JPH10229652A - 電気回転機、そのステータ、及びその製造方法 - Google Patents

電気回転機、そのステータ、及びその製造方法

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JPH10229652A
JPH10229652A JP3064097A JP3064097A JPH10229652A JP H10229652 A JPH10229652 A JP H10229652A JP 3064097 A JP3064097 A JP 3064097A JP 3064097 A JP3064097 A JP 3064097A JP H10229652 A JPH10229652 A JP H10229652A
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JP
Japan
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stator
coil
rotating machine
electric rotating
stator coil
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Application number
JP3064097A
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English (en)
Inventor
Hiromichi Hiramatsu
広道 平松
Koki Taneda
幸記 種田
Yuji Enomoto
裕治 榎本
Toshihiko Sakai
俊彦 酒井
Noriaki Yamamoto
典明 山本
Takashi Ishigami
孝 石上
Motoya Ito
元哉 伊藤
Fumio Tajima
文男 田島
Suetaro Shibukawa
末太郎 渋川
Masaharu Senoo
正治 妹尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイルエンド部の処理の手間を省く。 【解決手段】 ステータコイル10のロータ2と対向す
る有効コイル部11、及びコイル10が折り返されるコ
イルエンド部12を含むステータコイル10の全体が、
鉄粉を含有する樹脂で覆われている。ステータコイル1
0の全体を覆っている、鉄粉を含有する樹脂が、ステー
タコア20を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイル及びコアを
有して形成される電気回転機のステータ、及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ステータコアとしては、珪素
鋼板を積層したものが使用されている。
【0003】このステータコアでは、コイルを取り付け
るためのスロットを各鋼板ごとに形成した後、複数の珪
素鋼板を積層している。ステータコアのスロットにコイ
ルをいれる段階では、スロットの内縁でコイルが傷付い
てしまうのを防ぐため、スロットの内縁に沿ってスロッ
トライナを設け、そして、スロットにコイルを入れてい
る。スロット内にコイルを入れ終ると、スロットからコ
イルが抜け出ないよう、スロットの開口部にくさびを施
している。
【0004】以上のように、このようなステータは、ス
テータを形成するために多数の行程を必要とする上に、
磁束が通過する箇所に、スロットライナやくさび等、異
種材料が設けられているため、磁気損失が比較的大きい
という不具合がある。さらに、コイルの占有率を100
%にすることが、理論上、無理であるため、高効率化の
点で難点がある。
【0005】そこで、以上のような不具合等を解消する
ものとして、例えば、特開平3−70440号公報に記載され
ているステータがある。このステータは、ステータコア
を粉体珪素鋼を含有しているモールド樹脂で形成してい
るものである。ところで、この特開平3−70440号公報で
は、ステータの製造方法について開示されていないが、
想像するところでは、ステータコイルを形成した後、こ
