JPH1023735A - リニアモータ - Google Patents

リニアモータ

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JPH1023735A
JPH1023735A JP17684896A JP17684896A JPH1023735A JP H1023735 A JPH1023735 A JP H1023735A JP 17684896 A JP17684896 A JP 17684896A JP 17684896 A JP17684896 A JP 17684896A JP H1023735 A JPH1023735 A JP H1023735A
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Atsushi Horikoshi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同一磁石面積下の推力を大きくでき、且つ電流
分布を連続して滑らかに変化させて推力リップルを低減
でき、さらにコイルの発熱を効率よく冷却できる可動磁
石型のリニアモータを提供する。 【解決手段】中空孔を有する多相のコアレスコイル1を
重ね巻きにしてモータ進行方向に相順に配列すると共
に、非磁性材からなる冷却管12を中空孔に通してコイ
ル1に密着させ、コイル群を固定する。可動側の永久磁
石2は、コアレスコイル1の配列をギャップを介して挟
むように異なる極性の磁石2を一対に対向させると共
に、対をなす磁石2,2を相隣る磁極の極性が相互に異
なるようにしてコイル配列方向にコイル配列ピッチに合
わせて複数組配設し、それらの複数組の永久磁石2を相
対する永久磁石間に磁気ギャップを保持する支持板16
を介して一体に連結した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモータの改
良に関する。特に、高精度な位置決め機構が必要とされ
る半導体製造装置やFA分野の駆動機構として好適に使
用できるものである。
【0002】
【従来の技術】可動側に永久磁石を配置した可動磁石型
リニアモータは、可動側での発熱がなく、また固定側に
配したコアレス型コイル(以下、コアレスコイルまたは
単にコイルと記述する)との間に吸引力が作用しないた
め、高精度の位置決め機構用の駆動装置として好適に使
用されている。
【0003】従来のこの種のリニアモータとしては、例
えば特開平8−107665号公報に開示されたものが
ある。このものは、図25に示すように、リニアモータ
の進行方向に集中巻きした多相(ここではU,V,Wに
3相)のコアレスコイル1を平らに並べて固定配置し、
そのコイル列を挟んで両側に、複数組みの永久磁石2が
可動部として配設されている。相対する組みをなす永久
磁石2,2は異なる極性をもって一対に対向し、その磁
束はコアレスコイル1を貫通している。また、相隣る永
久磁石2同士は極性が相互に異なるようにしてコイル配
列方向に複数組(図では4組)配設してあり、それらの
隣接磁石同士が片側ずつ強磁性材からなる磁石プレート
3に接着保持されている。上記コアレスコイル1は永久
磁石2の位置に応じて励磁相を切り替えられるように、
磁石2の配列ピッチに対して位相をずらして配置されて
いる(図25(2)参照)。
【0004】図26は、この可動部である永久磁石2を
一体的に図の右方向に移動させる際の電流分布の変化を
示している。対向して一対をなす各組の永久磁石2,2
の磁束は当該磁石2,2の進行方向に対しその中央部で
最も高い(点線で示す)。この磁束密度の最も高い位置
にある相のコイル1の電流を最も大きくした方が大きな
推力が発生する。そこで、UVWの各相の電流を、刻々
移動する永久磁石2の位置に応じて上記条件に合致させ
るように制御する。図26(1)はコイル1と永久磁石
2との位置関係とV相ピークの電流分布を、同図(2)
は同じくW相ピークの場合、同図(3)はU相ピークの
場合をそれぞれ示したもので、永久磁石2の右方移動に
同期して電流分布のピークも右方に移動している。
【0005】いま、磁石プレート3の内側での永久磁石
2が発生する磁束密度分布B(y)〔ここに、yは進行
方向の磁石内での位置〕、同じくギャップ間のコイル1
の電流分布をI(y)とし、コイル1の進行方向に対し
横方向の一辺の長さをD、磁極ピッチL、磁石磁束数4
とすると、このモータの推力Fは磁束密度分布と電流密
度分布との積をギャップ方向に積分した式で表され、 となる。
