JPH10238437A - 内燃機関用ポンプ - Google Patents

内燃機関用ポンプ

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JPH10238437A
JPH10238437A JP9040248A JP4024897A JPH10238437A JP H10238437 A JPH10238437 A JP H10238437A JP 9040248 A JP9040248 A JP 9040248A JP 4024897 A JP4024897 A JP 4024897A JP H10238437 A JPH10238437 A JP H10238437A
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JP
Japan
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fuel
pressure
pump
plunger
cam
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Withdrawn
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JP9040248A
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English (en)
Inventor
Taizo Kitada
泰造 北田
Akihito Miyamoto
彰仁 宮本
Hirobumi Azuma
博文 東
Hiromitsu Ando
弘光 安東
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関用ポンプにおいて、ポンプ効率の向
上を図ることで燃料供給の安定化を図る。 【解決手段】 ハウジング41内にプランジャ47を摺
動自在に支持することでシリンダ室52を形成し、内燃
機関のクランク軸の回転力によって回転自在なカム軸5
0にプランジャ47の一端部に当接するカム部50aを
設けて、このカム軸50の回転によってカム部50aを
回転駆動してプランジャ47を往復動させることで、シ
リンダ室52への燃料の吸入及びシリンダ室52からの
燃料の吐出を可能とし、このカム部50aを、高次数成
分を含まない1次成分及び2次成分(Asinθ+Bsin2
θ)で形成されたカムプロフィールとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のクラン
ク軸の回転力によって駆動して燃料の供給を行う内燃機
関用ポンプに関し、特に、筒内噴射式内燃機関にて適用
される高圧燃料ポンプに用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】燃料をシリンダ内で噴射する方式の内燃
機関としては、例えば、筒内噴射式内燃機関や直接噴射
式内燃機関(直噴式内燃機関)などと呼ばれるものがあ
り、ディーゼルエンジンが広く知られている。ところ
が、近年、火花点火式エンジン(一般には、ガソリンエ
ンジンが対応するので、以下、ガソリンエンジンと称す
る。)においても、筒内噴射式のものが提案されてい
る。
【0003】このような筒内噴射式内燃機関では、機関
の性能向上や排出ガスの低減のために、燃料噴射圧力を
上げて燃料噴霧を微粒化し、燃料噴射期間を短縮化する
傾向にある。また、過給機構を有する機関では、過給時
には、過給圧に応じた高い燃料噴射圧力が要求される。
例えば、筒内噴射式内燃機関に適用される燃料供給装置
では、このように十分に高い(例えば数十気圧程度)燃
料噴射圧力が得られるように構成されている。
【0004】このようなものとして、例えば、特開平7
−77118号公報に開示されたものがある。図9に従
来の筒内噴射式内燃機関に適用される燃料供給装置の概
略、図10に高圧燃料ポンプの一側要部断面、図11に
従来の筒内噴射式内燃機関にこの高圧燃料ポンプを適用
した場合のクランク角に対するカムリフト速度及びポン
プ効率を表すグラフを示す。
【0005】図9に示すように、101は燃料タンクであ
って、燃料フィルタ102及び低圧燃料ポンプ103を有して
いる。この低圧燃料ポンプ103から連結される燃料通路1
04の送給路104aには逆止弁105及び燃料フィルタ106を介
して高圧燃料ポンプ107が連結されている。そして、こ
の高圧燃料ポンプ107の下流には燃料噴射弁108が装着さ
れたデリバリパイプ109が連結されている。また、送給
路104aには高圧燃料ポンプ107を迂回させる第1バイパ
ス通路110が設けられており、この第1バイパス通路110
には逆止弁111が装着されている。
【0006】デリバリパイプ109の下流側には高圧制御
弁112が連結され、燃料通路104の返送路104bによって燃
料タンク101に接続されている。この返送路104bには高
圧制御弁112を迂回させる第2バイパス通路113が設けら
