JPH10255781A - アルカリ蓄電池の製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池の製造方法

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JPH10255781A
JPH10255781A JP9053657A JP5365797A JPH10255781A JP H10255781 A JPH10255781 A JP H10255781A JP 9053657 A JP9053657 A JP 9053657A JP 5365797 A JP5365797 A JP 5365797A JP H10255781 A JPH10255781 A JP H10255781A
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JP
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cobalt
battery
positive electrode
storage battery
discharge
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Application number
JP9053657A
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English (en)
Inventor
Shigekazu Yasuoka
茂和 安岡
Kozo Otsuki
浩三 大槻
Shinichiro Iwai
慎一郎 岩井
Kazuaki Ozaki
和昭 尾崎
Takuya Tamagawa
卓也 玉川
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属コバルト粉末の酸化を促進して、金属コ
バルト粉末を添加したニッケル活物質の利用率向上効果
を発揮させ、電池容量を増大させる。 【解決手段】 組立工程により組み立てられたアルカリ
蓄電池を充電して金属コバルト粉末の粒子表面にオキシ
水酸化コバルトを生成させる部分充電工程と、同部分充
電工程により生成されたオキシ水酸化コバルトを放電さ
せてその後のオキシ水酸化コバルトと金属コバルトが反
応する電位までオキシ水酸化コバルトの量を調整する放
電工程と、放電工程により残存したオキシ水酸化コバル
トと金属コバルトを化学反応させて、オキシ水酸化コバ
ルトが水酸化コバルトに完全に還元されるまで放置する
放置工程と、放置工程を経たアルカリ蓄電池に所定の充
放電処理を行う充放電工程とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は正極活物質として水
酸化ニッケルを用いたニッケル・水素蓄電池、ニッケル
・カドミウム蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池などのアル
カリ蓄電池の製造方法に係り、特に、この正極活物質に
金属コバルト粉末を導電剤として添加した非焼結式ニッ
ケル正極を備えたアルカリ蓄電池の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ蓄電池に使用される正極
活物質としては、水酸化ニッケルが知られている。水酸
化ニッケルを正極活物質とするニッケル電極は、ニッケ
ル・カドミウム蓄電池を中心にして、ニッケル・水素蓄
電池、ニッケル・亜鉛蓄電池などに広く採用されてい
る。このニッケル電極としては、パンチングメタル等の
芯体にニッケル粉末を焼結して形成した多孔性基板に含
浸により水酸化ニッケルよりなる活物質を含浸充填させ
る、いわゆる焼結式ニッケル電極が知られている。
【0003】しかしながら、上記した焼結式ニッケル電
極は、多孔性基板(焼結基板)を高多孔度とした場合に
は機械的強度が弱くなるため、実用的には80%の多孔
度とするのが限界であるとともにパンチングメタル等の
芯体を必要とすることから、活物質の充填密度が低く、
高エネルギー密度のニッケル電極を実現する上で問題が
ある。また、焼結基板の細孔は10μm以下であるの
で、活物質の充填工程を何度も繰り返す必要がある溶液
含浸法や電着含浸法に限定されるため、充填工程が煩雑
であるとともに製造コストも高くなるという問題があ
る。
【0004】一方、これらの欠点を改良するために、芯
体を有さない多孔性の発泡ニッケル(例えば、その多孔
度は95%程度である)に正極活物質である水酸化ニッ
ケル粉末を直接充填した、いわゆる非焼結式ニッケル電
極が提案されている。この非焼結式ニッケル電極におい
ては、水酸化ニッケル活物質とともに導電剤を添加して
混合し、この混合物を多孔性の発泡ニッケルに充填して
非焼結式ニッケル電極を形成するものである。この方法
において使用する導電剤として金属コバルト粉末を用い
ることは、例えば、特開昭59−163762号公報、
特開昭62−131261号公報、特開平2−2343
57号公報等の種々の公報において提案されている。
【0005】ここで、金属コバルトは、コバルト自体が
導電性を有するのに加え、充電によってさらに導電性に
