JPH10250672A - 電動補助動力装置付自転車 - Google Patents

電動補助動力装置付自転車

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Publication number
JPH10250672A
JPH10250672A JP5756097A JP5756097A JPH10250672A JP H10250672 A JPH10250672 A JP H10250672A JP 5756097 A JP5756097 A JP 5756097A JP 5756097 A JP5756097 A JP 5756097A JP H10250672 A JPH10250672 A JP H10250672A
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JP
Japan
Prior art keywords
case
crankshaft
hollow shaft
rotational force
bicycle
Prior art date
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Pending
Application number
JP5756097A
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English (en)
Inventor
Kenji Harada
健司 原田
Yusuke Kinoshita
祐介 木下
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TEC CORP
Original Assignee
TEC CORP
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、回転力検出手段の出力が電動補助動
力装置の車体への取付状態に影響されないようにした電
動補助動力装置付自転車の提供にある。 【解決手段】ケース20内に配設され減速機構50を介
して電動機40の回転力が伝達されるとともにケース2
0に回転自在に設けられた中空軸70と、この中空軸7
0に設けられたクランク軸80と、このクランク軸80
の回転力に応じて軸方向に移動する駆動手段(突起部7
1f、移動体90)と、この駆動手段の移動によってク
ランク軸80の軸方向に偏位する偏位部材95と、この
偏位部材95に押圧される作動体(作動杆140)を有
する回転力検出手段(トルクセンサー100)とを備え
た電動補助動力装置付Cを車体Bに取付けた自転車にお
いて、偏位部材95および回転力検出手段をケース20
に取り付けることによってケース20の偏位状態での車
体Bへの取付に関係なく偏位部材95と作動体とを初期
の位置関係に維持し回転力検出手段の出力に影響を与え
ないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動補助動力装
置付自転車に関し、とくに踏力を検出する回転力検出手
段を精度よく動作させるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上り坂等を走行する場合のように
ペダルを踏み込む踏力が大きくなった際等に、この踏力
を回転力検出手段により検出しこの踏力の大きさに応じ
た回転力を電動機から補助することにより楽に走行がで
きるようにした電動補助動力装置付自転車は広く知られ
ている。
【0003】そして、ペダルに加わる踏力を検出する回
転力検出手段を動作させる構成は、基本的には前記ペダ
ルの踏力をペダルが取り付けられたクランクを介してク
ランク軸に伝達し、このクランク軸に加わる回転力に応
じて動作する作動手段を設け、この作動手段の動作によ
りスイッチ手段あるいは歪みセンサー等からなる回転力
検出手段を動作させて、この回転力検出手段の出力に応
じて前記電動機を制御し、そして、この電動機の回転力
を歯車群からなる減速機構を介してスプロケットが取り
付けられている中空軸に伝達し、この電動機の回転力を
前記スプロケットと後輪に掛けられているチェーンを介
して後輪に伝達して動力を補助するようになっている。
【0004】そして、前記作動手段の先行技術の一つと
して出願人が既に特願平8−306385号として出願
した明細書および図面に記載されている。この出願の明
細書および図面に記載した作動手段を図10ないし図1
3を参照して説明する。なお、図面の符号は前記出願の
図面の符号とは一致させはない。
【0005】図10において、C1は図示しない一般汎
用自転車の車体B1の立パイプ302、下パイプ303
(図11参照)が取り付けられたハンガラグ301に取
り付けられた電動補助動力装置であり、この電動補助動
力装置C1はケース本体331と蓋ケース332とから
なるケース330に取着された電動機340、この電動
機340の出力軸341の回転力つまり動力を伝達する
歯車群つまり歯車342、351ないし355からなる
減速機構350等とから構成されている。また、前記歯
車355には駆動歯車356が噛合している。
【0006】そして、この駆動歯車356は中空軸37
0に取り付けられており、この中空軸370内に図示し
ないペダルを有するクランク381、382が取り付け
られたクランク軸380が回転自在に設けられ、そし
て、このクランク軸380には一方向性クラッチ385
を介して貫通孔393が形成されたフランジ部391を
有する駆動板390が設けられている。この駆動板39
0は前記駆動歯車356との間に配設された圧縮ばね3
60を介して駆動歯車356と回転方向に相対移動する
ように構成されており、また、駆動歯車356の側面に
はこの駆動歯車の軸孔の外周に同心状に配置されるとと
もに図12に示す矢印方向つまり駆動歯車356が走行
時に回転する方向に沿って同図に示すように上方に向か
って次第に上昇する傾斜面357aが形成された3個の
突起部357が形成されている。
【0007】また、前記駆動板390に設けたフランジ
部391と駆動歯車356との間には、図13に示すよ
うにこのフランジ部391と駆動歯車356との間を駆
動板390の筒状部390aに設けた凸条390bに嵌
合溝395aを嵌合させてクランク軸380の軸方向に
移動する作動部材395が設けられており、また、この
作動部材395には前記フランジ部391の貫通孔39
3に遊嵌させて設けられた貫通軸396と前記傾斜面3
57aと互いに摺動する傾斜面395c(図12参照)
とが一体的に設けられている。そして、前記作動部材3
95は前記フランジ部391との間に設けたコイルスプ
リング397によって常時駆動歯車356方向に付勢さ
れている。
【0008】そして、このコイルスプリング397の付
勢力によって前記作動部材395の傾斜面395cは前
記駆動歯車356に形成した突起部357の傾斜面35
7aに圧接されつつ、駆動板390が駆動歯車356に
対して相対移動するのに伴って移動するものである。こ
の相対移動によって作動部材395は駆動歯車356に
対して接近あるいは離反つまり軸方向に移動するもので
あり、この移動量は前記クランク軸380に加わる回転
力が大きくなるにつれてつまりペダルにく加わる踏力が
大きくなるにつれて大きくなるものである。
【0009】そして、前記作動部材395が軸方向に移
動するとこの作動部材395のフランジ部391はケー
ス本体331つまりケース330に取り付けられた回転
力検出手段としてのトルクセンサー400の作動杆44
0の先端部を押圧し、この押圧力は前記作動部材395
の軸方向への移動量つまり踏力の大きさに応じて変化
し、この押圧力の変化に応じた電気的出力が制御手段に
送られ、制御手段は前記電気的出力に応じた回転力を出
力するように前記電動機340を制御するものである。
【0010】ところで、前記駆動板390およびこの駆
動板390の回動によって軸方向に移動する作動部材3
95は前記クランク軸380に設けられており、一方前
記トルクセンサー400はケース330に取り付けられ
ている。また、トルクセンサー400の作動杆440は
前記作動部材395の作用部395fに押圧される構成
となっている。そして、ペダルに加わる踏力に応じて設
定した所定の動力つまり回転力を電動機340から正確
に補助するためには、前記軸方向に移動する作動部材3
95の作用部395fの作用面に対して直交させて前記
作動杆440の先端部を当接させることが必要であり、
設計上は作用部395fの作用面に対して直交させて前
記作動杆440の先端部を当接させるように設計されて
いるものである。つまり、中空軸370およびクランク
軸380がケース本体331に取り付けたベアリング3