【0006】この式から、磁束密度が最も大きい位置で
電流密度を大きくしないと効率的に推力として発生しな
いことがわかる。この状態で磁束密度の分布は永久磁石
2で決定されるが、I(y)は可動部の位置に応じて多
相コイル1に流す電流を選択して生成しなくてはならな
い。しかるに、コイル1に流す最大電流は、コイル線
径,断面積,放熱などにより制限されるから、可動部の
決められた磁束密度の制約下で最も効率的に推力を発生
するためには、磁束密度がピークとなる位置下で電流分
布が制限されたピーク値となるような結線及びコイル配
置にする必要がある。また、一般的な磁束密度分布を近
似的に正弦波分布とした場合、電流分布も正弦波分布と
して B(y)=b×sin(2πy/2L) I(y)=i×sin(2πy/2L) とすることが同一面積下の制約の中で最も効率的に推力
を発生できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、特定位置の磁石のギャップの中にある
相の電流はピーク電流値にできるが、他の位置の磁石の
ギャップの中にある相の位置はずらしてあるため電流を
大きくできず、同一磁石面積下の推力が大きくできない
という問題点がある。
【0008】しかも、そればかりでなく、1個の永久磁
石下のコイル数が少ないために可動部の位置に応じて電
流分布を連続して滑らかに変化させることができないと
いう問題点がある。
【0009】また、コイルに電流を流した際の発熱を効
率良く冷却して除去することが難しいという問題点もあ
る。そこで本発明は、このような従来の可動磁石型リニ
アモータの問題点に着目してなされたものであり、同一
磁石面積下の推力を大きくでき、且つ電流分布を連続し
て滑らかに変化させて推力リップルを低減でき、さらに
コイルの発熱を効率よく冷却できる可動磁石型のリニア
モータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する請
求項1に係る発明は、固定側にコアレスコイル、可動側
に永久磁石を配置した多相リニアモータであって、固定
側は中空孔を有する多相のコアレスコイルを重ね巻きに
してモータ進行方向に順に配列すると共に、非磁性材か
らなる冷却管を当該中空孔に通しコイルに密着固定して
なり、可動側は異なる極性の磁石を磁気ギャップを介し
て対向させた永久磁石で前記コアレスコイルを挟み、且
つその対をなす磁石の複数組を相隣る磁極の極性が相互
に異なるようにしてコイル配列方向にコイル配列ピッチ
に合わせて複数組配設すると共に、それらの複数組の永
久磁石を前記磁気ギャップを保持する支持部材を介して
一体に連結してなることを特徴とする。
【0011】ここで、前記可動側の永久磁石は、その磁
束密度が進行方向に正弦波状分布となる形状及び/又は
取付け角度を有するものとすることができる。図1は、
本発明に係るリニアモータの基本構成を示す断面図であ
る。固定側(固定部10)にコアレスコイル1、可動側
(可動部15)に永久磁石2を配置した多相リニアモー
タであり、したがって可動体側での発熱はない。このリ
ニアモータの固定側のコアレスコイル1は、例えばU,
V,Wの3相の場合であれば、これら各相のコイルをモ
ータ進行方向Xに順に並べ、同相のコイル同士が一定の
間隔L(ピッチL)を保つように配置して重ね巻きで配
列されている。すなわち、隣接する同相のコイルの対応
する各辺は進行方向にピッチLだけ隔てて組み立てられ
ると共に、その対応各辺に逆方向の電流を流すように接
続され、各コイルのモータ進行方向にほぼ直交するコイ
ルの2辺のうちの1辺は、ピッチLで隣接する同相コイ
ルの他の1辺に重ねて配置されている。
【0012】図2に、このコイル巻線と電流方向とのモ
デル図を示す。図2(1)は、分かりやすいように各コ
イル1の巻数を1巻として表しているが、実際は複数巻
である。また、3相交流のU,V,W相の結線を上,
中,下段にそれぞれずらすと共に、隣接するコイルの重
ねられたコイル辺もずらして記載しているが、実際はこ
れらU,V,W相の各結線はモータ進行方向Xに重ねら
れて、例えばスター結線される。これを図のU相の結線
について具体的に説明すると、矢符号Xで示すモータ進
行方向に複数個が配列されているコイル1において、モ
ータ進行方向Xに直交する二つの辺1a ,1b のうちの
一辺1b は、距離Lを隔てて隣接している他のコイル1
の一辺1a に重ねられている。いま各コイル1の二辺1
a ,1b を流れる電流の方向と大きさをそれぞれ矢符号
ia ,ib で表すと、隣接するコイル1の対応する各辺
