JPH10244939A - 鉄道車両 - Google Patents

鉄道車両

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Publication number
JPH10244939A
JPH10244939A JP5326197A JP5326197A JPH10244939A JP H10244939 A JPH10244939 A JP H10244939A JP 5326197 A JP5326197 A JP 5326197A JP 5326197 A JP5326197 A JP 5326197A JP H10244939 A JPH10244939 A JP H10244939A
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JP
Japan
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seat
railway vehicle
stool
seats
doors
Prior art date
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Pending
Application number
JP5326197A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Suda
義大 須田
Shigeki Matsuoka
茂樹 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyu Car Corp
Original Assignee
Tokyu Car Corp
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Publication date
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Publication of JPH10244939A publication Critical patent/JPH10244939A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、座席数を多くしつつ、優れた乗降
容易性、好感度を備えた鉄道車両を提供することを目的
とする。 【解決手段】 一方の側面S1と他方の側面S2に設け
られ、互いに対向し合う1組の乗降用扉を複数組有する
鉄道車両において、2組の乗降用扉51、51と52、
52との間の側面S1に沿って第1の横形腰掛21を設
置し、2組の乗降用扉51、51と52、52との間の
側面S2側に3人掛け縦形腰掛13、13を背中合わせ
にして設置する。また、2人掛け縦形腰掛12、12を
3人掛け縦形腰掛13、12の側面S2側の2席の正面
に向かい合わせにして設置する。さらに、3人掛け縦形
腰掛13、13の側方に、第2の横形腰掛22、12を
第2側面に沿って設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄道車両に関し、特
に通勤輸送に利用される鉄道車両に関する。
【0002】
【従来の技術】わが国の大都市圏では、都市機能が極端
に都市中心部に集中していることから、都市近郊から都
市中心部まで通勤する者には、居住地から勤務地まで極
めて混雑した鉄道に長時間乗車することが強いられてい
る。また、輸送効率の改善、乗降に要する時間の短縮化
といった運行側の観点から、車両の多扉化・少座席化が
進み、乗客に対するサービスがますます低下しているの
が現状である。
【0003】これに対して、より快適な通勤の必要性が
注目されるようになった近年では、上記弊害を少しでも
改善し、より快適な通勤を実現するために、通勤車両、
特にその座席配置に関して多くの提案、議論がなされる
ようになった。しかしながら、個々の鉄道車両における
快適性を客観的に評価する手法が確立されていないこと
から、これらの提案、議論は何れも主観的なものに終始
することが多かった。
【0004】かかる状況の下、本願発明者らは、あらゆ
る鉄道車両における快適性を主観に頼ることなく定量的
に評価できる座席配置評価方法を構築した。当該評価方
