JPH10258215A - 二酸化塩素ガス除去方法、除去装置およびこの除去装置を用いた室内の二酸化塩素ガス除去方法 - Google Patents

二酸化塩素ガス除去方法、除去装置およびこの除去装置を用いた室内の二酸化塩素ガス除去方法

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JPH10258215A
JPH10258215A JP10017927A JP1792798A JPH10258215A JP H10258215 A JPH10258215 A JP H10258215A JP 10017927 A JP10017927 A JP 10017927A JP 1792798 A JP1792798 A JP 1792798A JP H10258215 A JPH10258215 A JP H10258215A
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dioxide gas
absorbing solution
gas
room
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JP10017927A
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Katsutoshi Ogawa
勝利 小川
Koji Kikuchi
孝治 菊池
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JNC Corp
National Federation of Agricultural Cooperative Associations
Original Assignee
National Federation of Agricultural Cooperative Associations
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二酸化塩素ガス環境消毒後の二酸化塩素ガス
を主成分とする酸化性ガス物質を微生物の再汚染なく除
去して環境に毒性ガスを放出せずに処理すること。 【解決手段】吸着液を用いて気体中の二酸化塩素ガスを
吸着したのち、該吸着液を還元性固体に接触させ、該吸
着液中の二酸化塩素ガスを除去し、再び吸着液として循
環使用する方法および装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気体中の酸化性ガス
の除去方法および除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】二酸化塩素は欧米において日常的に飲料
水の殺菌・消毒、異臭味改善、工業廃水等の脱臭、脱
色、放流水殺菌、パルプ、繊維、小麦粉等食品の漂白、
冷却塔のスライム防止、油井賦活、鶏肉殺菌等に利用さ
れてきた。日本でも従来よりパルプや繊維等の漂白分野
で大量に利用されてきた。
【0003】二酸化塩素ガスを用いた殺菌に関しては、
安定化二酸化塩素を通気性の容器に充填し、安定化二酸
化塩素の分解により発生する二酸化塩素ガスにより、冷
蔵庫、段ボールあるいはグリーンハウス等を殺菌・消毒
する方法等が考案されている。しかし、これらの方法を
適用できる条件は限られており、大容積の空間の殺菌・
消毒には適しているとはいえない。また、安定化二酸化
塩素を用いた二酸化塩素ガスの発生方法では、次のよう
な解決すべき問題があった。すなわち、安定化二酸化塩
素が高価であること、安定化二酸化塩素が製造直後から
絶えず二酸化塩素ガスを放出するために貯蔵が難しいこ
と、二酸化塩素ガスの発生量を制御できないこと等であ
る。
【0004】安定化二酸化塩素の貯蔵および二酸化塩素
発生量制御の解決方法として、珪藻土やポリマーゲルに
安定化二酸化塩素水を吸収させ乾燥させたのち、水分添
加、保存温度上昇により二酸化塩素ガスを発生する方法
