JPH10242769A - 増幅回路の制御方法、増幅回路、増幅回路モジュール、携帯電話機 - Google Patents

増幅回路の制御方法、増幅回路、増幅回路モジュール、携帯電話機

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JPH10242769A
JPH10242769A JP9045067A JP4506797A JPH10242769A JP H10242769 A JPH10242769 A JP H10242769A JP 9045067 A JP9045067 A JP 9045067A JP 4506797 A JP4506797 A JP 4506797A JP H10242769 A JPH10242769 A JP H10242769A
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amplifier
circuit
power supply
power
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Takashi Ono
貴司 小野
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Akita Electronics Systems Co Ltd
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Akita Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力される入力信号の入力レベルが小さい場
合であっても、その電源効率を向上させることが可能と
なる増幅回路を提供する。 【解決手段】 増幅器(41)と、外部からの出力コン
トロール信号に基づき、増幅器の電源端子に印加される
電源電位を可変する電源電位可変回路(31)とを具備
する。この電源電位可変回路は、増幅器の電源端子(V
DD)と基準電位との間に接続される分圧回路(31
3)と、出力コントロール信号と分圧回路から出力され
る分圧出力との差を増幅する誤差増幅回路(312)
と、電源と増幅器の電源端子(VDD)との間に接続さ
れ、誤差増幅回路からの出力に基づいて増幅器の電源端
子に印加する電源電位を可変する制御回路(311)と
を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増幅回路に係わ
り、特に、外部から入力される出力コントロール信号に
基づき、増幅回路から低出力電力の出力信号を出力する
時に、増幅回路の電源端子に印加される電源電圧を低減
し、電源効率を向上させた電力増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、携帯電話機等の無線装置
の送信機においては、その送信側出力段に、高出力電力
の出力信号を出力するために電力増幅回路が組み込まれ
ている。
【0003】PDC方式のデジタル携帯電話機で使用さ
れている電力増幅回路は、直交変調されたデジタル信号
を送信するために、リニアアンプが使用されている。こ
のリニアアンプとは、入力と出力との関係が一次式で表
される、A級あるいはAB級で動作する増幅回路であ
る。
【0004】一方、NTTあるいはTACS方式のアナ
ログ携帯電話機で使用されている電力増幅回路は、直交
変調されたデジタル信号を送信するために、飽和型アン
プが使用されている。
【0005】携帯電話機で消費される大部分の消費電力
は、送信側出力段の電力増幅回路で消費される直流電力
であり、携帯電話機の消費電力を低減するためには、電
力増幅回路で消費される直流電力を低減することが最も
効果的である。
【0006】そのためには、電力増幅回路の電源効率
(あるいは、変換効率)、即ち、電源から供給される直
流電力と電力増幅回路から出力される出力信号の出力電
力との比を向上させることが不可欠であるが、携帯電話
機の電力増幅回路は、リニア型、飽和型に係わらず、最
高出力で最も効率が良くなる。
【0007】例えば、PDC方式のデジタル携帯電話機
の電力増幅回路として使用されているリニアアンプで
は、UHF帯の電源効率として、最大出力時に35〜4
5%の電源効率が得られており、また、NTTあるいは
TACS方式のアナログ携帯電話機の電力増幅回路とし
て使用されている飽和型アンプでは、入力に対して出力
が飽和する領域で動作させるため、最高出力時に、リニ
アアンプに比べて10%程度高い電源効率が得られてい
る。
【0008】なお、これらの技術については、例えば、
トランジスタ技術,1992年,8月号に記載されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】デジタル式セルラーシ