優れたオキシ水酸化コバルト(CoOOH)になり、活
物質粒子間の導電性を一層向上させるので、活物質利用
率を向上させるのに特に有効な添加物である。この金属
コバルトを正極に添加すると、ニッケル活物質の利用率
が向上し、電池容量を高めることができるが、金属コバ
ルトはニッケル活物質とともに正極内に存在すれば、直
ちに十分な効果が得られるというものではない。即ち、
金属コバルトがニッケル活物質の利用率向上に十分有効
に寄与するためには、金属コバルト自体が正極内でスム
ーズにオキシ水酸化コバルト(CoOOH)に酸化され
る必要がある。
【0006】そこで、電池の充電初期において充電電流
を低く抑えて金属コバルトのみを優先的に酸化させるア
ルカリ蓄電池の化成法が特開昭64−21864号公報
において提案された。しかしながら、上記化成法に従
い、電池の充電初期に充電電流を低く抑えても、金属コ
バルト粉末の酸化を好適に進行させることができず、金
属コバルト粉末を十分に利用できないため、アルカリ蓄
電池の容量を高めることができなかった。
【0007】金属コバルトを導電剤として添加した非焼
結式ニッケル正極を備えたアルカリ蓄電池を充電(な
お、ここでいう充電は後の工程で行われる通常の充放電
工程と区別するために、以後、部分充電という)する
と、正極中のニッケル活物質は以下の化1の反応でオキ
シ水酸化ニッケルに電気化学的に酸化される。
【0008】
【化1】 Ni(OH)2+OH-→NiOOH+H2O+e- また、金属コバルトは以下の化2および化3の反応でオ
キシ水酸化コバルトまで電気化学的に酸化される。
【0009】
【化2】Co+2OH-→Co(OH)2+2e-
【0010】
【化3】 Co(OH)2+OH-→CoOOH+H2O+e- 金属コバルトの電気化学的な酸化反応には、上記化2お
よび化3の反応式から明らかなように、電解液中のOH
-イオンが必要である。これに対して、部分充電による
酸化で金属コバルトの表面に生成するオキシ水酸化コバ
ルトはOH-イオンと金属コバルトとの接触を妨げるバ
リアーとなる。このため、金属コバルトの表面がオキシ
水酸化コバルトによって完全に覆われると、内部の金属
コバルトにOH-イオンが供給されなくなり、それ以
降、金属コバルトの酸化反応は進行しなくなる。即ち、
いわゆる金属コバルトの不働態化が生じる。
【0011】また、金属コバルトからオキシ水酸化コバ
ルトに至る酸化反応においては、金属コバルトから水酸
化コバルトへの酸化反応に比べて、水酸化コバルトから
オキシ水酸化コバルトへの酸化反応の方が容易に進行す
る。このため、金属コバルトからオキシ水酸化コバルト
への酸化反応量は、金属コバルトから水酸化コバルトへ
の酸化反応量により規定される。つまり、金属コバルト
の水酸化コバルトへの酸化を十分に進行させる必要があ
る。
【0012】そのため、電気化学的酸化と化学的酸化と
を組み合わせることによって、一層強力に金属コバルト
粉末の酸化を促進させるために、電池組立後、部分充電
を行い、その後、放置して金属コバルトや水酸化コバル
トなどが充電されて生成したオキシ水酸化コバルト(C
oOOH)と金属コバルトとを反応させ、水酸化コバル
トと金属コバルトの平衡電位まで化学反応させて、その
後、所定の充放電処理を行うことが特開平6−2157
63号公報において提案された。
【0013】このように、部分充電後に放置すると、以
下の化4、化5および化6の反応により、化学的酸化が
促進されるようになる。すなわち、部分充電によって生
成したオキシ水酸化ニッケルおよびオキシ水酸化コバル
トが酸化剤的に作用して、各々水酸化ニッケルおよび水
酸化コバルトに還元されると同時に、金属コバルトが水
酸化コバルトに還元される反応が徐々に進行する。
【0014】
【化4】 NiOOH+H2O+e-→Ni(OH)2+OH-
【0015】
【化5】 CoOOH+H2O+e-→Co(OH)2+OH-
【0016】
【化6】
【0017】上記部分充電では、金属コバルトの表面が
オキシ水酸化コバルトによって完全に覆われないため、
この放置において金属コバルトにOH-イオンが供給で
き、金属コバルトの酸化反応が進行し、この金属コバル
トの酸化反応によって、金属コバルトの表面に水酸化コ
バルトが生成する。そして、水酸化コバルトはオキシ水
酸化コバルトとは異なり、アルカリ電解液に溶解すると
いう性質を持っており、放置期間中に電解液中に溶解拡
散することによって、再び金属コバルトが表面に露出
し、金属コバルトが充電によって電気化学的酸化を受け
やすい状態となる。他方、電解液中に一旦溶解拡散した
水酸化コバルトは、充電時に導電性の良好なオキシ水酸
化コバルトして再び正極に析出し、正極活物質の利用率
向上の効果を発揮することとなる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開平6−215763号公報において提案された方
法においては、部分充電時の充電量が多くなると、オキ
シ水酸化コバルトが金属コバルトの表面を完全に覆うよ
うになる。そして、このようにオキシ水酸化コバルトが
金属コバルトの表面を完全に覆うと、この部分充電を行
ったアルカリ蓄電池を放置しても、金属コバルトにOH
-が供給されないため、オキシ水酸化コバルトと反応し
