JPH10230113A - 多孔質プラスチックフィルタ - Google Patents

多孔質プラスチックフィルタ

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JPH10230113A
JPH10230113A JP3411197A JP3411197A JPH10230113A JP H10230113 A JPH10230113 A JP H10230113A JP 3411197 A JP3411197 A JP 3411197A JP 3411197 A JP3411197 A JP 3411197A JP H10230113 A JPH10230113 A JP H10230113A
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filter
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plastic filter
porous
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタ粒子の脱落がなく、微粒子高捕集効
率および低圧力損失性能を兼備した微粒子分離用の多孔
質プラスチックフィルタの提供。 【解決手段】 熱可塑性プラスチック材料の粒子を焼結
成形して得られる多孔質プラスチックフィルタにおい
て、多孔質プラスチックフィルタは、少なくとも平均粒
径が5μm以上90μm以下の範囲と平均粒径が90μ
mを越え1,000μm以下の範囲の複数の熱可塑性プ
ラスチック材料で構成してあると共に、そのフィルタの
少なくともーつの表面の水に対する接触角が60度以上
であることを特徴とする多孔質プラスチックフィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体や気体などの
流体中に含まれる微粒子を分離濾過するための多孔質プ
ラスチックフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体や気体などの流体中に含まれ
る塵芥等の微粒子を分離濾過するための多孔質プラスチ
ックフィルタは多数知られている。中でも、液体の流入
側と流出側とで孔径の異なるプラスチックフィルタ、例
えば流入側あるいは流出側のどちらか一方を、平均粒径
が比較的大きなプラスチック材料の粒子から形成して大
きな孔径とし、他方を平均粒径が比較的小さなプラスチ
ック材料の粒子から形成して小さな孔径とした多孔質複
層フィルタは、濾過精度の向上、微粒子の高捕集効率お
よび低圧力損失の点から望ましく、このようなものとし
て、平均粒径が比較的大きな熱可塑性プラスチック材
料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリサルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイ
ドなどを焼結成形した多孔質プラスチック基材の表面
に、そのプラスチック材料よりも平均粒径が比較的小さ
なポリテトラフロオロエチレン(以下「PTFE」と記
す)を、接着剤と共に、直接的に被着することで、多孔
質プラスチックフィルタ基材の外表面とその内表面と
で、多孔層の孔径に差異を持たせた多孔質フィルタが提
案されている。
【0003】また、出願人は、多孔質プラスチックフィ
ルタを複数の熱可塑性プラスチック材料で構成し、その
中の少なくとも1種類をふっ素系樹脂材料としたもの
(特願平7−214808号)や多孔質プラスチックフ
ィルタを比較的平均粒径が小さな熱可塑性プラスチック
材料単体で構成したもの(特願平7−241862号)
を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
多孔質複層フィルタでは、使用するΡTFEが粘着特牲
に劣るため、上記多孔質プラスチック基材とPTFEと
の界面での接着性が不十分となり、濾過や逆洗の際に多
孔質プラスチック基材からPTFE粒子が脱落し、結果
として孔径に差異がなくなったり、あるいは部分的に差
異を生じ、フィルタの捕集性能の低下を招いたり、ある
いは脱落したPTFE粒子が捕集した微粒子中に混入す
るなどの問題があった。
【0005】後者の内、複数の熱可塑性プラスチック材
料で構成しその中の少なくとも1種類をふっ素系樹脂材
料とした多孔質フィルタは、粉体払い落し性能が優れて