ステムの標準規格(RCR STD−27B)に規定さ
れているように、基地局と携帯電話機との間では、他の
携帯電話機との混信をさけるため、交信に必要な出力の
みを確保して、それ以上大きな出力を使用しないように
システムが構成されている。例えば、デジタル式セルラ
ーシステムにおいては、0.8W出力のクラスで、0〜
−20dBの範囲で4dB毎に5段階の出力制御を行う
ことが規定されている。
【0010】そのため、PDC方式のデジタル携帯電話
機における、送信側出力段の高周波増幅回路は、APC
(Automatic Power Control)回
路により、その出力が制御されており、通話に必要な最
小の出力となるように入力レベルが制御される。
【0011】その場合に、前記した如く、電力増幅回路
は、最大出力で電源効率が最も良くなるため、電力増幅
回路に入力される入力信号の入力レベルが小さい場合に
は、その電源効率が急激に低下することになる。
【0012】携帯電話機にとって、通話時間の延長が大
きな課題になっており、特に、通話時、電池の約1/2
の電力を消費する送信側出力段の電力増幅回路の電源効
率を改善することは極めて重要な問題であるが、従来の
携帯電話機では、送信側出力段の電力増幅回路に入力さ
れる入力信号の入力レベルが小さい場合に、その電源効
率が急激に低下し、電源から供給される直流電力が、電
力増幅回路で無駄に消費されてしまうという問題点があ
った。
【0013】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、本発明の目的は、増幅回
路において、入力される入力信号の入力レベルが小さい
場合であっても、その電源効率を向上させることが可能
となる技術を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、携帯電話機におい
て、送信側出力段の電力増幅回路の電源効率を向上させ
て、通話時間を延長することが可能となる技術を提供す
ることにある。
【0015】本発明の前記目的並びにその他の目的及び
新規な特徴は、本明細書の記載及び添付図面によって明
らかにする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記の通りである。
【0017】増幅回路の制御方法において、増幅回路か
ら低出力電力の出力信号を出力する時に、増幅回路の電
源端子に印加される電源電位を低減させる。
【0018】増幅回路において、増幅器と、外部からの
出力コントロール信号に基づき、増幅器の電源端子に印
加される電源電位を可変する電源電位可変回路とを具備
する。
【0019】前記電源電位可変回路は、前記増幅器の電
源端子と基準電位との間に接続される分圧回路と、前記
出力コントロール信号と前記分圧回路から出力される分
圧出力との差を増幅する誤差増幅器と、電源と前記増幅
器の電源端子との間に接続され、前記誤差増幅器からの
出力に基づいて前記増幅器の電源端子に印加する電源電
位を可変する制御回路とを具備する。
【0020】前記増幅器は、第1の増幅器と、前記第1
の増幅器に従属接続された第2の増幅器とで構成され
る。
【0021】前記増幅器は、信号入力端子と前記第1の
増幅回路との間、前記第1の増幅回路と前記第2の増幅
回路との間、および、前記第2の増幅回路と信号出力端
子との間に設けられたインピーダンス整合回路を、さら
に具備する。
【0022】前記電源電位可変回路は、外部からの出力
コントロール信号に基づき、前記第2の増幅器の電源端
子に印加される電源電位を可変する。
【0023】前記第1の増幅器あるいは前記第2の増幅
器の少なくとも一方は、GaAsFETトランジスタを
具備する。
【0024】前記増幅回路は、携帯電話機の送信側出力
段の電力増幅部を構成する。
【0025】前記増幅回路は、増幅回路モジュールとし
て構成され、この増幅回路モジュールは、携帯電話機の
送信側出力段の電力増幅部を構成する。
【0026】前記手段によれば、増幅回路から低出力電
力の出力信号を出力する時に、増幅回路の電源端子に印
加される電源電位を低減させるようにしたので、増幅回
路の増幅素子の飽和点を低出力電力側にシフトさせるこ
とができ、それにより、増幅回路の電源効率を向上させ
ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の発明の実施の形態
を図面を参照して説明する。
【0028】なお、発明の実施の形態を説明するための
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0029】〔発明の実施の形態1〕図1は、本発明の
