JPH1025616A - ノズルの製造方法 - Google Patents

ノズルの製造方法

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JPH1025616A
JPH1025616A JP19712296A JP19712296A JPH1025616A JP H1025616 A JPH1025616 A JP H1025616A JP 19712296 A JP19712296 A JP 19712296A JP 19712296 A JP19712296 A JP 19712296A JP H1025616 A JPH1025616 A JP H1025616A
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JP
Japan
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nozzle
brazing
hole
nozzle piece
gap
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JP19712296A
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English (en)
Inventor
Koji Kajikawa
耕司 梶川
Yasuo Endo
保夫 遠藤
Nobuyoshi Anakama
伸良 穴竈
Takashi Shibata
尚 柴田
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Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルピースをノズル本体にろう付する
際に、隙間を生じさせることなく良好にノズル本体に接
合する。 【解決手段】 貫通孔2とノズルピース4との隙間の一
部をメタルシール6で塞ぎ、メタルシール6で溶融ろう
7が流出するのを防ぐ。 【効果】 溶融ろうがろう付領域以外に流出するの
を防止して、ろう付部で隙間を生じさせることなく良好
にろう付接合できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維の紡糸等
に使用されるノズルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維の紡糸に用いられる紡糸
ノズルは、図4に示すように円盤状の金属製ノズル本体
20に、繊維原料の導入孔21a及びこれに連通する吐
出紡糸孔21bからなる貫通孔を所定形状・所定位置に
多数穿ることによって形成される。このノズルで紡糸す
る際には、高温の繊維原料の液体を前記導入孔21aに
高い圧力で供給して吐出紡糸孔21bから吐出する。吐
出紡糸孔21bは、製造予定の繊維の形状に合わせて所
定の形状寸法に形成されており、この吐出紡糸孔21b
から原料を吐出することによって所定寸法・形状の合成
繊維が得られる。
【0003】ところで、従来、前記紡糸ノズル本体20
にはステンレス鋼などが用いられているが、前記したよ
うに吐出紡糸孔21bからは高温の繊維原料が高圧力で
吐出されているため、吐出紡糸孔21bの内面が紡糸中
に繊維原料によって大きな摩擦摩耗を受け、徐々に寸法
・形状が変化する。このため吐出紡糸孔21bから紡糸
される繊維の形状・寸法も次第に変化し、所望の寸法・
形状を有する均一な繊維が得られなくなるという問題点
がある。
【0004】上記問題点を解決するため、ノズル本体の
材料に耐磨耗特性に優れたセラミック、サーメット、超
硬合金などを用いた紡糸ノズルが提案されている。しか
し、上記材料は加工性が悪いために、導入孔及びこれに
連通する吐出紡糸孔からなる多数の貫通孔を精度良く所
定の寸法・形状に加工することは非常に困難であり、ま
た加工作業の効率も低いため、結果的に加工コストが非
常に高くなるという問題点を有している。
【0005】そこで、図5に示すようにノズル本体のう
ち原料導入孔21a及び吐出紡糸孔21bを含む一部を
ノズルピース22として別体にし、このノズルピース2
2のみをセラミック、サーメット、超硬合金などの耐磨
耗特性に優れた材料で構成し、これを金属製のノズル本
体20に形成された多数の貫通孔23内に配置して、ノ
ズルピース20と一体化することにより紡糸ノズルを得
る製造方法が開発されている。この製造方法にすれば耐
磨耗性に優れた紡糸ノズルを比較的安価に製造すること
が可能になる。
