JPH10236181A - 居眠り状態検出装置 - Google Patents

居眠り状態検出装置

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JPH10236181A
JPH10236181A JP5563497A JP5563497A JPH10236181A JP H10236181 A JPH10236181 A JP H10236181A JP 5563497 A JP5563497 A JP 5563497A JP 5563497 A JP5563497 A JP 5563497A JP H10236181 A JPH10236181 A JP H10236181A
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Masayuki Kaneda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 眼の位置を確実に検出し居眠り状態を安定し
て検出する。 【解決手段】 TVカメラで撮影された顔の入力画像に
ついて、顔の縦方向の画素列の濃度のピークから第1の
ポイントを抽出し、隣接する画素列の第1のポイントを
つなげて顔の横方向に伸びる曲線群を抽出する。この曲
線群のなかから顔における眼と眉など他の部分との一般
的な位置関係の特徴を利用して、眼を表わす曲線を識別
して眼の位置を検出する。次いで眼の位置を含む所定領
域を設定し、その中で第1のポイントと同様に眼の位置
を示す第2のポイントを抽出するとともに、その前後
(上下)に濃度の高まりの境界点間隔を基に眼の開度を
検出しその開閉状態の変化から覚醒度を判定する。第1
および第2のポイントの抽出は、濃度の微分値が負から
正に反転する濃度ピークAを特定しその前後の最小、最
大微分値B、Cが所定値を越える条件を満足するかの判
定によって行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔の画像データを
演算処理して、車両の運転者、船舶の操船者、プラント
等のオペレータ等の居眠り状態を検出する居眠り状態検
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の画像処理による居眠り状態検出装
置としては、例えば、特開平5−346094号公報に
記載されたようなものがある。これは、運転者の顔面を
撮影した濃淡画像データを二値化処理し、得られた二値
化画像において濃度投影、ラベリング処理等を行なうこ
とで眼の位置を検出して、開閉眼の状態変化から居眠り
状態を検出するようにしている。
【0003】このほか、濃淡画像を処理対象としたもの
で、居眠り状態検出にも用いることができる車両運転者
の眼の位置検出装置としては、特願平8−101904
号に記載されたようなものを本出願人は提案している。
ここでは、被撮影者の顔面画像を用いて顔の縦方向の画
素列に沿って画素の濃度を検出し、画素列における濃度
の局所的な高まり毎に1個ずつの画素を定めて抽出ポイ
ントとし、隣接画素列の画素列方向に近接した抽出ポイ
ントを連結して顔の横方向に伸びる曲線群から眼の位置
検出することによって、居眠り状態を検出するようにし
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者のものにあっては、図36に示すように例えば眼に髪
の毛が重なってしまった場合、髪の毛は、ほぼ眼と同一
階調の濃度値であるため、2値化処理後の画像において
眼は単独したラベルにならないので、眼の位置、眼の開
閉状態を認識できなくなるという問題があった。
【0005】またこれを解決すべく提案した後者の場合
は、コスト的にカメラの画角を固定せざるを得ない。こ
の場合、個人差により図37に示すように画角に対して
顔の位置が極端に低くなることがある。このような場
合、例えば画素列Xa上の平均濃度値は図38の(a)
に示すようになり、抽出対象としたい眉や眼の他に髪の
毛の部分を含むことになる。したがってその微分値分布
図(b)に基づいて眉と眼のポイントp2、p3を抽出
するときに、その抽出条件である所定値以下の微分値ピ
ークq2、q3を持つのと同様に髪の毛のポイントp1
がq1を持ち、抽出される。A1、A2、A3は抽出ポ
イントのY座標を表わす。このように抽出対象として考
えている眼、眉、鼻、口などに加え、髪の毛の部分まで
も抽出対象となることで、眼の選択精度が低下するとい
う問題点があった。本発明は、上記従来の問題に鑑み、
運転者の髪型や顔の位置の違いなどに対応でき、眼の位
置、開閉状態をより一層確実に検出し居眠り状態検出を
常に安定して行なうことができる居眠り状態検出装置を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、図1に示すように、顔の画像データを処理し
て居眠り状態を検出する居眠り状態検出装置において、
顔画像を入力する画像入力手段1と、顔の縦方向の画素
列に沿って画素の濃度を検出する濃度検出手段2と、前
記画素列に沿う濃度の片方向のピークの、その前後の濃
度微分値が所定値を越える画素を特定して第1のポイン
トを抽出する第1のポイント抽出手段3と、隣接する画
素列の画素列方向に近接した前記第1のポイントを連結
して顔の横方向に伸びる曲線群を抽出する曲線群の抽出
手段4と、前記曲線群から眼の曲線を特定して眼の位置
を検出する眼の位置検出手段5と、眼を含む所定領域内
で縦方向の画素列に沿う濃度の片方向のピークの、その
前後の濃度微分値が所定値を越える画素を特定して第2
のポイントを抽出する第2のポイント抽出手段6と、隣
接する画素列の画素列方向に近接した第2のポイントの
有無による顔の横方向への連続性を判定する連続性判定
手段7と、連続した第2のポイントの抽出データを基に
眼の開度を検出する眼の開度検出手段8と、眼の開度に
基づき眼の開閉状態の変化から覚醒度を判定する覚醒度
判定手段9とを有するものとした。
【0007】請求項2記載の発明は、前記第1のポイン
ト抽出手段3あるいは第2のポイント抽出手段6が、前
記画素列に沿う走査で、所定値を越える濃度の最小微分
値を負微分値区間から求めるとともに、微分値が負から
正に反転する画素を記憶し、続いた正微分値区間から前
記とは別の所定値を越える最大微分値を検出することに
よって、前記微分値が負から正に反転する画素を抽出し
第1あるいは第2のポイントとするものとした。
【0008】請求項3記載の発明するは、前記第1のポ
イント抽出手段3あるいは第2のポイント抽出手段6
が、前記画素列に沿う走査で、所定値を越える濃度の最
小微分値を負微分値区間から求めるとともに、微分値が
負から正に反転する画素を記憶し、所定区間内で前記と
は別の所定値を越える正微分値を検出することによっ
て、前記微分値が負から正に反転する画素を抽出し第1
あるいは第2のポイントとするものとした。
【0009】また、前記第1のポイント抽出手段3ある
いは第2のポイント抽出手段6において、前記最小微分
値と前記正微分値の大きさ判定を行なう所定値を越える
最初の正微分値の画素間の距離が判定値以上の場合に
は、微分値が負から正に反転する画素を第1あるいは第
2のポイントの抽出から除外する処理を施すことが可能
である。
【0010】さらに、前記第1のポイント抽出手段3あ
るいは第2のポイント抽出手段6において、前記正微分
値の大きさ判定を行なう所定値を越える最初の正微分値
が検出される前に、前記最小微分値よりさらに小さい値
を有する他の最小微分値がある場合には、前記微分値が
負から正に反転する画素を第1あるいは第2のポイント
の抽出から除外する処理を施すことも可能である。
【0011】なお、前記微分値が負から正に反転する画
素に続いて、濃度変化のない0微分値の画素が所定数以
上に存在する場合には、前記微分値が負から正に反転す
る画素を第1あるいは第2のポイントの抽出から除外す
るのが望ましい。前記最大微分値あるいは正微分値の大
きさ判定を行なう所定値は前記最小微分値に応じて大き
さが変化するのが望ましい。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、まず、画像入力手段
1で入力された顔画像について、濃度検出手段2により
縦方向の画素列に沿って画素の濃度が検出される。そし
て、第1のポイント抽出手段3が、前後に所定値以上の
微分値を有する濃度のピークの画素を抽出して第1のポ
イントとする。曲線群の抽出手段4が第1のポイントを
隣接する画素列間で近接したものを繋げ、顔の横方向に
伸びる曲線群を抽出する。個々の曲線は、画像の明かる
い部分を横方向に横断する暗い部分を代表しており、
眼、眉、口等を表わす。眼の位置検出手段5は、たとえ
ば眼は顔の両側にあり、眼と眉とは上下に近い位置にあ
るという特徴を利用して、上記の曲線群から眼を表わす
