JPH10238273A - 電気破砕方法 - Google Patents

電気破砕方法

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JPH10238273A
JPH10238273A JP4573897A JP4573897A JPH10238273A JP H10238273 A JPH10238273 A JP H10238273A JP 4573897 A JP4573897 A JP 4573897A JP 4573897 A JP4573897 A JP 4573897A JP H10238273 A JPH10238273 A JP H10238273A
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insulating medium
insulating
crushing
electric
crushed
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Application number
JP4573897A
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English (en)
Inventor
Masanaga Shiaku
正祥 塩飽
Tadayuki Hanamoto
忠幸 花本
Norio Takahashi
典夫 高橋
Yutaka Kato
豊 加藤
Takao Ino
崇雄 伊能
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁性媒体中で破砕対象物の電気破砕を行う際
に、該絶縁性媒体の絶縁性を継続的に監視するととも
に、必要に応じて絶縁性媒体の絶縁性を回復し、もって
効率良く破砕対象物の電気破砕を行うことができる電気
破砕装置を提供すること。 【解決手段】パルス発生器12が発生した高電圧パルス
を電極13に印加し、破砕対象物17を絶縁性媒体を介
して電気破砕した後に、検出部14が破砕ヘッド11内
の絶縁性媒体の絶縁性を検出し、この検出結果が所定の
しきい値を越える場合には引き続き電気破砕を続行し、
検出結果が所定のしきい値以下の場合には、機能改善部
15がかかる絶縁性媒体の機能改善を行った後に電気破
砕を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極と破砕対象物
との間に絶縁性媒体を供給し、この電極間の放電により
破砕対象物を絶縁破壊する電気破砕方法に関し、特に、
絶縁性媒体中で破砕対象物の電気破砕を行う際に、該絶
縁性媒体の絶縁性を継続的に監視するとともに、必要に
応じて絶縁性媒体の絶縁性を回復する電気破砕方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、トンネルの掘削、解体、砕石及び
産業廃棄物の処理等を行う際に、岩やコンクリート等の
絶縁性のある固体を破砕する必要が生じる。かかる場合
に、この固体を機械的に破砕する機械的工法や、火薬を
用いて破砕する発破工法や、衝撃波を用いて破砕する衝
撃波工法が用いられることが多い。
【0003】ところが、この機械的工法には、破砕工具
又は破砕装置が消耗し易いという問題があり、発破工法
には、安全性、騒音並びに振動という問題があり、衝撃
波工法には、段取りに要する時間がかかるという問題が
ある。
【0004】このため、最近、オイル等の絶縁破壊電圧
が高い液体中で、岩盤やコンクリート等の非導電性の固
体を電気エネルギーの放電により破砕する技術(以下、
「電気破砕技術」と言う。)が登場してきた。
【0005】例えば、特開平4−222794号公報に
は、ドリル等によって岩石等の固体絶縁物に穴をあけ、
この穴の中に粘性のある電解液(例えば、硫酸銅電解
液)を入れた状態で高電圧パルスを供給することによ
り、プラズマ放電の電気エネルギーを用いた電気破砕を
行う技術が開示されている。
【0006】すなわち、かかる従来の電気破砕技術で
は、非導電性の固体(以下「破砕対象物」と言う。)よ
りも絶縁破壊電圧が高い電解液やオイルのような液体を
絶縁性媒体として利用して、間接的にかかる固体の電気
破砕を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術を用いて電気破砕を行う場合に、絶縁性媒体であ
