JPH10230326A - 線状加熱の加熱線配置算出方法 - Google Patents

線状加熱の加熱線配置算出方法

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JPH10230326A
JPH10230326A JP30904796A JP30904796A JPH10230326A JP H10230326 A JPH10230326 A JP H10230326A JP 30904796 A JP30904796 A JP 30904796A JP 30904796 A JP30904796 A JP 30904796A JP H10230326 A JPH10230326 A JP H10230326A
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heating
bending
group
heating wire
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JP30904796A
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Takayasu Ishiyama
隆庸 石山
Shibi Ko
斯 美 顧
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板に線状加熱を行う連続した加熱線の算
出方法を得る。 【解決手段】 与えられた形状の金属板を目的形状とな
るように強制変形したときの曲げ歪みと板厚方向一様な
収縮歪みである面内収縮歪みとを有限要素法で算出し、
曲げ歪み分布を主歪み方向を横軸として積分した値を縦
軸にとった曲げ歪み積分曲線を求め、この曲げ歪み積分
曲線と横軸に平行で横軸より一定間隔h毎に設けた第1
横線群との第1交点群を求め、このhの値の曲げ歪みを
発生する加熱線でその配置を第1交点群とした曲げ加熱
線群を算出し、この曲げ加熱線群で前記金属板を線状加
熱したときの形状を有限要素法で算出し、この形状を更
に前記目的形状まで強制変形するに必要な面内収縮歪み
を算出し、この面内収縮歪みを主歪み方向を横軸として
積分した値を縦軸にとった面内収縮歪み積分曲線を求
め、この面内収縮歪み積分曲線と横軸に平行で横軸より
一定間隔k毎に設けた第2横線群との第2交点群を求
め、このkの値の面内収縮歪みを発生する加熱線でその
配置を第2交点群とした面内収縮加熱線群を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板を線状に加
熱して目的の形状に加工する線状加熱の加熱線配置算出
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】線状加熱は、金属板を線状に加熱し、平
板を所望の曲面に加工したり、溶接作業により波打ち状
に変形した金属面を元の平らな平面に修正するなどの作
業に用いられる。従来、線状加熱は作業現場における作
業者の経験に基づいて行われていたが、近年コンピータ
を用いた有限要素法(Finite ElementM
ethod)による解析技術の進歩により、目的とする
形状や使用する材料の特性、予め定めた加熱装置の特性
などのデータを入力すると加熱線の配置が算出できるよ
うになってきた。本出願人も特願平5−246170号
においてこのような技術を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし有限要素法(F
EM)を用いて線状加熱線を求める従来の方法は、FE
M要素毎に短い加熱線を求める方法で、連続した加熱線
を直接求めることができない。これは一定の長さを有す
る熱源を一定時間静止させて加熱するもので、加熱線の
長さはこの熱源の長さとなっており、連続的に熱源を移
動させる加熱線ではない。このため線状加熱作業はステ
ップ状に加熱と移動を繰り返すので施工に要する時間が
長くなる。またこのような動作を行う実用的な線状加熱
自動化装置の製作は困難である。また、このように短い
加熱線の両端部付近は歪み分布が複雑で不安定となり変
形も不安定となる。
【0004】図11、図12は従来の加熱線の配置を示
す図で、図1に示す鞍形の曲面を得る場合、図11は図
1の上面を加熱する加熱線の配置を示し、図12は図1
の下面を加熱する加熱線の配置を示す。いずれも20c
m程度の短い加熱線からなる。
【0005】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
もので、金属板に線状加熱を行う連続した加熱線の算出