曲線を識別して眼の位置を検出する。
【0013】次いで、第2のポイント抽出手段6におい
て、眼の位置を含む所定領域を設定し、その中で第1の
ポイントと同様に第2のポイントを抽出する。第2のポ
イントが隣接する画素列間で近接して顔の横方向へ連続
することを連続性判定手段7で確認したあと、第2のポ
イントの抽出データを基に開度検出手段8が眼の開度を
検出する。そして、覚醒度判定手段9において、眼の開
度に基づいて眼の開閉状態の変化から覚醒度を判定す
る。
【0014】顔の横方向に伸びる曲線群を抽出したう
え、顔における眼と眉など他の部分との一般的な位置関
係の特徴を利用して、眼を表わす曲線を識別して眼の位
置を検出するので、被撮影者の体格や姿勢の違いなどが
あっても容易確実に眼の位置を検出することができる。
【0015】請求項2記載の発明では、微分値が負から
正に反転する画素は濃度のピークに対応しており、前記
第1のポイントあるいは第2のポイントとして抽出する
際、微分値が反転する前後の負、正微分値区間から最
小、最大微分値を求め、所定値による強度判定を行なう
ので、抽出されたポイントは境界のはっきりする暗い部
分の代表となり、眉、眼、口などに対応する。しわ、
影、等境界のはっきりしない暗い部分はピーク前後の微
分値強度が小さいので抽出対象から振り落とされ、質の
高い抽出となる。また、抽出ポイントは濃度のピークを
代表しており眼、眉、口のほぼ中心位置に対応する。
【0016】請求項3記載の発明では、負微分値区間か
ら所定値を越える最小微分値を検出し、微分値が負から
正に反転する画素を前記第1のポイントあるいは第2の
ポイントとして抽出する際、所定区間内で所定値を越え
る正微分値を用いて強度判定を行なうので、最大値の求
めが不要となり、濃度値分布が歪んだり、変形したりし
た場合でもポイント抽出が可能となる。
【0017】また、前記最小微分値と前記正微分値の大
きさ判定を行なう所定値を越える最初の正微分値の画素
間の距離が判定値以上の場合には、微分値が負から正に
反転する画素を第1あるいは第2のポイントの抽出から
除外するようにすると、微分値の分布曲線の変形による
誤抽出が防止される。
【0018】さらに、前記第1のポイント抽出手段ある
いは第2のポイント抽出手段において、前記正微分値の
大きさ判定を行なう所定値を越える最初の正微分値が検
出される前に、前記最小微分値よりさらに小さい値を有
する他の最小微分値がある場合には、前記微分値が負か
ら正に反転する画素を第1あるいは第2のポイントの抽
出から除外するようにすると、微分値の分布曲線の変形
による誤抽出が防止される。
【0019】なお、前記微分値が負から正に反転する画
素に続いて、濃度変化のない画素が所定数以上に存在す
る場合には、前記微分値が負から正に反転する画素を第
1あるいは第2のポイントの抽出から除外するようにす
ると、髪の毛などによる誤抽出が防止される。前記最大
微分値あるいは正微分値の大きさ判定を行なう所定値を
前記最小微分値に応じて大きさを変化させるようにすれ
ば、検出したい対象の濃度変化特徴に合わせポイントを
さらに高い精度で抽出することがである。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明を自動車の運転者の
居眠り状態警報に適用した実施例について図面を参照し
て説明する。図2は、実施例の構成を示す図である。自
動車のインストルメントパネルに、運転者の顔部分を正
面から撮影するTVカメラ21が設置されている。TV
カメラ21で撮影された入力画像は、横(X)方向51
2画素、縦(Y)方向480画素で構成されており、A
/D変換器22で画素毎のアナログ電圧を例えば256
段階のデジタル値に変換されて、画像メモリ23に格納
される。
【0021】画像メモリ23には、画像データ演算回路
24が接続されている。画像データ演算回路24は、画
像メモリ23に格納された入力画像データに基づいて顔
の縦方向の画素列の濃度を検出し、画素列における濃度
の局所的な高まりとその濃度変化状態により後述する第
1のポイントを抽出し、第1のポイントの位置を示す二
次元データを内蔵のポイントメモリに記憶する。そし
て、各画素列について第1のポイントを抽出した後、隣
接する画素列の画素列方向に近接した第1のポイントを
つなげて顔の横方向への曲線群を抽出する。
【0022】画像データ演算回路24には、眼の位置検
出回路25が接続され、続いて開閉眼検出回路26が接
続されている。眼の位置検出回路25は、曲線群から眼
の選択を行うことで眼の位置を検出する。開閉眼検出回
路26は、位置検出された眼を含む所定領域内で縦方向
への濃度の高まりとその濃度の変化状態により後述する
第2のポイントを抽出し、第2のポイントの位置を示す
二次元データを内蔵のポイントメモリに記憶する。そし
て、顔の横方向への第2のポイントの連続性を判定し
て、連続データ内から眼の開度値を検出する。
【0023】開閉眼検出回路26には覚醒度判定回路2
7が接続され、覚醒度判定回路27は開閉眼検出回路2
6より送出される開閉眼の検出結果から覚醒度を判定す
る。この覚醒度判定回路27には警報装置28が接続さ
れ、覚醒度が低下した居眠り状態の判定信号を受けて警
報を発生する。
【0024】次に、上記構成における制御動作の流れを
図3のフローチャートにより説明する。ステップ31で
は、TVカメラ21によって運転者の顔部分が撮影され
る。ステップ32では、A/D変換器22によって画素
の濃度がデジタル値に変換された上で、画像メモリ23
に1フレームの画像に対応する画像データが格納され
る。
【0025】ステップ33では、画像データ演算回路2
4において、眼の存在領域が設定されているかどうかを
チェックし、設定されていればステップ36へ進み、設
定されていなければステップ34へ進む。ここで、眼の
存在領域とは、後に図13により説明するが、眼を含む
所定領域100を示し、眼の開度検出の処理を行う領域
である。また、この眼を含む所定領域100は、眼の追
跡領域としても用いられる。ステップ34では、眼の位
置検出回路25で、眼の位置検出を行う。眼の位置検出
の詳細について、図4のフローチャート及び図5〜図9
の説明図により後述する。
【0026】ステップ35では、眼を含む所定領域10
0の横方向(X方向)の幅と縦方向(Y方向)の幅を定
め、眼の存在領域(眼を含む所定領域)100の設定を
行いステップ36に進む。ステップ36では、開閉眼検
出回路26において、眼の開度検出を行う。眼の開度検
出の詳細については、図10のフローチャート及び図1
1、図12の説明図により後述する。
【0027】ステップ37では、ステップ36で検出さ
れた眼の開度値より眼が正しく追跡されているか否かを
チェックし、正しく追跡されていればステップ38へ進
み、正しく追跡されていないと判断されたときはステッ
プ311へ進む。ステップ38では、眼の開度値により
開眼状態か閉眼状態かの判定を行う。続いてステップ3
9では、眼の追跡、つまり眼の存在領域の変更を行う。
眼の追跡の詳細については、図13により後述する。
【0028】ステップ310では、覚醒度の判定を覚醒
度判定回路27により行い、覚醒状態であればステップ
31に戻り、次のフレームの処理に移る。覚醒状態でな
ければ、ステップ312に進み、運転者を覚醒させるた
め警報装置28を動作させて居眠り警報を発生させ、そ
の後ステップ31に戻る。ステップ311では、眼の開
度値と眼の存在領域をクリアして、ステップ31に戻
り、次のフレームの処理に移る。なお、上記のうちステ
ップ31〜32が本発明における画像入力手段を構成し
ている。
【0029】図4は、ステップ34における眼の位置検
出の処理動作の詳細を示す。ここでは、図5に示すよう
にY軸方向に480画素のライン(画素列)上のデータ
に対して、それぞれの画素列の濃度値データを演算処理
して第1のポイントとなる画素(Y座標)を特定する。
すなわち、画素列上の濃度値の大きな変化を求め、その
局所的なピークを第1のポイントとする。このようなポ
イント抽出の処理を行い、1ライン終了すると、一つ隣
のラインの処理に移行する。そこでまず、ステップ41
では、所定方向(Y軸方向)の全ラインについてポイン
ト抽出が終了したかどうかをチェックする。
【0030】ステップ41で全ラインの第1のポイント
抽出が終了していないと判断されたときには、ステップ
42に進む。ステップ42では、所定方向の1ラインに
おいて濃度値の相加平均演算を行い、画素列上の相加平
均濃度値を求める。この処理は、画像デ−タ撮影時の濃
度値の変化の小さいバラツキを無くして濃度値の大局的
な変化を捉えることを目的としている。例えば、図5に
示す画素列Xaからは図6の(a)に示すような相加平
均濃度値が算出される。
【0031】ステップ43では、ステップ42で算出し
た所定方向の1ライン相加平均濃度値を微分する。図6