おり、また比較的平均粒径が小さな熱可塑性プラスチッ
ク材料単体で構成した多孔質フィルタは、粒子脱落性、
微粒子捕集性、粉体払い落し性、圧力損失などの特性が
バランス良く保有しており、各々多孔質フィルタとして
優れているが、圧力損失のコントロールに今一つ難しい
面がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解消できる多孔質プラスチックフィルタであって、そ
の要旨とするところは、(1) 熱可塑性プラスチック
材料の粒子を焼結成形して得られる多孔質プラスチック
フィルタにおいて、多孔質プラスチックフィルタは、少
なくとも平均粒径が5μm以上90μm以下の範囲と平
均粒径が90μmを越え1,000μm以下の範囲の複
数の熱可塑性プラスチック材料で構成してあると共に、
そのフィルタの少なくともーつの表面の水に対する接触
角が60度以上である多孔質プラスチックフィルタおよ
び(2) 平均粒径が5μm以上90μm以下の熱可塑
性プラスチック材料の混合割合が、全体に対し20重量
%以上である多孔質プラスチックフィルタおよび(3)
熱可塑性プラスチック材料が、超高分子量ポリエチレ
ンである多孔質プラスチックフイルタにある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の多孔質プラスチックフィ
ルタは、熱可塑性プラスチック材料を焼結成形したそれ
自体が多孔質で単層構造のもの、あるいはこれを平均粒
径が比較的大きな熱可塑性プラスチック材料を焼結成形
して孔径が大径の多孔質基材に被覆溶着した複層構造の
ものであってもよいが、要は、微粒子を含む液体や気体
などの流体が流入する側、あるいは流体が流出する側の
表面を複数の熱可塑性プラスチック材料で構成し、その
中に少なくとも平均粒径が5μm以上90μm以下の範
囲と、平均粒径が90μmを越え1,000μm以下の
範囲の熱可塑性プラスチック材で構成してあると共に、
表面の水に対する接触角が60度以上である。
【0008】ここで、水に対する接触角が、60度未満
の表面を有するプラスチックフィルタでは、表面の自由
エネルギーが大きいため、逆洗を行ってもフィルタ表面
に付着した微粒子の払い落しが十分に行われず、目詰ま
りなどが発生するため、実用上問題がある。
【0009】本発明の多孔質プラスチックフィルタは、
超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポ
リエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレートなどのポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテル
サルホン樹脂、ポリエチレンサルファイド樹脂、さらに
はふっ素系樹脂、架橋ポリオレフィン系樹脂などの熱可
塑性プラスチック材料の内、平均粒径が5μm以上90
μm以下の範囲のものと、90μmを越え1,000μ
m以下の範囲のものとが少なくとも混合して構成してあ
る。
【0010】両者の混合割合は、平均粒径が粒径が5μ
m以上90μm以下の範囲のものが、全体に対し20重
量%以上でよく、好ましくは40重量%以上が好適であ
る。また、熱可塑性プラスチック材料は、前記熱可塑性
プラスチック材料を単独あるいはこれらを混合してあっ
てもよいが、好ましくは平均粒径が5μm以上90μm
以下の超高分子量ポリエチレンと、平均粒径が粒径が1
00μm以上1,000μm以下の超高分子量ポリエチ
レンとを混合したものである。
【0011】また、特に、メルトフローレイト(以下
「MFR」と記す)の小さなもの、具体的にはMFRが
0.01以下の材料を使用する方が均一な孔径を有する
多孔質プラスチックフィルタを得る上では好適である。
【0012】ふっ素系樹脂材料としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリフルオロアクリルアクリレート、
ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ヘキサフル
オロプロピレンなど、通常知られているものであればよ
く、特にポリテトラフルオロエチレン、またはポリフル
オロアクリルアクリレートは、塵芥等の微粒子に対する
非粘着特性を付与するという点からはより好ましい材料
である。ふっ素系樹脂材料の混合割合は、プラスチック