のステータコイルのロータと対向する部分を、言い換え
ると、有効コイル部を金型で覆って、この金型内に、粉
体珪素鋼を含有している熔融樹脂を射出して、ステータ
コアを形成していると考えられる。また、このステータ
のコイルエンド部は、ステータコアから露出しており、
この部分を固定するために、この部分を糸で縛り、及び
/又は、この部分にワニスを塗布していると考えられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−70440号公報
に記載されているステータは、珪素鋼板を積層してステ
ータコアを形成するものに対して、スロット形成、スロ
ットライナやくさび等の施工等がなくなるため、製作工
数が非常に少なくなる等のメリットがある。しかしなが
ら、この技術であっても、前述したように、コイルエン
ド部の処理に手間がかかってしまうという問題点があ
る。
【0007】本発明は、このような従来の問題点につい
て着目してなされたもので、製造過程の手間をできる限
り省き、製造コストを低減することができる電気回転機
及びそのステータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の電気回転機のステータは、ロータの外周側に配される
ステータコイルと、該ステータコイルで発生した磁気の
磁気回路が形成されるステータコアとを有する電気回転
機のステータにおいて、高透磁率の軟磁性粒子を含有す
る樹脂で、前記ステータコイルの前記ロータと対向する
部分、及びコイルが折り返される前記ステータコイルの
端部を含む該ステータコイルの全体が覆われ、前記ステ
ータコイルの全体を覆っている、高透磁率の軟磁性粒子
を含有する前記樹脂が、前記ステータコアを形成してい
ることを特徴とするものである。
【0009】ここで、前記電気回転機のステータにおい
て、前記ステータコアの部分であって、前記ステータコ
イルの前記ロータと対向する部分を覆っている有効コア
部の厚さに対して、前記ステータコアの部分であって、
前記ステータコイルの前記端部を覆っているコイル端被
覆部の厚さが薄くてもよい。
【0010】また、以上の前記電気回転機のステータに
おいて、前記ステータコアは、表層部の樹脂密度が、該
表層部の内側に位置している内部の樹脂密度よりも高く
てもよい。また、前記ステータコアは、前記ロータと対
向する該ステータコアの内周側部分における、前記樹脂
に対する前記軟磁性粒子の重量比率が、該ステータコア
の外周側部分よりも大きいことが好ましい。さらに、前
記ステータコアは、前記ステータコイルの内周側部分に
おける、前記樹脂に対する前記軟磁性粒子の重量比率
が、該ステータコイルの外周側部分よりも大きいことが
好ましい。
【0011】また、前記目的を達成するための電気回転
機は、以上のいずれかのステータと、前記ステータの内
周側に回転可能に配される前記ロータと、前記ステータ
及び前記ロータを覆うと共に、前記ステータが内周面に
固定され、前記ロータを回転可能に支持するケーシング
と、を備えていることを特徴とするものである。
【0012】また、前記目的を達成するための電気回転
機のステータの製造方法は、ロータの外周側に配される
ステータコイルと、該ステータコイルで発生した磁気の
磁気回路が形成されるステータコアとを有する電気回転
機のステータ製造方法において、前記ステータコイルの
前記ロータと対向する部分、及びコイルが折り返される
前記ステータコイルの端部を含む該ステータコイルの全
体が収まる空間が形成されている金型を予め準備してお
き、導電性線材を巻いて、前記ステータコイルを形成
し、前記ステータコイルを前記金型の前記空間内に収め
た後、該空間内に、高透磁率の軟磁性粒子を含有する熔
融樹脂を射出し、該軟磁性粒子を含有する該樹脂で前記
ステータコアを形成することを特徴とするものである。
【0013】ここで、前記電気回転機のステータ製造方
法において、前記ステータコイルを形成する前に、該ス
テータコイルの材料である前記導電性線材を巻き付ける
治具を、高透磁率の軟磁性粒子を含有する樹脂で形成し
ておき、前記治具に、前記導電性線材を巻き付けて、前
