JPH10258280A - 浄水殺菌装置 - Google Patents

浄水殺菌装置

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JPH10258280A
JPH10258280A JP9065942A JP6594297A JPH10258280A JP H10258280 A JPH10258280 A JP H10258280A JP 9065942 A JP9065942 A JP 9065942A JP 6594297 A JP6594297 A JP 6594297A JP H10258280 A JPH10258280 A JP H10258280A
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JP
Japan
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water
porous carbon
pipe
carbon electrode
electrolytic cell
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Application number
JP9065942A
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Inventor
Takashi Murakami
隆 村上
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 多孔質炭素電極電解槽がその機能を低下する
ことなく、常に強力な殺菌能力を維持できるように多孔
質炭素電極の再生手段が自動的に働くようにした多孔質
炭素電極電解槽を用いた浄水殺菌装置を提供する。 【解決手段】 原水を給水管122によって多孔質炭素
電極電解槽にその入口から導入し、原水を多孔質炭素電
極に1接触させて浄化殺菌して、その浄水を前記電解槽
の出口側に設けた浄水管185から取り出して使用に供
する浄水殺菌装置で、殺菌能力が低下した多孔質炭素電
極部を再生する際、給水弁143を閉じかつ排水弁14
7を開けて前記電解槽内全域に貯留した原水を排水管1
54から排水し、電圧印加による加熱で多孔質炭素電極
部に付着した吸着成分を脱離して再生することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水道水や地下水等の
原水を浄化殺菌して一般家庭用及び業務用の飲料水とし
て供給する浄水殺菌装置に関し、更に詳しくは低下した
多孔質炭素電極の殺菌能力を自動的に制御して再生でき
るようにした再生機能付きの浄水殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、我々が生活をする上で様々な種類
の水が使用されている。例えば、井戸水、水道水、工業
用水、純水、超純水、浴槽水、プール水などである。そ
の中で特に、飲料水では近年の健康志向の影響から、水
道水や井戸水を浄化する浄水器が著しく普及するように
なった。特に浄水器には活性炭が使用されており、これ
によって水道水中のトリハロメタンなどの有害物質や、
不快な臭いである塩素臭を除去することによって安全で
おいしい水を提供することに貢献している。
【0003】更に飲料水は、貯水池等の水源に貯水され
た水を浄水場で消毒処理した後、各家庭や飲料店等に上
水道を通して供給される。飲料水の前記消毒は塩素によ
る処理が一般的であるが、該塩素処理によると飲料水の
消毒は比較的良好に行われる反面、カルキ臭のために天
然の水の有するまろやかさが損なわれるという欠点が生
ずる。
【0004】以上のような欠点のない、水処理法とし
て、例えば、特開平3−224686号、同4−274
88号等に開示されている、電気化学的に処理する方法
がある。この方法によると、特殊な薬品等を使わず、大
量の水を処理することができる。
【0005】しかし、特に浄水器の中にある活性炭など
の塩素除去手段内では、水道水などの処理水の滞留中に
細菌が繁殖し、生物学的な水質低下が起こる。そのた
め、水道水の基準である一般細菌数100CFU/ml
以下とするために浄水器の使用再開時に一定量の捨て水
が必要とされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、活性炭等
を用いたろ過槽を通過させることにより、上水(水道
水)や井戸水の中の有害物質や塩素臭等を取り去ること
は可能であるが、休止中に黴等のバクテリア類や細菌類
が再び繁殖するので、それを電気化学的な処理として多
孔質炭素電極を用いた電解槽の中を通すことにより解決
していた。しかしながら、このような電解槽も長時間上
水や井戸水を通さないで使用しなかったり、また可成頻
繁に使っていても使用期間が長くなり過ぎると細菌数が
増え過ぎたり死滅した細菌や異物が多孔質炭素電極の中
に蓄積してきたりして殺菌効力や浄水効力が薄れて来る
という問題があった。
【0007】本発明はこのような不都合が起こらないよ
うに多孔質炭素電極電解槽がその機能を低下することな
く、常に強力な殺菌能力を維持できるような再生手段が
自動的に働くようにした多孔質炭素電極電解槽を用い、
多孔質炭素電極再生機能を備えた浄水殺菌装置を提供す
ることを課題目的にする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的は次の技術手段
(1)又は(2)項によって達成される。
【0009】(1) 原水を給水管によって多孔質炭素
電極電解槽にその入口から導入し、原水を多孔質炭素電
極に接触させて浄化殺菌して、その浄水を前記電解槽の
出口側に設けた浄水管から取り出して使用に供する浄水
殺菌装置で、電圧の印加で多孔質炭素電極部を加熱する
電極を有し、給水管に設けた給水弁と前記電解槽の入口
