JPH10250682A - 船舶用昇降装置 - Google Patents

船舶用昇降装置

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Publication number
JPH10250682A
JPH10250682A JP8211897A JP8211897A JPH10250682A JP H10250682 A JPH10250682 A JP H10250682A JP 8211897 A JP8211897 A JP 8211897A JP 8211897 A JP8211897 A JP 8211897A JP H10250682 A JPH10250682 A JP H10250682A
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JP
Japan
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arm
main shaft
lifting
elevating
base
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP8211897A
Other languages
English (en)
Inventor
Kentaro Asakura
健太郎 朝倉
Yasutomo Sakai
康友 阪井
Takao Suzuki
孝雄 鈴木
Sukeji Yamamoto
資次 山本
Setsuo Hotta
節夫 堀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Motor Wheel Co Ltd
Chuo Seiki KK
Original Assignee
Central Motor Wheel Co Ltd
Chuo Seiki KK
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Publication date
Application filed by Central Motor Wheel Co Ltd, Chuo Seiki KK filed Critical Central Motor Wheel Co Ltd
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Publication of JPH10250682A publication Critical patent/JPH10250682A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 介護者負担の軽減を課題とする。 【解決手段】 基台1と、この基台1からほぼ垂直方向
に立ち上げられた主軸2と、この主軸2に対するほぼ垂
直方向を軸として揺動自在且つ主軸2に沿った方向を軸
として回転自在として当該主軸2の上端部近傍に装備さ
れた昇降アーム3と、この昇降アーム3の一端部に懸吊
され,人間が乗り込む領域を備えた搭乗部材4と、昇降
アーム3の他端部に懸吊された所定重量の錘5とを備
え、搭乗部材4を紐状部材6を介して昇降アーム3から
懸吊すると共に、この紐状部材6を介して搭乗部材4を
昇降させる昇降付勢手段7を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶用昇降装置に
係り、特に、身体障害者のマリンスポーツを補助するこ
とに好適な船舶用昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、身体の一部が不自由な人(即ち身
障者)が、スキューバダイビング等のマリンスポーツを
行う目的で小型の船舶から海中に入る場合には、船舶側
から介護人が、身障者が船舶から降りる作業の補助を行
い、また、重量や補助作業の煩雑さを考慮して酸素ボン
ベ等の所要な装備を別個で海上に下ろし、かかる海上で
身障者は酸素ボンベ等の装着を行っていた。
【0003】また、身障者が船体に上がる場合には、船
舶側と海上側の双方から介護者が身障者を引き上げ又は
押し上げていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記身
障者による船舶−海上間の移動は、介護人に少なくとも
人間一人分の重量の上げ下ろしという腕力の要する重労
働を必要とさせるため、大きな労働負担となっていた。
特に、海上から引き上げる場合には、海水の比重分の急
激な重量変化を伴い、その作業はより困難であった。
【0005】また、身障者と酸素ボンベとを別個に船舶
から下ろすため、身障者は海上に至ってからでなければ
酸素ボンベの装着を行うことができず、かかる装着に至
るまでの間に緊張を強いるものとなっていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、介護人を重労働から開放して負担を軽減する
と共に、酸素ボンベと身障者を同時に海上に運び得る船
舶用昇降装置を提供することを、その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、基台と、この基台からほぼ垂直方向に立ち上げられ
た主軸と、この主軸に対するほぼ垂直方向を軸として揺
動自在且つ主軸に沿った方向を軸として回転自在として
当該主軸の上端部近傍に装備された昇降アームと、この
昇降アームの一端部に懸吊された人間搭乗用の搭乗部材
と、昇降アームの他端部に懸吊された所定重量の錘とを
備え、搭乗部材を紐状部材を介して昇降アームから懸吊
すると共に、この紐状部材を介して搭乗部材を昇降させ
る昇降付勢手段を有するという構成を採っている。
【0008】上述の構成による動作を、身障者がスキュ
ーバダイビング等のマリンスポーツを行う目的で船舶か
ら海水面上に移動する場合を例に採って説明する。ま
ず、船舶の船体上の船縁近傍に基台が設置され、搭乗部
材が船縁の内側となるように昇降アームを回転させる。
このとき、昇降アームはその揺動及び回転が人手等によ
り規制され、これにより、船舶上からスキューバを行う
身障者及びその介護人が搭乗部材内に入り、また、スキ
ューバの装備等が運び込まれる。
【0009】なお、昇降アームの他端部に装備された錘
は、上記の如く搭乗部材内に人及び装備が入った状態
で、昇降アーム両端部がほぼ釣合う重量に予め設定され
ている。
【0010】そして、搭乗部材が船舶の外側となるよう
に再び昇降アームを回転させる。このとき同時に、搭乗