る液体をその都度使い捨てることにしたのでは、膨大な
量の絶縁性媒体が必要となるため、電気破砕作業を継続
的に行ううえで効率的ではない。
【0008】このため、同じ絶縁性媒体を交換せずに繰
り返し使用して破砕作業を続行することが望ましいが、
このように絶縁性媒体を継続使用すると、絶縁性媒体中
への破砕断片の混入等により、絶縁性媒体の絶縁性が低
下する。
【0009】その結果、絶縁性媒体の絶縁破壊電圧が低
下するために、破砕対象物よりも絶縁性媒体の方に先に
放電路が確立され、該破砕対象物を電気破砕できない結
果が生じる。
【0010】したがって、かかる絶縁性媒体である液体
の絶縁性をいかに継続して監視するかという点と、該絶
縁性媒体の絶縁性の低下に対していなかる対応措置を採
るかという点が重要な課題となる。
【0011】特に、上記従来技術のように絶縁破壊電圧
の高い電解液やオイルではなく、絶縁破壊電圧が比較的
低い水等を絶縁性媒体として用いる場合には、わずかな
絶縁性の低下が電気破砕効率に大きな影響を与えるた
め、かかる絶縁性媒体の絶縁性の変動を精度良く監視せ
ねばならない。
【0012】そこで、本発明では、上記課題を解決し、
絶縁性媒体中で破砕対象物の電気破砕を行う際に、該絶
縁性媒体の絶縁性を継続的に監視するとともに、必要に
応じて絶縁性媒体の絶縁性を回復し、もって効率良く破
砕対象物の電気破砕を行うことができる電気破砕装置を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および効果】上記目的を達
成するため、第1の発明は、電極と破砕対象物との間に
絶縁性媒体を供給し、前記電極間の放電により破砕対象
物を絶縁破壊する電気破砕方法において、前記電極に電
圧パルスを印加して前記絶縁性媒体を介して破砕対象物
を電気破砕した後に、該絶縁性媒体の絶縁状態を計測
し、計測した前記絶縁性媒体の絶縁状態が所定のしきい
値よりも低下したならば、該絶縁性媒体の絶縁状態を機
能回復することを特徴とする。
【0014】このため、絶縁性媒体中で破砕対象物の電
気破砕を行う際に、該絶縁性媒体の絶縁性を継続的に監
視するとともに、必要に応じて絶縁性媒体の絶縁性を回
復し、もって効率良く破砕対象物の電気破砕を行うこと
が可能となる。
【0015】また、第2の発明は、前記絶縁性媒体の絶
縁状態は、前記破砕対象物を電気破砕する放電電極部以
外の部位で計測することを特徴とする。
【0016】このため、電気破砕作業に支障を来すこと
なく、絶縁性媒体の絶縁状態を効率良く計測することが
可能となる。
【0017】また、第3の発明は、前記絶縁性媒体の絶
縁状態は、前記電極への電圧パルスの印加に伴って生じ
る該電極における放電電圧のパルスピークの測定結果に
基づいて算定することを特徴とする。
【0018】このため、電気破砕を行う際の電極間の放
電を利用して効率良く絶縁性媒体の絶縁状態を算定する
ことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる実施の形態
について図面を参照して説明する。
【0020】まず最初に、本発明の前提となる絶縁性媒
体中での電気破砕の概念について図2を用いて説明す
る。
【0021】図2は、破砕対象物である固体と絶縁性媒
体である液体に関する絶縁破壊電圧と時間との関係を示
す図である。
【0022】同図(a)に示すように、固体の絶縁破壊
電圧及び液体の絶縁破壊電圧は、時間の経過とともに低
下する点では共通するが、液体の電圧低下率が固体の電
圧低下率よりも相対的に大きい点で相違する。
【0023】このため、図中に実線で示す固体と液体の
絶縁破壊曲線は、所定の位置(以下「クロス点」と言
う。)pで交差し、このクロス点pが固体を電気破砕す
る際の指標となる。
【0024】すなわち、立ち上がりが急峻で、かつ、固
体の絶縁破壊電圧を越える電圧パルスをクロス点pに対
応する時間tp以内に所定時間印加すれば、かかる固体
すなわち破砕対象物を絶縁破壊することができる。
【0025】ここで、図中点線で示すように、絶縁性媒
体である液体の絶縁性が低下すると、該液体の絶縁破壊
曲線と固体の絶縁破壊曲線とがクロス点p’で交差する
ため、電気破砕を行う際にクロス点p’に対応する時間
tp’よりも早く立ち上がる電圧パルスを印加する必要
が生じる。
【0026】しかしながら、マルクスジェネレータ等の