れており、この第2バイパス通路113には電磁切換弁114
及び絞り弁115が装着されている。また、燃料通路104の
送給路104aにおける高圧燃料ポンプ107の上流側と返送
路104bの最下流側との間には連通路116が設けられてお
り、この連通路116には低圧制御弁117が装着されてい
る。
【0007】また、高圧燃料ポンプとしては、例えば、
図10に示すようなシングルプランジャタイプのものが
ある。この高圧燃料ポンプは、ハウジング201内にはス
リーブ202が固定されており、このスリーブ202にはプラ
ンジャ203が移動自在に支持されている。このプランジ
ャ203の軸方向一端部にはタペット204が固定され、他端
部には圧縮スプリング205が装着されており、このプラ
ンジャ203はタペット204がエンジンによって駆動回転自
在なカム206に当接している。また、スリーブ202とプラ
ンジャ203との間には燃料の漏洩を防止するベローズ207
が設けられている。そして、ハウジング201には燃料通
路104の送給路104aの下流端が連通する送給ポート208が
形成されると共に、デリパリパイプ109へ連通する送給
路104aの上流端が連通する吐出ポート209が形成されて
おり、この送給ポート208と吐出ポート209はそれぞれリ
ードバルブ210を介してシリンダ室211に連通している。
【0008】従って、この図10にて説明した高圧燃料
ポンプを図9にて説明した燃料供給装置に適用すると、
燃料タンク101の低圧燃料ポンプ103はある程度加圧され
た燃料を燃料通路104の送給路104aに送出し、この低圧
燃料は高圧燃料ポンプ107でさらに加圧されることで、
燃料の圧力が所定圧まで高められる。このとき、低圧燃
料ポンプ103からの吐出圧は低圧制御弁117によって所定
範囲に安定化され、更に、高圧燃料ポンプ107からの吐
出圧は高圧制御弁112によって所定範囲に安定化され
る。従って、デリバリパイプ109の燃料噴射弁108からは
所定圧力の燃料が噴射される。
【0009】即ち、図10に示すように、高圧燃料ポン
プ107では、エンジンの作動と直接連動してカム206が回
転することでプランジャ203が往復駆動しており、図1
0(a)に示すように、プランジャ203が軸方向の一方
(図10にて右方)に移動すると、シリンダ室211が負
圧となって低圧燃料が送給ポート208からリードバルブ2
10を介してシリンダ室211に吸入される。その後、図1
0(b)に示すように、プランジャ203が軸方向の他方
(図10にて左方)に移動すると、シリンダ室211内の
燃料が加圧され、この高圧燃料がリードバルブ210を介
して吐出ポート209から吐出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した高
圧燃料ポンプ107にあっては、エンジンの作動に連動し
てカム206が回転することでプランジャ203が往復動し、
所定圧力に加圧された高圧燃料を間欠的にデリバリパイ
プ109に連通する燃料通路104に供給している。この場
合、カム206の大きさや形状は、プランジャ203の一往復
動による吐出燃料量や燃料供給の安定性を確保するとこ
ろから、シリンダ室211内への燃料吸入時やシリンダ室2
11内からの燃料吐出時に対応するカム形状を緩やかに設
定している一方で、装置のコンパクト化を図るためにベ
ース円径をできるだけ小さく設定している。即ち、図1
1(a)に示すように、高圧燃料ポンプ107におけるプラ
ンジャ203の往復動時に、シリンダ室211内への燃料吸入
行程とシリンダ室211内からの燃料吐出行程でのカムリ
フト速度の変化が小さくなっている。
【0011】ところが、一方、前述したように、装置の
コンパクト化を図るためにカム206のベース円径をでき
るだけ小さく設定する必要から、シリンダ室211内への
燃料吸入行程からシリンダ室211内からの燃料吐出行程
へ切り替わる切替行程が短くなってしまう。そのため、
シリンダ室211内への燃料充填効率が低くなってしま
い、所定量の燃料をデリバリパイプ109(燃料噴射弁10
8)に供給することができなくなってしまうという問題
がある。
【0012】即ち、図10に示すように、プランジャ20
3は圧縮スプリング205の弾性力によってタペット204が
カム206に常時圧接しており、このカム206の回転に伴っ
てこのプランジャ203が往復動する。従って、図11
(b)に細線で示すように、カム206(クランク軸)の回
転に伴ってプランジャ203が往動してシリンダ室211の容
積が増大(燃料吸入行程)し、このプランジャ203が下
死点に至るとシリンダ容積が最大となり、プランジャ20
3が復動することでシリンダ室211の容積が減少(燃料吐
出行程)していく。このとき、シリンダ室211の容積増
大に伴ってこのシリンダ室211内に燃料が流入するが、
エンジンが高回転になるとプランジャ203の往復動も高
速となり、図11(b)に太線で示すように、このプラン
ジャ203の往動(シリンダ室211の容積増大)時に燃料の
シリンダ室211内への流入が追従できず、プランジャ203