の(a)に示す相加平均濃度値からは同図の(b)に示
す微分値(微分データ)が得られる。次のステップ44
では、ステップ43の演算結果である図6の(b)の微
分値により、同図の(a)における相加平均濃度が下向
きに凸となる暗さのピークに対応するポイント(Y座
標)の抽出を行なう。微分値が負から正に反転するY座
標は、暗さのピークに対応しており、眼、眉、口などの
位置を示す座標となる。この濃度のピークポイントを、
その前後の濃度値の変化すなわち微分値が所定値以下あ
るいは以上であるか否かの判定によって第1のポイント
として抽出する。このポイントの抽出方法は、後に詳細
に説明する。ステップ45では、第1のポイントを抽出
するポイント抽出の処理が1ライン終了すると、次のラ
インの処理に切り換え、ステップ41へ戻り、処理を繰
り返す。
【0032】ステップ41で全ラインのポイント抽出が
終了したと判断されたときには、図7に示すような眼、
眉、口などを代表する第1のポイントが抽出されている
ことになる。つまり、図7のラインXc上では、2つの
第1のポイントA1、A2が抽出されており、ラインX
d上では、A1、A2、A3、A4の4つの第1のポイ
ントが抽出されている。ステップ42が本発明の濃度検
出手段を構成するとともに、このステップ42およびス
テップ43、44が第1のポイント抽出手段を構成して
いる。
【0033】ステップ41で全ラインに関して第1のポ
イントの抽出が終了したと判断されると、ステップ46
において、隣り合う各ラインの第1のポイントのY座標
値A1、A2、A3、・・・・を比較する。そして、Y座標
値の差が所定値(例えば10画素)以内の場合には、X
軸方向につなげてグループ化し、連続データのグルー
プ番号、連続開始ライン番号、連続データ数を記憶
する。
【0034】ステップ46の具体的な処理内容を図8を
用いて説明する。ここでは、簡単にするためライン(画
素列)を11本として説明する。ライン1〜11でそれ
ぞれ抽出された第1のポイントは、ポイントごとに、
グループ番号(G)、Y座標値(Y値)、連続個数
(N)を付与されて連結データを形成している。図8に
示される34個のポイントは、10個のグループにまと
められている。
【0035】ライン1には、Y座標値192と229の
2つの第1のポイントがある。ライン1のY座標値が1
92のポイントの左隣にはラインが存在しないので、こ
の段階では、他の連続データはないので、連続データの
グループ番号は1となる。また、Y座標値229のポ
イントも同様の理由でこの段階での連続データは上記1
には存在しないので、連続データのグループ番号は、
次の2とする。
【0036】次に、右隣のライン2には、Y座標値が1
91と224の2つの抽出ポイントがある。ライン2の
Y座標値191のポイントは、左隣のライン1のY座標
値192と10画素以内のポイントであるため、抽出ポ
イント192とつなげる抽出ポイントとして、連続デー
タのグループ番号を1とする。このとき、連続データ
数は2となる。ライン2のY座標値224のポイント
についても、同様に判定を行い、連続データのグループ
番号は2、連続データ数は2とする。
【0037】次のライン3のY座標値360のポイント
では、左隣のライン2に360とY軸方向の画素数10
以内になるポイントが存在しないので、の連続データ
のグループ番号は3となり、の連続データ数は1とな
る。なお、ステップ46における、連続開始ライン番
号は、の連続データ数が1と判断されるポイントを有
するライン番号のことをいう。従って、例えば、Y座標
値360のポイントでは3となる。ステップ46では、
このようにして各ラインのポイントの連続性の判断を全
ラインについて終了するまで行い、曲線群を得る。終了
するとステップ47へ移行する。
【0038】ステップ47では、先ず、連続データグ
ループの連続データ数を評価する。本実施例では、連続
データ数が5個以上あるときに、有効な連続データグル
ープを形成しているとする。次いで、有効連続データグ
ループについて、眼の位置の候補点データを形成する。
同じ連続データグループ番号を持つポイントのY座標値
の平均を算出して、連続ポイントの平均値として記憶す
る。この値は、そのグループの代表Y座標値として用い
られる。また、連続開始ラインとその連続データ数から
連続終了ラインを求め、連続開始ラインと連続終了ラ
インのX座標値の平均値を算出して記憶する。この値
は、そのグループの代表X座標値となる。
【0039】ステップ48では、ステップ47で得られ
た各連続グループデータを基に、各連続グループの長
さ、および(X、Y)座標の位置関係から眼の位置を検
出する。すなわち、眼の特徴量を考えると、横に長く、
上に凸型の弓形形状であると定義づけることができる。
この定義づけに基づいて連結データの絞り込みを行う
と、眼は横に長いという条件から、ポイント連続数が5
ポイント以上続き、また、弓形形状であるという条件か
ら、連続開始ポイントと連続終了ポイントのY座標値の
差の小さい連続データを眼の候補として絞り込むことが
できる。これに基づき連続データの絞り込みを行うと、
図9の(a)に示すようなグループG1〜G6が有効デ
ータグループとして抽出される。
【0040】次に、前述のステップ47で算出した各グ
ループのX、Y代表座標値の位置を考えると、図9の
(b)に示すように、X座標方向での接近度合いによ
り、ZONE:L、ZONE:C、ZONE:Rに分類
できる。これは、左眼と右眼とはX座標方向に大きく離
れ、すなわち、顔の左右ほぼ対称に分かれ、左眼と左眉
とはX座標方向に大きく離れることはなく、右眼と右眉
も互いにX座標方向に大きく離れることはない。また、
鼻下の影により連結データとなったものや、口の連結デ
ータは中央部付近に位置する。
【0041】このようにX座標方向の接近度合いで、更
にデータを分類し、データを絞り込んでいくことで眼の
位置を容易に検出することができる。ZONE:Lに含
まれる連結データは、左眼と左眉であり、ZONE:R
に含まれる連結データは右眼と右眉であると判定する
と、図9の(a)では、眼の位置はG3とG4であり、
その座標値も特定できる。ステップ46が発明の曲線群
の抽出手段を構成し、ステップ47、48が眼の位置検
出手段を構成している。
【0042】図10は、図3に示したステップ36にお
ける眼の開度検出の処理動作の詳細を示す。ここでは、
図11の(a)に示すようにY軸方向にライン(画素
列)上のデータに対して第2のポイント抽出の処理を行
ない、1ライン終了後に、1つ隣のラインの処理に移行
する。そこでまず、ステップ51では、眼を含む所定領
域100内で、Y軸方向にライン上のデータに対して前
記眼の位置検出と同様のポイント抽出処理が終了したか
どうかをチェックする。
【0043】ステップ51のチェックで、全ラインにつ
いての第2のポイントの抽出が終了していないと判断さ
れたときは、ステップ52へ進む。ステップ52では、
縦方向の1ラインの濃度値の相加平均演算を行う。この
処理は、画像データ撮影時の濃度値の変化の小さなばら
つきをなくすことを目的としており、濃度値の大局的な
変化を捉えるために行う。図11の(b)は、同図の
(a)の画素列Xcのラインデータの相加平均演算の処
理結果を示す。続いてステップ53では、ステップ52
で算出した相加平均値について微分演算を行う。処理結
果を図11の(c)に示す。
【0044】次のステップ54では、まず、ステップ5
3で算出した微分値により第2のポイント抽出を行う。
この第2のポイントの抽出方法は、前記第1のポイント
と同様に後に詳細に説明する。図11の(c)の微分値
が負から正に変化するポイントAは、同図の(b)にお
いてグラフが左向きに凸になるポイントとなり、濃度の
ピークポイントとなる。そのピークポイントの前後の微
分値が所定以下あるいは以上であるか否か、すなわち図
11の(c)のようにハッチング部分に入っているか否
かを判定することによって、濃度のピークポイントを第
2のポイントとして抽出する。そして、この条件を満足
する微分値をもつポイントB、Cを抽出する。ポイント
Bは微分値の負の最大値、ポイントCは所定値を越えた
正の微分値の点となり、第2のポイントを含む縦方向の
画素列に沿う暗部と明かるい部分の境界点を表わしてい
る。ステップ52〜54は本発明の第2のポイント抽出
手段を構成している。
【0045】ステップ55では、第2のポイントが存在
するか否かをチェックし、存在すればステップ56へ進
み、存在しなければステップ511へ進む。ステップ5
6では、先ずライン上の第2のポイントAの前後の微分
値の最大値であるポイントBとポイントC点のY座標方
向の間隔Hを求める。すなわち第2のポイントを含む画
素列に沿う暗部の長さを求める。次いで、縦方向の画素
列においてポイントBとポイントCが連続して存在する
場合には、各ラインについてその間隔Hを比較して、最
