JPH1026645A - 電磁波環境試験用の電波反射箱 - Google Patents

電磁波環境試験用の電波反射箱

Info

Publication number
JPH1026645A
JPH1026645A JP20115396A JP20115396A JPH1026645A JP H1026645 A JPH1026645 A JP H1026645A JP 20115396 A JP20115396 A JP 20115396A JP 20115396 A JP20115396 A JP 20115396A JP H1026645 A JPH1026645 A JP H1026645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
box
turntable
radio wave
wave
receiving antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20115396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3280861B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Arai
宏之 新井
Tsutomu Kikui
勉 菊井
Manabu Teranishi
学 寺西
Masusane Yoshitake
増実 吉竹
Makoto Ishikura
誠 石倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MUSEN SETSUBI KENSA KENTEI KYO
MUSEN SETSUBI KENSA KENTEI KYOKAI
FDK Corp
Original Assignee
MUSEN SETSUBI KENSA KENTEI KYO
MUSEN SETSUBI KENSA KENTEI KYOKAI
FDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MUSEN SETSUBI KENSA KENTEI KYO, MUSEN SETSUBI KENSA KENTEI KYOKAI, FDK Corp filed Critical MUSEN SETSUBI KENSA KENTEI KYO
Priority to JP20115396A priority Critical patent/JP3280861B2/ja
Publication of JPH1026645A publication Critical patent/JPH1026645A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3280861B2 publication Critical patent/JP3280861B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Electric Properties And Detecting Electric Faults (AREA)
  • Tests Of Electronic Circuits (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広帯域にわたって電子機器の電磁波環境試験
を安定したレベルで行える小型の電波反射箱を提供す
る。また電子機器から放出される電磁妨害波を安定に測
定できるようにする。 【解決手段】 内面が電波反射性材料からなる密閉構造
の箱体10の内部に、テーブル周辺部上に被試験機器2
0を載置した状態で測定中回転し続けるターンテーブル
12と、受信アンテナ14とを設置するとともに、被試
験機器からの直接波減衰機構(例えば金属磁性材料から
なる衝立22など)を設ける。受信アンテナで電界強度
を測定する。受信電界強度分布の中央値を取ることによ
って、広帯域の周波数において安定した受信レベルが得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として電磁波環
境試験のために使用する電波反射箱に関し、更に詳しく
述べると、被試験機器等を載せて測定中回転し続けるタ
ーンテーブルを具備し、箱体内での多重波伝搬を利用し
て広帯域にわたる安定した電磁波環境試験が行えるよう
にした電磁波環境試験用の電波反射箱に関するものであ
る。この電波反射箱は、準マイクロ波帯で使用する電子
機器(特に、携帯電話機やPHS等の携帯機端末)の電
磁波環境試験(EMI、EMC測定)あるいは検査など
に有用である。
【0002】
【従来の技術】近年の各種電子機器の普及につれて、そ
れによる電磁波障害が社会的な問題となり、種々の規制
が検討され課せられている。電磁波障害には、電子機器
から放出される不要電磁波による電磁環境の汚染という
側面と、電子機器の電磁環境に対するイミュニティ(耐
ノイズ性)という側面がある。いずれにしても、電子機