て金属コバルトが水酸化コバルトに還元される反応が起
こらなくなる。そして、放置により、金属コバルトが水
酸化コバルトに還元されないと、正極活物質の利用率向
上の効果が発揮できないという問題を生じる。そこで、
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、金属
コバルト粉末を導電剤として添加した水酸化ニッケルを
正極活物質とする非焼結式ニッケル正極の金属コバルト
粉末の添加効果を十分に発揮させて、活物質利用率を向
上させることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明は水酸化ニッケルを正極活物質とし、この正極活物
質に金属コバルト粉末を導電剤として添加した非焼結式
ニッケル正極を備えたアルカリ蓄電池の製造方法であっ
て、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明
においては、非焼結式ニッケル正極とアルカリ電解液と
を備えたアルカリ蓄電池を組み立てる組立工程と、この
組立工程により組み立てられたアルカリ蓄電池を充電し
て金属コバルト粉末の粒子表面にオキシ水酸化コバルト
を生成させるとともに、この充電を酸素ガスが発生する
電位になるまでに停止する部分充電工程と、この部分充
電工程により生成されたオキシ水酸化コバルトを放電さ
せてその後にオキシ水酸化コバルトと金属コバルトが反
応する電位までオキシ水酸化コバルトの量を調整する放
電工程と、この放電工程により残存したオキシ水酸化コ
バルトと金属コバルトとを化学反応させて、オキシ水酸
化コバルトが水酸化コバルトに完全に還元されるまで放
置する放置工程と、この放置工程を経たアルカリ蓄電池
に所定の充放電処理を行う充放電工程とを備えたことに
ある。
【0020】このように構成すると、部分充電工程によ
り金属コバルト粉末の粒子表面にオキシ水酸化コバルト
を生成させた後、放電工程により過放電させると、部分
充電工程により生成されたオキシ水酸化コバルトが放電
する。この放電により、金属コバルト表面を覆っていた
オキシ水酸化コバルトが部分的に放電されて水酸化コバ
ルトになる。このため、放置中に金属コバルトは酸化さ
れ、オキシ水酸化コバルトは還元されて共に水酸化コバ
ルトになる。
【0021】放置後の水酸化コバルト量を比べてみる
と、従来の部分充電して放置しただけの電池では、部分
充電量が少ないため、金属コバルトがオキシ水酸化コバ
ルトに変化する量が少ない。これに対して、本発明の場
合には、金属コバルトの充電可能な量まで部分充電でき
るので、オキシ水酸化コバルト量も多くなる。放置後の
水酸化コバルト量は初回に生成したオキシ水酸化コバル
ト量が多い分、本発明の方が多くなる。このため、その
後の充電によって生成するオキシ水酸化コバルト量も多
くなるため、活物質間の導電マトリックスの形成量が増
大し、放電深度を深くできて電池容量が増大して高容量
化が可能となる。
【0022】請求項2に記載の発明においては、上述の
部分充電工程における部分充電量は正極活物質1gに対
して100〜200mAHにしたことにある。この部分
充電量が増加すると金属コバルト粒子の表面に生成され
るオキシ水酸化コバルトの生成量が増大して電池容量が
増大するため、図1より明らかなように、部分充電量の
下限値は正極活物質1gに対して50mAHとすること
が好ましく、最適には正極活物質1gに対して100m
AHとすることが好ましい。
【0023】一方、部分充電量が増加して、正極活物質
1gに対して200mAHを越えるような満充電状態
(酸素ガスが発生する電位)になるまで充電を行うと、
金属コバルト粒子の全表面をオキシ水酸化コバルトが覆
うだけでなく、オキシ水酸化コバルトがさらに高次化さ
れるため、その後、過放電しても決して放電されること
はなくなるので放電の効果は発揮されず、逆に電池容量
が低下してしまう。そのため、図1より明らかなよう
に、部分充電量の上限値は正極活物質1gに対して20
0mAHとすることが好ましい。したがって、このよう
に部分充電量を正極活物質1gに対して100〜200
mAHに規制すると、電池容量を増加させることが可能
になる。
【0024】請求項3に記載の発明においては、上述の
放電工程においては低電流で電池電圧が0.1Vになる
まで放電させるようにするとともに、次の放置工程での
電池電圧のピーク電圧が1.0V未満になるように同放
電工程において放電させるようにしたことにある。
【0025】通常の終止電圧(1.0V前後)までの放
電ではオキシ水酸化コバルトは決して放電されることは
ない。このため、オキシ水酸化コバルトを放電させるた
めには、さらに低い電位まで放電させる必要がある。金
属コバルトと水酸化コバルトの平衡電位は約0.1Vで
あって、この電位まで放電させることにより、部分充電
により金属コバルト表面に生成されたオキシ水酸化コバ
ルトの一部が水酸化コバルトに還元されて、金属コバル
トへのOH-の供給が可能になる。これにより、次の放
置工程において、放電により残存したオキシ水酸化コバ
ルトと金属コバルトの化学反応が行われるようになっ
て、その電池容量が増大するようになる。
【0026】0.1V以下まで放電する場合でも、放電
