JPH10238979A - 蓄熱型熱交換器 - Google Patents
蓄熱型熱交換器Info
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- JPH10238979A JPH10238979A JP9052499A JP5249997A JPH10238979A JP H10238979 A JPH10238979 A JP H10238979A JP 9052499 A JP9052499 A JP 9052499A JP 5249997 A JP5249997 A JP 5249997A JP H10238979 A JPH10238979 A JP H10238979A
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- heat storage
- heat
- heat exchanger
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- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28D—HEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
- F28D20/00—Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
- F28D20/02—Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using latent heat
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 1次系、2次系間の相互安定性を高めた、構
成簡素で安価な蓄熱型熱交換器。 【解決手段】 蓄熱型熱交換器1の熱交換器容器10内
を貫通して1次系、2次系の配管4、5が離隔配置され
る。両配管4,5の周囲には蓄熱熱交換ブロック11が
設置される。蓄熱熱交換ブロック11は、熱伝導率の高
いセラミックス多孔体や黒鉛繊維からなる母材12とそ
の空洞13中に溶融塩類のような相変化性の物質を含む
媒体を分布保持させたもので構成される。流体41によ
り熱交換器1まで移送された熱は、セラミックスや黒鉛
繊維母材を介した熱伝導によって蓄熱熱交換ブロック1
1内部に伝えられ、その多くが蓄熱媒体14に貯蔵され
る。1次側の熱出力変動あるいは2次側の負荷変動等が
発生しても、熱収支のアンバランスは蓄熱媒体14の相
変化の潜熱で吸収され、1次系・2次系間の変動の相互
波及が回避される。原子炉の中間熱交換器にすれば、2
次系で発生した異常事態が一次系へ波及して大事故に至
ることが防止される。
成簡素で安価な蓄熱型熱交換器。 【解決手段】 蓄熱型熱交換器1の熱交換器容器10内
を貫通して1次系、2次系の配管4、5が離隔配置され
る。両配管4,5の周囲には蓄熱熱交換ブロック11が
設置される。蓄熱熱交換ブロック11は、熱伝導率の高
いセラミックス多孔体や黒鉛繊維からなる母材12とそ
の空洞13中に溶融塩類のような相変化性の物質を含む
媒体を分布保持させたもので構成される。流体41によ
り熱交換器1まで移送された熱は、セラミックスや黒鉛
繊維母材を介した熱伝導によって蓄熱熱交換ブロック1
1内部に伝えられ、その多くが蓄熱媒体14に貯蔵され
る。1次側の熱出力変動あるいは2次側の負荷変動等が
発生しても、熱収支のアンバランスは蓄熱媒体14の相
変化の潜熱で吸収され、1次系・2次系間の変動の相互
波及が回避される。原子炉の中間熱交換器にすれば、2
次系で発生した異常事態が一次系へ波及して大事故に至
ることが防止される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱交換器に関し、更
に詳しく言えば、1次系と2次系の間に蓄熱能力を持つ
中間熱交換体を介在させて性能向上を図った前記熱交換
器に関する。