器からの放出ノイズの低減対策、あるいはノイズイミュ
ニティ向上対策のためには、電磁波環境試験(EMI、
EMC測定)を行うための適当な測定環境を必要とす
る。
【0003】従来、通信機器などの電磁波性能試験や感
度試験は、シールドルームあるいは電波暗室で行われて
いた。シールドルームは、壁面、天井、床面が金属板な
どからなり、電磁波が外部から侵入したり、外部へ漏洩
しないような特別な構造の部屋である。また電波暗室
は、電磁的にシールドされた部屋の周囲の壁面、天井、
床面全てに電波吸収体を貼り付け、外部から侵入する電
磁波を遮断し、内部で発生する電磁波を吸収する特別な
構造の部屋である。これらは、幅長さ高さがいずれも数
m程度のかなり大きな測定空間であり、内部に作業者が
立ち入れるような大型設備である。電磁妨害波測定で
は、被試験機器及び受信アンテナなどをそれらの測定空
間内に設置して行っている。通常、被試験機器は指向特
性をもっているために、測定に際しては被試験機器を水
平面で回転し、最大妨害電界強度が得られる方向で静止
させ、測定を実施している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のシー
ルドルームや電波暗室は、壁面での反射等の影響による
受信レベルの変動を抑えるため、測定空間が非常に大き
くなり、設備コストが高くなるし、簡便に測定できない
欠点がある。また被試験機器からの放射電磁波は壁面で
反射されて測定空間内には固定モードが生じ、場所毎に
異なった電磁界分布が生じるため、被試験機器あるいは
受信アンテナの設置場所、指向性等の影響を受け必ずし
も安定な測定が行えないという問題があった。
【0005】最近、シールドルームの壁面に金属製の回
転羽を設置し、その回転羽の回転により境界条件を変化
させることで測定空間内に多数のモードを生じさせ、あ
る程度の時間平均をとればどの場所においても電磁界分
布を一様にできるようにして測定を安定化させる技術も
提案されている。しかし、この場合も、基本的には従来
のシールドルームをベースとしているため、設備コスト
の増大や簡便に測定できないなどの欠点は解消されてい
ない。更に、回転羽の設置位置や構造など、検討しなけ
ればならない課題も多い。
【0006】本発明の目的は、準マイクロ波の全周波数
帯域とその高調波におよぶ広帯域にわたって、それらの
帯域で使用する電子機器の電磁波環境試験を安定したレ
ベルで行える小型の電波反射箱を提供することである。
本発明の他の目的は、準マイクロ波で使用する電子機器
から放出される電磁妨害波を安定に測定できる方法を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、内面が電波反
射性材料からなる密閉構造の箱体の内部に、テーブル周
辺部上に被試験機器を載置した状態で測定中回転し続け
るターンテーブルと、該ターンテーブルから離れて位置
する受信又は送信アンテナとを設置した電磁波環境試験
用の電波反射箱である。特に被試験機器である携帯機端
末からの電磁妨害波を測定する場合には、内面が電波反
射性材料からなる密閉構造の箱体の内部に、テーブル周
辺部上に被試験機器を載置した状態で測定中回転し続け
るターンテーブルと、該ターンテーブルから離れて位置
する受信アンテナとを設置するとともに、被試験機器か
ら受信アンテナに直接伝搬する電磁波の受信レベルを減
衰させる直接波減衰機構を設ける構成が好ましい。
【0008】本発明の一つの特徴は、小型の箱体を用い
る点と、測定中常時回転し続けるターンテーブルを用い
る点である。ここで小型とは、幅と高さがそれぞれ数十
cm程度、長さが百数十cm程度以下といった、作業者が内
部に立ち入れないような寸法を指している。またターン
テーブルとは、測定中回転し続けるものであって、測定
に際して最大の電界強度をみるために被試験機器を回転
する装置とは意味合いが異なるものである。本発明で
は、そのターンテーブルの周辺部上(中心部上ではなく
中心から偏心した位置)に被試験機器もしくは受信アン
テナ等を載置することで、被試験機器からの電磁波の向
きや放射位置を変化させている。
【0009】
【発明の実施の形態】箱体内部のターンテーブルの周辺
部上に被試験機器を載置して、ターンテーブルを回転し
続けながら電磁波環境試験を行う。被試験機器から電磁
波を放射すると、放射の位置と向きが時々刻々変化し、
放射した電磁波は、箱体内部で多重反射を繰り返して受
信アンテナで受信される。このように、積極的に複数の
反射波を起こすことで、箱体内部の電磁界が攪拌され激
しいフェージングが起きる。これによって、従来のシー
ルドルームにおける反射波の影響を実質的に打ち消すこ
とができる。
【0010】ところで、多重波によるフェージングを取
り扱うとき、受信電界の振幅と位相が不規則に変動する
場合を確率的に表すものとしてレイリー分布がある。レ
イリー分布は、多数の到来波が互いに無関係で受信され
るときの合成電界強度の確率分布である。フェージング
を評価するには、受信電界強度がある値Ed 以上になる