が下死点に至ってシリンダ室211の容積が最大となって
もこのシリンダ室211内を燃料で充満させることができ
ず真空領域が生じてしまう。そのため、高圧燃料ポンプ
107は所定量の燃料を吸入吐出することができずにポン
プ効率が低下してしまう。すると、デリバリパイプ109
の燃料噴射弁108はドライバの要求やエンジン運転状態
に応じた所定量の燃料を噴射することができず、出力低
下や燃費悪化等の問題を招いてしまう。
【0013】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、ポンプ効率の向上を図ることで燃料供給の安定
化を図った内燃機関用ポンプを提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項2の発明の内燃機関用ポンプは、燃料が供給
される燃料室と、該燃料室の一部を構成するハウジング
と、該ハウジング内に摺動自在に支持されたプランジャ
と、該プランジャの一端部に当接するカム部を有して内
燃機関のクランク軸の回転力によって回転自在なカム軸
とを具え、該カム軸の回転によって前記カム部を回転駆
動して前記プランジャを往復動させることで、前記燃料
室への燃料の吸入及び該燃料室からの燃料の吐出を行う
内燃機関用ポンプにおいて、前記カム部は、高次数成分
を含まない1次成分及び2次成分で形成されたカムプロ
フィールを有することを特徴とするものである。
【0015】従って、内燃機関のクランク軸の回転力に
よってカム軸が回転すると、このカム軸に形成されたカ
ム部がプランジャを往復動させることで、ハウジングに
設けられた燃料室への燃料の吸入及び燃料室からの燃料
の吐出が行われ、この場合、カム部は高次数成分を含ま
ない1次成分及び2次成分で形成されたカムプロフィー
ルを有することで、他の振動系との共振現象を生じるこ
とはなく、ポンプの耐久性が向上されると共に、内燃機
関の高回転域でのポンプ効率の低下が抑制されて燃料供
給の安定化が図れる。
【0016】また、請求項2の発明の内燃機関用ポンプ
は、前記カム部によるプランジャのリフト速度をAsin
θ+Bsin2θに定義し、B/Aを前記カム部の先端近
傍の曲率半径が9mm以上となる値に設定したことを特徴
とするものである。
【0017】従って、カム部のカムプロフィールにおけ
る1次成分と2次成分の比率を、Asinθ+Bsin2θで
定義してB/Aをカム部の先端近傍の曲率半径が9mm以
上となる値に設定したことで、カム軸の径の拡大を抑制
してカム部の先端の曲率半径を許容値内に収め、カム部
とプランジャとの接触面圧を低下させてポンプの耐久性
を確保できる。
【0018】また、請求項3の発明の内燃機関用ポンプ
は、一端部が前記プランジャに他端部が前記ハウジング
に連結されて前記プランジャの往復動に伴って伸縮自在
であると共に前記燃料室からの燃料を漏洩を防止するベ
ローズが設けられ、該ベローズの固有振動数と前記カム
部によって駆動する前記プランジャの固有振動数とを異
ならせたことを特徴とするものである。
【0019】従って、ベローズによって燃料室からの燃
料の漏洩が防止され、ベローズの固有振動数とカムによ
ってプランジャを駆動する運動に含まれる周波数とを異
ならせたことで、ベローズとプランジャとの共振が防止
され、ポンプの耐久性が向上される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0021】図1に本発明の一実施形態としての内燃機
関用ポンプを燃料供給装置に適用したものの概略、図2
に本実施形態の内燃機関用ポンプとしての高圧燃料ポン
プ装置の断面、図3にクランク角に対するカムリフト速
度、カム曲率半径、ポンプ効率を表すグラフ、図4にカ
ムベース円半径に対するB/A値を表すグラフ、図5に
カム角に対するカム曲率半径を表すグラフ、図6乃至図
8にクランク角に対する燃料圧力、ポンプ効率、カムリ
フト速度を表すグラフを示す。
【0022】本実施形態では、内燃機関として4サイク
ルガソリンエンジン、特に、燃料をシリンダ内に直接噴
射する筒内噴射式の直列型4気筒エンジンを用いて説明
し、本発明の内燃機関用ポンプをこの筒内噴射式エンジ
ンに用いられる燃料供給装置の高圧燃料ポンプに適用し
ている。
【0023】本実施形態の高圧燃料ポンプが用いられた
燃料供給装置において、図1に示すように、11は燃料
タンクであって、燃料フィルタ12及び低圧燃料ポンプ
13を有している。この低圧燃料ポンプ13から連結さ
れる燃料通路14の送給路14aには逆止弁15及び燃
料フィルタ16を介して高圧燃料ポンプ17が連結され
ている。そして、この高圧燃料ポンプ17には燃料噴射
弁18が装着されたデリバリパイプ19が連結されてい
る。また、送給路14aには高圧燃料ポンプ17を迂回
させてデリバリパイプ19へ燃料を送給できる第1バイ
パス通路20が設けられており、この第1バイパス通路
20には逆止弁21が装着されている。この逆止弁21
は高圧燃料ポンプ17が十分に作動しないで、高圧燃料
ポンプ17の上流側よりも下流側の方が燃料圧力が低け