に詳しく言えば、1次系と2次系の間に蓄熱能力を持つ
中間熱交換体を介在させて性能向上を図った前記熱交換
器に関する。
【0002】
【従来技術】従来より原子炉施設等で一般的に使用され
ている熱交換器は、1次系流体と2次系流体を管壁を介
して直接的に接触させ、両者間の温度差と管壁の熱伝導
性を利用して熱交換を行なうというものであった。この
ような熱交換器は、1次系あるいは2次系の一方の側で
生じた温度や流量の変動が直ちに他方側に影響を及ぼし
易いという性質がある。
ている熱交換器は、1次系流体と2次系流体を管壁を介
して直接的に接触させ、両者間の温度差と管壁の熱伝導
性を利用して熱交換を行なうというものであった。この
ような熱交換器は、1次系あるいは2次系の一方の側で
生じた温度や流量の変動が直ちに他方側に影響を及ぼし
易いという性質がある。
【0003】このような性質は、例えば次のような要求
が存在する設備において特に問題となる。 (1)温度変動が想定される1次系に対して、2次系で
安定した温度の流体を取り出したい場合。 (2)2次系(負荷側)に負荷変動が生じても、それが
1次系(熱源側)にフィードバックされて1次系の状態
を乱さないようにしたい場合。
が存在する設備において特に問題となる。 (1)温度変動が想定される1次系に対して、2次系で
安定した温度の流体を取り出したい場合。 (2)2次系(負荷側)に負荷変動が生じても、それが
1次系(熱源側)にフィードバックされて1次系の状態
を乱さないようにしたい場合。
【0004】そこで、熱交換器を含むシステムを安定に
運転するには、系を安定化させるためのプロセス制御を
別途実行する必要があった。プロセス制御を採用した場
合、使用される機器の仕様によってはプロセス制御系の
故障の可能性にも配慮しなければならず、2重3重の安
全系が必要となってしまい、システム全体のコスト増大
の一因となっていた。
運転するには、系を安定化させるためのプロセス制御を
別途実行する必要があった。プロセス制御を採用した場
合、使用される機器の仕様によってはプロセス制御系の
故障の可能性にも配慮しなければならず、2重3重の安
全系が必要となってしまい、システム全体のコスト増大
の一因となっていた。
【0005】また、特に原子炉のような高い安全性が要
求される施設での使用を考えた場合には、1次系流体と
2次系流体が管壁を介して接する構造は、一方側の破損
が他方側に重大な影響(1次系流体の2次系への流れ込
み、あるいはその逆など)を及ぼす危険が大きく、安全
性の面で問題があった。
求される施設での使用を考えた場合には、1次系流体と
2次系流体が管壁を介して接する構造は、一方側の破損
が他方側に重大な影響(1次系流体の2次系への流れ込
み、あるいはその逆など)を及ぼす危険が大きく、安全
性の面で問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決しようとするものである。即ち、本発
明の一つの目的は、特段の制御系を要することなく、1
次系側あるいは2次系側に温度、流量、負荷等の変動が
生じても、その影響が他方側へ及ぶことを効果的に抑止
し得る熱交換器を提供することにある。
術の問題点を解決しようとするものである。即ち、本発
明の一つの目的は、特段の制御系を要することなく、1
次系側あるいは2次系側に温度、流量、負荷等の変動が
生じても、その影響が他方側へ及ぶことを効果的に抑止
し得る熱交換器を提供することにある。
【0007】また、本発明のもう一つの目的は、原子炉
施設等においても安全に使用出来る安価な熱交換器を提
供することにある。
施設等においても安全に使用出来る安価な熱交換器を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、1次系流体の
流路と2次系流体の流路を分離して設け、1次系と2次
系の間に溶融塩類等の相変化性媒体を利用した蓄熱ブロ
ックを中間熱交換体として介在させることによって上記
問題を解決したものである。
流路と2次系流体の流路を分離して設け、1次系と2次