確率がどれぐらいになるかが重要であり、累積分布P
(Ed )として求められる。累積確率が50%となる受
信電界強度(正規化伝搬損失)を中央値と呼び、評価量
として用いる。この方法を採ると、受信系に非直線歪み
がある場合でも、区間中央値の測定では非直線性の補正
を必要としない利点がある。
【0011】そこで本発明では受信アンテナにおいて、
受信電界強度を測定する。測定した受信電界強度は変化
するが、その累積確率の中央値を受信レベルとする。こ
のように本発明装置を用いて受信電界強度分布の中央値
を取ることによって、送信位置の違いや受信機器の違
い、アンテナの指向性、各種機器の使用周波数の考慮等
による受信レベルの誤差が少なくなり、広帯域の周波数
において安定した受信レベルを得ることが可能となる。
【0012】箱体内部に設置する直接波減衰機構として
は、ターンテーブルと受信アンテナの間に設置した金属
磁性材料からなる固定式あるいは回転式の衝立でもよい
し、受信アンテナの設置角度を変えるアンテナ角度可変
機構でもよい。被試験機器が携帯電話機やPHS等の携
帯機端末であると、試験を行えば(機器を動作させれ
ば)必然的にアンテナから電波が放射される。それによ
って相対的に受信レベルの小さな不要電磁波が隠れてし
まう。衝立は、被試験機器から受信アンテナに向かう直
接波を妨げて直接波の伝搬を減衰する。衝立が回転式の
場合は、電磁界を攪拌する機能が付加され、ターンテー
ブルの機能と相俟てフェージングを一層激しくする。ま
た受信アンテナの設置角度を変えると、直接波の偏波面
に対する角度が変わり直接波を受信し難くできるため、
直接波による受信レベルを減衰する効果が生じる。
【0013】またターンテーブル上で、被試験機器を直
立させるのではなく、斜めに(傾けて)設置すると、箱
体内の電磁界を攪乱するのに更に有効である。測定条件
によっては(特に低周波側)箱体内の一部の面に電波吸
収体を取り付けるのも有効である。更に本発明として
は、内面が電波反射性材料からなる密閉構造の箱体の内
部に、テーブル周辺部上に受信又は送信アンテナを載置
した状態で測定中回転し続けるターンテーブルと、該タ
ーンテーブルから離れて位置する被試験機器とを設置し
た電磁波環境試験用の電波反射箱もある。
【0014】
【実施例】図1は本発明に係る電磁波環境試験用の電波
反射箱の一実施例を示しており、Aは平面断面図、Bは
正面断面図である。これは被試験機器(特に携帯電話や
PHS等の携帯機端末)から放出される不要電磁波(電
磁妨害波)を測定するのに有効な装置である。直方体状
(幅50cm×長さ100cm×高さ50cm)の密閉構造の
横置きした金属製箱体10の内部に、ターンテーブル1
2と受信アンテナ14を離して設置する。箱体10は内
面が電波反射性となるように(電波吸収体を貼設するこ
となく)金属材料をそのまま用いている。箱体10の内
部を丁度2等分するようにして、一方の領域の中央にタ
ーンテーブル12を、他方のほぼ中央に受信アンテナ1
4を設ける。ターンテーブル12は、上下方向の回転軸
をもつターンテーブル本体16(半径約15cm)を、モ
ータを含む回転駆動機構18で支える構成であり、任意
の設定した速度で回転し続けることができるように構成
されている。ターンテーブル本体16上には、その周辺
部(中心位置から離れた部分)に被試験機器20を載置
できるようになっている。受信アンテナ14は標準ダイ
ポールアンテナである。
【0015】また被試験機器20から受信アンテナ14
に直接伝搬する電磁波の受信レベルを減衰させる直接波
減衰機構を設ける。この実施例では、直接波減衰機構の
一つがターンテーブル12と受信アンテナ14との間に
設けた金属磁性材料からなる衝立22である。衝立22
は、例えばL型に折り曲げた鉄板でよく、1枚を中央に
(図2のA)、あるいは複数枚(図2では2枚)を互い
に密着するように並べたり(図2のB)、やや隙間を有
するように並べたり(図2のC)して箱体10の下面に
固定する。衝立22の高さは、例えば箱体10とほぼ同
じ(約50cm)で幅約20cmとする。この衝立22は、
被試験機器20から受信アンテナ14に直接向かう電磁
波を反射することで受信レベルを減衰させる。更にこの
実施例では、直接波減衰機構の別の例として、受信アン
テナの設置角度を変えるアンテナ角度可変機構24も同
時に組み込んである。それを図3に示す。これは図1に
示す電波反射箱の側面断面図であり、鉛直方向に対して
受信アンテナ(標準ダイポールアンテナ)14の取付け
角度θを自由に0〜90度の範囲で変えて保持固定する
機構である。これは被試験機器20から放射された電波
の偏波面に対して、角度をずらして受信することで、直
接波成分を抑制して広い電界強度分布を求めることがで
きる。
【0016】被試験機器から放出される電磁妨害波を測
定するには、このような電波反射箱を使用し、ターンテ
ーブル本体16の周辺部上に被試験機器20を載置し
て、ターンテーブル12を回転し続けながら被試験機器
20を動作させて電波を放射させる。これによって箱体