一実施の形態である増幅回路を、送信側出力段の電力増
幅回路として使用するPDC方式のデジタル携帯電話機
の高周波部の回路構成を示すブロック図である。
【0030】同図に示すように、π/4シフトQPSK
変調器10によりπ/4シフトQPSK変調された送信
信号は、ミキサ11でRF送信信号に変換された後、バ
ッファアンプ12で増幅され、RFフィルタ13を通過
して電力増幅部14に入力される。電力増幅部14で増
幅されたRF送信信号は、カプラ15、分波器16を経
由してアンテナ17に至り、アンテナ17から電波を送
信する。
【0031】アンテナ17で受信されたRF受信信号
は、分波器16を経由してアンプ18に入力される。ア
ンプ18で増幅されたRF受信信号は、RFフィルタ1
9を通過し、ミキサ20で第1IF(中間周波)信号に
変換される。ミキサ20からの第1IF信号は、第1I
Fフィルタ21を通過し、アンプ22で増幅された後、
ミキサ23で第2IF信号に変換される。
【0032】ミキサ23からの第2IF信号は、第2I
Fフィルタ24を通過し、アンプ25で増幅された後、
π/4シフトQPSK復調器26で復調される。
【0033】ここで、周波数シンセサイザ28は、基準
発振器27からの基準信号に基づき、ミキサ(11,2
0)に入力する局発(Local)信号を生成する。
【0034】また、APC回路29は、カプラ15から
のRF送信信号と、制御回路(図示せず)からのAPC
データに基づいて、電力増幅部14に出力コントロール
信号を出力し、電力増幅部14から出力されるRF送信
信号の出力電力を制御する。
【0035】即ち、APC回路29は、例えば、デジタ
ル式セルラーシステム0.8W出力のクラスにおける、
0〜−20dBの範囲で4dB毎の5段階の出力制御を
行う。
【0036】図1に示す電源電位可変回路31は、AP
C回路29からの出力コントロール信号に基づいて、電
力増幅部14の電源端子に印加される電源電位を可変す
る。
【0037】なお、図1に示す回路は、電源電位可変回
路31が付加された以外は、従来の、PDC方式のデジ
タル携帯電話機の高周波部の回路構成と同じである。ま
た、電力増幅部14および電源電位可変回路31が、本
発明の増幅回路を構成する。
【0038】図2は、本実施の形態の電力増幅部14の
回路構成を、APC回路29と電源電位可変回路31と
の相互関係とともに示すブロック図であり、同図に示す
ように、電力増幅部14は、アッテネートアンプ40と
RFパワーアンプ41とが、従属接続されて構成され
る。
【0039】このアッテネートアンプ40は、APC回
路29からの出力コントロール信号に基づいて、RF入
力信号の増幅度を可変する増幅回路であり、アッテネー
トアンプ40は、減衰器の役割を果たす。RFパワーア
ンプ41は、アッテネートアンプ40から入力されるR
F入力信号を電力増幅する増幅回路であり、一般に、リ
ニアアンプ(A級あるいはAB級で動作する増幅回路)
で構成される。
【0040】従来の電力増幅部14では、RFパワーア
ンプ41に入力されるRF入力信号をアッテネートアン
プ40で制御し、RFパワーアンプ41から出力される
RF出力信号の出力電力を制御するようにしていた。こ
の場合に、リニアアンプは、最高出力の時に電源効率が
最大になるので、RFパワーアンプ41に入力されるR
F入力信号の入力レベルを小さくすると、RFパワーア
ンプ41での電源効率が急激に低下することになる。
【0041】そのため、本実施の形態では、図2に示す
ように、電源電位可変回路31を設け、APC回路29
からの出力コントロール信号に基づいて、電源電位可変
回路31でRFパワーアンプ41の電源端子に印加され
る電源電位を低減させ、RFパワーアンプ41に入力さ
れるRF入力信号の入力レベルが小さい場合であって
も、RFパワーアンプ41での電源効率を向上させるよ
うにしたものである。
【0042】次に、本実施の形態において、RFパワー
アンプ41がFETトランジスタで構成されるものとし
て、電源電位可変回路31で、RFパワーアンプ41に
印加される電源電位を低減させることにより、RFパワ
ーアンプ41に入力されるRF入力信号の入力レベルが
小さい場合であっても、RFパワーアンプ41での電源
効率が向上できることを説明する。
【0043】図3は、FETトランジスタで構成される
A級電力増幅回路の一例の動特性を表すグラフである。
【0044】一般に、A級電力増幅回路では、動作点
(P1)が交流負荷直線A−Bのほぼ中央になるように
バイアス電位を設定する。その時の、ドレイン電流をI
D1、ドレイン電圧をVDS1、ゲートに印加される入
力信号をVin1(Vin1・sinωt)とすると
き、負荷側に、電流がドレイン電流(ID1)を中心に
してIout1の振幅で変動し、電圧がドレイン電圧