【0006】上記製造方法における一体化の工程は、通
常、機械的嵌合、圧入、焼き嵌め、ろう付、溶接などの
方法により行われるが、この中でろう付方法は接合が容
易で生産性も高い方法の一つである。従来のろう付法で
は、図6に示すようにノズル本体20にノズルピース2
2よりも僅かに径の大きな貫通孔24を形成し、この貫
通孔24の所定位置にノズルピース22を配置した後、
これらをろう付温度(一般にはろう材の融点以上)に加
熱保持し、外部よりろう材を供給してノズルピース22
と貫通孔24との間隙にろう25を充填して両者をろう
付接合している。また、他の方法としては、図7に示す
ように、ノズル本体20の貫通孔24とノズルピース2
2との間隙に予め薄肉で筒状のろう材26を配置してお
き、これらをろう付温度に加熱保持してろう材26を溶
融させることによってノズル本20とノズルピース22
とをろう付する方法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した製造
方法のうち、ろう材を外部より供給する方法は、ろう付
雰囲気を調整するろう付法(例えば真空ろう付)では作
業に困難性を伴うため、適用は容易でなく、例えば特殊
なろう付装置が必要となり製造コストが嵩むという問題
がある。また、多数のノズルピースをろう付することが
必要な紡糸ノズルの製造方法では、雰囲気調整下におい
て外部からろう材を供給しつつろう付することは実質的
に困難である。
【0008】一方、筒状のろう材26をノズルピース2
2とノズル本体20の貫通孔24との間の間隙に配置す
る方法では、雰囲気調整が行われるろう付法にも容易に
適用することができる。しかし、ろう材26は固体であ
るため、加工精度等を考慮すれば、ノズルピース22と
ノズル本体20との間に全く隙間がないように配置する
ことは事実上困難である。ただし、ろう付加熱時にはこ
の隙間に溶融したろうが流れ込み隙間を埋めることもあ
るが、全ての隙間にくまなくろうが流れ込んで隙間を埋
めることは困難である。しかも、ノズルピース22と貫
通孔24との間隙の端部では、溶融したろうが外部に漏
れ出すため、上記隙間を充填するろう材の量が不足し、
ろう付後にもノズルピース22とノズル本体20との間
には不可避的に隙間が残存してしまう。
【0009】上記した不可避的な隙間は、ノズルピース
とノズル本体とのシール性を著しく低下させ、機器の安
全性を損なうという問題があり、その発生は極力避ける
必要がある。この隙間の発生を防ぐ方法としては、ろう
付時にろう材を外部より補充して十分な量の溶融ろうを
流動させて隙間を塞ぐことも考えられるが、前述したよ
うに雰囲気調整が行われているろう付法では外部からの
ろう材の供給は容易ではなく、多数のノズルを形成する
紡糸ノズルの製造工程では実質的にこの方法の採用は困
難である。
【0010】本発明は、上記事情を背景としてなされた
ものであり、雰囲気調整の如何に拘わらず、ノズルピー
スとノズル本体との間にできるだけ隙間を残さないよう
にして両者を良好にろう付接合することができるノズル
の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のノズルの製造方法のうち第1の発明は、ノ
ズル本体の貫通孔内に筒状のノズルピースを配置し、前
記貫通孔とノズルピースとの間隙にろうを充填させてノ
ズル本体とノズルピースとをろう付接合するノズルの製
造方法において、前記貫通孔とノズルピースとの隙間の
一部をメタルシールで塞ぎ、該メタルシールで溶融ろう
がろう付領域以外に流出するのを防ぎつつノズル本体と
ノズルピースとをろう付接合することを特徴とする。
【0012】また、第2の発明のノズルの製造方法は、
ノズル本体の貫通孔内に筒状のノズルピースを配置し、
前記貫通孔とノズルピースとの間隙にろうを充填させて
ノズル本体とノズルピースとをろう付接合するノズルの
製造方法において、前記貫通孔内壁面とノズルピース側
壁面とにそれぞれ軸方向に対し対向する段部を設けてお
き、該ノズルピースを貫通孔内に配置するに際し、ノズ
ルピースの段部端面と貫通孔の段部端面との間にメタル
シールを配置して両段部端面間の隙間を塞ぎ、さらに前
記メタルシールに当接するろう材と該ろう材に先端が当
接する押当材を配置し、該押当材を先端側に押圧しつつ
ノズル本体とノズルピースとをろう付接合することを特
徴とする。
【0013】本発明の製造方法は、多数のノズルを形成
する必要のある紡糸ノズルの製造に好適であるが、適用
対象となるノズルの種別が特に限定されるものではな
