JPH10263839A - 溶接ガンの加圧力補正方法及びその回路 - Google Patents

溶接ガンの加圧力補正方法及びその回路

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JPH10263839A
JPH10263839A JP9088712A JP8871297A JPH10263839A JP H10263839 A JPH10263839 A JP H10263839A JP 9088712 A JP9088712 A JP 9088712A JP 8871297 A JP8871297 A JP 8871297A JP H10263839 A JPH10263839 A JP H10263839A
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pressing force
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JP9088712A
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English (en)
Inventor
Yuichi Ishida
勇一 石田
Kazuya Ishiguro
一也 石黒
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Nachi Fujikoshi Corp
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Nachi Fujikoshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被溶接物の合わせ面に隙間が存在する場合で
も、常に適正な加圧力で溶接が行われるような溶接ガン
の加圧力補正方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 移動側電極18を駆動するサーボモータ3a
に対して出力するための、溶接点毎に予め設定された最
適な加圧力すなわち設定加圧力を得るための電流指令と
しての設定電流指令を算出し、設定電流指令により移動
を開始した移動側電極18を駆動するサーボモータ3aに流
れる駆動電流としての実電流を、予め設定されたサンプ
リング間隔毎に随時検出し、この実電流よりサンプリン
グ間隔毎の実電流の変化率を随時算出し、このサンプリ
ング間隔毎の実電流の変化率と予め設定された基準値と
を随時比較し、変化率が基準値を超えた時点での実電流
より追加加圧力を算出し、この追加加圧力を前記設定加
圧力に加算することにより移動側電極18を駆動するサー
ボモータ3aに出力する電流指令を補正するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】サーボモータの回転により電
極チップを移動させて被溶接物を加圧するスポット溶接
ガンに関し、特に適切な加圧力により良好な溶接品質を
得るための溶接ガンの加圧力補正方法及びその回路に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スポット溶接ガンでは、エアシ
リンダーやモータ等の駆動源により一方の電極を動作さ
せ、これと対をなす他方の電極との間で被溶接物を加圧
保持し、両電極間に大電流を流すことにより溶接を行っ
ている。スポット溶接ガンでは溶接品質の安定化を図る
ために溶接点毎に適正な加圧力を設定することが好まし
いが、初期のスポット溶接ガンにおける電極の駆動源と
して主に用いられていたエアシリンダーではこれが困難
であった。そこで、最近のスポット溶接ガンでは電極の
駆動源としてサーボモータが多く用いられるようにな
り、これにより溶接点毎に適正な加圧力を設定すること
が容易になった。すなわち、サーボモータはその駆動電
流に比例してトルクが変化するという特性があり、溶接
ガンの加圧力はこのトルクの大きさに応じて変化するの
で、加圧力から逆算される最適な駆動電流を溶接点毎に
設定することにより、溶接点毎の適正な加圧力設定を容
易に行うことが可能になった。
【0003】ところで、サーボモータの駆動電流(x)
と加圧力(y)との関係は、比例係数をkとすると理論
的にはy=kxとなるが、実際には構成要素の機械的損
失やモータの特性等により完全な比例関係にはならな
い。したがって、適正な加圧力(yg )を得るために算
出式x=y/kより求めた駆動電流(xg )をサーボモ
ータに与えるようにしても、実際には適性な加圧力(y
g )が溶接点に付勢されないことになる。しかも、構成
要素の機械的損失については使用状況や経年変化により
一義的な算定は困難であるから、これを補正項として算
出式に予め加味しておくことも難しい。そこで、この問
題に対処するために、本出願人が先に出願した特開平6
−312273号では、実際の溶接時の電極駆動用サー
ボモータの駆動電流から実加圧力を算出し、この実加圧
力と前記y=kxの算出式より求められる設定加圧力と
を比較し、この差が規定値を超えている場合は電極の突
き出し量を補正するなどの処理を行わせ、これにより適
性な加圧力が溶接点に付勢されるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特開平6
−312273号の補正方法は、2枚の被溶接物の合わ
せ面に隙間がほとんどない場合にしか適用できないとい
う問題があった。すなわち、図5(a)に示すように2
枚の被溶接物の合わせ面に隙間がほとんどない場合は、
加圧力は図6(a)に示すように時間の経過とともにリ
ニアに変化するので、特開平6−312273号の補正
方法により適正な加圧力が得られるが、図5(b)に示
すように2枚の被溶接物の合わせ面に隙間がある場合
は、図6(b)に示すように隙間をゼロとするまでに余
分な加圧力が必要となるので、溶接電流通電時に被溶接
物間に実際にかかる加圧力は設定値よりも低くなってし
まい、これにより溶接品質が悪化することとなってい
た。実際の溶接作業では、被溶接物として自動車の車体
のように大型で複雑な形状を有するものも多く、また加
工精度のばらつきも考慮すると、被溶接物間の隙間がゼ
ロとはならない事例は数多く存在する。このような被溶
接物にあっては、たとえその形状や溶接位置が同一であ
っても、製造ラインに順次流れてくる被溶接物毎に隙間
の量も変化してしまうため、被溶接物の種類毎に一義的
