JPH10248555A - 光合成細菌の培養方法 - Google Patents

光合成細菌の培養方法

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JPH10248555A
JPH10248555A JP5610397A JP5610397A JPH10248555A JP H10248555 A JPH10248555 A JP H10248555A JP 5610397 A JP5610397 A JP 5610397A JP 5610397 A JP5610397 A JP 5610397A JP H10248555 A JPH10248555 A JP H10248555A
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culturing
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Susumu Izu
進 伊豆
Akihiko Narutaki
昭彦 鳴瀧
Genshi Suzuki
源士 鈴木
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】農業生産や緑化事業における植物栽培に有用性
の高い光合成細菌の培養物を、培養のための設備費や用
役費のかさまない簡便な方法により、大量安価に得るこ
とのできる光合成細菌の培養方法を提供する。 【解決手段】光合成細菌を培養する培地として、固体培
地成分の含有割合が15〜65重量%でありかつ水分含
有割合が35〜85重量%である固体培地を用いて、光
合成細菌の培養を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡便でかつ保存性
のよい培養物を得る光合成細菌の培養方法に関する。さ
らに詳しくは、特定割合の固体培地成分と水分とからな
る固体培地を用いて、光合成細菌を培養することによ
り、簡便でかつ保存性がよく、植物栽培資材として有用
性の高い培養物を得る光合成細菌の培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全の観点から、農業生産や
造成地の緑化事業などにおける植物の栽培において、化
学肥料の施肥量の低減化や農薬の散布量の低減化の方策
が推進されている。農業生産の分野においては、これら
環境保全に関する技術開発が進展しているが、緑化事業
の分野における環境保全関連の技術開発は、未だ充分で
あるとはいえない。このため、とくに緑化事業の分野に
おいて、環境負荷の少ない植物の栽培技術の開発が強く
要望されている。
【0003】化学肥料の施肥量の低減化に関しては、緩
効性肥料の活用、ことに堆肥の活用によって、持続的な
肥料成分の供給のほか、土壌の化学的、物理的また生物
学的な改良がなされることはよく知られているところで
あるが、土壌中の肥料濃度は初発時をピークに次第に低
下し、緑化植物が充分に生育して自然の生態系ができあ
がるまでには、追肥が必要になる場合が多い。
【0004】一方、微生物を利用した植物の育成の試み
もなされており、たとえば家畜の糞尿やみかん等の外
皮、都市下水汚泥などから抽出した液体を用いて、タン
ク内で光合成細菌の液体培養を行い、その培養物を液体
肥料として植物の育成栽培に用いる方法〔水処理技術V
ol.36、No.3、p135〜145(199
5)〕が知られている。しかしながら、この方法では、
その培養のための設備費や用役費が高くつくため、培養
物の製造コストが高くなり、格別に収益性の高い農業生
産には適する場合もあるが、緑化事業の分野での植物栽
培資材としては、その製造のための設備費や用役費が少
なく、しかも保存性のよい培養物の製造方法の開発が望
まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、培養のため
の設備費や用役費のかさまない簡便な方法により、安価
でかつその保存性がよく、植物栽培資材として有用性の
高い光合成細菌の培養物を得る方法を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、光合成細菌の
培養を、特定の水分含有割合の固体培地を用いて行うこ
とにより、簡便かつ保存性よく植物栽培資材に適した培
養物が得られることを見出した。本発明は、その知見に