(VDS1)を中心にして、Vout1の振幅で変動す
る出力信号が得られる。
【0045】この場合(動作点(P1)の場合)に、電
源から供給される直流電力(PDC)は、(1)式のよ
うに表される。
【0046】
【数1】 PDC=ID1×VDS1 ・・・・・・・・(1) また、出力信号の電力(POM)は、(2)式のように
表される。
【0047】
【数2】 POM=Iout1×Vout1/2 ・・・・・・・(2) したがって、電源効率(ηm1)は、(3)式のように
表される。
【0048】
【数3】 ηm1=100×POM/PDC =100×(Iout1×Vout1)/2×(ID1×VDS1) ・・・・・・・・(3) (3)式から明らかなように、A級電力増幅回路では、
Iout1=ID1、Vout1=VDS1の時、最大
の電源効率50%が得られる。しかしながら、実際には
回路損失のため30〜40%程度にしかならない。ま
た、電源効率は最大出力の時に最大となる。
【0049】したがって、前記A級電力増幅回路に入力
される入力信号の入力レベルが小さい場合には、出力信
号の電流振幅及び電圧振幅が、Iout1およびVou
t1より小さくなり、電源効率が著しく低下することに
なる。
【0050】次に、前記A級電力増幅回路に印加される
電源電位を低減させた場合を考える。この時の交流負荷
直線はA’−B’となり、動作点は、図3のP2にな
る。この時のドレイン電流はID1、ドレイン電圧はV
DS2となる。
【0051】この場合に、前記A級電力増幅回路に入力
される入力信号の入力レベルが小さいので、ゲートに印
加される入力信号は、リニア動作範囲内のVin2(V
in2・sinωt)となり、負荷側には、電流がドレ
イン電流(ID1)を中心にしてIout2の振幅で変
動し、電圧がドレイン電圧(VDS2)を中心にして、
Vout2の振幅で変動する出力信号が得られる。
【0052】この場合の電源効率(ηm2)は、(4)
式のように表される。
【0053】
【数4】 ηm2=100×(Iout2×Vout2)/2×(ID1×VDS2) ・・・・・・・・(4) (4)式から明らかなように、(Iout2×Vout
2)の値は、(Iout1×Vout1)の値よりも小
さいが、動作点(P2)の時のドレイン電流(ID2)
を最適な値に設定することにより、(ID1×VDS
2)の値もそれに合わせて小さくできるので、電源効率
(ηm2)は、(3)式で求められる電源効率(ηm
1)とほぼ同等の値とすることができる。
【0054】このように、A級電力増幅回路の電源電位
を低減させることにより、入力信号の入力レベルが小さ
い場合のA級電力増幅回路の電源効率を、A級電力増幅
回路の電源電位を変化させない場合よりも改善(あるい
は向上)させることが可能となる。
【0055】したがって、本実施の形態においては、R
F入力信号の入力レベルが減少しても、RFパワーアン
プ41の電源効率を改善(あるいは向上)させることが
可能となる。これにより、携帯電話機の通話時間を延長
することが可能となる。
【0056】この場合、基地局との距離が比較的近い場
合、あるいは、混信をさける意味でRF出力信号の出力
電力を、例えば、5dB毎に−20dBまで下げた場合
でも、RF入力信号レベルがRFパワーアンプ41のリ
ニア動作範囲内であれば通話が可能であり、RFパワー
アンプ41の電源端子に印加される電源電位を低減させ
ても差し支えない。
【0057】図4は、図2に示す各回路の一例の回路構
成示すブロック図である。
【0058】図4に示すアッテネートアンプ40は、端
子(4)から入力されるRF入力信号を、減衰器(AT
T)401で減衰し、減衰器401で減衰されたRF入
力信号を、従属接続されたアンプ(402〜404)で
増幅し、端子(5)から出力するようにしたものであ
る。ここで、減衰器401は、端子(2)から入力され
る、APC回路29からの出力コントロール信号に基づ
いて、その減衰量が制御される。
【0059】なお、アッテネートアンプ40の端子
(3,6,8)は、基準電位が印加される基準端子(G
ND)、端子(1)は電源電位が印加される電源端子
(VDD)、また、端子(7)は、最終段のアンプ40
4の電力増幅度を制御する場合の制御信号が入力される
端子(APC)である。
【0060】PDC方式の携帯電話機の場合、RFパワ
ーアンプ41で23〜27dBの電力ゲインを得るが一
般的であり、そのため、図4に示すRFパワーアンプ4
1は、ドライバーアンプ411とパワーアンプ412と
から成る2段構成のパワーアンプで構成される。また、
入力端子(RF−IN)とドライバーアンプ411との
間、ドライバーアンプ411とパワーアンプ412との
間、および、パワーアンプ412と出力端子(RF−O
