JPH10243700A - 永久磁石同期電動機の制御装置 - Google Patents
永久磁石同期電動機の制御装置Info
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- JPH10243700A JPH10243700A JP9043075A JP4307597A JPH10243700A JP H10243700 A JPH10243700 A JP H10243700A JP 9043075 A JP9043075 A JP 9043075A JP 4307597 A JP4307597 A JP 4307597A JP H10243700 A JPH10243700 A JP H10243700A
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Abstract
動機の力率を向上させ、電動機や電力変換器の小型・軽
量化を図る。 【解決手段】 突極または逆突極性、あるいは非突極性
を有する永久磁石同期電動機のトルクまたは速度を制御
する制御装置に関する。電動機の磁極軸方向の電流成分
である直軸電流と磁極軸に直交する方向の電流成分であ
る横軸電流を、所定のトルクに対して力率が最大になる
ような関係式で制御する。
Description
給電される永久磁石同期電動機の力率を向上させて電動
機や電力変換器の小型・軽量化を可能にした永久磁石同
期電動機の制御装置に関するものである。
構造PMモータの広範囲可変速制御」(電気学会論文誌
D,114巻6号,p668〜p673,平成6年6月
20日発行)に掲載された逆突極形永久磁石同期電動機
の速度制御装置の構成を一部省略して示す。なお、図に
おいて、10は加算器、20は速度調節器、30は直軸
電流指令演算器、40は電流調節器、50はPWM変調
器、60は三相交流電源、70はインバータ等の電力変
換器、80は電流検出器、90は位置検出器、100は
速度検出器、PMは逆突極形永久磁石同期電動機であ
る。
検出値ωが速度指令値ω*に一致するように横軸電流指
令値iq *を調節し、直軸電流指令値id *と共に電流調節
器40に加える。ここで、永久磁石同期電動機PMのト
ルクTは、直軸電流idと横軸電流iqとから数式7によ
り表わすことができる。なお、数式7において、Ldは
直軸インダクタンス、Lqは横軸インダクタンス、φmは
永久磁石による鎖交磁束である。
しており、Ld≠Lqである突極機または逆突極機では、
直軸電流idを流すことにより、電動機出力を大きくす
ることができる。直軸電流指令値id *は、トルク/電流
が最大となる条件から、数式8により求める。
電圧が上昇するため、これを抑制する必要がある。数式
8に示したトルク/電流が最大の条件で端子電圧が電力
変換器の最大出力電圧より大きくなるとき、端子電圧が
電力変換器の最大出力電圧に等しくなるように直軸電流
指令値Id *を数式9により演算する。なお、数式9にお
いてVmaxは電力変換器の最大出力電圧である。
・横軸電流指令値と電流検出値及び位置検出値から電圧
指令を計算し、電圧指令はPWM変調器50により電力
変換器70のゲート信号に変換され、電力変換器70が
制御される。この結果、同期電動機PMの電流は指令値
に一致するように制御され、その速度ωを指令値ω*に
一致させることができる。
トルク/電流は最大になるが、その反面、電動機の力率
が低くなり、電動機や電力変換器が大形化するという問
題がある。そこで本発明は、永久磁石による鎖交磁束と
電流との積に対してトルクが最大になる条件で電流を制
御することにより、力率の向上を可能にした永久磁石同
期電動機の制御装置を提供しようとするものである。
流、磁束及びトルクは、磁極軸方向の電流成分である直
軸電流idと、磁極軸に直交する電流成分である横軸電
流iqとの関数で表わすことができる。このことから、
電流、磁束あるいはトルク等を一定にした場合の条件
は、直軸電流idと横軸電流iqの座標平面(id−iq平
面)における等位線、すなわち電流ベクトル軌跡で表わ
すことができる。
て、トルクT一定と電流(電機子電流)Ia一定の条件
における永久磁石同期電動機の電流ベクトル軌跡を表わ
している。例えば、トルク一定の軌跡上に電流ベクトル
が制御されれば、いずれの電流ベクトルでもトルクは同
一値になる。電流一定の軌跡に対しても同様であり、電
流一定の軌跡上に電流ベクトルが制御されれば、いずれ
の電流ベクトルでも電流は同一値になる。電流一定の軌
跡は図示するように円軌跡であり、電流が大きくなるほ
ど円軌跡の半径も大きくなる。
件は、図10に示すようにトルク一定軌跡と電流一定軌
跡が接する点Aに電流ベクトルを制御することによって
達成できる。このような条件に電流ベクトルを制御する