77を介してケース330と正規な状態に取り付けられ
て組み立てられた状態では前記作動部材395の作用部
395fの作用面とトルクセンサー400の作動杆44
0とは直交関係となるように設定されているものであ
る。
【0011】しかし、電動補助動力装置C1を車体B1
に取り付ける際に、ケース330に取り付けられた中空
軸370はハンガーラグ301に挿入して位置決めした
後、ケース330を車体B1に取り付けられた取付板4
80にねじによって固定するものであることから、この
取り付けの際に取付板480あるいはケース330との
取付寸法の誤差等によりケース330が前記下パイプ3
03の軸方向からずれるれて車体B1に取り付けられ
る、つまり前記ケース330と中空軸370およびクラ
ンク軸380との正規な組立状態が崩れた状態つまりケ
ース330が偏位した状態(図10においてハンガーラ
グ301の部分を中心として電動機340側が下パイプ
303の軸心に対して左右に偏位した状態)で車体B1
に取り付けられると、上記のように駆動板390および
作動部材395は前記クランク軸380に設けられ、一
方前記トルクセンサー400はケース330に取り付け
られていることから、トルクセンサー400の作動杆4
40が作動部材395の作用部395fの作用面に直交
状態つまり初期の位置関係で当接しなくなるため、作動
杆440の作用部95fに対する押圧力が設定値からず
れてしまい、このため踏力に応じて設定された所期の動
力が補助されないという事態が生じてしまう場合がある
ことが判明した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、出願人
が先に出願した電動補助動力装置付自転車における、ペ
ダルの踏力に応じて電動機440を制御するための駆動
板390によって軸方向に移動する作動部材395はク
ランク軸380に取り付けられ、一方トルクセンサー4
00はケース330に取り付けられているため、それぞ
れ別々に動きうる状態となっている。このためケース3
30あるいは取付板380に寸法誤差が生じていると電
動補助動力装置C1を車体B1に取り付けた際に、ケー
ス330が偏位した状態で取り付けられてしまうことか
ら、前記作動部材395の作用部395fの作用面とト
ルクセンサー400の作動杆440との初期の位置関係
がずれてしまい、その結果踏力に応じて設定されている
所期の動力の補助がされないという事態が生じてしま
う。つまりケース330あるいは取付板380等に寸法
誤差が生じ、ケース330が斜体B1に偏位状態で取り
付けられるか否かとは関係なく、所期の動力を補助する
とい点では必ずしも満足いくものでないものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、請求項1記載の発明は、電動機
と、ケース内に配設された複数の歯車からなり最終段に
設けられ嵌合孔を有する出力歯車を介して前記電動機の
回転力を伝達する減速機構と、前記ケースに回転自在に
取り付けられ一端側を前記出力歯車の嵌合孔に嵌合する
とともに他端側にチェーンを介して車輪に回転力を伝達
するスプロケットが取り付けられ内部に貫通孔を有する
中空軸と、この中空軸の貫通孔を貫通して配設され両端
にペダルを有するクランクが取り付けられ一端側に一方
向性クラッチを設けたクランク軸と、前記クランク軸の
一方方向への回転に応じて前記クランク軸の軸方向に沿
って移動するとともにクランク軸の回転力を中空軸に伝
達する駆動手段と、この駆動手段の移動によってクラン
ク軸の軸方向に偏位する偏位部材と、この偏位部材の移
動によって押圧される作動体を有し前記偏位部材の偏位
量に応じた電気信号を出力する回転力検出手段とを備え
た電動補助動力装置を前記中空軸をハンガーラグに挿通
して車体に取り付けた電動補助動力装置付自転車におい
て、前記偏位部材および回転力検出手段を前記ケースに
取り付けた電動補助動力装置付自転車としたものであ
る。
【0014】このように請求項1記載の発明は、クラン
ク軸の一方方向への回転に応じて前記クランク軸の軸方
向に沿って移動する駆動手段によって動作する偏位部材
と、この偏位部材の移動によって押圧される作動体を有
しこの偏位部材の偏位量に応じた電気信号を出力する回
転力検出手段との両者をケースに取り付ける構成とした
ことから、寸法誤差等に起因してケースが車体に偏位し
た状態で取り付けられたとしても偏位部材および回転力
検出手段とはこのケースと一体的に動くことから、偏位
部材と回転力検出手段の作動体との関係を初期の位置関
係に維持でき、ペダルの踏力に応じて設定された所期の
動力の補助ができるという作用を有するものである。
【0015】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、前記駆動手段を前記中空軸の一端側
に設けた押圧摺動部と、クランク軸の一端側に設けられ
た一方向性クラッチに同期して回転し前記押圧摺動部に
係合しつつ相対移動する披押圧摺動部を有し、前記相対
移動量に応じてクランク軸の軸方向に移動するとともに
前記係合によってクランク軸の回転力を中空軸に伝達す
る移動体とによって構成した電動補助動力装置付自転車
としたものである。
【0016】このように請求項2記載の発明は、請求項
1記載の発明における、駆動手段を前記中空軸の一端側
に設けた押圧摺動部と、クランク軸の一端側に設けた一
方向性クラッチとともに回転し前記押圧摺動部と係合し
つつ相対移動する披押圧摺動部を有し、前記相対移動量
に応じてクランク軸の軸方向に移動するとともに前記係
合によってクランク軸の回転力を中空軸に伝達する移動
体とによって構成したことから、請求項1記載の発明の
作用に加えて、駆動手段の構成を簡単にすることができ
るとともに上記先願に記載された構成のようにクランク
軸から中空軸への回転力の伝達は駆動歯車、圧縮ばねを
介することなく中空軸に伝達されることからペダルの踏
力を効率よくスプロケットつまり後輪に伝達できるとい
う作用を有するものである。
【0017】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは請求項2記載の発明におけるケースを、主ケースと
この主ケースに着脱可能な副ケースとにより構成すると
ともに、前記回転力検出手段を主ケースに設けるととも
に偏位部材を副ケースに設けた電動補助動力装置付自転
車としたものである。
【0018】このように請求項3記載の発明は、請求項
1または請求項2記載の発明においてケースを、主ケー
スとこの主ケースに着脱可能な副ケースとにより構成す
るとともに、前記回転力検出手段を主ケースに設けると
ともに偏位部材を副ケースに設ける構成としたことか
ら、請求項1記載の発明の作用に加えて、ケースが分割
され状態の主ケースおよび副ケースにそれぞれ回転力検
出手段および偏位部材を取り付け、これら両ケースを結
合することにより回転力検出手段と偏位部材とをケース
に取り付けることができることから取付けが容易である
という作用を有する。また、回転力検出手段が取り付け
られた主ケースに偏位部材を取り付けた副ケースを結合
することにより偏位部材と作動体との位置決めされるこ
とから偏位部材と作動体との位置決めも容易にできると
いう作用を有するものである。
【0019】また、請求項4記載の発明は、請求項2ま
たは請求項3記載の発明において、前記中空軸の貫通孔
を中央部に位置させた底壁とこの底壁の外周に形成され
外側に前記出力歯車の嵌合孔に嵌合する嵌合部が形成さ
れた環状壁とからなり内部を凹部とした有底筒状部を中
空軸の一端に形成し、この有底筒状部の前記底壁に前記
押圧摺動部を形成するとともに、前記移動体を前記凹部
内に配設した電動補助動力装置付自転車としたものであ
る。
【0020】このように請求項4記載の発明は、請求項
2または請求項3記載の発明において、中空軸の一端に
有底筒状部を形成するとともにこの有底筒状部の底壁に
押圧摺動部を形成するとともに凹部内に移動体を配設す
る構成としたことから、請求項2または請求項3記載の
それぞれの発明の作用に加えて、出力歯車と駆動手段を
軸方向にオーバーラップさせることができることからケ
ースの軸方向の厚み寸法を小さくできるという作用を有
するものである。このことによって、ケースの車体の横
方向への突出寸法を小さくでき運転時にケースが邪魔に
なることがないものである。
【0021】また、請求項5記載の発明は、請求項2な
いし請求項4記載の発明において、押圧部摺動部と披押
圧摺動部とのいずれか一方を凸部で形成するとともに他
方を前記凸部が摺動する斜面で形成した電動補助動力装
置付自転車としたものである。
【0022】このように請求項5記載の発明は、請求項