1a ,1a (1b ,1b )には大きさが等しい逆方向の
電流を流すように結線されているため、同相の重ねられ
たコイル辺1b ,1a を流れる電流ib ,ia は同一方
向である。
【0013】図2(1)には、このスター結線された
U,V,Wの三相を、図示しない各相毎の駆動用アンプ
で三相対称電流駆動する際、ある瞬間の電流値がU:
V:W=2:−1:−1(流入方向を+とする)の比率
で流れているときの各コイルの電流方向と大きさとを、
各コイル上に矢符号iで示している。このように電流を
流しているときの各位置での電流密度分布を、図2
(2)に示す。本発明の重ね巻きされた多相のコアレス
コイルをこのように結線して電流を流すことにより合成
された電流分布は、ピッチ2Lの正弦波状の分布にな
る。
【0014】本発明の上記各コイル1は中空孔を有して
おり、その中空孔に通してコイルに密着させた非磁性材
からなる冷却管でコイルの固定と冷却が行われる。かく
して、本発明はコイルの発熱を直接冷却管で吸収して効
率よく冷却することができる。
【0015】本発明のリニアモータの可動部15は、以
上のように配列して結線されているコイル列を磁気ギャ
ップを介して挟むようにして、モータ進行方向Xの両側
に配置された複数個の永久磁石2を備えている。それら
の永久磁石2は、コイル列を挟んで磁性の異なる磁極同
士を対向させたものを一対とし、その対向する磁極間の
磁束がコイル1を貫通するように配置されている。ま
た、その対をなす複数組(図1では二組)の磁石を、相
隣る磁極の極性が相互に異なるようにしてコイル配列方
向に配設している。図1では、コイル列の両側に4個の
永久磁石2を配し、相隣る異なる磁性の2個の永久磁石
2,2同士を、コイル配列ピッチLと同じ間隔Lで配列
して共通の磁性体板(磁石プレート)3に接着等の手段
で一体に固着しているが、この4個の磁石配置を例えば
8個の永久磁石を用いて連続して繰り返すことにより、
固定部10の磁束ピッチは2Lとなる。
【0016】コイル列を挟んで対向させた上記複数組の
永久磁石2は、磁気ギャップを確保するべく上下の磁性
体板3の間に組み込まれた支持部材(16)を介して一
体に保持されて可動部15を構成している。
【0017】本発明にあっては、後述するように、磁石
プレート3に固着する永久磁石2の形状をギャップ面か
らみて(磁束の流れる方向からみて)菱形にしたり、台
形形状にしたり、平行四辺形にしたり、或いは永久磁石
2を貼り付ける角度を傾けたりすることにより、可動部
の磁束密度分布を正弦波状にすることができる。
【0018】かくして本発明のリニアモータによれば、
可動部の磁束密度分布が正弦波であり、前述したコイル
の電流分布が正弦波であることと相まって、可動部の位
置に応じて電流分布を連続して滑らかに変化させること
ができ、リニアモータの推力リップルを低減することが
できる。
【0019】また、一個の永久磁石の面積下のコイル数
を多くできるから、同一磁石面積下の推力を大きくでき
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図3ないし図9は本発明の第1の
実施形態を示したものである。なお、従来と同一又は相
当部分には同一の符号を付してある。
【0021】先ず構成を説明すると、三相のリニアモー
タの固定部10には、中空穴を有するコアレスコイル1
がモータ進行方向Xに複数個配列されている。各コイル
1はその中空穴に二本の例えば銅パイプ製の冷却管12
を通して、おのおの接着剤で固定されている。コイル1
は、三相の電流を流すU,V,Wの各相のコイルがあ
り、X方向に順に並べて、先に述べたように重ね巻きで
配置されている。なお、コイル1における同相コイルの
重なりは完全に一致していなくてもよい。むしろ、電流
分布を滑らかにするために多少ずれていても良い。
【0022】各コイル1の中央部は、磁気ギャップが最
小となるようにプレス成形され、中空穴を潰して接着剤
で接着されている。冷却管12は、図示しない冷却装置
に連結され、循環する冷媒によってコイル1の発熱を吸
収除去するようになっている。この固定部10は、図外
のモータ基台上に固定して設置される。
【0023】可動部15は、上記コイル1のプレスされ
た中央部を挟んで上下両側に配した複数の永久磁石2
と、その永久磁石2を接着固定した磁性体からなる磁石
プレート3と、上下の磁石プレート3の間に介装され、
コイル1を挟んで対向する各永久磁石2の磁極間の磁気
ギャップを確保している支持部材16とを備えている。
永久磁石2の配列は、先に図1を用いて述べたものと同
