
    ング弁を設置したことを特徴とするクロスコンパウンド
    形蒸気タービン発電プラント。
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