法は、乗客密度、乗車時間を入力とし、乗降性評価値及
び快適性評価値を数式(評価式)を用いて客観的な数値
として出力するものであり、その過程において計算機に
よるシミュレーションを用いることにより、扉数の違い
や現存しない座席配置に対する汎用性を持たせたもので
ある。さらに、実物大の通勤車両モックアップを利用し
て既存の座席配置について実験を行い、シミュレーショ
ンによる評価結果と比較したところ当該評価方法が極め
て妥当なものであることが確認された(J−Rail9
6講演論文[1996−7,173−176]、J−R
ail96講演論文[1996−7,177−18
0])。図14、図15、図16(a)乃至図16
(c)及び図17(a)乃至図17(c)に上記実験及
びシミュレーションにおいて検討の対象とされた既存及
び既提案(以下、単に「従来の」という)の鉄道車両の
平面図を示す。
【0005】上記座席配置評価方法によるシミュレーシ
ョン及び実験の結果、より快適な鉄道車両であるために
は、第一に、快適性、すなわち、座席数が多くかつ着席
していても、立っていても快適であること、第二に、乗
降容易性、すなわち、乗車及び降車に要する時間が短い
こと(最も降車し難い座席からの降車時間が短いこ
と)、第三に、好感度、すなわち、縦形腰掛(乗客が車
体長手方向の前方または後方を向いて着席する腰掛をい
う)や横形腰掛(乗客が車体長手方向に対して直角方向
に着席する座席をいう)等を備え乗客が好みの座席を選
択できること、の3つの条件を具備することが必要であ
ると判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図16
(a)乃至図16(c)に示すように、すべての座席を
横形腰掛とした従来の鉄道車両では、座席数が少なく、
乗客は横形腰掛しか選択できないうえに、扉数が少なく
なるにつれ乗降容易性も低下するという問題があった。
【0007】また、図17(a)及び図17(b)に示
すように、2人掛けの縦形腰掛を向かい合わせに設置し
たもの(以下「4人掛け対面式座席」という)と横形腰
掛とを適宜並設したものでは、座席数は比較的多く、縦
向き及び横形腰掛の双方を選択可能ではあるが、以下の
ような問題があった。すなわち、図18に示すような4
人掛け対面式座席(座席間距離BP=1500mm)で
は、乗車する際に、乗客は同図中a席からd席、b席、
c席の順に、すなわちadbcの順序で着席する場合が
殆どであり、c席への通路が閉塞されるため(以下、こ
のような通路の閉塞を「ブロッキング」という)c席へ
の着座が困難であった。
【0008】さらに、aまたはc席に着座している乗客
が降車する場合にはb及びd席に着座している乗客によ
るブロッキングが発生する。また、着座している乗客が
降車する場合には4人掛け対面式座席の出入り口付近に
てブロッキングが発生したり、通路幅が十分ではないた
め、通路(図18中のe、f)に立っている乗客による
ブロッキングが発生したりするために降車が極めて困難
であった。
【0009】ここで、4人掛け対面式座席の座席間距離
BPを、例えば1600mmに延長した場合には、着座
順序はacbdの順になる確率が高く、bまたはd席に
着席している乗客による窓側席へ着席するための通路の
閉塞は緩和されるが、依然として、対面式座席の出入口
付近や通路に立っている乗客によるブロッキングの解消
は困難である。つまり、これらの車両においては乗降容
易性の面で問題があった。
【0010】さらに、図17(c)に示す、2人掛け縦
形腰掛を背中合わせに設置したものを並設した片側6扉
車は本願発明者らによって提案されたものであるが、座
席数が少なく、好感度の面から見ると必ずしも満足のい
くものとはいえなかった。
【0011】本発明は上述した課題を解決するために、
座席数を多くしつつ、優れた乗降容易性、好感度を備え
た鉄道車両を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
鉄道車両は、一方の第1側面と他方の第2側面に設けら
れ、互いに対向し合う1組の乗降用扉を複数組有する鉄
道車両において、2組の乗降用扉間の第1側面に沿って
設置された第1の横形腰掛と、当該2組の乗降用扉間の
第2側面側に背中合わせにして設置された3人掛け縦形
腰掛とを備えたことを特徴とする。
