JPH10264373A - インクジェット式プリントヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高集積化、高速化されたヘッドにおいて、低
コストで歩留まり良く、ブリーティングを抑えることが
できるインクジェット式プリントヘッドを提供するこ
と。 【解決手段】 それぞれ異なる色インクを吐出する複数
のノズル列２１，２２，２３を有するカラーヘッド２を
備えている。その各々のノズル列２１，２２，２３は、
用紙搬送方向に沿うように配置されている。そして、こ
れらｎ本のノズル列は、用紙搬送方向に沿ってノズルピ
ッチのｎ分の１ずつずらして配列され、用紙幅方向にお
いて２以上のノズルが重ならないように構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
プリントヘッドに係り、特に、数種のカラーインクを使
用するインクジェット式プリントヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ノンインパクト記録方式は、記録
時における騒音が極めて小さく、また、高速記録が可能
であるという点において関心を集めている。

【０００３】その中でも、プリントヘッドからインク滴
を飛ばすことによって記録紙に付着させ、文字、図形等
の記録を行うインクジェット記録方式は、高速記録を行
えると共に、普通紙に特別の定着処理をしないで記録が
行える点で極めて有効な記録方式である。このため現在
では、このインクジェット記録方式を用いた種々のイン
クジェット式プリンタが提案され、商品化されている。

【０００４】このインクジェット記録方式は、連続噴射
型、オンデマンド型（インパルス型）および静電吸引型
の３つに大別することができる。中でもオンデマンド型
は、必要な時だけ圧電素子等の吐出エネルギー発生素子
を駆動してインク滴を吐出させるので無駄なインク消費
が少なく、しかも構造が非常に簡単であるので、その普
及が期待されている。

【０００５】オンデマンド型のインクジェット式プリン
トヘッドの従来例として、特開平７−２０５４５４号公
報、特開平７−２５６８７４号公報等がある。これらの
公報に開示された発明では、各色のヘッドを用紙幅方向
に配列し、各ヘッドの用紙搬送方向に沿った上半分のノ
ズルと下半分のノズルとを異なるタイミングで駆動する
ことで、印字に時間差を設け、混色やにじみ（ブリーテ
ィング）を防止することが記載されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっても、同じ領域を一度のスキャン内で印字す
る色同士では、ブリーティングが発生し得るという不都
合があった。特に、ノズル数を多くして高密度に集積
し、高速印字を行うと、ある色の印字が十分に乾燥する
前に、それと隣接する位置に他色の印字を行うことにな
るので、ブリーティングを生じる不都合があった。

【０００７】

【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に、高集積化、高速化されたヘッドにおい
て、低コストで歩留まり良く、ブリーティングを抑える
ことができるインクジェット式プリントヘッドを提供す
ることを、その目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明では、それぞれ異なる色インク
を吐出する複数のノズル列を有するカラーヘッドを備
え、その各々のノズル列が用紙搬送方向に沿うように配
置する。そして、これら複数のノズル列をｎ本として当
該各ノズル列を用紙搬送方向に沿ってノズルピッチのｎ
分の１ずつずらして配列し、用紙幅方向に２以上のノズ
ルが重ならないようにした、という構成を採っている。

【０００９】請求項２記載の発明では、請求項１記載の
インクジェット式プリントヘッドにおいて、黒インクを
吐出するブラックヘッドを設ける。そして、このブラッ
クヘッドを用紙搬送方向に沿ってカラーヘッドよりも上
流側に配置すると共に、このブラックヘッドの有するノ
ズル列がカラーヘッドのノズル列の延長線上に位置する
ように配置した、という構成を採っている。

【００１０】請求項３記載の発明では、請求項２記載の
構成を、１列の色インクのノズル列と１列の黒インクの
ノズル列とを一直線上に配して成る一体ヘッドをｎ本設
けて構成した、という構成を採っている。

【００１１】これらにより、前述した目的を達成しよう
とするものである。ここで、色インクには黒インクを含
まない。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図１
に基づいて説明する。