れば、第1バイパス通路20を開放し、高圧燃料ポンプ
17が十分に作動して高圧燃料ポンプ17の上流側より
も下流側の方が燃料圧力が高くなれば、第1バイパス通
路20を閉鎖するようになっている。
【0024】この低圧燃料ポンプ13は燃料通路14の
送給路14aの上流部の燃料タンク11内に設けられた
フィードポンプであって、電動式ポンプが用いられてお
り、作動時には燃料フィルタ12で濾過しながら燃料タ
ンク11内の燃料を送給路14aの下流側へ流動するよ
うになっている。このときの低圧燃料ポンプ13による
燃料の加圧は、大気圧の状態から数気圧程度まで行われ
るようになっている。また、この低圧燃料ポンプ13
は、エンジンの始動と共に起動して、エンジンの停止時
には停止するようになっているが、もちろん、エンジン
の回転速度に依存することなく所定の吐出圧を発生でき
るようになっている。
【0025】一方、高圧燃料ポンプ17はこの低圧燃料
ポンプ13から吐出された燃料を数十気圧程度まで加圧
するものであって、送給路14aの途中に介装された逆
止弁15によって低圧燃料ポンプ13からの吐出圧が維
持され、また、燃料フィルタ16によって燃料が更に濾
過されるようになっている。この高圧燃料ポンプ17に
は、ポンプ効率やコストの面で高圧ポンプとして有利
な、例えば、往復動型圧縮ポンプなどの機関駆動式ポン
プ(以下、エンジン駆動ポンプという)が用いられてお
り、当然ながら、エンジンの作動と直接連動して作動
し、エンジンの回転速度に応じて吐出圧を発生するよう
になっている。
【0026】また、この高圧燃料ポンプ17の上流側に
は逆止弁22とスプリングダンパ23が設けられる一
方、高圧燃料ポンプ17の下流側には逆止弁24を介し
て燃料通路14よりも大きな流路断面積を有する緩衝容
器25及び第1レゾネータ26が設けられている。そし
て、この高圧燃料ポンプ17と共に、逆止弁22,24
とスプリングダンパ23と緩衝容器25と第1レゾネー
タ26とが一体に形成されることで、高圧燃料ポンプ装
置27を構成している。
【0027】そして、デリバリパイプ19の下流側の燃
料通路14の返送路14bには、第2レゾネータ28と
高圧燃料ポンプ17からの吐出圧を設定圧に調整する高
圧制御弁29が設けられており、この返送路14bは燃
料タンク11に接続されている。この高圧制御弁29
は、高圧燃料ポンプ17からの吐出圧が設定圧(例え
ば、50気圧)を越えるまでは閉鎖していて、吐出圧が
この設定圧を越えると、この越えた圧力分の燃料につい
ては返送路14bを通して燃料タンク11へ返送し、燃
料噴射弁18,20における燃料圧力を所定圧に安定さ
せるようにしている。
【0028】また、この返送路14bには、燃料噴射弁
18の燃料を高圧制御弁29を迂回させて燃料タンク1
1へ排出させることができるように、高圧制御弁29の
上流側部分と下流側部分とを接続する第2バイパス通路
30が設けられている。この第2バイパス通路30は、
燃料通路14内の燃料噴射弁17の近傍に含有したベー
パ(気泡)をエンジン始動初期に排出するためのもので
ある。そこで、第2バイパス通路30には、この第2バ
イパス通路30を開閉する電磁切換弁31が設けられて
いる。この電磁切換弁31は、電力を受けた作動時に第
2バイパス通路30を開放し、電力を絶たれた停止時に
は第2バイパス通路30を閉鎖するようになっている。
そして、図示しないイグニッションキースイッチがスタ
ータ位置に操作されると、これに連動して起動して第2
バイパス通路30を開放し、これにより、燃料噴射弁1
8の近傍に含有したベーパの排出が完了する所定時間を
経過したら停止して、第2バイパス通路30を閉鎖する
ようになっている。
【0029】更に、第2バイパス通路30が合流した燃
料通路14の返送路14bには低圧制御弁32が設けら
れており、第2レゾネータ28と高圧制御弁29と第2
バイパス通路30及び電磁切換弁31とこの低圧制御弁
32とが一体に形成されることで、高圧制御弁装置33
を構成している。
【0030】また、燃料通路14の送給路14aと返送
路14bとの間、即ち、送給路14aの燃料フィルタ1
6の下流側で高圧燃料ポンプ装置28よりも上流側の部
分と返送路14bの最下流部分との間には、連通路34
が設けられている。そして、この連通路34には、低圧
燃料ポンプ13からの吐出圧を設定圧に調整する低圧制
御弁35が設けられている。この低圧制御弁35は、低
圧燃料ポンプ13からの吐出圧が設定圧(例えば、3気
圧)を越えるまでは閉鎖していて、吐出圧が設定圧を越
えると、この越えた圧力分の燃料については燃料タンク
11側へ直接返送することで、高圧燃料ポンプ装置27
へ送給する燃料圧力を設定圧付近に安定させるようにし
ている。もちろん、この設定圧が得られるように、低圧
燃料ポンプ13はその吐出圧がこの設定圧以上になるよ
うに設定されている。
【0031】ここで、上述した燃料供給装置の作用につ
いて説明する。図1に示すように、図示しないイグニッ
ションキースイッチをスタータオン位置に入れてエンジ
ンを始動させると、このエンジンの始動と共に低圧燃料
