JPH10260267A - 局所雨域予測方法および装置 - Google Patents

局所雨域予測方法および装置

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JPH10260267A
JPH10260267A JP6466597A JP6466597A JPH10260267A JP H10260267 A JPH10260267 A JP H10260267A JP 6466597 A JP6466597 A JP 6466597A JP 6466597 A JP6466597 A JP 6466597A JP H10260267 A JPH10260267 A JP H10260267A
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    • Y02A90/00Technologies having an indirect contribution to adaptation to climate change
    • Y02A90/10Information and communication technologies [ICT] supporting adaptation to climate change, e.g. for weather forecasting or climate simulation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体方程式を介して全体の移動速度を推定
し、同時に予測を行う、演算コストが大幅に軽減され
た、局所雨域予測方法および装置を提供する。 【解決手段】 画像入力部11を用いて雨域のレーダー
画像を入力し、輪郭線・法線検出部13で、画像蓄積部
12から取り出した画像に前処理を行い、いくつかのブ
ロックを検出し、輪郭線を算出し、輪郭線の接線と法線
とを算出し、変位ベクトル検出部14で、法線を基点か
ら輪郭線の外側ならびに内側方向に、後時点の雨域の輪
郭線と交わるまで延長し、法線ベクトルと法線の速度ベ
クトルとを算出し、流体方程式補間部15で、流体方程
式に速度ベクトルを初期値として代入して、速度ベクト
ル値を補間し、繰り返して補間を行って予測速度ベクト
ルを算出し、雨域の形状濃淡値情報とともに濃度拡散・
移流方程式に代入することで、雨域の変化予測を行い、
出力部16で予測画像を外部に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気象予測方法およ
び装置に関し、特に局所における雨域の短時間予測方法
および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、気象予測を行う際、気象庁ではア
メダスや気象衛星から得られる2、3次元的な気温、気
圧、露点、風ベクトル等の様々な物理パラメーターを用
い、数理・物理方程式を介して、数十時間先もしくは数
日先の日本全国の気象現象の変化を予測している。一
方、近年になってより狭い地域での、分オーダーでの短
い時間における気象予測、特に降雨や降雪の情報が望ま
れてきているため、局地的に配置した気象レーダー装置
からの雨域の変化情報を用いた予測が重要となってきて
いる。
【0003】雨域の変化は、降雨や降雪状態にある領域
の時間的な変化を意味し、その領域は見かけ上、雲の形
状をなしている。画像としての雨域は、様々な形状と濃
淡値の組み合わせとして表現されており、明瞭な特徴量
の記述が困難であることから画像処理手法に基づいた雨
域の動きの検出は容易ではない。そのため現在でも、主
として人の経験則に基づいた雨域の変化からの主観的な
読み取りが行われ、その情報が活用されている。
【0004】しかし一方では、自動的かつ客観的な雨域
変化を計算機上で行うために、時空間的相関法による雨
域変化検出が試みられている。この方法は、2つの画像
フレーム間〔f(t)とf(t+1):tは時間ステッ
プ〕の、濃淡値の類似性を算出した後、最も相関値が高
い点が移動量に対応していると仮定した上で、雨域の移
動量を推定する。推定された移動量に基づいて雨域を平
行移動させていく。このようにして推定された次のステ
ップの雨域画像を繰り返し、特定数のステップ先までの
予測が可能となる。
【0005】従来より、相互相関法、重心法などの画像
処理を行うことによって、時系列的な雨域パターンから
移動ベクトルを求めて、その移動ベクトルを線形に外挿
する方法が中心的な予測方法であった。しかしながら、