が提案されている。しかし、この方法においても、二酸
化塩素ガスの発生量を制御することは困難であった。特
開昭59−13603,特開昭60−156604,特
公昭63−40681、特開昭62−405、特公平4
−4283,特開平1−34904,特開平4−193
809号公報等により上記方法等の解決の方法が提案さ
れているが十分ではない。
【0005】この様に解決すべき問題は残っているが、
依然として二酸化塩素ガスを用いた殺菌・消毒に対する
要求がある。例えば特公平5−86233、特開平7−
163639号公報に示されるように食品加工工場や手
術室等の殺菌・消毒、ガスチャンバー中で医療器等の殺
菌・消毒に関する要求がある。しかし、このように、殺
菌・消毒に関する方法は提案されても、残存する二酸化
塩素ガスの処理については、特別に考慮されておらず、
単に室外に放出する等の方法が主であった。気体中の酸
化性ガスの除去の一般的方法として活性炭またはチオ硫
酸塩等の固体層により直接還元除去する方法が知られて
はいるが、この方法を二酸化塩素ガスの除去に用いると
還元剤表面との反応により白煙が生じ、煙感知器を誤動
作させる等好ましくなかった。二酸化塩素ガスでの環境
殺菌消毒後の残留する二酸化塩素ガスを主成分とする酸
化性ガス物質は人間に対しても動植物に対しても毒性が
高く、またオゾン層破壊物質にも上げられているので空
気中への放出は制限することが好ましい。一方、Oー1
57(病原性大腸菌)汚染が心配される食肉加工場や食
品加工場のバイオクリーンルーム等あるいはスーパー耐
性のMRSA(メシチリン耐性黄色葡萄球菌)の出現で
日和見感染が心配される病院の手術室等では環境消毒後
に時間をおかず使用出来なければならないので、速やか
に残留する酸化性ガス成分の除去が必要であるが上記し
たようにこの課題を解決する方法は提案されていなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】室内等を二酸化塩素ガ
スにより殺菌・消毒したのち、残留する二酸化塩素ガス
及びこれから発生した酸性化物質を簡便かつ効率的に除
去する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、二酸化塩
素ガスによる室内の殺菌・消毒後に残留する二酸化塩素
ガスを主成分とする酸化性ガスの除去方法を検討した結
果、イ)水または還元性化合物の水溶液を二酸化塩素ガ
スの吸収液として使用し、該吸収液を槽内で散布し、該
槽内に室内の気体を導き該吸収液に二酸化塩素ガスを接
触させることより吸収させたのち、散布した該吸収液を
回収し再び槽内に散布することを繰り返すことにより、
二酸化塩素ガスを簡便に吸収除去できること、ロ)さら
に該吸収液を回収したのち散布する前に該吸収液中に吸
収された二酸化塩素ガスを還元性化合物により除去する
ことによりさらに簡便に二酸化塩素ガスを除去できるこ
とに想到し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は下記1〜11項である。 (1)水または還元性化合物の水溶液を二酸化塩素ガス
の吸収液として使用し、該吸収液を二酸化塩素ガスを含
有する気体と接触させたのち回収し、再び吸収液として
繰り返し使用することにより気体中の二酸化塩素ガスを
除去する二酸化塩素ガス除去方法。 (2)前記吸収液中に吸収された二酸化塩素ガスを除去
したのち再び吸収液として繰り返し使用する前記1項記
載の二酸化塩素ガス除去方法。 (3)水または還元性化合物の水溶液を二酸化塩素ガス
の吸収液として使用し、該吸収液と二酸化塩素ガスを含
有する気体と接触させ該吸収液に二酸化塩素ガスを吸収
させたのち回収する為の槽、該吸収液を前記槽内部に散
布する為の散布装置、回収した該吸収液を再び前記散布
装置に導く装置を有する前記1項記載の二酸化塩素ガス
除去方法を用いる二酸化塩素ガス除去装置。 (4)前記吸収液に吸収された二酸化塩素ガスを除去す
る手段を有する前記3項記載の二酸化塩素ガス除去装