量が変わればオキシ水酸化コバルトの放電される量が変
わる。放電量が少ないとOH-の供給が行われないの
で、放置時の金属コバルトから水酸化コバルトへの酸化
反応が行われなくなる。水酸化コバルトとオキシ水酸化
コバルトの平衡電位が0.9〜1.0V付近であるの
で、放置工程での電池電圧のピーク電圧が1.0V未満
になるように放置させる必要がある。
【0027】また、大電流で放電させると電池電圧のピ
ーク電圧が1.0Vを越える電圧となるため、低電流で
放電させる必要がある。そのため、放電工程においては
低電流で電池電圧が0.1Vになるまで放電させるよう
にするとともに、次の放置工程での電池電圧のピーク電
圧が1.0V未満になるように放電させる必要がある。
【0028】請求項4に記載の発明においては、上述の
放電工程における放電電流は正極活物質1gに対して2
0mA以下にしたことにある。このように正極活物質1
gに対して20mA以下の電流で放電させることによ
り、次の放置工程での電池電圧のピーク電圧が1.0V
未満になるようになるので、放電により残存したオキシ
水酸化コバルトと金属コバルトが化学反応して、金属コ
バルトは酸化され、オキシ水酸化コバルトは還元され
て、共に水酸化コバルトになって、図3より明らかなよ
うに、その電池容量が増大するようになる。
【0029】請求項5に記載の発明においては、上述の
放電工程において電池の正負の両端子間に負荷を所定の
時間接続して放電させるようにしたことにある。このよ
うに、電池の正負の両端子間に負荷を接続して放電させ
るようにすると、所定の時間負荷を両端子間に接続する
だけで放電を制御することが可能となるため、放電量の
制御が容易になって、この種の活性化処理を容易に行う
ことができるようになる。
【0030】請求項6に記載の発明においては、上述の
所定の時間は1時間以上でかつ30時間以下としたこと
にある。負荷接続後、短時間で接続を切断すると放電量
が少なくなるため、オキシ水酸化コバルトの調整量が少
なくなって、放置時のピーク電圧が1.0V以上にな
り、その電池容量は増大しない。一方、長時間負荷を接
続した後切断すると、オキシ水酸化コバルトが完全に放
電されてしまう。このため、次の放置工程において、金
属コバルトの酸化反応が起こらなくなり、部分充電の効
果が損なわれてしまう。したがって、図4の実験結果よ
り、負荷の接続時間は1時間以上でかつ30時間以下と
することが好ましい。
【0031】請求項7に記載の発明においては、上述の
放置工程における放置時間を5時間以上としたことにあ
る。放電後に放置すると、放電により残存したオキシ水
酸化コバルトと金属コバルトが化学反応して、金属コバ
ルトは酸化され、オキシ水酸化コバルトは還元されて、
共に水酸化コバルトになる。このため、放置時間が長い
ほどその電池容量は増大するが、図5の実験結果より、
放置時間が5時間を越えると電池容量は一定になるた
め、放置時間は5時間以上とするのが好ましい。
【0032】請求項8に記載の発明においては、部分充
電工程と放電工程と放置工程とを1サイクルとする活性
化処理を複数サイクル繰り返して行うようにしたことに
ある。このように、活性化処理を複数サイクル繰り返し
て行うようにすると、導電ネットワークが多く形成され
るようになるので、活物質利用率がより向上した水酸化
ニッケル電極が容易に得られるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】
a.水酸化ニッケル活物質の作製 水酸化ナトリウム水溶液とアンモニア水との第1混合溶
液に硝酸ニッケル水溶液を加えて撹拌、混合して第2混
合溶液とする。この後、得られた第2混合溶液を濾過し
た後、水洗し、乾燥を行って、水酸化ニッケルを得る。
この場合、第2混合溶液全体のpHが11となるように
硝酸ニッケル水溶液、水酸化ナトリウム水溶液およびア
ンモニア水の添加量を調整する必要がある。
【0034】b.ニッケル電極の作製 上述のように作製した水酸化ニッケル90重量部と、金
属コバルト粉末5重量部と、水酸化コバルト粉末5重量
部とを混合し、これをメチルセルロース1重量%水溶液
20重量部とを混練してスラリーを作製する。このよう
にして作製したスラリーを発泡ニッケル等の導電性多孔
体からなる基板に充填した後、0.5mmの厚さに圧延
して非焼結式ニッケル正極を作製した。
【0035】c.カドミウム負極の作製 水酸化カドミウム90重量部と、金属カドミウム10重
量部とに、2重量%メチルセルロース糊料液25重量部
とを混練してペーストを作製した。このペーストをパン
チングメタルに塗布し、乾燥した後、圧延を行って非焼
結式カドミウム負極を作製した。
【0036】d.電池の作製 上述のように作製した非焼結式ニッケル正極と非焼結式
カドミウム負極とをポリプロピレン製不織布のセパレー
タを介して卷回して、渦巻状の電極群を作製した後、こ
の電極群を外装缶に挿入する。その後、外装缶内に電解
液として水酸化カリウム水溶液を注入し、更に外装缶を
封口して、公称容量1AHのAAサイズのニッケルカド
ミウム蓄電池を組み立てる。
【0037】e.部分充電試験 実施例1 上述のようにして組み立てた10種類のニッケルカドミ
ウム蓄電池を用意し、1Aの電流で充電(なお、この充