大値を更新する。
【0046】ステップ57では、各ラインにおいての第
2のポイントが連続して存在しているときに、第2のポ
イントのX軸方向への連続数のカウントアップを行う。
ステップ58では、第2のポイントの連続数が所定値を
越えたか否かを判定し、越えていればステップ59へ進
み、越えていなければステップ510へ進む。ステップ
510では、処理を次のラインへ切り換えてステップ5
1へ戻り、切り換えたラインについて上記の処理を繰り
返す。こうして第2のポイントの連続数が所定値になる
まで同じ処理を続ける。
【0047】この処理中に、抽出ポイントの連続性が途
切れて、ステップ55のチェックで第2のポイントが存
在しないと判定されたときは、ステップ511へ移行す
る。ステップ511では、ステップ56で更新した抽出
点BとCの間隔の最大値とカウンターをクリアしてステ
ップ510へ進み、ステップ510では次のラインへの
切り換えを行いステップ51へ戻る。
【0048】そして、ステップ58で第2のポイントの
連続性が所定値を超えたときは、ステップ59へ移行す
る。ステップ59では、ポイントB、Cの間隔の最大値
を更新して記憶する。ステップ59ではまた、連続デー
タ内での最大値のメモリの更新と、所定値を越える他の
連続データ間での更新も行う。
【0049】また、請求項2で定義する微分値が負から
正に反転する画素に続く正微分値区間を設定する。後述
の図15、図20、図21の第2ポイントの抽出条件で
は、図11のXCライン上のように眼の中心に輝点が入
ったときは、濃度の暗いピーク点が2つとなり、最大微
分値が小さくなるので、ハッチング部分である所定値に
入らないことがある。このように、第2のポイントの抽
出条件を満足しないため、抽出ポイントの連続性が途切
れることがあり、眼のデータが図12の(a)に例示す
るようにL1とL2に分割されることがある。しかし、
このような場合においても、ステップ58の連続数の所
定数を眼の半分弱の長さに設定することにより、L1、
L2の両者が所定値を越える連続データとして抽出さ
れ、ステップ59のポイントBとポイントCの間隔の最
大値の更新が、H1maxとH2maxにより行われ
る。
【0050】もちろん、眼球に輝点が入ったにも拘わら
ず、第2のポイントAと、眼とその周囲の明かるい部分
との境界点を示すポイントB、Cを連続して抽出できれ
ば、図12の(b)のように眼が一つの連続データL1
として扱われ、連続データ内の最大値H1maxがメモ
リに記憶されることになる。なお、図12において、D
1、D2、D3区間はステップ54での第2のポイント
の抽出条件を満たす抽出点のない箇所を、L1、L2区
間は抽出点が存在する箇所を示している。
【0051】一方、ステップ51において上述した処理
が終了したと判定されると、ステップ512へ移行し、
ポイントB、Cの間隔の最大値Hmaxを眼の開度値と
して出力する。ここでは、ステップ57、58が本発明
の連続性判定手段を構成し、ステップ56、59、51
1、512が眼の開度検出手段を構成している。
【0052】次に図3のフローチャートのステップ3
7、39、311における眼の追跡および追跡ミスした
ときの復帰方法を図13、図14により説明する。図3
のフローチャートに基づいて、システムをスタートさせ
た直後には、第1フレームでは、当然眼の存在領域(眼
を含む所定領域)は設定されていない。したがって、ス
テップ33のチェックで眼の存在領域はないと判断さ
れ、ステップ34の眼の位置検出を経て、ステップ35
で眼の存在領域100が設定される。このとき、眼の中
心座標と眼の存在領域100の中心座標は図13の
(a)に示すように一致している。
【0053】第1フレームについて一連の処理が終了し
て第2フレームの処理に移り、処理が再びステップ33
へ進むと、今度はすでに眼の存在領域100が設定され
ているため、眼の存在領域有りと判定される。これによ
り次はステップ36へ進んで眼の開度検出を行ったあ
と、ステップ37へ進む。このとき、眼が正しく捉えら
れている場合には、例えば図13の(b)に示すように
なる。ここでは、眼の存在領域100は第1フレームで
設定された位置にあるのに対し、眼の位置は2フレーム
目に取り込まれた第2フレームの画像データにおける眼
の位置であるため、顔の動きなどにより、眼の中心点は
眼の存在領域100の中心に対してずれた位置にある。
しかし、眼の存在領域100の境界に眼が接しないかぎ
り、これまで説明してきた眼の開度検出を行うことがで
きる。
【0054】ステップ39では、このようにして捉えら
れた図13の(b)の眼の中心座標に眼の存在領域10
0の基準点を変更する。これにより、運転者の顔の動き
に対応させることができる。図13の(c)、(d)は
それぞれ第3フレーム、第4フレームで取り込まれた顔
の画像データにおける眼の位置と眼の存在領域100と
の位置関係を示したものである。前フレームの処理にお
いて眼の存在領域100の変更が行われているので、眼
の中心座標と眼の存在領域100の中心座標とのずれは
小さくなっている。
【0055】ステップ37での眼の追跡が正しくなされ
ているか否かの確認は、眼の開度値を用いて行なわれ
る。すなわち、被撮影者である運転者が特定されてしま
えば、眼の開度値は開眼時〜閉眼時の範囲で変化するだ
けであることから、この範囲外の値が出力されたとき
は、眼の追跡ミスがあったと判定する。この場合は、ス
テップ311へ移行して、眼の開度の出力値と眼の存在
領域をクリアし、次のフレーム処理に移行する。そして
ステップ33で、再び顔全体からの処理に入る。
【0056】つぎに、ステップ38における開閉眼の判
定の基準値について説明する。前述のように、運転者が
特定された場合、眼の開度の出力値は開眼状態から閉眼
状態の間で変化するから、開・閉眼の判定を行う基準値
つまり開閉眼を判定するスレッシュホールドは、その範
囲内にあることになる。ここでは、居眠り状態の人は熟
睡状態ではないため、完全に眼の閉じない場合もあるこ
とから、開眼・閉眼の中央値をスレッシュホールドとし
ている。
【0057】つぎに、図3のフローチャートのステップ
310における覚醒度の判定について説明する。図14
は、ステップ38で出力される判定結果を示す開閉眼パ
ターンである。この開眼パターン上で覚醒度判定区間
(例えば1分程度)に出力される閉眼積算値が所定値
(例えば5)以上であるかどうかをチェックすることに
より、覚醒度を判定する。図14の例においては閉眼
(close)の積算値が7となっているので居眠りと
判定する。このようにして得られた覚醒度により居眠り
状態を検出することが可能となり、的確に警報装置を作
動させ、居眠り状態を解消させ、未然に居眠り事故等を
防ぐことができる。
【0058】最後に、図4のステップ44における第1
のポイント、および図10のステップ55における第2
のポイント抽出の詳細をフローチャートに基づいて説明
する。ここでは、図15に示すように特定されたライン
上の微分値データに対して、微分値が負から正に反転す
るポイントAを抽出する。抽出されたポイントAに達す
るまでの負微分値更新区間(負微分値区間)において微
分値のピーク値である最小値が所定値以下、ポイントA
以降の正微分値更新区間(正微分値区間)において微分
値のピーク値である最大微分値が所定値以上かどうかを
判別し、すなわち負微分値更新区間内のピークポイント
Bと、正微分値更新区間内のピークポイントCがハッチ
ング部分に入るという条件を満足する場合に、抽出され
たポイントAを第1あるいは第2のポイントとする。
【0059】そこで、眼の位置検出回路25および開閉
眼検出回路26に、ポイントのデータを記憶するポイン
トメモリの他にメモリslmin、メモリslmax、
メモリoksld、カウンタfl0、カウンタm、フラ
グflmaxが備えられる。メモリslminは負微分
値更新区間内の最小微分値を記憶するものである。メモ
リslmaxは正微分値更新区間内の最大微分値を記憶
するものである。カウンタfl0は微分値が0となり、
かつ連続して検出されるときにその個数を計数するもの
である。カウンタmは各ライン毎の抽出ポイント数を計
数するものである。フラグflmaxは微分値が負から
正に変わるときに設定されるものである。メモリoks
ldは抽出されたポイントのY座標を記憶するものであ
る。
【0060】まず、図16のステップ81で、ポイント
抽出の対象となるラインを特定して、ポイント抽出の処
理を開始する。ステップ82では、各メモリ、カウン
タ、フラグの初期化を行なう。これによって、メモリs
lminが0、メモリslmaxが1000、カウンタ
fl0が0、フラグflmaxが0、カウンタmが0に
設定される。ステップ83では、1つのライン上の全て
の微分値について大きさ判定を行なったかどうかをチェ
ックする。全ての微分値についての大きさ判定を行なっ
