JPH10254332A - 並列計算機を用いた電子ホログラムの作成方法 - Google Patents
並列計算機を用いた電子ホログラムの作成方法Info
- Publication number
- JPH10254332A JPH10254332A JP6047397A JP6047397A JPH10254332A JP H10254332 A JPH10254332 A JP H10254332A JP 6047397 A JP6047397 A JP 6047397A JP 6047397 A JP6047397 A JP 6047397A JP H10254332 A JPH10254332 A JP H10254332A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- processors
- hologram
- processor
- point light
- light sources
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Holo Graphy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 N個のプロセサをトーラス状に結合したデ
ータ駆動型並列計算機を用いて作成したビデオ信号によ
ってレーザ光を空間光変調して垂直ライン数Lの電子ホ
ログラムを作成する際に、1≦h≦N、1≦v≦Lかつ
hv≦Nを満たす任意の自然数h,nをパラメータとし
て全プロセサをhプロセサずつvブロックに分割し、か
つ第jブロックの第iプロセサをPE[i,j]と表す
と、垂直方向にn番目、水平方向にm番目の要素ホログ
ラムはPE[mod(m,h)、mod(n,v)]に
割り当てる。 【効果】 並列計算機の各プロセサの負荷が均等に分散
されるので、画像全体の正規化の処理時間を短縮するこ
とができる。
ータ駆動型並列計算機を用いて作成したビデオ信号によ
ってレーザ光を空間光変調して垂直ライン数Lの電子ホ
ログラムを作成する際に、1≦h≦N、1≦v≦Lかつ
hv≦Nを満たす任意の自然数h,nをパラメータとし
て全プロセサをhプロセサずつvブロックに分割し、か
つ第jブロックの第iプロセサをPE[i,j]と表す
と、垂直方向にn番目、水平方向にm番目の要素ホログ
ラムはPE[mod(m,h)、mod(n,v)]に
割り当てる。 【効果】 並列計算機の各プロセサの負荷が均等に分散
されるので、画像全体の正規化の処理時間を短縮するこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、並列計算機を用いた
電子ホログラムの作成方法に関し、特に多数のプロセサ
を結合した並列計算機を用いて作成したビデオ信号によ
ってレーザ光を空間光変調して電子ホログラムを作成す
るときに、一定のアルゴリズムに従って要素ホログラム
をプロセサに割り当てることによって電子ホログラムを
高速に作成する方法に関する。
電子ホログラムの作成方法に関し、特に多数のプロセサ
を結合した並列計算機を用いて作成したビデオ信号によ
ってレーザ光を空間光変調して電子ホログラムを作成す
るときに、一定のアルゴリズムに従って要素ホログラム
をプロセサに割り当てることによって電子ホログラムを
高速に作成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ホログラフィに用いられる計算機合
成ホログラム(CGH)の生成には膨大な計算が必要で
あるが、内在する並列度が大きいため並列処理に適して
いる。本件発明者等は、たとえば1993年第24回画
像工学コンファレンス論文集8−2「電子ホログラフィ
システムにおけるCGH計算の高速化」と題する論文に
おいて発表したように、既に、64プロセサを備えたデ
ータ駆動型並列計算機CYBERFLOW‐64(商品
名)を用いてCGHのリアルタイム動画生成を実現して
いる。しかしながら、CGHの計算量は点光源数に比例
するため、これは簡単な画像に限られていた。
成ホログラム(CGH)の生成には膨大な計算が必要で
あるが、内在する並列度が大きいため並列処理に適して
いる。本件発明者等は、たとえば1993年第24回画