に補正量を設定することも困難であった。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、被溶接物の合わせ面に隙
間が存在する場合でも、常に適正な加圧力で溶接が行わ
れるような溶接ガンの加圧力補正方法、及びその加圧力
補正方法が組み込まれた加圧力補正回路を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、固定側電極とこれに対向して設けら
れかつサーボモータにより駆動される移動側電極との間
に被溶接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定
の溶接部位にスポット溶接を施すようにされた溶接ガン
において、溶接ガンの加圧時に、被溶接物の隙間をゼロ
にするために要した加圧力を算出し、この加圧力を得る
ための電流指令を予め設定された電流指令の初期値に加
算することにより、溶接電流の通電時に溶接点に実際に
かかる加圧力を適性値に補正するようにした。
【0007】すなわち、請求項1にかかる発明では、移
動側電極を駆動するサーボモータに対して出力するため
の、溶接点毎に予め設定された最適な加圧力すなわち設
定加圧力を得るための電流指令としての設定電流指令を
算出し、設定電流指令により移動を開始した移動側電極
を駆動するサーボモータに流れる駆動電流としての実電
流を、予め設定されたサンプリング間隔毎に随時検出
し、この実電流よりサンプリング間隔毎の実電流の変化
率を随時算出し、このサンプリング間隔毎の実電流の変
化率と予め設定された基準値とを随時比較し、変化率が
基準値を超えた時点での実電流より追加加圧力を算出
し、この追加加圧力を前記設定加圧力に加算することに
より移動側電極を駆動するサーボモータに出力する電流
指令を補正するようにしたことを特徴とする溶接ガンの
加圧力補正方法とした。
【0008】被溶接物間に隙間が存在する場合は、被溶
接物間の隙間をゼロにするために要した加圧力の分だ
け、溶接電流通電時の加圧力が不足することになる。こ
れに対処するためには、被溶接物間の隙間をゼロにする
ために要した加圧力を、初期設定における溶接電流通電
時の設定加圧力に加算する方法が考えられる。そこで本
発明では、図6(b)に示すように、被溶接物間に隙間
が存在する場合の加圧動作においては、隙間がゼロにな
るまでは、電極は隙間がゼロの場合以上の反発力を被溶
接物から受けることになるので、加圧力の上昇の度合い
は隙間がゼロの場合よりも緩やかなものになることに着
目した。
【0009】すなわち、被溶接物間の隙間がゼロになる
までの加圧力の変化の度合いとしての実電流の変化率
と、被溶接物間の隙間がゼロになってから初期設定の溶
接電流通電時の加圧力に達するまでの実電流の変化率と
は異なるものになることに着目し、実電流の変化率が急
激に変化した時期を被溶接物間の隙間がゼロになった時
期と判断することとし、この時期での加圧力を被溶接物
間の隙間をゼロにするために要した加圧力とすることに
した。そして、この隙間をゼロにするために要した加圧
力としての追加加圧力を設定加圧力に加算することによ
り、移動側電極駆動用サーボモータに出力する設定電流
指令を補正して、溶接電流通電時に最適な加圧力にて溶
接が行われるようにした。
【0010】上記の処理は、毎回の加圧動作時に処理装
置のサンプリング間隔毎に随時行うようにしているの
で、実電流の変化率の算出から、被溶接物間の隙間がゼ
ロになった時期の検出を経て、電流指令の補正に至まで
の処理は、リアルタイムに行われることとなり、その結
果隙間の大きさが異なる被溶接物が連続して流れてくる
ような製造ラインにおいても、毎回の加圧動作毎に適正
な加圧力で溶接が行われることとなり、安定した溶接品
質を確保できるものとなる。
【0011】なお、実際の溶接作業においては被溶接物
間の隙間が完全にゼロになることは有り得ないので、本
発明は被溶接物間の隙間がほとんどゼロであると見られ
るものにおいても適用可能である。しかし、このものに
おいては加圧動作の開始直後に実電流の変化率が基準値
を超えることになるので、この場合、本発明を適用させ
ず、従来どおり、設定電流指令より得られる加圧力にて
溶接電流を通電させるようにしてもよい。
【0012】ところで、実電流の変化率が急激に変化し
た時期は、請求項1においては、サンプリング間隔毎の
実電流の変化率と予め設定された基準値とを随時比較
し、変化率が基準値を超えた時期として求めるようにし
ている。この場合の基準値は、被溶接物間の隙間がゼロ
の場合と被溶接物間の隙間がゼロでない場合のそれぞれ
について、実際に溶接ガンを動作させて得た実測値に基
づいて設定する。
【0013】しかし、実際に溶接ガンを動作させて基準
値を設定するという作業は大変煩わしいものであるし、
また、溶接点が多くある場合などは設定加圧力等の溶接
条件の溶接点毎の違いにより基準値を一義的に設定でき
ないこともある。そこで、請求項2においては、随時算
出されるサンプリング時[ti ]の実電流の変化率[R
ti]とこれよりも1サンプリング間隔前のサンプリング
時[ti-1 ]の実電流の変化率[Rt(i-1)]との比率
[Rti/Rt(i-1)]を随時算出し、この比率[Rti/R
t(i-1)]が予め設定された許容範囲を超えた時期を被溶
接物間の隙間がゼロになった時期とし、この時点での実
電流の値より追加加圧力を算出するようにした。この場
合の許容範囲は設定加圧力等の溶接条件に左右されず全
溶接点に関して一義的に設定してもよいので、実際に溶
接ガンを動作させて基準値を設定する作業を行うことな
く、溶接点毎に一定の基準で実電流の変化率が急激に変
化した時期を決定することができる。
【0014】本発明は、請求項1及び2に記載の加圧力
補正方法を実施するために好適な加圧力補正回路をも提
供する。すなわち請求項5にかかる溶接ガンの加圧力補
正回路は請求項1にかかる加圧力補正方法に対応するも
のであり、溶接点毎に予め設定された最適な加圧力とし
ての設定加圧力を、移動側電極を駆動するサーボモータ
への移動指令である設定電流指令に変換する加圧力→電
流指令変換回路と、設定電流指令により移動を開始した
移動側電極を駆動するサーボモータに流れる駆動電流と
しての実電流を検出する電流検出器と、実電流より予め
設定されたサンプリング間隔毎の実電流の変化率を算出
するとともにこの変化率を予め設定された基準値と比較
し、変化率が基準値を超えた時点での実電流を追加加圧
力に変換する実電流→加圧力変換回路と、を有し、前記
加圧力→電流指令変換回路では追加加圧力を前記設定加