【0013】この鉄道車両によれば、従来の鉄道車両と
比べて乗降性を損なうことなく座席数を多くすることが
できる。さらに、乗客は横形腰掛と縦形腰掛のうち好み
の座席を選択して着席することができる。この鉄道車両
を片側6扉車とすれば、乗降性、快適性に優れ、かつ好
感度が高い通勤用鉄道車両の実現が可能である。
【0014】請求項2に係る鉄道車両は、2人掛け縦形
腰掛を、3人掛け縦形腰掛と向かい合わせにして設置し
たことを特徴とする。
【0015】また、請求項3に係る鉄道車両は、2組の
乗降用扉の間であって3人掛け縦形腰掛の側方におい
て、第2の横形腰掛を第2側面に沿って設置したことを
特徴とする。
【0016】これらの鉄道車両によっても、従来の鉄道
車両と比べて座席数を多くすることができ、乗客は横形
腰掛と縦形腰掛のうち好みの座席を選択して着席するこ
とができる。また、乗降の際の経路とはならない乗降用
扉間の中心部付近に3人掛け縦形腰掛を設置すると共
に、3人掛け縦形腰掛の側面側2席と向かい合わせにし
て2人掛け縦形腰掛を設置することにより5人掛け対面
式座席を構成したり、3人掛け縦形腰掛の側方に横形腰
掛を設置したりすれば、通路幅が乗降用扉に近づくにつ
れて広くなるので、通路に立っている乗客によるブロッ
キングを緩和できる。上記5人掛け対面式座席では、3
人掛け縦形腰掛の中央席が最後まで空席となるため、従
来の4人掛け対面座席のように窓側の座席への通路が閉
塞されることがない。また、5人掛け対面座席のうち3
人掛け縦形腰掛の通路側の1座席の正面に座席が存在し
ないため、最後まで空席となる3人掛け縦形腰掛の中央
席への着席が極めて容易なものとなる。これらの鉄道車
両を片側3扉車または片側4扉車とすれば乗降性に優
れ、かつ高い快適性、好感度を有する通勤用鉄道車両の
実現が可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による鉄
道車両及び鉄道車両用座席の好適な実施形態について詳
細に説明する。
【0018】図1は本発明の第1実施形態に係る鉄道車
両1a(1b)の要部拡大平面図であり、乗降用扉5
1、51と乗降用扉52、52との間における座席配置
を示す。
【0019】乗降用扉51、51と乗降用扉52、52
との間においては、一方の側面S1に沿って11人掛け
の横形腰掛21が設置されている。通路を挟んで側面S
1と対向する他方の側面S2側には、乗降用扉51、5
1と乗降用扉52、52との間の中心線上に3人掛け縦
形腰掛13、13が互いに背中合わせになるように設置
されている。
【0020】また、3人掛け縦形腰掛13、13の正面
には、2人掛け縦形腰掛12、12が所定の座席間距離
(例えば1600mm)を隔てて設置されている。ここ
で、2人掛け縦形腰掛12は、その正面に位置する3人
掛け縦形腰掛の側面S2側の2席x、yと向かい合うよ
うに設置されており、当該3人掛け縦形腰掛13と共
に、5人掛け対面式座席15を構成する。尚、戸袋等の
車両構造を考慮すれば、2人掛け縦形腰掛は必ずしも3
人掛け縦形腰掛の側面側2席の正面に設置する必要はな
く通路側に寄せて設置してもよい。2人掛け縦形腰掛1
2や3人掛け縦形腰掛13は固定腰掛、リクライニング
腰掛の何れであってもよく、また、2人掛け縦形腰掛1
2として転換腰掛、回転腰掛等を適用することも可能で
ある。
【0021】さらに、2人掛け縦形腰掛12、12の車
両の長さ方向における側方(背後)には、側面S2に沿
って2人掛け横形腰掛22、22が並設されている。2
人掛け横形腰掛22、22は通路を挟んで11人掛け横
形腰掛21の乗降用扉側の2席o、pまたはs、tと対
向し合う。2人掛け横形腰掛22は格納式腰掛であって
もよい。
【0022】上述の通り、本発明に係る鉄道車両では、
一方の側面に沿って横形腰掛を設置した上で、他方の側
面側であって、乗降の際の経路とはならない乗降用扉間
の中心部付近に、5人掛け対面式座席を構成する3人掛
け縦形腰掛を背中合わせにして設置している。これによ
り、当該5人掛け対面座席のうち3人掛け縦形腰掛13
の通路側のz席の正面には座席が存在しないために、通
路幅が乗降用扉に近づくにつれて広くなる。したがっ
て、通路に立っている乗客によるブロッキングが緩和さ
れるので、従来の鉄道車両と比べて乗降を極めて容易な
