JPH10262400A - 誘導機の特性算定法 - Google Patents
誘導機の特性算定法Info
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- JPH10262400A JPH10262400A JP8450397A JP8450397A JPH10262400A JP H10262400 A JPH10262400 A JP H10262400A JP 8450397 A JP8450397 A JP 8450397A JP 8450397 A JP8450397 A JP 8450397A JP H10262400 A JPH10262400 A JP H10262400A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、誘導機のパラメータに基づく特性
算定法における構造的精密性、パラメータ的精密性、簡
潔性の同時達成の課題を解決すべく、拡張されたT形モ
デルと同一の構造的精密性を有する数学モデルに関連し
たパラメータであって、パラメータ的精密性と簡潔性の
2つの適格条件を同時に満足するパラメータによる特性
算定法を提供するものである。 【解決手段】 誘導機の直接的特性は、3つの適格条件
を満足し得る一次抵抗R1、二次時定数の逆数W2、一
次インダクタンスL1、一次総合漏れインダクタンスL
1tの4パラメータで直接算定することにより、また、
間接的な諸特性はこの4パラメータとベクトル積分器
1、2、内積乗算器3、ベクトル・スカラ乗算器4、ベ
クトル加算器5、6及び単変数機械系7からなるシステ
ムを構成し、これを用いて間接的に算定することによ
り、課題を解決している。
算定法における構造的精密性、パラメータ的精密性、簡
潔性の同時達成の課題を解決すべく、拡張されたT形モ
デルと同一の構造的精密性を有する数学モデルに関連し
たパラメータであって、パラメータ的精密性と簡潔性の
2つの適格条件を同時に満足するパラメータによる特性
算定法を提供するものである。 【解決手段】 誘導機の直接的特性は、3つの適格条件
を満足し得る一次抵抗R1、二次時定数の逆数W2、一
次インダクタンスL1、一次総合漏れインダクタンスL
1tの4パラメータで直接算定することにより、また、
間接的な諸特性はこの4パラメータとベクトル積分器
1、2、内積乗算器3、ベクトル・スカラ乗算器4、ベ
クトル加算器5、6及び単変数機械系7からなるシステ
ムを構成し、これを用いて間接的に算定することによ
り、課題を解決している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導機の特性算定
法に関するものである。特に、誘導機のパラメータを用
いてこの特性を算定する方法に関するものである。
法に関するものである。特に、誘導機のパラメータを用
いてこの特性を算定する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】誘導機は、電気エネルギーを入力し機械エ
ネルギーを出力することを目的に使用される場合には誘
導電動機として、反対に機械エネルギーを入力し電気エ
ネルギーを出力する場合には誘導発電機として働く。こ
のように、同一の誘導機が用途によって異なる働きをす
る。誘導機の特性算定の観点からは誘導機の用途による
区別は必要ないが、以下では説明の簡略化のため電動機
的用途を例に特性算定の説明を行う。
ネルギーを出力することを目的に使用される場合には誘
導電動機として、反対に機械エネルギーを入力し電気エ
ネルギーを出力する場合には誘導発電機として働く。こ
のように、同一の誘導機が用途によって異なる働きをす
る。誘導機の特性算定の観点からは誘導機の用途による
区別は必要ないが、以下では説明の簡略化のため電動機
的用途を例に特性算定の説明を行う。
【0003】誘導機の高性能な制御を考えた場合、この
特性の最も合理的な算定結果は、直接的にはその特性を
記述した数学モデル上のパラメータに集約されていると
言える。特性を適切に算定したモデルパラメータすなわ
ち直接的特性が得られたならば、誘導機の定常および過
渡状態の間接的特性は、このモデルパラメータから算定
することが可能である。例えばトルク−速度などの間接
的特性は、後述の本発明の実施に関連して詳しく説明す
るように、直接的特性であるモデルパラメータより直ち
に算定することができる。この観点より、今日、誘導機
の特性算定に多用されているのが数学モデル上の具体的
パラメータ値であり、またこのときの数学モデルとして
は等価回路形式のT形モデルが多用されている。事実、
市販誘導機に付随しているのは、T形モデルを採用した
場合の5パラメータ(一次抵抗、二次抵抗、一次インダ
クタンス、二次インダクタンス、相互インダクタンス、
またはこれらの対応パラメータ)の具体的数値である。
特性の最も合理的な算定結果は、直接的にはその特性を
記述した数学モデル上のパラメータに集約されていると
言える。特性を適切に算定したモデルパラメータすなわ
ち直接的特性が得られたならば、誘導機の定常および過
渡状態の間接的特性は、このモデルパラメータから算定
することが可能である。例えばトルク−速度などの間接
的特性は、後述の本発明の実施に関連して詳しく説明す
るように、直接的特性であるモデルパラメータより直ち
に算定することができる。この観点より、今日、誘導機
の特性算定に多用されているのが数学モデル上の具体的
パラメータ値であり、またこのときの数学モデルとして
は等価回路形式のT形モデルが多用されている。事実、