像工学コンファレンス論文集8−2「電子ホログラフィ
システムにおけるCGH計算の高速化」と題する論文に
おいて発表したように、既に、64プロセサを備えたデ
ータ駆動型並列計算機CYBERFLOW‐64(商品
名)を用いてCGHのリアルタイム動画生成を実現して
いる。しかしながら、CGHの計算量は点光源数に比例
するため、これは簡単な画像に限られていた。
【0003】そこで並列プロセサの数を多くし、高品質
なCGHをより高速に生成することが容易に考えられ
る。
なCGHをより高速に生成することが容易に考えられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、音響光学素
子の回折角を考慮した計算の削除や隠面消去を行うと、
計算量は水平方向に均一ではなくなる。また、情報量を
削減するために垂直視差情報を放棄すると、各x−z平
面の点光源数の差により計算量は垂直方向にも一様に分
布しない。したがって、従来のようにホログラムを単純
に領域分割してプロセサに割り付けるとプロセサによっ
て負荷が異なることになる。
子の回折角を考慮した計算の削除や隠面消去を行うと、
計算量は水平方向に均一ではなくなる。また、情報量を
削減するために垂直視差情報を放棄すると、各x−z平
面の点光源数の差により計算量は垂直方向にも一様に分
布しない。したがって、従来のようにホログラムを単純
に領域分割してプロセサに割り付けるとプロセサによっ
て負荷が異なることになる。
【0005】一方、高品質な画像の生成に不可欠な画像
全体で均一な正規化は全プロセサの計算が終了するまで
実行できない。したがって、このようにプロセサによっ
て負荷が異なると大幅な処理速度の低下を招き、プロセ
サ台数に比例した処理速度の向上が期待できなくなる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、高品質なCGH
をより高速に作成することができる、並列計算機を用い
る電子ホログラムの作成方法を提供することである。
全体で均一な正規化は全プロセサの計算が終了するまで
実行できない。したがって、このようにプロセサによっ
て負荷が異なると大幅な処理速度の低下を招き、プロセ
サ台数に比例した処理速度の向上が期待できなくなる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、高品質なCGH
をより高速に作成することができる、並列計算機を用い
る電子ホログラムの作成方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、簡単にいえ
ば、N個のプロセサが並列動作可能に結合された並列計
算機を用いて作成したビデオ信号によってレーザ光を空
間光変調して1次元ホログラム数Lの電子ホログラムを
作成するための方法において、1≦h≦N、1≦v≦
L、かつhv≦Nを満たす任意の自然数h,vをパラメ
ータとして全プロセサをhプロセサずつvブロックに分
割し、かつ第jブロックの第iプロセサをPE[i,
j]と表すと、垂直方向にn番目、水平方向にm番目の
要素ホログラムはPE[mod(m,h)、mod
(n,v)]に割り当てるようにしたことを特徴とす
る、並列計算機を用いた電子ホログラムの作成方法であ
る。
ば、N個のプロセサが並列動作可能に結合された並列計
算機を用いて作成したビデオ信号によってレーザ光を空
間光変調して1次元ホログラム数Lの電子ホログラムを
作成するための方法において、1≦h≦N、1≦v≦
L、かつhv≦Nを満たす任意の自然数h,vをパラメ
ータとして全プロセサをhプロセサずつvブロックに分
割し、かつ第jブロックの第iプロセサをPE[i,
j]と表すと、垂直方向にn番目、水平方向にm番目の
要素ホログラムはPE[mod(m,h)、mod
(n,v)]に割り当てるようにしたことを特徴とす
る、並列計算機を用いた電子ホログラムの作成方法であ
る。
【0007】
【作用】この発明に従って要素ホログラムを各プロセサ
に割り当てるようにすると、水平方向の要素ホログラム
数がプロセサ数に対して十分大きいため、計算量が水平
方向に一様でなくてもブロック内のプロセサに負荷を均
等に分散させることができる。また、垂直方向に対して