電を以後の通常の充電と区別するため、部分充電とい
う)を行い、それぞれ正極活物質1gに対して、0mA
H、25mAH、50mAH、75mAH、100mA
H、125mAH、150mAH、175mAH、20
0mAH、225mAHの充電量を付与する。なお、0
mAHの電池は全く部分充電を施さなかった電池を意味
する。
【0038】その後、正極活物質1gに対して10mA
の電流で電池電圧が0.1V以下になるまで放電を行っ
た後、12時間放置し、それぞれ実施例1の電池A1,
A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A
10とする。これらの実施例1のA1〜A10の放置後
の各電池を150mAの電流で18時間充電し、その後
1Cの電流で放電を行って、各電池の放電容量の測定を
行うと、図1に示すような結果となった。
【0039】実施例2 上述のようにして組み立てた10種類のニッケルカドミ
ウム蓄電池を用意し、1Aの電流で部分充電を行い、そ
れぞれ正極活物質1gに対して、0mAH、25mA
H、50mAH、75mAH、100mAH、125m
AH、150mAH、175mAH、200mAH、2
25mAHの充電量を付与する。その後、正極活物質1
gに対して1Ωの抵抗を両端子間に接続して15時間の
間放電を行った後、12時間放置し、それぞれ実施例2
の電池B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B
8,B9,B10とする。これらの実施例2のB1〜B
10の放置後の各電池を150mAの電流で18時間充
電し、その後1Cの電流で放電を行って、各電池の放電
容量の測定を行うと、図1に示すような結果となった。
【0040】比較例 上述のようにして組み立てた10種類のニッケルカドミ
ウム蓄電池を用意し、1Aの電流で部分充電を行い、そ
れぞれ正極活物質1gに対して、0mAH、25mA
H、50mAH、75mAH、100mAH、125m
AH、150mAH、175mAH、200mAH、2
25mAHの充電量を付与する。その後、12時間放置
し、それぞれ比較例の電池C1,C2,C3,C4,C
5,C6,C7,C8,C9,C10とする。これらの
比較例C1〜C10の放置後の各電池を150mAの電
流で18時間充電し、その後1Cの電流で放電を行っ
て、各電池の放電容量の測定を行うと、図1に示すよう
な結果となった。
【0041】なお、図1の縦軸は、全く部分充電を施さ
なかった電池A1,B1,C1の容量を100とした場合
の容量比を表している。このように、部分充電を行わな
いと以後の放電工程において放電できないため、単に放
置したことと同じになるため、これらの電池A1,B1,
C1の容量は等しくなる。
【0042】図1より明らかなように、正極活物質1g
に対して50mAHより部分充電量が少ないと、実施例
1の電池も、実施例2の電池も、比較例の電池も、その
電池容量は格別相違するものではないが、部分充電量が
増加するに伴い、実施例1および実施例2の電池は、比
較例の電池よりその電池容量が増大することが分かる。
このことから、部分充電後に放電を行うことにより電池
容量が増大する。この理由は、次のように考えることが
できる。
【0043】即ち、部分充電後に放電(過放電)を行う
と、部分充電により生成されたオキシ水酸化コバルトの
一部が水酸化コバルトに還元されて、金属コバルトへの
OH-の供給が可能となる。これにより、次の放置工程
において、放電により残存したオキシ水酸化コバルトと
金属コバルトの化学反応が行われるようになって、アル
カリ電解液に溶解する水酸化コバルトが生成されるよう
になり、活物質間に導電マトリックスが形成されるため
と考えられる。
【0044】したがって、部分充電量の下限値は、正極
活物質1gに対して50mAHとすることが好ましく、
最適には正極活物質1gに対して100mAHとするこ
とが好ましい。
【0045】また、正極活物質1gに対して200mA
Hを越えるような満充電状態(酸素ガスが発生する電
位)まで部分充電を行うと、大幅に容量が減少する。こ
の理由は次のように考えることができる。即ち、正極が
酸素ガスが発生する電位まで充電されると、前記化2お
よび化3の反応式により、金属コバルト粒子の全表面に
オキシ水酸化コバルトが生成されて、放電工程により放
電を行ってもその放電効果が発揮できないためと考えら
れる。したがって、この部分充電工程による充電量は、
正極活物質1gに対して50〜200mAHとするのが
好ましいく、最適には、正極活物質1gに対して100
〜200mAHとするのが好ましい。
【0046】f.放電試験(定電流放電試験) ついで、部分充電後の放電条件について検討した。上述
のようにして組み立てた8種類のニッケルカドミウム蓄
電池を用意し、それぞれ正極活物質1gに対して100
mAHの充電量の部分充電を行う。その後、正極活物質
1gに対して、5mA、10mA、15mA、20m
A、25mA、30mA、40mA、50mAの電流で
電池電圧が0.1V以下になるまで過放電を行った後、
10時間放置し、それぞれ実施例3の電池D1,D2,
D3,D4,D5,D6,D7,D8とする。