との間の管路から分岐した排水管を有し、排水管には排
水弁を設けて、殺菌能力が低下した多孔質炭素電極部を
再生する際、給水弁を閉じかつ排水弁を開けて前記電解
槽内全域に貯留した原水を排水管から排水し、電圧印加
による加熱で多孔質炭素電極部に付着した吸着成分を脱
離して再生する浄水殺菌装置であって、浄水管に三方弁
を介して外気導入管を設け、排水管には排水弁の入口側
にアスピレータを接続し、該アスピレータをバイパス管
で給水弁の入口側に接続して連通させ、多孔質炭素質電
極部から吸着成分を脱離させた後、給水弁を閉じて原水
を吸水管からバイパス管を経由してアスピレータに通し
て排水し、このときの水流で前記電解槽内及び排水管内
を負圧化して空気の流れを形成し、脱離ガス等を排水管
から大気に放出することを特徴とする浄水殺菌装置。
【0010】(2) 三方弁から下流側の浄水管に管内
の負圧化で閉じる水逆止弁を設けると共に、外気導入管
には浄水管内の負圧化で開いて外気を前記電解槽内に導
入する外気導入弁を設けたことを特徴とする(1)項に
記載の浄水殺菌装置。
【0011】導入された原水は多孔質炭素電極の多孔質
の孔の中に浸透して接触する。該電極内に分極した殺菌
に適性な印加電圧によって原水中の細菌類は除去され、
殺菌され、その死骸の大部分は流される。浄化処理され
た浄水は浄水管を経て飲料水などに使用される。
【0012】使用工程を終わり再生開始の指令信号が出
されると排水工程が始まり、給電電極間に電圧が印加さ
れる。そして、再生工程の第1段階として、排水工程で
は、通常使用工程を終了すると、給水弁が閉じられ電解
槽への給水が停止され、かつ排水弁を開け、原水供給源
からの原水をバイパスさせてアスピレータ(吸気器)に
通すと、吸引減圧して電解槽内に貯留した原水を排水す
る。排水中、浄水管では逆止弁によって浄水の逆流が防
がれ、また、分岐管からは外気導入弁が減圧によって開
き電解槽内に空気の流れを生じさせ吸引機能を更に高め
させる。
【0013】次に、脱離工程では、印加電圧により多孔
質炭素電極が電気抵抗体として働きジュール熱の発生に
より多孔質炭素電極は所定温度まで加熱される。このジ
ュール熱により多孔質炭素電極に蓄積された細菌の死骸
等を含む異物が脱離する。
【0014】脱離工程が終了して、最後の排気工程では
制御装置からの動作信号により給水弁は閉じた状態で排
水弁をオンして開ける。これによって、原水給水源から
原水がバイパス管を通じてアスピレータ(吸気器)に導
入され、水槽内を吸引減圧して脱離した細菌の死骸等の
異物や発生ガスを排気管から外部に排気する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
多孔質炭素電極の再生手段を備えた、多孔質炭素電極電
解槽(以下単に電解槽と云うこともある)を用いた本発
明の浄水殺菌装置100を図1の断面概要図に示す。固
定床型三次元電極(多孔質炭素電極)電解槽ECは一対
の板状の給電用電極4,4′好ましくはメッシュ状の電
極間に1以上好ましくは1〜15枚の多孔質炭素電極
(固定床型三次元電極)1を配置し、前記の一対の給電
用電極4,4′に直流電圧を印加することによって、該
固定床型三次元電極(多孔質炭素電極)1を分極させ、
この固定床型三次元電極(多孔質炭素電極)1に被処理
水を通して、電解処理することにより細菌、ウィルス、
原虫などの微生物を除去したり殺菌する水処理装置であ
る。或いは被処理水中の金属成分の除去や不純物の電気
化学的分解除去にも利用できるものである。
【0016】多孔質炭素電極としてはポーラスカーボン
グラファイト、ポーラスグラッシーカーボンなどが好ま
しく用いられる。本発明に用いる固定床型三次元電極電
解槽ECは、筒状の容器内に一対の給電用電極の間に離
間して配置された複数個の固定床型三次元電極(多孔質
炭素電極)1が収容されている構造からなる。
【0017】この電解槽により、被処理水中、細菌(バ
クテリア)、糸状菌(黴)、酵母、変形菌、単細胞の藻
類、原生動物、ウィルス等の微生物の殺菌が行われその
水質が改善される。即ち、被処理水を固定床型三次元電
極(多孔質炭素電極)電解槽ECに供給すると、該被処
理水中の微生物は液流動によって前記電解槽の固定床型
三次元電極や給電用電極等に接触・吸着しそれらの表面
で強力な酸化還元反応を受けたり高電位の電極に接触
し、その活動が弱まったり自身が死滅して殺菌が行われ
ると考えられる。本電解槽ECを被処理水の改質処理に
使用する場合には、印加電位を陽極電位が実質的な酸素
発生を伴わない+0.2〜+1.2V(vs.SC
E)、陰極電位が実質的に水素発生を伴わない0〜−
1.0V(vs.SCE)となるようにすることが望ま
しいが、液中物質が酸化還元反応を受けず液性の変化が
生じない場合や又その反応量がさほど問題にならない場
合にはより高い陽極電位を印加することができる。例え
ば多孔質炭素電極1段あたり2.5〜6V相当の電圧を
印加することができる。例えば厚さ9mmの多孔質炭素
電極の両側に白金メッキした厚さ1mmのチタン製メッ
シュ電極を設け固定床とし、これらを8段重ねて各々隣
接するチタン製メッシュ電極間隔を1mmとし、両端の
チタン製メッシュ電極と給電用電極の間隔を1mmとし
た電解槽の場合、約20〜50Vの電圧を該給電用電極
に印加することができる。同じ条件で5段重ねとした場
合は約13〜30Vの電圧を該給電用電極に印加するこ
とができる。
【0018】また、上記のような直接の殺菌以外に多孔
質炭素電極及びそれに含まれる原水を抵抗体として給電
用電極間に特定の所定電圧を印加してジュール熱を発生
させることができる。
【0019】これらの電力供給のため交流を直流に変換
する定電圧発生器や乾電池、蓄電池などのバッテリーを
用いることができる。また被処理水に含まれるCa、M
g、Siなどの成分が電極上に析出することを防止する
ため約1〜60分間隔で各電極ターミナル11,11′
