JPH10244995A - 軽量ガス充填式浮上物体へのガス供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 浮上物体とガス供給チューブとの連結が簡単
かつ確実に行なえ、浮上物体がバーストしたり、ガス供
給チューブが破損した場合に、自動的にガスの供給を停
止できるようにした浮上物体へのガス供給技術の提供。 【解決手段】 密閉容器１内に軽量ガスを充填する際、
地上から軽量ガスを供給するためのガス供給装置２であ
って、地上に設置されるガスボンベ３と、ガス供給チュ
ーブ２０と、接続管部材４で構成され、接続管部材は、
フランジ４０を境として先端側にガス注入針４１を取り
付けるための針受け嵌合部４２が形成されると共に、基
端側にガス供給チューブへの差込部４３が形成され、差
込部をガス供給チューブの先端部に差し込んだ状態で、
この差込部とでガス供給チューブを挟持する押えリング
４４がガス供給チューブの先端部外周に取り付けられ、
フランジの先端側面に密閉容器への接着面４５が形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、アドバルーン、気
球、飛行船等、内部にガスを充填させることによって空
中に浮上する軽量ガス充填式浮上物体（以下、浮上物体
という）へのガス供給技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、アドバルーン等の浮上物体は、地
上において軽量ガスが充填され、その軽量ガスにより浮
力を得て空中に浮上するようになっている。そして、こ
の浮上物体が空中に浮上したのち、その浮上状態で軽量
ガスを補給することは困難であった。このため、ガス抜
けによって浮上物体が次第にしぼむのを防ぐには、定期
的に浮上物体を地上に下ろし、ここで軽量ガスを補充
し、再び、空中に浮上させるといった手間の掛る作業を
必要としていた。

【０００３】そこで、本願発明者は、浮上物体と地上に
設置されるガスボンベとをガス供給チューブによって接
続したガス供給装置を既に提案した。このガス供給装置
によって、浮上物体を空中に浮上させたのちにおいて
も、軽量ガスを補給することができ、ガス抜けに伴って
浮上物体を下ろすといった手間がなくなり、常時浮上状
態を確保できることとなった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガス供給装置にあっては、浮上物体とガス供給チューブ
との連結構造、及び浮上物体がバーストした場合のガス
供給停止構造が不十分であり、この点で問題を残してい
た。

【０００５】本発明は、上述のような従来の問題を解決
するためになされたもので、浮上物体とガス供給チュー
ブとの連結が簡単かつ確実に行なえるようにしたガス供
給装置を提供することを第１の課題とし、又、浮上物体
がバーストしたり、ガス供給チューブが破損した場合
に、自動的にガスの供給を停止して安全を確保できるよ
うにしたガス供給装置を提供することを第２の課題とし
ている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記第１の課題を解決す
るために、本発明の請求項１記載の軽量ガス充填式浮上
物体へのガス供給装置は、密閉容器内に軽量ガスを充填
することによって空中に浮上するようにした軽量ガス充
填式浮上物体に対し、地上から軽量ガスを供給するため
のガス供給装置であって、地上に設置されるガスボンベ
と、前記軽量ガス充填式浮上物体との間がガス供給チュ
ーブによって接続され、このガス供給チューブの先端が
接続管部材を介して前記密閉容器に連結され、この接続
管部材は、フランジを境として先端側にガス注入針を取
り付けるための針受け嵌合部が形成されると共に、基端
側にガス供給チューブへの差込部が形成され、前記差込
部をガス供給チューブの先端部に差し込んだ状態で、こ
の差込部とでガス供給チューブを挟持する押えリングが
ガス供給チューブの先端部外周に取り付けられ、前記フ
ランジの先端側面に密閉容器への接着面が形成されてい
る。

【０００７】従って、このガス供給装置により、空中に
浮上した状態の浮上物体に対し、ガスボンベからガス供
給チューブを介して軽量ガスを補給することができる。
この場合、ガス供給チューブの先端は、接続管部材を介
して浮上物体となる密閉容器に連結されている。

【０００８】この連結に際し、接続管部材の差込部をガ
ス供給チューブの先端部に差し込んで、その上からガス
供給チューブの先端部外周に押えリングを嵌め込む。こ
れによりガス供給チューブの先端部が差込部と押えリン
グで挟持され、接続管部材がガス供給チューブの先端に
確実に取り付けられる。

【０００９】そして、接続管部材の針受け嵌合部にガス
注入針を取り付け、このガス注入針を密閉容器に刺しな
がら、接続管部材のフランジまで差し込んでいく。これ
によりガス供給チューブから接続管部材及びガス注入針
を通り密閉容器に至るガス通路が形成される。又、フラ
ンジの先端側面が密閉容器への接着面に形成されている
ため、接続管部材と密閉容器の穴の間に生じた隙間がシ
ールされ、ガス洩れが生じることはない。