材料全体に対し、0.1重量%以上50重量%以下の範
囲であれば良く、好ましくは1重量%以上30重量%以
下の範囲が好適である。ふっ素系樹脂材料の混合割合
が、0.1重量%以下では、その捕集した塵芥などの微
粒子の払い落し性能は、多孔質プラスチックフィルタを
構成している熱可塑性プラスチック材料自体が有してい
るものに依存され、所望の払い落し性能は得難い、ま
た、50重量%以上では焼結された多孔質プラスチック
フィルタの強度低下が著しく、実用上問題がある。
【0013】架橋ポリオレフィン系樹脂材料は、低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ンなどのポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フィン系樹脂に、γ線、X線などの電離性放射線を照射
して架橋させて、または、架橋剤として塩化アルミニウ
ム、フッ化窒素などの無機化合物や、t−ブチル−クミ
ル−パーオキサイド、ジクミル−パーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、アセチレンパーオキサイドなどの有機過酸化物
を用いて化学的に架橋させて、その架橋度を、10%以
上としたものであり、通常は、その平均粒径が、5μm
以上90μm以下の範囲、好ましくは10μm以上60
μm以下の範囲の焼結により多孔質層を得られる架橋ポ
リオレフィン系樹脂材料であれば特に限定されるもので
はない。
【0014】ポリオレフィン系樹脂材料の架橋度10%
以下では、架橋ポリオレフィン系樹脂材料を加熱した際
に起こす、溶融時の流動性の低下現象が少なく架橋の効
果が生じ難いものである。
【0015】放射線照射による架橋は、化学的な架橋に
比し、架橋剤の残留がないこと、添加の手間が省けるこ
と、架橋の均一性などの点では好ましいが、特殊な装置
を必要とする点では不利がある。
【0016】なお、多孔質プラスチックフィルタに帯電
防止性を付与させるために、多孔質プラスチックフィル
タ、あるいはこれに被覆溶着してある孔径が小径の多孔
質層に例えば、カーボンブラックやカーボンファイバ
ー、金属粉、表面に金属などが塗布してあるチタン酸カ
リウムなどの導電剤を、目的に合わせて1〜5重量%の
範囲、通常は1〜2重量%の範囲の量で添加してあって
もよい。
【0017】本発明の多孔質プラスチックフィルタを単
層構造とするには、前記した熱可塑性プラスチック材料
より選択したものを単独あるいは混合し、好ましくは平
均粒径が30μm以上50μm以下の粘度平均分子量が
200万以上の超高分子量ポリエチレンに、平均粒径が
120μm以上180μm以下の粘度平均分子量が40
0万以上のものとを混合して構成してある。
【0018】また、複層構造とするには、前記単層構造
と同じ構成をした多孔質層を平均粒径が比較的大きな熱
可塑性プラスチック材料の粒子を焼結成形して得られる
大きな孔径を有する多孔質プラスチック基材の表面に一
体化したものであって、その多孔質プラスチック基材
は、低い圧力損失で、高い強度を有し、それを構成する
熱可塑性プラスチック材料は、前記した超高分子量ポリ
エチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレンやポ
リプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂等などより選
択して使用ができ、通常は、平均粒径が100μm以上
1,000μm以下、好ましくは150μm以上600
μm以下の範囲の焼結により多孔質体を得られる熱可塑
性プラスチック材料であれば特に限定されるものではな
い。
【0019】特に、MFRの小さなもの、具体的にはM
FRが0.01以下の材料を使用する方が均一な孔径を
有する多孔質プラスチック基材を得る上では好適であ
り、例えば平均粒径が100μm以上200μm以上
で、かつ嵩密度が0.35〜0.45g/cm3 の、ぶど
う房形状の超高分子量エチレンが、機械的強度などより
好適である。
【0020】本発明の多孔質プラスチックフィルタの最
終的な形状は、断面が円形、楕円形、長方形、多角形、
星形などの中空筒状体、板状体、棒状体、有底筒状体あ
るいは皿状体など、その用途によって適宜選択される。
【0021】また、その長さは、長形・短形のいずれで
あっても良く後記する分離装置に合わせて成形される。
【0022】このフィルタの形状として、中でも、中空