に印加する電圧の極性を反転させることが望ましい。こ
れによってCaCO3,Mg(OH)2,SiO2等の成
分が付着することを防止できる。
【0020】このような多孔質炭素電極は、平均気孔径
20〜100μmのポーラスカーボングラファイトある
いはポーラスグラッシーカーボンが好ましく用いられ
る。これらは例えば、有機物バインダーを使用して積層
した複数の植物繊維製シート例えば和紙などを不活性ガ
ス雰囲気中で1000℃以上の温度で熱処理して炭化さ
せ更に加熱処理してガラス状炭素とした多孔質炭素電極
板である。このような用途に用いられる有機物バインダ
ーにはフェノール樹脂やエポキシ樹脂などが利用できる
が特にこれらに限定されるものではない。例えば、特開
昭61−12918号,同61−236664号,同6
1−236665号,特開平2−199011号,同8
−173972号,同8−126888号に記載されて
いるものが本発明に用いる多孔質炭素電極として利用で
きる。これらの多孔質炭素電極1は1つのガスケット3
の中に複数枚配置することも可能である。例えば厚さ9
mm孔径50μmのポーラスグラファイト1枚でもいい
し、厚さ3mm孔径50μmのものを3枚重ねて用いて
もよい。更に、孔径や厚さは任意に変更することもで
き、例えば中央に孔径100μm、その両側に孔径50
μmのポーラスグラファイトをサンドイッチして設置
し、この3枚重ねたものを1つの固定床型三次元電極1
とすることもできる。これら複数の積層された固定床型
三次元電極(多孔質炭素電極)1は上下両端が開口する
筒状体6に収容されて蓋10が被せられる。該筒状体6
は、長期間の使用又は再度の使用にも耐え得る電気絶縁
材料で形成することが好ましく、特に合成樹脂であるポ
リエピクロルヒドリン、ポリビニルメタクリレート、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化エチレン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、AB
S樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、テフロン樹
脂等が使用できる。更に透明又は半透明な材料で成形す
ると、前記固定床型三次元電極1の組み立ての状態或い
は消耗状態を視認できるためより好都合である。好まし
くはポリカーボネート樹脂などの耐熱性の高い素材が好
ましい。或いは絶縁被覆や断熱被覆したステンレス等の
金属も使用できる。これらにより、熱水を電解槽内に発
生させたり電解槽に通したりすることが可能となり、装
置内の殺菌消毒が容易に行える。
【0021】また、底板18の一部(望ましくは中央)
にはサーミスタ170が温度センサーとして設けられ、
電解槽の容器86内の封じ込められ加熱された水や多孔
質炭素電極の温度を検知できるようにしてある。また、
底板18には水道水や井戸水等の原水の入口15が取り
付けられ、更に給電用電極ターミナル11′が絶縁して
設けられている。なお、筒状体6に底板18と他の給電
用電極ターミナル11を設けた蓋10が取り付けられて
電解槽の容器86が構成されている。
【0022】図2は浄水殺菌装置の他の実施の形態例の
断面概要図であり、電解槽ECは、外筒6と内筒5と底
板18と蓋10とからなる電解槽の容器86の中に収納
され、多孔質炭素電極等は内筒5の中に組み込まれ、内
筒5と外筒6の間に、上方の水道水や井戸水等の原水の
入口15から通水される水は下方から多孔質炭素電極1
の中を流れ上方に設けられた浄水の出口16から吐出口
(図示せず)に向かうようにしてある。そして底板18
は内筒5及び外筒6の下部に固定され、該底板18には
温度センサーとしてのサーミスタ170が取り付けられ
ている。また、給電用電極ターミナル11,11′も電
解槽の容器86の上方に設けられているので底板18に
取り付けられものは他には無く構造が簡単化される。更
に内筒5と外筒6との水路にはフィルター材料を詰めて
置くこともでき、より有効に使うことが可能である。
【0023】なお、内筒5及び外筒6は樹脂材料でなく
断熱材や電気的絶縁材料で外側を被覆した金属材料にし
たものを用いるのも加熱手段に対して好ましい。
【0024】図1又は図2における前記筒状体6又は5
の下方或いは上部の開口部の一部を閉塞するように支持
体を設置して前記多孔質炭素電極(固定床型三次元電
極)1の離脱つまり筒状体からの落下等を防止すること
ができる。該支持体の形状は前記複数の多孔質炭素電極
の移動を抑制するだけの強度を有すれば特に限定されな
い。またドーナツ状体及び筒状体にネジを刻設して両部
材をネジ止めして相互に固定することもできる。更に、
開口部の上部も同様にネジ止めにより支持体やスペーサ
を設置することができ、これらより前記多孔質炭素電極
をより安定な状態で前記筒状体6又は5内に収容するこ
とができる。前記筒状体内に設定した電極間隔にドーナ
ツ状のスペーサ9,9′,9″を設けて電極間隔を維持
させることができる。
【0025】該多孔質炭素電極1を直流又は交流電場内
に置き、両端に設置した平板状又はエキスパンドメッシ
ュ状やパーフォレーテッドプレート状等から成る給電用
電極4,4′、給電用電極ターミナル11,11′間に
直流電圧或いは交流電圧を印加して前記多孔質炭素電極
1を分極させ該電極の一端及び他端にそれぞれ陽極及び
陰極を分極により形成させて成る固定床型三次元電極
(多孔質炭素電極)1を収容した多孔質炭素電極電解槽
(固定床型三次元電極電解槽)ECとすることが可能で
あり、この他に単独で片側を陽極として他の片側を陰極
として機能する多孔質炭素電極(固定床型三次元電極)
1を交互に短絡しないように設置しかつ電気的に陽極同
士及び陰極同士を並列に接続して多孔質炭素電極電解槽
(固定床型三次元電極電解槽)ECとすることもでき
る。
【0026】前記給電用電極4,4′の材質としては、