く、その他用途のノズル、例えば、押出機等のノズルの
製造に適用することも可能である。また、本発明の製造
方法に供されるノズル本体やノズルピースには各種材料
を使用することができ、それぞれ要求される特性に基づ
いて適宜材料が選択される。例えば、ノズル本体には加
工が容易なステンレス鋼等の金属材料を使用し、ノズル
ピースには耐磨耗性に優れたセラミック、サーメットや
超硬合金等を使用することができる。
【0014】上記したノズル本体に形成される貫通孔
は、通常は断面円形状、楕円形状、多角形状等に形成さ
れるが、本発明としては特に断面を含めて形状が特定さ
れるものではなく、ノズルピースの形状に関連させて適
宜定めることができる。またその内面に軸方向に対する
段部を設けることが可能であり、その段部形状も特に限
定されない。ただし、第2の発明の段部では、少なくと
もノズルピースに形成する段部と対向する形状が必要と
される。また、貫通孔および段部の形成方法等が特に限
定されるものでもない。ただし、段部を設ける場合に
は、貫通孔の全周に亘って設けるのが望ましく、段部間
には当然に、ノズルピースが通る空隙が確保されている
必要がある。上記段部の段差高は、ノズルピースの最小
必要径等も考慮して適宜定められる。なお、貫通孔に一
段の段部を設けることは勿論のこと、段階状であれば複
数段の段部を設けることも可能である。なお、段部を復
数段設けた場合にはメタルシールは各段部端面間それぞ
れに配置することができる。
【0015】ノズルピースと貫通孔との間隙に配置する
メタルシールは、使用するろう材よりも融点の高い金属
が適宜選定され、メタルシールが配置されるノズルピー
スとノズル本体との間の間隙形状及び間隙寸法に合わ
せ、確実に溶融ろうの流出が防止されるように形状、寸
法等が定められる。その一形態としてはメタルシールの
外周形状・寸法が貫通孔に等しく、且つ内周形状・寸法
がノズルピース外周形状・寸法に等しいことが挙げられ
る。ただし必ずしもメタルシールが間隙寸法と等しいこ
とが必要になるわけではなく、溶融ろうの流出が防止さ
れるものであれば形状等が限定されるものではない。
【0016】また、メタルシールは、設置時には上記寸
法に等しくなくても、圧潰等によって塑性変形し、段部
との密着性を高めるものであっても良い。例えば、第2
の発明としてノズル本体とノズルピースとの段部端面間
にメタルシートを配置する場合に、外周寸法および内周
寸法がノズル本体とノズルピースとの間隙寸法より小さ
く、軸方向寸法が、接合後のノズルピースと貫通孔との
段部端面間寸法より大きいメタルシールを使用して、ろ
う付前にノズルピースで押圧することによって、このメ
タルシールを所定の寸法まで押しつぶして塑性変形さ
せ、前記ノズルピースと貫通孔に密着させても良い。ま
たノズルピースもしくはノズル本体内壁にテーパーを付
けておき、ノズルピースをメタルシールに圧入すること
によりシールを行ってもよい。該ノズルピースに対して
なされる押圧は、適当な駆動手段を用いて行ったり、適
当な部材を重りとして使用すること等によって行うこと
ができる。
【0017】また、ノズルピースとノズル本体との間隙
の充填に使用されるろう材には、ノズルピースとノズル
本体との接合に適した材料が適宜選定される。間隙に配
置するろう材としては薄肉の筒状ろう材や薄板のリング
板状ろう材を積層したものを用いることができる。ま
た、複数のろう材片を筒状やリング状に配置したもので
あっても良い。また、ろう材の量としては、ノズルピー
スとノズル本体との間の間隙に充填されて両者を強固に
接合するのに十分な量のものを用いる。
【0018】さらに、第2の発明で用いられる押当材
は、ろう付中にろう材を押して貫通孔とノズルピースと
の隙間に溶融ろうを満遍なく充填するために使用され、
その材質としては、ろう付に適し、さらにノズルピース
から突出したままでろう付けされた場合に容易に切削等
によって突出部分を取り除けるように加工性に優れた材
料、例えばステンレス鋼等が選定される。この押当材
は、上記間隙に配置するため、その形状には制約がある
が、ろう材を均等に押圧するという観点では間隙に沿っ
たリング状または筒状の形状が望ましい。ただし、必ず
しも間隙の全周に亘った形状を有することが必要となる
わけではなく、周方向において断片的に複数の押当材を
配置することもできる。また、押当材は、ろう付後にそ
のまま残存するので、ノズルピースおよびノズル本体に
良好に接合されるように、押当材とノズルピースまたは
ノズル本体との間に隙間があり、この隙間に溶融ろうが
良好に回り込んで凝固するのが望ましい。この溶融ろう