2ないし請求項4記載の発明における押圧部摺動部と披
押圧摺動部とのいずれか一方を凸部で形成するとともに
他方を前記凸部が摺動する斜面で形成したことから、請
求項2ないし請求項4記載の発のそれぞれの作用に加え
て押圧部摺動部と披押圧摺動部との接触摩擦を低減でき
ることから偏位部材の摺動動作をスムーズにかつ正確に
動作させることができるという作用を有するものであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態を
図1および図8に基づいて説明する。図に示すように、
電動補助動力装置付自転車(以下単に自転車という)A
は、車体Bとこの車体Bに取り付けられた電動補助動力
装置(以下単に動力装置という)C等から構成されてい
る。そして、前記車体Bは一般用自転車つまり一般に市
販されている汎用自転車からなるもので、ハンガラグ1
に一端側を固定された立パイプ2および下パイプ3と、
この下パイプ3の他端側に固定されたヘッドパイプ4に
一端側を固定され他端側を前記立パイプ2の下方部に固
定された上パイプ5とからなるフレーム6、前記ハンガ
ラグ1に一端側を固定されたチェーンステー7、前記ヘ
ッドパイプ4に取り付けられた前ホーク8、この前ホー
ク8の上端に取り付けられたハンドル9、前記前ホーク
8の下端部に取り付けられた前輪10、前記立パイプ2
の上部に一端側を固定され他端側を前記チェーンステー
7の他端側と図示しない後つめを介して固定されたバッ
クホーク11、前記チェーンステー7の他端側に取り付
けられた後輪12、前記立パイプ2の上方に取り付けら
れたサドル13、前記後輪12の上部に設けた荷受台1
4等から構成されている。なお、前記前輪10および後
輪12の一部はそれぞれカバー10aおよび12aによ
って覆われている。また、前記ハンガラグ1には後述す
るクランク軸80が回動自在に設けられ、このクランク
軸80の両端部にはそれぞれペダル81aと82aが設
けられた左クランク81と右クランク82が取り付けら
れている。また、前記荷受台14の下部には図示しない
バッテリーを収納するバッテリーケース14aが取り付
けられている。また、前記図示しないバッテリーと後述
する電動機40、制御手段170とは図1に示すように
リード線16によっては接続されている。また、走行時
の回転力を伝達するスプロケット17と後輪12の図示
しないスプロケットにはチェーン18が架けられてい
る。
【0024】つぎに、前記動力装置Cの構成について説
明する。
【0025】まず、動力装置Cの構成を図2ないし図5
に基づいて説明する。図に示すように動力装置Cは、ケ
ース20、このケース20に取り付けられた電動機4
0、減速機構50から構成されており、また前記ケース
20には軸受を介して取り付けられ前記減速機構50か
ら回転力が伝達される中空軸70と、この中空軸70を
貫通してクランク軸80が設けられている。また、前記
ケース20内には後述するマイクロコンピュータ等から
なる前記制御手段170等が収納されている。
【0026】つぎに、上記各構成要素について説明す
る。まず、前記ケース20は、底壁231とこの底壁2
31の周囲に周壁232を形成して一端側を開口した略
有底箱状に形成された主ケース230と、この主ケース
230の前記開口を閉蓋する副ケース250とから構成
されている。そして、前記主ケース230および副ケー
ス250とは熱伝導率のよい材料例えばアルミニウム等
の金属から形成されている。
【0027】そして、前記主ケース230には、一端側
つまり前記中空軸70が取り付けられる側に減速機構5
0の一部が配設される配設室233が形成され、また、
他端側にはこの配設室233に隣接して前記制御手段1
70等が収納される収納室234が設けられている。ま
た、この収納室234の側方つまり前記中空軸70が突
出している側には、この収納室234と並べて形成され
前記電動機40が取り付けられる取付部235が設けら
れており、この取付部235と前記配設室233との間
に位置して前記減速機構50の一部が配設される配設室
236が設けられている。
【0028】そして、前記配設室233には、図2に示
すように底壁231に形成した凹状の第一の軸受取付部
233aと底壁231を貫通して形成した第二の軸受取
付部233bがそれぞれ形成されている。
【0029】また、前記収納室234は図2に示すよう
に、取付ボス234aに前記制御手段としてのマイクロ
コンピュータを含む各種の電子部品172が取り付けら
れたプリント基板171が取付ねじ234bによって取
り付けられている。
【0030】また、前記電動機40を取り付ける前記取
付部235は、環状壁235aに囲まれるとともに一端
側つまり図2において上方を開口して形成した挿入口2
35bが設けられ、また、この挿入口235bと対向す
る底面には複数個(図2では1個のみ図示)の貫通孔2
35cが設けられている。
【0031】また、上記のように構成された主ケース2
30の前記開口に取り付けられる副ケース250には前
記主ケース230に形成された第一の軸受取付部233
a、第二の軸受取付部233bにそれぞれ対応して、軸
受取付部251、貫通孔252が形成され、また、周縁
部にはねじ255を取り付ける複数(図2では1個のみ
図示)のねじ穴255aが形成されている。また、前記
貫通孔252の周囲にシール部材253を収納する環状
のシール部材収納部253aが形成されている。また、
副ケース250には前記貫通孔252を中心として同心
円状に配置された3個(図2では2個のみ図示)の後述
する作動部材95を移動可能に支持する支持突起257
が一体的に形成されており、この支持突起257は径大
な基部257aとこの基部257aより径小な嵌合軸部
257bとからなり、基部257aと嵌合軸部257b
の境界部に形成される段部は後述するコイルばねからな
る付勢ばね60の一端側を支持する支持面257cとな
っている。
【0032】そして、主ケース230と副ケース250
とは減速機構50、各種電子部品172等を収納した状
態で前記ねじ255をねじ穴255aに締結することに
よって一体的に結合して取り付けられるようになってい
る。
【0033】また、前記電動機40は、出力軸41が突
出している側の端面に取付台42が複数(図2では1個
のみ図示)のねじ43によって取り付けられ、この取付
台42には複数(図2では1個のみ図示)の突起44が
形成されている。
【0034】つぎに、前記減速機構50について説明す
る。この減速機構50は、前記電動機40の出力軸41
の先端部に取り付けられた歯車51、この歯車51と噛
合する径大な歯車52、この歯車52と一体に設けられ
た径小な歯車53、固定軸54aに回転自在に取り付け
られ前記歯車53と噛合する径大な歯車54bとこの歯
車54bと一体の傘歯車54cとからなる歯車54、前
記傘歯車54cと噛合する傘歯車55、この傘歯車55
が取り付けられている軸と同じ軸55aに取り付けられ
た歯車55b、この歯車55bに噛合する出力歯車56
とから構成されている。
【0035】また、前記一体となっている歯車52およ
び歯車53は、前記電動機40に取り付けられた前記取
付台42に固定して取り付けられた固定軸53aに軸受
53bを介して取り付けられており、また、前記固定軸
53aの先端部にはゴム等からなる緩衝体53cが嵌合
され、この緩衝体53cを介して固定軸53aの先端部
は主ケース230に設けられた貫通孔235dに嵌合し
て位置決めされて取り付けられるようになっている。そ
して、前記取付台42が取り付けられた電動機40の取
付部235への取り付けは、前記固定軸53aに歯車5
2および歯車53を軸受53bを介して取り付けるとと
もにその先端部に緩衝体53cを嵌合し、また、前記取
り付け台42に設けた突起44に緩衝体45aを嵌合し
た後、電動機40を前記取付部235の挿入口235b
から挿入し、緩衝体53cおよび緩衝体45aをそれぞ
れ嵌合した固定軸53aおよび突起44を前記貫通孔2
35dおよび貫通孔235cに嵌合させ、ついで緩衝体
45bを介在させて蓋体47で覆ってこの蓋体47をね
じ46によって前記主ケース230に取り付けることに
よって、電動機40は取付部235に取り付けられるも
のである。
【0036】そして、前記傘歯車55と歯車55bとが
取り付けられている軸55aの両端はボールベアリング
からなる軸受55c、55dを介して前記主ケース23
0および副ケース250にそれぞれ設けた第一の軸受取
付部233aおよび軸受取付部251に取り付けられ
る。また、前記歯車55bは前記軸55aに一方向性ク
ラッチ55fを介して取り付けられている。この一方向
性クラッチ55fは前記電動機40の回転力を自転車が