【００１３】図１に示すインクジェット式プリントヘッ
ドは、それぞれ異なる色インク（イエローＹ，マゼンタ
Ｍ，シアンＣ）を吐出する複数のノズル列２１，２２，
２３を有するカラーヘッド２を備えている。その各々の
ノズル列２１，２２，２３は、図中の矢印で示す用紙搬
送方向に沿うように配置されている。そして、これら複
数のノズル列（本実施形態ではｎ＝３本）は、用紙搬送
方向に沿ってノズルピッチの３分の１ずつずらして配列
され、用紙幅方向（図中の左右方向）において２以上の
ノズルが重ならないように構成されている。

【００１４】また、符号１は、黒インクを吐出するブラ
ックヘッド（以下、Ｂｋヘッドという）を示す。このＢ
ｋヘッド１は、用紙搬送方向に沿ってカラーヘッド２よ
りも上流側に配置されている。また、このＢｋヘッド１
の有するノズル列１１，１２，１３は、カラーヘッド２
のノズル列２１，２２，２３の延長線上に位置するよう
に配置されている。

【００１５】これを更に詳述すると、図１では、Ｂｋノ
ズル列１１とイエロー（以下Ｙ）ノズル列２１、Ｂｋノ
ズル列１２とマゼンタ（以下Ｍ）ノズル列２２、Ｂｋノ
ズル列１３とシアン（以下Ｃ）ノズル列２３とが、それ
ぞれ用紙搬送方向に沿って一直線に並ぶように、Ｂｋヘ
ッド１とカラーヘッド２とが配置されている。これによ
り、ヘッド１０のインク吐出面が構成されている。イン
クの吐出機構は、従来一般的なオンデマンド型ヘッドと
同様であり、図示を省略する。ここで、Ｙノズル列２
１、Ｍノズル列２２、及びＣノズル列２３は、それぞれ
ノズルピッチの３分の１ずつ用紙搬送方向にずらして配
置されている。ここで、ノズルピッチとは、同一色の隣
接するノズルの中心間の距離をいう。

【００１６】このような構成によると、用紙幅方向にヘ
ッド１０が移動して１ラインの印刷を行う場合、１ライ
ンの印刷に対しＢｋノズル列１１，１２，１３、Ｙノズ
ル列２１、Ｍノズル列２２、Ｃノズル列２３が同時にイ
ンク吐出を行うことはないので、ブラックとカラー及び
カラー各色の印字を行う時間間隔を長くとることができ
る。このため、異なる色が隣接する領域で、ある色での
印字が十分乾燥した後に、それと隣接する他の色での印
字を行うことができ、Ｂｋとカラー間及びカラー各色間
でのブリーディングの発生を抑制することができる。

【００１７】ここで、図１では、カラーヘッド２におい
て、図の左からＹノズル列２１、Ｍノズル列２２、Ｃノ
ズル列２３の順に配列されているが、これらの並ぶ順番
は順不同でよい。

【００１８】次に、本発明の他の実施形態を図２に基づ
いて説明する。

【００１９】図２に示す実施形態でも、カラーヘッド２
の各々のノズル列２１，２２，２３は用紙搬送方向に沿
うように配置され、当該各ノズル列２１，２２，２３は
用紙搬送方向に沿ってノズルピッチの３分の１ずつずら
して配列され、用紙幅方向に２以上のノズルが重ならな
いようになっている。また、ブラックヘッド１が用紙搬
送方向に沿ってカラーヘッド２よりも上流側に配置さ
れ、そのノズル列１１，１２，１３はカラーヘッド２の
ノズル列２１，２２，２３の延長線上に位置するように
配置されている。この点は、上記実施形態と同様であ
る。

【００２０】一方、本実施形態では、そのようなブラッ
クヘッド１とカラーヘッド２が、１列の色インクのノズ
ル列と１列の黒インクのノズル列とを一直線上に配して
成る一体ヘッド３を３本設けることによって構成されて
いる。

【００２１】即ち、この図２では、１つのチップから製
造された一種類のＢｋカラー一体ヘッド３をそのノズル
ピッチの３分の１ずつ縦方向にずらして三列横に並べて
配置することによって、ヘッド１０全体が構成されてい
る。