ていない場合は、ステップ84へ進む。
【0061】ステップ84では、判定対象となっている
微分値が負であるか否かを判断し、負の場合はステップ
85へ進み、ここではその微分値がメモリslminが
記憶した微分値より小さいかどうかを判定する。判定対
象の微分値が記憶値より小さくなければ、図17のステ
ップ87へ進み、判定対象の微分値が記憶値より小さけ
ればステップ86で、メモリslmin内の記憶値を更
新して、図17のステップ87へ進む。
【0062】ステップ87では、フラグflmaxが設
定されているか、すなわちフラグflmaxが1になっ
ているか否かをチェックする。フラグflmaxが0の
場合はステップ810へ進み、フラグflmaxが1に
なっている場合はステップ88、ステップ89を経て、
ステップ810へ進む。ステップ810では、各メモ
リ、フラグ、カウンタの初期化を行なう。これは微分値
が負である場合に、各メモリ、フラグ、カウンタを初期
状態に保つ処理で前回検出時のデータまたは検出途中の
ノイズによる記憶を削除するものである。ステップ81
1では、Y座標方向に判定対象を次の微分値に進めて、
ステップ83に戻り、Y座標が進んだ微分値について上
記の処理を繰り返す。こうして微分値が負でなくなるま
で同じ処理を続ける。この間の処理は図15の負微分値
更新区間(負微分値区間)を形成するとともに、区間内
の最小微分値(ピークポイントB)が検出され、メモリ
slmin内に記憶されることになる。
【0063】そして、ステップ84で、判定対象となる
微分値が負でないと検出されると、図18のステップ8
13へ進む。ステップ813では、判定対象となる微分
値が0であるかどうかを判別する。微分値が0の場合は
ステップ814へ進む。
【0064】ステップ814では、まず、カウンタfl
0の計数値が6になったかどうかをチェックし、計数値
が6未満の場合は、ステップ816へ進み、カウンタf
l0の計数値が6になった場合は、ステップ815で、
フラグflmaxとカウンタfl0を初期化して、ステ
ップ816へ進む。ステップ816では、カウンタfl
0をイクリメントして、ステップ817でY座標方向に
判定対象を次の微分値へ進めてステップ83に戻る。
【0065】0の微分値が連続して現われる場合は、上
記処理を繰り返すことになり、ステップ814でカウン
タfl0の計数値が6になると、ステップ815でポイ
ントの抽出条件であるフラグflmax、カウンタfl
0を初期化して、フラグflmax、カウンタfl0を
0にする。0の微分値が連続して現われること(上記処
理が6回連続)は、髪の毛の部分に見られ濃度変化のな
い部分が長く続いていることである。フラグflma
x、カウンタfl0を初期化することで、髪の毛の部分
における黒くなってくる所で後述するフラグflmax
が設定されるのをキャンセルし、髪の毛がポイントとし
て抽出されるのを防ぐ目的である。
【0066】そして、ステップ813で、微分値が0で
ないと検出されると、図19のステップ91へ進む。ス
テップ91では、負微分値更新区間でメモリslmin
に記憶された最小微分値が所定値より小さく、かつフラ
グflmaxが0に設定されたという条件を満足するか
どうかをチェックする。満足する場合はステップ92へ
進み、満足しない場合はステップ93へ進む。
【0067】ステップ91に進んだことから、判定対象
の微分値が正であり、直前の微分値が負であった場合
は、微分値が負から正に反転するポイントAを捉らえる
ことになる。そして、これまでの微分値が負であった場
合は、最小微分値のメモリslminが更新されてお
り、その記憶値が所定値以下という条件を満足したとき
に、捉らえたポイントが最小微分値判定条件を満足する
ことになる。ステップ92では、負から正に反転する微
分値のY座標をメモリoksldに記憶するともに、フ
ラグflmaxを1に設定して、ステップ93、ステッ
プ94、ステップ95を経てY座標方向に判定対象を次
の微分値へ進める。
【0068】その後、正の微分値が入力されれば、フラ
グflmaxが1に設定されているため、ステップ93
へ進み、ここで判定対象となる微分値がメモリslma
xの記憶値と比較され、それより大きければステップ9
4において記憶値を更新してステップ95へ進む。メモ
リslmaxには初期化で1000が設定されており、
1000以上の微分値が更新されることになる。これに
よりデータの入れ換えが少なくなり、処理時間が速くな
る。ステップ93で判定対象となる微分値がメモリsl
maxの記憶値より小さい場合は、ステップ95へ進
む。ステップ95では、メモリslmin、カウンタf
l0を初期化する。
【0069】ステップ96では、Y座標方向に判定対象
を次の微分値へ進めて、ステップ83に戻り、Y座標が
進んだ微分値について上記の処理を繰り返す。この処理
は微分値が再び負になるまで行なわれる。その間の処理
は図15の正微分値更新区間を形成するとともに、その
間の最大微分値(ピークポイントC)が検出されメモリ
slmaxに記憶されることになる。
【0070】そして、負の微分値が再び現われ、図16
のステップ84で検出されるときに、ステップ85の判
定によって図17のステップ87へ進む。ステップ87
では、フラグflmaxが1に設定されているか否かを
判定する。フラグflmaxが1でなければ抽出ポイン
トなしとしてステップ810へ進み、フラグflmax
が1であればステップ88で、メモリslmaxの記憶
値が所定値以上かどうかを判断し、所定値以上の場合
は、メモリoksldに記憶してある画素はポイントの
抽出条件に満たし、ライン番号とY座標値からなる二次
元のデータをポイントメモリに記憶する。カウンタmを
インクリメントして同じライン上の抽出ポイントを計数
させて、ステップ810へ進む。そしてステップ88の
判断がメモリslmaxの記憶値が所定値以上でない場
合は、抽出ポイントなしとしてステップ810へ進む。
【0071】ステップ810では、メモリoksld、
メモリslmax、カウンタfl0、フラグflmax
を初期化して、ステップ811へ進み、ここでY座標方
向に判定対象を次の微分値へ進めて、ステップ83へ戻
り、上記の処理が再び行なわれる。最後にステップ83
でY座標について全ての微分値を判定したと判断される
と、ステップ812へ進み、次のラインについての判断
に移る。
【0072】本実施例は以上のように構成され、濃度の
ピークを代表し微分値が負から正に変わる画素をポイン
トとして抽出するときに、その画素に達するまでの濃度
値の最大変化(最小微分値)と、ポイント以降に濃度の
最大変化(最大微分値)をそれぞれ負微分値更新区間
と、正微分値更新区間において所定値と比較してポイン
トの抽出を行なうので、眼、眉、口など輪郭のはっきり
した暗い部分が抽出されることになる。抽出されるポイ
ントはそれらのほぼ中心位置に対応している。また最
小、最大微分値がポイントの抽出データとなるため、眼
の開度を検出する際それらを代表する画素の間隔が眼の
開度となり、特別な処理を要せず眼の開度検出ができ
る。個人差による顔の位置の違いにも十分対応でき、居
眠り状態の検出を常に安定して行うことができる。
【0073】次に第2の実施例について説明する。この
実施例は、ポイントの検出精度を一層向上させたもので
ある。第1の実施例では、最小微分値と最大微分値の大
きさ判定に固定の所定値が使われているが、検出精度を
向上させる観点からすれば、微分値の大きさを判定する
所定値は極力小さく設定するのが望ましい。しかし所定
値を小さく設定すると、抽出対象外の髪の毛やしわ等が
ポイントとして抽出される可能性が大きくなる。
【0074】そこで本実施例では、最大微分値の大きさ
判定を行なう所定値(基準値)を最小微分値の大きさに
従って変化させる。すなわち図20のように負微分値更
新区間内で最小微分値が検出されると、それに基づいて
正微分値の大きさ判定を行なう所定値(基準値)の大き
さを設定して最大微分値の大きさ判断を行なうものであ
る。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0075】従って、例えばピークポピントBの微分値
が大きければ、正方向の微分値を検出する所定値が大き
く設定される。この結果、眼のように正負の微分値が大
きく変わらないものがポイントに代表されて抽出され
る。図38に示す髪の毛に見られるように最小微分値q
1が大きく、最大微分値が大きくならないポイントp1
は抽出されなくなる。
【0076】次に、第3の実施例について説明する。こ
の実施例は、前記第2実施例と同様に正の微分値の大き
さを判定する所定値を最小微分値の大きさに従って変化
させる。ポイントの抽出は、ポイントAに達するまでの
濃度値の最大変化が所定値以下であるか否かを、最小微
分値更新区間内のピークポイントBの微分値が所定値以