各種パルス発生器では、電圧パルスの立ち上がり時間に
おのずと限界があるため、かかる液体の絶縁性の低下に
よって電気破砕が失敗に終わる場合が生ずる。
【0027】このように、絶縁性媒体の絶縁性は電気破
砕の成否に極めて大きな影響を与えるため、本発明が着
目したように絶縁性媒体の絶縁性を監視及び改善する意
義は大きい。
【0028】また、図2(b)に示すように、同じ液体
であっても、オイルと水とでは絶縁破壊電圧が異なり、
オイルの絶縁破壊電圧は、水の絶縁破壊電圧よりも相対
的に高い。
【0029】このため、従来は、オイルを液体として採
用するとともに、マルクスジェネレータ等の通常のパル
ス発生器を使用して、かかるオイル中で固体を電気破砕
することとしていた。
【0030】これに対して、水と岩とのクロス点pwに
対応する時間twよりも早く立ち上がる電圧パルスを破
砕対象物に印加することができれば、上記オイルと同様
に水を絶縁性媒体として採用することもできる。
【0031】しかしながら、かかる水を絶縁性媒体とし
て採用する場合には、その絶縁性が低下した場合に、ク
ロス点pw’に対応する時間tw’が極めて短時間とな
り、破砕対象物の電気破砕が極めて困難となる。
【0032】このため、絶縁破壊電圧が比較的低い水な
どを絶縁性媒体として採用する場合には、その絶縁性の
微少な変動を常時監視し、絶縁性の変動に伴う適切な対
応措置を迅速にとる必要が生じる。
【0033】以上のことから、本発明では、絶縁性媒体
の絶縁性を監視しつつ、絶縁性の低下に伴う適切な対応
措置を迅速にとるよう構成している。なお、以下では、
水を絶縁性媒体として採用する場合について説明する。
【0034】次に、本実施の形態で用いる電気破砕装置
の基本構成について説明する。
【0035】図1は、本実施の形態で用いる電気破砕装
置の基本構成を示す図である。
【0036】図1に示す電気破砕装置10は、水を絶縁
性媒体として採用し、この水の絶縁破壊曲線と破砕対象
物の絶縁破壊曲線とのクロス点に達する時間よりも短時
間に立ち上がる電圧パルスを供給して破砕対象物17を
電気破砕し、かつ、この水の絶縁状態を常時監視すると
ともに、必要に応じて水の機能改善を行うよう構成した
装置である。
【0037】同図に示すように、この電気破砕装置10
は、立ち上がりの早いパルスを発生するパルス発生器1
2と、電極13を内在した破砕ヘッド11と、検出部1
4と、機能改善部15とからなる。
【0038】そして、破砕対象物17を電気破砕する場
合には、まず最初に電極13を所定の間離隔して破砕対
象物17に接触させ、保水カバーで周りを覆った破砕ヘ
ッド11内に絶縁性媒体供給部16から絶縁性媒体であ
る水を注水した後、パルス発生器12から電極13に電
圧パルスを印加して破砕対象物17を電気破砕する。
【0039】かかる電気破砕による破砕断片は、破砕ヘ
ッド11内に滞留し、破砕ヘッド11内の水の絶縁性に
影響を及ぼすため、検出部14によって水の絶縁性を検
出する。
【0040】そして、この検出部14が検出した水の絶
縁値が所定のしきい値以下に低下したならば、機能改善
部15が破砕ヘッド11内の水を機能改善して絶縁性を
向上させる。
【0041】なお、機能改善部15による機能改善を行
ったとしても、水の絶縁性がしきい値以下に制限される
場合には、破砕ヘッド11内の水を破棄し、絶縁性媒体
供給部16が新たな水を破砕ヘッド11内に供給する。
【0042】このように、上記電気破砕装置10は、単
に破砕対象物17を絶縁性媒体中で電気破砕するだけで
なく、破砕ヘッド11内の絶縁性媒体の絶縁性を監視
し、絶縁性の低下が生じた場合には、絶縁性媒体の機能
改善を行う。
【0043】次に、図1に示す電気破砕装置10の処理
手順について説明する。
【0044】図3は、図1に示す電気破砕装置10の処
理手順を示すフローチャートである。
【0045】図3に示すように、この電気破砕装置10
は、まず最初に、破砕対象物17に電極13を接触さ
せ、破砕ヘッド11内に水を注水した後、パルス発生器
12から電圧パルスを電極13に印加して、該破砕対象
物17を電気破砕する(ステップ301)。
【0046】次に、検出部14がこの破砕ヘッド11内
の絶縁性媒体である水の絶縁状態を検出し(ステップ3
02)、この絶縁値が所定のしきい値以上であるか否か
を調べる(ステップ303)。
【0047】そして、この絶縁値が所定のしきい値以上