筒状体の壁の少なくともその一部にひだ部を形成したフ
ィルタは、垂直あるいは水平に対する自立性を有すると
共に、濾過面積の増大を図ることができるので好適であ
る。
【0023】そのひだ部は、その筒状体の外周端に位置
する外側屈曲部と、筒状体の内周側に位置する内側屈曲
部とを交互にあるいは適宜間隔を置いて設けることによ
り形成される。
【0024】そのひだ部の形成は、その筒状体の外側屈
曲部の外径、内側屈曲部の内径、厚み、ひだの数などに
よって決まるが、外径が20〜150mm、内径が12〜
120mm、厚みが1〜5mm、ひだの数が5〜25個好ま
しくは6〜12個の中より、プラスチック材料の種類、
フィルタの機械的強度、要求される容積当たりの濾過面
積、分離装置の設置面積などを考慮して選択される。
【0025】このひだ部は、筒状体の壁の全周にまたは
ほぼ半周にわたり形成するのが好ましく、ひだ部を全周
に形成したものは分離装置内に垂直に配設した場合にフ
ィルタに方向性が生ずることが無く、またひだ部をほぼ
半周にわたり形成したものは分離装置内にひだ部を下側
にして水平に配設した場合に除去すべき微粒子の滞積が
無く好適である。
【0026】本発明の多孔質プラスチックフィルタは、
熱可塑性プラスチック材料の所定の平均粒径を有する粒
子を、静的成形法や動的成形法によって焼結成形するこ
とで行なわれる。
【0027】前者の静的成形法は、いわゆる型内焼結法
であって、例えば筒状などの内表面形状を有する外型と
その内部に挿入した同様の外表面形状を有する内とより
なる成形金型を用い、外型内表面と内型外表面の間隙部
に形成されるキャビテイ内に熱可塑性プラスチック材料
の粒子を充填した後、成形金型共々これを加熱する方法
である。
【0028】後者の動的成形法は、(1) 先端部に成形型
を有する温度調整が可能なシリンダ内に往復運動をする
ピストン(プランジャーともいう)を内蔵したラム式押
出機を用いて行うラム押出法、(2) 先端部に成形型を有
する温度調整が可能なシリンダ内にスクリュウを内蔵し
た射出成形機を用いて行う射出成形法、(3) 先端部に成
形型を有する温度調整が可能なシリンダ内にスクリュウ
を内蔵した押出成形機を用いて行う押出成形法、(4)雌
型とその内径部に挿人される雄型よりなる成形金型を用
い、雌型の内部に形成されるキャビテイ内に原料を充填
した後、成形金型を加熱する圧縮成形機を用いて行う圧
縮成形法、(5) 先端部に上下方一対の移動式ベルトある
いは下方の移動式ベルトで構成される成形型を有する温
度調整が可能なシリンダでこの成形型内に原料を押出し
する連続式プレス機を用いて行う連続式プレス法などで
ある。
【0029】これら静的成形法や動的成形法などの方法
から、本発明の多孔質プラスチックフィルタの最終的な
形状などの要求品質に応じて、適宜選択することができ
る。また、多孔質プラスチック基材の表面に平均粒径が
比較的小さな架橋ポリオレフィン系樹脂材料の粒子の多
孔質層を焼結成形して複層の多孔質プラスチックフィル
タの成形方法は、前記した型内焼結法、や静電塗装法な
どであり、型内焼結法は、予め成形してある多孔質プラ
スチック基材を、その基材の外径より所定量だけ大径の
内径を有する筒状外型内に間隙を設けて装填し、続い
て、その間隙内に架橋ポリオレフィン系樹脂材料の粒子
を充填し、その状態でこれらを所定温度で所定時間だけ
加熱して焼結成形する方法である。
【0030】なお、多孔質プラスチック基材を型内焼結
法で成形した場合には、これに連続して架橋ポリオレフ
ィン系樹脂材料の粒子を前記と同様にして焼結成形し、
多孔質プラスチック基材に多孔質層を被覆溶着して一体
化することもできる。
【0031】また、静電塗装法は、高電圧を印加したノ
ズルから、架橋ポリオレフィン系樹脂材料の粒子を噴出
させて、これを静電気的に塗着する方法であって、先
ず、所定孔径を有する多孔質プラスチック基材の表面に
導電性を付与する。
【0032】なお、導電性の付与は、多孔質プラスチッ
ク基材の成形時に、前記した導電剤、例えばカーボンブ
ラックやカーボンファイバー、金属粉等を基材中に混入
させる方法や、成形後の多孔質プラスチック基材の表面
に、界面活性剤等を塗布する方法などであるが、多孔質
プラスチック基材の少なくとも表面に導電性を付与でき
るものであれば、特に限定されない。
【0033】続いて、高電圧を印加したノズルから、そ
の多孔質プラスチック基材の表面と相溶性を有し、かつ