下かどうかで判定する。この最小微分値が所定値以下で
ある場合に、この微分値を基準にA点以降の正微分値更
新区間内の所定値の大きさを設定し、この所定値を越え
る正微分値が検出されれば、ポイントAを第1あるいは
第2のポイントとして抽出して、Y座標値をメモリす
る。
【0077】第1の実施例では、正微分値更新区間にお
いて所定値と比較する正微分値に最大微分値が用いられ
ている。そして最大微分値が眼の境界点を示すものとし
て眼の開度検出にも用いられるため、メガネをかけた対
象者の場合、夜間撮影用の赤外線ランプの光がレンズに
反射点としてあるときに、境界点に最大微分値が現われ
ない可能性がある。すなわち、図21のように眼の黒部
分から白への濃度変化部分で、反射点による黒から白へ
の濃度変化ピークは2つが発生する可能性がある。この
ような場合に、ポイントの抽出に微分値の高いピークD
を用いると、眼の位置検出には問題ないが、眼の開度検
出ではピークDが境界点として用いられるため、完璧な
眼の開度検出は難しくなる。本実施例では、これに対処
して、眼の境界点に近い、所定値を越える画素Cをポイ
ントAの抽出データとして図22〜図25のフローチャ
ートにしたがって処理が行なわれる。
【0078】眼の位置検出回路23には、第1の実施例
と同様にメモリslmin、メモリslmax、メモリ
oksld、カウンタfl0、カウンタm、フラグfl
maxが備えられる。メモリslmaxは用途を変え
て、Y座標に沿う走査で所定値を越える最初の正微分値
を記憶する。
【0079】図22のステップ121〜ステップ128
は図16の第1の実施例におけるステップ81〜ステッ
プ86と同様で、ラインを特定して、各メモリ、カウン
タ、フラグの初期化を行なう。判定対象となる負微分値
から最小値(ピークポイントB)がメモリslminに
記憶される。ステップ127はその最小値を検出する際
に、メモリ、フラグ、カウンタを初期状態に保ち、前回
検出時のデータや検出途中のノイズによる記憶を削除す
るための処理である。
【0080】そして、ステップ124で、判定対象とな
る微分値が負でないと検出されると、図24のステップ
1210へ進む。ステップ1210〜ステップ1213
は、図18の第1の実施例におけるステップ813〜ス
テップ817と同様で、0の微分値の検出が6回続いた
ら、濃度変化のない髪の毛部分が検出されたとし、後述
する濃度が白から黒くなってくる所で設定されるフラグ
flmaxの設定をキャンセルして、誤検出を防止す
る。
【0081】ステップ1210で、0でないと判定され
た場合は、図25のステップ131へ進む。ステップ1
31に進んだことは、判定対象の微分値が正であり、こ
れまでの微分値が負であった場合は、最小微分値のメモ
リslminが更新されており、その記憶値が所定値以
下という条件を満足したときに、負から正に反転するポ
イントAが最小微分値判定条件を満足するポイントとな
る。
【0082】ステップ131では、メモリslminに
記憶された最小微分値が所定値より小さく、かつフラグ
flmaxが1でないという条件に満足かどうかを判定
する。満足する場合はステップ132を経てステップ1
33へ進み、満足しない場合はステップ133へ進む。
【0083】ステップ132では、負から正に反転す
る微分値(ポイントA)のY座標をメモリoksldに
記憶する。フラグflmaxを1に設定する。メモ
リslminに記憶している最小微分値に係数をかけて
メモリslmaxに記憶させる。こうして最小微分値に
比例する所定値が設定される。ステップ133で、フラ
グflmaxが1かどうかをチェックし、1の場合はス
テップ134へ進み、1でない場合はステップ137へ
進む。
【0084】ステップ134では、判定対象となる微分
値がメモリslmaxの記憶値である所定値(基準値)
より大きいかどうかを判断し、大きくない場合は、ステ
ップ137へ進む。ステップ137では、メモリslm
in、カウンタfl0を初期化して、ステップ138へ
進む。ステップ138では、Y座標方向に判定対象を次
の微分値へ進めて、ステップ123に戻る。
【0085】そして、ステップ134で、メモリslm
axの記憶値より大きい値を有する微分値が検出される
と、ポイントAの抽出条件が満たされ、ステップ135
において、二次元のデータとしてライン番号とメモリo
ksldに記憶してあるY座標をポイントメモリに記憶
する。カウンタmをインクリメントして同じライン上の
抽出ポイントを計数させたのち、ステップ136へ進
む。
【0086】ステップ136では、メモリoksld、
メモリslmax、カウンタfl0、フラグflmax
を初期化する。上記の処理を全ての微分値に対して行な
ったとステップ123で判定されたときに、ステップ1
29において、次のラインでの判定に切り替えられる。
【0087】本実施例は、以上のように構成され、最大
微分値の大きさ判定を行なう所定値を最小微分値の大き
さに基づいて設定し、その設定値を越えた最初の正の微
分値をポイント抽出の判定対象とすることによって、濃
度分布曲線が変形した場合でも、眼の境界点と対応関係
を持つポイント抽出データが得られ、前記第1の実施例
と同様の結果が得られるとともに、眼の開度検出が誤検
出を含まずに行なえる効果得られる。
【0088】次に第4の実施例について説明する。この
実施例は、前記第3の実施例と同様に正の微分値の大き
さを判定する所定値を最小微分値の大きさに従って変化
させる。ポイントの抽出は、図26に示すように、ポイ
ントA以降に所定値(基準値)より大きい微分値が検出
された場合、最小微分値のピークポイントBと所定値に
達するポイントCの間に、負微分値の出現に拘わらず、
ピークポイントBとポイントCの間のY座標方向の間隔
を判定値により判定して抽出を行なう。
【0089】前記実施例では、所定値を越える正微分値
あるいは最大微分値の検出は正微分値区間内で行なわれ
ている。すなわち正微分値区間は眼の濃度ピークからそ
の境界点までカバーするものとして用いられている。し
かし眼球の中に輝点がある場合に、正微分値区間は輝点
までとなり、検出されるべきのポイントが不検出となる
可能性がある。本実施例では、所定値を越える正微分値
に検出区間を設けず正微分値と最小微分値の間の距離に
よりポイントを抽出するかどうかを決定する。図27〜
図29はポイント検出処理のフローチャートである。こ
こで、第3の実施例に示した構成の他にメモリmini
iが備えられる。メモリminiiは最小微分値のY座
標を記憶するものである。
【0090】図27のステップ151〜ステップ158
は前記実施例と同様に、ラインを特定して、各メモリ、
カウンタ、フラグの初期化を行なう。判定対象となる負
微分値から最小値(ピークポイントB)がメモリslm
inに記憶されるとともに、ステップ156において最
小微分値のY座標をメモリminiiに記憶させる。ス
テップ157はその最小値を検出する際に、カウンタf
l0を初期状態に保ち、前回検出時のデータや検出途中
のノイズによる記憶を削除するための処理である。
【0091】そして、ステップ154で、判定対象とな
る微分値が負でないと検出されると、図28のステップ
1510へ進む。ステップ1510〜ステップ1514
は、図18の第1の実施例におけるステップ813〜ス
テップ817と同様で、0の微分値の検出が6回続いた
ら、濃度変化のない髪の毛部分が検出されたとし、後述
する濃度が白から黒くなってくる所で設定されるフラグ
flmaxの設定をキャンセルして、誤検出を防止す
る。
【0092】ステップ1510で、0でないと判定され
た場合は、図29のステップ161へ進む。その後は第
3の実施例と同様に最小値に基づいた正微分値の所定値
設定が行なわれる。微分値が負から正に反転するポイン
トAが検出されたあと、所定値を越える正微分値が検出
されると、ステップ165でそのY座標からメモリmi
niiに記憶してある最小微分値のY座標を引いてその
間の距離Fを求め、判定値(所定値)による判断で所定
距離以内の場合、ステップ166でポイントAを第1あ
るいは第2のポイントとして抽出しライン番号とポイン
トのY座標をポイントメモリに記憶させる。この考え方
は、ピークポイントBからのY座標方向の距離Fが上記
所定距離以内にポイントCが出現しない場合に、ポイン
トAに相当する第1あるいは第2のポイントの抽出から
除外するも適用できる。上記のような処理は全ての微分
値に対して行なうと、ステップ153で次のラインでの
判定に切り替えられる。
【0093】本実施例は、以上のように構成され、最大
微分値の大きさ判定を行なう所定値を最小微分値の大き
さに基づいて設定し、その設定値を越えた最初の正の微
分値をポイント抽出の判定対象とする。判定対象につい
て、さらに最小微分値との距離間隔の判定を行なうの
で、前記実施例と同様な効果が得られるとともに、眼の
濃度データが途切れたときでも、ポイントの抽出が可能