基づいて完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、下記のとおりであ
る。 (1)光合成細菌を培養するにあたり、固体培地成分の
含有割合が15〜65重量%でありかつ水分含有割合が
35〜85重量%である固体培地で光合成細菌を培養す
ることを特徴とする光合成細菌の培養方法。 (2)前記固体培地成分が、有機質物質を固体培地成分
全重量に対して5重量%以上含有するものである前記
(1)記載の光合成細菌の培養方法。 (3)前記有機質物質が、穀物固体成分、コーンスティ
ープリカー、糖蜜、廃糖蜜、有機物堆肥からなる群から
選ばれる1種または2種以上の有機質物質である前記
(1)または(2)記載の光合成細菌の培養方法。 (4)前記光合成細菌が、ロドスピリラム属、ロドバク
ター属、ロドコッカス属、ロドシュードモナス属、ロド
マイクロビューム属、ロドシクラス属およびロドビラ属
の群から選ばれる1種または2種以上の細菌である前記
(1)〜(3)のいずれかに記載の光合成細菌の培養方
法。 (5)前記固体培地にレブリン酸を添加して光合成細菌
の培養を行う前記(1)〜(4)のいずれかに記載の光
合成細菌の培養方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において培養する光合成細
菌は、光エネルギーを用いて無機栄養を資化し、また光
エネルギーなしで有機栄養を資化することにより生育す
る細菌であって、紅色非硫黄細菌、紅色硫黄細菌、緑色
硫黄細菌の3群に大別される。これら光合成細菌は、い
ずれの分類に属するものであってもよいが、紅色非硫黄
細菌に分類される、ロドスピリラム属、ロドバクター
属、ロドコッカス属、ロドシュードモナス属、ロドマイ
クロビューム属、ロドシクラス属およびロドビラ属に属
するものが好適なものとして挙げられる。
【0009】さらに具体的には、ロドスピリラム・ルブ
ラム(Rodospirillumrubrum)、ロ
ドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter
spheroides)、ロドコッカス・オーストラリ
ス(Rhodokocus australis)、ロ
ドマイクロビューム・バニリー(Rodomicrob
ium vaniellii)、ロドシクラス・ゲラチ
ノクス(Rodocyclus gerachinoc
us)、ロドビラ・グロビフォルミス(Rhodopi
la globiformis)等が挙げられる。こら
れは1種を単独で培養しても、2種以上を混合培養して
もよい。
【0010】本発明においては、これら光合成細菌を培
養する培地として、従来の有機物からの抽出液ではな
く、固体培地成分の含有割合が15〜65重量%であり
かつ水分含有割合が35〜85重量%である実質的に固
体の培地において、光合成細菌の培養を行う。このよう
な固体培地の組成の調整は、水分を含む固体培地成分の
乾燥、あるいは無水の固体培地成分への水分の補給など
の操作によって、行うことができる。
【0011】ここで、前記培地の固体培地成分の含有割
合が15重量%未満であると、光合成細菌の増殖が充分
でなく、またその含有割合が65重量%を越える場合に
も、光合成細菌の増殖が充分には行なわれない。したが
って、実質的に固体の培地を用いて光合成細菌の増殖を
はかるためには、固体培地成分の含有割合が15〜65
重量%の範囲であり、かつ水分の含有割合が35〜85
重量%の範囲に調整された固体培地を用いることが重要
である。
【0012】そして、この固体培地成分は、アタパルジ
ャイト、モンモリロナイト、ゼオライト、バーミキュラ
イト、パーライトなどの無機質物質を単独又は混合物と
して用いてもよいが、有機質物質を無水の固体培地成分
全重量に対して5重量%以上となるように配合した固体
培地成分であつても、また実質的に有機質物質のみから
る固体培地成分であってもよい。
【0013】この固体培地成分に用いる有機質物質とし
ては、たとえば米ぬかや小麦ふすま、おから等の穀物固
体成分、コーンスティープリカー、糖蜜、廃糖蜜、有機
物堆肥などが大量かつ安価に入手できることから好適で
ある。これら有機質物質は1種単独あるいは2種以上の
混合物の形態でそのまま用いてもよいし、これらを前記
無機質物質と配合して用いてもよい。
【0014】このように、本発明の方法て用いる光合成
細菌の培地としては、様々な構成成分を有するものが使
用可能であるが、実質的に固体の培地であって、水分の