【0047】放置後の放置時間に対する電池電圧を測定
すると図2に示すような結果となった。図2より明らか
なように、過放電後のピーク電圧が1.0Vを越える電
圧のD5,D6,D7,D8の電池は時間が経過しても
電池電圧の低下が見られないが、ピーク電圧が1.0V
により低い電圧のD1,D2,D3,D4の電池は時間
が経過するに伴い、電池電圧が低下していることが分か
る。
【0048】放置後の実施例3のD1〜D8の各電池を
150mAの電流で18時間充電し、その後1Cの電流
で放電を行って、各電池の放電容量の測定を行うと、図
3に示すような結果となった。図3より明らかなよう
に、D1,D2,D3,D4の電池のように、正極活物
質1gに対して20mA以下の電流値で放電を行った場
合は、その放電容量はかなり高くなるが、D5,D6,
D7,D8の電池のようにそれ以上の電流で放電を行う
と、逆にその放電容量が低下していることが分かる。な
お、図3の縦軸は、全く放電を施さなかった電池の容量
を100とした場合の容量比を表している。
【0049】ここで、金属コバルトと水酸化コバルトの
平衡電位は約0.1Vであって、この電位まで放電させ
ることにより、部分充電で生成されたオキシ水酸化コバ
ルトは水酸化コバルトに還元される。そして、正極活物
質1gに対して20mA以下の低レートの電流値で放電
させると、部分充電により生成されたオキシ水酸化コバ
ルトの量が最適に調整されるため、放置後のピーク電圧
は1.0Vを越えなくなり、次の放置工程で、放電によ
り残存したオキシ水酸化コバルトと金属コバルトが化学
反応して、金属コバルトは酸化され、オキシ水酸化コバ
ルトは還元されて、共に水酸化コバルトになり、その電
池容量が増大するものと考えられる。
【0050】一方、D5,D6,D7,D8の電池のよ
うに、正極活物質1gに対して20mAを越える大きな
電流値で過放電を行うと、放置後のピーク電圧は1.0
Vを越える値となっており、放置後のピーク電圧が放置
時の化学反応に影響を及ぼしているものと考えられる。
このことは、水酸化コバルトとオキシ水酸化コバルトの
平衡電位が0.9〜1.0V付近であり、ピーク電圧が
この電圧を越える値になると、放置時に金属コバルトの
酸化反応が起こらないためと考えられる。このことか
ら、放電時の条件としては、その後の放置電圧のピーク
電圧が1.0Vを越えないように放電させる必要がある
とともに、その放電電流は正極活物質1gに対して20
mA以下にすることが好ましい。
【0051】g.負荷接続放電試験 ついで、部分充電後の電池の両端子間に負荷(抵抗値1
Ωの抵抗)を接続してその接続時間による放電条件につ
いて検討した。上述のようにして組み立てた14種類の
ニッケルカドミウム蓄電池を用意し、それぞれ正極活物
質1gに対して、100mAHの充電量で部分充電を行
う。その後、抵抗値1Ωの抵抗を0時間、0.25時
間、0.5時間、0.75時間、1時間、2時間、5時
間、10時間、15時間、20時間、25時間、30時
間、35時間、40時間それぞれ接続して放電を行った
後、10時間放置し、それぞれ実施例4の電池E1,E
2,E3,E4,E5,E6,E7,E8,E9,E1
0,E11,E12,E13,E14とする。
【0052】これらの実施例4のE1〜E14の各電池
を150mAの電流で18時間充電し、その後1Cの電
流で放電を行って、各電池の放電容量の測定を行うと、
図4に示すような結果となった。なお、図4の縦軸は、
部分充電を全く行わなかった電池の容量を100とした
場合の容量比を表している。
【0053】図4より明らかなように、抵抗の接続時間
が短いと、放電量が少なくなるため、オキシ水酸化コバ
ルトの調整量が少なくなる。そのため、放置時のピーク
電圧が1.0V以上になり、その電池容量は増大しない
こととなる。一方、抵抗の接続時間が長くなると、オキ
シ水酸化コバルトが完全に放電されてしまい、放置時に
金属コバルトの酸化反応が起こらなくなるため、部分充
電の効果が損なわれてしまうことによると考えられる。
この結果から分かるように、抵抗の接続時間は1〜30
時間に設定することが好ましい。また、このように電池
の両端子間に抵抗(負荷)を接続して放電させるように
すると、一定の時間だけ両端子間に抵抗を接続するだけ
で放電を制御することが可能になるため、放電量の制御
が容易になる。
【0054】h.放置試験 ついで、放電後の放置時間について検討を行った。上述
のようにして組み立てた9種類のニッケルカドミウム蓄
電池を用意し、それぞれ正極活物質1gに対して、10
0mAHの充電量で部分充電を行う。その後、正極活物
質1gに対して10mAの電流でその電池電圧が0.1
Vに低下するまで放電を行い、0時間、1時間、2時
間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、10時
間放置し、それぞれ実施例5の電池F1,F2,F3,
F4,F5,F6,F7,F8,F9とする。
【0055】これらの実施例5のF1〜F9の各電池を
150mAの電流で18時間充電し、その後1Cの電流
で放電を行って、各電池の放電容量の測定を行うと、図
5に示すような結果となった。放電後に放置すると、放
電により残存したオキシ水酸化コバルトと金属コバルト