圧力に加算することにより移動側電極を駆動するサーボ
モータに出力する電流指令を補正するようにされている
ことを特徴とする溶接ガンの加圧力補正回路とした。
【0015】また、請求項6にかかる溶接ガンの加圧力
補正回路は請求項2にかかる加圧力補正方法に対応する
ものであり、請求項5にかかる溶接ガンの加圧力補正回
路とは異なり、実電流→加圧力変換回路では、実電流よ
り予め設定されたサンプリング間隔毎の実電流の変化率
を算出するとともに、このときのサンプリング時
[ti ]の実電流の変化率[Rti]とこれよりも1サン
プリング間隔前のサンプリング時[ti-1 ]の実電流の
変化率[Rt(i-1)]との比率[Rti/Rt(i-1)]を算出
し、この比率[Rti/Rt(i-1)]が予め設定された許容
範囲を超えた時点での実電流を追加加圧力に変換するよ
うにした。
【0016】請求項5及び6の構成について、加圧力→
電流指令変換回路にて行われる加圧力から電流指令への
変換、及び実電流→加圧力変換回路にて行われるサーボ
モータに流れる電流の実測値から溶接点に実際にかかる
加圧力への変換は、実際に溶接ガンを動作させることに
より得た各溶接点毎の加圧力−実電流の測定値に基づい
て予め作成した加圧力→電流指令変換関数及び実電流→
実加圧力変換関数により、それぞれ行われる。
【0017】上記請求項1、2、5、及び6において
は、実電流→加圧力変換回路からの出力は補正に必要な
追加加圧力のみであった。しかし、溶接ガンの制御装置
にあっては、溶接時の加圧力の変化を常時監視する機能
を有する加圧力監視回路を設ける場合があり、この場
合、実電流→加圧力変換回路からは追加加圧力のみでな
く、常時、実電流から変換された加圧力が加圧力監視回
路に出力されなければならないことになる。そこで、加
圧力監視回路を有する溶接ガンの制御装置においては、
実電流→加圧力変換回路では、実電流の比較処理は行わ
ず、実電流から変換された加圧力を常時出力することと
し、加圧力監視回路において加圧力の変化率と基準値と
の比較や加圧力の変化率の比率との許容範囲との比較を
行わせることとした。
【0018】すなわち、請求項3にかかる発明は請求項
1にかかる発明に対応するものであり、請求項1にかか
る発明のように、実電流よりサンプリング間隔毎の実電
流の変化率を随時算出し、このサンプリング間隔毎の実
電流の変化率と予め設定された基準値とを随時比較し、
変化率が基準値を超えた時点での実電流より追加加圧力
を算出するようにする代わりに、請求項3にかかる発明
では、実電流より溶接点に実際にかかる加圧力としての
実加圧力をサンプリング間隔毎に随時算出し、実加圧力
よりサンプリング間隔毎の実加圧力の変化率を随時算出
し、サンプリング間隔毎の実加圧力の変化率と予め設定
された基準値とを随時比較し、サンプリング間隔毎の実
加圧力の変化率が前記基準値を超えた時点での実加圧力
を追加加圧力として設定するようにした。
【0019】また、請求項4にかかる発明は請求項2に
かかる発明に対応するものであり、請求項2にかかる発
明のように、実電流よりサンプリング間隔毎の実電流の
変化率を随時算出し、このときのサンプリング時
[ti ]の実電流の変化率[Rti]とこれよりも1サン
プリング間隔前のサンプリング時[ti-1 ]の実電流の
変化率[Rt(i-1)]との比率[Rti/Rt(i-1)]を随時
算出し、この比率[Rti/Rt(i-1)]が予め設定された
許容範囲を超えた時点での実電流より追加加圧力を算出
するようにする代わりに、請求項4にかかる発明では、
実電流より溶接点に実際にかかる加圧力としての実加圧
力をサンプリング間隔毎に随時算出し、実加圧力よりサ
ンプリング間隔毎の実加圧力の変化率を随時算出し、こ
のときのサンプリング時[ti ]の実加圧力の変化率
[Rti]とこれよりも1サンプリング間隔前のサンプリ
ング時[ti-1 ]の実加圧力の変化率[Rt(i-1)]との
比率[Rti/Rt(i-1)]を随時算出し、この比率[Rti
/Rt(i-1)]が予め設定された許容範囲を超えた時点で
の実加圧力を追加加圧力として設定するようにした。
【0020】また、請求項7にかかる発明は請求項5に
かかる発明に対応するものであり、請求項5にかかる発
明のように、実電流→加圧力変換回路において、実電流
より予め設定されたサンプリング間隔毎の実電流の変化
率を算出するとともにこの変化率を予め設定された基準
値と比較し、変化率が基準値を超えた時点での実電流を
追加加圧力に変換するようにする代わりに、請求項7に
かかる発明では、実電流→加圧力変換回路においては実
電流を実加圧力に常時変換し出力するようにし、加圧力
監視回路において、実加圧力よりサンプリング間隔毎の
実加圧力の変化率を算出するとともにこの変化率を予め
設定された基準値と比較し、変化率が基準値を超えた時
点での実加圧力を追加加圧力として設定するようにし
た。
【0021】また、請求項8にかかる発明は請求項6に
かかる発明に対応するものであり、請求項6にかかる発
明のように、実電流→加圧力変換回路において、実電流
より予め設定されたサンプリング間隔毎の実電流の変化
率を算出するとともに、このときのサンプリング時[t
i ]の実電流の変化率[Rti]とこれよりも1サンプリ
ング間隔前のサンプリング時[ti-1 ]の実電流の変化
率[Rt(i-1)]との比率[Rti/Rt(i-1)]を算出し、
比率[Rti/Rt(i-1)]が予め設定された許容範囲を超
えた時点での実電流を追加加圧力に変換するようにする
代わりに、請求項8にかかる発明では、実電流→加圧力
変換回路においては実電流を実加圧力に常時変換し出力
するようにし、加圧力監視回路において、実加圧力より
サンプリング間隔毎の実加圧力の変化率を算出するとと
もに、このときのサンプリング時[ti ]の実加圧力の
変化率[Rti]とこれよりも1サンプリング間隔前のサ
ンプリング時[ti-1 ]の実加圧力の変化率
[Rt(i-1)]との比率[Rti/Rt(i-1)]を算出し、こ
の比率[Rti/Rt(i-1)]が予め設定された許容範囲を
超えた時点での実加圧力を追加加圧力として設定するよ
うにした。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1〜図4は本発明の加圧力
補正方法の第1〜第4のそれぞれの実施形態を示すフロ
ーチャートである。図5は被溶接物71と移動側電極1
8及び固定側電極19との位置関係を示す概念図であ
り、(a)図は2つの被溶接物の合わせ面に隙間がない