これらの外挿法では大きな問題がある。それは、必ずし
も各移動ベクトルが精度よく推定されたわけではないの
と、物理的に複数の移動ベクトル間を補正する手段が考
慮されていないため、外挿を数ステップ反復するだけ
で、各ベクトルが不自然に交錯してしまうからである。
このとき、ある大きさの雨域パターンを平行移動させて
いるので、交錯時には、雨量の精度は重なった分だけ多
く予測されてしまう。また、方向も大きくずれて行って
しまうといった問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまで適用されてい
る時空間的相関法では、連続する2つの画像から1つの
動きベクトルを推定する。しかしながら、相関係数を算
出するためには画素ごとに演算を行う必要があるため
に、画像全体で数千回〜数万回オーダーの演算回数が要
求されるという問題がある。また、画像の濃淡値は、雨
域が生成・消滅を絶えまなく繰り返しているために、前
フレームの濃淡値と次フレームの濃淡値とが常に1対1
に対応していることはないので、濃淡値に基づいた相関
値への信頼性は必ずしも高くなくて、むしろ不安定であ
るという問題がある。さらに、相関係数が求められない
ような散漫な雨域画像の場合には、ほとんど動きベクト
ルを推定することができず、その間の補間方法について
も具体的な方法が見い出されていないのが現状である。
【0007】また、相関法では、単位時間当たりの移動
量が大きいときは、大き目の窓関数を、移動量が小さい
ときは、小さ目の窓関数を適宜用意する必要があり、最
適な窓関数の大きさを決定することは容易ではなく、同
時に、決定しようとするならば、それに要する演算時間
は全体として数〜十倍増加するという問題が生ずる。
【0008】さらに、画像を分割した数だけ、通常数十
個程度の、雨域の移動速度を推定することができない。
【0009】特に、雨域が停滞性の場合、雨域の輸郭形
状の変化に比べると、雨域の濃淡値の変化が激しい。こ
のような雨域において、相関法をそのまま適用すると、
全体の雨域の移動はなくても、雨域の濃淡変化があるた
めに、何らかの動きベクトルが複数個得られてしまい、
その動きベクトルで雨域を移動させていた。そのため、
予測が進むほど、雨域の領域が実際からはずれていって
しまうという問題があった。
【0010】雨域が停滞性であっても、フレーム間の雨
域パターンの精緻な対応づけは困難である。従って、人
の経験に基づいて雨域パターンの移動速度を推定するこ
とが実用上中心的となっている。
【0011】また降水域の変化が一定という強い仮定が
おかれた単純なモデルであったために、対流に伴った降
水域の変化の程度を勘案した予測方法が試みられていな
かった。
【0012】本発明は上述の問題点の解決を図り、相関
法を用いずに、レーダー画像から局所的な雨域の移動速
度を推定し、流体方程式を介して全体の移動速度を推定
し、同時に予測を行う、演算コストが大幅に軽減され
た、局所雨域予測方法および装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の局所雨域予測方
法および装置は、計算手段を有する局所雨域予測手段を
用いて局所雨域を予測する方法であって、局所雨域予測
手段の画像入力部を用いて予測の対象とする雨域のレー
ダー画像を入力し、画像蓄積部に入力された時系列画像
を蓄積し、輪郭線・法線検出部で、計算のために画像蓄
積部から取り出した時系列の雨域のレーダー画像に前処
理を行った後、それぞれから雲のかたまりであるいくつ
かの適当なブロックを検出し、検出されたブロックの輪
郭線を算出し、算出された輪郭線を所定の手順によって
複数の輪郭点で離散化し、輪郭点を基点として輪郭線の
接線と法線とを算出し、変位ベクトル検出部で、前時点
の法線を基点から輪郭線の外側ならびに内側方向に、後
時点の雨域の輪郭線と交わるまで延長し、該基点と該交
点の座標から法線ベクトルと法線の速度ベクトルとを算
出し、流体方程式補間部で、流体方程式の該当項に、部
分的に得られた速度ベクトルを初期値として代入して、
該画像のフレーム全体にわたって速度ベクトル値を補間
し、必要とする未来の時間まで繰り返して補間を行って
所望の予測速度ベクトルを算出し、算出された該速度ベ
クトルと雨域の形状濃淡値情報とを濃度拡散・移流方程
式の所定の項に代入することで、雨域の変化予測を行
い、出力部で、得られた変化予測に基づく予測画像を外
部に出力する。
【0014】輪郭線・法線検出部の前処理には、雨域画
像の2値化、膨張収縮、孤立点除去、ラベリングが含ま
れることが好ましく、変位ベクトル検出部の輪郭線の接