置。 (5)前記二酸化塩素ガスを除去する手段が活性炭およ
び/または亜硫酸型ハイドロタルサイトを充填したカラ
ムであることを特徴とする前記4項記載の二酸化塩素ガ
ス除去装置。 (6)前記吸収液中に前記還元性化合物として、ジメチ
ルスルホキシド、チオ硫酸塩および亜硫酸塩のうちのい
ずれか1種以上の化合物を含む前記3〜5項のいずれか
に記載の二酸化塩素ガス除去装置。 (7)微生物および/または細菌を除去するためのロ過
装置を有する前記3〜6項のいずれかに記載の二酸化塩
素ガス除去装置。 (8)開閉可能なシャッターを備える吸気口および排気
口を有し、該シャッターを閉じることにより密閉するこ
とが可能である前記3〜7項のいずれかに記載の二酸化
塩素ガス除去装置。 (9)装置の1部または全部が塩化ビニール樹脂、塩素
化塩化ビニール樹脂、強化ビニール樹脂、ガラス、テフ
ロン、ステンレススティールおよびチタン合金のうちの
1種または2種以上からなる前記3〜8項のいずれかに
記載の二酸化塩素ガス除去装置。 (10)前記3〜9項のいずれかに記載の二酸化塩素ガ
ス除去装置を室内に搬入したのち、二酸化塩素ガスによ
り該室内の殺菌を行い、殺菌後、該二酸化塩素除去装置
を運転することにより残留する二酸化塩素ガスを除去す
ることを特徴とする室内の二酸化塩素ガス除去方法。 (11)前記室内の二酸化塩素ガスの除去を行う前に、
前記二酸化塩素ガス除去装置内の気体の通路に該室内の
気体を30分〜5時間流すことにより、該装置内の気体
の通路を殺菌する前記10項記載の室内の二酸化塩素ガ
ス除去方法。
【0009】本発明の装置または方法には前記1〜11
項記載の要件に加えて必要により下記a〜fのいずれか
または全ての要件を有することが好ましい。 a)人力により移動可能であること。 b)前記8項記載の気体の排出側にデミスタを設置し、
気体中に多数浮遊している微少な水滴を除去すること。 c)前記5項記載の還元性化合物を充填したカラムの出
口にロ過装置を設置し、該カラム通過後に溶液中に混入
する微粒子を除去すること。 d)前記7項記載のロ過装置にメンブランフィルターを
使用すること。 e)前記8項記載の気体導入口および/または排出口に
送風装置を設けること。 f)本発明の装置の運転終了前に、前記e)項記載の送
風装置のみを30分〜5時間稼働させ二酸化塩素ガスを
槽内に蓄積し、こののち吸気口および排気口を閉じ上記
吸収液を循環する上記送液装置のみを稼働することによ
り装置の殺菌を行うこと。 g)キャスター等の移動手段を備えていること。
【0010】本発明において室内とは、気体の流れを遮
断することにより室内外を区別することができる作業所
または装置内部等を指す。具体的には食品加工クリーン
ルーム、手術室および薫蒸室等を指す。気体とは、大気
またはその他の気体を指す。人力にて移動可能であると
は、1人または2人で、好ましくは1人で、本発明の装
置を動力を使用することなくほぼ同一の高さを有する床
を容易に移動させることができることを指す。
【0011】二酸化塩素(ClO2)は融点−59℃、沸
点11℃の常温でガス状の物質であり、強い酸化力と殺
菌性を有する。常温下では水中におよそ3000ppm
(3000mg/l)の溶解度を持つ。二酸化塩素ガス
を主成分とする酸化性ガスを含む空気ないし不活性ガス
を直接に活性炭やチオ硫酸塩等還元性固体に接触せしめ
ると下記式(1)で示される最終的な酸化還元反応に至
らず、下記式(2)で示される中間段階まで還元された
一酸化塩素が生じて、このガス体が灰色を呈するものと
推定されている(Ann Arber Science,An Arber,MI,21P,
1979)。
【0012】 式(1): ClO2=2Cl-+O2
【0013】 式(2): 2ClO2=Cl2O+3(O)
【0014】本発明では、一旦水溶液に二酸化塩素ガス
を吸収せしめ、しかる後にこの水溶液中の二酸化塩素を
活性炭と接触させることにより白煙を発生させることな
く還元することができる。二酸化塩素と炭素との反応は