10内の電磁界が攪拌され、激しいフェージングが起こ
る。受信アンテナ14では、各壁面で反射した多重波を
受信することになり、従来生じていた固定モードによる
反射波の影響は打ち消される。そこで受信アンテナ14
で電界強度を測定し、その受信電界強度の累積確率の中
央値を受信レベルとすることで電磁波妨害波を測定す
る。
【0017】被試験機器20が携帯電話機やPHSであ
ると、その動作によって必然的にアンテナから電波が発
信される。この被試験機器20から受信アンテナ14に
伝搬する直接波(基本波)による受信レベルは高いのに
対して、不要電磁波による受信レベルは一般に非常に低
い。しかも、不要電磁波のレベル及び周波数成分は予め
分からないために、不要電磁波が直接波に隠れてしまい
測定に困難を来すことになる。本発明では、直接波減衰
機構によって直接波の受信レベルを減衰し、それによっ
て相対的に不要電磁波を顕著にすることで安定した測定
値を得ることができる。
【0018】上記の電波反射箱を使用し、1.9GHzで
発信する被試験機器について受信電界強度を測定したと
ころ、衝立の構造や受信アンテナの設置角度を適切に設
定することで十分満足しうる結果が得られることが判明
した。
【0019】図4は本発明に係る電波反射箱の他の実施
例を示しており、Aは平面断面図、Bは正面断面図であ
る。基本的には上記実施例と同様、直方体状の密閉構造
の横置きした金属製箱体10の内部に、ターンテーブル
12と受信アンテナ14を離して設置する。箱体10、
ターンテーブル12、受信アンテナ14は、それぞれ前
記実施例と同様であってよいため、詳しい説明は省略す
る。
【0020】被試験機器20から受信アンテナ14に直
接伝搬する電磁波の受信レベルを減衰させる直接波減衰
機構を設ける。この直接波減衰機構は、回転式の衝立3
0である。複数枚の磁性金属板(例えば鉄板)を断面十
字型に組み合わせた回転羽からなる衝立30を、ターン
テーブル12と受信アンテナ14との間に立設して、回
転駆動機構32によって上下方向の軸を中心に回転し続
けるように構成されている。この回転式の衝立30は、
固定式の衝立と同様に、被試験機器20から受信アンテ
ナ14に直接向かう電磁波を反射することで受信レベル
を減衰させる機能を果たすと共に、箱体10内の電界を
攪拌し激しいフェージングを起こす機能を果たす。この
装置によっても、前記実施例と同様、受信アンテナ14
で電界強度を測定し、その受信電界強度の累積確率の中
央値を受信レベルとするとこで電磁波妨害波を測定す
る。
【0021】なお、この場合にも、前記実施例と同様の
受信アンテナの設置角度調整機構を別に設けて、直接波
の受信レベルを更に減衰させ、より一層安定した試験を
行わせることが可能である。
【0022】上記のような構造の電波反射箱を用い、タ
ーンテーブル上に被試験機器を載置し、ターンテーブル
を回転し続けながら受信アンテナによって受信電界強度
を測定する。測定周波数を掃引する(具体的にはアナラ
イザで測定する)ことによって、被試験機器から放射さ
れるノイズ(高調波)を測定することができる。
【0023】図5は本発明に係る電波反射箱の更に他の
実施例を示しており、Aは平面断面図、Bは正面断面図
である。基本的には上記実施例と同様、直方体状の密閉
構造の横置きした金属製箱体10の内部に、ターンテー
ブル12と受信アンテナ14を離して設置する。箱体1
0、ターンテーブル12、受信アンテナ14は、それぞ
れ前記実施例と同様であってよいため、詳しい説明は省
略する。
【0024】被試験機器20から受信アンテナ14に直
接伝搬する電磁波の受信レベルを減衰させる直接波減衰
機構を設ける。この直接波減衰機構は、図3に示したの
と同様の受信アンテナ14の設置角度調整機構24であ
る。これによって、直接波の受信レベルを減衰させてい
る。なお、この実施例ではターンテーブル12と受信ア
ンテナ14との間に衝立は設けていない。ターンテーブ
ル12のテーブル16の周辺部上に被試験機器20を載
置するが、その被試験機器20を搭載用支持具40によ
って斜めに(ここではアンテナ先端が径方向外側となる
ように傾けて)保持する。
【0025】上記のような構造の電波反射箱を用い、タ
ーンテーブル上に被試験機器を載置し、ターンテーブル
を回転し続けながら受信アンテナによって受信電界強度
を測定する。測定周波数を掃引する(具体的にはアナラ
イザで測定する)ことによって、被試験機器から放射さ
れるノイズ(高調波)を測定することができる。
【0026】種々の実験結果によれば、前記実施例のよ
うな衝立を用いずに、受信アンテナ14を傾け、ターン
テーブル12に設置する被試験機器20も傾けて置いた
場合も、極めて安定した測定が行えることが判明してい
る。被試験機器の大きさを変化させた際の受信電力は概
ね一致し、指向性の影響を受けずに測定が行われること
が確認されている。また累積頻度分布はレイリー分布に
近い分布を示し、受信アンテナにはランダムなレベルの
電磁波が様々な方向から到来していることが確認でき
た。なお、箱体10の内面の一部(この実施例ではター