じである。
【0024】この可動部15は、例えば直動案内軸受装
置(リニアガイド装置)や、静圧気体軸受装置(エアス
ライド)、またはボールスプライン装置等の直動案内手
段で支持されX方向に滑らかに移動可能である。
【0025】このリニアモータは、さらに、可動部15
の永久磁石と固定部10のコイル位置との位相関係を検
出するために例えばACサーボモータで通常使用される
UVW極検出センサ、可動部15の位置を検出するリニ
アスケール位置検出器、駆動指令と位置検出器からのフ
ィードバック信号に基づき推力指令を生成する制御回
路、UVW極検出センサの信号とリニアスケール位置検
出器の信号とに基づき三相正弦波電流波形を出力する三
相正弦波発生器、この三相正弦波発生器から出力された
三相正弦波電流波形と前記推力指令とを積算してUVW
の三相コイルの電流を制御する三相アンプ回路とを備え
て、位置決めあるいは駆動を行うように構成されてい
る。
【0026】図6にこの実施形態のリニアモータの駆動
制御ブロック図を示す。図の点線1内がリニアモータの
負荷ブロックで、Mは可動部15の質量、sはラプラス
変換子である。点線2内は三相アンプ回路20である。
また、Kpは位置比例器の位置ループゲイン、Kvは速
度比例器の速度ループゲイン、Ktはリニアモータのト
ルク定数である。この制御回路により、可動部15の位
置を検出する位置検出器(リニアスケール)21からの
位置情報をもとに、可動部15の速度及び位置を算出し
て、リニアモータのUVW三相のコイル電流のフィード
バック制御を行う。ここでは定電流制御を行っているの
で、逆起電力定数は省略した。すなわちフィードバック
情報に基づいて制御回路から発信された推力指令は三相
アンプ回路20に入力され、三相アンプ回路20はその
推力指令により三相のコイル1と永久磁石2との位置関
係に応じた三相電流制御を行う。
【0027】図7は上記三相アンプ回路20のブロック
図である。このアンプ回路は、UVW極検出センサ22
からの信号とリニアスケール21からの位置信号(A/
B相)とを入力するピッチ2Lの周期のリングカウンタ
23と三相波形を記憶した三個のROM24とその波形
信号をデジタル/アナログ変換するIC25とでなる三
相正弦波発生器26を備えている。
【0028】次に作用を説明する。まず、可動部15の
永久磁石2と固定部10のコイル位置との位相関係を検
出したUVW極検出センサ22からの信号、及びリニア
スケール21からのAB相信号を、位置に応じた三相正
弦波電流波形を生成するために、三相正弦波発生器26
のリングカウンタ23に入力し、そのリングカウンタ2
3からの位置情報を三個のROM24に入力する。この
ROM24からの波形信号をデジタル/アナログ変換I
C25でアナログ信号に変換する。その変換した三波形
を、制御回路からの推力指令と乗算し、必要な推力に比
例した三相電流波形として三組の定電流アンプ28に入
力する。各定電流アンプ28はUVWの三相の各コイル
1に、制御されたコイル電流を流す。こうして、位置指
令,制御指令に応じて三相電流波形が制御でき、電流分
布の正弦波化及び磁束密度分布の正弦波化を行うことに
より、推力指令に比例すると共に位置による推力リップ
ルの少ない安定したリニアモータ駆動が達成される。
【0029】上記のモータ駆動時に、推力指令を一定に
したときの変位に対するUVW三相の電流波形を図8に
示す。また、変位に対する推力の測定データを図9に示
す。これから、本発明のリニアモータにより推力リップ
ルの少ないという特性が得られることが明らかである。
【0030】上記実施形態では、コアレスコイルの冷却
構造として、非磁性材である銅製の丸パイプからなる二
本の冷却管12を使用したものを示している。このよう
に二本の冷却管12をコアレスコイル1の中空穴の両サ
イドに配設すると、コイル中央を貫通する対向永久磁石
2,2の磁束は、冷却管12を貫通しない。それ故に、
冷却管12が非磁性材であっても、永久磁石2,2の移
動に伴って渦電流が発生することがなく、従って可動部
への粘性抵抗が生じない。
【0031】もっとも、本発明のリニアモータにおける
コイル冷却構造をこれに限定するものではない。図10
〜図13に、コアレスコイルの冷却構造の他の例を示
す。図10のものは、冷却管12が一個で、コイル1の
内面全面に接触させて発熱を吸収する構造である。コイ
ルとの接触面積が最大になり、且つ冷却管12を非磁性
金属製にした場合には、コイル1の内側の磁束に対しシ
ョートコイルとして機能するため、駆動アンプ側からみ