は、通常の画像では隣接するする1次元ホログラム上の
点光源数はほぼ等しい場合が多く、離れるほど相関がな
くなると考えられる。したがって、ブロック数が小さい
ほどブロック間の点光源数の差は小さくなるので、各プ
ロセサの負荷が分散される。
に割り当てるようにすると、水平方向の要素ホログラム
数がプロセサ数に対して十分大きいため、計算量が水平
方向に一様でなくてもブロック内のプロセサに負荷を均
等に分散させることができる。また、垂直方向に対して
は、通常の画像では隣接するする1次元ホログラム上の
点光源数はほぼ等しい場合が多く、離れるほど相関がな
くなると考えられる。したがって、ブロック数が小さい
ほどブロック間の点光源数の差は小さくなるので、各プ
ロセサの負荷が分散される。
【0008】
【発明の効果】この発明によれば、並列計算機の各プロ
セサに負荷を均一に分散させることができるので、並列
計算機の処理能力を最大限に引き出せ、従来に比べて高
品質な電子ホログラムを高速に作成することができる。
セサに負荷を均一に分散させることができるので、並列
計算機の処理能力を最大限に引き出せ、従来に比べて高
品質な電子ホログラムを高速に作成することができる。
【0009】
【実施例】図1を参照して、この実施例の電子ホログラ
フィシステム10は、たとえば音響光学素子(AOD)
を用いた空間光変調器12を含み、空間光変調器12
に、たとえばCYBERFLOW(商品名)のような並
列計算機14で生成されたCGHデータがビデオ信号と
して入力される。空間光変調器12ではビデオ信号に応
じて屈折率変化が生じ、入射レーザ光16が回折され
る。このレーザ光16をポリゴンミラー18およびガル
バノミラー20によって水平および垂直にそれぞれ走査
するこによって再生像が得られる。再生像はレンズ22
を通して、拡散板24を通して観察される。ただし、こ
の実施例では、情報量を削減するために再生像に垂直方
向の視差を含んでいないため、拡散板24は再生像を縦
方向のみに拡散する。
フィシステム10は、たとえば音響光学素子(AOD)
を用いた空間光変調器12を含み、空間光変調器12
に、たとえばCYBERFLOW(商品名)のような並
列計算機14で生成されたCGHデータがビデオ信号と
して入力される。空間光変調器12ではビデオ信号に応
じて屈折率変化が生じ、入射レーザ光16が回折され
る。このレーザ光16をポリゴンミラー18およびガル
バノミラー20によって水平および垂直にそれぞれ走査
するこによって再生像が得られる。再生像はレンズ22
を通して、拡散板24を通して観察される。ただし、こ
の実施例では、情報量を削減するために再生像に垂直方
向の視差を含んでいないため、拡散板24は再生像を縦
方向のみに拡散する。
【0010】図1実施例で用いられる並列計算機14
は、具体的には、図2に示すように多数のプロセサPが
2次元トーラス状に相互接続されて構成される。並列計
算機14として利用可能なCYBERFLOW(商品
名)は問題に内在する並列性を自然に引き出すことがで
きるデータ駆動方式の並列計算機であり、各プロセサP
がローカルメモリを備えた分散メモリ方式を採用してい
る。なお、実施例では、並列計算機14は128個のプ
ロセサで構成される。その最大性能は1.28GFLO
PSである。
は、具体的には、図2に示すように多数のプロセサPが
2次元トーラス状に相互接続されて構成される。並列計
算機14として利用可能なCYBERFLOW(商品
名)は問題に内在する並列性を自然に引き出すことがで
きるデータ駆動方式の並列計算機であり、各プロセサP
がローカルメモリを備えた分散メモリ方式を採用してい
る。なお、実施例では、並列計算機14は128個のプ
ロセサで構成される。その最大性能は1.28GFLO
PSである。
【0011】詳細には図示しないが、各プロセサは4系
統の通信ポートを備えた通信制御部および演算などの命
令を実行する命令処理部から構成されており、これらは
並列に動作する。さらに、命令処理部には通常の演算と
並列に実行できるベクトル演算機構を備えており、多数
のデータに同一の演算を行うような処理を一括して高速
に行える。また、各プロセサの演算結果はフレームバッ
ファ26に即時描画することができる。
