JPH10253569A - 油中水分計の校正方法及び装置 - Google Patents

油中水分計の校正方法及び装置

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JPH10253569A
JPH10253569A JP9074567A JP7456797A JPH10253569A JP H10253569 A JPH10253569 A JP H10253569A JP 9074567 A JP9074567 A JP 9074567A JP 7456797 A JP7456797 A JP 7456797A JP H10253569 A JPH10253569 A JP H10253569A
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moisture
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sensor
concentration
oil
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JP9074567A
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Kenichi Koizumi
健一 小泉
Isao Tazawa
勇夫 田澤
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Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のカールフィシャー水分計を使用した校
正方法による精度は確保し、より簡便に油中水分計の校
正を行なうことのできる油中水分計の校正方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 一定温度に維持されたセンサーチャンバ
4内にサンプル2を収容し、このサンプル2に接するよ
うにして油中水分計のセンサーを設置する。所定の水分
濃度とされる気体をこのサンプル2が収容されたセンサ
ーチャンバ4内に流入してこのセンサーチャンバ4内の
気相中の水分濃度を制御することでサンプル中の溶解水
分濃度を制御し、油中水分計のセンサーを校正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般には、油中水
分計の校正方法及び装置に関するものであり、特に、セ
ンサーとしてアルミニウム酸化被膜型水分センサーを備
え、例えば油圧作動油、電気絶縁油、冷凍機用潤滑油、
溶剤、燃料及び石油化学原料のような石油製品など種々
の油の中に含有される水分濃度(即ち、水分量)を測定
するための油中水分計の校正方法及び装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば、油圧機器に使用する油圧作動油
は、油中に水分が含有されるとその性能が著しく劣化す
るので、常時、或は定期的に水分濃度の測定を行ない、
所定量以上の水分を含有するに至った場合にはその作動
油の使用を中止することが必要である。又、電気絶縁油
に関しても同様に、油中に水分が含有されるのを嫌うた
めに、製油所において出荷の際、脱水剤や真空浄油機な
どのような適当な手段で脱水し、その水分監視を行って
いる。又、変電所、発電所等において使用される油入型
変圧器、油入型変成器などの電気設備においても電気設
備の予防保全上その水分監視が重要な項目となってい
る。
【0003】又、最近冷蔵庫、自動車用エアコン等に使
用される潤滑油は、フロンガス規制を背景にした冷媒変
更が余儀なくされており、そのために、従来の鉱油か
ら、合成系の潤滑油であるエステルやPAG(ポリアル
キレングリコール)に変わりつつある。これら合成系潤
滑油は、鉱油より吸湿性が高く、過度に吸湿すると加水
分解或は酸化劣化を生じて潤滑性が低下し、機械の正常
な動作を妨げることが知られている。また、例えば、ジ
ェット燃料については、航空機が成層圏を飛行する際、
水分が含まれていると凍結し、燃料ラインを目詰まりさ
せることが知られている。このような理由のために、潤
滑油やその他の各種の石油製品等に含有された水分濃度
を検知する必要性が増加している。
【0004】このような油中の水分検知を行なうべく、
本出願人は、センサーとしてアルミニウム酸化被膜型水
分センサーを備えたデジタル方式の油中水分計を製造、
販売し、好評を得ている。
【0005】アルミニウム酸化被膜型水分センサーは、
所定の細孔分布を持つAl23 膜への水蒸気の物理吸
着による電気容量変化により水分濃度(水分量)を検知
するものであるが、温度依存性があると共に、センサー