含有割合が35〜85重量%の範囲内に調整してあるも
のである。つぎに、前記培地に光合成細菌を培養するに
あたっては、好気的条件で培養しても、また嫌気的条件
で培養してもよい。
【0015】植物の栽培用土壌としては、好気的環境が
好ましいことから、光合成細菌の増殖しやすい好気的条
件での培養が好適である。ところで、植物栽培用土壌は
その土質や水分の含有割合の増大によって、しばしば嫌
気的環境におかれることがある。しかしながら、光合成
細菌は嫌気的環境下においても生育し、植物の成長を促
進する作用を有するので、植物栽培への適用に都合のよ
い細菌である。
【0016】また、これら光合成細菌の培養温度は、細
菌の種類によって最適温度に若干の相違はあるが、10
〜40℃、好ましくは15〜35℃の範囲内である。し
たがって、寒冷地あるいは温暖地でも冬季は加温や保温
の必要がある。また、固体培地として穀物固体成分や有
機物堆肥を大量に配合したものを用いる場合には、その
発酵の過程で発熱を伴うので、固体培地の切り返しや冷
却をして40℃を越えることのないようにする必要があ
る。
【0017】さらに、この固体培地の化学的性質につい
ては、そのpH値が4.5〜9.5、好ましくは5〜9
であることが望ましい。pH値が4.5よりも低い場合
には、炭酸カルシウムや水酸化カルシウム、苦土石灰な
どのアルカリ性の物質を添加して酸性度を修正すればよ
い。またpH値が9.5を越える場合には、リン化合物
などの酸性物質を添加してpH値を調節すればよい。
【0018】本発明の方法においては、前述の培養条件
下に光合成細菌の培養を行い、固体培地中の光合成細菌
の濃度が、乾燥培地1g当たりの光合成細菌のコロニー
形成単位として1×103 〜1×1010CFUとなるま
で、培養を行う。この光合成細菌の培養の途上におい
て、固体培地にレブリン酸を添加して培養することもで
きる。このように、レブリン酸を添加して得られた培養
物は、植物の成長促進作用が一層増進される。このレブ
リン酸の添加量は、固体培地に対して10〜2000p
pm 程度とするのが効果的である。
【0019】つぎに、このようにして得られた光合成細
菌の培養物は、これを直ちに農業生産や緑化事業の現場
において、農作物や緑化植物の栽培用土中に埋め込み、
植物の成長促進を図ることができる。ところで、農作物
や緑化植物は、それぞれの種類に応じて適切な施肥時期
があるので、その時期まで保存しておくことも多い。光
合成細菌の培養物を保存する際には、吸水性や透水性の
ない合成樹脂フィルムやアルミニウムラミネートフィル
ム製のコンテナが好ましい。そして、光合成細菌は、こ
のようなコンテナや袋体に入れて保存している間にも、
呼吸をしているので、保存時の条件によってガスの吸
収、発生を伴う。したがって、前記コンテナや袋体に
は、小径の通気孔を数ケ所、間隔をおいて設けておくと
よい。
【0020】また、光合成細菌の培養時に水分の含有割
合の比較的低い固体培地を用いた場合には、保存のため
のコンテナや袋体への収納に先立って、長期保存に耐え
得るように、水を加えて、水分の含有割合が45重量%
を越える程度にしておいたほうがよい。本発明の方法で
得られた培養物は、農作物や緑化植物の施肥時期に合わ
せて、これら植物の細根の近傍に埋め込み、覆土をして
乾燥を防止しておくとよい。このように施しておくこと
により、光合成細菌が空気中の窒素を取り込んで植物の
肥料成分となり、植物の成長が促進されることとなる。
【0021】
〔実施例1〕
(1)固体培地成分の調製 稲わら3トン、広葉樹の落葉2トン、小麦ふすま0.5
トン、おから0.5トン、廃糖蜜0.2トン、米ぬか
0.2トンを、この順に層状に積重ねて、2週間にわた
って発酵させた。その後、2週間に1度の頻度で切り返
し、3ケ月かけて堆肥を製造した。つぎに、この堆肥を
合成樹脂シート上にばらまき、室温で自然乾燥させ、水
分の含有割合が25重量%の堆肥を得た。ここで得られ
た堆肥は、電気炉で800℃に強熱し灰化したときの減
量から無水の堆肥中の有機質物質含有率を算出した結
果、62.3重量%であった。
【0022】(2)光合成細菌の接種源の調製 水1リットルに、酵母エキス10gと酢酸ナトリウム
1.5g、リンゴ酸カリウム0.5g、コハク酸ナトリ
ウム0.5g、リン酸第一カリウム0.8g、硫酸マグ
ネシウム・7水塩0.2g、硫酸アンモニウム0.5
g、塩化第二鉄・6水塩0.01g、塩化カルシウム・
2水塩0.06gおよび塩化マンガン・4水塩0.00