その多孔質プラスチック基材を構成するプラスチック材
料の粒子よりも、平均粒径が小径である架橋ポリオレフ
ィン系樹脂材料の粒子を噴出させて、これを静電気的に
塗着して、多孔質プラスチック基材の表面に被覆積層す
る。
【0034】次いで、この架橋ポリオレフィン系樹脂材
料の粒子が被着積層してある多孔質プラスチック基材
を、所定温度に設定した加熱炉などに入れて加熱し、こ
れを焼結成形すると共に、多孔質プラスチック基材の表
面にするものである。
【0035】ここで、ポリオレフィン系樹脂材料を架橋
するための放射線照射方法は、被照射材料を所定の放射
線照射装置内に封入し、被照射材料に対して大気圧中・
室温状態でコバルト60を線源として、所定の線量(G
y)を所定の時間照射するもので、これにより、所望の
架橋度を有する放射線架橋ポリオレフィン系樹脂材料を
得る。
【0036】また、多孔質複層プラスチックフィルタの
各層は、同一のプラスチック材料で構成されている方
が、成形する際には好都合であり、また各層の層間接着
力の面からも好ましい。
【0037】上記のようにして得られる多孔質プラスチ
ックフィルタは、通常、複数本を組合せてフィルタユニ
ットとし、これを所定の形状の分離装置用容器内に垂直
または水平に懸架などの手段により取り付けて分離装置
として使用される。
【0038】フィルタユニットは、多孔質プラスチック
フィルタを略板状の支持体に取付けたものであって、プ
ラスチックフィルタの一方の端部を孔の開いた支持体に
嵌着などの手段により固定し、他方の端部の開口部を蓋
体で閉塞したものである。
【0039】この支持体および蓋体は、金属や各種の合
成樹脂例えば硬質のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニ
ルなどの熱可塑性樹脂や反応型の熱硬化性樹脂などが使
用されるが、反応型の液状ポリウレタン樹脂が成形加工
性や寸法安定性から好ましい。
【0040】そして、このフィルタユニットに導電性を
付与する必要がある場合には、多孔質プラスチックフィ
ルタを焼結成形する際に前記した導電剤を添加してフィ
ルタに導電性を付与させると共に、支持体および蓋体に
も同様にカーボンブラックなどの導電剤を添加して導電
性を付与させた材料を使用すればよい なお、反応型の液状ポリウレタン樹脂を使用する場合主
剤のポリオールおよび硬化剤に平均糸長0.1〜1.0
mmの炭素繊維を3〜10重量%添加したものが、残留歪
みが小さく高い寸法精度と帯電防止性能を兼ね備えたも
のとなり、好適である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0042】[実施例1〜5]以下の内容にて製造して
得られた、多孔質プラスチックフィルタの性能は、下記
に示す方法により評価または測定し、その結果を表1に
表示した。
【0043】成形用金型として、円筒状の外表面を有す
る内型1個と、円筒状の内表面を有する外型1個を準備
する。その内型の外径は、外型の内径より2mm小さいも
のとする。先ず、内型を外型内に挿入し、外型と内型と
の間に均一に2mmの間隙が形成されるように設置する。
次いで、その間隙内に、平均粒径が40μmで、分子量
200万の超高分子量ポリエチレン(MFR=0.01
以下)と、平均粒径が150μmで、分子量400万の
超高分子量ポリエチレン(MFR=0.01以下)と
を、表1に表示した割合(重量%)で混合した組成物
を、充填し、これを160〜220℃の温度の加熱炉内
で30〜90分間加熱して焼結成形して、肉厚2mmの中
空円筒体形の多孔質プラスチックフィルタを得た。
【0044】「粒子脱落の有無」逆洗による払い落しの
際に、フィルタ粒子の脱落の有無を目視により評価し
た。すなわち、フィルタ粒子の脱落がなく良好なものを
(○)、フィルタ粒子の脱落が多少認められるものを
(Δ)、フィルタ粒子の脱落が相当認められるものを
(×)とした。
【0045】ただし、ここでフィルタ粒子には、脱落源
が2次的に被覆溶着して一体化した架橋ポリオレフィン
系樹脂材料よりなる多孔質層を含めてフィルタを構成す
る粒子の全て、である。
【0046】「微粒子捕集性能」逆洗による払い落しの
際に、払い落された微粒子の流体流出側への混入の有無
を目視により評価した。すなわち、微粒子の混入が認め
られないものを(○)、微粒子の混入が多少認められる
ものを(Δ)、微粒子の混入が相当認められるものを
(×)とした。
【0047】「粉体払い落し性」逆洗による払い落しの