市販誘導機に付随しているのは、T形モデルを採用した
場合の5パラメータ(一次抵抗、二次抵抗、一次インダ
クタンス、二次インダクタンス、相互インダクタンス、
またはこれらの対応パラメータ)の具体的数値である。
【0004】図2は、誘導機のT形モデルの等価回路図
である。図中のR1は一次抵抗を、L1sは一次漏れイ
ンダクタンスを、Mは相互インダクタンスを、R2は二
次抵抗を、L2sは二次漏れインダクタンスをそれぞれ
示している。誘導機が具体的に特定されると、これに応
じてモデル上の5個のパラメータが具体的値を持ち、こ
の結果、モデル上のパラメータ値が特定誘導機の特性を
直接的に示すことになる。周知のように、相互インダク
タンスMと一次漏れインダクタンスL1sの和が一次イ
ンダクタンスL1を形成し、相互インダクタンスMと二
次漏れインダクタンスL2sの和が二次インダクタンス
L2を形成する。このパラメータ間の一意的対応を考慮
すると、図2に示したT形モデルに基づくパラメータ算
定は、一次抵抗、二次抵抗、一次インダクタンス、二次
インダクタンス、相互インダクタンスの5パラメータ、
またはこれらに一意に対応した5パラメータを用いた誘
導機の特性算定といえる。
である。図中のR1は一次抵抗を、L1sは一次漏れイ
ンダクタンスを、Mは相互インダクタンスを、R2は二
次抵抗を、L2sは二次漏れインダクタンスをそれぞれ
示している。誘導機が具体的に特定されると、これに応
じてモデル上の5個のパラメータが具体的値を持ち、こ
の結果、モデル上のパラメータ値が特定誘導機の特性を
直接的に示すことになる。周知のように、相互インダク
タンスMと一次漏れインダクタンスL1sの和が一次イ
ンダクタンスL1を形成し、相互インダクタンスMと二
次漏れインダクタンスL2sの和が二次インダクタンス
L2を形成する。このパラメータ間の一意的対応を考慮
すると、図2に示したT形モデルに基づくパラメータ算
定は、一次抵抗、二次抵抗、一次インダクタンス、二次
インダクタンス、相互インダクタンスの5パラメータ、
またはこれらに一意に対応した5パラメータを用いた誘
導機の特性算定といえる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】T形モデルの5パラメ
ータは、伝統的に、対象誘導機の一次側パラメータに関
しては無負荷試験により、二次側パラメータに関しては
拘束試験により算定されている。この際、二次インダク
タンスは一次側の電圧、電流情報からは算定し得ないと
して、これを一次インダクタンスと等しく算定する算定
法が通常使用されている。一方、文献(中野・赤木・高
橋・難波江:「二次巻線鎖交磁束に着目した誘導電動機
の新しい等価回路とその定数決定法」電気学会論文誌
B、103、216 (昭和58))によれば、中野ら
は、この種の不確定問題に対し、定常状態の特性算定の
みに有効性と利用とを限定しながらも、設計者が任意に
選定し得るパラメータ(ゼロを除く有界値)を導入し、
これを含めた5パラメータで、誘導機の定常特性を算定
することを提案している。このようにして算定されたパ
ラメータは、誘導機のv/f制御に代表されるような機
械系の特性を半ば度外視し定常的速度応答のみに着目し
た粗い開ループ速度制御には、一応の整合性を有してい
たが、ベクトル制御に代表されるような誘導機自体のト
ルク発生の高性能化を追求する制御に必要な精度を与え
るものではないとの認識が一般的である。
ータは、伝統的に、対象誘導機の一次側パラメータに関
しては無負荷試験により、二次側パラメータに関しては
拘束試験により算定されている。この際、二次インダク
タンスは一次側の電圧、電流情報からは算定し得ないと
して、これを一次インダクタンスと等しく算定する算定
法が通常使用されている。一方、文献(中野・赤木・高
橋・難波江:「二次巻線鎖交磁束に着目した誘導電動機
の新しい等価回路とその定数決定法」電気学会論文誌
B、103、216 (昭和58))によれば、中野ら
は、この種の不確定問題に対し、定常状態の特性算定の
みに有効性と利用とを限定しながらも、設計者が任意に
選定し得るパラメータ(ゼロを除く有界値)を導入し、
これを含めた5パラメータで、誘導機の定常特性を算定
することを提案している。このようにして算定されたパ
ラメータは、誘導機のv/f制御に代表されるような機
械系の特性を半ば度外視し定常的速度応答のみに着目し
た粗い開ループ速度制御には、一応の整合性を有してい
たが、ベクトル制御に代表されるような誘導機自体のト
ルク発生の高性能化を追求する制御に必要な精度を与え
るものではないとの認識が一般的である。
【0006】パラメータによる特性算定においては、こ
れを含む数学モデルが以下の適格条件を満たすものでな
ければ、その価値は希薄となる。1)構造的精密性:使
用モデルは、誘導機自体の制御ともいうべきトルク制御
に、少なくとも構造的面において有用な精密性を有する
モデルである。2)パラメータ的精密性:使用モデル上
の全パラメータは、一次側信号等の入手可能な情報から
精密に(一意に)算定可能である。3)簡潔性:使用モ
デル上の全パラメータはトルク制御のための制御器の設
計に余すところなく必要である。
れを含む数学モデルが以下の適格条件を満たすものでな
ければ、その価値は希薄となる。1)構造的精密性:使
用モデルは、誘導機自体の制御ともいうべきトルク制御
に、少なくとも構造的面において有用な精密性を有する
モデルである。2)パラメータ的精密性:使用モデル上
の全パラメータは、一次側信号等の入手可能な情報から
精密に(一意に)算定可能である。3)簡潔性:使用モ