統の通信ポートを備えた通信制御部および演算などの命
令を実行する命令処理部から構成されており、これらは
並列に動作する。さらに、命令処理部には通常の演算と
並列に実行できるベクトル演算機構を備えており、多数
のデータに同一の演算を行うような処理を一括して高速
に行える。また、各プロセサの演算結果はフレームバッ
ファ26に即時描画することができる。
【0012】計算機合成ホログラムの生成について説明
する。点(x,y)における要素ホログラムは、数1で
求めることができる。
する。点(x,y)における要素ホログラムは、数1で
求めることができる。
【0013】
【数1】
【0014】ここで、Ai ,φi およびφR はそれぞれ
或る点光源の振幅,その初期位相および参照光の初期位
相である。この式はすべての視差情報を含んでいるが、
立体の認識に余り重要ではない垂直視差情報や、音響光
学素子の回折角の限界により表示に反映されない情報は
削除し、高速化を図った。すなわち、要素ホログラムと
同一1x−z平面上にあり、かつ音響光学素子の回折範
囲内の点光源のみについて数1を計算する。
或る点光源の振幅,その初期位相および参照光の初期位
相である。この式はすべての視差情報を含んでいるが、
立体の認識に余り重要ではない垂直視差情報や、音響光
学素子の回折角の限界により表示に反映されない情報は
削除し、高速化を図った。すなわち、要素ホログラムと
同一1x−z平面上にあり、かつ音響光学素子の回折範
囲内の点光源のみについて数1を計算する。
【0015】また、数1より各要素ホログラムは独立に
計算できるので、これらを並列計算機14の各プロセサ
で並列に計算する。さらに、並列計算機たとえばCYB
ERFLOWの特長であるベクトル演算機構を活用し
て、水平方向の1次元ホログラムを一括して計算する。
このようにしてCGH生成の高速化を図った。ホログラ
ムを単純に領域分割して並列化すると、音響光学素子の
回折角を考慮した情報量の削減により各点光源の影響は
1次元ホログラム全体に及ばなくなるため、各プロセサ
の負荷が等しくなくなるという問題が生じる。
計算できるので、これらを並列計算機14の各プロセサ
で並列に計算する。さらに、並列計算機たとえばCYB
ERFLOWの特長であるベクトル演算機構を活用し
て、水平方向の1次元ホログラムを一括して計算する。
このようにしてCGH生成の高速化を図った。ホログラ
ムを単純に領域分割して並列化すると、音響光学素子の
回折角を考慮した情報量の削減により各点光源の影響は
1次元ホログラム全体に及ばなくなるため、各プロセサ
の負荷が等しくなくなるという問題が生じる。
【0016】一方、隠面消去は各点光源からの光波が障
害物によって遮られて到達しない領域の計算を削除する
ことによって実現できる。したがって、これによっても
各プロセサの負荷は同一ではなくなる。また、垂直方向
の視差情報の削除により、各1次元ホログラムの計算量
はその1次元ホログラムが属するx−z平面上の点光源
数に比例する。一般に異なるx−z平面上の点光源数は
同一ではないため各1次元ホログラムの計算量に差が生
じ、やはり各プロセサの負荷が同一ではなくなる。
害物によって遮られて到達しない領域の計算を削除する
ことによって実現できる。したがって、これによっても
各プロセサの負荷は同一ではなくなる。また、垂直方向
の視差情報の削除により、各1次元ホログラムの計算量
はその1次元ホログラムが属するx−z平面上の点光源
数に比例する。一般に異なるx−z平面上の点光源数は
同一ではないため各1次元ホログラムの計算量に差が生
じ、やはり各プロセサの負荷が同一ではなくなる。
【0017】一方、高品質な画像の生成には画像全体で
均一な正規化を行うことか不可欠である。そのためには
プロセサ間通信によりCGH全体の最大値/最小値を求
める必要があり、全プロセサの計算の終了を待たなけれ
ばならない。したがって、このように各プロセサの負荷
に差があると、最も遅いプロセサの終了まで正規化を行
うことができないため処理効率が大幅に低下し、プロセ
サ台数に比例した処理速度の向上が期待できなくなる。
したがって、各プロセサに負荷を均等に分散させること
ができる並列化アルゴリズムの開発が不可欠である。