部材が船縁と接触,衝突しないように、昇降アームを揺
動させ,搭乗部材側を高位置に引き上げる。
【0011】かかる状態から、昇降付勢手段によって搭
乗部材を懸吊する紐状部材を緩める操作を行い、搭乗部
材を海面に向けて下降させる。海中に到達すると、介護
人の補助を受けつつ身障者は、スキューバの装備を整え
ると共に搭乗部材からおり、ダイビングを開始すること
ができる。
【0012】また、身障者が船舶に帰還する場合には、
上記と同様の手順により搭乗部材が海中まで下降され、
かかる搭乗部材に身障者,介護人等が海中から搭乗す
る。そして、昇降付勢手段によって紐状部材を介して搭
乗部材が引き上げられ、昇降アームの搭乗部材側端部が
船体内側となるように回転されて、当該搭乗部材から身
障者等が下り、動作が終了する。
【0013】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明の構成に加えて、調整手段を,紐状部材を巻回する
巻取り部とこの巻取り部に回転を付勢する操作ハンドル
とから構成し、この操作ハンドルを、基台に装備すると
いう構成を採っている。
【0014】かかる構成では、請求項1記載の発明と同
様の動作が行われ、搭乗部材の昇降動作が、基台側で操
作ハンドルを介して巻取り部による紐状部材の巻取り,
繰り出しによって行われる。
【0015】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明の構成に加えて、昇降アームの,主軸との連
結部から搭乗部材側の端部の間を伸縮自在とするという
構成を採っている。
【0016】かかる構成では、請求項1又は2記載の発
明と同様の動作が行われ、昇降アームの搭乗部材側端部
が船体内側を向いている場合には、当該昇降アームを短
くし、搭乗部材側端部を船体外部側に向けた場合には、
当該搭乗部材が船縁に接触しないように昇降アームの長
さを長くして搭乗部材の昇降を行う。
【0017】請求項4記載の発明では、基台と、この基
台からほぼ垂直方向に立ち上げられた主軸と、この主軸
に対するほぼ垂直方向を軸として揺動自在且つ主軸に沿
った方向を軸として回転自在として当該主軸の上端部近
傍に装備された昇降アームと、この昇降アームの一端部
に懸吊された人間搭乗用の搭乗部材と、昇降アームの他
端部に懸吊された所定重量の錘とを備え、昇降アームを
その長手方向について移動自在に主軸に係合させ、当該
昇降アームの移動を付勢する昇降アーム移動付勢手段を
装備するという構成を採っている。
【0018】かかる構成では、請求項1記載の発明とほ
ぼ同様の動作が行われるが、予め,昇降アームと主軸の
交点(以下,支点とする)から昇降アームの各端部まで
の距離を昇降アーム移動付勢手段によって調整し、搭乗
状態にある搭乗部材と錘とがほぼ吊り合う状態とされ
る。
【0019】かかる状態で、搭乗部材に搭乗が行われ、
船体外側に昇降アームが回転させられると、昇降アーム
移動付勢手段により支点から搭乗部材までの距離を長く
する方向に向けて徐々に昇降アームを移動させる。これ
により、搭乗部材側が錘側よりも重くなり、搭乗部材が
海面に向かって徐々に下降を開始する。
【0020】海面に到達後は、請求項1記載の発明と同
様に行われ、また、船体側に帰還する場合には、搭乗部
材側端部と支点との距離が徐々に短くなる方向に昇降ア
ームが昇降アーム移動付勢手段によって移動される。こ
れにより、昇降アームの錘側端部が重くなり、錘側端部
が下降するのに伴って搭乗部材側端部が上昇する。そし
て、これら各端部が釣合の取れる位置で昇降アームの移
動を終え、引き上げられた搭乗部材を昇降アームの回転
によって船体内側に引き込み、搭乗者を下ろして動作が
終了する。
【0021】請求項5記載の発明では、基台と、この基
台からほぼ垂直方向に立ち上げられた主軸と、この主軸
に対するほぼ垂直方向を軸として揺動自在且つ主軸に沿
った方向を軸として回転自在として当該主軸の上端部近
傍に装備された昇降アームと、この昇降アームの一端部
に懸吊された人間搭乗用の搭乗部材と、昇降アームの他
端部に懸吊された所定重量の錘とを備え、錘を昇降アー
ムに沿って移動自在に装備し、この錘の移動を付勢する
錘移動付勢手段を装備するという構成を採っている。
【0022】かかる構成では、請求項1記載の発明とほ
ぼ同様の動作が行われるが、予め,支点から錘までの距
離を錘移動付勢手段によって調整し、搭乗状態にある搭
乗部材と錘とがほぼ吊り合う状態とされる。
【0023】かかる状態で、搭乗部材に搭乗が行われ、
船体外側に昇降アームが回転させられると、錘移動付勢
手段により錘を支点側に徐々に移動させる。これによ
り、搭乗部材側が錘側よりも重くなり、搭乗部材が海面
に向かって海面に向かって徐々に下降を開始する。
【0024】海面に到達後は、請求項1記載の発明と同
様に行われ、また、船体側に帰還する場合には、錘を錘
移動付勢手段によって支点から遠ざかる方向に移動させ
る。これにより、昇降アームの錘側端部が重くなり、錘
側端部が下降するのに伴って搭乗部材側端部が上昇す
る。そして、これら各端部が釣合の取れる位置で昇降ア
ームの移動を終え、引き上げられた搭乗部材を昇降アー
ムの回転によって船体内側に引き込み、搭乗者を下ろし
て動作が終了する。
【0025】請求項6記載の発明は、請求項1,2,
3,4又は5記載の発明と同様の構成を備えると共に、
基台に、当該基台を船舶の外壁を構成する船縁上端部に
着脱自在の固定具を併設するという構成を採っている。
【0026】かかる構成では、予め基台が固定具により
船舶の船縁に固定され、そのほかの動作については請求
項1,2,3,4又は5記載の発明と同様に行われる。
【0027】請求項7記載の発明は、請求項1,2,
3,4,5又は6記載の発明と同様の構成を備えると共
に、搭乗部材は、人間が乗り込む領域に加えて酸素ボン
ベを載置する領域を備えているという構成を採ってい
る。
【0028】かかる構成では、搭乗部材に身障者が酸素
ボンベと共に搭乗し、その他の動作については、請求項
1,2,3,4,5又は6記載の発明と同様に行われ
る。
【0029】本発明は、上述した各構成によって前述し
た目的を達成しようとするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)本発明の第1の実施形態を図1乃至
図4に基づいて説明する。この第1の実施形態では、身
体の一部が不自由な人(即ち身障者)が、スキューバダ
イビング等のマリンスポーツを行う目的で小型の船舶か
ら海中に入る場合に好適な船舶用昇降装置10を示して
いる。