の回り込みを促進するため、押当材の壁面に軸方向に沿
って溝を形成することも可能である。この押当材は、最
終的には、上記したようにノズルピースとノズル本体と
の間に残存してノズルピースとノズル本体とを接合する
中間材となるのでろう付性に優れた材料であることが必
要である。
【0019】また、この押当材はろう材中には、適当な
押当手段で押圧されながら、または自重で前進し、溶融
ろうが上記間隙で移動するのを促進するので、設置初期
には、その後端がノズル本体より突出しており、しか
も、その突出量は、溶融ろうを上記間隙に十分に充填さ
せることができる量が望ましい。この押当材は、ろう付
終了時に上記間隙に収まり、ノズル本体から突出してい
ないように設計するのが望ましいが、突出部分がある場
合には、切削等によって削除することができる。この押
当材にはノズルピースのように格別優れた耐磨耗性等が
要求されるものではないので、前述したろう付性や良好
な加工性を有することを重視してその材質を定めること
ができる。
【0020】上記各材料を用いたろう付は、大気下の他
に所望の雰囲気下(例えば真空雰囲気下)で行うことも
可能である。特に、本発明では、予め使用するろう材と
ノズルピースとノズル本体とを配置しておけば、その後
に全体をろう付温度に加熱するだけでろう付を行うこと
ができるので、雰囲気調整が必要なろう付方法への適用
は容易に行うことができる。
【0021】ろう付では、所定温度・所定時間の加熱を
行う。この加熱温度および加熱時間は、ろう材の種別や
ノズル本体およびノズルピースの材質、雰囲気等によっ
て適宜定められる。上記ろう付において各材料が所定の
ろう付温度に加熱されると、ろう材は溶融し、溶融ろう
はメタルシールによって所定領域以外の間隙へのろう材
の流出が防止されるため、所定の貫通孔とノズルピース
の間隙にのみろう材が隙間なく充填され、接合が完了す
る。また、この方法では、間隙に合ったメタルシールの
使用や押しつぶし、圧入によるメタルシールと間隙との
密着等により、ろう付前にノズルピースを所定位置(ノ
ズル本体に対し)に固定することができるので、ろう付
時のノズルピースの位置ずれを防止する効果がある。ま
た所定の領域のみにろう付を行うことができるため、ろ
う材が流れると困る部位のあるものの接合にも適してい
る。
【0022】また、第2の発明では、ろう材が押当材で
押されるので、ろうの流動が促進され、上記間隙にろう
が満遍なく充填される。しかも、メタルシールによって
先端側が塞がれているので、上記作用が一層顕著にな
る。また、溶融ろうの流出が防止されているので、押圧
力を高めることもできる。なお、上記押当材を押し進め
るために、押当材に対してなされる押当は、適当な駆動
手段を用いて行ったり、適当な部材を重りとして使用す
ることなどによって行うことができる。この押当の開始
時期はろう付加熱の前後を問わず適宜定めることがで
き、またろうの充填、押当材の移動等の所期の目的が達
成されればろう付終了前に押圧を終了することも可能で
ある。ただし、ろうが凝固するまで押圧していれば、押
湯効果もあってより良好にろう付することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)以下、図1を参照して本発明(第1の発
明)の一実施形態を詳細に説明する。紡糸ノズル本体1
はSUS430ステンレス鋼で構成されており、48個
の円筒状の貫通孔が形成されている。なお、図1では1
つの貫通孔2のみが示されているが、各貫通孔は同一形
状を有しており、またノズルピースのろう付作業も同様
に適用されるので、以下の説明はこの貫通孔2に対して
のみ行うものとする。
【0024】貫通孔2は、その一端部には軸方向に対し
て内側に突出する段差高さ1mmの段部3を有してお
り、該段部3は貫通孔2の端縁に達している。この段部
3の中心部には貫通孔2の1部をなす断面円形の小孔2
aが確保されている。一方ノズルピース4はジルコニア
で構成されており、貫通孔2にほぼ沿った形状を有して
おり、上記段部3に対向する段部5を有している。上記
段部3と段部5との間には、リング状のメタルシール6
が配置されており、該メタルシール6は、貫通孔2の内
周寸法に等しい外周寸法、かつノズルピース4の外周寸
法に等しい内周寸法を有している。
【0025】上記貫通孔2とノズルピース4との間隙上
方部であってメタルシール6で塞がれる間隙(約0.5
mm幅)には、この間隙に相当する筒形形状のAg−C
u−Ti系の活性金属ろう7が配置されている。このろ