記ステータコイルを形成し、前記金型の空間内に、前記
ステータコイルと共に該ステータコイルが巻き付いてい
る前記治具を収め、前記ステータコイル及び前記治具が
収められている前記空間内に、高透磁率の軟磁性粒子を
含有する熔融樹脂を射出し、射出した該軟磁性粒子を含
有する該樹脂、及び前記治具で前記ステータコアを形成
してもよい。
【0014】また、前記電気回転機のステータ製造方法
において、前記ステータコアの部分であって、前記樹脂
に対する前記軟磁性粒子の重量比率を多くしたい又は少
なくしたい部分(以下、磁性粒子密度変更部とする。)
を、該重量比が目標の重量比になるよう、前記樹脂及び
前記軟磁性粒子で予め成形しておき、前記金型の空間内
に、前記ステータコイルと共に、予め成形しておいた前
記磁性粒子密度変更部を収め、前記ステータコイル及び
前記磁性粒子密度変更部が収められている空間内に、高
透磁率の前記軟磁性粒子を含有する熔融樹脂を射出し、
射出した該軟磁性粒子を含有する該樹脂、及び前記磁性
粒子密度変更部で前記ステータコアを形成してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る各種実施形態
としてのステータについて説明する。
【0016】まず、本発明に係る第1の実施形態として
のステータについて、図1〜図7を用いて説明する。こ
の実施形態のステータ1は、図1に示すように、ステー
タコイル10と高透磁率で軟磁性粒子の鉄粉を含有する
樹脂で形成されているステータコア20とを有してい
る。ステータコイル10は、ステータコア20を形成す
る鉄粉含有樹脂で、ステータコイル10のロータ2と対
向する部分(以下、有効コイル部11)、及びコイル1
0が折り返されるステータコイル10のコイルエンド部
12を含むステータコイル10の全体が覆われている。
【0017】このステータ1は、図1及び図7に示すよ
うに、中空円筒状を成している。中空部分は、円筒の一
方の端面から他方の端面に貫通し円筒状を成しており、
ここにロータ2が収まることになる。
【0018】このステータ1を製造するに当たり、図2
及び図6に示すように、円筒状のステータ1の外周面及
び両端面を覆う金型30、及び、ステータ1の中空部分
を成形する円筒状の芯材35を予め準備しておく。ま
た、図3に示すように、コイル10を形成する前に、円
筒状の芯材35が嵌まり込むリング部23a、及び、こ
のリング部23aから放射状に広がった複数のコイル巻
付部23b,23b,…を有する複数の治具23を形成
しておく。さらに、この治具相互間隔を定めるリング状
のスペーサ24も形成しておく。これら治具23及びス
ペーサ24は、いずれも、ステータコア20の形成材料
である鉄粉含有樹脂で形成されている。
【0019】まず、図3に示すように、円筒状の芯材3
5に、スペーサ24、治具23、スペーサ24、治具2
3、…の順序で、これらを嵌め込んでゆき、図2及び図
4に示すように、これらを芯材35に固定する。次に、
図5に示すように、治具23のコイル巻付部23bに、
コイル10と成る銅線を巻き付けて、芯材35の回りに
コイル10を形成する。
【0020】次に、図2に示すように、前述した金型3
0内に、芯材35、この芯材35に取り付けられている
スペーサ24及び治具23、治具23に巻き付けられて
いるコイル10を入れる。そして、この金型30内に、
鉄粉を含有する熔融樹脂を射出する。熔融樹脂が冷えて
固まると、型開きして、金型30内から成形品を取り出
す。この成形品が前述したステータ1となる。ステータ
コア20は、鉄粉含有樹脂で予め成形しておいた治具2
3及びスペーサ24と、金型30内に射出した鉄粉含有
樹脂で形成されている。
【0021】以上のように、この実施形態では、鉄粉を
含有する樹脂でステータコア20を一体成形しているの
で、複数の珪素鋼板を積層してステータコアを形成する
ものよりも遥かに製造行程を少なくすることができる。
さらに、ステータコア成形過程でコイルエンド部12も
樹脂で覆ってしまっているので、コイルエンド部12の
糸縛りやワニス塗等の作業も省くことができる。したが
って、製造過程における各種手間が省かれ、製造コスト