【0031】この第1の実施形態は、図1に示すよう
に、基台1と、この基台1からほぼ垂直方向に立ち上げ
られた主軸2と、この主軸2に対するほぼ垂直方向を軸
として揺動自在且つ主軸2に沿った方向を軸として回転
自在として当該主軸2の上端部に装備された昇降アーム
3と、この昇降アーム3の一端部に懸吊され,人間が乗
り込む領域を備えた搭乗部材4と、昇降アーム3の他端
部に懸吊された所定重量の錘としてのカウンターウェイ
ト5とを備え、搭乗部材4を紐状部材としてのワイヤ6
を介して昇降アーム3から懸吊すると共に、このワイヤ
6を介して搭乗部材4を昇降させる昇降付勢手段7を有
する船舶用昇降装置10を示している。
【0032】以下、各部を詳説する。
【0033】まず、基台1は、平板状に形成され,船舶
の船体Sの船縁S1の上端部に水平方向に載置状態で配
設されている。そして、この基台1は、固定具11(図
1では図示略)によって固定されている。この固定具1
1は、図2(A)に示すように基台1の下面側から互い
に対向状態で垂設された二つの対向壁12,13と、各
対向壁12,13からそれぞれ船縁S1の内側面と外側
面とにゴムパッド14,15を圧接させる押圧ネジ1
6,17と、基台1の下面側に設けられ船縁S1の上端
部に当接するゴムパッド18とから構成されている。
【0034】上記基台1を船縁S1の上端部に載置し、
且つ、上記各対向壁12,13の間に船縁S1が位置す
るように基台1を配設し、かかる船縁S1に向かって各
ゴムパッド14,15を押圧することにより、船縁S1
が挟持される。この状態により、船縁S1がゴムパッド
14,15,18の三方から押圧接触し、基台1は強固
に固定された状態となる。
【0035】図2(B)は、船縁S1の上端部が異なる
形状の場合における固定具11による固定状態を示して
いる。図2(A)は、船縁S1の上端部が断面逆L字状
の場合の固定状態を示していたが、図2(B)は、船縁
S1の上端部が断面T字状の場合の固定状態を示してい
る。かかる場合、船縁S1の上端部が船体Sの内側に迫
り出しているため、ゴムパッド14をより船縁S1側に
押し出した状態で基台1の固定が行われる。
【0036】また、図2(A)中における符号19は、
手すりを示している。船縁S1の上端部が海上から高い
位置にある場合、海上に身障者が入った場合に掴まるも
のが何もないことを考慮して設けられている。この手す
り19は、対向壁13から上下方向に伸縮自在に装備さ
れており、使用時には図示の如く下方に配置し、不要な
場合には、上方に摺動させて収容する。
【0037】ここで、基台1の上面は、ターンテーブル
1aが装備されており、このターンテーブル1aを介し
て主軸2が基台1に対して垂直上方に立設されている。
これにより、主軸2は、基台1に対して当該主軸2の長
手方向を中心軸として回転自在に装備されており、この
主軸2の上端部の装備された昇降アーム3も主軸2に伴
って回転自在となっている。また、ターンテーブル1a
にはストッパが装備されており、主軸2の回転状態を規
制することが可能となっている。なお、この主軸2は、
その上下方向の長さが1300[mm]に設定されてい
る。
【0038】また、この主軸2は、内部が中空に形成さ
れると共にその中間部分に昇降付勢手段7が装備されて
いる。この昇降付勢手段7は、主軸2の外周面上に回転
自在に装備された操作ハンドル72と、この操作ハンド
ル72と同軸で連結され主軸2の内部に回転自在に装備
されたウォームギア73と、このウォームギア73によ
り回転力を伝達されてワイヤ6を巻取り或いは繰り出す
巻取り部71とから構成されている。
【0039】この巻取り部71には、一方の端部を搭乗
部材4に連結されたワイヤ6の他端部が、昇降アーム3
及び主軸2の内部を通って連結されている。このため、
操作ハンドル72を回転させることにより、巻取り部7
1にワイヤ6が巻取られ,或いは繰り出されるようにな
っている。
【0040】また、この巻取り部71は、ウォームギア
73を介して回転力が伝達されるため、操作ハンドル7
2に外力を加えない状態にしても、ワイヤ6からの張力
によって巻取り部71から勝手にワイヤ6が繰り出され
ることはなく、搭乗部材4の不慮の降下を厳重に防止す
ることが可能である。
【0041】主軸2の上端部には、当該主軸2に対する
垂直方向(図1における水平方向)を中心軸として揺動
自在に昇降アーム3が装備されている。この昇降アーム
3は、主軸2に直接連結された筒状の本体31と、この
本体31の一方の端部から挿入され,当該挿入方向に往
動自在に装備されることによりその伸縮動作を自在とす
る搭乗部材側アーム部32と、本体31の他方の端部に
固定装備され,当該本体31の長手方向に延設された錘
側アーム部33とから構成される。
【0042】搭乗部材側アーム部32は、筒状に形成さ
れており、その内側にはワイヤ6が挿通される。そし
て、搭乗部材側アーム部32の先端部の内側にはワイヤ
6を下方に案内するべく小ローラ32aが設けられてい
る。また、前述したように、搭乗部材側アーム部32
は、本体31との間にスラストベアリング(図示略)が
介挿されており、これにより本体31に対して往動を自
在としている。
【0043】さらに、搭乗部材側アーム部32には、か
かる往動を付勢する手段と往動を固定する手段とが装備
されている(図示略)。この往動を付勢する手段として
は、例えば、搭乗部材側アーム部32の外周面上にその
長手方向に沿って形成されたラック溝と、本体31側に
装備された当該ラック溝と係合するピニオン歯車と、こ
のピニオン歯車を回転させるハンドルとから構成され、
また、固定する手段としては、本体31の外周面から貫
通して設けられたネジ穴に螺合し,先端部が搭乗部材側
アーム部32の外周面上に当接する止めネジ等が装備さ
れている。
【0044】本体31には、主軸2の先端部が連結され
ているが、当該本体31の外周面上にこの主軸2側に向
けて図示しない貫通穴が設けられている。また、本体3
1と主軸2とを連結する揺動軸には小ローラ31aが装
備されており、本体31の内部を通るワイヤ6がこの小
ローラ31a及び貫通穴を介して主軸2側に案内されて
いる。
【0045】また、この本体31と主軸2との連結部近
傍には、揺動角度調整機構として伸縮自在のガス封入式
ピストン34が装備されている。このガス封入式ピスト
ン34は、一端部が本体31の端部近傍(搭乗部材4
側)に,他端部が主軸2の中間部に連結され、主軸2に
対して本体31が垂直な状態から±15度を越える揺動
を規制する。
【0046】さらに、このガス封入式ピストン34は、