である。
【0094】次に、第5の実施例について説明する。こ
の実施例は第4の実施例の改良版として図30に示すよ
うにポイントAでの抽出条件満たされる前に、より濃淡
のはっきりしたポイントA1が対象外となってしまうこ
とを防止することを目的とする。すなわち図30のよう
髪の毛を含む濃度データがある場合、第4の実施例で
は、白から髪の毛の黒い部分に変わるところで所定値を
越える最小微分値Bが検出される。そしてその最小微分
値Bを以て検出したいポイントA1を検出するときに所
定値を越える正微分値Cとの距離判定を行なうときに、
距離の判定値を越えポイントA1を抽出できなくなる。
【0095】そこで、本実施例では最小微分値Bとポイ
ントAが検出された後、所定値に達する微分値Cが現わ
れる前に、最小微分値B以上に小さい第2の最小微分値
B1が現われた場合、ポイントAでの抽出条件判定をキ
ャンセルし、ポイント抽出を最小微分値B1をもつポイ
ントA1に切り換える処理を行なう。その他は第4の実
施例と同様である。
【0096】ここで、第4の実施例に示した構成の他に
メモリslmin2とメモリminii2、フラグfl
minが備えられる。メモリslmin2は最小微分値
更新区間内の該当値を記憶するものである。メモリmi
nii2は最小微分値更新区間内の該当値のY座標を記
憶するものである。フラグflminはメモリslmi
n2の記憶値更新確認フラグで設定されたとき1とな
る。
【0097】図31〜図35はポイント抽出のフローチ
ャートである。ステップ181〜ステップ1810は前
記実施例と同様に、ライン特定して、各メモリ、カウン
タ、フラグを初期化する。判定対象となる負微分値から
最小値Bがメモリslminに記憶されるとともに、ス
テップ186において最小微分値BのY座標をメモリm
iniiに記憶させる。
【0098】ステップ187、ステップ188は、後述
の処理でメモリslminの記憶値である最小微分値B
よりさらに小さい第2の微分値B1が検出されたとき、
抽出をポイントAからポイントA1に切り換えて行なう
ための処理である。すなわち抽出対象ポイントAの仮抽
出が確認できるフラグflmaxの設定確認と同時に、
現在の判定対象となっている微分値がメモリslmin
2の記憶値より小さいかどうかの判断を行なう処理であ
る。
【0099】この際、判定対象の微分値がメモリslm
in2の記憶値より大きい場合は、ステップ189へ移
行し、第4の実施例と同様に通常の判定を続ける。判定
対象の微分値はメモリslminの記憶値より小さい場
合、第2の最小微分値B1が検出され、ステップ188
で最小微分値更新フラグflminを設定し、判定対象
の微分値に−0.5をかけて演算したものをメモリsl
max記憶する。メモリslmin2、メモリmini
i2には第2の最小微分値B1の大きさとY座標をそれ
ぞれ再記憶させる。
【0100】ステップ1812〜ステップ1816は、
第4の実施例のステップ1510〜ステップ1514と
同様で、0の微分値が6回続いたら、髪の毛が黒くなっ
てくる所で設定されるフラグflmaxの設定をキャン
セルして、誤検出を防止する。そして、ステップ181
2で、0でないと判定された場合は、図34のステップ
191へ進む。
【0101】ステップ191では、メモリslminに
記憶された最小微分値Bの記憶値が所定値以下、かつフ
ラグflmaxが1でないという条件に満足かどうかを
判定する。満足する場合はステップ192を経てステッ
プ193へ進み、満足しない場合はステップ193へ進
む。ここで微分値が負から正に反転するポイントAが仮
抽出され、負微分値更新区間1が終了する。
【0102】ステップ192では、ポイントAのY座
標をメモリoksldに記憶する。フラグflmax
を1に設定する。メモリslminに記憶している最
小微分値に係数をかけて演算したものをメモリslma
xに記憶させる。メモリslmin内の記憶値をメモ
リslmin2に記憶する。minii2にメモリm
iniiの記憶値を記憶させる。こうして最小微分値更
新区間内の該当値を記憶するメモリに最小微分値の大き
さとY座標が記憶されるとともに最小微分値に比例する
所定値の設定が行なわれる。
【0103】ステップ193は、最小微分値値更新フラ
グflminの設定を判定し、フラグ設定されている場
合は、ステップ194で更新された最小微分値の負の区
間から正に反転するポイントA1が検出され、そのY座
標をメモリoksldに再メモリして、フラグflmi
nを初期化する。ステップ195〜ステップ1911は
図29の第4の実施例におけるステップ161〜ステッ
プ169と同様で、最小値に基づいた正微分値の所定値
設定が行なわれる。微分値が負から正に反転するポイン
トA1が検出されたあと、所定値を越える正微分値Cが
検出されると、ステップ197でそのY座標からメモリ
minii2に記憶してある最小微分値B1のY座標を
引いてその間の距離Fを求め、判定値(所定値)による
判断で所定距離以内の場合、ステップ198でポイント
A1を第1あるいは第2のポイントとして抽出しライン
番号とポイントのY座標をポイントメモリに記憶させ
る。上記のような処理を全ての微分値に対して行なう
と、ステップ183で次のラインでの判定に切り替えら
れる。
【0104】本実施例は以上のように構成され、第4の
実施例に加えて、所定値を越える正微分値が検出される
前に、先に検出された最小微分値よりさらに微分値が小
さい第2の最小微分値が検出される場合は、それをもつ
ポイントを抽出対象とする処理を施したため、他の最小
微分値の入りにより距離判断でポイントが抽出できなく
なることを防止できる。
【0105】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、顔の画像デー
タ処理による居眠り状態検出装置において、顔の縦方向
の画素列における濃度の局所的な高まり毎に第1の抽出
点を抽出し、隣接する画素列の近接した第1の抽出点を
連続して顔の横方向に伸びる曲線群を抽出してこの曲線
群から眼の曲線を特定して、眼の位置を検出するように
し、検出した眼を含む所定領域内で縦方向の画素列に沿
って同様に第2の抽出点を抽出するとともに、該第2の
抽出点を含む濃度の局所的な高まりの境界点を示す第3
の抽出点を抽出し、横方向に連続した第3の抽出点のデ
ータを基に眼の開度を検出して、その眼の開度の状態変
化から覚醒度を判定するものとしたので、運転者の体格
や運転姿勢の違いなどがあっても容易確実に眼の位置を
検出することができる。
【0106】請求項2記載の発明では、ポイントの抽
出、微分値が負から正に反転する画素の特定は濃度のピ
ークに対応しており、前記第1のポイントあるいは第2
のポイントとして抽出する際、微分値が反転する前後の
負、正微分値区間から最小、最大微分値を求め、所定値
による強度判定を行なうので、抽出されるポイントは境
界のはっきりする暗い部分の代表となり、しわ、影、等
の境界がはっきりしない暗い部分は抽出対象から振り落
とされ、質の高い抽出となる。また、抽出ポイントは濃
度のピークを代表しており、眼、眉、口のほぼ中心位置
に対応する。これによって、後続処理が簡単になる。
【0107】請求項3記載の発明では、微分値が負から
正に反転する画素を前記第1のポイントあるいは第2の
ポイントとして抽出する際、画素前の負微分値区間から
所定値を越える最小微分値と正微分値の検出による強度
判定を行なうので、請求項2の発明と同様の効果が得ら
れるとともに、微分値の分布曲線が歪んだり、変形した
りして、最大微分値が位置変化した場合でも、暗い部分
と明かるい部分の境界データが得られ眼の開度検出など
が誤検出を起こさず行なえる。
【0108】また、前記最小微分値と前記正微分値の大
きさ判定を行なう所定値を越える最初の正微分値の画素
間の距離が判定値以上の場合には、微分値が負から正に
反転する画素を第1あるいは第2のポイントの抽出から
除外するようにすると、髪の毛による誤抽出が防止され
る。
【0109】さらに、前記第1のポイント抽出手段ある
いは第2のポイント抽出手段において、前記正微分値の
大きさ判定を行なう所定値を越える最初の正微分値が検
出される前に、前記最小微分値よりさらに小さい値を有
する他の最小微分値がある場合には、前記微分値が負か
ら正に反転する画素を第1あるいは第2のポイントの抽
出から除外するようにすると、微分値の分布曲線の変形
による誤抽出が防止される。
【0110】なお、前記微分値が負から正に反転する画
素に続いて、濃度変化のない画素が所定数以上に存在す
る場合には、前記微分値が負から正に反転する画素を第
1あるいは第2のポイントの抽出から除外するようにす
ると、微分値の分布曲線の変形による誤抽出が防止され
る。そして、最大微分値あるいは正微分値の大きさ判定
を行なう所定値を前記最小微分値に応じて大きさを変化