際に、流体流出側のフィルタ表面に付着した微粒子(粉
体)の払い落しの良否を目視により評価した。すなわ
ち、微粒子(粉体)の払い落しが良好なものを(○)、
微粒子(粉体)の払い落しが多少悪いものを(Δ)、微
粒子(粉体)の払い落しが相当悪いものを(×)とし
た。
【0048】「圧力損失/mmAq」微粒子を含まない空
気を1m/minで吸引した時の、流入側と流出側の圧
力損失を測定し、水柱mmで表示した値である。
【0049】「対水接触角/度」ゴニオメーター式接触
角測定器(エルマ社製G−1型)を用い、マイクロシリ
ンジでイオン交換水20μlを流入側焼結プラスチック
の表面に滴下し、その接触角を測定し、度で表示した値
である。
【0050】 表1 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 混合割合 80/20 50/50 30/70 20/80 10/90 40μm /150μm 粒子脱落の有無 ○ ○ ○ ○ ○ 微粒子捕集性能 ○ ○ ○ ○ Δ 粉体払い落し性 ○ ○ ○ ○ ○ 圧力損失(mmAq) 68 44 35 24 15 対水接触角(度) 97 96 95 95 95 表1に示したように、実施例1〜5のいずれも粒子の脱
落および粉体払い落し性について問題なく良好である。
また、圧力損失についても実施例1が若干高いがいずれ
も実用上は問題がない。
【0051】しかも、平均粒径の比較的小さなものと比
較的大きなもの混合割合を替えることにより、性能の異
なる多孔質プラスチックフィルタを容易に得ることがで
きる。
【0052】なお、平均粒径が小さいプラスチック材料
の割合が低い実施例5は、流体流出側への微粒子の混入
が多少認められ、好ましくない。
【0053】[比較例1〜4]以下の内容にて製造して
得られた多孔質プラスチックフィルタの性能は、下記に
示す方法により評価または測定し、その結果を表2に表
示した。
【0054】[比較例1]実施例1と同一の成形用金型
を使用して、その成形用金型の間隙内に、平均粒径が3
0μm で、分子量200万の超高分子量ポリエチレン
(MFR=0.01以下)を充填し、これを160〜2
20℃の温度の加熱炉内で30〜90分間加熱して焼結
成形して、肉厚2mmの中空円筒体形の多孔質プラスチッ
クフィルタを得た。
【0055】[比較例2]比較例1と同一の成形用金型
を使用して、その成形用金型の間隙内に、平均粒径が1
70μmで、分子量200万の超高分子量ポリエチレン
(MFR=0.01以下)を充填し、これを150〜2
00℃の温度の加熱炉内で60分間加熱して焼結成形し
て、肉厚2mmの中空円筒体形の多孔質プラスチックフィ
ルタを得た。
【0056】[比較例3]比較例1と同一の成形用金型
を使用して、その成形用金型の間隙内に、平均粒径が3
0μmで、分子量200万の超高分子量ポリエチレン
(MFR=0.01以下)を充填し、これを160〜2
20℃の温度の加熱炉内で30〜90分間加熱して焼結
成形し、焼結成形した多孔質プラスチック円筒体を成形
用金型より取出した後、その円筒体の表面に界面活性剤
を塗布して肉厚2mmの中空円筒体形の多孔質プラスチッ
クフィルタを得た。
【0057】[比較例4]比較例1と同一の成形用金型
を使用して、その成形用金型の間隙内に、平均粒径が1
70μmで、分子量400万の超高分子量ポリエチレン
(MFR=0.01以下)を充填し、これを160〜2
20℃の温度の加熱炉内で30〜90分間加熱して焼結
成形し、焼結成形した多孔質プラスチック円筒体を成形
用金型より取出した後、その円筒体の表面に平均粒径が
0.1μmのPTFE微粒子をバインダーと共に、スプ
レーして吹き付けて10〜20μmの厚さに被着積層
し、肉厚2mmの中空円筒体形の多孔質プラスチックフィ
ルタを得た。
【0058】 表2 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 粒子脱落の有無 ○ ○ ○ × 微粒子捕集性能 ○ × ○ Δ 粉体払い落し性 ○ ○ × ○ 圧力損失(mmAq) 70 6 70 20 対水接触角(度) 97 96 50 122 表2に示したように、比較例1は、平均粒径が30μm
で分子量200万の超高分子量ポリエチレンで構成した
もので、粒子の脱落や流体流出側への微粒子の混入、粉
体の払い落し性、さらには圧力損失についても問題なく
良好のものであるが、前記した実施例1〜4特に実施例