場合、(b)図は2つの被溶接物の合わせ面に隙間があ
る場合である。図6は加圧動作時の加圧力の時間経過を
示すグラフであり、(a)図は2つの被溶接物の合わせ
面に隙間がない場合、(b)図は2つの被溶接物の合わ
せ面に隙間がある場合である。図7は本発明の加圧力補
正方法が適用される加圧力補正回路を含む制御装置の一
例を示すブロック図である。
【0023】まず、本発明の加圧力補正方法が適用され
る制御装置のブロック図を示した図7について説明す
る。図示しない位置検出器付きの図示しないサーボモー
タによって制御されるロボット1のアーム1a先端に
は、別の位置検出器3c付きのサーボモータ3aを移動
側電極18の駆動源として持ち、これと対をなす固定側
電極19との間に被溶接物71を加圧保持するようにさ
れたC型溶接ガン2を有している。ロボット1に対して
は、加圧時のアーム1a先端の到達目標指令位置データ
である各溶接点毎の被溶接物の板厚情報、及び設定加圧
力を含むプログラムデータ4が与えられる。そして、各
溶接点毎の加圧力−実電流の測定値に基づいて予め作成
した加圧力→電流指令変換関数及び実電流→実加圧力変
換関数を用意しておく。加圧力→電流指令変換関数が組
み込まれた加圧力→電流指令変換回路23は所定の加圧
力を得るために必要な電流指令を算出するための回路で
あり、また、実電流→実加圧力変換関数が組み込まれた
実電流→実加圧力変換回路24はサーボモータに流れる
駆動電流(実電流)から溶接点に実際にかかる加圧力
(実加圧力)を算出するための回路である。
【0024】プログラムデータ読込解釈回路5によって
プログラムデータ4から読み込まれた設定加圧力(溶接
電流通電時にかけるべき最適な加圧力のデータ)は、加
圧力→電流指令変換回路23によってモータ電流指令デ
ータに変換され、このモータ電流指令データが加圧用電
極指令回路10にて移動側電極18を駆動するサーボモ
ータ3aの設定電流指令として電流制御回路14へ出力
される。一方、電流検出器16によって検出されたサー
ボモータ3aに実際に流れる駆動電流としての実電流の
値は実電流→実加圧力変換回路24に帰還される。実電
流→実加圧力変換回路24では、サーボモータ3aに流
れる実電流の値が溶接点に実際にかかる加圧力に変換さ
れる。
【0025】加圧力監視回路17aでは、実加圧力を常
時監視し、溶接点に異常な加圧力がかかった場合などは
異常信号を出力するようにしているが、被溶接物間の隙
間がゼロになった時点で、その時の加圧力を被溶接物間
の隙間をゼロにするために要した加圧力としての追加加
圧力として加圧力→電流指令変換回路23に出力するよ
うにもされている。そして、加圧力→電流指令変換回路
23にて追加加圧力が設定加圧力に加算された後、モー
タ電流指令データに変換されることになる。なお、図7
には移動側電極18の位置の制御に関係する回路も記載
されているが、これらの回路は本発明の要旨には直接関
係しないので説明は省略する。
【0026】次に、図1に示したフローチャートに基づ
いて本発明の加圧力補正方法の第1の実施形態を説明す
る。
【0027】ステップ31:設定加圧力を得るための設
定電流指令を算出する。このステップでは、溶接点毎に
予め設定された最適な加圧力すなわち設定加圧力を得る
ための電流指令としての設定電流指令を算出し、これを
移動側電極18を駆動するサーボモータ3aへ出力す
る。設定加圧力を得るための電流指令は、実際に加圧動
作させることにより得たデータから作成された加圧力−
電流テーブルから定義した加圧力→電流指令変換関数を
基にして算出する。
【0028】ステップ32:サンプリング間隔毎に実電
流を検出する。このステップでは、ステップ31の処理
により移動を開始した移動側電極18を駆動するサーボ
モータ3aに流れる駆動電流としての実電流を、予め設
定されたサンプリング間隔毎に電流検出器16により随
時検出する。サンプリング間隔は制御装置のスキャンタ
イムの正数倍であればよいが、処理精度の向上のため
に、制御装置の能力が許す限り小さい値(理想的にはス
キャンタイムと同一)を設定するようにする。
【0029】ステップ33:実電流の変化率を算出す
る。このステップでは、ステップ32の処理により検出
された実電流より、サンプリング間隔毎の実電流の変化
率を、実電流の検出直後に各サンプリング時に随時算出
する。実電流の変化率は、現サンプリング時の実電流
と、これよりも1サンプリング間隔前のサンプリング時
の実電流との差を、サンプリング間隔で除して得た値と
する。
【0030】ステップ34:実電流の変化率が基準値を
超えたか?このステップでは、ステップ33の処理によ
り算出された実電流の変化率が予め設定された基準値を
超えたか否かについて、各サンプリング時に随時判断す
る。実電流の変化率が基準値を超えた場合は、このサン
プリング時に被溶接物間の隙間がゼロになったと判断す
る。基準値は、被溶接物間の隙間がゼロの場合と被溶接
物間の隙間がゼロでない場合のそれぞれについて、実際
に溶接ガン2を動作させて得た実測値に基づいて設定す
る。具体的には、基準値は、被溶接物間の隙間がゼロの
場合の実測値よりも常に小さく、かつ、被溶接物間の隙
間がゼロでない場合の実測値よりも常に大きくなる範囲
において設定する。そして、実電流の変化率が予め設定
された基準値を超えた場合は次ステップであるステップ
35へ進み、逆に、実電流の変化率が予め設定された基
準値を超えなかった場合はステップ32以降を繰り返す
ようにする。
【0031】ステップ35:実電流より追加加圧力を算
出する。このステップでは、実電流の変化率が基準値を
超えた時点での実電流の値より、被溶接物間の隙間をゼ
ロにするために要した加圧力としての追加加圧力(図6
(b)に示すA点の加圧力)を算出する。追加加圧力は
各溶接点毎の加圧力−実電流の測定値に基づいて作成さ
れた実電流→実加圧力変換関数により算出する。
【0032】ステップ36:追加加圧力を設定加圧力に
加算して電流指令を補正する。このステップでは、ステ
ップ35の処理により算出された追加加圧力を前述の設
定加圧力に加算することにより、移動側電極18を駆動
するサーボモータ3aへ出力する電流指令を補正する。
【0033】上記の一連の処理はリアルタイムに行われ
るので、移動側電極18の加圧力が設定加圧力に到達す
る以前に処理が終了することになり、溶接電流の通電時
には被溶接物間の隙間をゼロにするために要した加圧力
が補正されていることになる。したがって、隙間の大き
さが異なる被溶接物71が連続して流れてくるような製