ポンプ13及び高圧燃料ポンプ17が作動する。低圧燃
料ポンプ13は始動後は速やかに所定圧(数気圧)の出
力圧状態になるが、エンジン始動直後はエンジンの回転
も上がらないので、高圧燃料ポンプ17は十分な吐出圧
は発生しない。
【0032】このため、エンジン始動直後に高圧燃料ポ
ンプ17は、むしろ、低圧燃料ポンプ13からの吐出圧
による燃料通路14内の燃料の流通の抵抗になってしま
うが、本装置では、高圧燃料ポンプ17と並列に設けら
れた第1バイパス通路20を通じてデリバリパイプ19
側へ燃料が供給されるので、燃料噴射弁18からは低圧
制御弁35で調整される圧力程度の燃料圧力で燃料噴射
を行うことができる。つまり、第1バイパス通路20に
は逆止弁21が設けられているが、この逆止弁21は高
圧燃料ポンプ17の上流側よりも下流側の方が燃料圧力
が低ければ、第1バイパス通路20を開放するので、高
圧燃料ポンプ17が十分に吐出圧を発生しなければ、デ
リバリパイプ19側へ低圧制御弁35の調整レベル程度
の圧力で燃料が供給されるようになる。
【0033】このように高圧燃料ポンプ17がある程度
作動し始めると、高圧燃料ポンプ17の上流側よりも下
流側の方が燃料圧力が高くなり、逆止弁21が第1バイ
パス通路20を閉鎖するようになり、高圧燃料ポンプ1
7の吐出圧はロスすることなくこの高圧燃料ポンプ17
の下流側の燃料圧力を高めていき、高圧制御弁29の調
整圧以上に燃料圧力を高めるようになる。この結果、高
圧燃料ポンプ17の吐出圧が十分なレベルに上昇し、高
圧制御弁29の調整圧程度の高い燃料圧力で各燃料噴射
弁18から燃料噴射を行うことができる。このようにし
てエンジン始動直後から滑らかにエンジン回転速度を高
めていきながら、例えば、筒内噴射式の内燃機関におい
て、燃料噴射期間(即ち、燃料噴射のパルス幅)を短縮
化するために要求されたり、過給時に過給圧に応じて要
求されている、高い燃料噴射圧力を得られるようにな
る。
【0034】一方、例えば、自動車用内燃機関などで
は、エンジンの停止後に、エンジン冷却系の停止によっ
て生じるエンジンルーム内の温度上昇や、圧力制御弁2
9,35や燃料噴射弁18における燃料リークにより、
燃料通路14内にベーパ(気泡)が発生する。本装置で
は、燃料通路14の返送路14bに設けられた高圧制御
弁29は燃料圧力が高くないと遮断するが、この高圧制
御弁29と並列に設けられた第2バイパス通路30の電
磁切換弁31がエンジン始動後所定期間は開通するの
で、燃料流と共にこのベーパは第2バイパス通路30を
通じて返送路14bの下流側へ流通する。そして、この
第2バイパス通路30の下流側の返送路14bに設けら
れた低圧制御弁32が燃料噴射弁18の付近の燃料圧力
を少なくとも低圧制御弁35で制御される設定圧に近い
程度に保持するので、ベーパを排出しながらも燃料噴射
弁18からの燃料噴射圧力はエンジン始動時に十分なだ
けは確保される。
【0035】ところで、本装置にて上記のような燃料の
流通があるとき、つまり、低圧燃料ポンプ13によって
低加圧された燃料が高圧燃料ポンプ17で高加圧されて
所定圧まで高められ、燃料通路14に吐出されるとき、
この高圧燃料ポンプ17はエンジン回転速度に基づいて
燃料通路14に間欠的な燃料供給を行うため、あるエン
ジン回転速度にて共振によって圧力振幅が極端に高くな
る。そのため、高圧燃料ポンプ装置27には、高圧燃料
ポンプ17の上流側にスプリングダンパ23が、下流側
に緩衝容器25及び第1、第2レゾネータ26,28が
それぞれ設けられている。
【0036】高圧燃料ポンプ17が高圧燃料を吐出する
と同時に圧力波が発生し、この圧力波は燃料通路14を
下流側に伝搬し、デリバリパイプ19の下流端に衝突し
て反射する。すると、デリバリパイプ19の上流端で
は、高圧燃料ポンプ17の燃料吐出時に発生する圧力波
と、この反射して戻ってきた圧力波とが重なった高い振
幅の圧力波が発生する。そのため、高圧燃料ポンプ装置
27において、高圧燃料ポンプ17の吐出口に設けられ
た第1レゾネータ26の固有振動数を高圧燃料ポンプ1
7からデリバリパイプ20の下流端までの燃料通路14
の固有振動数に基づいて設定している。従って、デリバ
リパイプ20の下流端で反射した圧力波は燃料通路14
を上流側に伝搬して高圧燃料ポンプ17近傍に至るが、
ここで第1レゾネータ26の固有振動数によって打ち消
される。そのため、燃料通路14内でこの反射した圧力
波と高圧燃料ポンプ17が高圧燃料を吐出するときに発
生する圧力波との共振が抑制される。
【0037】また、この高圧燃料ポンプ17の吐出口に
は第1レゾネータ26と共に緩衝容器25が取付けられ
ている。高圧燃料ポンプ17が高圧燃料を吐出するとき
に発生する圧力波は、前述したように、デリバリパイプ
20の下流端などに衝突して反射し、高圧燃料ポンプ1
7の吐出口に戻ってくる。このとき、デリバリパイプ2
0より下流側の高圧制御弁29などの影響により、高圧
燃料ポンプ17の吐出口に戻ってくる圧力波の波形は若
干ずれている。緩衝容器25はこのずれた圧力波の波形