線と法線との算出には、輪郭点を中心とする中心差分法
が用いられることが好ましい。
【0015】また、流体方程式補間部で用いられる流体
方程式がナビエ・ストークス方程式であってもよく、バ
ーガーズ方程式であってもよい。
【0016】さらに、流体方程式補間部で用いられる濃
度拡散・移流方程式には、湧き出し項、吸い込み項、消
散項が含まれることが好ましい。
【0017】本発明の局所雨域予測装置は、局所雨域を
予測するための計算手段を有する局所雨域予測装置であ
って、予測の対象とする雨域のレーダー画像を入力する
ための画像入力部と、入力された時系列画像を蓄積する
画像蓄積部と、計算のために画像蓄積部から取り出され
た時系列の雨域のレーダー画像に前処理を行った後、そ
れぞれから雲のかたまりであるいくつかの適当なブロッ
クを検出し、検出されたブロックの輪郭線を算出し、算
出された輪郭線を所定の手順によって複数の輪郭点で離
散化し、輪郭点を基点として輪郭線の接線と法線とを算
出する輪郭線・法線検出部と、前時点の法線を基点から
輪郭線の外側ならびに内側方向に、後時点の雨域の輪郭
線と交わるまで延長し、該基点と該交点の座標から法線
ベクトルと法線の速度ベクトルとを算出する変位ベクト
ル検出部と、流体方程式の該当項に部分的に得られた速
度ベクトルを初期値として代入して、該画像のフレーム
全体にわたって速度ベクトル値を補間し、必要とする未
来の時間まで繰り返して補間を行って所望の予測速度ベ
クトルを算出し、算出された該速度ベクトルと雨域の形
状濃淡値情報とを濃度拡散・移流方程式の所定の項に代
入することで、雨域の変化予測を行う流体方程式補間部
と、得られた変化予測に基づく予測画像を外部に出力す
る出力部とを備える。
【0018】本発明では、時間的に異なるフレームにお
ける雨域を入力し、入力データより過去の雨域の輪郭線
を求めた後、その輸郭線にまばらに設定された法線を輪
郭線の内外に対して延長し、現在のフレームにおける雨
域との交点を求め、輸郭線の変位から速度ベクトルを推
定することにより局所的な雨域の移動速度が推定され
る。続いて、速度ベクトルの全体的な整合をとるため
に、求まっている局所的な速度ベクトルを初期値として
流体方程式に代入する。同時に、流体方程式は非定常な
表現があるために、時間について方程式を積分し続けて
反復的に補間することによりより密に分布した速度ベク
トルに関する予測ができる。さらに、算出された速度ベ
クトルを濃度拡散・移流方程式の速度(移流)項に代入
し雨域の形状濃淡値情報を濃度拡散・移流方程式の拡散
項、移流項、湧きだし項、吸い込み項、消散項に代入
し、時間積分を行うことで、次の時間の濃淡値分布の変
化を求める。この時間積分を繰り返すことで濃淡値変化
の予測結果が得られ、画素単位の移流速度に基づいて、
雨域を変化させていくことができる。
【0019】本発明は、気象レーダーエコー画像に基づ
いた狭い地域の雨域の時系列変化を短時間予測し、気象
の変化に敏感に影響されるような狭い地域における様々
な経済活動が円滑に営まれるように、高速にかつ簡易に
局所的な雨域の移動速度を推定し、同時にその変化の予
測を雨域の変化に反映させて、画像の形で2次元的に予
測する方法と装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態
の局所雨域予測方法と装置の説明図であり、(a)は局
所雨域予測方法のフローチャート、(b)は局所雨域予
測装置のブロック構成図である。図中符号11は画像入
力部、12は画像蓄積部、13は輪郭線・法線検出部、
14は変位ベクトル検出部、15は流体方程式補間部、
16は出力部、S101〜S113は各ステップであ
る。
【0021】本発明の局所雨域予測装置は、気象レーダ
エコー画像などから所望の地域の所望の雨域画像を入力
する画像入力部11と、画像入力部11から入力した画
像データを蓄積する画像蓄積部12と、画像蓄積部12
から予測のために比較する現在と過去の画像データを取
り出し、比較のための前処理を行い、画像データの雨域
を雲の塊ごとにブロックとして分割し、ブロックごとに
輪郭線とその法線を算出する輪郭線・法線検出部13
と、各ブロックの前時点の法線を延長し、後時点の輪郭
線との交点を算出し、速度ベクトルを算出する変位ベク
トル検出部14と、所定の流体方程式の所定の項に算出
された局所的な速度ベクトルを初期値として代入し、必
要時間分だけ時間積分を繰り返して予測速度値を計算
し、濃度拡散・移流方程式の所定の項に、算出された予
測速度値と形状濃度情報を代入して雨域変化を予測する