系の間に溶融塩類等の相変化性媒体を利用した蓄熱ブロ
ックを中間熱交換体として介在させることによって上記
問題を解決したものである。
【0009】1次系の変動に対する2次系の安定性を向
上させるためには、相変化性蓄熱媒体として、1次系流
体の定常状態における熱交換温度付近に相変化点を持つ
ものを選ぶことが有利である。逆に、2次系の変動に対
する1次系の安定性を向上させるためには、相変化性蓄
熱媒体として、2次系流体の定常状態における熱交換温
度付近に相変化点を持つものを選ぶことが有利である。
上させるためには、相変化性蓄熱媒体として、1次系流
体の定常状態における熱交換温度付近に相変化点を持つ
ものを選ぶことが有利である。逆に、2次系の変動に対
する1次系の安定性を向上させるためには、相変化性蓄
熱媒体として、2次系流体の定常状態における熱交換温
度付近に相変化点を持つものを選ぶことが有利である。
【0010】更に、熱交換温度近辺で互いに異なる相変
化点を持つ複数種類の相変化性蓄熱媒体を利用すれば、
複数点で温度変化を阻止する特性を有するような安定性
を与えることが出来る。
化点を持つ複数種類の相変化性蓄熱媒体を利用すれば、
複数点で温度変化を阻止する特性を有するような安定性
を与えることが出来る。
【0011】熱交換器の熱応答性を確保するためには、
多数の空洞を有する高熱伝導性の母材を用い、その空洞
内に相変化性蓄熱媒体を分布させることが好ましい。母
材のとしては、セラミックス多孔体や黒鉛繊維を用いた
材料が利用出来る。
多数の空洞を有する高熱伝導性の母材を用い、その空洞
内に相変化性蓄熱媒体を分布させることが好ましい。母
材のとしては、セラミックス多孔体や黒鉛繊維を用いた
材料が利用出来る。
【0012】本発明の熱交換器は、1次系流体の流路と
2次系流体の流路を独立させ、両流路間に相変化を利用
した蓄熱ブロックを中間熱交換体として介在させている
ので、一方の系の状態変化によって生じる熱収支のアン
バランスを相変化潜熱として吸収することが出来るの
で、両流路間の定温条件が保持される。従って、一系統
の変動が他系統に影響する現象が抑止される。このよう
な特性は、例えば、1次系の熱源が原子炉である場合に
非常に望ましいものである。
2次系流体の流路を独立させ、両流路間に相変化を利用
した蓄熱ブロックを中間熱交換体として介在させている
ので、一方の系の状態変化によって生じる熱収支のアン
バランスを相変化潜熱として吸収することが出来るの
で、両流路間の定温条件が保持される。従って、一系統
の変動が他系統に影響する現象が抑止される。このよう
な特性は、例えば、1次系の熱源が原子炉である場合に
非常に望ましいものである。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の蓄熱型熱交換器
を原子炉施設で使用する際の配置の概略を説明するブロ
ック図である。本発明に従った蓄熱型熱交換器1は原子
炉等の熱源2に直接接続される1次系配管4と、水素製
造装置等の熱利用系3に接続される2次系配管5の間に
設置される。原子炉等の熱源2で生成された熱は、1次
系配管4内を流れる1次系流体41(例えば、ヘリウ
ム、窒素など)によって蓄熱型熱交換器1まで移送され
る。
を原子炉施設で使用する際の配置の概略を説明するブロ
ック図である。本発明に従った蓄熱型熱交換器1は原子
炉等の熱源2に直接接続される1次系配管4と、水素製
造装置等の熱利用系3に接続される2次系配管5の間に
設置される。原子炉等の熱源2で生成された熱は、1次
系配管4内を流れる1次系流体41(例えば、ヘリウ
ム、窒素など)によって蓄熱型熱交換器1まで移送され
る。
【0014】2次系配管5内を流れる2次系流体51
(例えば、ヘリウム、窒素など)は、熱源2で生成され
た熱を蓄熱型熱交換器1内で間接的に受取り、熱利用系
3に移送してこれを水素製造等に必要なエネルギとして
利用する。熱交換器1が本発明に従った蓄熱型熱交換器
である点を除けば、このような配置自体は一般的に知ら
れたものである。