の周期をほぼ一致させると共に、全ての回転領域での圧
力振幅を低く抑えることができる。従って、燃料の適正
なメータリング(流量調整)が行われることで、高圧燃
料ポンプ17は適圧、適量の燃料を吐出することができ
る。
【0038】更に、低圧燃料ポンプ13が高圧燃料ポン
プ17に至る送給路14aに低圧燃料を吐出するとき、
低圧燃料の吐出と共に低圧の圧力波が発生する。そのた
め、この高圧燃料ポンプ17の上流側にはスプリングダ
ンパ23が取付けられている。従って、低圧燃料ポンプ
13が低圧燃料を吐出するときに発生する圧力波は、こ
の低圧燃料ポンプ13と高圧燃料ポンプ17との間の燃
料通路14の送給路14aに作用するが、この圧力波は
スプリングダンパ23によって吸収される。
【0039】以下、このように構成された燃料供給装置
に適用された本実施形態の高圧燃料ポンプ装置27につ
いて具体的に説明する。
【0040】本実施形態の高圧燃料ポンプ装置27にお
いて、図2に示すように、ハウジング41には、低圧燃
料ポンプ13からの燃料通路14の送給路14aの下流
端が連通する送給ポート42が形成され、この送給ポー
ト42に連通する流通路43はスプリングダンパ(パル
セーションダンパ)23に連通されている。一方、高圧
燃料ポンプ17において、ハウジング41にはスリーブ
44が固定リング45及びインシュレータ46によって
固定されており、このスリーブ44にはプランジャ47
が移動自在に支持されている。このプランジャ47の軸
方向一端部にはタペット48が固定され、他端部には圧
縮スプリング49が装着されており、この圧縮スプリン
グ49によってプランジャ47のタペット48が、エン
ジンの作動と直接連動するカム軸50カム部50aに圧
接している。また、スリーブ44とプランジャ47との
間には燃料の漏洩を防止するベローズ51が設けられて
いる。
【0041】このスリーブ44内をプランジャ47が往
復移動することで形成されるシリンダ室(燃料室)52
には吸引路53と吐出路54の一端が連通しており、そ
の間にリードバルブ55a,55bが設けられている。
そして、吸引路53の他端はスプリングダンパ23に連
通し、吐出路54の他端は緩衝容器25に連通してい
る。第1レゾネータ26は、ある所定の容積をもった容
積室26aと、吐出路54(燃料通路14)とこの容積
室26aとを連通するオリフィス26bとから構成され
ている。そして、この第1レゾネータ26はオリフィス
26bによって緩衝容器25の下流側の吐出路54に連
通しており、緩衝容器25は連通路56を介して吐出ポ
ート57に連通し、この吐出ポート57はデリパリパイ
プ19へ連通する送給路14aに連通している。
【0042】なお、この高圧燃料ポンプ装置28におい
て、高圧燃料ポンプ17を迂回するように吸引路51と
吐出路52とを接続する第1バイパス通路20及び逆止
弁21が設けられ、また、高圧燃料ポンプ17の前後の
送給路14aに逆止弁22,24が設けられているが、
ここでは各説明を省略する。
【0043】従って、上述した高圧燃料ポンプ装置27
において、エンジンの作動と直接連動してカム軸50が
回転することで、各カム部50aによってプランジャ4
7が軸方向に往復駆動しており、低圧燃料ポンプ13か
ら燃料通路14の送給路14aを通して低圧燃料が送給
ポート42に供給されている。このとき、プランジャ4
7が軸方向の一方(図2にて左方)に移動すると、シリ
ンダ室52が負圧となり、流通路43及び吸引路53内
の低圧燃料がリードバルブ55aを介してシリンダ室5
1に吸入される。そして、プランジャ47が軸方向の他
方(図2にて右方)に移動すると、シリンダ室52が加
圧されることで内部の燃料が所定の圧力まで加圧され、
高圧燃料がリードバルブ55bを介して吐出路54に吐
出され、緩衝容器25及び連通路56を介して吐出ポー
ト57に流動し、この吐出ポート57からデリパリパイ
プ19へ連通する送給路14aに流動する。
【0044】ところで、本実施例の高圧燃料ポンプ装置
27の高圧燃料ポンプ17にあっては、カム軸50のカ
ム部50aは、高次数成分を含まない1次成分及び2次
成分で形成されたカムプロフィールに設定されている。
即ち、図3(a)に示すように、カム部50aのカムプロ
フィールを正弦波(SIN波)から構成し、カム部50
aによるプランジャ47のリフト速度をAsinθとBsin
2θとの和で定義している。そして、図3(b)に示すよ
うに、カム部50aの先端が鋭角とならないようにカム
曲率半径を所定の許容値内に収めている。
【0045】この場合、カムリフト速度が、Asinθ+
Bsin2θで定義されているが、係数Aと係数Bの関係
は、カム部50aの先端近傍の曲率半径が許容値内とな
るように、B/A値が設定されている。図4に示すグラ
フは、カムベース円半径に対するB/A値を表したもの
であり、実験及び演算によって求めたものである。この
グラフにおいて、太線で囲まれた領域はカム曲率半径が
許容値となる範囲を示しており、例えば、カムベース円
半径を最小の22.5mmとしたとき、B/A値が約0.