03gを加え、pH値を7.4に調整し、接種源用培地
とした。
【0023】この接種源用培地を100ミリリットルづ
つ小分けして、500ミリリットルのフラスコに入れ、
オートクレーブ内で121℃、20分間の殺菌処理をし
た。ついで、この接種源用培地にロドスピリラム・ルブ
ラム菌〔Rodospirillum rubrum:
IFO−3986〕を植菌した。そして、28℃ににお
いて、1800ルックスの照明下に7日間にわたって培
養を行った。培養は、フラスコ30本につき実施した。
得られた培養液は、遠心分離により集菌した後、これを
0.1モル濃度のリン酸緩衝液に懸濁して、光合成細菌
の接種源とした。
【0024】(3)固体培地での光合成細菌の培養 前記(1)で大量に調製した固体培地成分である堆肥か
ら、2Kg毎に小分けした5個の培地成分を取り出し、
水道水を加えてそれぞれ水分含有割合の異なる5個の固
体培地を調製した。ついで、それぞれの固体培地に前記
(2)で調製した光合成細菌の接種源を接種し、充分に
混合してからポリエチレンフィルム袋に詰めた。このポ
リエチレンフィルム袋としては、培養初期の酸素吸収と
培養中期から後期にかけてのガス発生に備えて、袋の上
部2か所に直径1mmの小孔を設けたものを用いた。袋
詰めした固体培地は、28℃に温度調節されたインキュ
ベーターに装入し、同温度で30日間にわたって光合成
細菌の培養をした。培養終了後、袋を開封して、培養物
を取り出して光合成細菌の濃度を測定した。
【0025】光合成細菌の濃度の測定は、固体培地のサ
ンプル2〜3gを正確に秤量した後、水分の含有率を測
定し、同時に別途同固体培地のサンプル2〜3gを正確
に秤量してから内容積2リットルのビーカーに入れ、水
を加えて全量が1Kgになるようにしてホモジナイザー
で1分間攪拌し、ろ紙を用いて吸引濾過した濾液中のの
光合成細菌量を測定した。さらに、この測定値と水分含
有率の測定値から、固体培地の乾燥重量1g当たりの菌
量を算出した。これら実験結果は、次のとおりであっ
た。 試料番号 水分含有率 接種時の菌量 培養終了時の菌量 (重量%) (×105 /g) (×105 /g) 1 41 0.032 67 2 53 0.047 128 3 62 0.028 365 4 75 0.021 855 5 82 0.039 427
【0026】〔比較例1〕実施例1における(3)での
固体培地成分への水の添加量を、水分含有割合が27重
量%および91重量%となるようにして固体培地の調製
をした他は、実施例1と同様にした。結果は、次のとお
りであった。 試料番号 水分含有率 接種時の菌量 培養終了時の菌量 (重量%) (×105 /g) (×105 /g) 6 27 0.042 0.011 7 91 0.052 7.2
【0027】〔実施例2〕実施例1における(2)で用
いた菌種に代えて、ロドバクター・スフェロイデス菌
〔Rhodobacter spheroides:I
FO−12203〕を用いて接種源を調製した他は、実
施例1と同様にした。結果は、次のとおりであった。 試料番号 水分含有率 接種時の菌量 培養終了時の菌量 (重量%) (×105 /g) (×105 /g) 8 43 0.063 224 9 54 0.072 389 10 60 0.084 457 11 77 0.048 675 12 81 0.062 612
【0028】〔比較例2〕実施例2における固体培地成
分への水の添加量を、水分含有割合が30重量%および
92重量%となるようにして固体培地の調製をした他
は、実施例2と同様にした。結果は、次のとおりであっ
た。 試料番号 水分含有率 接種時の菌量 培養終了時の菌量 (重量%) (×105 /g) (×105 /g) 13 30 0.076 0.127 14 92 0.051 12.3
【0029】〔実施例3〕実施例1の(1)で調製した
堆肥と、無機質物質として、ゼオライトとバーミキュラ
イト、パーライトを重量比で1:3:1の割合で混合し
たものとを、種々の混合比で混ぜ合わせて、3種の組成
の混合固体培地を調製した。これら混合固体培地に、光
合成細菌として、ロドコッカス・オーストラリス菌〔R
odokocus australis:ATCC−3
5215〕を培養して得られた接種源を接種した他は、
実施例1と同様にした。結果は、次のとおりであった。 試料番号 水分含有率 有機質物質含有率 接種時の菌量 培養終了時の菌量 (重量%) (重量%) (×105 /g)(×105 /g) 15 57 12 0.075 29 16 61 27 0.058 631 17 68 41 0.051 973