伸縮可能状態を固定するロック機構を有しており、ロッ
ク状態にあっては本体31が主軸2に対して固定され
る。また、ロック機構が解除された状態であって、当該
ガス封入式ピストン34が無負荷状態にあっては最大伸
張状態となり、縮退する方向に外力を加えられた状態に
あっては外力に応じて縮退する。従って、本体31の揺
動角度を調整する場合には、上述した範囲の中で当該本
体31にガス封入式ピストン34の復原力に抗する外力
を加えることにより行う。
【0047】なお、上記のガス封入式ピストン34に代
えて、同様にその一端部と他端部とをそれぞれ本体31
と主軸2とに連結したネジ巻取り機構を装備しても良
い。このネジ巻取り機構は、その長手方向を中心とする
ネジ溝を有する雄ネジ部と雌ネジ部とを介してその一端
部と他端部とを連結し、これらネジ部を回転させること
によりその長手方向の長さを調節を行うものである。こ
のネジ巻取り機構を採用した場合でも、その伸縮動作に
よって主軸2と本体31との揺動角度の調節を自在に行
うことが可能である。
【0048】本体31の他端部に装備された錘側アーム
部33の先端部には、カウンターウェイト5が懸吊され
ている。このカウンターウェイト5は、錘側アーム部3
3の先端部から本体31と主軸2との連結部までの距
離,搭乗部材側アーム部32の先端部から本体31と主
軸2との連結部までの距離,及び搭乗部材4とこれに搭
乗する人員,酸素ボンベB等の総重量に基づいて昇降ア
ーム3の両端部が吊り合う重量に設定される。
【0049】また、このカウンターウェイト5は、錘側
アーム部33の先端部に設けられた係止穴(図示略)に
係合する係止部材(図示略)が設けられており、当該錘
側アーム部33から着脱が自在であり、これにより種々
の重量のカウンターウェイト5と交換することが可能で
ある。また一つのカウンターウェイト5の下部に上記係
止部と係合する連結構造を備え、新たなカウンターウェ
イト5を付加することが可能であり、種々の重量に調節
することが可能である。
【0050】ここで、昇降アーム3の全長(搭乗部材側
アーム部32が延ばされた状態)は2000[mm]に
設定され、このうち本体31は750[mm]に設定さ
れている。
【0051】次に、搭乗部材側アーム部32の先端部に
懸吊された搭乗部材4について説明する。この搭乗部材
4は、身障者が腰掛けるシート42と、六本のの連結ワ
イヤ45を介してシート42を傾斜しないように連結し
た天井部44とから構成されている。
【0052】上記の搭乗部材4は、天井部44とシート
42との間に身障者,介護人,酸素ボンベB等のスキュ
ーバダイビングに必要な装備を搭載する領域を形成して
いる。
【0053】前述のワイヤ6は、天井部44と連結され
ており、かかるワイヤ6には、図示を省略した既成のワ
イヤガイドが装備されている。このワイヤガイドは、ワ
イヤ6による搭乗部材4の回転を防止し、また、より戻
し治具を利用しているためワイヤ6の絡みが防止され
る。
【0054】上記の各連結ワイヤ45は、それぞれその
一端部を天井部44に固定装備されており、他端部はシ
ート42に対して着脱自在となっている。
【0055】上記のシート42を図3に示す。このシー
ト42は、布状の外皮により形成された腰掛け部42a
と、腰掛け部42aに併設され,酸素ボンベBを置く載
置台として機能する酸素ボンベ載置部42bと、腰掛け
部42aの両わきに外側方向に向かって突設された介護
者用ペダル42cと、連結ワイヤ45が装着される環状
の装着部42dとから構成されている。
【0056】上記のシート42は、身障者が酸素ボンベ
Bを装備した状態で腰掛け部42aに腰掛けると、酸素
ボンベBは、腰掛け部42aの背後にある酸素ボンベ載
置部42bに載置される。このとき、腰掛け部42aと
酸素ボンベ載置部42bとを仕切る外皮は、身障者と酸
素ボンベBとの間に挟まれた状態となるが、この外皮
は、その高さが充分に低く設定されているため、酸素ボ
ンベBを人体に固定するための装着具と干渉せず、酸素
ボンベBを装着したままの状態で腰掛ける動作の障害と
はならない。
【0057】また、装着部42dは、シート42の前端
部と後端部及び上端部にそれぞれ二つずつ装備されてお
り、これによりシート42は、計六箇所から連結ワイヤ
45により懸吊されることとなる。なお、上記のシート
42は、前後方向の長さが650[mm],腰掛け部4
2aの奥行きが400[mm],横幅が400[m
m],全高が500[mm],また介護者用ペダル42
cは100[mm]に設定されている。
【0058】また、このシート42には、図示しない搭
乗者の転落防止用のシートベルトが装備されている。か
かるシートベルトは、例えば自動車に装備されているワ
ンタッチで取り外すことが可能なもので且つ耐食性に優
れたものが望ましい。
【0059】このように、搭乗部材4はシート42を有
しているため、身障者は、楽な姿勢で搭乗することが可
能となり、懸吊状態下での揺れ等による不安感を取り除
くことが可能である。特に、酸素ボンベBを装着した状
態で搭乗部材4に搭乗することが可能であるため、身障
者は、海上に至ってから不自由な状態で酸素ボンベBを
装着しなければならないという煩雑さから開放され、同
時に、酸素ボンベBが手元にあるという安心感を抱くこ
とができる。
【0060】また、上述した各構成は、チタン又はチタ
ン合金を主材料として形成される。このため、船舶用昇
降装置10は、耐食性に優れ、また軽量化を図ることが
可能となるため、可搬性の向上を図ることが可能とな
る。なお、これら軽量化,耐食性よりも、生産性を重視
する場合には、アルミニウム合金或いはステンレス鋼を
主材料としても良い。
【0061】上記の構成からなる船舶用昇降装置10の
動作を説明する。
【0062】まず、船舶用昇降装置10は、当初には、
搭乗部材4のシート42から連結ワイヤ45から取り外
され、カウンターウェイト5も搭乗部材側アーム部32
に接続されず、さらに搭乗部材側アーム部32は縮めら
れた状態にある。そこでまず、かかる状態から固定具1
1により基台1を船舶の船体Sの船縁S1上に固定する
(参照図2(A))。
【0063】そして、介護者の一人が、所定重量のカウ
ンターウェイト5を錘側アーム部33に接続し、昇降ア
ーム3を,搭乗部材側アーム部32の先端部が船体Sの
内部を向く方向に向けてターンテーブル1aのストッパ
により固定する。また同時に、船体Sの内部におかれた
搭乗部材4のシート42の各装着部42dに連結ワイヤ
45の先端部が届く角度に昇降アーム3を調整するため