た各相コイルのインダクタンスが小さくなり、電流指令
に対する電流の追従性が良くなるという利点がある。
【0032】図11のものは、二本の冷却管12を使用
しているが、その配管断面を角形にした構造である。断
面円形のものよりコイル1を偏平にする(中空穴11の
短径を小さくする)ことができてコイル1を挟む永久磁
石の磁気ギャップをより小さくすることが可能で、且つ
コイルとの接触面積が大きくできる利点がある。二本の
冷却管12をコアレスコイル1の両サイドに配設した利
点は、上述した断面円形の場合と同様である。
【0033】図12のものは、図10に示すもののコイ
ル中央部をプレス成形して密着させた構造である。コイ
ル1を挟む永久磁石の磁気ギャップを小さくすることが
できるので同じ永久磁石2を用いても磁束密度がより高
められ、ひいては推力が増大するという利点がある(推
力が必要のない場合には、磁石の厚さを薄くできる)。
また、コイルとの接触面積がプレス成形しないものより
大きくできるので冷却性能が高められる利点もある。
【0034】図13のものは、図10に示す一個の冷却
管12を分割したもので、複数本(8本)の冷却管12
を互いに電気的に絶縁してコイル1の中空穴11の長径
一杯に密着固定した構造である。図10のもので永久磁
石2の移動に伴い発生する渦電流を減少できて、可動部
へ働く粘性抵抗をすくなくできるという利点がある。
【0035】続いて、図14〜図16に本発明のリニア
モータの第2の実施形態を示す。この実施形態では、上
記図10に示すコイル冷却構造を採用している。また、
可動部15には合計8個の永久磁石2を使用し、そのう
ちの4個の永久磁石2を隣接する極性が交互で且つ同極
性の磁極間のピッチが2Lとなるように配列して磁石プ
レート3に固着している。
【0036】一個の冷却管12をコイル列の内面全面に
接触させて発熱を吸収するので高い冷却効率が得られ
る。その冷却管12を非磁性金属例えば銅製にするとシ
ョートコイルとしても機能するため、電流指令に対する
電流の追従性が良くなる等の効果を奏する。
【0037】その他の作用効果は、第1の実施形態のも
のとほぼ同様である。なお、本発明のリニアモータにお
けるコイル冷却管は、その外周部に、コイル位置決め用
の突起又はピン等を設けてもよい。
【0038】また、コイル冷却管は、コイルとの電気的
絶縁のため各種の合成樹脂,シリコン等の絶縁塗装を施
したり,絶縁紙を巻いたり、あるいは管をアルミにした
場合には電気的絶縁と冷却機能を両立させるべくアルマ
イト処理することができる。
【0039】また、コイルの冷却管として、ヒートパイ
プを使用してもよい。また、固定部のコイルと冷却管と
を一体に樹脂モールド成形して強度を向上させることも
できる。
【0040】ここで、本発明のリニアモータにおける可
動部15の永久磁石2の形状・取付け角度が磁束密度分
布に及ぼす影響について詳説する。上記第1,第2の各
実施形態にあっては、可動部15の永久磁石2の形状等
については特に触れなかったが、その形状や配列パター
ンが可動部15の磁束密度分布に影響を与える。図17
〜図20は、可動部15の磁束密度分布が正弦波となる
ような磁石形状の例を示したもので、いずれも、永久磁
石2の磁気ギャップ面から見た形状である。
【0041】図17,図18のものは台形の永久磁石2
の四個の配列、図19のものは菱形の永久磁石2の二個
の配列、図20のものは平行四辺形の永久磁石2の二個
の配列である。このようない磁石形状・配置を採用する
ことにより、可動部15の磁束密度分布を正弦波状にす
ることができる。
【0042】図21のものは、磁気ギャップ面が標準的
な長方形形状の二個の永久磁石2,2を、リニアモータ
進行方向に対し傾けて(スキューさせて)配列した場合
である。図22に示すように、標準的な長方形形状の二
個の永久磁石2,2を、傾けずに長辺がリニアモータ進
行方向に対し直交するように配置した場合には、そのA
−A’断面の磁束密度分布は、図23のように正弦波に
高調波が含まれたパターンになる。
【0043】これに対して、永久磁石2を図21のよう
にリニアモータ進行方向に傾けると、AA’断面では上
記図23のような磁束密度分布をしているが、磁石全体
の進行方向への合計磁束密度分布は上記図23の磁束密
度分布を磁石断面方向に磁石の傾きだけずらしたものの
合計で表されることになる。そのため、高調波成分が減
少して図24のような基本波磁束密度分布に近くなり正
弦波磁束密度分布となる。その結果、推力リップルが低
減される。
【0044】また、磁石の断面形状に関しても、台形や