(例えば、ヘリウム、窒素など)は、熱源2で生成され
た熱を蓄熱型熱交換器1内で間接的に受取り、熱利用系
3に移送してこれを水素製造等に必要なエネルギとして
利用する。熱交換器1が本発明に従った蓄熱型熱交換器
である点を除けば、このような配置自体は一般的に知ら
れたものである。
【0015】次に、図2を参照して本発明に従った蓄熱
型熱交換器1の内部構造の概略を説明する。図2中左側
に主要部を模式的に示したように、蓄熱型熱交換器1は
熱交換器容器10を備え、1次系配管4と2次系配管5
が熱交換器容器10中を貫通するように配置されてい
る。1次系配管4と2次系配管5は互いに直接的な熱交
換を生じない程度の間隔を以て離隔配置されており、両
配管4,5の周囲には空隙を埋めるように蓄熱ブロック
11が設置されている。
型熱交換器1の内部構造の概略を説明する。図2中左側
に主要部を模式的に示したように、蓄熱型熱交換器1は
熱交換器容器10を備え、1次系配管4と2次系配管5
が熱交換器容器10中を貫通するように配置されてい
る。1次系配管4と2次系配管5は互いに直接的な熱交
換を生じない程度の間隔を以て離隔配置されており、両
配管4,5の周囲には空隙を埋めるように蓄熱ブロック
11が設置されている。
【0016】蓄熱ブロック11は、蓄熱を行いながら1
次系と2次系の間の熱交換を媒介する機能を持つもの
で、その内部構造を符号Aで示した部分の拡大図の形式
で図2中右側に示した。この部分拡大図に示されている
ように、蓄熱ブロック11は、多数の空洞13を内包し
た母材12とそれら空洞13中に浸透するように分布保
持された蓄熱媒体14で構成されている。
次系と2次系の間の熱交換を媒介する機能を持つもの
で、その内部構造を符号Aで示した部分の拡大図の形式
で図2中右側に示した。この部分拡大図に示されている
ように、蓄熱ブロック11は、多数の空洞13を内包し
た母材12とそれら空洞13中に浸透するように分布保
持された蓄熱媒体14で構成されている。
【0017】蓄熱媒体14には、本発明の特徴に従っ
て、相変化性の物質を含む材料が使用される。ここで、
相変化性の物質とは、系が定常時にある時の熱交換温度
付近で相変化を起す物質を指す。多くの溶融塩類(実用
的な熱交換温度に溶融点を持つ塩類。以下同じ。)がこ
のような条件を満たす候補となり得る。相変化性蓄熱媒
体14に利用出来る具体的な材料としては、次の[例
1]〜[例3]を挙げることが出来る。
て、相変化性の物質を含む材料が使用される。ここで、
相変化性の物質とは、系が定常時にある時の熱交換温度
付近で相変化を起す物質を指す。多くの溶融塩類(実用
的な熱交換温度に溶融点を持つ塩類。以下同じ。)がこ
のような条件を満たす候補となり得る。相変化性蓄熱媒
体14に利用出来る具体的な材料としては、次の[例
1]〜[例3]を挙げることが出来る。
【0018】[例1]Na2 CO3 (17.1wt%)
とNaOH(82.9wt%)の混合物/相変化温度T
tr=283℃ [例2]MgCl2 (52.1wt%)とNaCl(4
7.9wt%)の混合物/相変化温度Ttr=450℃ [例3]CaCl2 (69.9wt%)とNaCl(3
0.1wt%)の混合物/相変化温度Ttr=490℃
とNaOH(82.9wt%)の混合物/相変化温度T
tr=283℃ [例2]MgCl2 (52.1wt%)とNaCl(4
7.9wt%)の混合物/相変化温度Ttr=450℃ [例3]CaCl2 (69.9wt%)とNaCl(3
0.1wt%)の混合物/相変化温度Ttr=490℃
【0019】これら溶融塩類は一般に熱伝導率が小さい
ので、熱交換器の熱応答性を確保するために、母材12
には、熱伝導率の高いセラミックス多孔体や黒鉛繊維等
を母材としたものを使用することが好ましい。
ので、熱交換器の熱応答性を確保するために、母材12
には、熱伝導率の高いセラミックス多孔体や黒鉛繊維等
を母材としたものを使用することが好ましい。
【0020】熱伝導率の高い母材12を利用すれば、1
次系流体41により熱交換器1まで移送された熱はセラ