に、ガス封入式ピストン34のロック機構を解除し、か
かる方向に昇降アーム3を揺動させ、再びロック機構に
より昇降アーム3をその角度で固定する。また或いは、
昇降アーム3を揺動させる代わりに、昇降付勢手段7に
よりワイヤ6を繰り出しても良い。
【0064】一方、シート42に酸素ボンベB等の装備
を整えた身障者が搭乗してシートベルトを締める。この
とき、酸素ボンベBは酸素ボンベ載置部42bに載置す
る。また、シート42の各介護者用ペダル42cにそれ
ぞれ片足ずつ乗せた状態で他の介護者が同乗する。
【0065】そして、シート42の各装着部42dに各
連結ワイヤ45を連結し、ガス封入式ピストン34のロ
ック機構を解除する。これにより、ガス封入式ピストン
34の復帰力によって昇降アーム3の搭乗部材側アーム
部32側が起伏回動する。このとき、昇降アーム3は、
シート42(及び搭乗した身障者の足等)が船縁S1の
上端部に接触しない高さとなるまで揺動させる必要があ
るため、細かい角度設定は人力により外力を与えて調整
する。調整後は、再びガス封入式ピストン34をロック
状態とする。また、前述と同様にして、昇降アーム3を
揺動させる代わりに、昇降付勢手段7により搭乗部材4
を引っ張り上げても良い。
【0066】次に、基台1上のターンテーブル1aのス
トッパを解除して、主軸2回りに昇降アーム3を搭乗部
材4が船体Sの外側となるように回転させ、再びストッ
パにより主軸2を固定する。そして、必要があれば、昇
降アーム3の揺動角度を調整する。このとき、昇降アー
ム3は、搭乗部材4を海上に近接する角度に調整しても
良い。また、搭乗部材側アーム部32を、搭乗部材4と
船体Sとの距離を余裕が持てる距離(例えば、搭乗部材
4が揺れても船体Sに接触しない距離)となるまでピニ
オン歯車に連結されたハンドルを介して伸張させると共
にその長さで止めネジにより搭乗部材側アーム部32を
固定する。
【0067】そして、昇降付勢手段7の操作ハンドル7
2を繰り、搭乗部材4を海上に向けて下降させる。海上
に搭乗部材4が到達すると、身障者は、シートベルトを
外して介護者の補助を受けつつスキューバダイビングを
開始することができる。
【0068】また、身障者が海上から上がる場合には、
同乗した介護者の補助を受けて、身障者が海上にある搭
乗部材4のシート42に腰掛け、シートベルトを締め
る。同時に介護人も搭乗する。一方、船体S上の介護者
は、身障者が搭乗部材4に搭乗してから、昇降付勢手段
7により搭乗部材4の引き上げ作業を行う。
【0069】充分な高さに搭乗部材4を引き上げたら、
昇降アーム3を主軸2回りに回転させて、搭乗部材側ア
ーム部32の先端側を船体Sの内側に引き込み、昇降ア
ーム3を揺動させて、搭乗部材4を船体Sの内部に下ろ
す。
【0070】搭乗部材4の連結ワイヤ45が取り外さ
れ、シートベルトを外した身障者がシート42から降
り、引き上げ作業が終了する。
【0071】以上のように、この第1の実施形態では、
身障者を搭乗部材4に搭乗させ、かかる搭乗部材4を昇
降アーム3により船体Sの外側に案内し、昇降付勢手段
7によりワイヤ6を介して海上に下ろすという容易且つ
腕力に頼らない作業により、身障者を海上に送り出すこ
とができるため、従来のように、直接船体から身障者を
海上に下ろすという重労働から介護者は開放され、その
介護負担を軽減することが可能である。また、より負担
が大きかった身障者を海上から引き上げる作業について
も、同様の介護負担軽減効果をもたらすことが可能であ
る。
【0072】また、搭乗部材4のシート42に酸素ボン
ベ載置部42bを設けたために、身障者は酸素ボンベB
を装備した状態で海上に至ることが可能となり、従来の
ように、身障者は、海上に至ってから不自由な状態で酸
素ボンベBを装着しなければならないという煩雑さから
開放され、また、酸素ボンベBが手元にないという不安
感を取り除くことが可能となる。
【0073】また、昇降アーム3の搭乗部材側アーム部
32が伸縮自在であるため、当該搭乗部材側アーム部3
2が船体Sの外側にある場合に、搭乗部材4と船体Sと
の距離を調整することが可能となる。このため、海上に
多少の波が生じ、船体Sが揺れる場合であっても、搭乗
部材4を船体から充分な距離に保つことができ、搭乗部
材4と船体Sとの接触を有効に防止することが可能とな
る。
【0074】なお、昇降付勢手段7には、ウォームギア
73に代えてラチェット機構を採用してもよい。即ち、
巻取り部71を二組のラチェット機構を介して操作ハン
ドル72と同軸で連結し、これらのラチェット機構を切
り換えることによりワイヤ6の巻取り或いは繰り出し方
向への回転を規制する。このように、ラチェット機構を
採用しても、搭乗部材4の昇降の際に、不慮の下降を厳
重に防止することが可能となる。
【0075】また、上述した各構成の寸法は、目安に過
ぎず、船舶用昇降装置10を装備する船舶の大きさによ
って自由に変更しても良い。
【0076】さらに、基台1,主軸2及び固定具11
は、折り畳みを自在とする構造としても良い。これによ
り、船舶用昇降装置10の非使用時における可搬性の向
上を図ることが可能となる。
【0077】さらにまた、上述の第1の実施形態では、
紐状部材としてワイヤ6を採用しているが、特にワイヤ
に限定する必要はない。例えば、ワイヤ6のように、巻
取り,繰り出しが自在に行われる細身のチェーン等でも
良い。
【0078】ここで、図4に、上述した船舶用昇降装置
10の基台1,搭乗部材4及び昇降付勢手段7の各々の
他の例を示す。
【0079】同図中,符号1Aは、基台の他の例を示し
ている。この基台1Aは、本体11Aとターンテーブル
12Aとから構成されている。この基台1Aには、前述
の基台1と異なり、固定具11が装備されていない。そ
の代わりに、昇降アーム3の回転や揺動の影響を受ける
ことなく船舶用昇降装置全体を支持できるように、本体
11Aを昇降アーム3の長さに対応して大きめに設定し
ている(図4中における横幅を2000[mm]として
いる)。かかる基台1Aは、船舶用昇降装置を搭載する
船舶の船体Sが充分に大きい場合に好適であり、固定具
11の部品点数の軽減を図ることにより生産性の向上を
図ると共に,固定具11の取付作業を省略でき,取扱い
性の向上が図られている。
【0080】図4中,符号7Aは、昇降付勢手段の他の
例を示している。同図に示すように、主軸2Aは、前述
の主軸2のように中間部分に昇降付勢手段7を装備して
いない。図4に示す昇降付勢手段7Aは、操作ハンドル
72Aと、この操作ハンドル72Aと同軸で連結され回
転自在に装備されたウォームギア73Aと、このウォー