UT)との間には、インピーダンス整合回路(413〜
415)が設けられる。このインピーダンス整合回路
(413〜415)は、RF信号を損失なく増幅するた
めに設けられる。
【0061】図5は、図4に示すRFパワーアンプ41
の一例の回路構成を示す回路図である。
【0062】図5に示すRFパワーアンプ回路は、電力
増幅素子として、GaAsFETトランジスタを用いた
アンプ回路であり、入力端子(RF−IN)とドライバ
ーアンプ411を構成するGaAsFETトランジスタ
(FET1)との間、GaAsFETトランジスタ(F
ET1)とパワーアンプ412を構成するGaAsFE
Tトランジスタ(FET2)との間、および、GaAs
FETトランジスタ(FET2)と出力端子(RF−O
UT)との間のインピーダンス整合回路は、マイクロス
トリップライン(MSL1〜MSL9)で構成される。
【0063】図4に示す電源電位可変回路31は、RF
パワーアンプ41の電源端子(VDD)と基準電位との
間に接続される第1の分圧回路313と、第1の分圧回
路313の分圧電圧と、出力コントロール信号との差を
増幅する第1の誤差増幅回路312と、電圧源(電源)
とRFパワーアンプ41の電源端子(VDD)との間に
接続され、第1の誤差増幅回路312からの出力に基づ
きRFパワーアンプ41の電源端子(VDD)に印加す
る電源電位を制御する第1の制御回路301とで構成さ
れる。
【0064】図6は、図4に示す第1の制御回路31
1、第1の誤差増幅回路312及び第1の分圧回路31
3の一例を示す回路図である。
【0065】図6(a)は、制御回路311としてNP
Nトランジスタ(TR1)を、誤差増幅回路312とし
て演算増幅器(OP)を用いたものであり、演算増幅器
(OP)の出力がNPNトランジスタ(TR1)のベー
スに入力される。
【0066】ここで、NPNトランジスタ(TR1)
は、エミッタホロワ増幅回路を構成するので、演算増幅
器(OP)は通常の非反転増回路を構成する。そして、
良く知られているように、分圧回路313を構成する抵
抗(R2)の抵抗値を大きくすることにより、NPNト
ランジスタ(TR1)のエミッタ電位を、出力コントロ
ール信号の電位とほぼ同じ電位とすることができる。
【0067】図6(b)は、制御回路311としてNP
Nトランジスタ(TR1)を、誤差増幅回路312とし
てNPNトランジスタ(TR2)を用いたものであり、
NPNトランジスタ(TR1)のベースが、NPNトラ
ンジスタ(TR2)のコレクタと接続され、また、NP
Nトランジスタ(TR1)のベースが抵抗(R3)を介
して、NPNトランジスタ(TR1)のコレクタと接続
される。NPNトランジスタ(TR1)のベースが、分
圧回路313を構成する抵抗(R1)と抵抗(R2)と
の接続点に接続される。
【0068】図6(b)に示す回路では、NPNトラン
ジスタ(TR1)のエミッタ電位が所定の電圧である状
態から、NPNトランジスタ(TR2)のエミッタに印
加される出力コントロール信号の電圧を減少(あるいは
増加)すると、NPNトランジスタ(TR2)のベース
・エミッタ間の電位差が増大(あるいは減少)し、コレ
クタ電流が増大(あるいは減少)する。これにより、抵
抗(R3)での電圧降下が増大(あるいは減少)し、N
PNトランジスタ(TR1)のベース電位が減少(ある
いは増大)し、NPNトランジスタ(TR1)のエミッ
タ電位が減少(あるいは増大)する。
【0069】ここで、分圧回路313を構成する抵抗
(R2)の抵抗値を大きくすることにより、NPNトラ
ンジスタ(TR1)のエミッタ電位を、出力コントロー
ル信号の電位とほぼ同じ電位とすることができる。な
お、図6に示す回路は、それぞれ安定化電源回路として
周知の回路である。
【0070】図7は、本実施の形態のRFパワーアンプ
41において、RF入力信号の入力レベル(入力電力)
の減少に合わせて電源電位を低減させた場合の、RF出
力信号の出力電力と、電源効率の一例を示す表である。
ここで、RFパワーアンプ41の増幅素子(図5に示す
GaAsFETトランジスタ(FET1)およびGaA
sFETトランジスタ(FET2)のバイアス電流は5
00mAである。
【0071】また、図8は、図7のRF入力信号の入力
電力と、電源効率とをグラフにしたものであり、図9
は、図7のRF出力信号の出力電力と、電源効率とをグ
ラフにしたものである。
【0072】図7〜図9から明らかように、RFパワー
アンプ41の電源端子に印加される電源電位を低減させ
ることにより、RF入力信号の入力電力が減少しても、
高い電源効率を維持することができ、電源効率を向上
(あるいは改善)することができる。
【0073】これは、RFパワーアンプ41の電源端子