流体方程式補間部15と、流体方程式補間部15で予測
された雨域変化を画像として出力する出力部16とから
構成される。
【0022】次に図1(a)を参照して本発明の局所雨
域予測方法の各過程を説明する。予測を開始すると(S
101)、画像入力部11を用いて外部の気象レーダエ
コー画像などから所望の地域の所望の雨域のレーダー画
像を入力し(S102)、画像蓄積部12に蓄積する
(S103)。画像蓄積部12には過去の時系列画像が
蓄積される。
【0023】次に画像蓄積部12から現在の画像と、比
較の対象とする過去の画像を取り出し(S104)、輪
郭線・法線検出部l3で、それぞれの画像に対して雨域
画像の2値化、膨張収縮、孤立点除去、ラベリングとい
った一連の前処理を行い(S105)、雨域をいくつか
の雲の塊のブロックに分割し(S106)、同一のラベ
リングをもつブロックごとに輪郭線とその法線を求める
(S107)。必要によりこれを現在を含め比較の対象
とするいくつか過去のフレームについて行う。各ブロッ
クの雨域の画像のフレーム間での移動速度を推定するた
めに、変位ベクトル検出部14で、まず、各ブロックの
前時点の法線を内側および外側に延長し、後時点の雨域
の対応するブロックの輪郭線との交点を算出し、法線長
さと経過時間から速度ベクトルを算出する(S10
8)。次に流体方程式補間部15で、局所(部分)的に
推定された速度ベクトルから、その近傍の速度ベクトル
を推定するために、流体方程式の所定の項に、算定され
た局所的な速度ベクトルを初期値として代入して(S1
09)、必要な時間だけ時間積分を繰り返して予測速度
値を計算する(S110)。さらに、湧きだし項、吸い
込み項、消散項をも有する濃度拡散・移流方程式の所定
の項に予測速度値と形状濃淡情報を代入して、雨域の変
化を予測する(S111)。予測の結果を出力部16で
外部へ画像として出力して(S112)、工程を終了す
る(S113)。
【0024】図2は、本発明の雨域の個々のブロックか
ら法線・接線を求める方法(S107)を説明するため
の模式的平面図であり、図中符号21は輪郭線、22は
輪郭点、23は接線、24は法線である。ここでは、雨
域の輪郭線21は仮に円パターンとなっているものとす
る。円パターンを適当な数からなる輪郭点22によって
離散化する。図の輪郭点22上の接線23の方向は、こ
の輪郭点22を中心としてその両隣の輪郭点22を用い
た中心差分値の成分である。従って、法線24の方向
は、この成分との内積がゼロとなるように求めた結果に
等しい。このような計算を離散化したすべての輪郭点2
2の点列について行う。なお、実際の複雑な輪郭形状を
もつ雨域パターンに適用するためには、前処理として、
2値化、膨張収縮、孤立点除去、ラベリングを施してお
く必要がある。
【0025】図3は、本発明で雨域のブロックの2つの
画像のフレーム間で輪郭線がひろがった例を示す模式的
平面図であり、(a)は輪郭線が等方的に拡がった状態
を、(b)は輪郭線が異方的に拡がった状態を示す。図
中符号31、36は過去の輪郭線、34、37は法線、
35、38は現在の輪郭線である。
【0026】(a)と(b)では小円の大円に対する配
置のずれ方が異なっている。ここでは、小円を過去のあ
る雨域、大円を現在の大きさの雨域であることを想定し
ている。(a)の場合は、大小2つの円の変形量は、明
らかに等方的に得られる。一方、(b)の場合は、上方
に大きく、下方に小さい変形量として得られる。このよ
うに輪郭線の変化は通常一様ではない。
【0027】図4は、本発明で実際の雨域について輪郭
線の変形量を算定した結果を示す模式的平面図であり、
図中符号41は過去の輪郭線、44は法線、45は現在
の輪郭線である。小さい(網点の)雨域のブロックが、
画像の数フレーム先で大きく広がった場合の例である。
網点の輪郭線41の法線44を内外に伸ばして、大きい
方の輪郭線45との交わったところまでの変形量によっ
て、相対的な移動速度が求まる。この場合、全体的に雨
域は上方に広がっているが、下方への移動もあるため
に、雨域の下部は、凸形状と凹形状とに変形しているこ
とがわかる。本発明では法線を外部と内部に延長して後
時点の輪郭線との交点を求めるので、このような凹形状
の変化にも対応できる。
【0028】図5は、本発明で局所的な変形量(移動速
度)から、全体の移動速度を推定した結果を示す摸式的
平面図であり、図中符号51は過去の輪郭線、54は速
度ベクトル、55は現在の輪郭線である。部分的に求ま
っている初期の移動速度をナビエ・ストークス方程式に