1は、比較例1と遜色ないことがわかる。
【0059】しかし、比較例2は、平均粒径が170μ
mで分子量200万の超高分子量ポリエチレンで構成し
たもので、特に流体流出側への微粒子の混入について難
があり実用上問題がある。また比較例3においては、粉
体の払い落し性に間題があり、比較例4においては、基
材からPTFE粒子の脱落、流体流出側への微粒子の混
入などに問題がある。
【0060】[実施例6〜10]以下の内容にて製造し
て得られた、多孔質プラスチックフィルタの性能は、下
記に示す方法により評価または測定し、その結果を表1
に表示した。
【0061】成形用金型として、壁の全周に8個のひだ
部を有する星型状の外表面を有する内型1個と、星型状
の内表面を有する外型1個を準備する。その内型の外径
は、外型の内径より2mm小さいものとする。先ず、内型
を外型内に挿入し、外型と内型との間に均一に2mmの間
隙が形成されるように設置する。次いで、その間隙内
に、平均粒径が40μmで、分子量200万の超高分子
量ポリエチレン(MFR=0.01以下)と、平均粒径
が150μmで、分子量400万の超高分子量ポリエチ
レン(MFR=0.01以下)とを、表3に表示した割
合(重量%)で混合した組成物を、充填し、これを16
0〜220℃の温度の加熱炉内で30〜90分間加熱し
て焼結成形して、肉厚2mmの中空円筒体形の多孔質プラ
スチックフィルタを得た。
【0062】 表3 実施例6 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 混合割合 80/20 50/50 30/70 20/80 10/90 40μm /150μm 粒子脱落の有無 ○ ○ ○ ○ ○ 微粒子捕集性能 ○ ○ ○ ○ Δ 粉体払い落し性 ○ ○ ○ ○ ○ 圧力損失(mmAq) 55 35 28 20 10 対水接触角(度) 97 96 95 95 95 表3に示したように、実施例6〜10のいずれも粒子の
脱落および粉体払い落し性について問題なく良好であ
る。また、圧力損失についても実施例6が若干高いがい
ずれも実用上は問題がない。
【0063】しかし、平均粒径が小さいプラスチック材
料の割合が低い実施例11は、流体流出側への微粒子の
混入が多少認められ、好ましくない。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多孔質プ
ラスチックフィルタは、少なくとも平均粒径が5μm以
上90μm以下の範囲と平均粒径が90μmを越え1,
000μm以下の範囲の複数の熱可塑性プラスチック材
料で構成してあると共に、そのフィルタの少なくともー
つの表面の水に対する接触角が60度以上としてあるの
で、良好な払い落し性能、表面捕集性能、圧力損失など
を兼備しながらも、従来のようなPTFE粒子が脱落
し、捕集された微粒子中に混入するなどの問題のないと
共に、プラスチックフィルタとしての性能特に圧力損失
をコントロールできものである。
【0065】しかも、横断面形状を中空星型体形にした
場合は、単位容積当たりの濾過面積が多くなるので、分
離装置の濾過容量、装置容量、設置面積などの選択が容
易にでき、設計施工上好ましいものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性プラスチック材料の粒子を焼結
    成形して得られる多孔質プラスチックフィルタにおい
    て、多孔質プラスチックフィルタは、少なくとも平均粒
    径が5μm以上90μm以下の範囲と平均粒径が90μ
    mを越え1,000μm以下の範囲の複数の熱可塑性プ
    ラスチック材料で構成してあると共に、そのフィルタの
    少なくともーつの表面の水に対する接触角が60度以上
    であることを特徴とする多孔質プラスチックフィルタ。
  2. 【請求項2】 平均粒径が5μm以上90μm以下の熱
    可塑性プラスチック材料の混合割合が、全体に対し20
    重量%以上であることを特徴とする請求項1記載の多孔
    質プラスチックフィルタ。
  3. 【請求項3】 熱可塑性プラスチック材料が、超高分子
    量ポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜2記
    載の多孔質プラスチックフイルタ。
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