ンテーブル近傍の端面)に電波吸収体42を取り付けて
おり、測定によっては(特に低周波側)このような電波
吸収体42を内面の一部に設ける方が安定した受信レベ
ルが得られるため有利になる場合もある。
【0027】本発明に係る電波反射箱は、上記各実施例
とは逆に、受信又は送信アンテナを測定中回転し続ける
ターンテーブルのテーブル周辺部上に載置し、該ターン
テーブルから離れて被試験機器を設置するように使用す
ることもできる。その場合も上記各実施例と同様の効果
が生じる。
【0028】本発明の更に他の例としては、箱体内に被
試験機器を搭載するためのターンテーブルと送信アンテ
ナを設ける構成がある。ターンテーブル上に被試験機器
を載置し、固定された発信アンテナから一定周波数の電
波を発信し、被試験機器で受信すると、受信電力の強弱
によって被試験機器の受信感度を測定することが可能と
なる。またターンテーブル上に被試験機器を載置し、固
定された発信アンテナから任意の(あるいは掃引した)
周波数の電波を発信して被試験機器で受信すると、受信
電力の強弱によって、被試験機器のイミュニティ試験
(耐ノイズ試験)を行うことも可能である。
【0029】
【発明の効果】本発明は上記のように内面が電波反射性
材料からなる密閉構造の箱体内部に測定中回転し続ける
ターンテーブルを設置した構成だから、それを用いるこ
とによって極めて小型の電波反射箱であるにもかかわら
ず、準マイクロ波の全周波数帯域とその高調波におよぶ
広帯域にわたり、それらの帯域で使用する電子機器の電
磁波環境試験を安定したレベルで行える。また準マイク
ロ波で使用する電子機器から放出される電磁妨害波を安
定に測定できる。
【0030】更に本発明は上記のように、内面が電波反
射性材料からなる箱体内に、測定中回転し続けるターン
テーブルと受信アンテナを設置した構造であるから、タ
ーンテーブル上の被試験機器から放射する電波によって
箱体内部で多重波伝搬環境を実現できる。そして受信ア
ンテナを含む受信部により、受信電界強度を測定し、そ
の累積確率における中央値を受信レベルとすることによ
って、狭い測定空間であるにもかかわらず測定値の安定
化を図ることができる。また被試験機器の性能や指向性
を問わず、広帯域で各種電磁波環境試験を行うことが可
能となる。
【0031】また本発明の電波反射箱を使用し、ターン
テーブル上に被試験機器を載置し、送信アンテナからの
電波を受信することで、被試験機器の受信感度の測定や
イミュニティ試験も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電波反射箱の一実施例を示す説明
図。
【図2】その直接波減衰機構となる固定式衝立の説明
図。
【図3】受信アンテナ設置角度調整機構の説明図。
【図4】本発明に係る電波反射箱の他の実施例を示す説
明図。
【図5】本発明に係る電波反射箱の更に他の実施例を示
す説明図。
【符号の説明】
10 箱体 12 ターンテーブル 14 受信アンテナ 20 被試験機器 22 衝立 24 アンテナ角度可変機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊井 勉 東京都品川区八潮5丁目7番2号 財団法 人無線設備検査検定協会内 (72)発明者 寺西 学 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 吉竹 増実 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 石倉 誠 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面が電波反射性材料からなる密閉構造
    の箱体の内部に、テーブル周辺部上に被試験機器を載置
    した状態で測定中回転し続けるターンテーブルと、該タ
    ーンテーブルから離れて位置する受信又は送信アンテナ
    とを設置したことを特徴とする電磁波環境試験用の電波
    反射箱。
  2. 【請求項2】 内面が電波反射性材料からなる密閉構造
    の箱体の内部に、テーブル周辺部上に受信又は送信アン
    テナを載置した状態で測定中回転し続けるターンテーブ
    ルと、該ターンテーブルから離れて位置する被試験機器
    とを設置したことを特徴とする電磁波環境試験用の電波
    反射箱。
  3. 【請求項3】 箱体の内部に、金属製の回転羽を設けた
    請求項1又は2記載の電磁波環境試験用の電波反射箱。
  4. 【請求項4】 内面が電波反射性材料からなる密閉構造
    の箱体の内部に、テーブル周辺部上に被試験機器を載置
    した状態で測定中回転し続けるターンテーブルと、該タ
    ーンテーブルから離れて位置する受信アンテナとを設置
    すると共に、被試験機器から受信アンテナに直接伝搬す
    る直接波の受信レベルを減衰させる直接波減衰機構を設
    けたことを特徴とする電磁波環境試験用の電波反射箱。
  5. 【請求項5】 直接波減衰機構が、ターンテーブルと受