例えばカーボングラファイト材(炭素繊維、カーボンク
ロス、グラファイト等)、グラッシーカーボン、炭素複
合材(炭素に金属を粉状で混ぜ焼結したもの等)、更に
寸法安定性電極(白金族酸化物被覆チタン材)、白金被
覆チタン材、白金、銅、ハステロイ、ニッケル材、ステ
ンレス材、鉄材等から形成される材質が好ましく用いら
れる。
【0027】前記多孔質炭素電極1としてグラファイ
ト、炭素繊維、グラッシーカーボンを使用する。特に陽
極から酸素ガスの発生を伴いながら被処理水を処理する
場合には、前記多孔質炭素電極(固定床型三次元電極)
1が酸素ガスにより酸化され炭酸ガスとして溶解し易く
なる。これを防止するためには前記多孔質炭素電極(固
定床型三次元電極)1の陽分極する側にチタン等の基材
上に酸化イリジウム、酸化ルテニウム等の白金族金属酸
化物もしくは白金を被覆し補助電極2,2′として使用
される多孔質材料又は網状材料を接触状態で設置し、酸
素発生が主として該材料上で生ずるようにすることが望
まれる。
【0028】処理すべき被処理水が流れる前記電解槽E
C内に液が多孔質炭素電極材料に接触せずに流通できる
空隙があると被処理水の処理効率が低下するため、固定
床型三次元電極(多孔質炭素電極)1等は電解槽EC内
の被処理水の流れがショートパスしないように配置する
ことが重要である。そのため、多孔質炭素電極の周辺部
及び側面部を一つのガスケット3で覆うことによって、
このリーク流を防止することができる。次にこのような
電解槽を組み立てる場合の例を示す。即ち、予めガスケ
ット3に多孔質炭素電極材料及び金属補助電極を組み込
んだ固定床を作成する。ガスケット3はゴム等の弾力性
のある素材からできているため、多孔質炭素電極1或い
は金属補助電極2,2′の実際の寸法よりもやや小さめ
に作成しておき、引き伸ばしながらはめ込んでやると密
着性の点で好ましい。また、多孔質炭素電極1の側面部
のガスケット3には固定床型三次元電極(多孔質炭素電
極)1を収容する容器内径よりやや大きい外径の突起が
設けられていると好ましく、通水時の水圧によって広が
り、ここからリークすることを防止することができる。
金属補助電極2,2′は多孔質炭素電極1とともにはさ
みこんでもよいし、多孔質炭素電極の上にそえてもよ
い。
【0029】前述のリーク防止のために多孔質炭素電極
1と前記電解槽ECの容器の一部である筒状体6との隙
間に樹脂を充填する方法もある。このような樹脂に熱硬
化性樹脂やシリコンシーラントなどが用いられる。或い
は電極板を熱収縮チューブに詰めて加熱処理してもよ
い。ただし、一度樹脂で固めてしまうと容易に分解でき
なくなるという欠点がある。
【0030】補助電極と多孔質炭素電極を導電性樹脂で
接着することも可能であり、陽極酸化による多孔質炭素
電極の崩壊を抑制するために有効である。あるいは多孔
質炭素電極上に直接白金等をメッキしてもよい。又、こ
れらの電解槽ECは被処理水中の異物や陽極酸化によっ
て生じる炭素微粉末のために目詰まりを起こしやすいと
いう問題があった。そのため、多孔質炭素電極材料の被
処理水としての水道水(上水)流入側に複数の非貫通の
孔をあけた多孔質炭素電極を用いることによって、異物
や炭素微粒子による目詰まりが著しく抑制される。孔の
深さは多孔質炭素質電極の厚さの1/4から3/4が好
ましく、孔径は0.5〜4.0mmが好ましい。孔の部
分の面積は多孔質炭素電極の5〜25%が好ましい。又
前記電解槽ECに供給される被処理水の流量は、該被処
理水が効率的に電極等の表面と接触できるように規定す
ればよい。
【0031】この電解槽ECを被処理水中から塩素を除
去する手段としての活性炭処理槽AC(活性炭を含むろ
過処理槽)の後段に設置することによって浄水殺菌装置
100Aを形成し、活性炭処理槽AC内で繁殖した細菌
を多孔質炭素電極板に吸着・殺菌することができる。具
体的には図3に示したように設置することができる。
【0032】また、本発明者は、電解槽ECを定期的に
加熱処理することによって細菌の除去・殺菌効率がさら
に向上することを明らかにした。そのため、図4
(a),(b),(c),(d)に示すように浄水殺菌
装置100Hの電解槽ECの加熱手段としての熱源(ヒ
ーター)Hを特に設けず、前記給電用ターミナル11、
11′間に印加する電圧によって発生するジュール熱を
利用することができるようにした。長時間浄水の殺菌水
処理を停止しているときに定期的に70〜100℃に1
〜120分程度加熱処理することが好ましく、加熱間隔
は3〜48時間に1回程度が好ましく用いられる。
【0033】図5は加熱処理方法の具体的な実験を説明
した図である。図では多孔質炭素電極及びそれに含まれ
る原水に対する電圧印加による前記ジュール熱付与を、
前述のようにヒーターHの加熱で表現する。図5では、
浄水殺菌装置100Hを作動させるとき、(a)はヒー
ターHを停めて処理水を使用する状態を表し、(b)は
処理水を使用しないときのヒーターHの加熱の状態、
(c)は処理水を使用しないときのヒーターHの加熱及
び排水の状態、(d)は処理水を使用しないときのヒー
ターHの加熱停止及び排水停止の状態を示し、各バルブ
の開閉が示されている。加熱停止後、そのまま通水も停
止して良いが、好ましくは、一定量通水し排水した後に
排水を停止することが望ましい。その場合、少なくとも
電解槽が室温付近の温度になるまで通水することが好ま
しい。また、加熱処理中は処理水(浄水)の利用はでき
ないように図5のバルブV6は自動的に開けられないよ
うにされているかもしくは、加熱処理中の警告が表示さ
れているか、その両方であることが望まれる。
【0034】また、図4は加熱手段としての熱源である
ヒーターHや活性炭処理槽ACやろ過フィルターFや電
解槽ECが色々な配列で浄水殺菌装置100の外装容器
130内に収納された状態を表し、図5は上記ヒーター
H、活性炭処理槽AC、電解槽ECの、上流から下流に