が化学反応して、金属コバルトは酸化され、オキシ水酸
化コバルトは還元されて、共に水酸化コバルトになる。
このため、図5より明らかなように、放置時間が長いほ
どその電池容量が増大するようになるが、放置時間が5
時間を越えるとその電池容量ほぼ一定になる。このた
め、放置時間は5時間以上にすることが好ましい。ま
た、試験結果を示していないが、抵抗を接続して放電さ
せた場合もほぼ同様な結果となった。なお、図5の縦軸
は、部分充電を全く行わなかった電池の容量を100と
した場合の容量比を表している。
【0056】i.繰り返し試験 ついで、上述した活性化処理を繰り返した場合の効果に
ついて検討する。上述のようにして組み立てた3種類の
ニッケルカドミウム蓄電池を用意し、活性化処理を行わ
ないで150mAの電流で18時間充電し、その後1C
の電流で放電を行ったものを電池G1とする。また、正
極活物質1gに対して、100mAHの充電量で部分充
電を行った後、正極活物質1gに対して10mAの電流
でその電池電圧が0.1Vに低下するまで放電を行い、
12時間放置した後、150mAの電流で18時間充電
し、その後1Cの電流で放電を行ったものを電池G2と
する。さらに、正極活物質1gに対して、100mAH
の充電量で部分充電を行った後、正極活物質1gに対し
て10mAの電流でその電池電圧が0.1Vに低下する
まで放電を行い、12時間放置した後、再度、正極活物
質1gに対して、100mAHの充電量で部分充電を行
った後、正極活物質1gに対して10mAの電流でその
電池電圧が0.1Vに低下するまで放電を行い、12時
間放置した後、150mAの電流で18時間充電し、そ
の後1Cの電流で放電を行ったものを電池G3とする。
【0057】これらのG1〜G3の各電池の放電容量比
(G1の電池容量を100とする)を示すと、表1に示
すような結果となった。
【0058】
【表1】
【0059】表1より明らかなように、本発明の活性化
処理を1回行った電池G2は、活性化処理を行わなかっ
た電池G1よりその放電容量が向上している。そして、
活性化処理を2回行った電池G3は活性化処理を1回行
った電池G2より更にその放電容量が向上している。こ
のことから、繰り返して活性化処理を複数回行うことに
より、一層その放電容量が増加することが分かる。な
お、上記活性化処理においては、正極活物質1gに対し
て10mAという低レートでの放電を行った場合の実験
結果のみを示しているが、抵抗を接続して放電を行って
も同様な効果を奏する。
【0060】上記したように、本実施形態においては、
部分充電工程により金属コバルト粉末の粒子表面にオキ
シ水酸化コバルトを生成させた後、放電工程により過放
電させると、部分充電工程により生成されたオキシ水酸
化コバルトと金属コバルトが反応し、部分充電により生
成されたオキシ水酸化コバルトの量を調整する。この後
放置することにより、放電工程により残存したオキシ水
酸化コバルトと金属コバルトが化学反応する。この反応
により、金属コバルトの酸化反応が発生して、導電マト
リックスを向上させることが可能となる。このため、金
属コバルトが酸化される量が増大するため、導電マトリ
ックスの生成量が増大することとなり、放電深度が深く
なって高容量化を達成できるようになる。
【0061】なお、一般的に、密閉型アルカリ蓄電池
は、正極の充電可能な容量より負極の充電可能容量を大
きくして、正極が満充電になった時点で、負極に未充電
部分を残存させるように構成すると同時に、正極が完全
に放電した時点で、負極に充電部分を残存させるように
構成している。そして、この正極の満充電時における負
極の未充電部分を充電リザーブ、正極の完全放電時にお
ける負極の充電部分を放電リザーブと呼んでいる。
【0062】そして、この充電リザーブの存在によっ
て、充電時には正極から酸素ガスが優先的に発生し、こ
の酸素ガスを負極において消費させることによって、負
極からの水素ガスの発生を防止することができる。一
方、放電リザーブの存在によって、電池の容量が正極の
容量に規制される正極支配と呼ばれる状態となり、放電
時に負極が過放電することを回避でき、負極の不活性化
が防止できる。
【0063】そこで、本発明の活性化処理に適した充電
リザーブおよび放電リザーブの設定を行う必要がある。
つまり、金属コバルトの酸化(充電)によって生成した
オキシ水酸化コバルトは、電池内では安定であり、放電
時に還元を受けない。このため、電池を組み立てた後
に、充電によって、正極において金属コバルトがオキシ
水酸化コバルトに変化するために費やされる電気量は、
正極の放電には費やすことができない。即ち、負極はこ
の電気量分だけ放電リザーブが増加することになる。
【0064】この金属コバルトの酸化により放電リザー
ブが増加すると、充電リザーブが減少することになるた
め、過充電時に負極から水素ガスが発生する恐れが生じ
る。よって、この放電リザーブの増加量(充電リザーブ
の減少量)を考慮し、電池組立後に行う活性化処理の部
分充電量と、電池組立時に予め負極に存在する充電量の
合計の値を適切に設定する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の部分充電工程における充電量と電池
容量比の関係を示す図である。