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、与えられた形状の金属板を目
的形状となるように強制変形したときの曲げ歪みと板厚
方向一様な収縮歪みである面内収縮歪みとを有限要素法
で算出し、曲げ歪み分布を主歪み方向を横軸として積分
した値を縦軸にとった曲げ歪み積分曲線を求め、この曲
げ歪み積分曲線と横軸に平行で横軸より一定間隔h毎に
設けた第1横線群との第1交点群を求め、このhの値の
曲げ歪みを発生する加熱線でその配置を第1交点群とし
た曲げ加熱線群を算出し、この曲げ加熱線群で前記金属
板を線状加熱したときの形状を有限要素法で算出し、こ
の形状を更に前記目的形状まで強制変形するに必要な面
内収縮歪みを算出し、この面内収縮歪みを主歪み方向を
横軸として積分した値を縦軸にとった面内収縮歪み積分
曲線を求め、この面内収縮歪み積分曲線と横軸に平行で
横軸より一定間隔k毎に設けた第2横線群との第2交点
群を求め、このkの値の面内収縮歪みを発生する加熱線
でその配置を第2交点群とした面内収縮加熱線群を算出
する。
【0007】与えられた形状の金属板を目的形状に強制
変形したときの曲げ歪みを求め、この主歪み方向を横軸
にした曲げ歪み曲線を積分した曲げ歪み積分曲線を求め
る。曲げ歪み量hを発生する加熱線を設定し、このm
(整数)本の歪み量m×hがほぼ曲げ歪み積分曲線の最
大値となるようにする。またこの曲げ歪み積分曲線と横
軸に平行で横軸よりh間隔毎に引いた第1横線群との第
1交点群を求め、この第1交点群を各加熱線がそれぞれ
通るようにする。これにより曲げ加熱線群の加熱線の容
量(発生する歪み量)と配置する位置とが決まる。
【0008】次に、この曲げ加熱線群で金属板を線状加
熱したときの形状を有限要素法で算出し、この形状を更
に目的形状まで強制変形するに必要な面内収縮歪みを算
出する。この主歪み方向を横軸にした面内収縮歪み曲線
を積分した面内収縮歪み積分曲線を求める。面内収縮歪
み量kを発生する加熱線を設定し、このn(整数)本の
歪み量n×kがほぼ面内収縮歪み積分曲線の最大値とな
るようにする。またこの面内収縮歪み積分曲線と横軸に
平行で横軸よりk間隔毎に引いた第2横線群との第2交
点群を求め、この第2交点群を各加熱線がそれぞれ通る
ようにする。これにより面内収縮加熱線群の加熱線の容
量(発生する歪み量)と配置する位置とが決まる。
【0009】請求項2の発明では、前記金属板を前記曲
げ加熱線群で線状加熱したときの形状に前記面内収縮加
熱線群でさらに線状加熱したときときの形状を有限要素
法で算出し、前記目的形状と比較して差がある場合は、
前記kの値を調整して差を少なくするようにする。
【0010】金属板を曲げ加熱線群と面内収縮加熱線群
で線状加熱したときの形状を算出し、これを目的形状と
比較して差があるときは、kの値を変えて面内収縮加熱
線群を再計算し、この面内収縮加熱線群で前の面内収縮
加熱線群を置き換えて線状加熱したときの形状を算出
し、これを目的形状と比較して差を求め、この差が許容
される値となるまで繰り返し計算してkの値を定め、こ
のkを用いた面内収縮加熱線群とその第2交点群とを求
める。
【0011】請求項3の発明では、前記曲げ加熱線群
は、前記曲げ歪み分布の最大主歪み方向の積分曲線より
得られる最大主歪み曲げ加熱線群と前記曲げ歪み分布の
最小主歪み方向の積分曲線より得られる最小主歪み曲げ
加熱線群とからなる。
【0012】主歪みは最大歪みとこれと直交する最小歪
みからなる。それゆえ曲げ加熱線群は、最大主歪み曲げ
加熱線群と最小曲げ加熱線群とから構成する。
【0013】請求項4の発明では、前記面内収縮加熱線
群は、前記面内収縮歪み分布の最大主歪み方向の積分曲
線より得られる最大主歪み面内収縮加熱線群である。
【0014】面内収縮主歪みは最大主歪みに対して最小
主歪みは小さい。このため最大主歪み面内収縮加熱線群
のみで目的形状とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態を
説明するために、一例としてあげた鞍形の形状を示し、
以下の説明は平板(または曲板でもよい)を鞍形に線状
加熱する加熱線の配置を算出する方法について説明す
る。この鞍形を目的形状とし、XY平面の平板をZ軸方
向に線状加熱により変形させて目的形状とする加熱線の
配置について説明する。なお、加熱は加熱線上を単位時
間当たり一定の熱量を発生する加熱ヘッドが一定速度で
移動するものとする。この一定の熱量は加工対象の金属
板の材質、板厚などにより定められる。加熱方法として
はガスバーナ、電気ヒータ、誘導加熱などが用いられ
る。またこの加熱には水をノズルで吐出する水冷も含ま