デル上の全パラメータはトルク制御のための制御器の設
計に余すところなく必要である。
【0007】ところが、従来のT形モデルと関連した5
パラメータに基づく算定法は、二次インダクタンスが曖
昧に算定されていることより容易に理解されるように、
適格条件2)を満足しない。T形モデルは同定理論の観
点からは、構造的に可同定条件を満足せず、如何なる算
定(同定、推定、測定等)方法を利用しようとも、また
如何なる探査信号を印加しようとも、このモデル上のパ
ラメータを一次側信号から一意に算定することはできな
い。パラメータ算定の一意性がないということは、無限
のパラメータ集合が存在することを意味し、パラメータ
の精密算定などは論外となる。すなわち、一意性なくし
て精密性はあり得ない。
パラメータに基づく算定法は、二次インダクタンスが曖
昧に算定されていることより容易に理解されるように、
適格条件2)を満足しない。T形モデルは同定理論の観
点からは、構造的に可同定条件を満足せず、如何なる算
定(同定、推定、測定等)方法を利用しようとも、また
如何なる探査信号を印加しようとも、このモデル上のパ
ラメータを一次側信号から一意に算定することはできな
い。パラメータ算定の一意性がないということは、無限
のパラメータ集合が存在することを意味し、パラメータ
の精密算定などは論外となる。すなわち、一意性なくし
て精密性はあり得ない。
【0008】また、後で本発明の効果の説明に関連して
明らかにするように、T形モデルに関連した5パラメー
タは適格条件3)を満足せず、従来のようなベクトル制
御、スパイラルベクトル法等のトルク制御用の制御器構
成には、5パラメータは必要としない。
明らかにするように、T形モデルに関連した5パラメー
タは適格条件3)を満足せず、従来のようなベクトル制
御、スパイラルベクトル法等のトルク制御用の制御器構
成には、5パラメータは必要としない。
【0009】T形以外にもT−I形、T−II形、逆L
形、L形などの名称で種々の等価回路的モデルが考案さ
れ、またベクトル制御法の研究開発に関連して非等価回
路的モデルも提示されてはいるが、特性を具体的に算定
するパラメータに関しては、適格条件2)、3)を満足
しえない伝統的な5パラメータを利用するものとなって
いる。
形、L形などの名称で種々の等価回路的モデルが考案さ
れ、またベクトル制御法の研究開発に関連して非等価回
路的モデルも提示されてはいるが、特性を具体的に算定
するパラメータに関しては、適格条件2)、3)を満足
しえない伝統的な5パラメータを利用するものとなって
いる。
【0010】誘導機の特性の最も合理的な算定結果は、
直接的にはその特性を記述した数学モデル上のパラメー
タに集約されるので、誘導機の高性能な制御には、この
特性を安定に算定する必要がある。しかし、上述のよう
な経緯のもと所要の特性算定法は未だ開発されず、課題
と残されてきた。すなわち、構造的精密性に関しては伝
統的なT形モデルと少なくとも同程度を有する数学モデ
ルに関連したパラメータであって、これが達成し得なか
ったパラメータ的精密性、簡潔性の2つの適格条件を満
足するパラメータの開発すなわち特性算定法の開発が長
年の解決すべき課題として残置されてきた。
直接的にはその特性を記述した数学モデル上のパラメー
タに集約されるので、誘導機の高性能な制御には、この
特性を安定に算定する必要がある。しかし、上述のよう
な経緯のもと所要の特性算定法は未だ開発されず、課題
と残されてきた。すなわち、構造的精密性に関しては伝
統的なT形モデルと少なくとも同程度を有する数学モデ
ルに関連したパラメータであって、これが達成し得なか
ったパラメータ的精密性、簡潔性の2つの適格条件を満
足するパラメータの開発すなわち特性算定法の開発が長
年の解決すべき課題として残置されてきた。
【0011】本発明は上記の課題を解決すべくなされた
ものであり、その目的は、拡張された T形モデルと同
一の構造的精密性を有する数学モデルに関連したパラメ
ータであって、パラメータ的精密性と簡潔性の2つの適
格条件を同時に満足するパラメータによる特性算定法を
提供することにある。換言するならば、誘導機の特性算
定法として、長年の懸案である3つの適格条件を備えた
数学モデルを提供することにある。
ものであり、その目的は、拡張された T形モデルと同
一の構造的精密性を有する数学モデルに関連したパラメ
ータであって、パラメータ的精密性と簡潔性の2つの適
格条件を同時に満足するパラメータによる特性算定法を
提供することにある。換言するならば、誘導機の特性算
定法として、長年の懸案である3つの適格条件を備えた
数学モデルを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、誘導機の特性算定法であって、
誘導機の定常及び過渡特性を、一次抵抗、二次時定数の
逆数、一次インダクタンス、一次総合漏れインダクタン
スの4パラメータで、またはこの4パラメータと一意に
関係づけられる4パラメータで、直接的または間接的に
算定することを特徴とするものである。
に、請求項1の発明は、誘導機の特性算定法であって、
誘導機の定常及び過渡特性を、一次抵抗、二次時定数の
逆数、一次インダクタンス、一次総合漏れインダクタン
スの4パラメータで、またはこの4パラメータと一意に
関係づけられる4パラメータで、直接的または間接的に
算定することを特徴とするものである。
【0013】
【発明実施の効果】上記の手段を実施することにより、
誘導機の特性算定を担うパラメータと誘導機内部状態の
集約がT形モデル及びこの拡張モデルに比し一切の近似
誤差無く遂行されるという作用が得られ、この作用の結