造ラインにおいても、毎回の加圧動作毎に適正な加圧力
で溶接が行われることとなり、安定した溶接品質を確保
できるものとなる。
【0034】なお、実際の溶接作業においては被溶接物
間の隙間が完全にゼロになることは有り得ないので、本
実施形態は被溶接物間の隙間がほとんどゼロであると見
られるものにおいても適用可能である。しかし、このも
のにおいては加圧動作の開始直後に実電流の変化率が基
準値を超えることになるので、この場合、本発明を適用
させず、従来どおり、設定電流指令より得られる加圧力
にて溶接電流を通電させるようにしてもよい。
【0035】ところで、先に述べたように、上記第1の
実施形態においては、実電流の変化率が急激に変化した
時期は、サンプリング間隔毎の実電流の変化率と予め設
定された基準値とを随時比較し、変化率が基準値を超え
た時期として求めるようにしており、この場合の基準値
は、被溶接物間の隙間がゼロの場合と被溶接物間の隙間
がゼロでない場合のそれぞれについて、実際に溶接ガン
2を動作させて得た実測値に基づいて設定するようにし
ている。しかし、実際に溶接ガン2を動作させて基準値
を設定するという作業は大変煩わしいものであるし、ま
た、溶接点が多くある場合などは設定加圧力等の溶接条
件の溶接点毎の違いにより基準値を一義的に設定できな
いこともある。
【0036】そこで、図2に示す本発明の第2の実施形
態においては、随時算出されるサンプリング時[ti
の実電流の変化率[Rti]とこれよりも1サンプリング
間隔前のサンプリング時[ti-1 ]の実電流の変化率
[Rt(i-1)]との比率[Rti/Rt(i-1)]を随時算出
し、この比率[Rti/Rt(i-1)]が予め設定された許容
範囲を超えた時期を被溶接物間の隙間がゼロになった時
期とし、この時点での実電流の値より追加加圧力を算出
するようにした。許容範囲の値は、例えば、許容率を1
0%以内と規定すれば0.9〜1.1(下限値0.9、
上限値1.1)に設定すればよいが、被溶接物間の隙間
がゼロになった時期では[Rti]がRt(i-1)よりも大き
くなるから、単に上限値1.1のみを設定するようにし
てもよい。
【0037】処理における第2の実施形態の第1の実施
形態との相違点は、第1の実施形態では、ステップ34
において、算出された実電流の変化率が予め設定された
基準値を超えたか否かについて各サンプリング時に随時
判断するようにしているのに対して、第2の実施形態で
は、ステップ44において、算出されたサンプリング時
[ti ]の実電流の変化率[Rti]とこれよりも1サン
プリング間隔前のサンプリング時[ti-1 ]の実電流の
変化率[Rt(i-1)]との比率[Rti/Rt(i-1)]を随時
算出し、この比率[Rti/Rt(i-1)]が予め設定された
許容範囲を超えたか否かについて各サンプリング時に随
時判断するようにしている点のみである。したがって、
第2の実施形態のフローチャートを示す図2中のステッ
プ41〜43及びステップ45〜47は、第1の実施形
態のフローチャートを示す図1中のステップ31〜33
及びステップ35〜37と、それぞれ同一の処理を行っ
ている。
【0038】この第2の実施形態によれば、比率[Rti
/Rt(i-1)]と比較される許容範囲の値は設定加圧力等
の溶接条件に左右されず全溶接点に関して一義的に規定
してもよいので、第1の実施形態のように実際に溶接ガ
ンを動作させて基準値を設定する作業を行うことなく、
溶接点毎に一定の基準で実電流の変化率が急激に変化し
た時期を決定することができるようになる。
【0039】上記第1及び第2の実施形態においては、
実電流よりその変化率を求めたり、さらに変化率の比率
を求め、基準値や許容範囲と比較するようにしていた
が、これに代えて、まず実電流より実加圧力を算出し、
しかる後、この実加圧力よりその変化率を求めたり、さ
らに変化率の比率を求め、加圧力について規定した基準
値や許容範囲と比較するようにしてもよい。
【0040】すなわち、図3に示す本発明の第3の実施
形態においては、前述の第1の実施形態では、実電流よ
りサンプリング間隔毎の実電流の変化率を随時算出し
(ステップ33)、このサンプリング間隔毎の実電流の
変化率と予め設定された基準値とを随時比較し(ステッ
プ34)、変化率が基準値を超えた時点での実電流より
追加加圧力を算出する(ステップ35)ようにしていた
のに対して、第3の実施形態では、実電流より溶接点に
実際にかかる加圧力としての実加圧力をサンプリング間
隔毎に随時算出し(ステップ53)、実加圧力よりサン
プリング間隔毎の実加圧力の変化率を随時算出し(ステ
ップ54)、サンプリング間隔毎の実加圧力の変化率と
予め設定された基準値とを随時比較し(ステップ5
5)、サンプリング間隔毎の実加圧力の変化率が前記基
準値を超えた時点での実加圧力を追加加圧力として設定
する(ステップ56)ようにした。なお、ステップ51
〜52及びステップ57は、図1に示した本発明の第1
の実施形態のステップ31〜32及びステップ36と、
それぞれ同一の処理を行っている。
【0041】また、図4に示す本発明の第4の実施形態
においては、前述の第2の実施形態では、実電流よりサ
ンプリング間隔毎の実電流の変化率を随時算出し(ステ
ップ43)、このときのサンプリング時[ti ]の実電
流の変化率[Rti]とこれよりも1サンプリング間隔前
のサンプリング時[ti-1 ]の実電流の変化率[R
t(i-1)]との比率[Rti/Rt(i-1)]を随時算出し(ス
テップ44)、この比率[Rti/Rt(i-1)]が予め設定
された許容範囲を超えた時点での実電流より追加加圧力
を算出する(ステップ45)ようにしていたのに対し
て、第4の実施形態では、実電流より溶接点に実際にか
かる加圧力としての実加圧力をサンプリング間隔毎に随
時算出し(ステップ63)、実加圧力よりサンプリング
間隔毎の実加圧力の変化率を随時算出し(ステップ6
4)、このときのサンプリング時[ti ]の実加圧力の
変化率[Rti]とこれよりも1サンプリング間隔前のサ
ンプリング時[ti-1 ]の実加圧力の変化率
[Rt(i-1)]との比率[Rti/Rt(i-1)]を随時算出し
(ステップ65)、この比率[Rti/Rt(i-1)]が予め
設定された許容範囲を超えた時点での実加圧力を追加加
圧力として設定する(ステップ66)ようにした。な
お、ステップ61〜62及びステップ67は、図2に示
した本発明の第2の実施形態のステップ41〜42及び
ステップ46と、それぞれ同一の処理を行っている。