    信アンテナとの間に設置した金属磁性材料からなる衝立
    である請求項4記載の電波反射箱。
  6. 【請求項6】 金属磁性材料からなる衝立が、回転する
    構造である請求項5記載の電波反射箱。
  7. 【請求項7】 直接波減衰機構が、受信アンテナの設置
    角度を変えるアンテナ角度可変機構である請求項4乃至
    6記載の電波反射箱。
  8. 【請求項8】 密閉構造の箱体の内面の一部に電波吸収
    体を取り付けた請求項1乃至7記載の電波反射箱。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8記載の電磁波環境試験用
    の電波反射箱を使用し、ターンテーブルを回転させなが
    ら被試験機器から電波を放射させることで箱体内の電界
    を攪乱させ、受信アンテナで電界強度を測定し、その受
    信電界強度の累積確率の中央値を受信レベルとすること
    を特徴とする電磁波環境試験方法。
  10. 【請求項10】 ターンテーブル上に被試験機器を傾け
    て載置する請求項9記載の電波環境試験方法。
JP20115396A 1996-07-11 1996-07-11 電磁波環境試験用の電波反射箱及びそれを用いる電磁波環境試験方法 Expired - Lifetime JP3280861B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20115396A JP3280861B2 (ja) 1996-07-11 1996-07-11 電磁波環境試験用の電波反射箱及びそれを用いる電磁波環境試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20115396A JP3280861B2 (ja) 1996-07-11 1996-07-11 電磁波環境試験用の電波反射箱及びそれを用いる電磁波環境試験方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1026645A true JPH1026645A (ja) 1998-01-27
JP3280861B2 JP3280861B2 (ja) 2002-05-13

Family

ID=16436271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20115396A Expired - Lifetime JP3280861B2 (ja) 1996-07-11 1996-07-11 電磁波環境試験用の電波反射箱及びそれを用いる電磁波環境試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3280861B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001031353A1 (en) * 1999-10-28 2001-05-03 Integra Antennas Limited Field test chamber arrangement
WO2007097087A1 (ja) * 2006-02-27 2007-08-30 Nippon Light Metal Company, Ltd. 電子機器用試験装置および電子機器試験方法
JP2010503843A (ja) * 2006-09-14 2010-02-04 ユーロピアン エアロノティック ディフェンス アンド スペース カンパニー イーズ フランス 電磁波残響の試験室
JP2012502535A (ja) * 2008-09-03 2012-01-26 エミテ、インヘニエリア、ソシエダッド、リミターダ、ヌエバ、エンプレサ 多重入出力アナライザー
JP2013092424A (ja) * 2011-10-25 2013-05-16 Ntt Docomo Inc 利得測定システム及び方法
JP2014228337A (ja) * 2013-05-21 2014-12-08 株式会社村田製作所 電波反射箱
CN104903733A (zh) * 2013-01-07 2015-09-09 东芝三菱电机产业系统株式会社 转台装置
JP2023077603A (ja) * 2021-11-25 2023-06-06 株式会社フジクラ 電波伝搬特性測定装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001031353A1 (en) * 1999-10-28 2001-05-03 Integra Antennas Limited Field test chamber arrangement
US7228105B2 (en) 1999-10-28 2007-06-05 Integra Antennas Limited Field test chamber arrangement
WO2007097087A1 (ja) * 2006-02-27 2007-08-30 Nippon Light Metal Company, Ltd. 電子機器用試験装置および電子機器試験方法