を低減することができる。また、コイルエンド部12の
コイル相互間に樹脂がほぼ確実に充填されるので、コイ
ルエンド部12を糸縛りやワニス塗りするよりも、コイ
ルエンド部12のコイル相互間の空気層を減らすことが
でき、コイルの冷却効率を高めることができる。
【0022】ところで、磁気回路が形成されるステータ
コア20は、磁気抵抗を少なくするという観点から、樹
脂に対する鉄粉の比率が高いことが好ましい。一方で、
ステータコア20は、ケーシングにしっかりと取り付け
るという観点から、樹脂に対する鉄粉の比率があまり高
くないことが好ましい。これは、鉄粉の比率が高くなり
過ぎると、ステータコア20が脆くなるからである。
【0023】そこで、この実施形態では、図1に示すよ
うに、ステータコア20の部分のうち、磁気抵抗が少な
い方が好ましい部分であるステータコア20の内周側部
分の鉄粉の比率を他の部分よりも高めためることで、磁
気抵抗を低減化を図る一方で、ステータコア20として
の強度、具体的には、ステータコア20の外周側の強度
を確保している。
【0024】ステータコア20内で鉄粉の比率を変える
方法としては、予め、樹脂に対する鉄粉の重量比率を多
くした磁性粒子密度変更部を成形しておき、これをコイ
ル10と共に金型30内に入れてから、熔融樹脂を射出
することで実現することができる。この実施形態では、
ステータコア20の内周側部分と成るスペーサ24を磁
性粒子密度変更部としている。
【0025】なお、この実施形態では、鉄粉として、粒
径が2〜200μmのものを用いている。また、ステー
タコア20の母材である樹脂としては、エポキシ樹脂や
フェノール不飽和ポリエステル樹脂等を用いているとよ
い。これらの樹脂には、母材としての強度を高めるた
め、ガラス繊維やセラミックス繊維等を含有させるとよ
い。また、樹脂に対する鉄粉の重量比率は、磁性粒子密
度変更部であるスペーサ24に関しては75〜99wt%
で、その他のステータコア20の部分に関しては50〜
80wt%である。また、この実施形態では、高透磁率の
軟磁性粒子として、鉄粉を用いたが、その他の高透磁率
の軟磁性材を粒子状にしたものを用いてもよい。
【0026】次に、本発明に係る第2の実施形態として
のステータについて、図8及び図9を用いて説明する。
この実施形態は、ステータ1aの基本的構成自体は、第
1の実施形態と同様で、その製造方法が第1の実施形態
と異なっている。
【0027】まず、銅線を巻いて、ステータコイル10
を形成する。続いて、図9に示すように、このコイル1
0のコイルエンド部12を治具36で把持して、芯材3
5に固定する。なお、この治具36は、第1の実施形態
のものと異なり、ステータコアを形成するものではな
く、金属で形成されている。次に、ステータコイル10
の有効コイル部11のみを覆える第1の金型31で、こ
の有効コイル部11を覆う。そして、この金型30内
に、鉄粉含有樹脂を射出し、ステータコア20aの有効
コア部21a(図8に示す)を成形し、有効コイル部1
1を樹脂モールドする。
【0028】一旦、有効コア部21aを成形すると、コ
イル10と有効コア部21aとは一体化するので、コイ
ルエンド部12を把持している治具36を外し、第1の
実施形態と同様に、ステータコイル10のコイルエンド
部12、及び有効コア部21aを覆える第2の金型30
で、これらを覆って、この金型30内に、鉄粉含有樹脂
を射出し、ステータコア20のコイルエンド被覆部22
aを成形し、コイルエンド部12を樹脂モールドする。
【0029】以上のように、この実施形態においても、
第1の実施形態と同様、ステータコイル10のコイルエ
ンド部12が、ステータコア形成過程において樹脂で覆
われるため、コイルエンド部12の糸縛りやワニス塗等
の作業も省くことができる。
【0030】なお、この実施形態において、ステータコ
ア20の有効コア部成形過程において、図8に示すよう
に、この部分の鉄粉の比率をコイルエンド部12の鉄粉
比率より高めて、つまり、有効コア部を磁性粒子密度変
更部とするとよい。この際、有効コア部の外周側は、ケ
ーシングに取り付ける必要性から、比較的強度があるこ
とが好ましい。そこで、第2の金型30として、有効コ