均一な正規化を行うことか不可欠である。そのためには
プロセサ間通信によりCGH全体の最大値/最小値を求
める必要があり、全プロセサの計算の終了を待たなけれ
ばならない。したがって、このように各プロセサの負荷
に差があると、最も遅いプロセサの終了まで正規化を行
うことができないため処理効率が大幅に低下し、プロセ
サ台数に比例した処理速度の向上が期待できなくなる。
したがって、各プロセサに負荷を均等に分散させること
ができる並列化アルゴリズムの開発が不可欠である。
【0018】そこで、この発明では、並列計算機14の
各プロセサの負荷を均等にするために、次のような並列
化アルゴリズムを採用した。 (1) 全プロセサ数がN、ホログラムの垂直方向のライ
ン数がLのとき、全プロセサをhプロセサずつvブロッ
クに分割する。ただし、パラメータhおよびvは、1≦
h≦N、1≦v≦L、かつhv≦Nを満たす自然数であ
る。
各プロセサの負荷を均等にするために、次のような並列
化アルゴリズムを採用した。 (1) 全プロセサ数がN、ホログラムの垂直方向のライ
ン数がLのとき、全プロセサをhプロセサずつvブロッ
クに分割する。ただし、パラメータhおよびvは、1≦
h≦N、1≦v≦L、かつhv≦Nを満たす自然数であ
る。
【0019】(2) 第jブロックの第iプロセサをPE
[i,j]と表すと、垂直方向にn番目、水平方向にm
番目の要素ホログラムはPE[mod(m,h)、mo
d(n,v)]に割り当てる。並列化の様子を図3に示
す。図中の小さな四角形が要素ホログラムであり、これ
が割り当てられるプロセサPE[i,j]を単にi,j
と表している。このように並列化すると、水平方向の要
素ホログラム数がプロセサ数に対して十分大きいため、
計算量が水平方向に一様でなくてもブロック内のプロセ
サに負荷を均等に分散させることができる。
[i,j]と表すと、垂直方向にn番目、水平方向にm
番目の要素ホログラムはPE[mod(m,h)、mo
d(n,v)]に割り当てる。並列化の様子を図3に示
す。図中の小さな四角形が要素ホログラムであり、これ
が割り当てられるプロセサPE[i,j]を単にi,j
と表している。このように並列化すると、水平方向の要
素ホログラム数がプロセサ数に対して十分大きいため、
計算量が水平方向に一様でなくてもブロック内のプロセ
サに負荷を均等に分散させることができる。
【0020】一方、垂直方向に対しては、通常の画像で
は隣接するする1次元ホログラム上の点光源数はほぼ等
しい場合が多く、離れるほど相関がなくなると考えられ
る。したがって、ブロック数vが小さいほどブロック間
の点光源数の差は小さくなると言える。しかしながら、
ブロック数vが小さいとブロック内のプロセサ数hが大
きくなり、各プロセサに割り当てられる1次元ホログラ
ム上の要素ホログラム数が少なくなるため、CYBER
FLOWの特長であるベクトル演算の効果か小さくな
る。つまり、水平方向に着目すれば、各プロセサに割り
当てられる1次元ホログラム上の要素ホログラム数がベ
クトル演算の最大要素数である4096以下で、かつで
きるだけ大きいほどよいと考えられる。このように、
h,vはトレードオフの関係にあり、問題に最適な値で
並列化することが必要である。
は隣接するする1次元ホログラム上の点光源数はほぼ等
しい場合が多く、離れるほど相関がなくなると考えられ
る。したがって、ブロック数vが小さいほどブロック間
の点光源数の差は小さくなると言える。しかしながら、
ブロック数vが小さいとブロック内のプロセサ数hが大
きくなり、各プロセサに割り当てられる1次元ホログラ
ム上の要素ホログラム数が少なくなるため、CYBER
FLOWの特長であるベクトル演算の効果か小さくな
る。つまり、水平方向に着目すれば、各プロセサに割り
当てられる1次元ホログラム上の要素ホログラム数がベ
クトル演算の最大要素数である4096以下で、かつで
きるだけ大きいほどよいと考えられる。このように、
h,vはトレードオフの関係にあり、問題に最適な値で
並列化することが必要である。
【0021】なお、上述の並列化アルゴリズムにおける
パラメータhおよびvは、図4に示す方法で決定でき
る。すなわち、まず、ブロック数vを最大値に設定す
る。そして、そのブロック数vが最小値かどうか判断す