に印加される電源電位を低減させることにより、電源効
率が最大となる飽和領域が低出力側にシフトするためで
ある。さらに、RFパワーアンプ41の電源端子に印加
される電源電位を低減させることにより、リニア動作範
囲が狭くなり、RF出力信号の出力電力を制御すること
ができる。
【0074】図10は、従来のRFパワーアンプにおい
て、電源電位を一定として、RF入力信号の入力レベル
(入力電力)が減少した場合の、RF出力信号の出力電
力と、電源効率の一例を示す表である。ここで、RFパ
ワーアンプの増幅素子のバイアス電流は500mAであ
る。
【0075】また、図11は、図10のRF入力信号の
入力電力と、電源効率とをグラフにしたものであり、図
12は、図10のRF出力信号の出力電力と、電源効率
とをグラフにしたものである。
【0076】図10〜図12から明らかなように、従来
のRFパワーアンプでは、RF入力信号の入力電力が小
さい時には、電源効率が著しく低下する。
【0077】〔発明の実施の形態2〕図13は、本発明
の他の実施の形態である増幅回路を、送信側出力段の電
力増幅回路として使用するPDC方式のデジタル携帯電
話機の高周波部の回路構成を示すブロック図である。
【0078】同図に示すように、本実施の形態の増幅回
路は、APC回路29からの出力コントロール信号に基
づいて、電源電位可変回路31で電力増幅部14の電源
端子に印加される電源電位を可変するとともに、バイア
ス電位可変回路30で電力増幅部14の制御端子に印加
されるバイアス電位を可変するようにしたものである。
【0079】なお、電力増幅部14、電源電位可変回路
31およびバイアス電位可変回路30が、本発明の増幅
回路を構成する。また、本実施の形態においても、図1
3に示す電力増幅部14は、アッテネートアンプ40と
RFパワーアンプ41とが、従属接続されて構成され
る。
【0080】図14は、図13に示すバイアス電位可変
回路30の一例の回路構成示すブロック図である。
【0081】図14に示すバイアス電位可変回路30
は、出力端子がパワーアンプ41の制御端子(VGG)
に接続される負電源生成回路304と、負電源生成回路
304の入力端子と基準電位との間に接続される第2の
分圧回路303と、第2の分圧回路303の分圧電圧
と、出力コントロール信号との差を増幅する第2の誤差
増幅回路302と、バイアス電圧源と負電源生成回路3
04の入力端子との間に接続され、第2の誤差増幅回路
302からの出力に基づき負電源生成回路304の入力
端子に印加する電位を制御する第2の制御回路301と
で構成される。
【0082】なお、電力増幅素子として、GaAsFE
Tトランジスタを使用する場合には、そのゲート電極に
は負電位のバイアス電位を印加する必要があり、そのた
め、図14に示すバイアス電位可変回路30では、負電
源生成回路304が設けられている。しかしながら、バ
イアス電源から負のバイアス電位が、バイアス電位可変
回路30に供給される場合には、この負電源生成回路3
04は必要でない。
【0083】また、図14に示す第2の制御回路301
及び第2の誤差増幅回路302とは、前記図6に示す回
路で構成される。
【0084】次に、本実施の形態において、電源電位可
変回路31及びバイアス電位可変回路30で、RFパワ
ーアンプ41の制御端子に印加されるバイアス電位及び
電源端子に印加される電源電位を低減させることによ
り、RFパワーアンプ41に入力されるRF信号の入力
レベルが小さい場合であっても、RFパワーアンプ41
での電源効率が向上できることを説明する。
【0085】図15は、FETトランジスタで構成され
るA級電力増幅回路の一例の動特性を表すグラフであ
る。
【0086】図3の場合と同様、動作点(P1)が交流
負荷直線A−Bのほぼ中央になるようにバイアス電位を
設定した時の、ドレイン電流をID1、ドレイン電圧を
VDS1、ゲートに印加される入力信号をVin1(V
in1・sinωt)とするとき、負荷側に、電流がド
レイン電流(ID1)を中心にしてIout1の振幅で
変動し、電圧がドレイン電圧(VDS1)を中心にし
て、Vout1の振幅で変動する出力信号が得られる。
【0087】この場合(動作点(P1)の場合)に、前
記した通り、電源効率(ηm1)は、(3)式のように
表される。
【0088】次に、A級電力増幅回路のバイアス電位を
低減、即ち、A級電力増幅回路のバイアス電流を減少、
かつ、電源電位を低減させた場合を考える。この時の交
流負荷直線はA”−B”となり、動作点は、図3のP3
になる。この時のドレイン電流はID3、ドレイン電圧
はVDS3となる。
【0089】この場合に、A級電力増幅回路に入力され
るRF信号の入力レベルが小さいので、ゲートに印加さ
れる入力信号は、リニア動作範囲内のVin3(Vin