ア部を成形する第1の金型31の内径よりも大きい内径
のものを用い、第1の金型30で成形した有効コア部の
外周側に、鉄粉含有比率の低い樹脂層を形成するとよ
い。この樹脂層の鉄粉含有比率は、当然、ステータコア
20のコイルエンド被覆部22aの鉄粉含有比率と同じ
である。
【0031】次に、本発明に係る第3の実施形態として
のステータについて、図10〜図13を用いて説明す
る。この実施形態も、第1の実施形態と同様に、コイル
形成に用いる治具25(図11に示す)を、鉄粉含有樹
脂で成形し、ステータコア20b(図10に示す)の一
部にしてしまうものである。
【0032】コイル形成に用いる治具25は、第1の実
施形態と異なり、図12に示すように、断面が略扇型を
成し、ロータの軸方向に伸びているものである。コイル
10は、この治具25の側周面に、銅線を巻き付けて形
成する。この治具25の他に、図11及び図13に示す
ように、芯材35が嵌まり込むリング材27、及び、コ
イル10が巻き付けられた治具相互間の間隔を保持する
ためにスペーサ26も、鉄粉含有樹脂で予め成形してお
く。スペーサ26は、治具25と同様、断面が略扇型を
成し、ロータの軸方向に伸びているものである。
【0033】ステータコア20bの成形では、図11に
示すように、第1の実施形態で用いた芯材35及び金型
30を用いる。
【0034】まず、芯材35にリング材27を嵌め込
む。そして、これを金型30内にセットした後、コイル
が巻き付けられた治具25、スペーサ26、治具25、
スペーサ26、…の順で、これらを金型30内のリング
材27の回りに配する。全ての治具25及びスペーサ2
6のセットが完了すると、金型30を完全に型締めして
から、鉄粉含有樹脂を射出して、ステータコア20bを
成形する。このステータコア20bは、射出した鉄粉含
有樹脂の他、治具23、スペーサ24、リング材で形成
されている。
【0035】この実施形態においても、以上の各実施形
態と同様に、ステータコイル10のコイルエンド部12
が、ステータコア形成過程において樹脂で覆われるた
め、コイルエンド部12の糸縛りやワニス塗等の作業も
省くことができる。
【0036】また、この実施形態においても、リング材
27及び治具25の鉄粉含有比率を高めて、つまり、リ
ング材27及び治具25を磁性粒子密度変更部として、
図10に示すように、ステータコア20bの内周側部分
及びステータコイル10の内周側部分の鉄粉密度を高め
るとよい。
【0037】なお、この実施形態では、コイル10が巻
き付けられた治具相互間の間隔を保持するためにスペー
サ26を用いたが、このスペーサ26は無くてもよい。
この場合、図14(同図に示すものを第4の実施形態と
する。)に示すように、リング材27aの外周に突起2
7bを形成する一方で、この突起27bが嵌まり込む凹
部25bを治具25aに形成し、治具25aの凹部25
bにリング材27aの突起27bを嵌め込んで、治具2
5aがリング材27aに対して相対移動しないようにす
るとよい。
【0038】次に、本発明に係る第5の実施形態として
のステータについて、図15を用いて説明する。この実
施形態のステータコア20cは、その表層部の樹脂密度
が、その内部の樹脂密度よりも高いものである。
【0039】成形品の表層部の樹脂密度を高める方法、
言い換えると、成形品の内部の樹脂密度を相対的に低下
させる方法としては、樹脂中に発泡材や不活性ガス等を
混入させて、内部のみを発泡させる方法や、RIM(Reacti
on Injection Molding)方等がある。この実施形態で
は、これらの技術を用いて、図15に示すように、成形
品であるステータコア20cの内部のみを発泡させ、内
部に対する表層部の樹脂密度を高めている。
【0040】なお、この実施形態においても、以上の各
実施形態と同様に、ステータコア20cの一部を磁性粒
子密度変更部として予め成形しておき、この磁性粒子密
度変更部を金型30内に入れてから、先に述べた技術を
用いて、ステータコア2c0を成形するようにしてもよ
い。
【0041】次に、本発明に係る第6の実施形態として
のステータについて、図16を用いて説明する。この実