かけての配列の1例を表したものでもある。
【0035】本発明の実施データとして、図5に示され
ている水処理装置としての浄水殺菌装置100Hを作成
し、水道水がフィルターF、活性炭処理槽AC、多孔質
炭素電極電解槽ECを通過して吐出口から供給されるよ
うにし、その図において多孔質炭素電極電解槽ECの直
前の上流側の位置に示されている加熱手段としてのヒー
ターHは前述のように多孔質炭素電極に電圧を印加して
発生するジュール熱を表している。そしてこの加熱手段
は取水停止中に電解槽ECを断続的もしくは連続的に加
熱処理するものである。具体的に一例を示せば図5の
(b),(c),(d)に示されているように処理水
(浄水)の取水停止時に熱処理→熱処理及び排水→停止
のサイクルが行われるものである。この加熱手段による
発生ジュール熱によって前記電解槽ECは12時間ごと
に90℃に10分間加熱され、加熱中及び加熱後に約5
00mlの処理水(浄水)で洗浄され、電解槽出口側に
設けられた排水系の例えば三方弁の一部を構成するバル
ブV7から排水される。温度が50℃以上では電解電圧
の印加を自動的に停止した。この運転条件で120時間
取水を停止した状態で(但しこの間12時間毎に90
℃,10分間の洗浄は繰り返す)放置した後、電解槽の
出口から100mlを採水し、生菌数を測定した。比較
例として加熱処理しないものと比較した。その結果を表
1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】このように本発明の浄水殺菌装置100H
が長期間の処理水としての原水の使用がない場合でも、
多孔質炭素電極に所定の電圧を印加して加熱することに
より電解槽内で電極を再生することができ、更に電解槽
内及び出口の配管内の細菌の増殖を効果的に抑制できる
ことがわかる。
【0038】このように加熱処理を行うことは多孔質炭
素電極の再生効果が抜群に良いと共に細菌の死骸や異物
等の洗浄に大きな効果を示すので、本発明では浄水使用
に当たってユーザーに常に安心して殺菌の行き届いた浄
水が供給されるように、浄水殺菌装置における電解槽の
多孔質炭素電極1が何時でも正常な機能が発揮できる再
生状態に保持されるように自動的に制御している。また
多孔質炭素電極が寿命に達したときの検出も可能にして
いる。
【0039】以下にその構成を図1及び図2に基づき更
に詳細に説明する。
【0040】原水供給源から水道水や井戸水等の原水が
電解槽ECの下部に設けられた入口15から導入され
る。給水管122には原水の導入を制限する電磁切換弁
による給水弁143が設けられている。また、給水管1
22の途中から給水弁143の出口側で分岐して排水管
154が設けられ、この排水管154にも同じく電磁切
換弁による排水弁147が設けられている。従って、弁
の開閉制御によって管路を給水管122または排水管1
54に切り換え、必要時には排水管154から電解槽E
C内に貯留した原水を排水投棄することができる。排水
時は当然のことながら給水弁143は閉じられ、原水の
供給を停止するようになっている。
【0041】詳しくは、給水弁143の出口側で電解槽
ECの入口15との間の管路から排水管154が分岐
し、排水管154には上流側から順に逆止弁145、ア
スピレータ(吸気器)146、そして排水弁147が設
けられている。アスピレータ146はその管路を流れる
流体の水流で負圧を発生させ、これを利用して空気や気
体を吸引する器具である。
【0042】また、給水管122の給水弁143の入口
側では、バイパス管148が分岐して設けられていて、
このバイパス管148を介してさきほどのアスピレータ
(吸気器)146に接続して連通させている。したがっ
て、供給源からの原水は給水弁143が開いているとき
も、閉じているときもバイパス管148からアスピレー
タ(吸気器)146に導入されることになる。しかし、
排水弁147が閉じられているときは、バイパス環14
8からアスピレータ(吸気器)146への原水の流れは
停滞していることになる。
【0043】多孔質炭素電極電解槽ECの出口16から
は、飲料水などとして使用する際に浄水が通る浄水管1
85が延びていて、この浄水管185の末端には使用者
が開閉操作する注水コック(図示せず)が設けてある。
【0044】浄水管185は途中でこの本管185Aか
ら分岐管185Bが分岐しており、本管185A側には
一度電解槽ECから出た浄水の逆流を防止する水逆止弁
186が設けられ、分岐管185B側には外気を電解槽
EC内に導入する外気導入弁187が設けられている。
これら水逆止弁186と外気導入弁187はダイアフラ
ム形状の弁に成形されたもので、浄水管185の管内に
働く負圧で、一方の水逆止弁186は閉じ、他方の外気
導入弁187は開くようになっている。
【0045】但し、実施の形態例では、水逆止弁186
と外気導入弁187は、図示のような弾性材によるダイ
アフラム形状として、その弾性変形を弁の開閉に利用し
た例をあげたが、これら両弁186,187に代えて、
浄水管185の分岐部に電磁弁による三方弁を配置する
こともできる。
【0046】また、複数の積層された多孔質炭素電極1
の軸線方向の上下端面には、陰陽一対からなるドーナツ
状円板形の前述の給電用電極4,4′が接合されてい
る。そして、この給電用電極4,4′は多孔質炭素電極
1を分極させて殺菌用に用いる他に多孔質炭素電極1の
再生に用いる給電用電極としても共通になっている。例
えば陽極とした上部の第1の給電用電極4からは電極タ
ーミナル11′が、陰極とした下部の第2の給電用電極
4からは電極ターミナル11がそれぞれ電解槽ECの外
部に導出し、電源回路30に接続されている。
【0047】そして、相隣る各多孔質炭素電極間は、ス
イッチS1〜S6乃至はS1〜S9で連結され、給電用
電極4,4′と加熱再生用の電源回路30と殺菌分極用
電源との間には、S10,S20の切換スイッチが設け