は個々にその特性がばらつくという問題を有している。
そのために、各センサー毎に校正をする必要がある。
【0006】センサーの校正は、任意の水分濃度の試料
(サンプル)を数点用意し、センサーの特性、即ち、静
電容量を測定することにより行なわれる。センサーの校
正に際し最も問題となるのは、校正のために所定水分濃
度のサンプルを作製することにある。
【0007】各種水分濃度のサンプルを作製する方法と
しては、現在は、脱水したサンプルにマイクロシリンジ
(注射器)で水を直接添加し撹拌する方法、水分濃度が
既知のサンプル同士をある割合で混合する方法等があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなサンプルの作製方法によると、次のような問題があ
る。
【0009】つまり、 (1)脱水したサンプルにマイクロシリンジで水を添加
するとき、容器の壁面に水分が付着し、サンプル量と添
加した水の量より予め求めた計算値に対し、誤差とな
る。又、通常の撹拌子等を用いた撹拌では分子的に均一
な撹拌状態とはならない。 (2)高水分と低水分のサンプルを混ぜ合せるとき外気
により脱水又は吸湿が生じるので、改めてカールフィシ
ャー水分計による水分濃度の測定が必要となる。などの
煩わしさがある。
【0010】更に、アルミニウム酸化被膜型水分センサ
ーは、例えば図6などに示すように、サンプル中の水分
濃度に対しS字型の複雑な特性(センサー静電容量)を
有するために、油中水分計が有するROMに各温度に対
する水分濃度とセンサー容量との関係が記憶されてお
り、従って、従来方法でセンサーの校正を行なうには、
各温度に対し少なくとも3種類の水分濃度を有したサン
プルを上記方法にて作製し、このサンプルを使用して校
正することが必要とされる。そのために、従来の上記サ
ンプルの作製方法は、その作業性の点で極めて問題があ
った。
【0011】本発明者らは、多くの研究実験の結果、サ
ンプルを一定温度に維持された空間内に収容した場合、
この空間内の気相中の水分濃度とサンプル中の溶解水分
濃度(水分量)との間には精度良くヘンリーの法則(H
enry’s law)が成立することを確認し、その
結果、一旦、前記空間内の気相中の水分濃度とサンプル
中の溶解水分濃度との関係式及び温度依存性を求めてお
けば、空間内の気相中の水分濃度を制御することでサン
プル中の溶解水分濃度を求めることができ、一々、校正
ごとにカールフィッシャー水分計でサンプル中の水分濃
度の測定を行なわうことなく油中水分計の校正が可能で
あることを見出した。本発明は斯かる本発明者らの新規
な知見に基づくものである。
【0012】従って、本発明の目的は、少なくとも従来
のカールフィシャー水分計を使用した校正方法による精
度は確保し、より簡便に油中水分計の校正を行なうこと
のできる油中水分計の校正方法及び装置を提供すること
である。
【0013】本発明の他の目的は、校正用のサンプルの
水分濃度を高精度にしかも自動的に作製することがで
き、監視の必要がなく、自動化、連続操作が可能な、油
中水分計の校正方法及び装置を提供することである。
【0014】本発明の更に他の目的は、カールフィシャ
ー水分計にて測定できないサンプルを使用しても、所定
の水分濃度を有したサンプルを高精度にて作製すること
ができ、高精度の油中水分計の校正をより簡便に行なう
ことのできる油中水分計の校正方法及び装置を提供する
ことである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
油中水分計の校正方法及び装置にて達成される。要約す
れば、本発明は、一定温度に維持された空間内にサンプ
ルを収容し、該サンプルに接するように油中水分計のセ
ンサーを設置し、任意の水分濃度とされる気体をこのサ
ンプルが収容された空間内に流入してこの空間内の気相
中の水分濃度を制御することでサンプル中の溶解水分濃
度を制御し、前記油中水分計のセンサーを校正すること
を特徴とする油中水分計の校正方法である。本発明の好
ましい実施態様によれば、前記サンプルは、校正される
油中水分計が鉱油系の油用である場合にはノルマルデカ
ンであり、エステル系の油用である場合にはメチルノル
マルデカノエートであり、又、前記気体は、窒素(N
2 )、アルゴン(Ar)或はヘリウム(He)が使用さ
れる。
【0016】上記油中水分計の校正方法は、サンプルを
収容し、そして校正される油中水分計のセンサーが前記
サンプルに接するようにして設置されたセンサーチャン
バを備えたチャンバ手段と、気体供給源を備え、この気
体供給源より供給される気体中の水分濃度の制御及び測
定を行ない、前記チャンバ手段のセンサチャンバ内へと
所定水分濃度の気体を供給する水分濃度制御測定手段
と、前記センサーチャンバに設置されたセンサーのデー