ものとすることができる。
【0023】次に、図1を参照しながら、本発明に係る
鉄道車両における着席・離席及び乗降について説明す
る。
【0024】まず、上述した座席配置評価方法によって
求めた5人掛け対面式座席の着席順序について説明す
る。着席順序は、乗客の平均乗車時間が15分の場合と
60分の場合の二通りについて求めたものである。乗客
の乗車時間として比較的短い時間である平均乗車時間1
5分の場合は、着席順序は、v席、z席、x席、w席、
そしてy席の順、すなわち、vzxwyの順となり、乗
客の乗車時間としては長時間となる平均乗車時間60分
の場合は、着席順序はvxwzyとなる。
【0025】平均乗車時間15分及び60分の何れの場
合も、乗客が最後に着席するのは、5人掛け対面座席1
5のうち3人掛け縦形腰掛13の中央の座席yとなる。
従って、上記5人掛け対面座席においては、座席yが最
後まで空席となることにより、従来の4人掛け対面座席
のように側面S2側の座席v、xへの通路が閉塞される
ことがなくなり、v、x席への着席が極めて容易なもの
となる。また、5人掛け対面座席のうち3人掛け縦形腰
掛13の通路側のz席の正面には座席が存在しないこと
から、最後まで空席となっているy席への着席も極めて
容易である。これにより、乗客の着席する際の行動を極
めてスムースなものとすることができる。
【0026】一方、着座している乗客が降車する際にお
いても、5人掛け対面座席のうち3人掛け縦形腰掛13
の通路側のz席の正面には座席が存在しないことから、
通路側のw、y、z席に着席している乗客にとって離席
が極めて容易なものとなる。窓側のv、x席に着席して
いる乗客が降車する場合も、3人掛け縦形腰掛13の通
路側のz席の正面に空きスペースが存在するため、通路
側のw、y、x席に着席している乗客によるブロッキン
グが緩和されるので、従来の4人掛け対面式座席と比べ
て降車が容易なものとなる。
【0027】図2は、乗降用扉51、51と乗降用扉5
2、52との間の中心線上における断面図であり、同図
における2点鎖線は、普通鉄道構造規則195条による
有効通路幅を示すものである。ここで、横形腰掛の壁面
から先端までの寸法L、3人掛け縦形腰掛の1席当たり
の腰掛幅Wsをそれぞれ十分なものとした場合、例えば
L=550mm、Ws=450mmとした場合であって
も、普通鉄道構造規則による有効通路幅を超える十分な
通路幅を確保することができる。
【0028】図3は本発明の第1実施形態に係る鉄道車
両1aの車体平面図である。鉄道車両1aは、全長20
m、全幅2.95mの片側3扉車であって、座席定員は
70名であり、図16(a)に示す鉄道車両の64名、
図17(a)に示す鉄道車両の68名よりも多い座席定
員数が確保されている。
【0029】鉄道車両1aでは乗降用扉51、51と乗
降用扉52、52との間において、横形腰掛21が側面
S1に沿って設置され、5人掛け対面式座席15、15
及び2人掛け横形腰掛22、22が側面S2側に設置さ
れており、乗降用扉52、52と乗降用扉53、53と
の間において、横形腰掛21が側面S2に沿って設置さ
れ、5人掛け対面式座席15、15及び2人掛け横形腰
掛22、22が側面S1側に設置されている。
【0030】また、一方の妻E1側の乗降用扉51、5
1と当該一方の妻E1との間、及び、他方の妻E2側の
乗降用扉53、53と当該他方の妻E2との間におい
て、5人掛けの横形腰掛25、25が両側面S1、S2
に沿って、通路を挟んで互いに対向し合うように設置さ
れている。
【0031】これに対して、図4に示す鉄道車両1bの
ように、側面S1側に横形腰掛のみを配設し、側面S2
側に5人掛け対面座席15、2人掛け横形腰掛22、5
人掛け横形腰掛25を配設しても、鉄道車両1aと同様
の座席定員を確保することができる。
【0032】図5は本発明の第2実施形態に係る鉄道車
両2a(2b)の要部拡大平面図であり、乗降用扉間5
1、51と乗降用扉52、52との間における座席配置
を示す。
【0033】これら2組の乗降用扉の間では、一方の側
面S1に沿って7人掛けの横形腰掛27が設置されてお
り、通路を挟んで側面S1と対向する他方の側面S2側
には、2組の乗降用扉の間の中心線上に3人掛け縦形腰
掛13、13が互いに背中合わせになるように設置され