られ、多孔質炭素電極1を殺菌分極用として用いるとき
は、S10,S11が図1、図2のように切り換えら
れ、S1〜S6乃至はS1〜S9の各スイッチは図1、
図2のように開かれている。しかし、切換スイッチS1
0,S20が加熱再生用に切り換えられるときは、S1
〜S6乃至はS1〜S9の各スイッチは閉じられる。こ
れ等の各スイッチの作動はソレノイドスイッチにより誤
りなく行われる。
【0048】電源回路30は、交流または直流のいずれ
でも可能であるが、実施例では直流電源31を備えた回
路としてある。即ち、第1、第2の給電用電極4、4′
間に所要の電圧が印加されると、多孔質炭素電極が電気
抵抗体として加熱され、温度上昇してジュール熱を発生
する。このジュール熱によって多孔質炭素電極1に吸着
した異物等の物質を脱離させるようになっている。
【0049】電源回路30は、直流電源31、回路の固
定抵抗R1が備わり、多孔質炭素電極1の複数の積層体
は図1、図2に示すように、各電極間の各スイッチS1
〜S6乃至はS1〜S9を閉じた状態では1つの電気抵
抗体であるから、その電気抵抗R2の値を常時検出が可
能である。検出した多孔質炭素電極の電気抵抗R2は制
御装置40に送出されるようになっている。但し、多孔
質炭素電極の電気抵抗R2に代えて、電源回路30に直
列に設けた回路の固定抵抗R1を検出してもよい。
【0050】本発明の装置は、図6のブロック図に示す
マイクロコンピュータ等による制御装置40を備えてい
て、装置を構成する各機器を自動制御することができ
る。制御装置40には、中央演算装置(CPU)41、
制御プログラムを記憶しているメモリ42、制御対象の
外部機器に入出力するI/Oポート43等が含まれてい
る。また、制御装置40に連動するタイマー回路47が
設けられ、一連の制御の各工程において工程ごとのタイ
ムアップ信号を制御装置40に送出するようになってい
る。その他、制御装置40に向けて送出される検出信号
としては、前述の多孔質炭素電極1の電気抵抗R2と、
図1に示すように、多孔質炭素電極1の加熱温度を検出
するサーミスタ170からの信号がある。
【0051】制御装置40からは、タイマー回路47の
タイムアップ信号に基づいた制御信号を給水弁143、
排水弁147、そして電源回路30等の機器に動作信号
として送出するようになっている。
【0052】次に、以上の構成による装置を用いた多孔
質炭素電極再生方法を図7のフローチャート、図8,図
9のグラフを参照して説明する。
【0053】装置の作動は、大きく分けて通常使用工程
(1)及び再生工程(2)の各工程を任意のインターバ
ルで繰り返して制御される。即ち、通常使用工程(1)
とは、装置から飲料水などの使用目的で浄水を注出中の
原水通水時、また使用を止めているときの原水の流れの
停止を繰り返す通常の使用時で、いわゆる多孔質炭素電
極1による殺菌電圧印加期間をいっている。これに対し
て、再生工程(2)とは、通常使用工程(1)を終了し
た段階で原水の供給を止め、電解槽EC内から原水を排
水投棄したうえで多孔質炭素電極に吸着した細菌等の異
物を脱離し、殺菌能力の低下した多孔質炭素電極1の再
生を図る工程である。
【0054】図7のフローチャートにおいて、まず通常
使用工程(1)では、装置の起動により、制御装置40
からの制御信号で排水弁147がオフ動作して閉じ、給
水弁143はオン動作により開いて原水である水道水が
給水管122から電解槽EC内に導入される。原水は入
口15から電解槽EC内のポーラスな多孔質炭素電極内
に入り、電解槽EC内にほぼ満杯になるまで導入される
(ステップS1)。
【0055】導入された原水は多孔質炭素電極内に浸透
して分極電圧を受けて殺菌される。それと共に多孔質炭
素電極への接触によって原水中の溶存物質、例えば微量
有機塩素化合物、微量有機化合物やかび臭等も電極面に
吸着される。浄化処理された浄水は浄水管185を経
て、飲料水などに使用される。使用者は浄水管185の
末端の注水コック(図示せず)を開いて飲料水などに使
用する。
【0056】ここで、注出使用の際は電解槽EC内で原
水の流れが生じているが、給水栓を閉じた不使用時と
か、長期短期の留守中は当然原水の流れは停滞してい
る。このように装置は通水と停水とを反復し、この間は
電解殺菌機能を働かせる日常の使用期間とされる。これ
を通常の「電解殺菌」として設定し、過去のデータや経
験値から通水時間かまたは通水量でもって設定する。一
実施例として、電解殺菌期間はその間の通水時間T1
設定することができ、この通水時間T1は電解殺菌期間
として予め制御装置40のメモリ42の記憶されてい
る。
【0057】例えば殺菌の死骸等による異物が多孔質炭
素電極の各孔の中に蓄積されて行き通水しにくくなり圧
力損失が大きくなる。圧力損失が初期圧力損失の130
%以上となるときが、該電極の目詰まりを解消させて再
生させなければならない時間T1であり、図1、図2の
内径40mm、高さ75mmの容器の中に直径39.5
mm厚さ10mmの多孔質炭素電極を5枚で構成した電
解槽ではT1は12時間と定めることが適当と考えられ
る。しかし、電解槽の大きさや多孔質炭素電極の開口径
や開口率によって相違があり、T1は必ずしも前記12
時間に限定する必要はなく適時定めて基準にできる。
【0058】タイマー回路47では、電解殺菌期間であ
る通水時間t1を計数し(ステップS2a,S2b)タ
イムアップするとその信号がタイマー回路47から制御
装置40に入力される。同時に、排水工程への移行を示
す警告表示が起動するようにしてもよい。CPU41内
の比較部44ではそのタイムアップ信号とメモリ42に
記憶された設定の通水時間T1と比較し、一致しておれ
ば電解殺菌期間を終了して再生工程(2)の開始を行う
べき時とみなし、再生を開始すべく指令信号をI/Oポ
ート43から制御対象の給水弁143と排水弁147等
の機器に向けて送出する。
【0059】再生開始の指令信号が出されると、排水工