方法が前述した最大トルク制御であり、トルク/電流が
最大化する。なお、図10の破線は、トルクをパラメー
タにしてトルク/電流が最大になる電流ベクトル軌跡を
示す。しかし、この制御方法では電圧に対する考察が何
ら行われておらず、トルク/電流は最大化するもののト
ルク/電圧が低下し、所定のトルクまたは出力を得るた
めの電圧が増加して、必要な電力変換器の容量が増加す
るおそれがある。
磁束と電流との積に対するトルクを最大化する方法を発
案した。以下にその原理を説明する。永久磁石同期電動
機の電流Iaと鎖交磁束φaとは、数式10、数式11に
より与えられる。
φaIaに対してトルクTを最大化する条件を表わす電流
ベクトル図である。この条件は、φaIa一定軌跡とT一
定軌跡とが接する点Bに電流ベクトルが制御されること
によって実現でき、このときT/(φaIa)が最大化す
る。電機子抵抗を無視すれば、T/(φaIa)は力率に
一致するのでT/(φaIa)の最大化は力率の最大化と
ほぼ同じことになり、電流ベクトルを点Bに制御できれ
ば力率が最大になる。φaIa一定軌跡とT一定軌跡とが
接することは、交点における法線の方向が一致すること
と同じであり、これはφaIaの勾配とトルクTの勾配の
方向が一致することから解析的に導出できる。φaIaの
勾配は数式10,11から、数式12で表される。な
お、数式12において、Idはd軸方向の単位電流ベク
トル、Iqはq軸方向の単位電流ベクトルである。
13のように表される。
件から次の数式14が得られ、この数式14を因数分解
すると前述した数式1,2が得られる。図1における破
線はこれらの数式1,2で表される波形を示している。
id)+φa 2id}−(Ld−Lq)iq×(Lq 2Ia 2+φa 2)iq
=0
トルとが直交する関係と同じであり、抵抗を無視すれば
電動機の力率が1になる条件を示しており、従来から知
られた関係式である。しかし、所望トルクが大きくな
り、それに伴って横軸電流iqが大きくなると平方根の
条件が満たされなくなり、力率1の制御が不可能にな
る。本発明の第1の基本的特徴は、請求項1に記載した
ように、トルク指令値が大きくなった場合は直軸電流の
指令値を数式1から数式2の関係に移行させ、すべての
トルク範囲においてφaIaに対するトルクを最大化し、
これによって永久磁石同期電動機を高力率で運転するこ
とを可能とするものである。
よる鎖交磁束φmより小さくなって磁束の利用率が低下
する場合がある。そこで本発明の第2の基本的特徴は、
請求項2に記載したように、小トルク時には直軸電流の
演算を数式1に代えて前記数式3により行い、大トルク
時には直軸電流の演算を数式3から数式2に移行するも
のである。ここで、前記数式3は鎖交磁束をφmに制御
する条件であり、小トルク時に鎖交磁束が一定値φmに
制御される。
に、Ld=Lqである非突極機に関して、小トルク時には
前記数式1を満たすように制御し、かつ、大トルク時に
は前記数式4を満たすように制御することも特徴とす
る。
に、同じく非突極機に関して、小トルク時には前記数式
3を満たすように制御し、かつ、大トルク時には前記数
式4を満たすように制御することも特徴とする。
に、突極機、逆突極機、非突極機など各種の永久磁石同
期電動機に関して、基底速度以下の低速時には前記数式
5を満たすように制御し、かつ、基底速度以上の高速時
には前記数式6を満たすように制御することも特徴とす
る。
態を説明する。図2は、請求項1に対応する本発明の第
1の実施形態を示すものであり、図9と同一の構成要素
には同一番号を付してある。従来と同様に、速度調節器
20は加算器10により求められた速度指令値ωと速度
検出値ω*との偏差を増幅し、速度検出値ωが速度指令
値ω*に一致するように横軸電流指令値iq *を調節す
る。
記数式1の演算を行う。比較器203は数式1の演算結
果id *を基準値id0と比較し、id *<id0の場合に演算
器202により前記数式2の演算を行い、直軸電流指令
値id *を数式1による演算結果から数式2による演算結
果に切り替える。なお、id *≧id0の場合は力率を1に
制御可能な小トルク時であり、id *<i d0の場合は、大
トルク時である。
ャートである。横軸電流指令値iq *から数式1を用いて
直軸電流指令値id *を演算し、それを基準値id0と比較
する。id *<id0の場合は数式2を用いて再度id *を演
算する。なお、数式1と数式2はidとiqの関数である
ので、両電流をそれぞれの指令値id *とiq *に置き換え
た式を用いる。なお、同期電動機の端子電圧が電力変換
器の出力できる最大電圧を超える場合は、図示を省略し
たが、前記数式9によって直軸電流を制御する。
施形態を図4に基づき説明する。この実施形態におい