代入することで、全体の移動速度、即ち移流速度が予測
される。時間積分を続けると、次の画像のフレームに、
予測された移流速度を容易に得ることができる。
【0029】図6は、実際に局所雨域予測装置の流体方
程式補間部で過去と現在の輪郭点を算出し変位方向をデ
ィスプレー上に表示した中間調画像であり、図中符号6
2は過去の輪郭点、64は速度ベクトル、67は現在の
輪郭点である。
【0030】本発明では、速度ベクトルを輪郭線の変位
から粗く求めた後、移動平均を反復的に繰り返すため
に、各速度ベクトルは滑らかなつながりをもち、雨域パ
ターンは流体方程式に従って、物理的に変形していく。
また、移動平均による反復的な補間、補正に加えて、輪
郭線の変位から求まった速度ベクトルを初期ベクトルと
して、ナビエ・ストークス方程式に流速ベクトルとして
代入して、次のステップの速度ベクトルを物理的に補
間、補正することもできる。ナビエ・ストークス方程式
を用いていると、特に、渦パターンの生成・消滅予測が
可能である。
【0031】実施の形態の説明では流体方程式補間部で
用いられる流体方程式としてナビエ・ストーク方程式を
用いる例で説明したが、バーガーズ方程式を用いても類
似の結果が得られる。
【0032】即ち、従来予測方法では、せいぜい30分
程度先の予測には有効な場合もあるが、本発明のよう
に、数時間以上先まで安定にかつ精度よく予測すること
は不可能である。さらに、どの従来方法も移動ベクトル
の推定の仕方に差異があるものの、雨域の形状変化と濃
淡変化を同時に物理的に予測する方法は存在しなかっ
た。従って対流に伴った、雨域パターンの生成・消滅が
全く考慮されていなかった。本発明ではこれらのことが
考慮されており、細かい雨域パターンが速度ベクトルに
乗って近づいて融合する状態を含めて流体方程式系に基
づいて予測することが最も自然かつ容易な方法である。
【0033】本発明では、曲線の変位から速度ベクトル
を推定している。しかしながら、従来の発明では、速度
ベクトルを求める際、本発明の方法のように、法線を輪
郭線の外側と内側に探索することが考慮されていなかっ
た。
【0034】図7は、本発明と従来法による予測結果の
比較グラフである。雨域の面積の的中率として広く用い
られている、CSI(Critical Succes
sIndex)を用いると、従来法(相互相関法+外挿
法やニューラルネットモデル)よりも、流体方程式に基
づいた方法の方が経過時間による的中率の低下が抑制さ
れているのがわかる。特に、本発明を適用して、局所的
な移流速度を流体方程式に与えた場合は、移流速度を雨
域場に大局的移流動速度として一様に与えた場合よりも
的中率が向上していることがわかる。
【0035】以上の性能評価結果から、本発明の予測の
精度の高さが容易にわかる。即ち、従来方法よりも、高
速に、しかも、3時間以降でも実用的な的中率が本発明
により達成できた。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
局所的な移流速度を相関法を用いずに、輪郭線とそれに
対する法線を利用することで、推定でき、さらに流体方
程式に代入することで、全体の速度ベクトルが推定で
き、その結果高速かつ簡易に局所的な雨域の移動速度が
推定でき、かつ雨域の予測精度を大幅に向上させること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の局所雨域予測方法と装置
の説明図である。(a)は局所雨域予測方法のフローチ
ャートである。(b)は局所雨域予測装置のブロック構
成図である。
【図2】本発明の雨域の個々のブロックから法線・接線
を求める方法を説明するための模式的平面図である。
【図3】本発明で雨域のブロックの2つの画像のフレー
ム間で輪郭線がひろがった例を示す模式的平面図であ
る。(a)は輪郭線が等方的に拡がった状態を示す。
(b)は輪郭線が異方的に拡がった状態を示す。
【図4】本発明で実際の雨域について輪郭線の変形量を
算定した結果を示す模式的平面図である。
【図5】本発明で局所的な変形量(移動速度)から、全
体の移動速度を推定した結果を示す摸式的平面図であ
る。
【図6】実際に局所雨域予測装置の流体方程式補間部で
過去と現在の輪郭点を算出し変位方向をディスプレー上
に表示した中間調画像である。
【図7】本発明と従来法による予測結果の比較グラフで
ある。
【符号の説明】