果、誘導機数学モデルは、一次側の信号からみた構造的
精密性に関しては近年の拡張T形モデルと同一の精密性
を維持しながらも、パラメータ的精密性と簡潔性を同時
に有するという効果を発揮できるようになる。以下に、
上記手段を実施した場合に生じるこれら作用と効果を詳
しく説明する。
誘導機の特性算定を担うパラメータと誘導機内部状態の
集約がT形モデル及びこの拡張モデルに比し一切の近似
誤差無く遂行されるという作用が得られ、この作用の結
果、誘導機数学モデルは、一次側の信号からみた構造的
精密性に関しては近年の拡張T形モデルと同一の精密性
を維持しながらも、パラメータ的精密性と簡潔性を同時
に有するという効果を発揮できるようになる。以下に、
上記手段を実施した場合に生じるこれら作用と効果を詳
しく説明する。
【0014】本発明の特性算定法の作用と効果の説明に
先立ち、本発明の特性算定法に使用する4パラメータを
説明する。4パラメータの基本の1組は、一次抵抗R
1、二次時定数の逆数W2、一次インダクタンスL1、
一次総合漏れインダクタンスL1tである。この4パラ
メータ(R1,W2,L1,L1t)における二次時定
数の逆数(以下、逆二次時定数という)と一次総合漏れ
インダクタンスは、伝統的に使用されている5パラメー
タの内の二次抵抗R2、一次インダクタンスL1、二次
インダクタンスL2、相互インダクタンスMと、つぎの
関係にある。
先立ち、本発明の特性算定法に使用する4パラメータを
説明する。4パラメータの基本の1組は、一次抵抗R
1、二次時定数の逆数W2、一次インダクタンスL1、
一次総合漏れインダクタンスL1tである。この4パラ
メータ(R1,W2,L1,L1t)における二次時定
数の逆数(以下、逆二次時定数という)と一次総合漏れ
インダクタンスは、伝統的に使用されている5パラメー
タの内の二次抵抗R2、一次インダクタンスL1、二次
インダクタンスL2、相互インダクタンスMと、つぎの
関係にある。
【数1】
【数2】
【0015】以上の準備の下に、本発明の作用と効果の
説明に入る。例えば、文献(新中・榊原・深沢:「誘導
機ベクトル制御のための統一的ベクトル解析」、計測自
動制御学会論文集、30、7 (平成6))によれば、
誘導機の数学モデルは、任意の瞬時角速度ωで回転して
いるd―q直交座標系上では、つぎの(3)―(6)式
で定めることができる。
説明に入る。例えば、文献(新中・榊原・深沢:「誘導
機ベクトル制御のための統一的ベクトル解析」、計測自
動制御学会論文集、30、7 (平成6))によれば、
誘導機の数学モデルは、任意の瞬時角速度ωで回転して
いるd―q直交座標系上では、つぎの(3)―(6)式
で定めることができる。
【0016】
【数3】
【数4】
【数5】
【数6】
【0017】このとき、v1、i1,φ1,i2,φ2
は、 上記d―q直交座標系上で定義された 2x1の誘
導機の内部状態ベクトルを、すなわち、一次電圧、 一
次電流、 一次鎖交磁束、二次電流、二次鎖交磁束をそ
れぞれ示している。また、ω2nは回転子の電気角速度
であり、s は微分演算子 d/dtを示している。ま
た、Jは(7)式で定義される 2x2の交代行列であ
る。
は、 上記d―q直交座標系上で定義された 2x1の誘
導機の内部状態ベクトルを、すなわち、一次電圧、 一
次電流、 一次鎖交磁束、二次電流、二次鎖交磁束をそ
れぞれ示している。また、ω2nは回転子の電気角速度
であり、s は微分演算子 d/dtを示している。ま
た、Jは(7)式で定義される 2x2の交代行列であ
る。
【数7】
【0018】(3)―(6)式の数学モデルは、誘導機
の定常状態のみならず過渡状態の特性を算定したモデル
として、近年使用されている。(3)―(6)式のモデ
ルは、これが明快に示すように、伝統的な5パラメータ
(R1,R2、L1,L2,M)を利用している点には
特に注意されたい。この数学モデルは、d―q座標系の
回転速度をω=0とする場合には、図2に示したT形等
価回路に対応するものとなっている。すなわち、従来の
T形モデルの構造的精密性を具備した、拡張T形モデル
とも言うべきモデルとなっている。
の定常状態のみならず過渡状態の特性を算定したモデル
として、近年使用されている。(3)―(6)式のモデ
ルは、これが明快に示すように、伝統的な5パラメータ
(R1,R2、L1,L2,M)を利用している点には
特に注意されたい。この数学モデルは、d―q座標系の
回転速度をω=0とする場合には、図2に示したT形等
価回路に対応するものとなっている。すなわち、従来の
T形モデルの構造的精密性を具備した、拡張T形モデル
とも言うべきモデルとなっている。
【0019】ここで、つぎの(8)式で定義される物理
量(以下では、正規化二次磁束とよぶ)を考える。
量(以下では、正規化二次磁束とよぶ)を考える。
【数8】 (5)、(6)式の関係に注意し(1)、(2)、(8)式の
関係を(3)式に用いるとつぎの(9)式が、また、
(5)、(6)式の関係に注意し(1)、(2)、(8)式の
関係を(4)式に用いるとつぎの(10)式が得られ
る。
関係を(3)式に用いるとつぎの(9)式が、また、
(5)、(6)式の関係に注意し(1)、(2)、(8)式の
関係を(4)式に用いるとつぎの(10)式が得られ
る。
【数9】
【数10】
【0020】(9)、(10)式が本発明が提供する誘
導機の数学モデルの1つである。これまでの説明より明
白なように、本発明が提供するモデルは、(3)―
(6)式に示した近年の拡張T形モデルに対し一切の近
似を行っていない。すなわち、両モデルは一次側端子か