蒲鉾形の磁石を使用したり、正弦波状の着磁を行うこと
も有効である。
【0045】
【発明の効果】本発明の請求項1に係るリニアモータに
よれば、固定側に多相のコアレスコイルを重ね巻でモー
タ進行方向に順に配置したため、可動側の永久磁石の面
積下の各相コイルの電流をピーク値にすることができて
大きな推力が得られると共に、多相正弦波駆動方式によ
り推力リップルが少なく従って制御性の優れたリニアモ
ータが実現できて、高精度の位置決め精度が得られると
いう効果を奏する。
【0046】同時に、重ね巻きしたコアレスコイルの中
空穴に非磁性材からなる冷却管を通してコイルに密着固
定したため、コイルの発熱を効率良く冷却できて、温度
上昇による高精度の位置決め機能の低下が防止されると
いう効果を奏する。
【0047】また、本発明の請求項2に係る発明によれ
ば、可動側の永久磁石が発生する磁束密度が進行方向に
正弦波状分布となるように磁石形状または取付け角度を
調整したため、推力リップルがさらに低減できて、より
高精度の位置決めが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリニアモータの基本構造を示す進
行方向の断面図である。
【図2】本発明に係るリニアモータのコイル巻線と電流
方向のモデル図で、(1)は三相コイル巻線図、(2)
はコイル巻線の各位置での電流密度分布を示す図であ
る。
【図3】本発明に係るリニアモータの第1の実施形態の
斜視図である。
【図4】図3に示すものの固定部の斜視図である。
【図5】図3のV − V線断面図である。
【図6】図3に示すものの制御ブロック図である。
【図7】同ブロック図中の三相アンプ回路である。
【図8】上記制御における一定推力指令時の変位に対す
る電流指令波形図である。
【図9】図8の電流指令時の変位に対する推力データで
ある。
【図10】コイル冷却管の変形例を示した断面図であ
る。
【図11】コイル冷却管の変形例を示した断面図であ
る。
【図12】コイル冷却管の変形例を示した断面図であ
る。
【図13】コイル冷却管の変形例を示した断面図であ
る。
【図14】本発明に係るリニアモータの第2の実施形態
の図5に対応する断面図である。
【図15】図14の固定部の平面図である。
【図16】図14のXVI −XVI 線断面図である。
【図17】本発明の永久磁石のギャップ面形状と配置パ
ターン例を示す図である。
【図18】本発明の永久磁石のギャップ面形状と配置パ
ターン例を示す図である。
【図19】本発明の永久磁石のギャップ面形状と配置パ
ターン例を示す図である。
【図20】本発明の永久磁石のギャップ面形状と配置パ
ターン例を示す図である。
【図21】本発明の永久磁石のスキュー配列を示す図で
ある。
【図22】標準的な長方形形状の永久磁石の配置パター
ンを示す図である。
【図23】図22に示すものの断面磁束密度分布図であ
る。
【図24】永久磁石をスキュー配列したものの合計磁束
密度分布図である。
【図25】従来のリニアモータのコイルと磁石の配置関
係を示すもので、(1)は進行方向の断面図、(2)は
コイルの配置平面図である。
【図26】従来の磁石の移動時の電流分布図である。
【符号の説明】
1 コアレスコイル 2 永久磁石 10 固定部 11 中空穴(コイルの) 12 冷却管 15 可動部 16 支持部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側にコアレスコイル、可動側に永久
    磁石を配置した多相リニアモータであって、固定側は中
    空孔を有する多相のコアレスコイルを重ね巻きにしてモ
    ータ進行方向に順に配列すると共に、非磁性材からなる
    冷却管を当該中空孔に通しコイルに密着固定してなり、
    可動側は異なる極性の磁石を磁気ギャップを介して対向
    させた永久磁石で前記コアレスコイルを挟み、且つその
    対をなす磁石の複数組を相隣る磁極の極性が相互に異な
    るようにしてコイル配列方向にコイル配列ピッチに合わ
    せて複数組配設すると共に、それらの複数組の永久磁石
    を前記磁気ギャップを保持する支持部材を介して一体に
    連結してなることを特徴とするリニアモータ。
  2. 【請求項2】 前記可動側の永久磁石は、その磁束密度
    が進行方向に正弦波状分布となる形状及び/又は取付け
    角度を有することを特徴とする請求項1記載のリニアモ
    ータ。
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