ムギア73Aにより回転力を伝達されてワイヤ6を巻取
り或いは繰り出す巻取り部71Aとから構成されている
点で、前述の昇降付勢手段7と共通するが、主軸2では
なく基台1に装備されている点で昇降付勢手段7とは大
きく異なっている。
【0081】この場合、ワイヤ6は、主軸2A及び基台
1Aの上部に設けられたターンテーブル12Aを貫通
し、昇降付勢手段7Aの巻取り部71Aに到達する。こ
のとき、ワイヤ6は、主軸2A及び昇降アーム3の回転
の影響を受けにくいターンテーブル12Aのほぼ中心を
通過する。
【0082】この昇降付勢手段7Aは、基台1Aに装備
されているため、主軸2に装備されている場合のよう
に、昇降アーム3の回転の際に主軸2回りに操作ハンド
ル72の位置が移動してしまう不都合がなく、常に一定
した位置に留まるため、操作性の向上を図ることが可能
である。
【0083】図4中,符号4Aは、搭乗部材の他の例を
示している。この搭乗部材4Aは、ワイヤ6に連結され
た天井部44Aとこの天井部44Aに複数の連結ワイヤ
45Aを介して懸吊された網状の搭乗部41Aとから構
成されている。
【0084】上記の搭乗部41Aは、各連結ワイヤ45
Aを介して天井部44Aに懸吊された状態で略半球状に
なり、その幅は身障者と酸素ボンベSを同時に搭載でき
る大きさ(ここでは750[mm])に設定されてい
る。かかる搭乗部材4Aに搭乗する場合には、身障者は
その臀部を搭乗部41Aの内側に入れ、両足を外側に投
げ出す姿勢をとる。搭乗部41Aは網状であるため、変
形性に富み、酸素ボンベを装備している場合でも、変形
して有効に対応を図ることが可能である。
【0085】上記の搭乗部材4Aは、搭乗部41Aが網
状であるため、軽量化を図ることができると共に、非使
用時には、折り畳むことができ、可搬性の向上を図るこ
とが可能である。
【0086】(第2の実施形態)次に、図5に基づいて
本発明の第2の実施形態を説明する。この第2の実施形
態中で前述の船舶用昇降装置10と同一の構成について
は同一の符号を付して重複する説明は省略するものとす
る。
【0087】この第2の実施形態は、基台1と、この基
台1からほぼ垂直方向に立ち上げられた主軸2Bと、こ
の主軸2Bに対するほぼ垂直方向を軸として揺動自在且
つ主軸2Bに沿った方向を軸として回転自在として当該
主軸2Bの上端部に装備された昇降アーム3Bと、この
昇降アーム3Bの一端部にワイヤ6Bを介して懸吊され
た搭乗部材4と、昇降アーム3Bの他端部に懸吊された
所定重量のカウンターウェイト5とを備え、昇降アーム
3Bをその長手方向について移動自在に主軸2Bに係合
させ、当該昇降アーム3Bの移動を付勢する昇降アーム
移動付勢手段7Bを装備した船舶用昇降装置10Bを示
している。なお、固定具11(図2(A)参照)につい
ては、図示を省略している。
【0088】上記の主軸2Bは、基台1にターンテーブ
ル1aを介して立設されており、基台1に対して当該主
軸2Bの長手方向を中心軸として回転自在となってい
る。
【0089】昇降アーム3Bは、主軸2Bの上端部に当
該主軸2Bに垂直な方向を中心軸として揺動自在に連結
された筒状の本体31Bと、この本体31Bにスラスト
ベアリング(図示略)を介して貫通し,その長手方向に
往復移動を自在とする移動アーム部32Bとから構成さ
れる。
【0090】本体31Bと主軸2Bとの間には、ガス封
入式ピストン34Bが装備されている。このガス封入式
ピストン34Bは、前述したガス封入式ピストン34と
ほぼ同一の構造であり、一方の端部を本体31Bの端部
(搭乗部材4側)に連結され、他方の端部を主軸2Bに
連結されている。このため、搭乗部材4側が下方に向か
う方向に昇降アーム3Bが揺動する場合には、ガス封入
式ピストン34Bによる一定の抵抗力を受け、その揺動
操作は緩慢に行われることとなる。
【0091】なお、このガス封入式ピストン34Bにも
昇降アーム3Bの揺動を規制するロック機構が装備され
ている。また、このガス封入式ピストン34Bは、前述
のガス封入式ピストン34よりも伸縮の幅が大きく、昇
降アーム3Bは主軸2Bに対して大きな角度で揺動を自
在としている。
【0092】移動アーム部32Bは、長手の円柱状部材
であり、その一端部には搭乗部材4がワイヤ6Bを介し
て懸吊され、他端部にはカウンターウェイト5が懸吊さ
れている。そして、その中間部で、本体31Bと係合し
ている。
【0093】移動アーム部32Bと本体31Bとの間に
は、昇降アーム移動付勢手段7Bが装備されている。こ
の昇降アーム移動付勢手段7Bは、例えば、移動アーム
部32B側に設けられたラック機構と、本体31B側に
装備されたピニオン歯車と、このピニオン歯車に回転力
を伝達するウォームギアと、これを回転させるハンドル
とから構成される(いずれも図示略)。
【0094】上述の構成からなる船舶用昇降装置10B
は、船体Sの船縁S1上端部に固定した後に、搭乗部材
4側が船体Sの内部となる方向に昇降アーム3Bを回転
させ、身障者が搭乗した搭乗部材4を移動アーム部32
Bに連結する。カウンターウェイト5は、身障者が搭乗
した搭乗部材4を連結した状態で昇降アーム3Bの両端
部のバランスがとれる重量のものを予め装備しておく。
【0095】そして、介護者は、搭乗部材4の底部等が
船縁に接触しない高さまで昇降アーム3Bの搭乗部材4
側を持ち上げ、昇降アーム3Bの搭乗部材4側を海上側
に回転させる(図5の実線の状態)。
【0096】かかる状態から、ガス封入式ピストン43
Bのロック状態を解除し、昇降アーム移動付勢手段7B
を操作して、搭乗部材4が主軸2Bから離間する方向に
移動アーム部32Bを徐々に移動させる。これにより、
昇降アーム3Bの両端部の均衡状態は崩れ、昇降アーム
3Bは、搭乗部材4側がガス封入式ピストン34Bによ
る抵抗力を受けつつ徐々に下降する(図5の二点鎖線の
状態)。
【0097】搭乗部材4が海上に到達した後は、身障者
は搭乗部材4から降り、スキューバダイビングを開始す
ることができる。また、海上から上がる場合には、身障
者が搭乗部材4に搭乗した状態から、搭乗部材4側の端
部を主軸2側に近接する方向に移動アーム部32Bを移
動させ、これにより搭乗部材4を海上から引き上げ、さ
らに、搭乗部材4が船体Sの内部となる方向に昇降アー
ム3Bを回転させる。そして、搭乗部材4から身障者が
船体Sに移動し、動作が終了する。
【0098】上記第2の実施形態では、昇降アーム3B
の両端部のバランスを調整することにより搭乗部材4の
昇降動作を行うため、船舶用昇降装置10Bの操作を行