【0042】以上、本発明の第1〜第4の実施形態にお
ける溶接ガンの加圧力補正方法について、フローチャー
トを参照して説明した。次に、この第1〜第4の実施形
態における溶接ガンの加圧力補正方法が適用される加圧
力補正回路に関して、これら4つの実施形態のそれぞれ
において機能が異なる実電流→実加圧力変換回路24及
び加圧力監視回路17aを中心に説明する。
【0043】本発明の第1の実施形態における溶接ガン
の加圧力補正方法が適用される加圧力補正回路は、溶接
点毎に予め設定された最適な加圧力としての設定加圧力
を、移動側電極18を駆動するサーボモータ3aへの移
動指令である設定電流指令に変換する加圧力→電流指令
変換回路23と、設定電流指令により移動を開始した移
動側電極18を駆動するサーボモータ3aに流れる駆動
電流としての実電流を検出する電流検出器16と、実電
流より予め設定されたサンプリング間隔毎の実電流の変
化率を算出するとともにこの変化率を予め設定された基
準値と比較し、変化率が基準値を超えた時点での実電流
を追加加圧力に変換する実電流→加圧力変換回路24と
からなり、前記加圧力→電流指令変換回路23では追加
加圧力を前記設定加圧力に加算することにより移動側電
極18を駆動するサーボモータ3aに出力する電流指令
を補正する構成としている。
【0044】また、本発明の第2の実施形態における溶
接ガンの加圧力補正方法が適用される加圧力補正回路
は、第1の実施形態とは異なり、実電流→加圧力変換回
路24では、実電流より予め設定されたサンプリング間
隔毎の実電流の変化率を算出するとともに、このときの
サンプリング時[ti ]の実電流の変化率[Rti]とこ
れよりも1サンプリング間隔前のサンプリング時[t
i-1 ]の実電流の変化率[Rt(i-1)]との比率[Rti
t(i-1)]を算出し、この比率[Rti/Rt(i-1)]が予
め設定された許容範囲を超えた時点での実電流を追加加
圧力に変換する構成としている。
【0045】また、本発明の第3の実施形態における溶
接ガンの加圧力補正方法が適用される加圧力補正回路
は、第1の実施形態では、実電流→加圧力変換回路24
において、実電流よりサンプリング間隔毎の実電流の変
化率を随時算出し、このサンプリング間隔毎の実電流の
変化率と予め設定された基準値とを随時比較し、変化率
が基準値を超えた時点での実電流を追加加圧力に変換す
るようにしていたのに対して、第3の実施形態では、実
電流→加圧力変換回路24においては、実電流を実加圧
力に常時変換し出力するようにし、加圧力監視回路17
aにおいて実加圧力よりサンプリング間隔毎の実加圧力
の変化率を算出するとともに、サンプリング間隔毎の実
加圧力の変化率と予め設定された基準値とを比較し、サ
ンプリング間隔毎の実加圧力の変化率が基準値を超えた
時点での実加圧力を追加加圧力として設定する構成とし
ている。
【0046】さらに、本発明の第4の実施形態における
溶接ガンの加圧力補正方法が適用される加圧力補正回路
は、第2の実施形態では、実電流→加圧力変換回路24
において、実電流より予め設定されたサンプリング間隔
毎の実電流の変化率を算出するとともに、このときのサ
ンプリング時[ti ]の実電流の変化率[Rti]とこれ
よりも1サンプリング間隔前のサンプリング時
[ti-1 ]の実電流の変化率[Rt(i-1)]との比率[R
ti/Rt(i-1)]を算出し、比率[Rti/Rt(i-1)]が予
め設定された許容範囲を超えた時点での実電流を追加加
圧力に変換するようにしていたのに対して、第4の実施
形態では、実電流→加圧力変換回路24においては実電
流を実加圧力に常時変換し出力するようにし、加圧力監
視回路17aにおいて、実加圧力よりサンプリング間隔
毎の実加圧力の変化率を算出するとともに、このときの
サンプリング時[ti ]の実加圧力の変化率[Rti]と
これよりも1サンプリング間隔前のサンプリング時[t
i-1 ]の実加圧力の変化率[Rt(i-1)]との比率[Rti
/Rt(i-1)]を算出し、この比率[Rti/Rt(i-1)]が
予め設定された許容範囲を超えた時点での実加圧力を追
加加圧力として設定する構成としている。
【0047】
【発明の効果】本発明における溶接ガンの加圧力補正方
法によれば、固定側電極とこれに対向して設けられかつ
サーボモータにより駆動される移動側電極との間に被溶
接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定の溶接
部位にスポット溶接を施すようにされた溶接ガンにおい
て、溶接ガンの加圧時に、被溶接物の隙間をゼロにする
ために要した加圧力を算出し、この加圧力を初期設定時
の設定加圧力に加算することにより移動側電極駆動用サ
ーボモータに出力する電流指令を補正するようにしたの
で、被溶接物の合わせ面に隙間が存在する場合でも、常
に適正な加圧力で溶接が行われるようになった。
【0048】さらには、これらの処理はリアルタイムに
行われるようにしたので、隙間の大きさが異なる被溶接
物が連続して流れてくるような製造ラインにおいても、
毎回の加圧動作毎に適正な加圧力で溶接が行われること
となり、その結果安定した溶接品質を確保できるものと
なった。また、本発明では、加圧力の補正は加圧動作時
に自動的に行われるとともに、ティーチングにおける溶
接点の設定作業や溶接点毎の加圧力の初期値の設定作業
は従来どおりでよいので、本発明の溶接ガンを導入した
ことによる作業者に対する新たな作業教育はほとんど必
要ないという効果もある。
【0049】また、本発明における溶接ガンの加圧力補
正方法が適用される加圧力補正回路では、これを構成す
る加圧力→電流指令変換回路、実電流→実加圧力変換回
路、及び加圧力監視回路は、従来のものを改良するのみ
でよいので、新規に製作する溶接ガンにおいては従来の
ものに対する製造コスト増はほとんどなく、また、従来
の溶接ガンを本発明のものに改造する場合も新たに部品
を追加する必要はないので安価な改造経費で対応できる
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加圧力補正方法の第1の実施形態を示
すフローチャートである。
【図2】本発明の加圧力補正方法の第2の実施形態を示
すフローチャートである。
【図3】本発明の加圧力補正方法の第3の実施形態を示
すフローチャートである。
【図4】本発明の加圧力補正方法の第4の実施形態を示
すフローチャートである。
【図5】被溶接物71と移動側電極18及び固定側電極
19との位置関係を示す概念図であり、(a)図は2つ