る。このとき、ブロック数vが最小値でなければ、値C
が適宜の閾値Kに比べて小さいかどうか判断する。この
値Cは、数2で求められるものであり、並列計算機の負
荷分数を判定するための値である。
パラメータhおよびvは、図4に示す方法で決定でき
る。すなわち、まず、ブロック数vを最大値に設定す
る。そして、そのブロック数vが最小値かどうか判断す
る。このとき、ブロック数vが最小値でなければ、値C
が適宜の閾値Kに比べて小さいかどうか判断する。この
値Cは、数2で求められるものであり、並列計算機の負
荷分数を判定するための値である。
【0022】
【数2】C=NPmax /hPall ただし、Nは全プロセサ数、hは1ブロック当たりのプ
ロセサ数、Pmax は各ブロックの点光源数のうち最大
値、そしてPall は全点光源数である。そして、値Cが
閾値Kより小さくないときには、ブロック数vを半分
(v/2)にして再度繰り返す。一方、値Cが閾値Kよ
り小さいとき、または、ブロック数が最小値であるとき
には、1ブロック当たりのプロセサ数hとしてN/vを
設定する。
ロセサ数、Pmax は各ブロックの点光源数のうち最大
値、そしてPall は全点光源数である。そして、値Cが
閾値Kより小さくないときには、ブロック数vを半分
(v/2)にして再度繰り返す。一方、値Cが閾値Kよ
り小さいとき、または、ブロック数が最小値であるとき
には、1ブロック当たりのプロセサ数hとしてN/vを
設定する。
【0023】つまり、上述のアルゴリズムを実現するに
あたっては、まず、判断値Cによったブロック数vを決
定し、最適ブロック数を決めた後、1ブロック当たりの
プロセサ数が決定される。また、判断値Cは、各プロセ
サに均等に負荷が分散されるときに「1」となるので、
閾値Kとしてはそれよりやや大きい値を選定する。
あたっては、まず、判断値Cによったブロック数vを決
定し、最適ブロック数を決めた後、1ブロック当たりの
プロセサ数が決定される。また、判断値Cは、各プロセ
サに均等に負荷が分散されるときに「1」となるので、
閾値Kとしてはそれよりやや大きい値を選定する。
【0024】この発明に従った上述のアルゴリズムの効
果を実証するため、発明者等は、各x‐z平面に点光源
数が表1のように分布した物体「円柱」で実験を行っ
た。実験結果を表2に示す。なお、表2における実行速
度比は64プロセサ構成のCYBERFLOW−64を
用いて従来の手法で並列化した場合の実行速度との比を
示している。
果を実証するため、発明者等は、各x‐z平面に点光源
数が表1のように分布した物体「円柱」で実験を行っ
た。実験結果を表2に示す。なお、表2における実行速
度比は64プロセサ構成のCYBERFLOW−64を
用いて従来の手法で並列化した場合の実行速度との比を
示している。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表2のように、h=8,v=16の場合が
最も高速であり、64プロセサ構成で従来の並列化手法
の場合の2.75倍というプロセサ台数比を上回る結果
が得られた。逆に、h=128,v=1の場合は最も遅
い。この結果を分析するために、表3に各vについて各
ブロックに含まれる点光源数を示す。ただし、v=32
の場合は各ブロックの点光源数は表1に示した各x−z
平面上の点光源数そのものであり、v=1の場合は各プ
ロセサの点光源数は同一となる。また、各1次元ホログ
ラムに含まれる要素ホログラム数は40960であり、
各プロセサにはこれをh等分したものが割り当てられ
る。
最も高速であり、64プロセサ構成で従来の並列化手法
の場合の2.75倍というプロセサ台数比を上回る結果
が得られた。逆に、h=128,v=1の場合は最も遅
い。この結果を分析するために、表3に各vについて各
ブロックに含まれる点光源数を示す。ただし、v=32
の場合は各ブロックの点光源数は表1に示した各x−z
平面上の点光源数そのものであり、v=1の場合は各プ
ロセサの点光源数は同一となる。また、各1次元ホログ
ラムに含まれる要素ホログラム数は40960であり、
各プロセサにはこれをh等分したものが割り当てられ
る。
【0028】h=128,v=1の場合は前記プロセサ
の点光源数が同一となるため負荷が均等になるが、各プ