タを計測する計測手段とを有することを特徴とする油中
水分計の校正装置にて好適に実施し得る。
【0017】好ましくは、前記水分濃度制御手段は、所
定温度に制御可能な恒温水槽と、前記気体供給源から供
給される気体の流量を制御するマスフローコントローラ
と、前記恒温水槽の内部に設置され、前記気体供給源か
ら前記マスフローコントローラを介して供給される所定
量の気体をバブリングすることによって飽和水蒸気を生
成する水蒸気飽和槽と、この水蒸気飽和槽からの飽和水
蒸気に前記気体供給源から前記マスフローコントローラ
を介して供給される所定量の乾燥気体を混合して所定の
水分濃度とされた湿潤混合ガスの露点を計測するための
光学式露点計と、を備えている。又、好ましくは、前記
水蒸気飽和槽は、直列に配列して設置された、それぞれ
蒸留水を収容した第1及び第2のバブラーにて構成さ
れ、前記チャンバ手段は、内部に収容したサンプルを循
環するための配管及びポンプを備えている。
【0018】又、好ましくは、前記サンプル中の水分濃
度が平衡に達したか否かを判断するために、前記センサ
ーチャンバのサンプル中に、既に特性が知られているモ
ニタセンサーを配置し、そして、モニタセンサーの電気
的特性を時間に対して連続的にモニタリングし、このモ
ニタセンサーの特性が平衡になった時点を検知するよう
に構成される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る油中水分計の
校正方法及び装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0020】図1に、本発明の油中水分計の校正方法を
実施するためのセンサー校正装置の一実施例が概略図示
される。本実施例にて、センサー校正装置1は、試料
(サンプル)2を収容し、そして校正される油中水分計
のセンサー(図1中ではセンサユニット3(3A〜3
E)内に備わっている)が前記サンプル2に接するよう
にして設置されたセンサーチャンバ4を備えたチャンバ
手段5と、前記チャンバ手段5のセンサチャンバ4内へ
と所定水分濃度の気体を供給する水分濃度制御測定手段
6と、前記センサーチャンバ4に設置されたセンサー3
のデータを計測する計測手段7とを有する。
【0021】上述したように、本発明は、サンプル2を
一定温度に維持された空間内、即ち、センサチャンバ4
内に収容した場合、この空間内の気相8中の水分濃度と
サンプル2中の溶解水分濃度との間には精度良くヘンリ
ーの法則(Henry’slaw)が成立し、従って、
前記空間内の気相中の水分濃度とサンプル中の溶解水分
濃度との関係式及び温度依存性を求めておけば、空間内
の気相中の水分濃度を制御することでサンプル中の溶解
水分濃度を求めることができるとの、本発明者らの新規
な知見に基づくものである。そこで、本発明を実施する
に際しては、先ず、前記水分濃度制御手段6にて正確な
水分濃度のガスを作製することが重要である。
【0022】本実施例によると、前記水分濃度制御手段
6は、所定温度に制御可能な恒温水槽10を有し、恒温
水槽10の内部には飽和水蒸気を生成する水蒸気飽和槽
11が設置される。本実施例で水蒸気飽和槽11は、直
列に配列された第1及び第2バブラー11A、11Bを
備え、各バブラー11A、11B内には、蒸留水12が
収容され、所定の一定温度に維持されている。気体供給
源である液化窒素ボンベ13から窒素ガスがウエットガ
ス用マスフローコントローラ14Aを介して恒温水槽1
0内へと導入され、熱交換器15にて所定温度とされた
後、第1バブラー11A及び第2のバブラー11Bへと
供給される。窒素ガスは第1及び第2のバブラー11
A、11Bにて蒸留水12中でバブリングすることによ
り飽和水蒸気ガスとされ、ガス供給管路16へと送出さ
れる。
【0023】本実施例では、水蒸気飽和槽11は上述の
ように、第1及び第2のバブラー11A、11Bを備え
た2段直列式とされる。1段目の第1のバブラー11A
においてバブリングする際には、バブラーの水温は水の
気化熱により下がってしまう。従って、本実施例のよう
にバブラーを2段直列に設けることにより、2段目のバ
ブラー11Bでの水の気化量は少なく、水温の低下も抑
えられる。そのために、恒温水槽10の水温を制御する
ことにより、窒素ガス中の正確な水分濃度の制御が可能
となる。
【0024】一方、液化窒素ボンベ13からの窒素ガス
はドライガス用マスフローコントローラ14Bを介して
所定量の乾燥窒素ガスが前記ガス供給管路16へと送給
され、第2バブラー11Bからの飽和水蒸気ガスと混合
される。この混合された湿潤ガスが通るガス供給管路1
6は、その回りに加熱手段17を備え、結露を防止する
ように構成されている。
【0025】本実施例では、水蒸気を連行する気体とし