の被溶接物の合わせ面に隙間がない場合、(b)図は2
つの被溶接物の合わせ面に隙間がある場合である。
【図6】加圧動作時の加圧力の時間経過を示すグラフで
あり、(a)図は2つの被溶接物の合わせ面に隙間がな
い場合、(b)図は2つの被溶接物の合わせ面に隙間が
ある場合である。
【図7】本発明の加圧力補正方法が適用される加圧力補
正回路を含む制御装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 溶接ガン 3a サーボモータ 16 電流検出器 17a 加圧力監視回路 18 移動側電極 19 固定側電極 23 加圧力→電流指令変換回路 24 実電流→実加圧力変換回路 71 被溶接物

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定側電極とこれに対向して設けられかつ
    サーボモータにより駆動される移動側電極との間に被溶
    接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定の溶接
    部位にスポット溶接を施すようにされた溶接ガンにおい
    て、 前記移動側電極を駆動するサーボモータに対して出力す
    るための、溶接点毎に予め設定された最適な加圧力すな
    わち設定加圧力を得るための電流指令としての設定電流
    指令を算出し、 該設定電流指令により移動を開始した前記移動側電極を
    駆動するサーボモータに流れる駆動電流としての実電流
    を、予め設定されたサンプリング間隔毎に随時検出し、 該実電流よりサンプリング間隔毎の実電流の変化率を随
    時算出し、 該サンプリング間隔毎の実電流の変化率と予め設定され
    た基準値とを随時比較し、 該サンプリング間隔毎の実電流の変化率が前記基準値を
    超えた時点での実電流より追加加圧力を算出し、 該追加加圧力を前記設定加圧力に加算することにより前
    記移動側電極を駆動するサーボモータに出力する電流指
    令を補正するようにしたことを特徴とする溶接ガンの加
    圧力補正方法。
  2. 【請求項2】固定側電極とこれに対向して設けられかつ
    サーボモータにより駆動される移動側電極との間に被溶
    接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定の溶接
    部位にスポット溶接を施すようにされた溶接ガンにおい
    て、 前記移動側電極を駆動するサーボモータに対して出力す
    るための、溶接点毎に予め設定された最適な加圧力すな
    わち設定加圧力を得るための電流指令としての設定電流
    指令を算出し、 該設定電流指令により移動を開始した前記移動側電極を
    駆動するサーボモータに流れる駆動電流としての実電流
    を、予め設定されたサンプリング間隔毎に随時検出し、 該実電流よりサンプリング間隔毎の実電流の変化率を随
    時算出し、 サンプリング時[ti ]の実電流の変化率[Rti]とこ
    れよりも1サンプリング間隔前のサンプリング時[t
    i-1 ]の実電流の変化率[Rt(i-1)]との比率[Rti
    t(i-1)]を随時算出し、 該比率[Rti/Rt(i-1)]が予め設定された許容範囲を
    超えた時点での実電流より追加加圧力を算出し、 該追加加圧力を前記設定加圧力に加算することにより前
    記移動側電極を駆動するサーボモータに出力する電流指
    令を補正するようにしたことを特徴とする溶接ガンの加
    圧力補正方法。
  3. 【請求項3】固定側電極とこれに対向して設けられかつ
    サーボモータにより駆動される移動側電極との間に被溶
    接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定の溶接
    部位にスポット溶接を施すようにされた溶接ガンにおい
    て、 前記移動側電極を駆動するサーボモータに対して出力す
    るための、溶接点毎に予め設定された最適な加圧力すな
    わち設定加圧力を得るための電流指令としての設定電流
    指令を算出し、 該設定電流指令により移動を開始した前記移動側電極を
    駆動するサーボモータに流れる駆動電流としての実電流
    を、予め設定されたサンプリング間隔毎に随時検出し、 該実電流より溶接点に実際にかかる加圧力としての実加
    圧力を前記サンプリング間隔毎に随時算出し、 該実加圧力よりサンプリング間隔毎の実加圧力の変化率
    を随時算出し、 該サンプリング間隔毎の実加圧力の変化率と予め設定さ
    れた基準値とを随時比較し、 該サンプリング間隔毎の実加圧力の変化率が前記基準値
    を超えた時点での実加圧力を追加加圧力として設定し、 該追加加圧力を前記設定加圧力に加算することにより前
    記移動側電極を駆動するサーボモータに出力する電流指
    令を補正するようにしたことを特徴とする溶接ガンの加
    圧力補正方法。
  4. 【請求項4】固定側電極とこれに対向して設けられかつ
    サーボモータにより駆動される移動側電極との間に被溶
    接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定の溶接
    部位にスポット溶接を施すようにされた溶接ガンにおい
    て、 前記移動側電極を駆動するサーボモータに対して出力す
    るための、溶接点毎に予め設定された最適な加圧力すな
    わち設定加圧力を得るための電流指令としての設定電流
    指令を算出し、 該設定電流指令により移動を開始した前記移動側電極を
    駆動するサーボモータに流れる駆動電流としての実電流
    を、予め設定されたサンプリング間隔毎に随時検出し、 該実電流より溶接点に実際にかかる加圧力としての実加
    圧力を前記サンプリング間隔毎に随時算出し、 該実加圧力よりサンプリング間隔毎の実加圧力の変化率
    を随時算出し、 サンプリング時[ti ]の実加圧力の変化率[Rti]と
    これよりも1サンプリング間隔前のサンプリング時[t
    i-1 ]の実加圧力の変化率[Rt(i-1)]との比率[Rti
    /Rt(i-1)]を随時算出し、 該比率[Rti/Rt(i-1)]が予め設定された許容範囲を
    超えた時点での実加圧力を追加加圧力として設定し、 該追加加圧力を前記設定加圧力に加算することにより前
    記移動側電極を駆動するサーボモータに出力する電流指