17になるようにBとAの大きさを規定すればよいこと
がわかる。また、図5に示すグラフは、カムベース円半
径を22.5mmとしたときのカム角に対するカム曲率半
径を示したものである。ここで、B/A値を0.33、
0.17、0の3つの値とした場合を考えると、各カム
曲率半径はそれぞれ図5のグラフに示すものとなる。こ
のとき、B/A=0ではカム曲率半径がカム部50aの
先端で約5mmとなって先端部形状が鋭角になりすぎ、B
/A=0.33ではカム曲率半径がカム部50aの先端
で約8mmとなって先端部形状がやや緩やかになるものの
2つの山型ができてしまう。一方、B/A=0.17で
はカム曲率半径がカム部50aの先端で約11mmとなっ
て先端部形状が緩やかになった適正なものとなる。つま
り、B/A値を調整することで最小となるカム曲率半径
を大きく保つことができ、適正なカムリフト速度とする
には、カム曲率半径の許容値が9mm以上になるようにB
/A値を設定すればよい。
【0046】なお、上述の図5を用いた説明では、カム
ベース円半径が22.5mmのときのカム曲率半径及びそ
の許容値を表したものであるが、このカム曲率半径の許
容値=9mmの値はカムベース円半径に関係なく設定され
るものである。また、本実施形態で説明した筒内噴射式
エンジンに用いられる燃料供給装置の高圧燃料ポンプ装
置27は、その吐出圧がほぼ5MPaに設定されてお
り、この吐出圧の設定値が大きくなれば、カム曲率半径
の許容値も比例して大きくなるものである。
【0047】このようにカムリフト速度を、Asinθ+
Bsin2θで定義し、B/A値を、カム部50aの先端
近傍の曲率半径が許容値=9mmの以上となるように設定
すると、内燃機関が高回転時、カム軸50(クランク
軸)の回転に伴ってカム部50aによりプランジャ47
が往動すると、図3(c)にて細線で示すように、シリン
ダ室52の容積が増大するが、図3(c)にて太線で示す
ように、シリンダ容積変化に対して完全にこのシリンダ
室52内への燃料の流入を追従させることはできない
が、本装置では、カム部50aによるプランジャ47の
リフト速度を前述したように設定したことで、プランジ
ャ47が吸入行程から吐出行程に切り替わる切替行程
(時間)が長くなっている。そのため、この切替行程時
にシリンダ室52(真空領域)内へ燃料が流入すること
で、このシリンダ室52は燃料でほぼ充満状態となり、
シリンダ室52の容積と同等である所定量の燃料を吐出
することができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。
【0048】このことを図6乃至図8のグラフを用いて
具体的に説明する。ここでは、カムベース円半径を2
3.0mmとし、カムリフト速度を、3sinθ+0.5sin
2θ(B/A≒0.17)に設定している。図6に示す
ように、エンジンの回転数が3000rpmのとき、カ
ム軸50(クランク軸)の回転に伴ってカム部50aに
よりプランジャ47が往動し、シリンダ室52の容積が
増大すると、プランジャ47の往動速度がそれ程高くな
いことから、燃料はプランジャ47の移動に追従してシ
リンダ室52内へ流入することができ、プランジャ47
が下死点に至ってシリンダ室52の容積が最大となる
と、このシリンダ室52内は燃料で充満され、プランジ
ャ47の復動時に、シリンダ室52内の容積と同等の所
定量の燃料を吐出することができる。
【0049】一方、図7に示すように、エンジンの回転
数が5000rpmのとき、カム部50aによりプラン
ジャ47が往動してシリンダ室52の容積が増大する
と、プランジャ47の往動速度が高いことから、燃料は
プランジャ47の移動に追従してシリンダ室52内へ流
入せず、プランジャ47が下死点に至ってシリンダ室5
2の容積が最大となっても、燃料は充満しないで満たさ
れていない領域が生じていると考えられる。しかし、プ
ランジャ47が往動(吸入)行程から復動(吐出)行程
に切り替わる切替行程時に、この燃料が満たされていな
い領域に燃料が流入してシリンダ室52内は燃料で充満
され、プランジャ47の復動時に、シリンダ室52内の
容積と同等の所定量の燃料を吐出することができる。ま
た、図8に示すように、エンジンの回転数が6000r
pmになっても、プランジャ47が往動して下死点に至
ってシリンダ室52の容積が最大となると、燃料は充満
しないで燃料が満たされていない領域が生じるが、プラ
ンジャ47の切替行程時に、この真空領域に燃料が流入
してシリンダ室52内は燃料で充満され、プランジャ4
7の復動時にはシリンダ室52内の所定量の燃料を吐出
することができる。
【0050】また、本実施形態の高圧燃料ポンプ装置2
7では、カム部50aのカムプロフィールを1次成分の
正弦波に2次成分の正弦波を組み合わせて形成したこと
で、カム部50aの先端が緩やかな形状となり、このカ
ム部50aとプランジャ47との接触面圧が低下し、ポ
ンプ耐久性を確保できる。更に、この高圧燃料ポンプ装
置27には、スリーブ44とプランジャ47との間にベ
ローズ51が設けられており、シリンダ室54内の燃料
の外部漏洩を防止している。このベローズ51は耐久性
を考慮することから金属製であるため、プランジャ47
の往復動時に伸縮して高周波振動してしまう。一方、カ
ム部50aによるプランジャ47の往復動時にも振動波
が発生し、両者が共振現象を起こしてしまう虞がある。
ところが、本実施形態のカム部50aは、前述したよう
に、高次数成分を含まない1次成分及び2次成分で形成
されたカムプロフィールとなっており、ベローズ51の
伸縮時に発生する高周波と共振することはなく、ポンプ
の耐久性が向上する。
【0051】なお、上述の実施形態にあっては、内燃機
関として燃料をシリンダ内に直接噴射する筒内噴射式の
直列型4気筒エンジンを用いて説明したが、本発明の内
燃機関用ポンプはこのタイプのエンジンに限るものでは
なく、筒内噴射式ではなくてポート噴射式エンジンでも
よく、また、直列型4気筒エンジンをでくなくてV型6
気筒エンジンでもよい。
【0052】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように、請求項1の発明の内燃機関用ポンプによれば、
内燃機関のクランク軸によってカム軸が回転し、このカ