下記式(3)〜(5)の経路で進むものと推定されてい
る。
【0015】 式(3): HClO2+C=H++Cl-+2(O)+C
【0016】
【0015】 式(4): Cl2+H2O=HClO+HCl
【0017】式(5): 2(O)+C=CO2
【0018】上記式(3)〜(5)で示されているよう
に活性炭は酸化性物質と反応して消耗するので、長時間
使用後には補充する必要がある。
【0019】本発明において還元性化合物とは二酸化塩
素に対する還元作用を有する化合物を意味するものであ
る。
【0020】本発明の気体中の二酸化塩素ガスを吸収液
により除去する方法により、人力により移動可能でかつ
効率よく二酸化塩素ガスを除去できる装置を提供するこ
とができる。さらに、吸収液中の二酸化塩素ガスを除去
装置(たとえば還元性固体を充填したカラム)により除
去することにより、少量の吸収液により大量の二酸化塩
素ガスの除去が可能である。このため装置内の吸収液の
量を少量にすることができ、この結果装置全体の重量を
軽くすることができる。また、吸収液を交換することな
く、該カラムを交換することで吸収力を回復させること
が可能であり、このため保守が容易である。前記還元性
固体を充填したカラムを使用する場合は、カラムと前記
吸収液との不要な反応をさける為に、水を吸収液として
用いるほうが好ましい。
【0021】例えば、吸収液として水20Lを使用し、
吸収液中の二酸化塩素ガスを除去しない方法で処理した
場合、水への二酸化塩素ガスの吸収量が室温で3000
ppmであることから、二酸化塩素濃度30ppmの空
気を処理した場合の最大処理能力は660m3となる。
実際には、散布することによる吸収液中の二酸化塩素ガ
スの気体中への再移動等がおこるので、処理能力はこれ
よりはるかに劣るものと考えられる。 これに対して、
水5Lを使用し、活性炭500gを充填した装置におい
ては、重量がおよそ14Kgも軽減しかつ装置の容積を
小さくすることができるにも拘わらず、二酸化塩素濃度
30ppmの気体を最大9000m3処理することが可
能である。さらに、散布する水中から気体中に逆に移動
する二酸化塩素ガスがなく、吸収効率も高い。
【0022】また、本発明の二酸化塩素を含む酸化性ガ
スを吸収した吸収液を活性炭等の除去部に導いて酸化性
物質を除去し、該吸収液を循環使用することにより、吸
収液を交換することなく、蒸発分等による減少分の補給
のみで運転することも可能であり、保守が容易となり、
省力化が可能である。 特に吸収液として水を使用する
場合には特別の吸収液を用意する必要がなく、保守が非
常に簡単である。
【0023】本発明の二酸化塩素ガス除去装置を用いる
ことにより、二酸化塩素ガスによる室内の殺菌および除
去を下記のように安全かつ簡便に行うことが可能であ
る。すなわち、二酸化塩素ガス発生装置及び本発明の二
酸化塩素ガス除去装置を室内にあらかじめ搬入し、室内
を無人としたのち、二酸化塩素発生装置を運転し二酸化
塩素ガスを発生させ、必要に応じ一定時間を経過させた
のち、本発明の二酸化塩素ガス除去装置を運転すること
により、安全かつ簡便に二酸化塩素ガスによる室内の殺
菌を行うことができる。この様な室内の殺菌を行う場
合、本発明の除去装置の吸気口及び排気口に開閉可能な
シャッターを設置し、二酸化塩素ガスにより室内の殺菌
を行っている間該シャッターを閉じることにより、殺菌
中に二酸化塩素ガスを吸収除去しないようにすることに
より、効率よく二酸化塩素ガスによる殺菌を行うことが
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の態様を示
す。
【0025】本発明で用いる活性炭素の形状は粉末また
は粒状のものが好ましい。経済的理由等により大量の気
体を短時間に処理できるカラム層等を用いる場合には粒
状炭が好ましい。活性炭は木ベースまたは石炭ベースの
もののいずれも用いることができる。粒度は特に限定さ
れないが、一般的な平均粒径である0.9〜4.0mm
のものを用いることができる。