ロセサに割り当てられる1次元ホログラム上の要素ホロ
グラム数が最小であるためベクトル演算の効果が小さ
い。したがって、実行速度が最も遅くなるものと考えら
れる。逆に、h=4,v=32の場合は前記プロセサの
1次元ホログラム上の要素ホログラム数は最大である
が、ベクトル演算の最大要素数4096を超える。しか
し、この画像では音響光学素子の回折角の限界により約
3/4の要素ホログラムが削除されるため、この場合も
ベクトル間の最大要素数以下となる。したがって、水平
方向にのみ着目すればこの場合が最も高速になると考え
られるが、表2のように実験ではh=128,v=1の
次に遅いという結果が得られた。この原因は、各ブロッ
クの点光源数が表1に示した各x−z平面上の点光源数
そのものになり、かなりのばらつきかでるためであると
考えられる。
の点光源数が同一となるため負荷が均等になるが、各プ
ロセサに割り当てられる1次元ホログラム上の要素ホロ
グラム数が最小であるためベクトル演算の効果が小さ
い。したがって、実行速度が最も遅くなるものと考えら
れる。逆に、h=4,v=32の場合は前記プロセサの
1次元ホログラム上の要素ホログラム数は最大である
が、ベクトル演算の最大要素数4096を超える。しか
し、この画像では音響光学素子の回折角の限界により約
3/4の要素ホログラムが削除されるため、この場合も
ベクトル間の最大要素数以下となる。したがって、水平
方向にのみ着目すればこの場合が最も高速になると考え
られるが、表2のように実験ではh=128,v=1の
次に遅いという結果が得られた。この原因は、各ブロッ
クの点光源数が表1に示した各x−z平面上の点光源数
そのものになり、かなりのばらつきかでるためであると
考えられる。
【0029】一方、要素ホログラム数が2番目に大きい
h=8,v=16の場合は、表3のように各ブロックの
点光源数のばらつきも比較的小さい。したがって、この
場合が最も高速になるものと考えられる。
h=8,v=16の場合は、表3のように各ブロックの
点光源数のばらつきも比較的小さい。したがって、この
場合が最も高速になるものと考えられる。
【0030】
【表3】
【0031】このように、各プロセサに均等に負荷分散
することができる並列化アルゴリズムを考案し、従来の
2倍の128プロセサを備えたデータ駆動型並列計算機
CYBERFLOW−128を用いて実験を行った。実
験に用いた画像では水平方向に8プロセサ、垂直方向に
16ブロックに分割した場合が最も高速であり、プロセ
サの台数比を上回る高速化が図れた。
することができる並列化アルゴリズムを考案し、従来の
2倍の128プロセサを備えたデータ駆動型並列計算機
CYBERFLOW−128を用いて実験を行った。実
験に用いた画像では水平方向に8プロセサ、垂直方向に
16ブロックに分割した場合が最も高速であり、プロセ
サの台数比を上回る高速化が図れた。
【0032】また、この並列化アルゴリズムによれば、
さらにプロセサを増設したした場合でも各プロセサに均
等に負荷分散することができるので、プロセサ台数に比
例した処理速度の向上が期待できる。しかし、今回の実
験で最も高速であった分割数が常に最適であるとは限ら
ない。たとえば、全てのx‐z平面上の点光源数が同じ
であるワイヤフレーム画像では水平方向に4プロセサ、
垂直方向に32ブロックに分割した場合が最も高速であ
った。したがって、画像に応じて最適な分割数を選ぶこ
とが必要である。
さらにプロセサを増設したした場合でも各プロセサに均
等に負荷分散することができるので、プロセサ台数に比
例した処理速度の向上が期待できる。しかし、今回の実
験で最も高速であった分割数が常に最適であるとは限ら
ない。たとえば、全てのx‐z平面上の点光源数が同じ
であるワイヤフレーム画像では水平方向に4プロセサ、
垂直方向に32ブロックに分割した場合が最も高速であ
った。したがって、画像に応じて最適な分割数を選ぶこ
とが必要である。
【0033】ちなみに、上述の実験例でいえば、v=3
2のときC=1.49となり、v=16のときC=1.
15となるので、閾値K=1.2程度に設定すると、最
高速の条件v=16を選択することができる。
2のときC=1.49となり、v=16のときC=1.