う材7は、貫通孔2の壁面とノズルピース4の外壁との
間の上記間隙(ろう付領域)における体積の110%に
相当する体積を有している。
【0026】ろう付に際しては、貫通孔2内にメタルシ
ール6を挿入した後、ノズルピース4を挿入し、さらに
ろう材7を挿入する。このように配置した紡糸ノズル本
体1とメタルシール6とノズルピース4とろう材7とを
排気装置を備えた真空加熱炉(図示しない)に装入し、
排気装置を作動させて加熱炉内を真空雰囲気(5×10
-6Torr)に調整した。次いで、200℃/時間の加
熱速度で炉内を加熱し、850℃まで昇温させて同温度
で10分間保持した後、100℃/時間の冷却速度で室
温まで冷却してろう付を行った。
【0027】上記昇温中には、ろう材7は徐々に溶融
し、メタルシール6上部の貫通孔2とノズルピース4と
の間隙を充填した。メタルシール6によって段部3、5
間のノズル本体1とノズルピース4との間隙が塞がれて
いるため、溶融ろうがこの隙間より下方に流出して上部
間隙を充填するろう材が不足することもなく、また、ろ
う材7の体積は間隙体積よりも多めにしてあるので、上
記間隙の端部から若干溶融ろうが流れ出しても間隙には
支障なく溶融ろうが充填された。次いで加熱後の降温に
従って溶融ろうは凝固し所定位置にあるノズルピース4
とノズル本体1とは、凝固ろうによって強固にろう付接
合された。以上のようにして製造した紡糸ノズルを加熱
炉より取り出し、間隙部の充填状況を調査したところ、
良好に接合されており、隙間の発生も認められなかっ
た。
【0028】(実施形態2)次に、第2の発明の一実施
形態を図2及び図3に基づいて説明する。なお、この実
施形態で、前記実施形態と同様の構造については同一の
符号を付して、その説明を省略する。ノズル本体1の貫
通孔12内には、上記実施形態と同様に段部13が形成
されており、該段部13は、上記段部3に比べて大きな
段部高さを有している。ただし、段部13間に形成され
た小孔12aの径は上記貫通孔2の小径部2aと同径で
あり、貫通孔12の上方部が上記実施形態よりも大径と
なっている。一方、ノズルピース4は、上記実施形態と
同様の形状を有しており、その結果、貫通孔12とノズ
ルピース4との間隙は、上記実施形態よりも大きくなっ
ている(1mm+100μm)。これは、この間隙に後
述する押当材を配置するためである。
【0029】貫通孔12内に配置されたノズルピース4
の段部5と貫通孔12の段部13とは対向しており、そ
の間にリング状のメタルシール16が配置されている。
メタルシール16は、外周寸法および内周寸法がノズル
本体1とノズルピース4との間隙寸法より小さく、軸方
向寸法が、接合後のノズルピース4と貫通孔12との段
部13端面間寸法より大きい寸法を有しており、配置
後、ノズルピース4で押しつぶし、ノズルピース4と貫
通孔12との間隙に密着させる。さらに、ノズルピース
4と貫通孔12との間隙であってメタルシール16の上
方には、メタルシール上部に載るようにして筒状で該間
隔とほぼ同じ肉厚の筒状のろう材17が配置されてお
り、該ろう材17上に同じく、ステンレス鋼製で肉厚1
mmのリング状押当材18が配置されており、押当材1
7の一端は、ノズル本体1上に突出している。なお、押
当材18は間隙の中央に位置しており、ノズルピース4
及び貫通孔12とはそれぞれ50μmの隙間を有してい
る。また上記ろう材17は、押当材18がノズルピース
4と貫通孔12との間に収まった状態でノズルピース4
と貫通孔12とメタルピース16との間に生じる間隙
(ろう付領域)の約110%の容量を有している。
【0030】ろう付に際しては、上記押当材18を下方
に押圧した状態で上記実施形態と同様にろう付加熱をす
る。この加熱によってろう材17は溶融し、下方に押圧
されている押当材18によって押され、下方では、メタ
ルシール16で塞がれているので、それ以上は下方に流
動はせず、ノズルピース4と貫通孔2との間隙内でろう
材17が満遍なく広がり、この間隙を充填する。またろ
う材17は、押当材18とノズルピース4及び貫通孔1
2との隙間にも流れ、温度の低下によってろうが凝固し
て、ノズルピース4、押当材18、ノズル本体1が良好
に接合される。この間にノズルピース4とノズル本体1
の移動はなく、両者の位置関係は正確に保たれている。
【0031】なお、上記接合後、押当材18の一部がノ
ズル本体1の上方に突出している場合には、突出部分を
切削して容易に取り除くことができる。なお、上記実施
形態では、ノズルピース4の後端側(上方側)から押当
材18を装入し、かつ同方向から押圧する場合について