ている。
【0034】さらに、3人掛け縦形腰掛13、13の正
面には、2人掛け縦形腰掛12、12が所定の座席間距
離(例えば1600mm)を隔てて設置されている。2
人掛け縦形腰掛12、12は、その正面に位置する3人
掛け縦形腰掛13、13の側面S2側の2席と向かい合
うように設置されており、当該3人掛け縦形腰掛13、
13と共に、5人掛け対面式座席15を構成する。2人
掛け縦形腰掛12や3人掛け縦形腰掛13は固定腰掛、
リクライニング腰掛の何れであってもよく、また2人掛
け縦形腰掛12としては転換腰掛、回転腰掛等を適用す
ることも可能である。
【0035】図6は本発明の第2実施形態に係る鉄道車
両2aの車体平面図である。鉄道車両2aは、全長20
m、全幅2.95mの片側4扉車であって、座席定員は
63名であり、図16(b)に示す鉄道車両の54名、
図17(b)に示す鉄道車両の60名よりも多い座席定
員数が確保されている。
【0036】鉄道車両2aでは、乗降用扉51、51と
乗降用扉52、52との間、及び乗降用扉53、53と
乗降用扉54、54との間において、横形腰掛21が側
面S1に沿って設置され、5人掛け対面式座席15、1
5が側面S2側に設置されており、乗降用扉52、52
と乗降用扉53、53との間では、横形腰掛21が側面
S2に沿って設置され、5人掛け対面式座席15、15
が側面S1側に設置されている。
【0037】また、一方の妻E1側の乗降用扉51、5
1と当該一方の妻E1との間、及び、他方の妻E2側の
乗降用扉54、54と当該他方の妻E2との間におい
て、3人掛けの横形腰掛23、23が両側面S1、S2
に沿って、通路を挟んで互いに対向し合うように設置さ
れている。
【0038】これに対して、図7に示す鉄道車両2bの
ように、側面S1側に横形腰掛のみを配設し、側面S2
側に5人掛け対面座席15、3人掛け横形腰掛23を配
設しても、鉄道車両2aと同様の座席定員を確保するこ
とができる。
【0039】尚、図6及び図7に示した鉄道車両2a、
2bでは、2組の乗降用扉間において、側面S1に沿っ
て7人掛け横形腰掛27を設置し、側面S2側に3人掛
け縦形腰掛13と2人掛け縦形腰掛12とからなる5人
掛け対面式座席を設置しているが、これに限られるもの
ではなく、図8に示すように、側面S1に沿って8人掛
け横形腰掛28を設置し、側面S2側に設置された3人
掛け縦形腰掛13、13の車両の長さ方向における側方
に側面S2に沿って2人掛け横形腰掛22、22を並設
することも可能である。この場合、2人掛け横形腰掛2
2、22は通路を挟んで8人掛け横形腰掛28の乗降用
扉側の2席o、pまたはs、tと対向し合う。2人掛け
横形腰掛22は格納式の腰掛としてもよい。
【0040】かかる第2実施形態によっても、通路幅が
乗降用扉に近づくにつれて広くなるので、通路に立って
いる乗客によるブロッキングを緩和することができ、ま
た、乗客が着席・離席する際の行動を極めてスムースな
ものとすることができるので従来の鉄道車両と比べて乗
降を極めて容易なものとすることができる。
【0041】図9は、本発明の第3実施形態に係る鉄道
車両3a(3b)の要部拡大平面図であり、乗降用扉5
1、51と乗降用扉52、52との間における座席配置
を示す。
【0042】同図に示すように、これら2組の乗降用扉
の間では、側面S1に沿って3人掛けの横形腰掛23が
設置されており、側面S2側には、2組の乗降用扉の間
の中心線上に3人掛け縦形腰掛13、13が互いに背中
合わせになるように設置されている。
【0043】図10は本発明の第3実施形態に係る鉄道
車両3aの車体平面図である。鉄道車両3aは、全長2
0m、全幅2.95mの片側6扉車であって、座席定員
は45名であり、図16(c)に示す鉄道車両の30
名、図17(c)に示す鉄道車両の40名よりも多い座
席定員数が確保されている。
【0044】鉄道車両3aでは乗降用扉51、51と乗
降用扉52、52との間、乗降用扉53、53と乗降用
扉54、54との間、乗降用扉55、55と乗降用扉5
6、56との間において、横形腰掛23が側面S1に沿
って設置され、3人掛け縦形腰掛13、13が側面S2
側に設置されており、乗降用扉52、52と乗降用扉5
3、53との間、乗降用扉54、54と乗降用扉55、
55との間において、3人掛け縦形腰掛13、13が側