ては窒素ガスを使用したが、サンプル2と反応しないも
のであれば任意のガスを使用することができ、他には例
えばアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性
ガスが好適に使用し得る。
【0026】前記水分濃度制御手段6は、更に、光学式
露点計20を有する。この光学式露点計20は、露点計
本体20Aと、該本体20Aに接続された露点計検出部
20Bとを備えており、検出部20Bはオーブン21内
に設置され、検出部20Bを所定温度に維持している。
前記ガス供給管路16は、熱交換器15’を経て、露点
計検出部20Bに接続されており、従って、ガス供給管
路16にて送給されてくる湿潤混合ガスは、露点計20
にてオーブン21内の露点が実測される。得られた露点
計20の値は、JIS Z 8806−1981の「水
及び氷の蒸気圧」の表に基づいて水の相対圧に換算され
る。
【0027】このようにして得られた、所定の温度及び
相対圧とされる窒素ガスは、露点計20から、結露防止
のための加熱手段23を備えた供給管路22を介して前
記チャンバ手段5へと送給される。
【0028】前記チャンバ手段5は、所定温度に制御可
能な恒温槽24を備え、その内部に前記センサーチャン
バ4が設置されている。センサーチャンバ4内にはサン
プル2が収容されている。従って、サンプル2は所定の
一定温度に維持されている。センサーチャンバ4には前
記露点計20から所定の露点(相対圧)を有する窒素ガ
ス、即ち、湿潤混合ガスが、熱交換器15”を経て供給
される。湿潤混合ガスはセンサーチャンバ4内のサンプ
ル2の上部空間8に供給することもできるが、気体と液
体との接触面積を増やすという点からも、サンプル2内
にバブリングするのが好ましい。センサーチャンバ4に
は循環配管路25、及び例えばテフロン製マグネットポ
ンプのようなポンプ26を備えた外部循環手段が付設さ
れ、サンプル2の循環を行なう。それによって、センサ
ーチャンバ4内のサンプル2は撹拌され、均一な水分濃
度及び温度状態に維持される。サンプル2の撹拌は、直
接センサーチャンバ4に撹拌モータを取付け撹拌するこ
ともできるが、本実施例のように外部循環手段にて循環
させて撹拌する方が水分センサーに対するノイズの影響
が少ない。
【0029】本実施例でサンプル2としては、水蒸気に
対してヘンリーの法則が成立するものであれば任意のも
のを使用し得るが、水と相溶性がなく、又、校正作業温
度に対して安定したものである必要がある。特に、サン
プル中の水分濃度を何らかの方法により決定できればカ
ールフィッシャー法で水分量の定量ができないサンプル
でも構わない。具体的には、校正される水分計が鉱油系
の油用とされる場合には、ノルマルデカン(n−dec
ane)とされ、エステル系の油用とされる場合には、
メチルノルマルデカノエート(methyl n−de
canoate)とされる。本実施例では、サンプルと
してノルマルデカンを使用した。
【0030】一般に、気体の相対圧(湿度)と、その気
体と平衡状態にある液体サンプル中の溶解水分濃度との
間には比例関係が成立すること(ヘンリーの法則)が知
られている。本発明者らは、上記構成の装置にて実際に
このようなヘンリーの法則が成立すること、即ち、セン
サーチャンバ4内のサンプル2の水分濃度は、供給され
る湿潤混合ガスの水分濃度と平衡関係を有しているこ
と、が実験の結果分かった。
【0031】尚、本発明を実施するに際して、サンプル
中の水分濃度(水分量)が平衡に達した否かの判断は重
要である。本実施例では、サンプル中に被試験センサー
の他に特性を把握しているモニタセンサー(図示せず)
を配置し、そして、モニタセンサーの電気的特性を時間
に対して連続的にモニタリングすることによってモニタ
センサーの特性が平衡になった時点をもって平衡に達し
たと判断した。つまり、モニタセンサーの特性が平衡に
なった時点で、気相水分濃度−サンプル中水分濃度、サ
ンプル中水分濃度−水のセンサーへの物理吸着の2段の
平衡が成り立っていると考えることができ、従って、こ
の時点ではサンプル中水分濃度が平衡に達していると判
断できる。
【0032】ここで、図2は、上記構成の装置を使用し
て、気体の相対圧(相対湿度)と各温度でのサンプル
(ノルマルデカン)中の溶解水分濃度との関係を求めた
ものであるが、各温度において両者の間にはヘンリーの
法則に基づく直線関係が成り立っていることが分かる。
図2にて、横軸の気体の相対圧は、上記光学式露点計に
より測定した気相(湿潤混合ガス)中の水分の相対圧で
あり、縦軸はカールフィッシャー水分計(京都電子株式
会社製「MKC−210」)により実際に測定した各温
度におけるサンプル(ノルマルデカン)中の水分濃度で
ある。
【0033】又、図2において、各温度でのヘンリーの