正規に走行するつまり前進方向に走行するように前記出
力歯車56に伝達するように前記歯車55bを回転させ
るが、逆方向には空転するように機能するものである。
つまり一方向性クラッチ55fは人力走行の際にペダル
81a、82aが取り付けられているクランク81、8
2が走行方向に回転したときは空転するように機能する
ものである。また、前記出力歯車56の中央部には軸孔
56aが形成されており、この軸孔56aには凹凸条5
6cが形成されている。
【0037】つぎに、前記出力歯車56に形成された軸
孔56aに嵌合して、減速機構50を介して伝達される
前記電動機40の動力つまり回転力をスプロケット17
に伝達する中空軸70について説明する。この中空軸7
0は内部に貫通孔71を有するとともに一端側に、前記
貫通孔71を中央部に位置させた円形状の底壁71aと
この底壁71aの外周に形成された環状壁71bからな
る有底筒状部71cが一体に形成されている。そして、
この有底筒状部71cの内側には前記底壁71aと環状
壁71bによって一端側つまり図において副ケース25
0側を開口した凹部71dが形成され、また、前記環状
壁71bの外周には前記出力歯車56の軸孔56aに形
成された凹凸条56cと係合する凹凸条72が形成さ
れ、前記軸孔56aに嵌合した状態では両凹凸条56
c、72の係合によって周方向に回り止めされて、中空
軸70は出力歯車56と一体に回転するようになってい
る。また、中空軸70の他端側にはスプロケット17が
取り付けられている取付部材17aが取り付けられてい
る。また、この中空軸70は前記一端側に形成した有底
筒状部71cの底壁71aの外側面を摺接面として主ケ
ース230に形成された第二の軸受取付部233bに取
り付けられたベアリング77に軸支されている。また、
前記有底筒状部71cの底壁71aには押圧摺動部とし
ての傾斜面71eが形成された複数(実施の形態では3
個、図2では1個のみ図示)の凸部としての突起部71
fが形成されており、この突起部71fに形成された前
記傾斜面71eは図5に示す矢印方向つまり中空軸70
が走行時にスプロケット17を回転させる方向に沿って
同図において上方に向かって次第に上昇するように形成
されている。
【0038】つぎに、前記中空軸70の貫通孔71に貫
通して取り付けられるクランク軸80について説明す
る。このクランク軸80の一端側つまり副ケース250
側には外周を角柱状に形成した嵌合部83aが設けられ
た取付部83が、また、他端側には同様に外周を角柱状
に形成した嵌合部84aが設けられた取付部84がそれ
ぞれ形成されている。なお、前記取付部83および84
は前記した一般用自転車の左クランク81および右クラ
ンク82の嵌合部81b、82bに整合する形状および
寸法に形成されている。
【0039】また、前記クランク軸80の一端側の前記
有底筒状部71cの凹部71d内に位置する部位に一方
向性クラッチ85が取り付けられており、この一方向性
クラッチ85には、この一方向性クラッチ85の外側に
設けられるとともにこの一方向性クラッチ85によって
一方方向に回動させられる移動体90が取り付けられて
いる。なお、前記一方向性クラッチ85はクランク軸8
0が人力走行の際にペダル81a、82aが取り付けら
れたクランク81、82によって走行方向に回転させら
れた場合は前記移動体90を回転させ、これとは逆にク
ランク軸80が回転したときは空転し前記移動体90を
回転させないように機能するものである。
【0040】また、前記一方向性クラッチ85にはクラ
ンク軸80に形成されたいわゆるセレーションといわれ
る軸方向に沿って形成された凹凸条88と係合する図示
しない凹凸条が設けられており、このことにより、一方
向性クラッチ85はクランク軸80に対して軸方向に所
定の範囲内で移動でるようになっている。
【0041】そして、前記移動体90は図2、図4に示
すように筒状壁90aとこの筒状壁90aの一端側に設
けられた円板状フランジ部91とからなり、前記筒状壁
90aの内周壁には前記一方向性クラッチ85が係合離
脱する刃部90cが形成され、また、前記フランジ部9
1の前記副ケース250側の面には環状凸部92が形成
されている。また、移動体90の筒状壁90aの端縁に
は前記有底筒状部71cの底壁71aに形成した突起部
71fの傾斜面71eに沿って係合しつつ摺動する被押
圧摺動部としての凸部90bが3個(図4では1個のみ
図示)形成されている。
【0042】そして、人力走行の際にペダル81a、8
2aの踏力により前記クランク軸80が回転すると、こ
のクランク軸80の回転により一方向性クラッチ85と
ともに移動体90は回動する。そして、前記一方向性ク
ラッチ85はクランク軸80の軸方向に移動可能となっ
ていることから、前記凸部90bは前記傾斜面71eに
沿って係合しつつ上方に移動し、前記一方向性クラッチ
85と移動体90とはクランク軸80に対して図2にお
いて副ケース250方向に移動する。
【0043】つぎに、前記副ケース250に形成した支
持突起257に取り付けられる偏位部材95について説
明する。なお、この偏位部材95と前記移動体90とは
駆動手段を構成しているものである。そして、前記偏位
部材95は図3に破線で示すように略小判形状に形成さ
れた板部材から形成され、中央部には図2に示すように
前記クランク軸80の直径より大きい直径の貫通孔25
8a(図2参照)が形成されとともに前記副ケース25
0に形成した支持突起257の嵌合軸部257bに対し
て軸方向に移動できる大きさの挿通孔258bが3個形
成されている。そして、この3個の挿通孔258bに前
記嵌合軸部257bを挿通させるとともに嵌合軸部25
7bの先端部に形成したねじにナット259を締結する
ことによって、偏位部材95は前記支持突起257に軸
方向に移動自在つまり偏位可能に取り付けられるもので
ある。また、この偏位部材95を支持突起257に取り
付ける際に、嵌合軸部257bに前記付勢ばね60が挿
通されて配設され、この付勢ばね60は一端側を前記支
持面257cに支持されて前記偏位部材95を副ケース
250から離反する方向つまり偏位部材95を前記ナッ
ト259に当接させるように付勢しているものである。
【0044】また、偏位部材95の前記移動体90と対
向する側にはクランク軸80の回転力を検出する後述す
る回転力検出手段としてのトルクセンサー100の作動
体としての作動杆140を動作させるつまり押圧する作
用面95fが形成されている。
【0045】また、偏位部材95と前記移動体90のフ
ランジ部91に形成された環状凸部92とは微小間隙G
だけ離間して配設されており、このように微小間隙Gだ
け離間させている理由は後述するように動力装置Cを車
体Bに取付けた際に、ケース20等の寸法誤差によりケ
ース20が斜体Bに偏位状態で取り付けられた場合、そ
の偏位置が僅かな場合に移動体90の環状凸部92と偏
位部材95とが当接することを防止して、トルクセンサ
ー100の出力に影響を与えないようにするためであ
る。
【0046】そして、この付勢ばね60の付勢力の大き
さは、人力走行の際に前記クランク軸80、一方向性ク
ラッチ85を介して移動体90に加えられる回転力の大
きさに応じ偏位部材95を介して収縮し、前記凸部90
bと突起部71fの傾斜面71eとの相対移動を許容す
るとともにその付勢力によって突起部71fとの係合状
態を維持してクランク軸80の回転力を中空軸70に伝
達できるように設定されている。つまり、人力走行の際
には、前記クランク軸80の回転に伴って一方向性クラ
ッチ85を介して加えられる回転力によって移動体90
はその凸部90bが突起部71fの傾斜面71eの傾斜
に沿って上方すなわち偏位部材95側に移動し、移動体
90の環状凸部92は偏位部材95に当接してさらに前
記付勢ばね60の付勢力に抗してこの付勢ばね60を圧
縮させつつ偏位部材95を副ケース側に移動させるよう
になっている。したがって、前記クランク軸80の回転
力の大きさすなわちペダル81a、82aの踏力の大き
さは、付勢ばね60の付勢力に抗して移動する移動体9
0によって軸方向に偏位する偏位部材95の偏位量に変
換されることになる。
【0047】そして、人力走行の際にペダル81a、8
2aの踏力による回転力は一方向性クラッチ85ととも
に移動体90に伝達され、移動体90は回動し、凸部9
0bは有底筒状部71cの突起部71fの傾斜面71e
に沿って摺動しつつ上昇し、移動体90は伝達板71c
の底壁71aから離反する方向に移動する。一方この移
動に伴って移動体90は偏位部材95を介して前記付勢
ばね60によって付勢力を受けているため、前記凸部9
0bと突起部71fの傾斜面71eとの係合により有底
筒状部71cつまり中空軸70は一方向性クラッチ85