【００１０】次に、上記第２の課題を解決するために、
本発明の請求項２記載の軽量ガス充填式浮上物体へのガ
ス供給装置は、密閉容器内に軽量ガスを充填することに
よって空中に浮上するようにした軽量ガス充填式浮上物
体に対し、地上から軽量ガスを供給するためのガス供給
装置であって、地上に設置されるガスボンベと、前記軽
量ガス充填式浮上物体との間がガス供給チューブによっ
て接続され、このガス供給チューブの途中に、圧力調整
器を有するガス供給バルブと、このガス供給バルブより
も先端側に配設されたストップバルブと、このストップ
バルブよりも先端側に配設された減圧感知器とが取り付
けられ、前記減圧感知器が減圧を感知すると前記ストッ
プバルブが閉じるように、この減圧感知器とストップバ
ルブとが接続されている。

【００１１】従って、このガス供給装置により、空中に
浮上した状態の浮上物体に対し、ガスボンベからガス供
給チューブを介して軽量ガスを補給することができる。
この場合、浮上物体を浮上させると共に、空中に浮上し
た状態の浮上物体に対し軽量ガスを補給するための通常
の軽量ガスの供給は、圧力調整器を有するガス供給バル
ブによって行なわれる。尚、ストップバルブは常時は開
放している。

【００１２】そして、不測に浮上物体となる密閉容器が
バーストしたり、ガス供給チューブが破損したような場
合、密閉容器内及びガス供給チューブ内の圧力が減圧
し、この減圧を減圧感知器が感知する。この減圧感知器
の感知と同時にストップバルブに減圧が作用し、ストッ
プバルブが閉鎖する。これによりガスボンベからの軽量
ガスの供給が断たれ、軽量ガスが大気に放出するのを防
止することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図１はガス供給装置の実施の１形態を
示す説明図である。尚、この実施の形態では、アドバル
ーンを浮上物体の例としている。

【００１４】図において、１はアドバルーンを形成する
密閉容器で、気密性の高い材質によって球形の袋状に形
成されている。そして、この密閉容器１にはガス供給装
置２が接続され、このガス供給装置２によって密閉容器
１内に軽量ガスを充填し、これを空中に浮上するように
している。尚、アドバルーン１は、繋留ロープ１０によ
って地上のアンカー１１に繋ぎ留められている。

【００１５】前記ガス供給装置２は、地上に設置される
ガスボンベ３と密閉容器１とを接続するガス供給チュー
ブ２０を備え、このガス供給チューブ２０の先端が接続
管部材４を介して前記密閉容器１に連結されている。
尚、このガス供給チューブ２０は、ガスボンベ３側の基
端部分が金属チューブ２０ａで形成され、その先から密
閉容器１までが可撓性の樹脂チューブ２０ｂで形成され
ている。

【００１６】前記接続管部材４は、円形のフランジ４０
を境として先端側にガス注入針４１を取り付けるための
針受け嵌合部４２が形成され、他方、基端側にガス供給
チューブ２０への差込部４３が形成されている。又、前
記差込部４３をガス供給チューブ２０の先端部に差し込
んだ状態で、この差込部４３とでガス供給チューブ２０
を挟持する押えリング４４がガス供給チューブ２０の先
端部外周に取り付けられる。又、前記フランジ４０の先
端側面には、密閉容器１への接着面４５が形成されてい
る。

【００１７】従って、ガス供給チューブ２０の密閉容器
１への連結に際しては、まず、接続管部材４の差込部４
３をガス供給チューブ２０の先端部に差し込んで、その
上からガス供給チューブ２０の先端部外周に押えリング
４４を嵌め込む。これによりガス供給チューブ２０の先
端部が差込部４３と押えリング４４で挟持され、接続管
部材４がガス供給チューブ２０の先端に確実に取り付け
られる。

【００１８】そして、接続管部材４の針受け嵌合部４２
にガス注入針４１を取り付け、このガス注入針４１を密
閉容器１に刺しながら、接続管部材４のフランジ４０ま
で差し込んでいく。これによりガス供給チューブ２０か
ら接続管部材４及びガス注入針４１を通り密閉容器１に
至るガス通路５が形成される。又、フランジ２０の先端
側面が密閉容器への接着面４５に形成されているため、
接続管部材４と密閉容器１の穴の間に生じた隙間がシー
ルされ、ガス洩れが生じることはない。