であればステップ305に移行し、該しきい値未満であ
れば機能改善部15が破砕ヘッド11内の水の機能改善
を行う(ステップ304)。なお、この機能改善には、
破砕ヘッド11内の水の交換も含まれる。
【0048】上記処理を作業完了まで繰り返し(ステッ
プ305)、効率良く電気破砕を行う。
【0049】このように、この電気破砕装置10は、破
砕ヘッド11内の絶縁性媒体である水の絶縁性を検出部
14で検出し、状況に応じて絶縁性が低下した水の機能
改善を行う。
【0050】次に、図1に示す検出部14について具体
的に説明する。
【0051】図4は、図1に示す検出部14の第1の具
体例を示す図である。
【0052】同図に示すように、この具体例では、セン
サ部41を破砕ヘッド11に隣接して配置し、このセン
サ部41を用いてパイプ42を介して取得した水43の
絶縁破壊電圧の変動を計測する。
【0053】センサ部41は、破砕ヘッド11内の水4
3の温度と、圧力と、溶解ガスとを測定することができ
る多機能センサであり、図示しない制御部が各測定値に
基づいて水43の絶縁破壊電圧を算定する。
【0054】具体的には、センサ部41は、まず最初に
水43内が含有する溶解ガスを検出し、溶解ガスが所定
のしきい値以上存在する場合には、さらに水43の圧力
及び温度を検出する。そして、この水43の溶解ガスの
含有量、圧力及び温度に基づいて、水43の絶縁性を算
定する。
【0055】なお、かかる溶解ガスの含有量、圧力及び
温度の変動は、主として破砕対象物の電気破砕及び環境
条件の変化によるものである。例えば、破砕対象物の組
成物に対して高電圧パルスが印加されると、破砕対象物
が電気破砕される際に発生するガスが水43に溶解す
る。また、高電圧パルス及び破砕断片等の影響を受けて
水43の温度及び圧力が変化する。
【0056】図5は、溶解ガスの含有量、圧力及び温度
と絶縁破壊電圧との相関関係を示す図である。
【0057】同図(a)の曲線50は、溶解ガスが存在
しない場合の圧力と絶縁破壊電圧の関係を示し、また曲
線51は、溶解ガスが所定量存在する場合の圧力と絶縁
破壊電圧の関係を示している。
【0058】これらの曲線50及び曲線51から明らか
なように、絶縁破壊電圧は、溶解ガスが存在しない場合
には圧力の変動による影響を受けないが、溶解ガスがあ
る程度存在すると、圧力低下に伴って該絶縁破壊電圧に
ついても低下する。
【0059】同図(b)の曲線52は、溶解ガスが存在
しない場合の温度と絶縁破壊電圧の関係を示し、また曲
線53は、溶解ガスが所定量存在する場合の温度と絶縁
破壊電圧の関係を示している。
【0060】これらの曲線52及び曲線53から明らか
なように、絶縁破壊電圧は、溶解ガスが存在しない場合
には温度の変動による影響を受けないが、溶解ガスがあ
る程度存在すると、温度の上昇に伴って該絶縁破壊電圧
も低下する。
【0061】このように、水43の絶縁破壊電圧すなわ
ち絶縁性は、溶解ガス、圧力及び温度と密接な関係にあ
るため、このセンサ部41では、水43の溶解ガス、圧
力及び温度を検知する必要があるのである。
【0062】そして、このセンサ部41が検知したデー
タを受け取った図示しない制御部では、これらのデータ
に基づいて破砕ヘッド11内の水43の絶縁破壊電圧を
算定し、水43でのリークが生じる程度にまで該絶縁破
壊電圧が低下したならば、絶縁性の機能改善を行う。
【0063】このように、溶解ガス、圧力及び温度を検
出するセンサ部41を図1に示す検出部14として用い
ることができる。
【0064】次に、図1に示す検出部14の別の具体例
について説明する。
【0065】図6は、図1に示す検出部14の第2の具
体例を示す図である。
【0066】同図(a)に示すように、ここでは、検出
部14としてブリッジ回路61を設け、水43内に設置
した測定用電極62を介してブリッジ回路61が水43
の抵抗値を算定する。
【0067】また、同図(b)は、ブリッジ回路61の
一例を示す図であり、この図に示すように、かかるブリ
ッジ回路61としては、単純な構造を持つ交流4端子ブ
リッジ等を使用することができる。
【0068】具体的には、このブリッジ回路61の3辺
のインピーダンスZ2、Z3及びZ4と、水43のイン
ピーダンスZ1との釣り合いから、インピーダンスZ1
を算定することになる。
【0069】なお、かかる検出部14において水43の
抵抗値を検出する理由は、抵抗値と絶縁破壊電圧とが密