て、比較器203はiq *の絶対値|iq *|を基準値iq0
と比較し、|iq *|≦id0の場合に前記数式3の演算を
行い、|iq *|>iq0の場合に前記数式2の演算を行
う。なお、|iq *|≦iq0の場合は力率を1に制御可能
な小トルク時であり、|iq *|>iq0の場合は、大トル
ク時である。
ャートである。横軸電流指令値iq *から絶対値|iq *|
を求め、基準値iq0と比較する。|iq *|≦iq0の場合
に数式3を用いて直軸電流指令値id *を演算する。一
方、|iq *|>iq0の場合は数式2を用いてid *を演算
する。なお、数式2と数式3はidとiqの関数であるの
で、両電流をそれぞれの指令値id *とiq *に置き換えた
式を用いる。また、同期電動機の端子電圧が電力変換器
の出力できる最大電圧を超える場合は、前記同様に数式
9によって直軸電流を制御する。
実施形態を図6を参照しつつ説明する。数式2は、Ld
≠Lqである突極機の場合についてのみ成立する式であ
る。Ld=Lqである非突極機の場合について数式2に対
応する式を求めると、前記数式4となる。
チャートである。横軸電流指令値i q *から絶対値|iq *
|を求め、比較器203により基準値iq0と比較する。
|iq *|≦iq0の場合に数式1を用いて直軸電流指令値
id *を演算する。一方、|iq *|>iq0の場合は数式4
を用いてid *を演算する。数式1と数式4はi dとiqの
関数であるので、両電流をそれぞれの指令値id *とiq *
に置き換えた式を用いる。ここで、非突極機において
は、数式1の右辺における4LdLqiq 2の項は(2Ld
iq)2に等しい。なお、端子電圧が変換器の出力できる
最大電圧を超える場合は、前記同様に数式9によって直
軸電流を制御する。
に関する第4実施形態を図7を参照して説明する。図7
は図4の破線内の制御を示すフローチャートである。横
軸電流指令値iq *から絶対値|iq *|を求め、比較器2
03により基準値iq0と比較する。|iq *|≦iq0の場
合に前記数式3を用いて直軸電流指令値id *を演算す
る。一方、|iq *|>iq0の場合は前記数式4を用いて
id *を演算する。数式3と数式4はidとiqの関数であ
るので、両電流をそれぞれの指令値id *とiq *に置き換
えた式を用いる。ここで、非突極機においては、数式3
の右辺における(Lqiq)2の項は(Ldiq)2に等し
い。なお、端子電圧が電力変換器の出力できる最大電圧
を超える場合は、前記同様に数式9によって直軸電流を
制御する。
実施形態を説明する。上述した第1実施形態〜第4実施
形態では、直軸電流の演算式を直軸電流指令値id *ある
いは横軸電流指令値iq *の大きさによって切り替える複
雑さがある。そこで、第5実施形態では、直軸電流の演
算を前記数式5,6により行い、電流の大きさによる切
り替えを不要とした。
えば電動機や電力変換器が許容できる最大の電流におい
て直軸電流idの計算値が数式2を満足するように設計
する。また、速度が基底速度ωBを超える高速時には、
数式5に代えて直軸電流を数式6により求める。これに
より、基底速度ωBを超える速度範囲では最大出力時に
おける端子電圧をほぼ一定に制御でき、必要になる電力
変換器の容量を低減することができる。なお、本実施形
態は非突極機、突極機及び逆突極機に共通して適用可能
であり、非突極機ではLd=Lqであるから、数式5,6
における右辺の(KLqiq)2は(KLdiq)2に等しい。
と電流との積に対してトルクが最大になる条件で電流を
制御することにより、電力変換器から給電される永久磁
石同期電動機の力率を向上させることができ、同期電動
機や電力変換器の小形・軽量化が可能になる。
る。
る。
る。
る。
る。
ートである。
ートである。
ートである。
Claims (5)
- 【請求項1】 突極性または逆突極性をもつ永久磁石同
期電動機のトルクまたは速度を制御する制御装置におい
て、 電動機の磁極軸方向の電流成分である直軸電流idを、
磁極軸に直交する電流成分である横軸電流iqに対し、 小トルク時には数式1を満たすように制御し、かつ、大
トルク時には数式2を満たすように制御することを特徴
とする永久磁石同期電動機の制御装置。 【数1】 【数2】 (なお、Ldは直軸リアクタンス、Lqは横軸リアクタン
ス、φmは永久磁石による鎖交磁束を示す。以下、同
じ。) - 【請求項2】 突極性または逆突極性をもつ永久磁石同
期電動機のトルクまたは速度を制御する制御装置におい
て、 電動機の磁極軸方向の電流成分である直軸電流idを、
磁極軸に直交する電流成分である横軸電流iqに対し、 小トルク時には数式3を満たすように制御し、かつ、大
トルク時には前記数式2を満たすように制御することを