11 画像入力部 12 画像蓄積部 13 輪郭線・法線検出部 14 変位ベクトル検出部 15 流体方程式補間部 16 出力部 21 輪郭線 22 輪郭点 23 接線 24、34、37、44 法線 31、36、41、51 過去の輪郭線 35、38、45、55 現在の輪郭線 54 速度ベクトル 62 過去の輪郭点 64 速度ベクトル 67 現在の輪郭点 S101〜S113 各ステップ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計算手段を有する局所雨域予測手段を用
    いて局所雨域を予測する方法であって、 前記局所雨域予測手段の画像入力部を用いて予測の対象
    とする雨域のレーダー画像を入力し、 画像蓄積部に入力された時系列画像を蓄積し、 輪郭線・法線検出部で、計算のために前記画像蓄積部か
    ら取り出した時系列の雨域のレーダー画像に前処理を行
    った後、それぞれから雲のかたまりであるいくつかの適
    当なブロックを検出し、検出された前記ブロックの輪郭
    線を算出し、算出された前記輪郭線を所定の手順によっ
    て複数の輪郭点で離散化し、前記輪郭点を基点として前
    記輪郭線の接線と法線とを算出し、 変位ベクトル検出部で、前時点の前記法線を前記基点か
    ら前記輪郭線の外側ならびに内側方向に、後時点の雨域
    の輪郭線と交わるまで延長し、該基点と該交点の座標か
    ら法線ベクトルと法線の速度ベクトルとを算出し、 流体方程式補間部で、流体方程式の該当項に、部分的に
    得られた前記速度ベクトルを初期値として代入して、該
    画像のフレーム全体にわたって速度ベクトル値を補間
    し、必要とする未来の時間まで繰り返して補間を行って
    所望の予測速度ベクトルを算出し、算出された該速度ベ
    クトルと前記雨域の形状濃淡値情報とを濃度拡散・移流
    方程式の所定の項に代入することで、雨域の変化予測を
    行い、 出力部で、得られた変化予測に基づく予測画像を外部に
    出力する、ことを特徴とする局所雨域予測方法。
  2. 【請求項2】 前記輪郭線・法線検出部の前記前処理に
    は、雨域画像の2値化、膨張収縮、孤立点除去、ラベリ
    ングを含む、請求項1に記載の局所雨域予測方法。
  3. 【請求項3】 前記変位ベクトル検出部の輪郭線の接線
    と法線との算出には、前記輪郭点を中心とする中心差分
    法が用いられる、請求項1に記載の局所雨域予測方法。
  4. 【請求項4】 前記流体方程式補間部で用いられる前記
    流体方程式がナビエ・ストークス方程式である、請求項
    1に記載の局所雨域予測方法。
  5. 【請求項5】 前記流体方程式補間部で用いられる前記
    流体方程式がバーガーズ方程式である、請求項1に記載
    の局所雨域予測方法。
  6. 【請求項6】 前記流体方程式補間部で用いられる濃度
    拡散・移流方程式には、湧き出し項、吸い込み項、消散
    項を含む、請求項1に記載の局所雨域予測方法。
  7. 【請求項7】 局所雨域を予測するための計算手段を有
    する局所雨域予測装置であって、 予測の対象とする雨域のレーダー画像を入力するための
    画像入力部と、 入力された時系列画像を蓄積する画像蓄積部と、 計算のために前記画像蓄積部から取り出された時系列の
    雨域のレーダー画像に前処理を行った後、それぞれから
    雲のかたまりであるいくつかの適当なブロックを検出
    し、検出された前記ブロックの輪郭線を算出し、算出さ
    れた前記輪郭線を所定の手順によって複数の輪郭点で離
    散化し、前記輪郭点を基点として前記輪郭線の接線と法
    線とを算出する輪郭線・法線検出部と、 前時点の前記法線を前記基点から前記輪郭線の外側なら
    びに内側方向に、後時点の雨域の輪郭線と交わるまで延
    長し、該基点と該交点の座標から法線ベクトルと法線の
    速度ベクトルとを算出する変位ベクトル検出部と、 流体方程式の該当項に部分的に得られた前記速度ベクト
    ルを初期値として代入して、該画像のフレーム全体にわ
    たって速度ベクトル値を補間し、必要とする未来の時間
    まで繰り返して補間を行って所望の予測速度ベクトルを
    算出し、算出された該速度ベクトルと前記雨域の形状濃
    淡値情報とを濃度拡散・移流方程式の所定の項に代入す
    ることで、雨域の変化予測を行う流体方程式補間部と、 得られた変化予測に基づく予測画像を外部に出力する出
    力部と、を備えたことを特徴とする局所雨域予測装置。
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