れ、曲げ歪みを与えるときは、収縮させる面を加熱し、
その反対面を水冷することも行う。この一面加熱、他面
水冷も一面からの加熱として以降では説明する。与えら
れた金属板に所定の歪みを発生させる加熱線の仕様は実
験などにより既に得られており、本発明では金属板を目
的形状に線状加熱により加工するのに、加熱線をどのよ
うに配置するかを算出する方法を説明する。
【0016】先ず平板状の金属板を図1の目的形状に変
形したときの歪み分布を求める。図2は有限要素法(F
EM)により求めた平板を図1に示す目的形状に変形し
たときの曲げ歪み分布図である。各枡目内の直交する矢
印は、矢印の向きが主歪みの方向、長さが主歪みの大き
さを示す。長い方が最大主歪みを表し、短い方が最小主
歪みを表す。図2の各矢印は図1の上面における曲げ主
歪みの分布を示す。
【0017】図3は有限要素法により平板を図1に示す
目的形状に変形したときの面内収縮歪み分布図である。
面内収縮歪みは板厚方向一様な収縮歪みであり、各枡目
内の直交する矢印は、矢印の向きが主歪みの方向、長さ
が主歪みの大きさを示す。長い方が最大主歪みを表し、
短い方が最小主歪みを表す。図3の各矢印は図1の面内
における一様な収縮主歪みの分布を示す。しかし歪みが
小さいため矢印が殆ど記載されていない。図3では面内
収縮歪みの大きさと方向を示すのみとし、詳細の面内収
縮歪み分布の数例を図7と図8に示す。
【0018】次に図2に示す2つの主歪みのそれぞれに
ついて、主歪みの方向に沿って積分を行いこの歪み積分
曲線を求める。この積分曲線は主歪みの方向に沿った目
的形状の傾斜分布を示しているが、歪みの積分値である
ので変形量も表している。この積分曲線は最大主歪みと
最小主歪みそれぞれを求める。図4は曲げ主歪みの分布
(A)と歪み積分曲線(B)とを示す。最大または最小
歪みのいずれに対しても求める。なお、面内収縮歪みに
ついても同様に求めるが、この最小歪みは、図7、図8
で説明するように一般に小さく無視してもよい場合が多
い。
【0019】図4(A)は図2のy5で表される行につ
き最小主歪みの歪み方向(図1のX軸方向)の分布を示
し、(B)はX軸方向への最小主歪みの積分曲線を示
す。この積分曲線を1本の加熱線が実現する曲げの変形
量hで、図示するように分割する。理想的には積分曲線
の最大値Mをhで等分割できればよいが多少余りがでて
もよい。このh毎の横軸に平行線と積分曲線との交点の
横軸上の位置x1,x2,…x5が加熱線のX軸方向の
位置を示す。このような計算をy1〜y10まで行い、
それぞれについて得られるX軸方向の位置x1,x2,
…x5を結んでゆくと、曲げ最小主歪みを発生させる加
熱線の配置が得られる。
【0020】図5はこのようにして得られた曲げ最小主
歪みを発生させる加熱線の配置図である。この曲げ最小
主歪みは図2では矢印の向きが内側に向いているので、
図1の上面では圧縮となっている。このため図1の上面
より図5に示す加熱線に沿って加熱することにより上面
に圧縮歪みを発生させることができる。この加熱線の加
熱により図1でX軸方向に下面が凸となる曲げを発生さ
せる。
【0021】図6は図2の曲げ最大歪みを最大歪み方向
(ほぼY軸方向)に積分して積分曲線を求め、これを1
本の加熱線が実現する曲げの変形量h’で分割し、分割
点の座標から加熱線の配置を算出したものである。図2
の曲げ最大主歪みは図1の上面で引張りとなっており、
下面で圧縮となっている。故に下面に図6に示す加熱線
を設定し下面を加熱して収縮を発生させる。
【0022】次にこのようにして求めた、曲げ最大およ
び最小主歪みを発生させる加熱線群を平板状の金属板に
加えたときに得られる形状と残留応力をFEM解析によ
り求める。さらにこの形状から図1に示す目的形状まで
強制的に変形したときに発生する面内収縮歪みを求め
る。これはほぼ図3で示した歪み分布となる。
【0023】図7は鞍形のX軸方向幅中央の線aで示す
断面の面内収縮歪みを示す。(A)はサンプルとして面
内収縮歪み分布を示す線a,bの位置を表す。(B)は
線aの面内収縮歪み分布を示し、四角はX軸方向を向い
た歪みの分布、丸はY軸方向を向いた歪みの分布を示
す。横軸は線aの長さ(X軸方向)を示し、金属板のX
軸方向の長さが2000mmの場合を示している。縦軸
は内面収縮歪みを表し、−は圧縮歪みを表す。
【0024】四角で示すX軸方向の歪みは両端でゼロ、
中央で最大となり全てマイナスで圧縮歪みとなってい
る。また、丸で示すY軸方向の歪みは両端でプラスの引
張り歪みとなっているが、両端以外はマイナスでしかも
ほぼゼロに近い値となっている。
【0025】図8は図7(A)の鞍形のY軸方向幅中央
の線bで示す断面の面内収縮歪みを示す。四角はX軸方