面S1に沿って設置され、横形腰掛23が側面S2側に
背中合わせにして設置されている。
【0045】また、一方の妻E1側の乗降用扉51、5
1と当該一方の妻E1との間、及び、他方の妻E2側の
乗降用扉56、56と当該他方の妻E2との間には腰掛
けは設置されていない。
【0046】これに対して、図11に示す鉄道車両3b
のように、一方の側面S1側に横形腰掛のみを配設し、
他方の側面S2側に3人掛け縦形腰掛13、13を背中
合わせにして設置しても鉄道車両3aと同様の座席定員
を確保することができる。
【0047】この第3実施形態によれば、従来の片側6
扉車と比べて座席数をより多くすることができる。ま
た、乗客は縦形腰掛と横形腰掛のうち好みの座席を選択
することが可能である。尚、図10及び図11では、片
側6扉車の例を示したが、これらの座席配置を片側5扉
車に適用することも可能である。
【0048】上述した本発明に係る鉄道車両に適用した
座席配置や5人掛け対面式座席は、近年その導入が検討
されている低床式ライトレール(LTR)車両や、低床
式バスに適用することも可能である。
【0049】図12及び図13に、本発明に係る鉄道車
両と従来の鉄道車両における乗降性及び快適性について
の比較結果を示す。ここで、各鉄道車両の乗降性の評価
値及び快適性の評価値は、上述した座席配置評価方法に
よって求めたものである。比較の対象とした鉄道車両
は、本発明に係る鉄道車両のうち、図3に示す片側3扉
車(以下「HB3t」という)、図6に示す片側4扉車
(以下「HB4t」という)、図10に示す片側6扉車
(以下「HC6t」という)、従来の鉄道車両のうち、
図14に示す片側4扉車並びに図15に示す片側4扉車
(J−Rail96講演論文[1996−7,173−
176]、J−Rail96講演論文[1996−7,
177−180]において、本願発明者らによって提案
された片側4扉車であり、以下前者を「HB4p」とい
い、後者を「RB4p」という)、図16(a)に示す
片側3扉車(以下「AL3」という)、図16(b)に
示す片側4扉車(以下「AL4」という)、図16
(c)に示す片側6扉車(以下「AL6」という)、図
17(a)に示す片側3扉車(以下「SB3p」とい
う)、図17(b)に示す片側4扉車(以下「SB4
p」という)、及び、図17(c)片側6扉車(以下
「AC6という」)である。評価に当たっての各鉄道車
両の諸元は、全長20m、車体幅2.95m、乗車密度
6.15名/m、腰掛座面幅450mm、対面式座席の
座席間距離1600mm、非対面式座席の座席間距離8
50mmとした。
【0050】また、評価式に入力する乗客密度及び乗車
時間は、乗客密度を1車両当たり120名、乗車時間を
15分、及び60分とした。快適性については、個々の
座席における快適度と、扉と座席までの距離、ブロッキ
ング等を考慮した乗車時間の積で定まることが判明した
ため、実験を通じて快適性評価値を定式化し、この値を
評価に用いている。さらに、乗降性の良否は、1人の乗
客が乗降用扉からの距離が最も遠い座席(最も乗降車し
難い席)から降車するのに要する時間(以下「最遠座席
一人降車時分」という)により定まることが判明したた
め、この値を評価に用いている。
【0051】図12は乗車時間が15分の場合、図13
は乗車時間が60分の場合の比較結果を示したものであ
る。ここで、図12及び図13の横軸は快適性評価値を
示し、快適であればあるほど大きな値をとる。また、縦
軸は最遠座席一人降車時分を示し、乗降性が良ければ良
いほど小さな値をとる。したがって、快適性が高くかつ
乗降性に優れる鉄道車両は図の右下に位置することにな
る。尚、図12及び図13において、実線は本発明に係
る各鉄道車両の評価値を結んだものであり、点線は4人
掛け対面式座席を適用した従来の鉄道車両の評価値を結
んだものであり、一点鎖線は、総ての座席を横形腰掛と
した従来の鉄道車両の評価値を結んだものである。
【0052】図12及び図13を参照しながら、各鉄道
車両の評価結果を鉄道車両の扉数別に比較する。片側3
扉車は、比較的乗車時間が長い路線で使用されることか
ら、乗車時間60分(図13)において比較すると、本
発明に係る鉄道車両HB3t(図3参照)は片側3扉車
SB3pと比べて快適性はほぼ同程度であるがが、乗降