【００１９】又、前記ガス供給チューブ２０の金属チュ
ーブ２０ａには、圧力調整器６ａを有するガス供給バル
ブ６と、このガス供給バルブ６よりも先端側に配設され
たストップバルブ７と、このストップバルブ７よりも先
端側に配設された減圧感知器８とが取り付けられてい
る。そして、前記減圧感知器８が減圧を感知すると前記
ストップバルブ７が閉じるように、この減圧感知器８と
ストップバルブ７とがパイロット回路７ａで接続されて
いる。

【００２０】従って、このガス供給装置２により、空中
に浮上した状態の密閉容器１に対し、ガスボンベ３から
ガス供給チューブ２０を介して軽量ガスを補給すること
ができる。この場合、密閉容器１を浮上させると共に、
空中に浮上した状態の密閉容器１に対し軽量ガスを補給
するための通常の軽量ガスの供給は、圧力調整器６ａを
有するガス供給バルブ６によって行なわれる。尚、スト
ップバルブ７は常時は開放している。

【００２１】そして、不測に浮上物体となる密閉容器１
がバーストしたり、ガス供給チューブ２０が破損したよ
うな場合、密閉容器１内及びガス供給チューブ２０内の
圧力が減圧し、この減圧を減圧感知器８が感知する。こ
の減圧感知器８の感知と同時にパイロット回路７ａを介
してストップバルブ７に減圧が作用し、ストップバルブ
７が閉鎖する。これによりガスボンベ３からの軽量ガス
の供給が断たれ、軽量ガスが大気に放出するのを防止す
ることができる。

【００２２】以上、本発明の実施の形態を図面により説
明してきたが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態
に限定されるものではない。例えば、浮上物体として
は、アドバルーンに限らず、気球、飛行船でもよく、こ
の場合、飛行範囲に応じてガス供給チューブの長さを設
定し、このガス供給チューブの弛み分を巻取るための巻
取り装置を設けるのが好ましい。

【００２３】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項１記載のガス供給装置にあっては、接続管部材を設け
たため、浮上物体とガス供給チューブとの連結が簡単か
つ確実に行なえるという効果が得られる。

【００２４】又、本発明の請求項２記載のガス供給装置
にあっては、密閉容器がバーストしたり、ガス供給チュ
ーブが破損したような場合、ストップバルブが閉鎖し、
軽量ガスが大気に放出するのを防止することができ、安
全を確保できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガス供給装置の実施の１形態を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 密閉容器 ２ ガス供給装置 ２０ ガス供給チューブ ３ ガスボンベ ４ 接続管部材 ４０ フランジ ４１ ガス注入針 ４２ 針受け嵌合部 ４３ 差込部 ４４ 押えリング ４５ 接着面 ６ａ 圧力調整器 ６ ガス供給バルブ ７ ストップバルブ ７ａ パイロット回路 ８ 減圧感知器

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 密閉容器内に軽量ガスを充填することに
   よって空中に浮上するようにした軽量ガス充填式浮上物
   体に対し、地上から軽量ガスを供給するためのガス供給
   装置であって、 地上に設置されるガスボンベと、前記軽量ガス充填式浮
   上物体との間がガス供給チューブによって接続され、 このガス供給チューブの先端が接続管部材を介して前記
   密閉容器に連結され、 この接続管部材は、フランジを境として先端側にガス注
   入針を取り付けるための針受け嵌合部が形成されると共
   に、基端側にガス供給チューブへの差込部が形成され、 前記差込部をガス供給チューブの先端部に差し込んだ状
   態で、この差込部とでガス供給チューブを挟持する押え
   リングがガス供給チューブの先端部外周に取り付けら
   れ、 前記フランジの先端側面に密閉容器への接着面が形成さ
   れていることを特徴とした軽量ガス充填式浮上物体への
   ガス供給装置。
2. 【請求項２】 密閉容器内に軽量ガスを充填することに
   よって空中に浮上するようにした軽量ガス充填式浮上物
   体に対し、地上から軽量ガスを供給するためのガス供給
   装置であって、 地上に設置されるガスボンベと、前記軽量ガス充填式浮
   上物体との間がガス供給チューブによって接続され、 このガス供給チューブの途中に、圧力調整器を有するガ
   ス供給バルブと、このガス供給バルブよりも先端側に配
   設されたストップバルブと、このストップバルブよりも
   先端側に配設された減圧感知器とが取り付けられ、 前記減圧感知器が減圧を感知すると前記ストップバルブ
   が閉じるように、この減圧感知器とストップバルブとが
   接続されていることを特徴とした軽量ガス充填式浮上物
   体へのガス供給装置。