向の歪みの分布、丸はY軸方向の歪みの分布を示す。横
軸は線bの長さ(Y軸方向)を示し、金属板のY方向の
長さが1000mmの場合を示している。縦軸は内面収
縮歪みを表し、−は圧縮歪みを表す。
【0026】四角で示すX軸方向の歪みは両側プラス、
中央でマイナスとなり、両側には引張り歪みが発生し中
央は圧縮歪みとなっている。また、丸で示すY軸方向の
歪みは両端でゼロ、両端以外はマイナスでしかもほぼゼ
ロに近い値となっている。
【0027】次に図7に示すようなX軸方向の面内収縮
歪みを発生させる加熱線の配置を求める。方法は曲げ歪
みの場合と同様で、X軸方向に4角で示す歪みを積分し
て積分曲線を求め、これを1本の加熱線が実現する曲げ
の変形量kで分割し、分割点の座標(X軸方向の位置)
を求める。このような計算を図3のy1〜y10まで行
い対応する分割点のX座標をつなぎ合わせると、図9に
示すX軸方向の面内収縮を発生させる加熱線の配置が得
られる。図7のY軸方向の面内収縮歪みは小さいのでこ
れは無視する。
【0028】次に図8に示すようなY軸方向の面内収縮
歪みを発生させる加熱線の配置を求める。方法は曲げ歪
みの場合と同様で、X軸方向に4角で示す歪みを積分し
て積分曲線を求める。しかしこの曲線はプラスとマイナ
スの面積がほぼ等しく積分値はほぼゼロになる。また丸
で示すY軸方向の歪み分布はほぼゼロなので、これらの
面内収縮歪みは無視する。この例では図8に示す面内収
縮歪みを発生させる加熱線は無視してよいが、無視でき
ない場合は図7で説明した方法と同様な方法で加熱線の
配置を求めることができる。以上により図9に示す加熱
線の配置が得られる。
【0029】このようにして得られた、図5、図6、図
9に示す加熱線を曲げ加熱、面内収縮加熱することによ
り、図1に示す目的形状に近い形状が得られる。なお面
内収縮歪みは、金属板の板厚方向に一様な圧縮歪みを与
えることにより達成されるため、金属板の両面から同時
に同一加熱量を加えることが望ましい。
【0030】次に、目的形状にさらに近づける方法を説
明する。図5、図6、図9の加熱線で加熱した場合の形
状をFEMで計算し、これを目的形状と比較し、両者の
差を求めこの差が所定の許容値内で有るかを調べる。こ
の差が許容値を越える場合は、図7で説明した面内収縮
歪みを生ずる加熱線の変形量kの値を変え、この修正加
熱線の配置を求め、図5、図6の加熱線にこの修正加熱
線を加えた加熱線について、再度FEMにより金属板の
形状を算出し、目的形状との差を求め、この差が許容値
以内になるまで、変形量kの修正を繰り返す。これは数
回繰り返せば、通常許容値内に納まるようになる。
【0031】図10はこれまでに説明した、金属板を目
的形状に線状加熱により加工する方法を示すフロー図で
ある。本フロー図では角が円弧の長方形は処理を示し、
長方形は処理結果などの状態を示す。菱形は判定を示
す。先ず金属板を加工する目的形状は図1に示すように
定められているとする(S1)。勿論この形状は自由に
定めることができる。次にFEMで金属板を目的形状に
強制変形させたときの歪み分布を計算する(S2)。金
属板の初期形状は平板であっても曲板であってもよい。
この計算により図2に示した曲げ歪み分布、図3に示し
た面内収縮歪み分布が得られる(S3)。
【0032】次に曲げ最大主歪みと最小主歪み分布を積
分し(S4)、図4に示すような積分曲線が最大、最小
主歪み分布について得られる(S5)。この積分曲線を
1本の加熱線が実現する変形量hでスライス(分割)
し、曲げ最大主歪み加熱線の配置、曲げ最小主歪み加熱
線の配置を、図5、図6に示すように算出する(S
6)。このようにして得られた加熱線を金属板の初期形
状に加えたときの計算をFEMで計算し(S7)、この
加熱線の加熱により発生する金属板の形状と残留応力を
得る(S8)。
【0033】次に、このようにして得られた金属板の形
状を目的形状まで強制変形させる計算をFEMで行う
(S9)。これにより目的形状まで強制変形するに必要
な面内収縮歪みの分布データが得られる(S10)。こ
の分布データをS3の曲げ歪みの場合と同様にして面内
収縮歪みの積分を行い(S11)、積分曲線を得る(S
12)。
【0034】次にS6と同様に、この積分曲線を1本の
加熱線が実現する変形量kでスライス(分割)し、面内
収縮歪みを発生させる加熱線の配置を、図9に示すよう
に算出する(S13)。S8で得られている曲げ加熱線
を加えた形状にS13で得られた面内収縮歪みの加熱線
を加えたときの形状をFEMで計算する(S14)。こ
のようにして得られた形状をS1の目的形状と比較しそ
の差が許容値以内か調べ(S15)、許容値を越えてい