性においてより高い値をとっている。また、片側3扉車
AL3と比較すると、乗降性で若干劣るものの、快適性
では大きく上回っている。したがって、総合的に見れ
ば、片側3扉車の中では、本発明に係る鉄道車両HB3
tが最も優れた座席配置を有するものであるといえる。
【0053】片側4扉車は、片側3扉車と同様に比較的
乗車時間が長い路線で使用されるものであることから、
乗車時間60分(図13)において比較すると、本発明
に係る鉄道車両HB4t(図6参照)は、片側4扉車S
B4pと比べて快適性はほぼ同程度であるが、乗降性に
おいてより高い値をとっている。また、片側4扉車AL
4と比較すると、乗降性で若干劣るものの、快適性では
大きく上回っている。したがって、総合的に見れば、片
側4扉車の中においても、本発明に係る鉄道車両HB4
tが最も優れた座席配置を有するものであるといえる。
【0054】片側6扉車は、比較的乗車時間が短い路線
で使用されるものであることから、乗車時間15分(図
12)において比較すると、本発明に係る鉄道車両HC
6t(図10参照)は、他の片側6扉車AC6、AL6
と比較して乗降性はほぼ同程度であるが、快適性におい
て大きく上回っている。したがって、6扉車の中では本
発明に係る鉄道車両HC6tが最も優れた座席配置を有
するものであるといえる。
【0055】また、本発明に係る鉄道車両HB3tと従
来の鉄道車両SB4pとを比較すれば、本発明に係るH
B3tは片側3扉車であるため、最も乗降用扉から遠い
座席までの距離が片側4扉車であるSB4pよりも大き
いにも拘わらず最遠座席一人降車時分はSB4pよりも
より小さな値をとっている。この点から、本発明に係る
鉄道車両HB3tにおいては、従来の鉄道車両SB4p
よりも上述したブロッキングの発生が少ないものといえ
る。加えて、HB3tはSB4pよりも快適性において
優れていることから、片側3扉車であっても、乗降性、
快適性の両面からみて片側4扉車よりも優れた鉄道車両
の実現が可能となる。
【0056】さらに、本発明に係る鉄道車両HC6tと
従来の鉄道車両AL4とを比較すれば、本発明に係るH
C6tは片側6扉車であるため、座席数が片側4扉車で
あるAL4よりも小さいにも拘わらず快適性はAL4よ
りもより大きな値をとり、乗降性においても優れている
ことから、片側6扉車であっても、乗降性、快適性の両
面からみて片側4扉車よりも優れた鉄道車両の実現が可
能となる。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る鉄道車両は上述した構成に
より以下の効果を有するものである。すなわち、2組の
乗降用扉の間において、一方の側面に沿って第1の横形
腰掛を設置し、他方の側面側に3人掛け縦形腰掛を背中
合わせにして設置したことにより、良好な乗降性を保ち
つつ、従来の鉄道車両と比べて座席数を大きくすること
が可能となり、鉄道車両の快適性が向上する。また、乗
客は横形腰掛と縦形腰掛のうち好みの座席を選択するこ
とができるので鉄道車両の好感度が向上する。
【0058】また、2人掛け縦形腰掛を3人掛け縦形腰
掛と向かい合わせしてに設置し、5人掛け対面座席を構
成したり、第2の横形腰掛を第2側面に沿って、3人掛
け縦形腰掛の側方に設置したので、座席数が多くなり、
乗客の座席選択の幅がより広がるので、鉄道車両の快適
性、好感度が一層向上する。また、乗降の際の経路とは
ならない乗降用扉間の中心部付近に3人掛け縦形腰掛を
設置することにより、通路幅が乗降用扉に近づくにつれ
て広くなるので、通路に立っている乗客によるブロッキ
ングが緩和され、従来の鉄道車両と比較して乗降性が格
段に向上する。
【0059】上記5人掛け対面式座席では、3人掛け縦
形腰掛の中央席が最後まで空席になるため、従来の4人
掛け対面座席のように窓側の座席への通路が閉塞される
ことがなく、5人掛け対面座席のうち3人掛け縦形腰掛
の通路側の座席の正面には座席が存在しないことから、
最後まで空席となる3人掛け縦形腰掛の中央の席への着
席も極めて容易なものとなる。これにより、乗客の着席
する際の行動を極めてスムースなものとなり、鉄道車両
の乗降性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る鉄道車両の要部を示