【0030】〔実施例4〕有機質物質含有率を11重量
%となるように調製した混合固体培地に、実施例1で用
いたのと同じロドスピリラム・ルブラム菌を接種した他
は、実施例1と同様にした。結果は、次のとおりであっ
た。 試料番号 水分含有率 有機質物質含有率 接種時の菌量 培養終了時の菌量 (重量%) (重量%) (×105 /g)(×105 /g) 18 56 11 0.068 23
【0031】〔実施例4〕実施例1における試料番号3
と同一組成の固体培地に同一菌種を接種して培養した
が、その培養終了の10日前に、固体培地に対して10
00ppmに相当する量のレブリン酸を添加して、培養
を行った。結果は、次のとおりであった。 試料番号 水分含有率 接種時の菌量 培養終了時の菌量 (重量%) (×105 /g) (×105 /g) 19 62 0.028 314
【0032】〔参考例〕実施例1,2の一部と実施例4
で得られた培養物、および比較のために光合成細菌を培
養する前の堆肥について、植物の成長促進作用の評価を
した。
【0033】1/5000aのワーグネルポット15個
に、市販の芝用培土を詰め、基肥としてチツソ肥料0.
6gを各ポットの培土の表層部に混合した。つぎに、実
施例1の試料番号3および4、実施例2の試料番号10
ならびに実施例4で得られた培養物、さらに実施例1の
(1)で調製した堆肥を、1種の試料につき3個のポッ
トに、1ポット当たり乾物重量換算で10gを、その培
土表層部にさらに混合した。ついで、各ポットに、ベン
クロスベントグラスの種子80粒を播種した。播種を終
えたポットは、同一区画に3個づつ並べて配置し、2ケ
月間、屋外で栽培した。栽培期間中の気温は、12℃〜
26℃であった。
【0034】栽培終了後、生育したベンクロスベントグ
ラスを培土ごとポットから取り出して、根が切れないよ
うに丁寧に水洗し、充分に水切りをした後、湿重量の測
定をした。湿重量は、同一種3ポット分についての平均
値を算出した。結果は、次のとおりであった。
【0035】これら参考実験での結果より、単なる堆肥
に較べて、光合成細菌の培養物の植物に対する成長促進
作用が格段に向上することが明らかであり、また、この
培養物にレブリン酸を含有させることによって、さらに
効果的に植物の成長を促進させることができることがわ
かる。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、有機物からの抽
出液を培地として用いる従来のタンク培養法に比し、培
養のための設備費や用役費を大幅に低減することがで
き、植物栽培用資材として有用性の高い光合成細菌の培
養物を、大量安価に提供することができるという特有の
効果が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光合成細菌を培養するにあたり、固体培
    地成分の含有割合が15〜65重量%でありかつ水分含
    有割合が35〜85重量%である固体培地で光合成細菌
    を培養することを特徴とする光合成細菌の培養方法。
  2. 【請求項2】前記固体培地成分が、有機質物質を固体培
    地成分全重量に対して5重量%以上含有するものである
    請求項1記載の光合成細菌の培養方法。
  3. 【請求項3】 前記有機質物質が、穀物固体成分、コー
    ンスティープリカー、糖蜜、廃糖蜜、有機物堆肥からな
    る群から選ばれる1種または2種以上の有機質物質であ
    る請求項1または2記載の光合成細菌の培養方法。
  4. 【請求項4】 前記光合成細菌が、ロドスピリラム属、
    ロドバクター属、ロドコッカス属、ロドシュードモナス
    属、ロドマイクロビューム属、ロドシクラス属およびロ
    ドビラ属の群から選ばれる1種または2種以上の細菌で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の光合成細菌の培養
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の固体培地にレブリン酸を
    添加して光合成細菌の培養を行う請求項1〜3のいずれ
    かに記載の光合成細菌の培養方法。
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