ら見た入出力の関係は、定常・過渡応答、力行・回生応
答を含む全動作において完全に同一である。しかしなが
ら、本発明のモデルは、使用パラメータの数において最
小のモデルとなっている。すなわち、本発明提供するモ
デルは、5パラメータ(R1,R2、L1,L2,M)
で構成された従来モデルとは異なり、4個の基本パラメ
ータ(R1,W2,L1,L1t)のみで構成されてい
る。
導機の数学モデルの1つである。これまでの説明より明
白なように、本発明が提供するモデルは、(3)―
(6)式に示した近年の拡張T形モデルに対し一切の近
似を行っていない。すなわち、両モデルは一次側端子か
ら見た入出力の関係は、定常・過渡応答、力行・回生応
答を含む全動作において完全に同一である。しかしなが
ら、本発明のモデルは、使用パラメータの数において最
小のモデルとなっている。すなわち、本発明提供するモ
デルは、5パラメータ(R1,R2、L1,L2,M)
で構成された従来モデルとは異なり、4個の基本パラメ
ータ(R1,W2,L1,L1t)のみで構成されてい
る。
【0021】本モデルは内部状態としては一次電流と正
規化二次磁束の2個のみを使用しており、パラメータと
同様、内部状態においても最小構成のモデルとなってい
ることは明白である。この両者の最小性より理解される
ように、最小個数の4つのパラメータは、誘導機の電圧
電流等の一次側の外部信号より一意に算定することが可
能である。このように、本発明の特性算定法は適格条件
2)であるパラメータ的精密性を達成するものとなって
いる。
規化二次磁束の2個のみを使用しており、パラメータと
同様、内部状態においても最小構成のモデルとなってい
ることは明白である。この両者の最小性より理解される
ように、最小個数の4つのパラメータは、誘導機の電圧
電流等の一次側の外部信号より一意に算定することが可
能である。このように、本発明の特性算定法は適格条件
2)であるパラメータ的精密性を達成するものとなって
いる。
【0022】つぎに、適格条件3)について説明する。
誘導機の発生トルクτは、誘導機の極対数をNpとする
と、本発明のモデル使用した内部状態のみからなるつぎ
の(11)式に従い、算定される。
誘導機の発生トルクτは、誘導機の極対数をNpとする
と、本発明のモデル使用した内部状態のみからなるつぎ
の(11)式に従い、算定される。
【数11】
【0023】また、一次側に印加される電気エネルギー
と、誘導機内部のエネルギー、シャフトを通じて出力さ
れる機械エネルギーの瞬時的関係も、本発明のモデル使
用したパラメータと内部状態のみからなるつぎの(1
2)式に従い、算定される。
と、誘導機内部のエネルギー、シャフトを通じて出力さ
れる機械エネルギーの瞬時的関係も、本発明のモデル使
用したパラメータと内部状態のみからなるつぎの(1
2)式に従い、算定される。
【数12】 ここに、ω2mは回転子の機械角速度である。上式の右
辺第1項は一次、二次の銅損を、第2項は内部総インダ
クタンスに蓄積されている電磁エネルギーの瞬時変化
を、第3項はシャフトから出力される機械エネルギーを
それぞれ示している。
辺第1項は一次、二次の銅損を、第2項は内部総インダ
クタンスに蓄積されている電磁エネルギーの瞬時変化
を、第3項はシャフトから出力される機械エネルギーを
それぞれ示している。
【0024】トルク発生に関する(11)式、及び電気
・機械エネルギーの変換に関する(12)式による完全
なる記述性より理解されるように、本発明の基本4パラ
メータのみで、トルク制御のためのベクトル制御器を完
全に構成可能であることは明白である。すなわち、適格
条件3)が満足されている。なお、本発明の基本4パラ
メータのみで、トルク制御のためのベクトル制御器が完
全に構成可能であるということは、逆説的であるが、従
来の伝統的な5パラメータは適格条件3)を満足しない
ことを、すなわち制御系設計の観点において冗長なパラ
メータ構成になっていることを意味する。
・機械エネルギーの変換に関する(12)式による完全
なる記述性より理解されるように、本発明の基本4パラ
メータのみで、トルク制御のためのベクトル制御器を完
全に構成可能であることは明白である。すなわち、適格
条件3)が満足されている。なお、本発明の基本4パラ
メータのみで、トルク制御のためのベクトル制御器が完
全に構成可能であるということは、逆説的であるが、従
来の伝統的な5パラメータは適格条件3)を満足しない
ことを、すなわち制御系設計の観点において冗長なパラ
メータ構成になっていることを意味する。
【0025】以上の説明より、誘導機の定常及び過渡特
性を、本発明が提供するように一次抵抗、二次時定数の
逆数、一次インダクタンス、一次総合漏れインダクタン
スの4パラメータで、またはこの4パラメータと一意に
関係づけられる4パラメータで算定するという手段を講
じることにより、誘導機の特性算定を担うパラメータと
誘導機内部状態の集約が、拡張されたT形モデルに比し
一切の近似誤差無く遂行されるという作用が得られ、こ
の作用の結果、本発明の提供する誘導機数学モデルは、
一次側の信号からみた構造的精密性に関しては従来のT
形モデルと同一の精密性を維持しながらも、このモデル
に使用された4パラメータに関してはパラメータ的精密
性と簡潔性を同時に達成するという効果を発揮すること
が明白である。
性を、本発明が提供するように一次抵抗、二次時定数の
逆数、一次インダクタンス、一次総合漏れインダクタン
スの4パラメータで、またはこの4パラメータと一意に
関係づけられる4パラメータで算定するという手段を講
じることにより、誘導機の特性算定を担うパラメータと