ミックスや黒鉛繊維母材を介した熱伝導によって蓄熱ブ
ロック11内部に効率的に伝えられ、その多くが蓄熱媒
体14に貯蔵される。
次系流体41により熱交換器1まで移送された熱はセラ
ミックスや黒鉛繊維母材を介した熱伝導によって蓄熱ブ
ロック11内部に効率的に伝えられ、その多くが蓄熱媒
体14に貯蔵される。
【0021】今、定常時の平均的な熱交換温度を1次側
でT1 、2次側でT2 、熱蓄積媒体14の相変化温度を
Ttrとした時、相変化温度Ttrが1次側流体の熱交換器
1到達時の平均温度T1 に近い蓄熱媒体14を選択すれ
ば、1次系流体41の温度が変動しても、それによる熱
収支の変動熱交換器1内で蓄熱媒体14の相変化潜熱と
して吸収され、蓄熱媒体14及びそれを保持する母材1
2の温度は殆ど変化しない。このような特性は、2次側
で常に一定の温度の流体を取り出すことが要求されるシ
ステムにとって特に有利である。
でT1 、2次側でT2 、熱蓄積媒体14の相変化温度を
Ttrとした時、相変化温度Ttrが1次側流体の熱交換器
1到達時の平均温度T1 に近い蓄熱媒体14を選択すれ
ば、1次系流体41の温度が変動しても、それによる熱
収支の変動熱交換器1内で蓄熱媒体14の相変化潜熱と
して吸収され、蓄熱媒体14及びそれを保持する母材1
2の温度は殆ど変化しない。このような特性は、2次側
で常に一定の温度の流体を取り出すことが要求されるシ
ステムにとって特に有利である。
【0022】また、相変化温度Ttrが2次側流体の平均
温度T2 に近い蓄熱媒体を選択すれば、2次側における
負荷変動によって2次側流体温度が変化しても、熱収支
の変動はやはり熱交換器1内で蓄熱媒体14の相変化潜
熱として吸収され、蓄熱媒体14及びそれを保持する母
材12の温度は殆ど変化しない。その結果、2次系の負
荷変動が1次系に及ぼす影響は非常に小さくなる。この
ような特性は、1次系が原子炉のような非安定化の回避
要求が強い熱源である場合に特に好ましいものである。
温度T2 に近い蓄熱媒体を選択すれば、2次側における
負荷変動によって2次側流体温度が変化しても、熱収支
の変動はやはり熱交換器1内で蓄熱媒体14の相変化潜
熱として吸収され、蓄熱媒体14及びそれを保持する母
材12の温度は殆ど変化しない。その結果、2次系の負
荷変動が1次系に及ぼす影響は非常に小さくなる。この
ような特性は、1次系が原子炉のような非安定化の回避
要求が強い熱源である場合に特に好ましいものである。
【0023】なお、熱蓄積媒体14として複数種のもの
を合わない状態で使用すれば、更に異なった態様の安定
性が得られる。例えば、1次側流体の平均温度T1 (高
温側)に近い相変化温度Ttr1 を持つ蓄熱媒体と、2次
側流体の平均温度T2 (低温側)に近い相変化温度Ttr
2 を持つ別の蓄熱媒体(Ttr2 <Ttr1 )を混ざり合わ
ない状態で使用すれば、温度下降側はTtr2 、温度上昇
側はTtr1 で各々温度変化をブロックするような安定性
が得られる。
を合わない状態で使用すれば、更に異なった態様の安定
性が得られる。例えば、1次側流体の平均温度T1 (高
温側)に近い相変化温度Ttr1 を持つ蓄熱媒体と、2次
側流体の平均温度T2 (低温側)に近い相変化温度Ttr
2 を持つ別の蓄熱媒体(Ttr2 <Ttr1 )を混ざり合わ
ない状態で使用すれば、温度下降側はTtr2 、温度上昇
側はTtr1 で各々温度変化をブロックするような安定性
が得られる。
【0024】このような条件を満たす蓄熱媒体の組合せ
としては、次の例4、例5を挙げることが出来る。 [例4] ・相変化温度Ttr1 を持つ蓄熱媒体: CaCl2 (69.9wt%)とNaCl(30.1w
t%)の混合物/相変化温度Ttr1 =490℃ ・相変化温度Ttr2 を持つ蓄熱媒体: MgCl2 (52.1wt%)とNaCl(47.9w
t%)の混合物/相変化温度Ttr2 =450℃ [例5] ・相変化温度Ttr1 を持つ蓄熱媒体: CaCl2 (68.0wt%)とNaCl(12.0w