す拡大平面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る鉄道車両の要部を示
す拡大断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る鉄道車両を示す平
面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る鉄道車両の他の態
様を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る鉄道車両の要部を示
す拡大平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る鉄道車両を示す平
面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る鉄道車両の他の態
様を示す平面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る鉄道車両のさらに
他の態様を示す要部拡大平面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る鉄道車両の要部を
示す拡大平面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る鉄道車両を示す
平面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る鉄道車両の他の
態様を示す平面図である。
【図12】本発明に係る鉄道車両と従来の鉄道車両にお
ける乗降性及び快適性を比較するためのグラフである。
【図13】本発明に係る鉄道車両と従来の鉄道車両にお
ける乗降性及び快適性を比較するためのグラフである。
【図14】従来の鉄道車両を示す平面図である。
【図15】従来の鉄道車両を示す平面図である。
【図16】従来の鉄道車両を示す平面図である。
【図17】従来の鉄道車両を示す平面図である。
【図18】従来の鉄道車両に使用される4人掛け対面式
座席を示す平面図である。
【符号の説明】
1a、1b、2a、2b、3a、3b…鉄道車両、12
…2人掛け縦形腰掛、13…3人掛け縦形腰掛、15…
5人掛け対面式座席、21…11人掛け横形腰掛、22
…2人掛け横形腰掛、23…3人掛け横形腰掛、25…
5人掛け横形腰掛、27…7人掛け横形腰掛、28…8
人掛け横形腰掛、51、52、53、54、55、56
…乗降用扉。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の第1側面と他方の第2側面に設け
    られ、互いに対向し合う1組の乗降用扉を複数組有する
    鉄道車両において、 2組の乗降用扉間の第1側面に沿って設置された第1の
    横形腰掛と、 前記2組の乗降用扉間の第2側面側に背中合わせにして
    設置された3人掛け縦形腰掛とを備えたことを特徴とす
    る鉄道車両。
  2. 【請求項2】 前記3人掛け縦形腰掛と向かい合わせに
    して設置された2人掛け縦形腰掛とを備えたことを特徴
    とする請求項1記載の鉄道車両。
  3. 【請求項3】 前記2組の乗降用扉間の前記第2側面に
    沿って設置され、前記3人掛け縦形腰掛の側方に位置す
    る第2の横形腰掛とを備えたことを特徴とする請求項1
    または2記載の鉄道車両。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010282069A (ja) * 2009-06-05 2010-12-16 Railway Technical Res Inst 鉄道車両の乗り心地評価方法
JP2016078745A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 東日本旅客鉄道株式会社 回転式座席装置および鉄道車両並びに座席の運用方法
JP2017019423A (ja) * 2015-07-13 2017-01-26 近畿車輌株式会社 鉄道車両
KR102406731B1 (ko) * 2021-11-30 2022-06-08 유영 기립 착석 보조 의자

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