う介護者は、腕力を有する労働から開放され、より負担
の軽減を図ることが可能となる。
【0099】なお、昇降アーム3Bと主軸2Bとの間に
は、揺動動作をより緩慢に行うためのブレーキ機構を装
備しても良い。
【0100】(第3の実施形態)次に、図6に基づいて
本発明の第3の実施形態を説明する。この第3の実施形
態中で前述の船舶用昇降装置10又は船舶用昇降装置1
0Bと同一の構成については同一の符号を付して重複す
る説明は省略するものとする。
【0101】この第3の実施形態は、基台1と、この基
台1からほぼ垂直方向に立ち上げられた主軸2Bと、こ
の主軸2Bに対するほぼ垂直方向を軸として揺動自在且
つ主軸2Bに沿った方向を軸として回転自在として当該
主軸2Bの上端部に装備された昇降アーム3Cと、この
昇降アーム3Cの一端部にワイヤ6Bを介して懸吊され
た搭乗部材4と、昇降アーム3Cの他端部に懸吊された
所定重量のカウンターウェイト5とを備え、このカウン
ターウェイト5を昇降アーム3Cに沿って移動自在に装
備し、このカウンターウェイト5の移動を付勢する錘移
動付勢手段7Cを装備した船舶用昇降装置10Cを示し
ている。なお、固定具11(図2(A)参照)について
は、図示を省略している。
【0102】上記昇降アーム3Cは、主軸2Bの上端部
に当該主軸2Bに垂直な方向を中心軸として揺動自在に
連結され、この昇降アーム3Cと主軸2Bとの間には、
ガス封入式ピストン34Bが装備されている。このガス
封入式ピストン34Bは、一方の端部を昇降アーム3C
の搭乗部材4側寄りに連結され、他方の端部を主軸2B
に連結されている。このため、搭乗部材4側が下方に向
かう方向に昇降アーム3Cが揺動する場合には、ガス封
入式ピストン34Bによる一定の抵抗力を受け、その揺
動操作は緩慢に行われることとなる。
【0103】昇降アーム3Cのカウンターウェイト5側
には、当該カウンターウェイト5が錘移動付勢手段7C
を介して装備されている。この錘移動付勢手段7Cは、
例えば、昇降アーム3C側に設けられたラック機構と、
錘移動付勢手段7C側に装備されたピニオン歯車と、こ
のピニオン歯車に回転力を伝達する錘移動付勢手段7C
に装備されたウォームギアと、これを回転させる錘移動
付勢手段7Cに装備されたハンドルとから構成される
(いずれも図示略)。
【0104】かかる錘移動付勢手段7Cは、ハンドルの
操作により、カウンターウェイト5と共に昇降アーム3
Cの長手方向に沿って移動する。
【0105】上述の構成からなる船舶用昇降装置10C
は、船体Sの船縁S1上端部に固定した後に、搭乗部材
4側が船体Sの内部となる方向に昇降アーム3Cを回転
させ、身障者が搭乗した搭乗部材4を昇降アーム3Cの
一方の端部に連結する。カウンターウェイト5は、身障
者が搭乗した搭乗部材4を連結した状態で昇降アーム3
Cの両端部のバランスがとれる重量のものを予め装備し
ておく。
【0106】そして、介護者は、搭乗部材4の底部等が
船縁に接触しない高さまで昇降アーム3Cの搭乗部材4
側を持ち上げ、昇降アーム3Cの搭乗部材4側を海上側
に回転させる(図6の実線の状態)。
【0107】かかる状態から、ガス封入式ピストン34
Bのロック状態は解除し、錘移動付勢手段7Cを操作し
て、主軸2Bに近接する方向にカウンターウェイト5を
徐々に移動させる。これにより、昇降アーム3Cの両端
部の均衡状態は崩れ、昇降アーム3Cは、搭乗部材4側
がガス封入式ピストン34Bによる抵抗力を受けつつ徐
々に下降する(図6の二点鎖線の状態)。
【0108】搭乗部材4が海上に到達した後は、身障者
は搭乗部材4から降り、スキューバダイビングを開始す
ることができる。また、海上から上がる場合には、身障
者が搭乗部材4に搭乗した状態から、錘移動付勢手段7
Cにより主軸2側から離間する方向にカウンターウェイ
ト5を移動させ、これにより搭乗部材4を海上から引き
上げ、さらに、搭乗部材4が船体Sの内部となる方向に
昇降アーム3Cを回転させる。そして、搭乗部材4から
身障者が船体Sに移動し、動作が終了する。
【0109】以上のように、この第3の実施形態では、
昇降アーム3Cの両端部のバランスを調整することによ
り搭乗部材4の昇降動作を行うため、船舶用昇降装置1
0Cの操作を行う介護者は、腕力を有する労働から開放
され、より負担の軽減を図ることが可能となる。
【0110】なお、昇降アーム3Cと主軸2Bとの間に
は、揺動動作をより緩慢に行うためのブレーキ機構を装
備しても良い。
【0111】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、身障者が搭乗部
材に搭乗した後に、かかる搭乗部材を昇降アームにより
船体の外側に案内し、昇降付勢手段により紐状部材を介
して海上に下ろすという容易且つ腕力に頼らない作業に
より、身障者を海上に送り出すことができるため、従来
のように、直接船体から身障者を海上に下ろすという重
労働から介護者は開放され、その介護負担を軽減するこ
とが可能である。また、より負担が大きかった身障者を
海上から帰還させる作業についても、同様の介護負担の
軽減を図ることが可能である。
【0112】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の効果を有すると共に、昇降付勢手段の操作
ハンドルを基台上に装備しているため、例えば昇降アー
ム上に装備されている場合と比較して、昇降アームの回
転により、昇降アームと共に操作ハンドルの位置が移動
してしまう不都合がなく、常に一定して基台上に位置し
ているため、操作性の向上を図ることが可能である。
【0113】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明と同様の効果を有すると共に、昇降アームの
搭乗部材側が伸縮自在であるため、当該昇降アームの搭
乗部材側端部が船体の外側にある場合に、搭乗部材と船
体との距離を調整することが可能となる。このため、海
上に多少の波が生じ、船体が揺れる場合であっても、搭
乗部材を船体から充分な距離に保つことができ、搭乗部
材と船体との接触を有効に防止することが可能となる。
【0114】請求項4記載の発明は、昇降アームの両端
部のバランスを調整することにより搭乗部材の昇降動作
を行い、容易且つ腕力を不要とする作業により、身障者
を海上に送り出し,又は海上から帰還させることができ
るため、従来のように、直接船体から身障者を海上に下
ろすという重労働から介護者は開放され、その介護負担
を軽減することが可能である。
【0115】請求項5記載の発明では、昇降アームの両