【0026】本発明で用いる亜硫酸型ハイドロタルサイ
トは、アニオン交換能を有する粘土鉱物であるハイドロ
タルサイトの亜硫酸型であり、Mg−Al−CO3の炭
酸部分をSO3に置換したタイプである。本発明におい
ては粉末および粒状のいずれの形状のものも使用可能で
あるが、カラムでの圧力損失が少なく、目詰まりをしに
くいので粒状タイプが好ましい。
【0027】本発明で用いるカラムの径、長さおよび処
理剤の必要量は処理する酸化性物質量より適宜決定する
ことができる。
【0028】本発明の二酸化塩素ガスを溶解するための
水溶液中に溶解する還元性化合物としては、DMSO、
チオ硫酸塩ナトリウム等のチオ硫酸塩および亜硫酸ナト
リウム等の亜硫酸塩等を用いることができる。水溶液中
にはこれ以外の化合物が含まれてもいいが、吸収を阻害
しない化合物が好ましい。取り扱いの容易さ、後処理の
容易さ等の点から、水が最も好ましい。
【0029】本発明で用いるカラムの径、長さおよび処
理剤の必要量は処理する酸化性物質量により適宜決定す
ることができる。
【0030】本発明においては濃度0.1〜50重量%
のDMSO水溶液を吸収液として用いることができる
が、DMSO中に含まれる硫黄系不純物の不快臭を生じ
させない為には1〜10重量%が好ましく、二酸化塩素
ガスと接触して白煙を生じさせないためには5重量%以
下が好ましい。
【0031】本発明においては濃度50重量%以下のチ
オ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩水溶液を吸収液として
用いることができるが、二酸化塩素ガスと接触して白煙
を生じさせない為には5重量%以下が好ましい。亜硫酸
塩水溶液は14重量%以下のものを吸収液として用いる
ことができるが、二酸化塩素ガスと接触して白煙を生じ
させない為には5重量%以下が好ましい。
【0032】本発明においては吸収液中に取り込まれた
二酸化塩素ガスの除去剤として活性炭および亜硫酸イオ
ン型ハイドロタルサイトを用いることができる。これら
の化合物は環境に与える影響が少なく、後処理等が簡便
である。
【0033】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0034】(実施例1)本発明の装置例1:図1に本
発明の装置の実施例を示した。本装置の槽1の底部に2
0LのDMSOの1重量%水溶液の液層を設け、該水溶
液を槽1の底部に設けた送水パイプ3を通じ、水循環ポ
ンプ2により、5L/分の流量で活性炭を充填したカラ
ム4に送水する。カラム4中には粒径0.9〜1.1m
m、沃素吸収量950mg/g以上である活性炭(東洋
カルゴン製GRC)を充填し、該カラムの両端は300
メッシュのナイロン網により両端を封じてある。カラム
4の出口にはエレクトロニクス用ポリプロピレン製カー
トリッジフィルターを接続し、これにより、活性炭屑を
捕集することを可能とした。さらに該カートリッジフィ
ルターの出口に0.2μm径のテフロン製メンブランフ
ィルターを使用したテフロンホルダーを接続し、生する
細菌を捕集することを可能とした。テフロン製メンブラ
ンフィルターによってロ過された水溶液は散水管10に
導かれ槽内に噴霧される。散水管はパイプに微細な穴を
多数設けたものを使用した。槽上部には、120mmx
120mmの吸気口11を設けさらに該吸気口に0.5
3/分の送風が可能な送風機7を設置することにより
効率的に槽内に外気を導入することができる。槽側面に
排気口を設け、該排気口に槽に対して傾斜している風洞
を接続し、さらに気体中の微少水滴を除去する為のデミ
スタ9を設置したのち送風機8を設置した。該送風機は
吸気口に設置した送風機と同等の送風能を有するものを
用いた。吸気口および排気口側の送風機と外気の間には
開閉可能なシャッターをもうけた。該シャッターは送風
機の運転前は閉まっており、送風機を運転することによ
り風圧により開く機構を有するようにした。
【0035】(実施例2)室内の二酸化塩素ガスの除去