法則に基づく直線が、相対湿度1.0の線と交差する水
分濃度を、その温度における飽和水分濃度と定義し、こ
の飽和水分濃度を絶対温度の逆数に対し対数にてプロッ
トすると、図3に示される直線関係を得る。従って、こ
の図3に示される直線関係を使用すれば、容易に、図2
に示すような、任意の各温度における気体中の水分の相
対圧と、各温度でのサンプル(ノルマルデカン)中の溶
解水分濃度との関係を得ることができる。
【0034】従って、上記校正装置によれば、気相中の
水分濃度を制御することにより、即ち、水分濃度制御手
段にて作製される湿潤混合ガスの水分濃度、すなわち湿
潤混合ガスの露点を制御することにより、サンプル中の
溶解水分濃度を制御することができる。
【0035】本発明の校正方法によれば、再度図1を参
照すると、上記センサーチャンバ4には、校正されるべ
き水分センサーユニット3(水分センサーと水分センサ
ーの抵抗率またはインピーダンスの変化を周波数に変換
する手段、さらにこの周波数をパルス列として変換する
手段を備えたユニット)が複数個、本実施例では5本
(3A〜3E)、マルチプレクサ31を介して取付けら
れる。各水分センサーユニット3A〜3Eからのパルス
波は、水分センサーデータ計測手段7を構成するパルス
カウンタ32を介してセンサーデータ収集用演算手段、
即ち、コンピュータ33へと送信される。
【0036】水分センサーデータ計測手段7は、センサ
ーデータ収集用プログラムにより制御され、一定時間毎
に、センサーユニットの出力データ、露点検出部20B
における露点のデータとサンプル温度のデータより求め
られたサンプル中の水分濃度及び温度データ等が記録媒
体に記録される。
【0037】また、水分センサーユニット3を水分セン
サ、水分センサーデータ計測手段7を構成するパルスカ
ウンタ32をLCRメータとしてセンサーの電気特性デ
ータを計測しても構わない。
【0038】斯かる計測作業は、センサーデータ収集用
プログラムに従って、水分濃度制御手段6にて作製され
る湿潤混合ガスの水分濃度(即ち、露点)と、サンプル
及び湿潤混合ガスの温度を種々に制御しながら行なわれ
る。
【0039】このように、上記構成の装置にて、気体、
即ち、本実施例では窒素ガスのマスフローコントローラ
14(14A、14B)、光学式露点計20の制御、測
定を始め、校正作業の大部分が自動制御、自動計測が可
能であり、従って、本発明に従えば、センサーチャンバ
4に取付けられた水分センサーユニット3は、水分濃度
制御手段6にて作製される湿潤混合ガスの水分濃度をコ
ンピュータ33により制御することにより、即ち、サン
プル中の溶解水分濃度を制御することにより、自動的
に、しかも連続してその電気的特性が計測される。
【0040】このようにして得られた各温度での各水分
センサーユニット3(3A〜3E)の電気特性とサンプ
ル中の水分濃度との関係の計測結果は、計測された水分
センサーが使用される各水分センサー水分計のROMに
書き込まれる。
【0041】図4には、本発明に従って、図3の関係を
基に光学式露点計により測定した気相中の水分濃度、即
ち、露点から推定したサンプル(ノルマルデカン)中の
水分濃度を基準とした20℃、40℃、60℃の水分セ
ンサー特性を示す。又、図5には、同じ水分センサーを
使用したときの、カールフィシャー水分計により測定し
たノルマルデカン中の水分濃度を基準とした20℃、4
0℃、60℃における水分センサー特性を示す。本発明
に従って作製された図4と、図5とがそれぞれ良く一致
していることが理解される。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の油中水分
計の校正方法及び装置は、一定温度に維持された空間内
にサンプルを収容し、該サンプルに接するように油中水
分計のセンサーを設置し、任意の水分濃度とされる気体
をこのサンプルが収容された空間内に流入してこの空間
内の気相中の水分濃度を制御することでサンプル中の溶
解水分濃度を制御し、前記油中水分計のセンサーを校正
する構成とされるので、 (1)従来のカールフィシャー水分計を使用した校正方
法による精度は確保し、より簡便に油中水分計の校正を
行なうことができる。 (2)校正用のサンプルの水分濃度を高精度にしかも自
動的に作製することができ、また、所定温度における気
相中の露点と水分センサの電気特性の関係より油中水分
計のセンサの校正を行うため、校正作業の監視の必要が
なく、自動化、連続操作が可能である。 (3)カールフィシャー水分計にて測定できないサンプ
ルについても、予め何らかの方法にて水分濃度を求める
ことができれば、高精度の油中水分計の校正をより簡便
に行なうことができる。といった効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油中水分計の校正方法を実施するため