を介して回転する移動体90とともに回転することにな
る。つまり、ペダル81a、82aの踏力はクランク軸
80、一方向性クラッチ85、偏位部材95を介して付
勢ばね60によって付勢力を付与されている移動体9
0、中空軸70、スプロケット17を介して後輪12に
伝達されて走行がなされるものである。
【0048】そして、前記走行中において例えば登り坂
を走行するようになった場合のように、後輪12を介し
て中空軸70に大きな負荷が加わった状態でさらにペダ
ル81a、82aが強く踏み込まれると、移動体90は
前記付勢ばね60を圧縮させつつ凸部90bは傾斜面7
1eを上昇する方向に摺動することになり、移動体90
と有底筒状部71cとの相対移動は大きくなり移動体9
0はさらに有底筒状部71cからは離れ、偏位部材95
は移動体90つまり環状凸部92の先端部によって押さ
れて図6に示すように二点鎖線で示す位置から実線で示
す位置まで移動しこのときの偏位量Aとなる。つまり、
ペダル81a、82aの踏力が大きくなるにしたがって
偏位部材95の偏位量は大きくなるようになっている。
【0049】そして、偏位部材95が副ケース250側
に移動すると、偏位部材95の作用面95fによって押
圧されて動作する、後に詳述する回転力検出手段として
の前記トルクセンサー100の作動杆140の押圧が変
化(この場合は押圧力が減少するように変化)し、この
変化に応じた電気的出力がトルクセンサー100から出
力がされ、この電気的出力を周知のA/D(アナログ/
デジタル値)変換器によってデジタル値に変換して前記
制御手段170に送るようになっている。
【0050】なお、登り坂の走行から平坦面の走行に変
わると、この時の回転力に応じて例えば踏力が零となる
と前記付勢ばね60は復元力により復帰し、偏位部材9
5を介して移動体90と有底筒状部71cとの相対移動
はなくなり、凸部95bは前記突起部71fの傾斜面7
1eから下方に移動し移動体90および偏位部材95は
元の状態に復帰する。この結果前記トルクセンサー10
0の作動杆140は元の状態に復帰しこのときの電気的
出力は同様にデジタル値に変換されて制御手段170に
送られるようになっている。
【0051】つぎに、前記トルクセンサー100の構成
を図7、図8に基づいて説明する。図7に示すようにト
ルクセンサー100は、下部ケース110とこの下部ケ
ース110に取り付けられる上部ケース120とからな
るケース本体101、このケース本体101内に配設さ
れるセンサーとしての歪みゲージ130、被検出トルク
の作用力を受ける作動体としての作動杆140およびこ
の作動杆140が受けた作用力を歪みゲージ130に伝
達するコイルスプリング150等から構成されている。
【0052】そして、このトルクセンサー100は図2
に示すように主ケース230にねじ115によって取り
付けられており、この取り付け状態では前記作動杆14
0の軸心と前記偏位部材95の作用面95fの面とは直
交する位置関係となるよう設定されている。そして、ト
ルクセンサー100および偏位部材95はそれぞれ一体
的に結合されてケース20を構成する主ケース230と
副ケース250に取り付けられていることから、前記作
動杆140の軸心と作用面95fとの直交関係は正確に
設定できるとともに、ケース20が車体Bに取付けられ
た際に取付板280あるいはケース20等の寸法誤差あ
るいは変形等によって車体Bに偏位状態で取り付けられ
たとしても、前記センサー100および偏位部材95は
それぞれケース20と一体に動くことから前記偏位部材
95の作用面95fの面とは直交する位置関係つまり初
期の位置関係は維持されるものである。
【0053】したがって、偏位部材95の偏位量は作用
面95fを介して作動杆140に正確に伝達され、トル
クセンサー100からの出力も正確なつまり所定の出力
がされることになり、電動機40から所定の動力が補助
されることになる。
【0054】そして、前記歪みゲージ130は図8に示
すようにリード線133a、133bを介して増幅器1
36、図示しない前記A/D変換器を介して前記制御手
段170に接続されており、また、この制御手段170
は前記電動機40を制御するようになっている。
【0055】また、前記上部ケース120は、底壁12
1の外周に外周壁122を形成した有底箱状に形成さ
れ、この底壁121にはそれぞれ底壁121の内側およ
び外側に突出した筒部125が形成され、また、この筒
部125には外側端部から略中間部までの部位にはガイ
ド孔126が形成されるとともに、前記中間部から内側
端部までの部位にはガイド孔126より径大な孔127
が形成されている。
【0056】そして、前記センサーつまり歪みゲージ1
30は、例えばアルミニウム等からなる起歪体131の
表面に絶縁被膜を介して薄膜からなる4個の抵抗体R1
ないしR4(図7では不図示)を貼着あるいはいわゆる
半導体技術等により配設するとともに、これら4個の抵
抗体R1ないしR4をプリント配線された導体によっ
て、図8に示すようにブリッジWを構成するように接続
して構成されている。そして、前記ブリッジWの抵抗体
R1とR3との接続点および抵抗体R4とR2との接続
点はリード線132aおよび132bを介して電源に接
続され、また、抵抗体R1とR4との接続点および抵抗
体R2とR3との接続点は出力端部となっており、この
出力端部からの出力つまり被検出トルクの大きさに応じ
た電気的出力は前記リード線133aおよび133bを
介して前記増幅器136、前記図示しないA/D変換器
を介して制御手段170に送られるようになっている。
そして、この出力と後述するスピードセンサー160か
らの出力に応じて制御手段170は前記電動機40の駆
動・停止を含む出力つまり回転力の制御をするようにな
っている。
【0057】また、前記下部ケース110と上部ケース
120とに固定端を挾持して固定された起歪体131の
自由端131aは前記筒部125の内側端部の下方に位
置するとともにガイド孔126に対応する部位まで延出
されており、この先端部にはガイド孔126の軸心と一
致する軸心を有するピン134が取り付けられ、このピ
ン134にはコイルスプリング150の他端部を受ける
環状鍔134aが形成されている。
【0058】また、前記作動杆140には前記ガイド孔
126に案内されて軸方向にスライド自在に嵌合する軸
部141が形成され、この軸部141の先端部にはコイ
ルスプリング150の端部を受ける段部142が形成さ
れ、この段部142と前記ピン134の環状鍔134a
との間には、前記コイルスプリング150が所定量圧縮
された状態で配設されている。
【0059】そして、このトルクセンサー100の動作
は従来周知の歪みゲージを用いたトルクセンサーと同一
の原理で動作するものである。つまり被検出トルクすな
わち前記移動体90と偏位部材95によって前記クラン
ク軸80の回転力が偏位部材95の作用部95fを介し
て作動杆140に作用しつまり押され、この作用によっ
て起歪体131に曲げ力の解除または付与をして、前記
抵抗体R1ないしR4の抵抗値を変化させてこの抵抗値
の変化に応じたブリッジWからの電気的出力を取り出す
ものである。つまりこの実施の形態においては、人力走
行中にペダル81a、82aの踏み込み力が所定値を超
えない状態、すなわち有底筒状部71cと移動体90に
相対移動が生じていない状態では、偏位部材95が移動
することなく作動杆140、コイルスプリング150を
介して起歪体131に最大曲げ力が加えられ、この状態
でのブリッジWから出力される電気的出力が基準値とさ
れ、この基準値では電動機40は停止状態となるように
制御手段170によって制御され、また、登り坂の走行
等の場合のようにペダル81a、82aの踏力が大きく
なり、この踏力に応じて有底筒状部71cと移動体90
に相対移動が生じ、偏位部材95が移動して有底筒状部
71cから離反し作動杆140、コイルスプリング15
0を介して加えられていた起歪体131の曲げ力が減少
し、この曲げ力の減少に伴ってブリッジWの抵抗体R1
ないしR4の抵抗値が変化し、この変化に応じた電気的
出力がブリッジWから出力され、増幅器136等を介し
て制御手段170は電動機40を制御するものである。
【0060】また、前記ケース20の内部には図3に示
すように自転車Aの車速を検出するスピードセンサー1
60が設けられており、このスピードセンサー160は
周知の磁気センサーが用いられ、このスピードセンサー
160の図示しない検出部は前記出力歯車56の歯部に
近接して配置され、前記出力歯車56が回転することに
より検出部に出力歯車56の各歯が近接する毎に、スピ
ードセンサー160からはパルス信号が発生され、図示
しない信号線を介して制御手段170に送られるように