程が開始され、これに同期して第1の給電用電極4′及
び第2の給電用電極4間に電圧が印加される(ステップ
S6)。
【0060】再生工程(2)の第1段階として、まず
「排水工程」においては、制御装置40からの動作信号
によって設定通水時間を越えた旨の警告表示とともに
(ステップS3)、給水弁143が閉じられ(ステップ
4)、電解槽EC内への原水導入を停止させる。これに
同期して排水弁147が開かれ(ステップS5)、排水
管144から電解槽EC内全域に貯留されている原水全
部を排出投棄する。この排水工程の際、吸気器146を
流れる原水はバイパス管148を通って給水弁143の
入口側に逆流しようとするが、原水供給源側の水圧で押
し戻されるので支障はない。
【0061】また、通水時間が設定時間を越えたときは
(図7におけるステップS2a)、警報表示などでその
旨を警告する(ステップS3)と同時に給水弁143を
閉じ、再生工程へ移行する(ステップS4)。尚、この
場合、警報の有無に拘らず、つまり設定時間に達する前
に、手動にて再生工程への切り換えを行えるようにしお
くことで、原水の汚れた状態に応じた効率的な再生が行
えるようにしてもよい。
【0062】排水中、電解槽EC内の原水はアスピレー
ター(吸気器)146を通過し、この通過の折りに排水
流圧を発生させて電解槽EC内を吸引して減圧する。吸
引減圧で電解槽EC内に貯留されている原水、そのなか
でも多孔質炭素電極1に付着している原水さえも効率的
に引っ張って排出させることができる。
【0063】アスピレーター(吸気器)146の吸引に
よる減圧で電解槽EC内を負圧化する。浄水管185で
は本管185A側の水逆止弁186が上流側の負圧によ
って閉じ、本管185A側の浄水が電解槽EC内に逆流
するのを止める。また、分岐管185B側では外気導入
弁187が負圧によって開き、外気を電解槽EC内に通
す。この空気の流れでアスピレーター146による吸引
効果が高められ、電解槽EC内の排水が能率的に行われ
る。
【0064】また、排水工程では、排水開始と同時に、
第1、第2の給電用電極4′、4間に所定電圧が印加さ
れる(ステップS6)。図9は、電源回路30における
多孔質炭素電極1の電気抵抗R2の変化による検出電圧
と時間との相関を示す特性を示している。
【0065】図9に示すように、排水の進行と共に多孔
質炭素電極の電気抵抗R2は変化し、これを検出して多
孔質炭素電極1の時間経過に伴う電圧変化を求めること
ができる。単位時間における電圧変化率をδ1に設定
し、この電圧変化率δ1が予め設定されている電圧変化
率δaに達した段階で、これを排水工程の終了とする。
つまり、排水工程における設定電圧変化率δaを制御装
置40のメモリ42に記憶させておく。排水の進行にし
たがって、電圧変化率δ1はCPU41の演算部45で
刻々と求めることができる。検出された電圧変化率δ1
が設定電圧変化率δaに達したとき、この信号は制御部
46、I/Oポート43から電源回路30に送出され、
排水弁147をオフにして排水管154を閉塞し(ステ
ップS8)、第1の給電電極4′及び第2の給電電極4
間の印加電圧を調整して次の「脱離工程」に移行する。
【0066】脱離工程では、第1、第2の給電用電極
4′、4間への高い電圧の印加で、多孔質炭素電極1が
電気抵抗体として加熱され、多孔質炭素電極1は温度上
昇してジュール熱を発生する。このジュール熱によって
多孔質炭素電極に吸着した物質が脱離する(ステップS
9)。
【0067】脱離工程においても、先の排水工程と同様
に、続けて多孔質炭素電極の電気抵抗R2を検出するこ
とにより、多孔質炭素電極1の電極変化が求められる。
単位時間における電圧変化率をδ2に設定し、この電圧
変化率δ2が予め設定した電圧変化率δbに達した段階
で、これを脱離工程の終了とする。つまり、脱離工程に
おける設定電圧変化率δbも制御装置40のメモリ42
に記憶させておくことができる。電圧印加により多孔炭
質素電極1では脱離が進み、図6に示すように、多孔質
炭素電極の抵抗R2の検出により多孔質炭素電極1の電
圧変化率δ2をCPU41の演算部45で刻々と求める
ことができる。検出された電圧変化率δ2が設定電圧変
化率δbに達したとき(ステップS10)、この信号は
脱離工程の終了を示すものとして、制御部46、I/O
ポート43から電源回路30に送出され、第1の給電用
電極4′及び第2の給電用電極4間への電圧印加をオフ
により停止(または電圧を下げる)する。ステップS1
0では、併せてサーミスタ48による多孔質炭素電極1
の温度が所定温度Cを越えた場合、これを検出して第1
の給電用電極4′及び第2の給電用電極4間への電圧印
加をオフにすることもできる(ステップS11)。
【0068】脱離工程の終了で、第1の給電用電極4′
及び第2の給電用電極4間への電圧がオフされると、こ
れに同期して制御装置40から動作信号が排水弁147
に送られ、オン動作により開いて排水管154を開放す
る。脱離工程で多孔質炭素電極1が加熱されたことによ
り、脱離した異物等の吸着成分や発生ガスを電解槽EC
内から外部へ排出の必要があり、これを「排気工程」と
する(ステップS14)。
【0069】排気工程では、オフ信号によって給水管1
22の給水弁143が閉められたままであり、排水弁1
47をあけて排水管154を開放する。即ち、原水供給
源から原水はバイパス管148を通ってアスピレータ
(吸気器)146を通過する。原水がアスピレータ14
6を通過するとここには吸引作用が生じる。これによっ
て電解槽ECは内部全般にわたって負圧化され、出口1
6及び浄水管185には負圧による空気流が生じる。負
圧を受けて浄水管185側の水逆止弁186は閉じ、外
気導入弁187が開くことによって、外部空気が出口1
6を含む電解槽EC内に導入され、アスピレータ146
の吸引動作による空気流で電解槽EC内に脱離滞留した