の校正装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】各温度におけるカールフィシャー水分計により
測定したノルマルデカン中の水分濃度と光学式露点計に
より測定した気相中の水分の相対圧との関係を示す図で
ある。
【図3】図2で求めた飽和水分濃度と温度(1/絶対温
度)との関係を示す図である。
【図4】図3で求めた関係を基に光学式露点計により測
定した気相中の水分から推定したノルマルデカン中の水
分濃度を基準とした20℃、40℃、60℃の水分セン
サー特性を示す図である。
【図5】カールフィッシャー水分計により測定したノル
マルデカン中の水分濃度を基準とした20℃、40℃、
60℃の水分センサー特性を示す図である。
【図6】アルミニウム酸化被膜型水分センサーの水分濃
度に対する特性(センサー静電容量)を示した図であ
る。
【符号の説明】
1 校正装置 2 サンプル 3 水分センサーユニット 4 センサーチャンバ 5 チャンバ手段 6 水分濃度制御測定手段 7 センサーデータ計測手段 10 恒温水槽 11 水蒸気飽和槽(バブラー) 12 蒸留水 13 気体供給源 14 マスフローコントローラ 15、15’、15” 熱交換器 20 光学式露点計 21 オーブン 26 ポンプ 31 マルチプレクサ 32 パルスカウンタ 33 コンピュータ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定温度に維持された空間内にサンプル
    を収容し、該サンプルに接するように油中水分計のセン
    サーを設置し、任意の水分濃度とされる気体をこのサン
    プルが収容された空間内に流入してこの空間内の気相中
    の水分濃度を制御することでサンプル中の溶解水分濃度
    を制御し、前記油中水分計のセンサーを校正することを
    特徴とする油中水分計の校正方法。
  2. 【請求項2】 前記サンプルは、校正される油中水分計
    が鉱油系の油用である場合にはノルマルデカンであり、
    エステル系の油用である場合にはメチルノルマルデカノ
    エートであり、又、前記気体は、窒素(N2 )、アルゴ
    ン(Ar)或はヘリウム(He)である請求項1の油中
    水分計の校正方法。
  3. 【請求項3】 サンプルを収容し、そして校正される油
    中水分計のセンサーが前記サンプルに接するようにして
    設置されたセンサーチャンバを備えたチャンバ手段と、
    気体供給源を備え、この気体供給源より供給される気体
    中の水分濃度の制御及び測定を行ない、前記チャンバ手
    段のセンサチャンバ内へと所定水分濃度の気体を供給す
    る水分濃度制御測定手段と、前記センサーチャンバに設
    置されたセンサーのデータを計測する計測手段とを有す
    ることを特徴とする油中水分計の校正装置。
  4. 【請求項4】 前記水分濃度制御手段は、所定温度に制
    御可能な恒温水槽と、前記気体供給源から供給される気
    体の流量を制御するマスフローコントローラと、前記恒
    温水槽の内部に設置され、前記気体供給源から前記マス
    フローコントローラを介して供給される所定量の気体を
    バブリングすることによって飽和水蒸気を生成する水蒸
    気飽和槽と、この水蒸気飽和槽からの飽和水蒸気に前記
    気体供給源から前記マスフローコントローラを介して供
    給される所定量の乾燥気体を混合して所定の水分濃度と
    された湿潤混合ガスの露点を計測するための光学式露点
    計と、を備えてなる請求項3の油中水分計の校正装置。
  5. 【請求項5】 前記水蒸気飽和槽は、直列に配列して設
    置された、それぞれ蒸留水を収容した第1及び第2のバ
    ブラーにて構成される請求項3又は4の油中水分計の校
    正装置。
  6. 【請求項6】 前記チャンバ手段は、内部に収容したサ
    ンプルを循環するための配管及びポンプを備えた外部循
    環手段を有する請求項3、4又は5の油中水分計の校正
    装置。
  7. 【請求項7】 前記サンプ中の水分濃度が平衡に達した
    か否かを判断するために、前記センサーチャンバのサン
    プル中に、既に特性が知られているモニタセンサーを配
    置し、そして、モニタセンサーの電気的特性を時間に対
    して連続的にモニタリングし、このモニタセンサーの特
    性が平衡になった時点を検知するようにした請求項3〜
    6のいずれかの項に記載の油中水分計の校正装置。
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