端部のバランスを調整することにより搭乗部材の昇降動
作を行い、容易且つ腕力を不要とする作業により、身障
者を海上に送り出し,又は海上から帰還させることがで
きるため、従来のように、直接船体から身障者を海上に
下ろすという重労働から介護者は開放され、その介護負
担を軽減することが可能である。
【0116】請求項6記載の発明では、請求項1,2,
3,4又は5記載の発明と同様の効果を有すると共に、
基台を船縁に固定する固定具を装備しているため、基台
を置くスペースのない小型の船舶についても船舶用昇降
装置を搭載することが可能となる。また、固定具により
船舶用昇降装置全体が固定されるため、船舶用昇降装置
全体を支持できるように基台の大型化及び大重量化を図
る必要がなくなり、装置全体の小型化,軽量化を図るこ
とが可能となる。
【0117】請求項7記載の発明では、請求項1,2,
3,4,5又は6記載の発明と同様の効果を有すると共
に、搭乗部材に酸素ボンベを搭載する領域を備えている
ため、身障者は酸素ボンベを装備した状態で海上に至る
ことが可能となり、身障者は、海上に至ってから不自由
な状態で酸素ボンベを装着しなければならないという従
来の煩雑さから開放され、また、酸素ボンベが手元にな
いという不安感を取り除くことが可能である。
【0118】本発明は以上のように構成され機能するの
で、これによると、従来にない優れた呼気採取装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】上記第1の実施形態の固定具を示す部分拡大図
であり、図2(A)は断面逆L字状の船縁に固定した状
態を示し、図2(B)は断面T字状の船縁に固定した状
態を示す。
【図3】図1に開示したシートの斜視図である。
【図4】船舶用昇降装置の各部の他の例を示した正面図
である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す正面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す正面図である。
【符号の説明】
1,1A 基台 2,2A,2B 主軸 3,3B,3C 昇降アーム 4,4A 搭乗部材 5 カウンターウェイト(錘) 6,6B ワイヤ(紐状部材) 7 昇降付勢手段 71,71A 巻取り部 72,72A 操作ハンドル 7B 昇降アーム移動付勢手段 7C 錘移動付勢手段 10,10B,10C 船舶用昇降装置 S 船体 S1 船縁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 節夫 東京都武蔵野市吉祥寺東町3−2−13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台と、この基台からほぼ垂直方向に立
    ち上げられた主軸と、この主軸に対するほぼ垂直方向を
    軸として揺動自在且つ前記主軸に沿った方向を軸として
    回転自在として当該主軸の上端部近傍に装備された昇降
    アームと、この昇降アームの一端部に懸吊され,人間が
    乗り込む領域を備えた搭乗部材と、前記昇降アームの他
    端部に懸吊された所定重量の錘とを備え、 前記搭乗部材を紐状部材を介して前記昇降アームから懸
    吊すると共に、この紐状部材を介して前記搭乗部材を昇
    降させる昇降付勢手段を有することを特徴とする船舶用
    昇降装置。
  2. 【請求項2】 前記昇降付勢手段を,前記紐状部材を巻
    回する巻取り部とこの巻取り部に回転を付勢する操作ハ
    ンドルとを有する構成とし、この操作ハンドルを、前記
    基台に装備したことを特徴とする請求項1記載の船舶用
    昇降装置。
  3. 【請求項3】 前記昇降アームの,前記主軸との連結部
    から前記搭乗部材側の端部の間を伸縮自在としたことを
    特徴とする請求項1又は2記載の船舶用昇降装置。
  4. 【請求項4】 基台と、この基台からほぼ垂直方向に立
    ち上げられた主軸と、この主軸に対するほぼ垂直方向を
    軸として揺動自在且つ前記主軸に沿った方向を軸として
    回転自在として当該主軸の上端部近傍に装備された昇降
    アームと、この昇降アームの一端部に懸吊され,人間が
    乗り込む領域を備えた搭乗部材と、前記昇降アームの他
    端部に懸吊された所定重量の錘とを備え、 前記昇降アームをその長手方向について移動自在に前記
    主軸に係合させ、当該昇降アームの移動を付勢する昇降
    アーム移動付勢手段を装備したことを特徴とする船舶用
    昇降装置。
  5. 【請求項5】 基台と、この基台からほぼ垂直方向に立
    ち上げられた主軸と、この主軸に対するほぼ垂直方向を
    軸として揺動自在且つ前記主軸に沿った方向を軸として
    回転自在として当該主軸の上端部近傍に装備された昇降
    アームと、この昇降アームの一端部に懸吊された人間が
    乗り込む領域を備えた搭乗部材と、前記昇降アームの他
    端部に懸吊された所定重量の錘とを備え、 前記錘を前記昇降アームに沿って移動自在に装備し、こ
    の錘の移動を付勢する錘移動付勢手段を装備したことを
    特徴とする船舶用昇降装置。
  6. 【請求項6】 前記基台に、当該基台を船舶の船縁上端
    部に固定自在とする固定具を併設したことを特徴とする
    請求項1,2,3,4又は5記載の船舶用昇降装置。
  7. 【請求項7】 前記搭乗部材は、人間が乗り込む領域に
    加えて酸素ボンベを載置する領域を備えていることを特
    徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の船舶用
    昇降装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101400008B1 (ko) * 2012-09-06 2014-05-28 삼성중공업 주식회사 대상체의 유동을 감소시키는 선박용 리프팅 장치
CN108116998A (zh) * 2018-02-02 2018-06-05 广西壮族自治区环境监测中心站 一种支流沉积物采样支架
WO2022171797A1 (en) * 2021-02-12 2022-08-18 Vestdavit Gruppen As Extendable davit arrangement

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