ム軸のカム部が回転駆動してプランジャを往復動させる
ことで、ハウジングに形成された燃料室への燃料の吸入
及び燃料室からの燃料の吐出を可能とし、このカム部
を、高次数成分を含まない1次成分及び2次成分で形成
されたカムプロフィールから構成したので、他の振動系
との共振現象を生じることはなく、ポンプの耐久性を向
上することができると共に、内燃機関の高回転域で燃料
室への燃料を流入を確実に行ってポンプ効率の低下を抑
制することで、燃料供給の安定化を図ることができる。
その結果、内燃機関の出力低下や燃費悪化等を防止する
ことができる。
【0053】また、請求項2の発明の内燃機関用ポンプ
によれば、カム部によるプランジャのリフト速度をAsi
nθ+Bsin2θで定義し、B/Aをカム部の先端近傍の
曲率半径が9mm以上となる値に設定したので、カム軸の
径の拡大を抑制してカム部の先端の曲率半径を許容値内
に収め、カム部とプランジャとの接触面圧を低下させて
ポンプの耐久性を確保することができる。
【0054】また、請求項3の発明の内燃機関用ポンプ
によれば、プランジャの往復動に伴って伸縮自在である
と共に燃料室からの燃料を漏洩を防止するベローズを設
けたので、ベローズによって燃料室からの燃料を漏洩が
防止され、また、ベローズの固有振動数とカムによって
プランジャを駆動する運動に含まれる周波数とを異なら
せたことで、ベローズとプランジャとの共振を防止して
ポンプの耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての内燃機関用ポンプ
を燃料供給装置に適用したものの概略図である。
【図2】本実施形態の内燃機関用ポンプとしての高圧燃
料ポンプ装置の断面図である。
【図3】クランク角に対するカムリフト速度、カム曲率
半径、ポンプ効率を表すグラフである。
【図4】カムベース円半径に対するB/A値を表すグラ
フである。
【図5】カム角に対するカム曲率半径を表すグラフであ
る。
【図6】クランク角に対する燃料圧力、ポンプ効率、カ
ムリフト速度を表すグラフである。
【図7】クランク角に対する燃料圧力、ポンプ効率、カ
ムリフト速度を表すグラフである。
【図8】クランク角に対する燃料圧力、ポンプ効率、カ
ムリフト速度を表すグラフである。
【図9】従来の筒内噴射式内燃機関に適用される燃料供
給装置の概略図である。
【図10】高圧燃料ポンプの一側要部断面図である。
【図11】従来の筒内噴射式内燃機関にこの高圧燃料ポ
ンプを適用した場合のクランク角に対するカムリフト速
度及びポンプ効率を表すグラフである。
【符号の説明】
11 燃料タンク 13 低圧燃料ポンプ 14 燃料通路 17 高圧燃料ポンプ 18 燃料噴射弁 19 デリバリパイプ 25 緩衝容器 26,28 レゾネータ 27 高圧燃料ポンプ装置 33 高圧制御弁装置 41 ハウジング 47 プランジャ 48 タペット 49 圧縮スプリング 50 カム軸 50a カム部 51 ベローズ 52 シリンダ室(燃料室)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安東 弘光 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料が供給される燃料室と、該燃料室の
    一部を構成するハウジングと、該ハウジング内に摺動自
    在に支持されたプランジャと、該プランジャの一端部に
    当接するカム部を有して内燃機関のクランク軸の回転力
    によって回転自在なカム軸とを具え、該カム軸の回転に
    よって前記カム部を回転駆動して前記プランジャを往復
    動させることで、前記燃料室への燃料の吸入及び該燃料
    室からの燃料の吐出を行う内燃機関用ポンプにおいて、
    前記カム部は、高次数成分を含まない1次成分及び2次
    成分で形成されたカムプロフィールを有することを特徴
    とする内燃機関用ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関用ポンプにおい
    て、前記カム部によるプランジャのリフト速度はAsin
    θ+Bsin2θで定義され、B/Aは前記カム部の先端
    近傍の曲率半径が9mm以上となる値に設定されたことを
    特徴とする内燃機関用ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の内燃機関用ポンプにおい
    て、一端部が前記プランジャに他端部が前記ハウジング
    に連結されて前記プランジャの往復動に伴って伸縮自在
    であると共に前記燃料室からの燃料を漏洩を防止するベ
    ローズが設けられ、該ベローズの固有振動数と前記カム
    部によって駆動する前記プランジャの固有振動数とを異
    ならせたことを特徴とする内燃機関用ポンプ。
JP9040248A 1997-02-25 1997-02-25 内燃機関用ポンプ Withdrawn JPH10238437A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7246602B2 (en) 2003-10-02 2007-07-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel supplying apparatus and fuel injecting apparatus of internal combustion engine
JP2010522302A (ja) * 2007-03-26 2010-07-01 ロバート ボッシュ ゲーエムベーハー ピストンポンプを駆動するための装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7246602B2 (en) 2003-10-02 2007-07-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel supplying apparatus and fuel injecting apparatus of internal combustion engine
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