JP2007225567A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Nippon Light Metal Co Ltd 電子機器用試験装置および電子機器試験方法
JP2010503843A (ja) * 2006-09-14 2010-02-04 ユーロピアン エアロノティック ディフェンス アンド スペース カンパニー イーズ フランス 電磁波残響の試験室
JP2012502535A (ja) * 2008-09-03 2012-01-26 エミテ、インヘニエリア、ソシエダッド、リミターダ、ヌエバ、エンプレサ 多重入出力アナライザー
EP2325662A4 (en) * 2008-09-03 2017-07-05 Emite Ingeniería, Slne Multiple-input, multiple-output analyser
JP2013092424A (ja) * 2011-10-25 2013-05-16 Ntt Docomo Inc 利得測定システム及び方法
CN104903733A (zh) * 2013-01-07 2015-09-09 东芝三菱电机产业系统株式会社 转台装置
JP2014228337A (ja) * 2013-05-21 2014-12-08 株式会社村田製作所 電波反射箱
JP2023077603A (ja) * 2021-11-25 2023-06-06 株式会社フジクラ 電波伝搬特性測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3280861B2 (ja) 2002-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7228105B2 (en) Field test chamber arrangement
EP0340012B1 (en) Radio-frequency anechoic chamber
WO2009039481A1 (en) Reconfigurable chamber for emulating multipath fading
US11791564B2 (en) Near-field antenna for remote radio control of an antenna array
CN107462775A (zh) 一种电磁屏蔽效能测试系统及其改善屏蔽效能的测试方法
JP3280861B2 (ja) 電磁波環境試験用の電波反射箱及びそれを用いる電磁波環境試験方法
JP2014228337A (ja) 電波反射箱
KR101467171B1 (ko) 전자파 측정 시스템 및 신호 처리 장치
JP2000180489A (ja) 簡易形電磁波測定用ボックス
KR100796625B1 (ko) 반구형 안테나 챔버
JP2001194400A (ja) 電波暗室用ターンテーブル装置
JP2001074797A (ja) 携帯型電波測定装置
KR102064103B1 (ko) 전자파장해 시험용 전자파반무반향챔버
JP6186881B2 (ja) 電波反射箱の等方性評価方法
KR20220069142A (ko) 전자파 차폐성능 측정장치
KR101498153B1 (ko) 포지셔닝부가 결합된 전자파 측정 시스템
KR102053914B1 (ko) 무선통신 시스템 성능의 실내 실험장치
FUJII et al. 2-6 Site Validation of the Open-Area Test Site and the Semi-Anechoic Chamber
EP1494036A1 (en) Testing radiation efficiency of an antenna
JP2942205B2 (ja) 壁面反射低減型の電波暗箱
JPH0429069A (ja) イミュニティ測定用モニターシステム
Bahadorzadeh et al. Electric Field Excited in a Model Spacecraft Fairing Through Internal and External Source Excitation
Dina et al. Estimating the shielding efficiency of an anechoic chamber
JPH1093286A (ja) 簡易測定用電波暗箱
Tokuda et al. Radio wave interference test method for wireless communication system by opened parallel wired cell

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090222

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term