1:実施例1で作成した本発明の装置を用いて下記のよ
うにクリーンルーム内の二酸化塩素ガスの除去を行っ
た。実施例1で作成した本発明の装置およびバチルス・
セレウス芽胞を107接種した紙ディスク12枚を容積
17.5m3のクリンルーム中に搬入し、該紙ディスク
のうちの6枚を密封し、残り6枚を暴露したのち、二酸
化塩素ガスを発生させ、濃度30ppmとなった時点で
発生を停止させた。二酸化塩素の発生は二酸化塩素水を
バブリングすることにより行った。この後5時間そのま
まに放置したのち、本発明の装置の吸排気口の送風機の
みを2時間運転したのち、引き続き循環ポンプ2を1時
間運転した。この後、直ちに室内の二酸化塩素濃度を測
定したところ0.1ppmであり、さらに1時間運転し
たところ0.07ppmであった。また暴露した紙ディ
スクの菌を測定したところ検出されなかった。一方密封
した6枚の紙ディスクの菌を測定したところ107〜1
8であった。さらに、本発明の装置内部の吸排気の送
風部のふき取り検査を行った結果菌は検出されなかっ
た。二酸化塩素ガスの濃度は新コスモス電気(株)製半
導体製造ガス検知器XD−303CLをあらかじめ二酸
化塩素ガスの濃度が既知のガスで校正したものを用いて
測定した。
【0036】(実施例3)室内の二酸化塩素ガスの除去
2:DMSOの1重量%水溶液20Lのかわりに水5L
を用いる以外は実施例1と同様の装置を使用し、実施例
2と同様の操作を行った。この結果、本発明の除去装置
を3時間運転したのちの二酸化塩素除去直後の室内の二
酸化塩素濃度は0.08ppmであり、また暴露した紙
ディスクの菌を測定したところ検出されなかった。一方
密封した6枚の紙ディスクの菌を測定したところ107
〜108であった。さらに、本発明の装置内部の吸排気
の送風部のふき取り検査を行った結果菌は検出されなか
った。
【0037】(実施例4)本発明の装置例2:高さ80
0mm、直径300mmの塩化ビニール製の管の片側を
塩化ビニール板で塞ぎ、塞いだ側を底部として直立させ
た容器に下記の装置をとりつけ二酸化塩素ガス除去装置
を作成した。とりつけた装置を下記に挙げる。すなわ
ち、容器の天井部分に装置が運転されていない時には閉
であり、容器内部の圧力が外部の圧力より高いときのみ
に開となるシャッター、シャッターの下部に管の断面全
体に水滴を除去するための100mmの層厚を有するナ
イロン製デミスタ、デミスタの下部に管の直径にそって
位置にとりつけられた容器内に液体を散布するための微
細な穴を多数有するパイプからなる散布装置、容器内に
液体を30L保持させたときの液面の直上に外気を導入
するためのドレイン、容器最下部に容器内の液体を取り
出すためのドレイン、ドレインと散布装置とを連結する
パイプ、ドレインから散布装置に溶液内の液体を移動さ
せ、容器内に散布させるためのポンプである。このよう
にして作成した装置に、1%チオ硫酸ナトリウム塩水溶
液20Lに6.8gの燐酸2水素カリウムおよび107
gの燐酸水素2ナトリウムの緩衝物質を加えた水溶液を
入れ、装置を完成させた。
【0038】(実施例5)室内の二酸化塩素ガスの除去
3:実施例3で作成した本発明の装置を容積17.5m
3のクリーンルー中に搬入し、実施例2と同様の操作で
室内の二酸化塩素ガス濃度を30ppmとしたのち、該
装置を10分間運転した。この後直ちに室内の二酸化塩
素濃度を測定したところ0.1ppmに達しなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明の二酸化塩素ガス除去装置によ
り、新たな装置を設置することなく、殺菌後速やかに殺