接な関係にあるからである。
【0070】具体的には、図7に示すように、水の抵抗
率が上がるにつれて絶縁破壊電圧が大きくなり、また水
の抵抗率が下がるにつれて絶縁破壊電圧が小さくなると
いう関係にある。
【0071】このため、破砕ヘッド内11の水43の抵
抗値が、破砕断片等の影響によって低下し、これに対応
して水43でのリークが生じる程度にまで絶縁破壊電圧
が低下したならば、図示しない機能改善部が水43の絶
縁性の機能改善を行う。
【0072】このように、ブリッジ回路等の抵抗値測定
系を図1に示す検出部14として用いることもできる。
【0073】次に、図1に示す検出部14の別の具体例
について説明する。
【0074】図8は、図1に示す検出部14の第3の具
体例を示す図である。
【0075】図8(a)に示すように、ここでは検出器
14としてのパルスピーク電圧測定器81を、パルス発
生器12と電極13との間に設け、このパルスピーク電
圧測定器81によって放電パルスのピークを測定する。
【0076】具体的には、パルス発生器12が電極13
に電圧パルスを印加し、電極13間で放電が行われたな
らば、この放電パルスをパルスピーク電圧測定部81で
測定する。
【0077】そして、この測定結果を受け取った図示し
ない制御部は、放電パルスのピーク電圧を所定のしきい
値と比較して、その比較結果に基づいて水43の機能改
善を行うか否かを制御する。
【0078】すなわち、このパルスピーク電圧測定器8
1は、パルス発生器12と電極13による実際の放電を
検知することにより、その電圧パルスのピークを測定す
るものである。
【0079】なお、絶縁性媒体の絶縁性が低下すると、
絶縁性媒体中でリークが生ずるために、電圧パルスのピ
ークは低下する。
【0080】同図(b)は、計測専用の計測用パルス発
生器82と計測用電極83との間にパルスピーク電圧測
定器81を配置し、このパルスピーク電圧測定器81に
より電圧パルスのピークを測定するものである。
【0081】すなわち、同図(a)のものと比較する
と、パルスピーク電圧測定器81専用のパルス発生器8
2及び計測用電極83を設けた点が異なる。かかる専用
のパルス発生器82及び計測用電極83を設けた理由
は、破砕対象物17の電気破砕を伴わずに水43の絶縁
性を検出するためである。
【0082】具体的には、図8(a)に示す場合には、
実際の電気破砕の場を活用して電圧パルスのピークを測
定するため、電気破砕を伴うことなしに電圧パルスのピ
ークを測定することはできない。
【0083】また、かかる場合の電極13間の距離すな
わちギャップは、効率良く電気破砕を行えるように可能
な限り広く設定されているため、印加される電圧は極め
て高圧なものとなる。
【0084】これに対して、図8(b)の場合には、計
測用電極83間の距離を自由に設定することができ、ま
た、計測用パルス発生器82を別個に設けたので、低電
圧パルスを用いて所望のタイミングで電気破砕を伴わず
に絶縁性を検出することができる。
【0085】このように、パルス発生器12と電極13
との間に設けたパルスピーク電圧測定器81、又は計測
用パルス発生器82、計測用電極83及びパルスピーク
電圧測定器81からなる測定系を図1に示す検出部14
として採用することが可能である。
【0086】次に、図1に示す検出部14の別の具体例
について説明する。
【0087】図9は、図1に示す検出部14の第4の具
体例を示す図である。
【0088】図9に示すように、この具体例では、通電
開始電圧を示すいわゆるフラッシュオーバー電圧を測定
するフラッシュオーバー電圧測定器91を、計測用電源
92と計測用電極93との間に設け、このフラッシュオ
ーバー電圧測定器91によって計測用電圧を印加した際
のフラッシュオーバー電圧を測定する。
【0089】すなわち、この具体例では、図8(b)に
示すパルスピーク電圧測定器81に代えてフラッシュオ
ーバー電圧測定器91を設け、これにより低電圧電源を
用いて所望のタイミングで電気破砕を伴わずに絶縁性を
検出できるようにしたものである。なお、絶縁性媒体の
絶縁性が低下すると、導電性の上昇により、フラッシュ
オーバー電圧は低下する。
【0090】また、かかるフラッシュオーバー電圧を測
定することとすると、直流電源や商用交流電源等のよう
な手軽に入手できる電源を計測用電源92として用いる
ことができる。