特徴とする永久磁石同期電動機の制御装置。 【数3】 - 【請求項3】 非突極性をもつ永久磁石同期電動機のト
ルクまたは速度を制御する制御装置において、 電動機の磁極軸方向の電流成分である直軸電流idを、
磁極軸に直交する電流成分である横軸電流iqに対し、 小トルク時には前記数式1を満たすように制御し、か
つ、大トルク時には数式4を満たすように制御すること
を特徴とする永久磁石同期電動機の制御装置。 【数4】 - 【請求項4】 非突極性をもつ永久磁石同期電動機のト
ルクまたは速度を制御する制御装置において、 電動機の磁極軸方向の電流成分である直軸電流idを、
磁極軸に直交する電流成分である横軸電流iqに対し、 小トルク時には前記数式3を満たすように制御し、か
つ、大トルク時には前記数式4を満たすように制御する
ことを特徴とする永久磁石同期電動機の制御装置。 - 【請求項5】 永久磁石同期電動機のトルクまたは速度
を制御する制御装置において、 電動機の磁極軸方向の電流成分である直軸電流idを、
磁極軸に直交する電流成分である横軸電流iqに対し、 基底速度以下の低速時には数式5を満たすように制御
し、かつ、基底速度以上の高速時には数式6を満たすよ
うに制御することを特徴とする永久磁石同期電動機の制
御装置。(なお、Kは正の定数を示す。) 【数5】 【数6】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9043075A JPH10243700A (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 永久磁石同期電動機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9043075A JPH10243700A (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 永久磁石同期電動機の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10243700A true JPH10243700A (ja) | 1998-09-11 |
Family
ID=12653738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9043075A Pending JPH10243700A (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 永久磁石同期電動機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10243700A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4045307B1 (ja) * | 2006-09-26 | 2008-02-13 | 三菱電機株式会社 | 永久磁石同期電動機のベクトル制御装置 |
JP2009284582A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Fuji Electric Systems Co Ltd | 永久磁石形同期電動機の制御装置 |
JP2014150644A (ja) * | 2013-01-31 | 2014-08-21 | Fujitsu General Ltd | モータ制御装置 |
-
1997
- 1997-02-27 JP JP9043075A patent/JPH10243700A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4045307B1 (ja) * | 2006-09-26 | 2008-02-13 | 三菱電機株式会社 | 永久磁石同期電動機のベクトル制御装置 |
US8148926B2 (en) | 2006-09-26 | 2012-04-03 | Mitsubishi Electric Corporation | Permanent magnet synchronization motor vector control device |
JP2009284582A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Fuji Electric Systems Co Ltd | 永久磁石形同期電動機の制御装置 |
JP2014150644A (ja) * | 2013-01-31 | 2014-08-21 | Fujitsu General Ltd | モータ制御装置 |
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