説明したが、段部を逆に設け、ろう材を下方に配置すれ
ば、ノズルピースの先端側から押当材を挿入、押圧する
ことも可能である。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のノズルの製造方法によれば、ノズルピースとノズル本
体をろう付する際に、メタルシールを用いてろう材が所
望の間隙以外の部分に流れないようにしているので、ノ
ズルピースとノズル本体との間に隙間を殆ど残すことな
く接合でき、また所定の領域以外に流出するろう材が殆
どないので使用するろう材が少なくてすむ。また副次的
な効果としてメタルシールによってノズルピースをろう
付前に所定の位置に固定できるので、ろう付中のノズル
ピースの位置ずれを防ぐことができる。
【0033】また、第2の発明では、ろう材を押当材で
押圧する際にその先で間隙がメタルシールで塞がれてい
るので、溶融ろうが押圧によっても他部に流出すること
がなく、押圧による効果が十分に得られ、押圧力をさら
に高めて、より大きい効果を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のうち、第1の発明の一実施形態を示
す部分正面断面図である。
【図2】 本発明のうち、第2の発明の実施形態の製造
方法を示す部分正面断面図である。
【図3】 同じくろう付接合された紡糸ノズルを示す正
面断面図である。
【図4】 従来の紡糸ノズルの一例を示す部分断面図で
ある。
【図5】 同じく他の一例を示す部分断面図である。
【図6】 従来の紡糸ノズルの製造方法の一例を示す部
分断面図である。
【図7】 同じく他の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 紡糸ノズル本体 2 貫通孔 2a 小孔 3 段部 4 ノズルピース 5 段部 6 メタルシール 7 ろう材 12 貫通孔 15 ろう材 17 ろう材 16 メタルシール 18 押当材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 尚 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日本 製鋼所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル本体の貫通孔内に筒状のノズルピ
    ースを配置し、前記貫通孔とノズルピースとの間隙にろ
    うを充填させてノズル本体とノズルピースとをろう付接
    合するノズルの製造方法において、前記貫通孔とノズル
    ピースとの隙間の一部をメタルシールで塞ぎ、該メタル
    シールで溶融ろうがろう付領域以外に流出するのを防ぎ
    つつノズル本体とノズルピースとをろう付接合すること
    を特徴とするノズルの製造方法
  2. 【請求項2】 ノズル本体の貫通孔内に筒状のノズルピ
    ースを配置し、前記貫通孔とノズルピースとの間隙にろ
    うを充填させてノズル本体とノズルピースとをろう付接
    合するノズルの製造方法において、前記貫通孔内壁面と
    ノズルピース側壁面とにそれぞれ軸方向に対し対向する
    段部を設けておき、該ノズルピースを貫通孔内に配置す
    るに際し、ノズルピースの段部端面と貫通孔の段部端面
    との間にメタルシールを配置して両段部端面間の隙間を
    塞ぎ、さらに前記メタルシールに当接するろう材と該ろ
    う材に先端が当接する押当材を配置し、該押当材を先端
    側に押圧しつつノズル本体とノズルピースとをろう付接
    合することを特徴とするノズルの製造方法
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001020064A1 (en) * 1999-08-19 2001-03-22 Jeong Sik Kim Spinning nozzle, spinning nipple incorporating the spinning nozzle therein, and method for manufacturing both the same
US7513116B2 (en) 2004-11-09 2009-04-07 Woodward Fst, Inc. Gas turbine engine fuel injector having a fuel swirler

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