3・sinωt)となり、負荷側には、電流がドレイン
電流(ID3)を中心にしてIout3の振幅で変動
し、電圧はドレイン電圧(VDS3)を中心にして、V
out3の振幅で変動する、出力信号が得られる。
【0090】この場合の電源効率(ηm3)は、(5)
式のように表される。
【0091】
【数5】 ηm3=100×(Iout3×Vout3)/2×(ID3×VDS3) ・・・・・・・・(5) (5)式から明らかなように、動作点(P3)の時のド
レイン電流(ID3)とドレイン電圧(VDS3)を最
適な値に設定することにより、(ID3×VDS3)の
値もそれに合わせて小さくできるので、電源効率(ηm
3)は、(3)式で求められる電源効率(ηm1)とほ
ぼ同等の値とすることができる。
【0092】このように、A級電力増幅回路のバイアス
電位及び電源電位を低減させることにより、入力信号の
入力レベルが小さい場合のA級電力増幅回路の電源効率
を、A級電力増幅回路のバイアス電位及び電源電位を変
化させない場合よりも向上させることが可能となる。
【0093】したがって、本実施の形態においても、R
F入力信号の入力レベルが減少しても、RFパワーアン
プ41の電源効率を改善(あるいは向上)させることが
可能となる。これにより、携帯電話機の通話時間を延長
することが可能となる。
【0094】なお、前記各実施の形態では、RFパワー
アンプ41がA級動作の場合を例に挙げて説明したが、
RFパワーアンプ41がAB級動作の場合でも同様に実
施可能である。
【0095】また、RFパワーアンプ41の従属接続さ
れた各増幅素子(図5に示すGaAsFETトランジス
タ(FET1)およびGaAsFETトランジスタ(F
ET2))の電源電位、あるいは、バイアス電位および
電源電位を低減させるようにしたが、電力を大きく消費
するのは後段の増幅素子(図5に示すGaAsFETト
ランジスタ(FET2))であるので、後段の増幅素子
の電源電位、あるいはバイアス電位及び電源電位を低減
させるようにしてもよく、その場合でも充分に出力電力
をコントロールすることが可能である。
【0096】また、RFパワーアンプ41に入力される
RF入力信号の入力レベルが小さい場合には、アッテネ
ートアンプ40を省略することも可能である。
【0097】さらに、前記各実施の形態では、各回路ブ
ロックがそれぞれ独立したモジュール、あるいはICで
構成される場合について説明したが、図4(あるいは図
14)に示すアッテネートアンプ40、RFパワーアン
プ41、電源電位可変回路31及び電源電位可変回路3
1全体を、ハイブリッド構成の1つのモジュールとして
もよい。
【0098】以上、本発明を発明の実施の形態に基づき
具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更し得ることは言うまでもない。
【0099】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0100】(1)本発明によれば、増幅回路から低出
力電力の出力信号を出力する時に、増幅回路の増幅素子
に印加される電源電位、あるいは、増幅回路の増幅素子
に印加されるバイアス電位および電源電位を低減させる
ようにしたので、増幅回路の増幅素子の飽和点を低出力
電力側にシフトさせることができ、それにより、増幅回
路の電源効率を向上させることができる。
【0101】(2)本発明によれば、動作時に、消費電
力の約半分を消費する電力増幅回路の電源効率を改善す
ることが可能となる。
【0102】(3)本発明によれば、電池で駆動される
携帯電話機において、通話時の電力消費量を少なくする
ことができるので、携帯電話機器の通話時間を延長する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である増幅回路を、送信
側出力段の電力増幅回路として使用するPDC方式のデ
ジタル携帯電話機の高周波部の回路構成を示すブロック
図である。
【図2】本実施の形態の電力増幅部14の回路構成を、
APC回路29と電源電位可変回路31との相互関係と
ともに示すブロック図である。
【図3】FETトランジスタで構成されるA級電力増幅
回路の一例の動特性を表すグラフである。
【図4】図2に示す各回路の一例の回路構成示すブロッ
ク図である。
【図5】図4に示すRFパワーアンプ41の回路構成を
示す回路図である。
【図6】図4に示す第1の制御回路311、第1の誤差
増幅回路312及び第1の分圧回路313の一例を示す
回路図である。
【図7】本実施の形態1のRFパワーアンプ41におい
て、RF入力信号の入力レベル(入力電力)の減少に合
わせて電源電位を低減させた場合の、RF出力信号の出
力電力と、電源効率の一例を示す表である。