菌された部屋及び設備機械等を使用することが可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二酸化塩素ガス除去装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 除去装置本体 2 循環ポンプ 3 送水管 4 除去剤充填カラム 5 粗粒除去フイルター 6 メンブレンフイルター 7 吸気口送風機 8 排気口送風機 9 デミスター 10 散水管 11 吸気口シャッター 12 排気口シャッター 13 気体の流れ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水または還元性化合物の水溶液を二酸化塩
    素ガスの吸収液として使用し、該吸収液を二酸化塩素ガ
    スと接触させたのち回収し、再び吸収液として繰り返し
    使用することにより気体中の二酸化塩素ガスを除去する
    二酸化塩素ガス除去方法。
  2. 【請求項2】前記吸収液中に吸収された二酸化塩素ガス
    を除去したのち再び吸収液として繰り返し使用する請求
    項1記載の二酸化塩素ガス除去方法。
  3. 【請求項3】水または還元性化合物の水溶液を二酸化塩
    素ガスの吸収液として使用し、該吸収液と二酸化塩素ガ
    スを含有する気体とを接触させ該吸収液に二酸化塩素ガ
    ス吸収させたのち回収する為の槽、該吸収液を前記槽内
    部に散布する為の散布装置、回収した該吸収液を再び前
    記散布装置に導く装置を有する請求項1記載の二酸化塩
    素ガス除去方法を用いる二酸化塩素ガス除去装置。
  4. 【請求項4】前記吸収液に吸収された二酸化塩素ガスを
    除去する手段を有する請求項3記載の二酸化塩素ガス除
    去装置。
  5. 【請求項5】前記二酸化塩素ガスを除去する手段が活性
    炭および/または亜硫酸型ハイドロタルサイトを充填し
    たカラムであることを特徴とする請求項4項記載の二酸
    化塩素ガス除去装置。
  6. 【請求項6】前記吸収液中に前記還元性化合物として、
    ジメチルスルホキシド、チオ硫酸塩および亜硫酸塩のう
    ちのいずれか1種以上の化合物を含む請求項3〜5のい
    ずれかに記載の二酸化塩素ガス除去装置。
  7. 【請求項7】微生物および/または細菌を除去するため
    のロ過装置を有する請求項3〜6のいずれかに記載の二
    酸化塩素ガス除去装置。
  8. 【請求項8】開閉可能なシャッターを備える吸気口およ
    び排気口を有し、該シャッターを閉じることにより密閉
    することが可能である請求項3〜7項のいずれかに記載
    の二酸化塩素ガス除去装置。
  9. 【請求項9】装置の1部または全部が塩化ビニール樹
    脂、塩素化塩化ビニール樹脂、強化ビニール樹脂、ガラ
    ス、テフロン、ステンレススティールおよびチタン合金
    のうちの1種または2種以上からなる請求項3〜8のい
    ずれかに記載の二酸化塩素ガス除去装置。
  10. 【請求項10】請求項3〜9記載のいずれかの二酸化塩
    素ガス除去装置を室内に搬入したのち、二酸化塩素ガス
    により該室内の殺菌を行い、殺菌後、該二酸化塩素除去
    装置を運転することにより残留する二酸化塩素ガスを除
    去することを特徴とする室内の二酸化塩素ガス除去方
    法。
  11. 【請求項11】室内の二酸化塩素ガスの除去を行う前
    に、前記二酸化塩素ガス除去装置内の気体の通路に該室
    内の気体を30分〜5時間流すことにより、該装置内の
    気体の通路を殺菌する請求項10記載の室内の二酸化塩
    素ガス除去方法。
JP10017927A 1997-01-14 1998-01-14 二酸化塩素ガス除去方法、除去装置およびこの除去装置を用いた室内の二酸化塩素ガス除去方法 Withdrawn JPH10258215A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101961590A (zh) * 2010-10-12 2011-02-02 许福章 高精密环保减排低碳的灰尘、废气、油烟收集处理器及其处理方法

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