【図2】 本発明の放電工程後放置時間と電池電圧の関
係を示す図である。
【図3】 本発明の放電工程における放電電流と電池容
量比の関係を示す図である。
【図4】 本発明の放電工程における負荷接続時間と電
池容量比の関係を示す図である。
【図5】 本発明の放置工程における放置時間と電池容
量比の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 和昭 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 玉川 卓也 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケルを正極活物質とし、この
    正極活物質に金属コバルト粉末を導電剤として添加した
    非焼結式ニッケル正極を備えたアルカリ蓄電池の製造方
    法であって、 前記非焼結式ニッケル正極とアルカリ電解液とを備えた
    アルカリ蓄電池を組み立てる組立工程と、 前記組立工程により組み立てられたアルカリ蓄電池を充
    電して前記金属コバルト粉末の粒子表面にオキシ水酸化
    コバルトを生成させるとともに、この充電を酸素ガスが
    発生する電位になるまでに停止する部分充電工程と、 前記部分充電工程により生成されたオキシ水酸化コバル
    トを放電させてその後にオキシ水酸化コバルトと金属コ
    バルトが反応する電位までオキシ水酸化コバルトの量を
    調整する放電工程と、 前記放電工程により残存したオキシ水酸化コバルトと金
    属コバルトとを化学反応させて、オキシ水酸化コバルト
    が水酸化コバルトに完全に還元されるまで放置する放置
    工程と、 前記放置工程を経たアルカリ蓄電池に所定の充放電処理
    を行う充放電工程とを備えたことを特徴とするアルカリ
    蓄電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記部分充電工程における部分充電量は
    正極活物質1gに対して100〜200mAHであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記放電工程においては低電流で電池電
    圧が0.1V以下になるまで放電させるようにするとと
    もに、前記放置工程で上昇する電池電圧のピーク電圧が
    1.0V未満になるように同放電工程において放電させ
    るようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記放電工程における放電電流は正極活
    物質1gに対して20mA以下であることを特徴とする
    請求項3に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記放電工程において前記電池の正負の
    両端子間に負荷を所定の時間接続して放電するようにし
    たことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに
    記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記所定の時間は1時間以上でかつ30
    時間以下であることを特徴とする請求項5に記載のアル
    カリ蓄電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記放置工程における放置時間は5時間
    以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のい
    ずかに記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記部分充電工程と前記放電工程と前記
    放置工程とを1サイクルとする活性化処理を複数サイク
    ル繰り返して行うようにしたことを特徴とする請求項1
    から請求項7のいずれかに記載のアルカリ蓄電池の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9337483B2 (en) 2013-01-14 2016-05-10 Powergenix Systems, Inc. Pasted nickel hydroxide electrode and additives for rechargeable alkaline batteries
JP2021002464A (ja) * 2019-06-21 2021-01-07 プライムアースEvエナジー株式会社 ニッケル水素二次電池の製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9337483B2 (en) 2013-01-14 2016-05-10 Powergenix Systems, Inc. Pasted nickel hydroxide electrode and additives for rechargeable alkaline batteries
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