誘導機内部状態の集約が、拡張されたT形モデルに比し
一切の近似誤差無く遂行されるという作用が得られ、こ
の作用の結果、本発明の提供する誘導機数学モデルは、
一次側の信号からみた構造的精密性に関しては従来のT
形モデルと同一の精密性を維持しながらも、このモデル
に使用された4パラメータに関してはパラメータ的精密
性と簡潔性を同時に達成するという効果を発揮すること
が明白である。
【0026】誘導機の特性の最も合理的な算定結果は、
直接的にはその特性を記述した数学モデル上のパラメー
タに集約される。本発明によるパラメータは、拡張され
たT形モデルと同一の構造的精密性を有する数学モデル
に関連したパラメータであって、しかも、パラメータ的
精密性、簡潔性の2つの適格条件を満足するパラメータ
であるので、誘導機の特性を安定かつ合理的に算定する
ことができる。こうした特性を兼備した本特性算定法
は、誘導機の特性の合理的評価にひいては誘導機の高性
能制御の構築に多大な貢献をするものである。この結
果、今後の誘導機の高性能な制御器は本発明が提供した
4パラメータを用いて設計され、ひいては設計された制
御器パラメータの値は本発明が提供した4パラメータの
値に従い算定されることになろう。
直接的にはその特性を記述した数学モデル上のパラメー
タに集約される。本発明によるパラメータは、拡張され
たT形モデルと同一の構造的精密性を有する数学モデル
に関連したパラメータであって、しかも、パラメータ的
精密性、簡潔性の2つの適格条件を満足するパラメータ
であるので、誘導機の特性を安定かつ合理的に算定する
ことができる。こうした特性を兼備した本特性算定法
は、誘導機の特性の合理的評価にひいては誘導機の高性
能制御の構築に多大な貢献をするものである。この結
果、今後の誘導機の高性能な制御器は本発明が提供した
4パラメータを用いて設計され、ひいては設計された制
御器パラメータの値は本発明が提供した4パラメータの
値に従い算定されることになろう。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態の代表
的な数例を説明する。誘導機の特性は、本発明の手段、
作用、効果に関連して説明したように、提供した4パラ
メータ(R1,W2,L1,L1t)に具体的な数値を
持たせることにより、直接的に算定される。すなわち、
誘導機が特定されたならば、特定された誘導機に対応し
て4パラメータに具体的数値を与えること自体が、特性
の直接算定となる。
的な数例を説明する。誘導機の特性は、本発明の手段、
作用、効果に関連して説明したように、提供した4パラ
メータ(R1,W2,L1,L1t)に具体的な数値を
持たせることにより、直接的に算定される。すなわち、
誘導機が特定されたならば、特定された誘導機に対応し
て4パラメータに具体的数値を与えること自体が、特性
の直接算定となる。
【0028】他の諸特性は、例えばトルクー速度特性
は、この4パラメータを介して間接的に算定することが
可能である。図1は、算定された直接的な特性である4
パラメータから、間接的な諸特性を算定するのための誘
導機のブロック図を示したものである。このブロック図
は、本発明が提供した(9)、(10)式の数学モデル
において特にd―q回転座標系の回転角速度ωをゼロに
選定した数学モデルと、(11)式に示したトルク発生
の数学モデルとをシステムとして具現化したものであ
る。同図における太い信号線はすべて2x1のベクトル
信号の流れを示している。
は、この4パラメータを介して間接的に算定することが
可能である。図1は、算定された直接的な特性である4
パラメータから、間接的な諸特性を算定するのための誘
導機のブロック図を示したものである。このブロック図
は、本発明が提供した(9)、(10)式の数学モデル
において特にd―q回転座標系の回転角速度ωをゼロに
選定した数学モデルと、(11)式に示したトルク発生
の数学モデルとをシステムとして具現化したものであ
る。同図における太い信号線はすべて2x1のベクトル
信号の流れを示している。
【0029】同図の1、2は共にベクトル積分器であ
り、ベクトル積分器1の出力は一次電流で、ベクトル積
分器2の出力は正規化二次磁束である。また、3はベク
トル信号の内積乗算器を、4はベクトル・スカラ乗算器
を、5、6は共にベクトル加算器を示している。7は誘
導機及び誘導機に附加された負荷機からなる単変数機械
系を示している。間接的な特性算定の遂行には、この機
械系は既知の慣性モーメントを用いた一次系として表現
すればよい。
り、ベクトル積分器1の出力は一次電流で、ベクトル積
分器2の出力は正規化二次磁束である。また、3はベク
トル信号の内積乗算器を、4はベクトル・スカラ乗算器
を、5、6は共にベクトル加算器を示している。7は誘
導機及び誘導機に附加された負荷機からなる単変数機械
系を示している。間接的な特性算定の遂行には、この機
械系は既知の慣性モーメントを用いた一次系として表現
すればよい。
【0030】図1において、一次電圧を印加すると、誘
導機内の2つの積分器に内部エルギーが生成蓄積され、
この内部状態である一次電流、正規化二次磁束によりト
ルクτが発生される。また、トルク発生と同時に回転子
が回転し、機械エネルギーが出力される。誘導機の間接
的諸特性は、図1のブロック図中に示した物理量である
一次電圧、一次電流、正規化二次磁束、トルク、回転子
の回転速度から容易に算定される。
導機内の2つの積分器に内部エルギーが生成蓄積され、
この内部状態である一次電流、正規化二次磁束によりト
ルクτが発生される。また、トルク発生と同時に回転子