【0091】このように計測用電源92、計測用電極9
3及びフラッシュオーバー電圧測定器91からなる測定
系を図1に示す検出部14として採用することもでき
る。
【0092】以上、図1に示す検出部14に係わる4つ
の具体例について説明した。
【0093】次に、上記検出部14の結果を用いて絶縁
性媒体の機能改善を行う機能改善部15について具体的
に説明する。
【0094】図10は、図1に示す機能改善部15の第
1の具体例を示す図である。
【0095】同図に示すように、検出部14が破砕ヘッ
ド11内の絶縁性媒体の絶縁性を検出すると、この検出
結果は制御部100に対して出力され、該制御部100
が絶縁性媒体の機能改善制御を行う。
【0096】具体的には、絶縁性媒体の絶縁性が所定の
しきい値よりも高ければ、該絶縁性媒体を継続使用して
電気破砕作業を続行し、また絶縁性が所定のしきい値以
下となったならば、廃棄弁103を開いて破砕ヘッド1
1内の絶縁性媒体を廃棄した後に、ポンプ102がタン
ク101内の絶縁性媒体を破砕ヘッド11内に供給する
よう制御する。
【0097】すなわち、この制御部100では、絶縁性
媒体の絶縁性を所定のしきい値と比較し、所定のしきい
値以下となった時点で絶縁性媒体を交換するという機能
改善を行っている。
【0098】このように、かかる制御部100、タンク
101、ポンプ102及び廃棄弁103を図1に示す機
能改善部16として用いて、破砕ヘッド11内の絶縁性
媒体自体を交換する機能改善を行うことができる。
【0099】次に、図1に示す機能改善部15の別の具
体例について説明する。
【0100】図11は、図1に示す機能改善部15の第
2の具体例を示す図である。
【0101】同図に示すように、この具体例では、検出
部14が破砕ヘッド11内の絶縁性媒体の絶縁性を検出
すると、この検出結果は制御部110に対して出力さ
れ、該制御部110が絶縁性媒体の機能改善制御を行
う。
【0102】具体的には、絶縁性媒体の絶縁性が所定の
しきい値よりも高ければ、ポンプ111を停止させ、ま
た絶縁性が所定のしきい値以下となったならば、ポンプ
111がパイプ113及び114を介して破砕ヘッド1
1内の絶縁性媒体を巡回させる。
【0103】ここで、このパイプ114には、イオン交
換樹脂膜等からなる機能改善部112が設けられている
ため、絶縁性媒体の絶縁性の低下に応じて該絶縁性媒体
のフィルタリングを行うことになる。
【0104】このように、かかる制御部110が、ポン
プ111を切替制御して絶縁性媒体の機能改善を行う構
成を図1に示す機能改善部16として用いることもでき
る。
【0105】以上、図1に示す機能改善部15について
説明した。
【0106】ところで、上記説明では、検出部14が破
砕ヘッド11に滞留した絶縁性媒体の絶縁性を検出する
こととしたが、絶縁性媒体供給部16等の絶縁性媒体の
絶縁性を検出するよう構成することもできる。
【0107】そこで、図1に示す検出部14が破砕ヘッ
ド11以外の絶縁性媒体の絶縁性を検出する具体例につ
いて説明する。
【0108】図12は、検出部が破砕ヘッド11ではな
くタンク120内の絶縁性媒体の絶縁性を検出する具体
例を示す図である。
【0109】図12(a)及び(b)に示すように、こ
の具体例では、破砕ヘッド11内の絶縁性媒体とタンク
120内の絶縁性媒体とがポンプ121によって巡回す
るよう構成されている。
【0110】すなわち、破砕ヘッド11内の絶縁性媒体
の絶縁性が低下すると、タンク120内の絶縁性媒体の
絶縁性についても低下するため、同図(a)に示す検出
部122ではタンク120内の絶縁性媒体の絶縁性を検
出し、また同図(b)に示す検出部124では抽出部1
23に所在する絶縁性媒体の絶縁性を検出することとし
ている。
【0111】このように、図1に示す検出部14は、必
ずしも破砕ヘッド11内の絶縁性媒体の絶縁性を直接的
に検出する必要はなく、絶縁性媒体供給部16等の絶縁
性媒体の絶縁性を検出するよう構成することもできる。
【0112】そして、この検出部122及び124によ
る検出結果は、図示しない制御部に出力され、該制御部
が絶縁性媒体に対して、すでに説明した各種の機能改善
処置が施される。
【0113】上述してきたように、本実施の形態では、
検出部14が破砕ヘッド11内の絶縁性媒体の絶縁性を
検出し、この検出結果が所定のしきい値以下の場合に
は、機能改善部15がかかる絶縁性媒体の機能改善を行