15となるので、閾値K=1.2程度に設定すると、最
高速の条件v=16を選択することができる。
【図1】この発明が適用される電子ホログラフィシステ
ムを示す図解図である。
ムを示す図解図である。
【図2】図1実施例における並列計算機の一例を示すブ
ロック図である。
ロック図である。
【図3】図1実施例に適用した並列化アルゴリズムを示
す図解図である。
す図解図である。
【図4】図1実施例に適用した並列化アルゴリズムにお
けるパラメータを決定する方法の一例を示すフロー図で
ある。
けるパラメータを決定する方法の一例を示すフロー図で
ある。
10 …電子ホログラフィシステム 12 …空間光変調器 14 …並列計算機
Claims (3)
- 【請求項1】N個のプロセサが並列動作可能に結合され
た並列計算機を用いて作成したビデオ信号によってレー
ザ光を空間光変調して1次元ホログラム数Lの電子ホロ
グラムを作成するための方法において、 1≦h≦N、1≦v≦L、かつhv≦Nを満たす任意の
自然数h,vをパラメータとして全プロセサをhプロセ
サずつvブロックに分割し、かつ第jブロックの第iプ
ロセサをPE[i,j]と表すと、垂直方向にn番目、
水平方向にm番目の要素ホログラムはPE[mod
(m,h)、mod(n,v)]に割り当てるようにし
たことを特徴とする、並列計算機を用いた電子ホログラ
ムの作成方法。 - 【請求項2】前記各プロセサは各プロセサに割り当てら
れる同一1次元ホログラム上の要素ホログラムを一括し
て計算するベクトル演算機能を有する、請求項1記載の
並列計算機を用いた電子ホログラムの作成方法。 - 【請求項3】計算する点光源数が最大値であるプロセサ
の点光源数によって決定される判定値に基づいて前記パ
ラメータhおよびvを決定する、請求項1または2記載
の並列計算機を用いた電源ホログラムの作成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6047397A JPH10254332A (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 並列計算機を用いた電子ホログラムの作成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6047397A JPH10254332A (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 並列計算機を用いた電子ホログラムの作成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10254332A true JPH10254332A (ja) | 1998-09-25 |
Family
ID=13143288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6047397A Withdrawn JPH10254332A (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 並列計算機を用いた電子ホログラムの作成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10254332A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005353254A (ja) * | 2004-06-07 | 2005-12-22 | Samsung Electro Mech Co Ltd | 2次元ビーム調節用走査ミラーを用いる光記録装置 |
WO2023113062A1 (ko) * | 2021-12-13 | 2023-06-22 | 한국전자기술연구원 | 홀로그래픽 프린터를 위한 홀로그램 영상 정규화 방법 |
-
1997
- 1997-03-14 JP JP6047397A patent/JPH10254332A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005353254A (ja) * | 2004-06-07 | 2005-12-22 | Samsung Electro Mech Co Ltd | 2次元ビーム調節用走査ミラーを用いる光記録装置 |
WO2023113062A1 (ko) * | 2021-12-13 | 2023-06-22 | 한국전자기술연구원 | 홀로그래픽 프린터를 위한 홀로그램 영상 정규화 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2434258C9 (ru) | Способ вычисления цифровых видеоголограмм и устройство для его осуществления | |
Hilaire et al. | Synthetic aperture holography: a novel approach to three-dimensional displays | |
KR101289585B1 (ko) | 컴퓨터 제작 비디오 홀로그램을 랜더링 및 생성하는 방법 및 장치 | |
Chen et al. | Computer generated hologram with geometric occlusion using GPU-accelerated depth buffer rasterization for three-dimensional display | |
JP2010511899A (ja) | コンピュータ合成ホログラム | |
US9541899B2 (en) | Fast generation of pure phase digital holograms | |
US10168667B2 (en) | Fast generation of digital holograms | |
US9164481B2 (en) | Generating and displaying holograms | |
Pi et al. | Acceleration of computer-generated hologram using wavefront-recording plane and look-up table in three-dimensional holographic display | |
US9823623B2 (en) | Conversion of complex holograms to phase holograms | |
KR102607882B1 (ko) | 디스플레이 장치 및 시스템 | |
Loring et al. | A screen space GPGPU surface LIC algorithm for distributed memory data parallel sort last rendering infrastructures | |
JPH10254332A (ja) | 並列計算機を用いた電子ホログラムの作成方法 | |
US20140210942A1 (en) | Fast processing of information represented in digital holograms | |
Wang et al. | Speckle suppression using F-D2NN in holographic display | |
JP7498288B2 (ja) | マルチビュースタイル変換のシステムおよび方法 | |
KR102678223B1 (ko) | 이미지 처리 | |
US11803155B2 (en) | Method and apparatus for generating computer-generated hologram | |
JPH10254333A (ja) | 並列計算機を用いた電子ホログラムの作成方法 | |
Drezner et al. | Finding optimal solutions to several gray pattern instances | |
Zhu et al. | Modified optical multi-image hiding method with a physics-driven neural network | |
Watanabe et al. | Acceleration of large-scale CGH generation using multi-GPU cluster | |
Al-Oraiqat et al. | Ray tracing method for stereo image synthesis using CUDA | |
TAIMA et al. | Placed on: Osaka City University Repository | |
Lagrange et al. | Fast and flexible GPU implementation of the view-dependent error diffusion algorithm |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040601 |