が回転し、機械エネルギーが出力される。誘導機の間接
的諸特性は、図1のブロック図中に示した物理量である
一次電圧、一次電流、正規化二次磁束、トルク、回転子
の回転速度から容易に算定される。
【0031】例えば、典型的なトルクー速度特性は、電
圧レベルを一定に保持した一次電圧を印加し、このとき
のトルクと回転子速度を記録することにより難なく得ら
れる。また、電気エネルギーの機械ネルギーの変換効率
は、電気エネルギーを一次電圧と電流の内積で算定し、
一方機械エネルギーを二次側回転子でのトルクと回転速
度とのスカラ積で算定し、両エネルギーの比を算定する
ことにより、これも容易に得られる。他の特性の間接算
定も同様である。また、図1の4パラメータを使用した
システムのブロック図は任意の入力信号に対して成立す
るものであるので、すなわち定常状態のみならず過渡状
態において成立するものであるので、これによれば、定
常特性のみならず過渡特性も難なく得られることは明白
である。
圧レベルを一定に保持した一次電圧を印加し、このとき
のトルクと回転子速度を記録することにより難なく得ら
れる。また、電気エネルギーの機械ネルギーの変換効率
は、電気エネルギーを一次電圧と電流の内積で算定し、
一方機械エネルギーを二次側回転子でのトルクと回転速
度とのスカラ積で算定し、両エネルギーの比を算定する
ことにより、これも容易に得られる。他の特性の間接算
定も同様である。また、図1の4パラメータを使用した
システムのブロック図は任意の入力信号に対して成立す
るものであるので、すなわち定常状態のみならず過渡状
態において成立するものであるので、これによれば、定
常特性のみならず過渡特性も難なく得られることは明白
である。
【0032】これまでは、4パラメータの第1組として
(R1,W2,L1,L1t)を用いた実施形態例を説
明した。つぎにこの第1組と一意に対応した他のパラメ
ータの組みを用いた特性算定の実施形態例について説明
する。
(R1,W2,L1,L1t)を用いた実施形態例を説
明した。つぎにこの第1組と一意に対応した他のパラメ
ータの組みを用いた特性算定の実施形態例について説明
する。
【0033】正規化相互インダクタンスMnとして、つ
ぎの(13)式に従い一次インダクタンスと一次総合漏
れインダクタンスとに関連づけられるパラメータを用意
する。
ぎの(13)式に従い一次インダクタンスと一次総合漏
れインダクタンスとに関連づけられるパラメータを用意
する。
【数13】 4パラメータの第2組として一次抵抗、逆二次時定数、
一次インダクタンス、正規化相互インダクタンスからな
る組み(R1,W2,L1,Mn )を、また第3組と
して一次抵抗、逆二次時定数、一次総合漏れインダクタ
ンス、正規化相互インダクタンスからなる組み(R1,
W2,L1t ,Mn )を用意する。第2組、第3組と
も、第1組に完全に一意に対応しており、特性算定のた
め適格条件を満足し得るパラメータであることは明白で
ある。すなわち、第1組の4パラメータに一意に対応す
る4パラメータとして第2組または第3組を用い特性を
直接算定してよい。
一次インダクタンス、正規化相互インダクタンスからな
る組み(R1,W2,L1,Mn )を、また第3組と
して一次抵抗、逆二次時定数、一次総合漏れインダクタ
ンス、正規化相互インダクタンスからなる組み(R1,
W2,L1t ,Mn )を用意する。第2組、第3組と
も、第1組に完全に一意に対応しており、特性算定のた
め適格条件を満足し得るパラメータであることは明白で
ある。すなわち、第1組の4パラメータに一意に対応す
る4パラメータとして第2組または第3組を用い特性を
直接算定してよい。
【0034】漏れ係数としてσとして、つぎの(14)
式に従い一次インダクタンスと正規化相互インダクタン
スと関連づけられるパラメータを用意する。
式に従い一次インダクタンスと正規化相互インダクタン
スと関連づけられるパラメータを用意する。
【数14】 4パラメータの第4組として(R1,W2, L1,σ
)を、また第5組として(R1,W2, Mn,σ )
を、第6組として(R1,W2, L1t,σ )を用意
する。第4組、第5組、第6組とも、第1組に完全に一
意に対応しており、特性算定のため適格条件を満足し得
るパラメータであることは明白である。すなわち、第1
組の4パラメータに一意に対応する4パラメータとして
第4組または第5組または第6組を用い特性を直接算定
してよい。
)を、また第5組として(R1,W2, Mn,σ )
を、第6組として(R1,W2, L1t,σ )を用意
する。第4組、第5組、第6組とも、第1組に完全に一
意に対応しており、特性算定のため適格条件を満足し得
るパラメータであることは明白である。すなわち、第1
組の4パラメータに一意に対応する4パラメータとして
第4組または第5組または第6組を用い特性を直接算定
してよい。
【0035】正規化二次抵抗R2nとして、つぎの(1
5)式に従い逆二次時定数と正規化相互インダクタンス
と関連づけられるパラメータを用意する。
5)式に従い逆二次時定数と正規化相互インダクタンス
と関連づけられるパラメータを用意する。
【数15】 4パラメータの第7組として(R1,W2,L1,R2
n )を、また第8組として(R1,W2, L1t、
R2n)を、第9組として(R1,W2,σ、R2n
)を用意する。第7組、第8組、第9組とも、第1組
に完全に一意に対応しており、特性算定のため適格条件
を満足し得るパラメータであることは明白である。すな
わち、第1組の4パラメータに一意に対応する4パラメ
ータとして第7組または第8組または第9組を用い特性