うよう構成したので、下記に示す効果が得られる。
【0114】1)絶縁性媒体の絶縁性を継続的に監視
し、もって絶縁性媒体の絶縁性の低下に伴う電気破砕効
率の低下を未然に防止することができる。
【0115】2)絶縁性媒体の絶縁性が所定のしきい値
以下に低下した場合に、該絶縁性媒体の絶縁性回復を行
い、もって電気破砕効率の向上を図ることができる。
【0116】また、本実施の形態では、絶縁性媒体の絶
縁性を破砕対象物17を電気破砕する破砕ヘッド11以
外の部位で計測するよう構成したので、電気破砕作業に
支障を来すことなく、絶縁性媒体の絶縁性を効率良く計
測することができる。
【0117】また、本実施の形態では、絶縁性媒体の絶
縁性を、電極13への電圧パルスの印加に伴って生じる
該電極13におけるパルスピーク電圧の測定結果に基づ
いて算定するよう構成したため、電気破砕を行う際の電
極13間の放電を利用して効率良く絶縁性媒体の絶縁性
を算定することができる。
【0118】なお、本実施の形態では、絶縁性媒体の一
例として水を用いる場合について示したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、オイル等の他の絶縁性媒
体を用いる場合に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態で用いる電気破砕装置の基本構成
を示す図。
【図2】本発明の前提となる絶縁性媒体中での電気破砕
の概念を示す図。
【図3】図1に示す電気破砕装置の処理手順を示すフロ
ーチャート。
【図4】図1に示す検出部の第1の具体例を示す図。
【図5】溶解ガスの含有量、圧力及び温度と絶縁破壊電
圧との相関関係を示す図。
【図6】図1に示す検出部の第2の具体例を示す図。
【図7】水の抵抗率と絶縁破壊電圧との関係を示す図。
【図8】図1に示す検出部の第3の具体例を示す図。
【図9】図1に示す検出部の第4の具体例を示す図。
【図10】図1に示す機能改善部の第1の具体例を示す
図。
【図11】図1に示す機能改善部の第2の具体例を示す
図。
【図12】検出部が破砕ヘッド以外の絶縁性媒体の絶縁
性を検出する具体例を示す図。
【符号の説明】
10…電気破砕装置、 11…破砕ヘッド、 12…パ
ルス発生器、13…電極、 14…検出部、 15…機
能改善部、16…絶縁性媒体供給部、 17…破砕対象
物、41…センサ部、 42…パイプ、 43…水、6
1…ブリッジ回路、 62…測定用電極、81…パルス
ピーク電圧測定器、 82…計測用パルス発生器、8
3,93…計測用電極、 91…フラッシュオーバー電
圧測定器、92…計測用電源、 100,110…制御
部、101,120…タンク、 102,111,12
1…ポンプ、103…廃棄弁、 112…機能改善部、
113,114…パイプ、 122,124…検出部、
123…抽出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 豊 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 伊能 崇雄 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極と破砕対象物との間に絶縁性媒体を
    供給し、前記電極間の放電により破砕対象物を絶縁破壊
    する電気破砕方法において、 前記電極に電圧パルスを印加して前記絶縁性媒体を介し
    て破砕対象物を電気破砕した後に、該絶縁性媒体の絶縁
    状態を計測し、 計測した前記絶縁性媒体の絶縁状態が所定のしきい値よ
    りも低下したならば、該絶縁性媒体の絶縁状態を機能回
    復することを特徴とする電気破砕方法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁性媒体の絶縁状態は、 前記破砕対象物を電気破砕する放電電極部以外の部位で
    計測することを特徴とする請求項1記載の電気破砕方
    法。
  3. 【請求項3】 前記絶縁性媒体の絶縁状態は、 前記電極への電圧パルスの印加に伴って生じる該電極に
    おける放電電圧のパルスピークの測定結果に基づいて算
    定することを特徴とする請求項1記載の電気破砕方法。
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