t%)の混合物/相変化温度Ttr1 =500℃ ・相変化温度Ttr2 を持つ蓄熱媒体: CaCl2 (69.9wt%)とNaCl(30.1w
t%)の混合物/相変化温度Ttr2 =490℃
としては、次の例4、例5を挙げることが出来る。 [例4] ・相変化温度Ttr1 を持つ蓄熱媒体: CaCl2 (69.9wt%)とNaCl(30.1w
t%)の混合物/相変化温度Ttr1 =490℃ ・相変化温度Ttr2 を持つ蓄熱媒体: MgCl2 (52.1wt%)とNaCl(47.9w
t%)の混合物/相変化温度Ttr2 =450℃ [例5] ・相変化温度Ttr1 を持つ蓄熱媒体: CaCl2 (68.0wt%)とNaCl(12.0w
t%)の混合物/相変化温度Ttr1 =500℃ ・相変化温度Ttr2 を持つ蓄熱媒体: CaCl2 (69.9wt%)とNaCl(30.1w
t%)の混合物/相変化温度Ttr2 =490℃
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の蓄熱熱交
換器を用いると、1次系あるいは2次系の熱出力変動や
負荷変動を吸収することができ、一方の変動が他方に直
ちに波及することが未然に防止される。この特性を通し
て、次のような利点が生じる。
換器を用いると、1次系あるいは2次系の熱出力変動や
負荷変動を吸収することができ、一方の変動が他方に直
ちに波及することが未然に防止される。この特性を通し
て、次のような利点が生じる。
【0026】(1)2次系で流体漏れなどによる除熱不
能のような異常事態が発生しても、相変化温度Ttrが1
次側流体の平均温度T1 に近い蓄熱媒体を選択しておけ
ば、1次系の急激な温度上昇を相当の時間の間回避する
ことが可能になる。この時間的余裕によって、事故の拡
大を阻止するための適切な措置を取り得る可能性が高ま
ることは明らかである。このような利点は、本発明を原
子炉の中間熱交換器などに適用する場合に特に意味が大
きい。
能のような異常事態が発生しても、相変化温度Ttrが1
次側流体の平均温度T1 に近い蓄熱媒体を選択しておけ
ば、1次系の急激な温度上昇を相当の時間の間回避する
ことが可能になる。この時間的余裕によって、事故の拡
大を阻止するための適切な措置を取り得る可能性が高ま
ることは明らかである。このような利点は、本発明を原
子炉の中間熱交換器などに適用する場合に特に意味が大
きい。
【0027】(2)1次側流体の温度にある程度の変動
が生じても、相変化温度Ttrが1次側流体の平均温度T
1 に近い蓄熱媒体を選択しておけば、2次側の流体の温
度の変化は非常に小さい。この特性を利用すれば、2次
系で定温流体が要求される機器を使用する場合に、定温
維持のための制御系の簡素化あるいは省略が可能にな
る。
が生じても、相変化温度Ttrが1次側流体の平均温度T
1 に近い蓄熱媒体を選択しておけば、2次側の流体の温
度の変化は非常に小さい。この特性を利用すれば、2次
系で定温流体が要求される機器を使用する場合に、定温
維持のための制御系の簡素化あるいは省略が可能にな
る。
【0028】(3)1次系と2次系の配管が熱交換器内
でも離隔しているので、一方が破断しても漏れ出した流
体が他方に流入する事態に至らない。従って、原子炉施
設等における安全性が画期的に高まることが期待され
る。 (4)従来、1次系の安定化のために必要とされていた
2次系の負荷変動制御用の制御系を簡素化あるいは省略
することが可能になる。
でも離隔しているので、一方が破断しても漏れ出した流
体が他方に流入する事態に至らない。従って、原子炉施
設等における安全性が画期的に高まることが期待され
る。 (4)従来、1次系の安定化のために必要とされていた
2次系の負荷変動制御用の制御系を簡素化あるいは省略
することが可能になる。
【図1】本発明の蓄熱型熱交換器を原子炉施設で使用す
る際の配置の概略を説明するブロック図である。
る際の配置の概略を説明するブロック図である。
【図2】本発明に従った蓄熱型熱交換器の内部構造の概
略を説明する図である。