【００２２】このような構成によっても前述の実施形態
と同様の作用効果を奏することができる他、Ｂｋノズル
とカラーノズルを組み合わせた一種類のチップから作る
構造にすることにより、歩留まり良く、低コストで高い
位置決め制度を必要としないインクジェット式プリント
ヘッドを提供することが可能である。

【００２３】ここで、左からＹノズル列２１、Ｍノズル
列２２、Ｃノズル列２３の順に並んでいるが、これらの
並ぶ順番は順不同でよい。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成され機能す
るので、これによると、ｎ本のノズル列を、用紙搬送方
向にノズルピッチのｎ分の１ずつずらして配置したの
で、１ラインの印刷に対し各色のノズル列が同時にイン
ク吐出を行うことはなく、カラー各色の印字を行う時間
間隔を長くとることができる。このため、異なる色が隣
接する領域で、ある色での印字が十分乾燥した後に、そ
れと隣接する他の色での印字を行うことができ、カラー
各色間でのブリーディングの発生を抑制することができ
る。

【００２５】また、請求項２記載の発明では、ブラック
ヘッドを用紙搬送方向に沿ってカラーヘッドよりも上流
側に配置したので、１ラインの印刷に対しブラックノズ
ル列とカラーノズル列が同時にインク吐出を行うことは
なく、ブラックとカラーの印字を行う時間間隔を長くと
ることができる。このため、異なる色が隣接する領域
で、黒インクでの印字が十分乾燥した後に、それと隣接
する領域に他の色での印字を行うことができ、ブラック
とカラー間で生じ得るブリーディングの発生を抑制する
ことができる。また、このブラックヘッドの有するノズ
ル列は、カラーヘッドのノズル列の延長線上に位置する
ように配置したので、黒インクによる印字の場合とカラ
ーインクによる印字の場合とでヘッドを用紙幅方向に往
復動作させるキャリッジの動作範囲を同一にすることが
でき、キャリッジの駆動制御が容易になる。

【００２６】更に、請求項３記載の発明では、１列の色
インクのノズル列と１列の黒インクのノズル列とを一直
線上に配して成る一体ヘッドをｎ本設けて構成するの
で、Ｂｋノズルとカラーノズルを組み合わせた一種類の
チップを配列することによりヘッドを製造することで
き、これがため、歩留まり良く、低コストで高い位置決
め制度を必要としない、という従来にない優れたインク
ジェット式プリントヘッドを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すインク吐出面の構成
図

【図２】本発明の他の実施形態を示すインク吐出面の構
成図

【符号の説明】

１ ブラックヘッド ２ カラーヘッド ３ 一体ヘッド １１，１２，１３ ブラックヘッドのノズル列 ２１，２２，２３ カラーヘッドのノズル列

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ異なる色インクを吐出する複数
   のノズル列を有するカラーヘッドを備え、その各々のノ
   ズル列が用紙搬送方向に沿うように配置したインクジェ
   ット式プリントヘッドにおいて、 前記複数のノズル列をｎ本として当該各ノズル列を前記
   用紙搬送方向に沿ってノズルピッチのｎ分の１ずつずら
   して配列し、用紙幅方向に２以上のノズルが重ならない
   ようにしたことを特徴とするインクジェット式プリント
   ヘッド。
2. 【請求項２】 請求項１記載のインクジェット式プリン
   トヘッドにおいて、 黒インクを吐出するブラックヘッドを設け、このブラッ
   クヘッドを用紙搬送方向に沿って前記カラーヘッドより
   も上流側に配置すると共に、このブラックヘッドの有す
   るノズル列が前記カラーヘッドのノズル列の延長線上に
   位置するように配置したことを特徴とするインクジェッ
   ト式プリントヘッド。
3. 【請求項３】 １列の前記色インクのノズル列と１列の
   前記黒インクのノズル列とを一直線上に配して成る一体
   ヘッドをｎ本設けて構成したことを特徴とする請求項２
   記載のインクジェット式プリントヘッド。