なっている。そして、制御手段170はスピードセンサ
ー160から送られてくるパルス信号の単位時間当たり
のパルス数を算出してこの値に基づいて車速を決定する
ものである。
【0061】そして、制御手段170は、前記トルクセ
ンサー100で検出された出力結果すなわちペダル81
a、82aの踏力に応じた回転力と前記スピードセンサ
ー160で検出された結果すなわち車速とに基づいて、
前記電動機40の出力を制御する。つまり、走行中にお
ける各瞬時毎の車速とその時のペダル81a、82aの
踏力によって加わるクランク軸80の回転力に応じて、
当該瞬時における車速と回転力に応じた回転力つまり動
力を補助するように前記電動機40を制御するものであ
る。
【0062】つぎに、前記電動機40の駆動力の後輪1
2への伝達について説明する。
【0063】人力走行により登り坂等を走行すると、上
述したようにペダル81a、82aの踏込力が大きくな
り、前記有底筒状部71cと移動体90とに大きな相対
移動が生じ、その結果移動体90に形成した凸部95b
は有底筒状部71cに設けた突起部71fの傾斜面71
eに沿って係合しつつ上方に移動し、移動体90は有底
筒状部71cから離反する方向に移動し前記偏位部材9
5は副ケース250側に移動つまり偏位する。その結果
前記作動杆140はコイルスプリング150の付勢力に
よって偏位部材95によって押圧されて移動し起歪体1
31の曲げ力が減少し起歪体131は復元し、抵抗体R
1ないしR4の抵抗値が変化し、ブリッジWからはこの
抵抗値の変化に応じた電気的出力が出力され、この出力
とスピードセンサー160からの出力に応じて算出され
た車速に基づいて制御手段170は電動機40を制御す
る。そして、電動機40が回転すると、この電動機40
の回転力は減速機構50、出力歯車56を介して中空軸
70に伝達され、この中空軸70に取り付けられている
スプロケット17、チェーン18を介して後輪12に伝
達される。つまりペダル81a、82aを踏み込むこと
によってクランク軸80に伝達される人力による回転力
に前記電動機40の回転力つまり動力が補助されて自転
車Aは走行する。
【0064】つぎに、前記動力装置Cの組み立て方につ
いて説明する。まず移動体90を取り付けた一方向性ク
ラッチ85をクランク軸80に取り付けた状態として準
備する。
【0065】そして、前記主ケース230の取付部23
5に電動機40を取り付け、また、この主ケース230
に前記減速機構50を構成する他の各歯車51ないし車
55bを所定位置に配設するとともに第二の軸受取付部
233bに取り付けたベアリング77に中空軸70を挿
通して取り付ける。また、主ケース230に前記トルク
センサー100、スピードセンサー160および各種電
子部品172を取り付けたプリント基板171等を取り
付けた後、前記中空軸70に形成した有底筒状部71c
の凹凸条72に駆動歯車56の凹凸条56cを嵌合し、
ついで前記クランク軸80を中空軸70の貫通孔71内
にベアリング73a、73bを介して挿入する。なお、
前記トルクセンサー100、スピードセンサー160お
よび各種電子部品172の主ケース230への取付けは
主ケース230の開口側から取付けることができること
からその取付作業は容易である。
【0066】また、前記副ケース250の支持軸257
の嵌合軸部257bを付勢ばね60を介して前記偏位部
材95の挿通孔258bに挿通してナット259を締結
して、副ケース250に偏位部材95を取付けた状態と
して準備する。なお、偏位部材95の副ケース250へ
の取付けは副ケース250の開口側から取付けることが
できることからその取付作業は容易である。
【0067】そして、偏位部材95が取付けられた副ケ
ース250をその貫通孔252にクランク軸80を挿通
して主ケース230の開口を閉蓋するようにして位置決
めし、ついでねじ255によって取り付けることにより
動力装置Cは組み立てられる。そして、副ケース250
を主ケース230に取付ける際には前記トルクセンサー
100の作動杆140と偏位部材95の作用面95fと
は自動的にかつ正確に位置決めされるとともに両者は直
交関係として取付けられるものであり、また、この両者
の直交関係はトルクセンサー100と偏位部材95とが
副ケース250を主ケース230を一体的に結合して形
成されたケース20に取付けられていることから、車体
Bにケース20が偏位した状態で取付けられたとしても
そのまま維持されるものである。
【0068】つぎに、動力装置Cの汎用自転車の車体B
への取り付けは、まず、車体Bのクランク軸に取り付け
られているクランク(実施の形態においては左クランク
81および右クランク82)をクランク軸から取り外
し、ついで、ハンガラグ1の左右に取り付けられている
左わんおよび右わんをハンガラグ1から取り外してハン
ガラグ1に取り付けられているその他の部品をすべて取
り除く。
【0069】つぎに、ハンガラグ1の貫通孔1aの一端
側の内周壁に形成された雌ねじ1bに軸受270aを収
納した取付部材270を取り付ける。この際ハンガラグ
1の一端面と取付部材270に設けたフランジ部270
bとで取付板280を挟め込んで取り付ける。また、こ
の取付板280の取付を確実にするために図2に示すよ
うに取付板280とハンガラグ1の端面周囲とを溶接2
85して取り付けてある。ついで他端側から規制部材2
73を貫通孔1aに挿入した後、他端側の内周壁に形成
された雌ねじ1cに軸受271aを収納した取付部材2
71を取り付ける。ついで、動力装置Cに組み込まれ外
方に突出している前記中空軸70を、図2において左側
から挿入し前記軸受270aおよび271aに回動自在
に軸支させ、ついで中空軸70に係止部材76を介して
取り付ける。この状態で中空軸70は前記係止部材76
と前記中空軸70に取り付けた係止部材75とによって
軸方向の移動が規制されハンガラグ1に取り付けられ
る。ついで中空軸70の他端側に取付部材17aを介し
てスプロケット17を取り付ける。
【0070】そして、図2に示すように前記取付板28
0の図示しない取付孔に主ケース230の底壁231に
設けた図示しない取付ボスに対応させて同じく図示しな
い取付ねじを締結することにより動力装置Cは車体Bに
取り付けられる。
【0071】そして、車体Bに動力装置Cを取り付けた
後、前記クランク軸80の取付部83および84にペダ
ル81a、82aが取り付けられた左クランク81およ
び右クランク82をナット83b、84bによって取り
付けることにより組み立ては完了する。
【0072】そして、動力装置Cは車体Bに取り付ける
際に、前記取付板280あるいは主ケース230等の寸
法誤差あるいは変形に起因して車体Bに対して偏位した
状態で取付けられたとして、偏位部材95とトルクセン
サー100とはケース20と一体に動くことになること
から、前記トルクセンサー100の作動杆140と偏位
部材95の作用面95fとの位置関係は変化することな
く、設定された初期の位置関係(本実施の形態において
は直交した位置関係)に維持されるものである。したが
って、ケース20が車体Bに偏位状態で取付けられるこ
とに起因する偏位部材95の作動杆140に対する押圧
力は変化することがなくトルクセンサー100の出力誤
差は生じないものである。
【0073】つぎに、上記のように構成された自転車A
を運転する場合の動作について説明する。まず、前記図
示しないバッテリーから前記電動機40に電力を供給す
るため図示しない始動スイッチを閉成して自転車Aを運
転する。そして、平地あるいは下り坂を走行している場
合は、上述したように運転者のペダル81a、82aの
踏力は小さくクランク軸80を介して移動体90に加わ
る回転力は小さいため、移動体90と有底筒状部71c
との相対的移動は少なく、偏位部材95の偏位量も少な
い。そして、偏位部材95の偏位に伴いトルクセンサー
100の作動杆140が動作しトルクセンサー100か
らこの時の踏力に応じた電気的信号が制御手段170に
出力され、また、スピードセンサー160からはこの時
の車速が制御手段170に出力される。そして、制御手
段170は前記トルクセンサー100およびスピードセ
ンサー160からの出力に基づいてこの時の補助すべき
回転力を出力するように電動機40を制御し、この電動
機40の回転力が減速機構50、駆動歯車56、中空軸
70、スプロケット17およびチェーン18を介して後
輪12に伝達され回転力つまり動力が補助される。な
お、この時補助される回転力は小さいものである。
【0074】つぎに、登り坂等を走行するときは大きな
回転力を要することになり、その結果ペダル81a、8
2aを強く踏み込むことになり、前記クランク軸80お
よび移動体90に加わる回転力が大きくなる。つまり、