略を説明する図である。
1 蓄熱型熱交換器 2 熱源(原子炉等) 3 熱利用系(水素製造装置等) 4 1次系配管 5 2次系配管 10 熱交換器容器 11 蓄熱ブロック 12 母材(セラミック多孔体、黒鉛繊維材) 13 空洞 14 相変化蓄熱媒体(溶融塩類) 41 1次系流体 51 2次系流体
Claims (9)
- 【請求項1】 1次系流体の流路と2次系流体の流路を
分離して設け、前記1次系流体の流路と前記2次系流体
の流路の間に蓄熱機能を有する蓄熱ブロックを中間熱交
換体として介在させた蓄熱型熱交換器であって、 前記蓄熱ブロックが相変化点を持つ相変化性蓄熱媒体を
備えている前記蓄熱型熱交換器。 - 【請求項2】 前記相変化性蓄熱媒体の前記相変化点
が、前記1次系流体の定常状態における熱交換温度付近
にある、請求項1に記載された蓄熱型熱交換器。 - 【請求項3】 前記相変化性蓄熱媒体の前記相変化点
が、前記2次系流体の定常状態における熱交換温度付近
にある、請求項1に記載された蓄熱型熱交換器。 - 【請求項4】 1次系流体の流路と2次系流体の流路を
分離して設け、前記1次系流体の流路と前記2次系流体
の流路の間に蓄熱機能を有する蓄熱ブロックを中間熱交
換体として介在させた蓄熱型熱交換器であって、 前記蓄熱ブロックが、熱交換温度近辺で互いに異なる相
変化点を持つ複数種類の相変化性蓄熱媒体を備えている
前記蓄熱型熱交換器。 - 【請求項5】 前記相変化性蓄熱媒体が、多数の空洞を
備えた高熱伝導性の母材の前記空洞内に担持されてい
る、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載された蓄
熱型熱交換器。 - 【請求項6】 前記母材がセラミックス多孔体を含む材
料からなる、請求項5に記載された蓄熱型熱交換器。 - 【請求項7】 前記母材が黒鉛繊維を含む材料からな
る、請求項5に記載された蓄熱型熱交換器。 - 【請求項8】 前記1次系流体の流路が原子炉に熱的に
結合されている、請求項1〜請求項7のいずれか1項に
記載された蓄熱型熱交換器。 - 【請求項9】 前記相変化性蓄熱媒体に溶融塩類が含ま
れている、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載さ
れた蓄熱型熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9052499A JPH10238979A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 蓄熱型熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9052499A JPH10238979A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 蓄熱型熱交換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10238979A true JPH10238979A (ja) | 1998-09-11 |
Family
ID=12916425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9052499A Pending JPH10238979A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 蓄熱型熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10238979A (ja) |
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1997
- 1997-02-21 JP JP9052499A patent/JPH10238979A/ja active Pending
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