    令を補正するようにしたことを特徴とする溶接ガンの加
    圧力補正方法。
  5. 【請求項5】固定側電極とこれに対向して設けられかつ
    サーボモータにより駆動される移動側電極との間に被溶
    接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定の溶接
    部位にスポット溶接を施すようにされた溶接ガンにおい
    て、 溶接点毎に予め設定された最適な加圧力としての設定加
    圧力を、前記移動側電極を駆動するサーボモータへの移
    動指令である設定電流指令に変換する加圧力→電流指令
    変換回路と、 該設定電流指令により移動を開始した前記移動側電極を
    駆動するサーボモータに流れる駆動電流としての実電流
    を検出する電流検出器と、 該実電流より予め設定されたサンプリング間隔毎の実電
    流の変化率を算出するとともに該変化率を予め設定され
    た基準値と比較し、変化率が基準値を超えた時点での実
    電流を追加加圧力に変換する実電流→加圧力変換回路
    と、を有し、 前記加圧力→電流指令変換回路では該追加加圧力を前記
    設定加圧力に加算することにより前記移動側電極を駆動
    するサーボモータに出力する電流指令を補正するように
    されていることを特徴とする溶接ガンの加圧力補正回
    路。
  6. 【請求項6】固定側電極とこれに対向して設けられかつ
    サーボモータにより駆動される移動側電極との間に被溶
    接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定の溶接
    部位にスポット溶接を施すようにされた溶接ガンにおい
    て、 溶接点毎に予め設定された最適な加圧力としての設定加
    圧力を、前記移動側電極を駆動するサーボモータへの移
    動指令である設定電流指令に変換する加圧力→電流指令
    変換回路と、 該設定電流指令により移動を開始した前記移動側電極を
    駆動するサーボモータに流れる駆動電流としての実電流
    を検出する電流検出器と、 該実電流より予め設定されたサンプリング間隔毎の実電
    流の変化率を算出するとともに該サンプリング時
    [ti ]の実電流の変化率[Rti]とこれよりも1サン
    プリング間隔前のサンプリング時[ti-1 ]の実電流の
    変化率[Rt(i-1)]との比率[Rti/Rt(i-1)]を算出
    し、比率[Rti/Rt(i-1)]が予め設定された許容範囲
    を超えた時点での実電流を追加加圧力に変換する実電流
    →加圧力変換回路と、を有し、 前記加圧力→電流指令変換回路では該追加加圧力を前記
    設定加圧力に加算することにより前記移動側電極を駆動
    するサーボモータに出力する電流指令を補正するように
    されていることを特徴とする溶接ガンの加圧力補正回
    路。
  7. 【請求項7】固定側電極とこれに対向して設けられかつ
    サーボモータにより駆動される移動側電極との間に被溶
    接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定の溶接
    部位にスポット溶接を施すようにされた溶接ガンにおい
    て、 溶接点毎に予め設定された最適な加圧力としての設定加
    圧力を、前記移動側電極を駆動するサーボモータへの移
    動指令である設定電流指令に変換する加圧力→電流指令
    変換回路と、 該設定電流指令により移動を開始した前記移動側電極を
    駆動するサーボモータに流れる駆動電流としての実電流
    を検出する電流検出器と、 該実電流より溶接点に実際にかかる加圧力としての実加
    圧力を予め設定されたサンプリング間隔に算出する実電
    流→加圧力変換回路と、 該実加圧力よりサンプリング間隔毎の実加圧力の変化率
    を算出するとともに該変化率を予め設定された基準値と
    比較し、変化率が基準値を超えた時点での実加圧力を追
    加加圧力として設定する加圧力監視回路と、を有し、 前記加圧力→電流指令変換回路では該追加加圧力を前記
    設定加圧力に加算することにより前記移動側電極を駆動
    するサーボモータに出力する電流指令を補正するように
    されていることを特徴とする溶接ガンの加圧力補正回
    路。
  8. 【請求項8】固定側電極とこれに対向して設けられかつ
    サーボモータにより駆動される移動側電極との間に被溶
    接物を加圧保持することにより、被溶接物の所定の溶接
    部位にスポット溶接を施すようにされた溶接ガンにおい
    て、 溶接点毎に予め設定された最適な加圧力としての設定加
    圧力を、前記移動側電極を駆動するサーボモータへの移
    動指令である設定電流指令に変換する加圧力→電流指令
    変換回路と、 該設定電流指令により移動を開始した前記移動側電極を
    駆動するサーボモータに流れる駆動電流としての実電流
    を検出する電流検出器と、 該実電流より溶接点に実際にかかる加圧力としての実加
    圧力を予め設定されたサンプリング間隔に算出する実電
    流→加圧力変換回路と、 該実加圧力よりサンプリング間隔毎の実加圧力の変化率
    を算出するとともに該サンプリング時[ti ]の実加圧
    力の変化率[Rti]とこれよりも1サンプリング間隔前
    のサンプリング時[ti-1 ]の実加圧力の変化率[R
    t(i-1)]との比率[Rti/Rt(i-1)]を算出し、比率
    [Rti/Rt(i-1)]が予め設定された許容範囲を超えた
    時点での実加圧力を追加加圧力として設定する加圧力監
    視回路と、を有し、 前記加圧力→電流指令変換回路では該追加加圧力を前記
    設定加圧力に加算することにより前記移動側電極を駆動
    するサーボモータに出力する電流指令を補正するように
    されていることを特徴とする溶接ガンの加圧力補正回
    路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021112773A (ja) * 2018-11-08 2021-08-05 Jfeスチール株式会社 抵抗スポット溶接方法、溶接部材の製造方法および溶接装置

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