チェーン18を介して後輪12に伝達するスプロケット
17に回転力を伝える中空軸70に加わる負荷が大きく
なるため、移動体90と有底筒状部71cとの相対移動
量は大きくなり、その結果偏位部材95の偏位量も大き
くなる。偏位部材95の偏位量が大きくなると作動杵1
40の押圧力が減少し前記トルクセンサー100の起歪
体131の曲げ力が減少し、この減少に伴って抵抗体R
1ないしR4の抵抗値が変化して、この変化に伴った出
力つまり運転者の踏力に応じた回転力の出力がトルクセ
ンサー100から制御手段170に出力され、また、ス
ピードセンサー160からはこの時の車速が制御手段1
70に出力される。
【0075】そして、上述と同様に制御手段170は前
記トルクセンサー100およびスピードセンサー160
の出力に基づいてこの時の補助すべき回転力を出力する
ように電動機40を制御し、この電動機40の回転力が
減速機構50、出力歯車56、中空軸70、スプロケッ
ト17およびチェーン18を介して後輪12に伝達され
回転力が補助される。なお、この時補助される回転力は
大きく、したがって、運転者は登り坂等の大きな回転力
を要する場合も楽な走行ができるものである。そして、
上記のようにペダル81a、82aの踏力に応じて加わ
るクランク軸80の回転力の大きさに応じてクランク軸
70の軸方向に移動する駆動手段つまり有底筒状部71
cに形成した突起部71fと、相対移動して軸方向に移
動する移動体90によって偏位させられる偏位部材95
と、この偏位部材95の偏位によって押され作動杆14
0を有するトルクセンサー100とをケース20に取付
けたことから、ケース20つまり動力装置Cが上記した
ように車体Bに偏位状態で取付けられたたとしても、偏
位部材95の作用面95fと作動杆140の直交関係は
崩れることなく維持されることから、動力装置Cが上記
したように車体Bに偏位状態で取付けられることに起因
してトルクセンサー100の出力値が変化することはな
く、所期の値の出力がされるものである。つまり、動力
装置Cが上記したように車体Bに偏位状態で取付けられ
たとしても偏位部材95および回転力検出手段としての
トルクセンサー100とはこのケース20と一体的に動
くことから、偏位部材95トルクセンサー00作動体と
しての作動杆140との関係を初期の位置関係に維持で
き、ペダルの踏力に応じて設定された所期の動力の補助
ができるものである。
【0076】また、駆動手段を前記中空軸70の一端側
に設けた押圧摺動部としての突起部71fと、クランク
軸80の一端側に設けた一方向性クラッチ85とともに
回転し前記突起部71fと係合しつつ相対移動する披押
圧摺動部としての凸部90bを有し、この凸部90bの
相対移動量に応じてクランク軸80の軸方向に移動する
とともに突起部71fを介してクランク軸80の回転力
を中空軸70に伝達する移動体90とによって構成した
ことから、駆動手段の構成を簡単にすることができると
ともにペダルの踏力を効率よくスプロケット17を介し
て後輪12に伝達できるものである。
【0077】また、動力装置Cのケース20を、主ケー
ス230とこの主ケース230に着脱可能な副ケース2
50とにより構成するとともに、前記トルクセンサー1
00を主ケース230に設けるとともに偏位部材95を
副ケース250に設ける構成としたことから、トルクセ
ンサー100および偏位部材95の取付作業が容易であ
るとともに、両者の位置決めが正確かつ容易にできるも
のである。
【0078】また、中空軸80の一端に有底筒状部71
cを形成するとともにこの有底筒状部71cの底壁71
aに駆動手段の一部を構成する押圧摺動部としての突起
部71fを形成するとともに凹部内に駆動手段の一部を
構成する移動体90を配設する構成としたことから、出
力歯車56と駆動手段を軸方向にオーバーラップさせる
ことができることからケース20の軸方向の厚み寸法を
小さくできるとともに、ケース20の車体の横方向への
突出寸法を小さくでき運転時にケース20が邪魔になる
ことがないものである。
【0079】また、押圧部摺動部を突起部71fに形成
した傾斜面71eとし、披押摺動部を凸部95bで形成
したことから、傾斜面71eと凸部95b摺動動動作を
スムーズにして偏位部材95を正確に動作させることが
できるものである。
【0080】なお、押圧部摺動部を凸部に形成し、披押
摺動部を傾斜面として形成する構成としてもよいもので
ある。
【0081】また、上記実施の形態では偏位部材95お
よびトルクセンサー100とをケース20に取付けるこ
とにより、ケース20が車体Bに偏位状態で取付けられ
た場合においても偏位部材95の作用面95fとトルク
センサー100の作動杆140の直交関係は維持できる
ものであるが、ケース20が車体Bに偏位状態で取付け
られたとすると偏位部材95はケース20と一体に動く
ことからこの偏位部材95は前記移動体90の環状凸部
92と干渉して、その結果偏位部材95の作用面95f
の作動杆140の押圧力が変化することが生じたとして
も、前記環状凸部92はクランク軸70の軸心から近い
位置つまり軸心からの半径が小さい位置に形成されてい
ることから、前記干渉による作動杆140の押圧力の変
化は、上記先願に記載のもののようにトルクセンサーの
みをケースに取付けることによって作用面95fの作動
杆140との相対位置関係の変化によって生じる押圧力
の変化よりも小さくできるものである。このことから、
移動体90に形成する環状凸部92つまり移動体90に
形成された偏位部材95に対する押圧部は可能な限りク
ランク軸70の軸心に近い位置に形成することが望まし
い。また、上記実施の形態では偏位部材95と移動体9
0の環状凸部92の間に微小間隙Gを形成したが、これ
は上述のように移動体90の環状凸部92が偏位部材9
5に干渉することによって起因する作動杆140の押圧
力が小さいことから省略してもよいものである。
【0082】また、上記実施の形態では偏位部材95を
移動体90側に付勢している付勢ばね60を、副ケース
250に形成した支持軸257の段部257cと偏位部
材95との間に配設する構成としたが、これは図9に示
すように副ケース250と偏位部材95との間に配設す
る構成としてもよいものである。
【0083】また、上記実施の形態では移動体90のク
ランク軸80の軸方向への移動は一方向性クラッチ85
と一体に移動する構成としたが、これは一方向性クラッ
チをクランク軸80に固定して取付けこの一方向性クラ
ッチの外側に一方向性クラッチに対して移動可能に設け
る構成としてもいよものである。
【0084】また、上記実施の形態では、中空軸70に
一体に設けた有底筒状部71cに形成した突起部71f
に凸部95bを相対移動させて軸方向に移動する移動体
90によって偏位部材95を軸方向に偏位させる構成と
したが、これは、例えば上記先願つまり図10に示すよ
うに中空軸370に設けた駆動歯車356とクランク軸
380に設けた駆動板390との間に軸方向に移動する
作動部材395を軸方向に移動可能に設け、この作動部
材395の貫通軸396を蓋ケース332側に所定量突
出させるとともに作動部材395の作用部395fを取
り除き、トルクセンサー400の作動杵440を駆動板
390のフランジ部391よりも蓋ケース332側に延
出させて形成し、また、蓋ケース332に上記実施の形
態と同様に前記貫通軸396によって押圧されて偏位す
る偏位部材95を前記貫通軸396の先端部に常時付勢
して設けるとともに、この偏位部材95によって前記延
出した作動杵440の先端を押圧する構成としても良い
ものである。なお、このように構成した場合は駆動歯車
356に形成した突起375は上記実施の形態の押圧摺
動部に相当し、また、作動部材395は移動体に相当す
るものであり、突起357と作動部材395とは駆動手
段を構成するものである。
【0085】また、上記実施の形態においては、トルク
センサー100を主ケース230に取り付ける構成とし
たが、これは、副ケース250に取付けて作動杆140
を偏位部材95の副レース20側に対向する面に当接せ
さる構成としてもよいものである。しかし、上記の実施
の形態のように主ケース230に取付ける構成とした場
合はトルクセンサー100を車体B側に配置させること
ができることからの、動力装置Cのクランク軸80の軸
方向に偏平にできるつまり薄くできるという利点があ
る。
【0086】また、上記実施の形態においては、偏位部
材95を軸方向に偏位させるように押圧する環状凸部9
2を移動体90のフランジ部91に設けたが、これは一
方向性クラッチ85の前記偏位部材95と対向する面に
設けるようにしてもよく、このようにした場合は環状凸
部95をよりクランク軸80に近付けることができるこ