れば、S13に戻り、1本の変形量kの値を変えて面内
収縮歪み加熱線配置の計算をし(S13)、この加熱線
配置を用いて金属板の形状を算出し(S14)、目的形
状と比較する(S15)。このようにして目的形状にな
るまで、S13〜S15のステップを繰り返し、目的形
状の金属板を得る。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は次の効果を有する。 加熱線が単純で連続しており、この加熱を行う自動加
熱装置を容易に実現できる。本発明で得られた加熱線配
置の図5は従来の方法で得られた図11に対応してお
り、図6は図12に対応している。このように従来の方
法では加熱線が200mm程度の短い線となっている。 連続した長い加熱線によって発生する変形は短い加熱
線の場合に比べ安定している。加熱線の両端部付近は歪
み分布が複雑で不安定となる。連続した長い加熱線の場
合、このような部分は少なく、計画した形状に加工でき
る確率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】目的形状の1例として鞍形形状を示す図であ
る。
【図2】平板を目的形状に変形したときの曲げ主歪み分
布を示す図である。
【図3】平板を目的形状に変形したときの面内収縮歪み
分布を示す図である。
【図4】歪み分布から加熱線の配置を算出する方法を説
明する図である。
【図5】曲げ最小主歪みを実現する加熱線の配置を示す
図である。
【図6】曲げ最大主歪みを実現する加熱線の配置を示す
図である。
【図7】X軸方向の線の面内収縮歪み分布の1例を示す
図である。
【図8】Y軸方向の線の面内収縮歪み分布の1例を示す
図である。
【図9】面内収縮歪みを実現する加熱線の配置を示す図
である。
【図10】本発明の方法により加熱線の配置を計算する
フロー図である。
【図11】従来の方法により曲げ最小主歪みを実現する
加熱線の配置を示す図である。
【図12】従来の方法により曲げ最大主歪みを実現する
加熱線の配置を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 与えられた形状の金属板を目的形状とな
    るように強制変形したときの曲げ歪みと板厚方向一様な
    収縮歪みである面内収縮歪みとを有限要素法で算出し、 曲げ歪み分布を主歪み方向を横軸として積分した値を縦
    軸にとった曲げ歪み積分曲線を求め、この曲げ歪み積分
    曲線と横軸に平行で横軸より一定間隔h毎に設けた第1
    横線群との第1交点群を求め、このhの値の曲げ歪みを
    発生する加熱線でその配置を第1交点群とした曲げ加熱
    線群を算出し、 この曲げ加熱線群で前記金属板を線状加熱したときの形
    状を有限要素法で算出し、この形状を更に前記目的形状
    まで強制変形するに必要な面内収縮歪みを算出し、 この面内収縮歪みを主歪み方向を横軸として積分した値
    を縦軸にとった面内収縮歪み積分曲線を求め、この面内
    収縮歪み積分曲線と横軸に平行で横軸より一定間隔k毎
    に設けた第2横線群との第2交点群を求め、このkの値
    の面内収縮歪みを発生する加熱線でその配置を第2交点
    群とした面内収縮加熱線群を算出することを特徴とする
    線状加熱の加熱線配置算出方法。
  2. 【請求項2】 前記金属板を前記曲げ加熱線群で線状加
    熱したときの形状に前記面内収縮加熱線群でさらに線状
    加熱したときときの形状を有限要素法で算出し、前記目
    的形状と比較して差がある場合は、前記kの値を調整し
    て差を少なくするようにすることを特徴とする請求項1
    記載の線状加熱の加熱線配置算出方法。
  3. 【請求項3】 前記曲げ加熱線群は、前記曲げ歪み分布
    の最大主歪み方向の積分曲線より得られる最大主歪み曲
    げ加熱線群と前記曲げ歪み分布の最小主歪み方向の積分
    曲線より得られる最小主歪み曲げ加熱線群とからなるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の線状加熱の加熱
    線配置算出方法。
  4. 【請求項4】 前記面内収縮加熱線群は、前記面内収縮
    歪み分布の最大主歪み方向の積分曲線より得られる最大
    主歪み面内収縮加熱線群であることを特徴とする請求項
    1または2記載の線状加熱の加熱線配置算出方法。
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Cited By (3)

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