【図8】図7に示すRF入力信号の入力電力と、RF出
力信号の出力電力とを表すグラフである。
【図9】図7に示すRF出力信号の出力電力と、電源効
率とを表すグラフである。
【図10】従来のRFパワーアンプにおいて、電源電位
を一定として、RF入力信号の入力レベル(入力電力)
が減少した場合の、RF出力信号の出力電力と、電源効
率の一例を示す表である。
【図11】図10に示すRF入力信号の入力電力と、R
F出力信号の出力電力とを表すグラフである。
【図12】図10に示すRF出力信号の出力電力と、電
源効率とを表すグラフである。
【図13】本発明の他の実施の形態である増幅回路を、
送信側出力段の電力増幅回路として使用するPDC方式
のデジタル携帯電話機の高周波部の回路構成を示すブロ
ック図である。
【図14】図13に示す電源電位可変回路31の一例の
回路構成示すブロック図である。
【図15】FETトランジスタで構成されるA級電力増
幅回路の一例の動特性を表すグラフである。
【符号の説明】
10…π/4シフトQPSK変調器、11,20,23
…ミキサ、12,18,22,25,402,403,
404…アンプ、13,19,21,24…フィルタ、
14…電力増幅部、15…カプラ、16…分波器、26
…π/4シフトQPSK復調器、27…基準発振器、2
8…周波数シンセサイザ、29…APC回路、30…バ
イアス電位可変回路、31…電源電位可変回路、40…
アッテネートアンプ、41…RFパワーアンプ、30
1,311…制御回路、302,312…誤差増幅回
路、303,313…分圧回路、304…負電源生成回
路、401…減衰器(ATT)、411…ドライバーア
ンプ、412…パワーアンプ、413,414,415
…インピーダンス整合回路、FET…GaAsFETト
ランジスタ、MSL…マイクロストリップライン、TR
…NPNトランジスタ、R…抵抗、OP…演算増幅器。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増幅回路の制御方法において、増幅回路
    から低出力電力の出力信号を出力する時に、増幅回路の
    電源端子に印加される電源電位を低減させることを特徴
    とする増幅回路の制御方法。
  2. 【請求項2】 増幅器と、外部からの出力コントロール
    信号に基づき、増幅器の電源端子に印加される電源電位
    を可変する電源電位可変回路とを具備することを特徴と
    する増幅回路。
  3. 【請求項3】 前記電源電位可変回路は、前記増幅器の
    電源端子と基準電位との間に接続される分圧回路と、前
    記出力コントロール信号と前記分圧回路から出力される
    分圧出力との差を増幅する誤差増幅回路と、電源と前記
    増幅器の電源端子との間に接続され、前記誤差増幅回路
    からの出力に基づいて前記増幅器の電源端子に印加する
    電源電位を可変する制御回路とを具備することを特徴と
    する請求項2に記載された増幅回路。
  4. 【請求項4】 前記増幅器は、第1の増幅器と、前記第
    1の増幅器に従属接続された第2の増幅器とで構成され
    ることを特徴とする請求項2または請求項3に記載され
    た増幅回路。
  5. 【請求項5】 前記増幅器は、信号入力端子と前記第1
    の増幅器との間、前記第1の増幅器と前記第2の増幅器
    との間、および、前記第2の増幅器と信号出力端子との
    間に設けられたインピーダンス整合回路を、さらに具備
    することを特徴とする請求項4に記載された増幅回路。
  6. 【請求項6】 前記電源電位可変回路は、外部からの出
    力コントロール信号に基づき、前記第2の増幅器の電源
    端子に印加される電源電位を可変することを特徴とする
    請求項4または請求項5に記載された増幅回路。
  7. 【請求項7】 前記第1の増幅器あるいは前記第2の増
    幅器の少なくとも一方は、GaAsFETトランジスタ
    を具備することを特徴とする請求項4ないし請求項6の
    いずれか1項に記載された増幅回路。
  8. 【請求項8】 請求項2ないし請求項7のいずれか1項
    に記載された増幅回路を備えることを特徴とする増幅回
    路モジュール。
  9. 【請求項9】 送信側出力段の電力増幅部に、請求項2
    ないし請求項7のいずれか1項に記載された増幅回路を
    備えることを特徴とする携帯電話機。
  10. 【請求項10】 送信側出力段の電力増幅部に、請求項
    8に記載された増幅回路モジュールを備えることを特徴
    とする携帯電話機。
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