とから、ケース20が偏位したときの影響をさらに受け
にくくすることができるという利点がある。
【0087】
【発明の効果】このように請求項1記載の発明は、クラ
ンク軸の一方方向への回転に応じて前記クランク軸の軸
方向に沿って移動する駆動手段によって動作する偏位部
材と、この偏位部材の移動によって押圧される作動体を
有しこの偏位部材の偏位量に応じた電気信号を出力する
回転力検出手段との両者をケースに取り付ける構成とし
たことから、寸法誤差等に起因してケースが車体に偏位
した状態で取り付けられたとしても偏位部材および回転
力検出手段とはこのケースと一体的に動くことから、偏
位部材と回転力検出手段の作動体との関係を初期の位置
関係に維持でき、ペダルの踏力に応じて設定された所期
の動力の補助ができるとい効果を有するものである。
【0088】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明における、駆動手段を前記中空軸の一端側に設
けた押圧摺動部と、クランク軸の一端側に設けた一方向
性クラッチとともに回転し前記押圧摺動部と係合しつつ
相対移動する披押圧摺動部を有し、この披押圧摺動部の
相対移動量に応じてクランク軸の軸方向に移動するとと
もに押圧摺動部との係合によってクランク軸の回転力中
空軸に伝達する移動体とによって構成したことから、請
求項1記載の発明の効果に加えて、駆動手段の構成を簡
単にすることができるとともに上記先願に記載された構
成のようにクランク軸から中空軸への回転力の伝達は駆
動歯車、圧縮ばねを介することなく中空軸に伝達される
ことからペダルの踏力を効率よくスプロケットつまり後
輪に伝達できるという効果を有するものである。
【0089】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは請求項2記載の発明においてケースを、主ケースと
この主ケースに着脱可能な副ケースとにより構成すると
ともに、前記回転力検出手段を主ケースに設けるととも
に偏位部材を副ケースに設ける構成としたことから、請
求項1記載の発明の作用に加えて、ケースが分割され状
態の主ケースおよび副ケースにそれぞれ回転力検出手段
および偏位部材を取り付け、これら両ケースを結合する
ことにより回転力検出手段と偏位部材とをケースに取り
付けることができることから取付けが容易であるという
効果を有する。また、回転力検出手段が取り付けられた
主ケースに偏位部材を取り付けた副ケースを結合するこ
とにより偏位部材と作動体との位置決めされることから
偏位部材と作動体との位置決めも容易にできるという効
果を有するものである。
【0090】また、請求項4記載の発明は、請求項2ま
たは請求項3記載の発明において、中空軸の一端に有底
筒状部を形成するとともにこの有底筒状部の底壁に押圧
摺動部を形成するとともに凹部内に移動体を配設する構
成としたことから、請求項2または請求項3記載のそれ
ぞれの発明の効果に加えて、出力歯車と駆動手段を軸方
向にオーバーラップさせることができることからケース
の軸方向の厚み寸法を小さくできるという作用を有する
ものである。このことによって、ケースの車体の横方向
への突出寸法を小さくでき運転時にケースが邪魔になる
ことがないものである。
【0091】また、請求項5記載の発明は、請求項2な
いし請求項4記載の発明における押圧部摺動部と披押圧
摺動部とのいずれか一方を凸部で形成するとともに他方
を前記凸部が摺動する斜面で形成したことから、請求項
2ないし請求項4記載の発のそれぞれの効果に加えて押
圧部摺動部と披押圧摺動部との接触摩擦を低減できるこ
とから偏位部材の摺動動作をスムーズにかつ正確に動作
させることができるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の補助動力装置付自転車の
全体を示す図。
【図2】上記実施の形態の補助動力装置の断面図。
【図3】上記実施の形態の補助動力装置の一部を断面し
補助動力装置の左クランク側からみた側面図。
【図4】上記実施の形態における駆動手段の構成を示す
分解斜視図。
【図5】上記実施の形態における押圧摺動部と披押圧摺
動部の関係を示す部分断面図であり、(A)は相対移動
をしていない状態であり、(B)は相対移動をした状態
を示す図である。
【図6】上記実施の形態における偏位部材が偏位した状
態を示す断面図。
【図7】上記実施の形態における回転力検出手段(トル
クセンサー)の断面図。
【図8】上記トルクセンサーの電気的回路図。
【図9】上記実施の形態における偏位部材を付勢する付
勢ばねを配設する他の実施の形態を示す断面図。
【図10】出願人が既にした出願に記載した電動補助動
力装置の断面図。
【図11】上記出願の一部を断面し補助動力装置の左ク
ランク側の側面図。
【図12】上記出願の駆動歯車、作動部材、駆動部材の
関係を示す部分断面図。
【図13】上記出願の作動手段の構成を示す分解斜視
図。
【符号の説明】
A 補助動力装置付自転車 B 自転車本体(車体) C 補助動力装置 1 ハンガーラグ 17 チェーン 18 スプロケット 20 補助動力装置のケース 40 電動機 50 減速機構 56 出力歯車 56a 出力歯車の嵌合孔 70 中空軸 71a 中空軸の貫通孔 71f 突起部(押圧摺動部(駆動手段の一
部)) 80 クランク軸 81、82 クランク 81a、82 クランクに設けたペダル 85 一方向性クラッチ 90 移動体(駆動手段の一部) 90b 凸部(被押圧摺動部) 95 偏位部材 100 トルクセンサー(回転力検出手段) 140 作動杆(作動体)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機と、ケース内に配設された複数の歯
    車からなり最終段に設けられ嵌合孔を有する出力歯車を
    介して前記電動機の回転力を伝達する減速機構と、前記
    ケースに回転自在に取り付けられ一端側を前記出力歯車
    の嵌合孔に嵌合するとともに他端側にチェーンを介して
    車輪に回転力を伝達するスプロケットが取り付けられ内
    部に貫通孔を有する中空軸と、この中空軸の貫通孔を貫
    通して配設され両端にペダルを有するクランクが取り付
    けられ一端側に一方向性クラッチを設けたクランク軸
    と、前記クランク軸の一方方向への回転に応じて前記ク
    ランク軸の軸方向に沿って移動するとともにクランク軸
    の回転力を中空軸に伝達する駆動手段と、この駆動手段
    の移動によってクランク軸の軸方向に偏位する偏位部材
    と、この偏位部材の移動によって押圧される作動体を有
    し前記偏位部材の偏位量に応じた電気信号を出力する回
    転力検出手段とを備えた電動補助動力装置を前記中空軸
    をハンガーラグに挿通して車体に取り付けた電動補助動
    力装置付自転車において、前記偏位部材および回転力検
    出手段を前記ケースに取り付けたことを特徴とする電動
    補助動力装置付自転車。
  2. 【請求項2】前記駆動手段を前記中空軸の一端側に設け
    た押圧摺動部と、クランク軸の一端側に設けられた一方
    向性クラッチに同期して回転し前記押圧摺動部に係合し
    つつ相対移動する披押圧摺動部を有し、前記相対移動量
    に応じてクランク軸の軸方向に移動するとともに前記係
    合によってクランク軸の回転力を中空軸に伝達する移動
    体とによって構成したことを特徴とする請求項1記載の
    電動補助動力装置付自転車。
  3. 【請求項3】前記ケースを主ケースとこの主ケースに着
    脱可能な副ケースとにより構成するとともに、前記回転
    力検出手段を主ケースに設けるとともに偏位部材を副ケ
    ースに設けたことを特徴とする請求項2記載の電動補助
    動力装置付自転車。
  4. 【請求項4】前記中空軸の貫通孔を中央部に位置させた
    底壁とこの底壁の外周に形成され外側に前記出力歯車の
    嵌合孔に嵌合する嵌合部が形成された環状壁とからなり
    内部を凹部とした有底筒状部を中空軸の一端に形成し、
    この有底筒状部の前記底壁に前記押圧摺動部を形成する
    とともに、前記移動体を前記凹部内に配設したことを特
    徴とする請求項2または請求項3記載の電動補助動力装
    置付自転車。
  5. 【請求項5】前記押圧部摺動部と披押圧摺動部とのいず
    れか一方を凸部で形成するとともに他方を前記凸部が摺
    動する斜面で形成したことを特徴とする請求項2ないし
    請求項4記載の電動補助動力装置付自転車。
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