を直接算定してよい。
n )を、また第8組として(R1,W2, L1t、
R2n)を、第9組として(R1,W2,σ、R2n
)を用意する。第7組、第8組、第9組とも、第1組
に完全に一意に対応しており、特性算定のため適格条件
を満足し得るパラメータであることは明白である。すな
わち、第1組の4パラメータに一意に対応する4パラメ
ータとして第7組または第8組または第9組を用い特性
を直接算定してよい。
【0036】第2組―第9組のいずれの4パラメータの
組みにおいても、第1組同様に図1と同様なブロックが
得られることは明白であり、これらのいずれの組み合わ
せのパラメータを用いても誘導機の間接的な諸特性を算
定できることは、これまでの説明より明白であろう。
組みにおいても、第1組同様に図1と同様なブロックが
得られることは明白であり、これらのいずれの組み合わ
せのパラメータを用いても誘導機の間接的な諸特性を算
定できることは、これまでの説明より明白であろう。
【0037】他の実施形態として、誘導機の諸特性を算
定する数学モデルとして、(9)、(10)式の数学モ
デルに代わって、つぎの(16)、(17)式に示すも
のを用いてもよいことを指摘しておく。
定する数学モデルとして、(9)、(10)式の数学モ
デルに代わって、つぎの(16)、(17)式に示すも
のを用いてもよいことを指摘しておく。
【数16】
【数17】 (16)、(17)式の数学モデルは、(9)、(10)式
の数学モデル同様に3つの適格条件を具備している。ま
た、数学モデル自体が明確に示しているように、4つの
パラメータ,すなわち第1組の4パラメータで成りたっ
ている。このモデルに従い、誘導機の諸特性を直接ある
いは間接算定する場合にも、第1組に代わって、第1組
と一意の対応をもつ第2組―第9組のいずれの1組を用
いてよいことはこれまでの説明より明白であろう。
の数学モデル同様に3つの適格条件を具備している。ま
た、数学モデル自体が明確に示しているように、4つの
パラメータ,すなわち第1組の4パラメータで成りたっ
ている。このモデルに従い、誘導機の諸特性を直接ある
いは間接算定する場合にも、第1組に代わって、第1組
と一意の対応をもつ第2組―第9組のいずれの1組を用
いてよいことはこれまでの説明より明白であろう。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】誘導機の諸特性を間接的に算定するための1実
施形態に係わるブロック図。
施形態に係わるブロック図。
【図2】従来のT形モデルの等価回路の例。
1、2 ベクトル積分器 3 内積乗算器 4 ベクトル・スカラ乗算器 5、6 ベクトル加算器 7 単変数機械系
Claims (1)
- 【請求項1】誘導機の特性算定法であって、誘導機の定
常及び過渡特性を、一次抵抗、二次時定数の逆数、一次
インダクタンス、一次総合漏れインダクタンスの4パラ
メータで、またはこの4パラメータと一意に関係づけら
れる4パラメータで、直接的または間接的に算定するこ
とを特徴とする誘導機の特性算定法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8450397A JPH10262400A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 誘導機の特性算定法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8450397A JPH10262400A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 誘導機の特性算定法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10262400A true JPH10262400A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13832454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8450397A Pending JPH10262400A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 誘導機の特性算定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10262400A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003047084A1 (fr) * | 2001-11-28 | 2003-06-05 | Emerson Network Power Co. Ltd | Procede d'identification de parametres de moteur asynchrone |
-
1997
- 1997-03-18 JP JP8450397A patent/JPH10262400A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003047084A1 (fr) * | 2001-11-28 | 2003-06-05 | Emerson Network Power Co. Ltd | Procede d'identification de parametres de moteur asynchrone |
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