吸着成分や発生ガスを、排気を兼ねた排水管154から
外部に排気する。
【0070】以上から明らかなように、再生時(2)の
サイクルは「排水工程」、「脱離工程」及び「排気工
程」の各工程からなっていて、これら各工程に通常使用
時(1)の殺菌工程を加えた1サイクルが形成され、こ
のサイクルが多孔質炭素電極がもはや使用に不適で寿命
と判断されるまで時間の経過と共に繰り返される。
【0071】即ち、サイクルの繰り返しによって、再生
時(2)の排水工程、脱離工程における電圧変化率
δ1、電圧変化率δ2が毎回検出されているから、多孔質
炭素電極の電気抵抗R2による多孔質炭素電極の検出電
圧が図8の電圧特性図に示すように設定値Vsに達した
とき、多孔質炭素電極の寿命が限界であるとの判定がな
される(ステップS12、S13)。
【0072】
【発明の効果】本発明による浄水殺菌装置により殺菌性
能の劣化した多孔質炭素電極の再生が、通常使用工程と
再生工程とからなるサイクルの中で、再生工程を更に排
水工程、脱離工程及び排気工程に細分して簡単で効率良
く行うことができた。細菌の死骸等の異物が詰まって殺
菌能力の低下した多孔質炭素電極の再生を殺菌分極電圧
とは異なる電圧印加による加熱とアスピレータによる減
圧手段により洗浄、排水、排気して目的を達成すること
ができた。このため、多孔質炭素電極の寿命が向上する
と共に、迅速な加熱により、熱損失が防止され、ひいて
は省エネとなる。また、電解槽を用いた本発明の浄水細
菌装置の出口である浄水管に三方弁を設け浄水の逆流防
止と前記異物の吸引除去の際の大気流入が円滑に行われ
効率の高い洗浄が達成できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における多孔質炭素電極再
生手段が適用された浄水殺菌装置の断面概要図。
【図2】本発明の他の実施の形態における多孔質炭素電
極再生手段が適用された浄水殺菌装置の断面概要図。
【図3】電解槽の上流にフィルター槽や活性炭処理槽を
連結した浄水殺菌装置の構成図。
【図4】図3の浄水殺菌装置に多孔質炭素電極加熱手段
を付加した浄水殺菌装置の構成図。
【図5】図4の浄水殺菌装置における多孔質炭素電極の
再生状態のプロセスを示す浄水殺菌装置の構成図。
【図6】本発明の浄水殺菌装置の制御装置を示すブロッ
ク図。
【図7】本発明の浄水殺菌装置の動作を示すフローチャ
ート。
【図8】多孔質炭素電極の電気抵抗に基づいて変化する
検出電圧と1サイクルの各工程との相関を示す電圧特性
図。
【図9】多孔質炭素電極の電気抵抗値の各工程における
変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 固定床型三次元電極(多孔質炭素電極) 2 補助電極 2′ 補助電極 3 ガスケット 4 給電用電極(外部から電力供給用) 4′ 給電用電極(外部から電力供給用) 5 内筒 6 外筒(筒状体) 9,9′,9″ スペーサ 10 蓋 11 電極ターミナル 11′ 電極ターミナル 15 入口 16 出口 18 底板 30 電源回路 40 制御装置 47 タイマー回路 122 給水管 143 給水弁 145 逆止弁 146 アスピレータ 147 排水弁 148 バイパス管 154 排水管 170 サーミスタ 185 浄水管 185A 本管 185B 分岐管 186 水逆止弁 187 外気導入弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水を給水管によって多孔質炭素電極電
    解槽にその入口から導入し、原水を多孔質炭素電極に接
    触させて浄化殺菌して、その浄水を前記電解槽の出口側
    に設けた浄水管から取り出して使用に供する浄水殺菌装
    置で、電圧の印加で多孔質炭素電極部を加熱する電極を
    有し、給水管に設けた給水弁と前記電解槽の入口との間
    の管路から分岐した排水管を有し、排水管には排水弁を
    設けて、殺菌能力が低下した多孔質炭素電極部を再生す
    る際、給水弁を閉じかつ排水弁を開けて前記電解槽内全
    域に貯留した原水を排水管から排水し、電圧印加による
    加熱で多孔質炭素電極部に付着した吸着成分を脱離して
    再生する浄水殺菌装置であって、浄水管に三方弁を介し
    て外気導入管を設け、排水管には排水弁の入口側にアス
    ピレータを接続し、該アスピレータをバイパス管で給水
    弁の入口側に接続して連通させ、多孔質炭素質電極部か
    ら吸着成分を脱離させた後、給水弁を閉じて原水を吸水
    管からバイパス管を経由してアスピレータに通して排水
    し、このときの水流で前記電解槽内及び排水管内を負圧
    化して空気の流れを形成し、脱離ガス等を排水管から大
    気に放出することを特徴とする浄水殺菌装置。
  2. 【請求項2】 三方弁から下流側の浄水管に管内の負圧
    化で閉じる水逆止弁を設けると共に、外気導入管には浄
    水管内の負圧化で開いて外気を前記電解槽内に導入する
    外気導入弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    浄水殺菌装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020513205A (ja) * 2017-02-23 2020-05-07 ゲオデジック イノヴェーションズ エスエル 電気穿孔法を使用する水殺菌用システム

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JP2020513205A (ja) * 2017-02-23 2020-05-07 ゲオデジック イノヴェーションズ エスエル 電気穿孔法を使用する水殺菌用システム

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