させるようにすれば、検出したい対象の濃度変化特徴に
合わせポイントをさらに高い精度で抽出することがであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図3】居眠り状態検出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図4】眼の位置検出の処理動作を示すフローチャート
である。
【図5】眼の位置検出のための画素列を説明する図であ
る。
【図6】第1のポイントの抽出原理の説明する図であ
る。
【図7】曲線群の抽出を説明する図である。
【図8】第1の抽出点のグループ化処理を説明する図で
ある。
【図9】曲線群から眼の位置を検出する要領を説明する
図である。
【図10】眼の開度検出の処理動作を示すフローチャー
トであある。
【図11】第2のポイントの抽出原理を説明する図であ
る。
【図12】眼の中心に輝点があるときの開度検出を説明
する図である。
【図13】眼の追跡状態を説明する図である。
【図14】覚醒度の判定要領を説明する図である。
【図15】ポイントの抽出要領を説明する図である。
【図16】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図17】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図18】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図19】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図20】本発明の第2の実施例におけるポイントの抽
出要領を説明する図である。
【図21】本発明の第3の実施例におけるポイントの抽
出要領を説明する図である。
【図22】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図23】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図24】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図25】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図26】本発明の第4の実施例におけるポイントの抽
出要領を説明する図である。
【図27】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図28】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図29】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図30】本発明の第5の実施例におけるポイントの抽
出要領を説明する図である。
【図31】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図32】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図33】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図34】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図35】ポイント抽出の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図36】従来例を示す図である。
【図37】他の従来例を示す図である。
【図38】髪の毛の部分を含んだ画素の濃度変化とその
微分値変化を示す図である。
【符号の説明】
1 画像入力手段 2 濃度検出手段 3 第1のポイント抽出手段 4 曲線群の抽出手段 5 眼の位置検出手段 6 第2のポイント抽出手段 7 連続性判定手段 8 眼の開度検出手段 9 覚醒度判定手段 21 TVカメラ 22 A/D変換器 23 画像メモリ 24 画像データ演算回路 25 眼の位置検出回路 26 開閉眼検出回路 27 覚醒度判定回路 28 警報装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔の画像データを処理して居眠り状態を
    検出する居眠り状態検出装置において、顔画像を入力す
    る画像入力手段と、顔の縦方向の画素列に沿って画素の
    濃度を検出する濃度検出手段と、前記画素列に沿う濃度
    の片方向のピークの、その前後の濃度微分値が所定値を
    越える画素を特定して第1のポイントを抽出する第1の
    ポイント抽出手段と、隣接する画素列の画素列方向に近
    接した前記第1のポイントを連結して顔の横方向に伸び
    る曲線群を抽出する曲線群の抽出手段と、前記曲線群か
    ら眼の曲線を特定して眼の位置を検出する眼の位置検出
    手段と、眼を含む所定領域内で縦方向の画素列に沿う濃
    度の片方向のピークの、その前後の濃度微分値が所定値
    を越える画素を特定して第2のポイントを抽出する第2
    のポイント抽出手段と、隣接する画素列の画素列方向に
    近接した第2のポイントの有無による顔の横方向への連
    続性を判定する連続性判定手段と、連続した第2のポイ
    ントの抽出データを基に眼の開度を検出する眼の開度検
    出手段と、前記眼の開度に基づき眼の開閉状態の変化か
    ら覚醒度を判定することを特徴とする居眠り状態検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1のポイント抽出手段あるいは第
    2のポイント抽出手段は、前記画素列に沿う走査で、所
    定値を越える濃度の最小微分値を負微分値区間から求め
    るとともに、微分値が負から正に反転する画素を記憶
    し、続いた正微分値区間から前記とは別の所定値を越え
    る最大微分値を検出することによって、前記微分値が負
    から正に反転する画素を抽出し第1あるいは第2のポイ
    ントとすることを特徴とする請求項1記載の居眠り状態
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のポイント抽出手段あるいは第
    2のポイント抽出手段は、前記画素列に沿う走査で、所
    定値を越える濃度の最小微分値を負微分値区間から求め
    るとともに、微分値が負から正に反転する画素を記憶
    し、続いた所定区間から前記とは別の所定値を越える正
    微分値を検出することによって、前記微分値が負から正
    に反転する画素を抽出し第1あるいは第2のポイントと
    することを特徴とする請求項1記載の居眠り状態検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1のポイント抽出手段あるいは第
    2のポイント抽出手段は、前記最小微分値と前記正微分
    値の大きさ判定を行なう所定値を越える最初の正微分値
    との画素間の距離が判定値以上の場合には、前記微分値
    が負から正に反転する画素を第1あるいは第2のポイン
    トの抽出から除外することを特徴とする請求項3記載の
    居眠り状態検出装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のポイント抽出手段あるいは第
    2のポイント抽出手段は、前記正微分値の大きさ判定を
    行なう所定値を越える最初の正微分値が検出される前
    に、前記最小微分値よりさらに小さい値を有する他の最
    小微分値がある場合には、前記微分値が負から正に反転
    する画素を第1あるいは第2のポイントの抽出から除外
    することを特徴とする請求項3または4記載の居眠り状
    態検出装置。
  6. 【請求項6】 前記第1のポイント抽出手段あるいは第
    2のポイント抽出手段は、前記微分値が負から正に反転
    する画素に続いて、濃度変化のない0微分値の画素が所
    定数以上存在する場合には、前記微分値が負から正に反
    転する画素を第1あるいは第2のポイントの抽出から除
    外することを特徴とする請求項2、3、4または5記載
    の居眠り状態検出装置。
  7. 【請求項7】 前記最大微分値あるいは正微分値の大き
    さ判定を行なう所定値は前記最小微分値に応じて大きさ
    が変化するものであることを特徴とする請求項2、3、
    4または5記載の居眠り状態検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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