施形態のステータコア20dは、その有効コア部21d
の厚さに対して、コイルエンド被覆部22dの厚さが薄
いものである。
【0042】ステータコア20dの成形方法としては、
以上の実施形態で述べたいずれの方法を用いてもよい
が、金型としては、有効コア部21dを成形する部分の
内径が、コイルエンド被覆部22dを成形する部分の内
径よりも大きいものを用いる必要がある。
【0043】なお、以上の各種実施形態で説明したステ
ータを用いて、モータを製造する場合には、円筒状のス
テータの外周を、同じく中空円筒状のケーシングの内周
壁に固定し、ステータの内周側空間にロータを配して、
このロータをケーシング又はケーシングに設けられた軸
受に回転可能に取り付ける。
【0044】また、以上の各実施形態で説明したステー
タは、電気エネルギーを回転運動エネルギーに変換する
モータ用であるが、本発明は、これに限定されるもので
はなく、回転運動エネルギーを電気エネルギーに変換す
る発電機用にも適用できることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、高透磁率の軟磁性粒子
を含有する樹脂でステータコアを一体成形しているの
で、複数の珪素鋼板を積層してステータコアを形成する
ものよりも遥かに製造行程を少なくすることができる。
さらに、ステータコア成形過程でコイルエンド部も樹脂
で覆ってしまっているので、コイルエンド部の糸縛りや
ワニス塗等の作業も省くことができる。したがって、製
造過程における各種手間が省かれ、製造コストを低減す
ることができる。
【0046】また、コイルエンド部のコイル相互間に樹
脂がほぼ確実に充填されるので、コイルエンド部を糸縛
りやワニス塗りするよりも、コイルエンド部のコイル相
互間の空気層を減らすことができ、コイルの冷却効率を
高めることができる。
【0047】さらに、本発明のように、高透磁率の軟磁
性粒子を含有する樹脂でステータコアを形成すると、ス
テータコアの特定の部分に関して、樹脂に対する軟磁性
粒子の比率を高めたり、樹脂密度を高めたりすることが
できるので、磁気特性や部材強度の最適化を容易に図る
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態としてのステータ
の断面図(図7におけるI−I線断面図)ある。
【図2】本発明に係る第1の実施形態としての製造過程
のステータ及び金型の断面図(図6におけるII−II線断
面図)である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態としてのステータ
製造に用いる、リング、スペーサ等の斜視図である。
【図4】本発明に係る第1の実施形態としての製造過程
のステータコアの斜視図である。
【図5】本発明に係る第1の実施形態としての製造過程
のステータの斜視図である。
【図6】本発明に係る第1の実施形態としてのステータ
コア成形金型の斜視図である。
【図7】本発明に係る第1の実施形態としてのステータ
の斜視図である。
【図8】本発明に係る第2の実施形態としてのステータ
の断面図である。
【図9】本発明に係る第2の実施形態としての製造過程
のステータの断面図である。
【図10】本発明に係る第3の実施形態としてのステー
タの要部断面図である。
【図11】本発明に係る第3の実施形態としての製造過
程のステータの断面図である。
【図12】本発明に係る第3の実施形態としてのステー
タ製造に用いる治具の斜視図である。
【図13】本発明に係る第3の実施形態としてのステー
タ製造に用いるスペーサの斜視図である。
【図14】本発明に係る第4の実施形態としての製造過
程のステータの断面図である。
【図15】本発明に係る第5の実施形態としてのステー
タの断面図である。
【図16】本発明に係る第6の実施形態としてのステー
タの断面図である。
【符号の説明】
1…ステータ、2…ロータ、10…ステータコイル、1
1…有効コイル部、12…コイルエンド部、20,20
a,20b,20c,20d…スタータコア、21,2
1a,21d…有効コア部、22,22a,22d…コ
イルエンド被覆部、23,25,25a…治具、24,
26…スペーサ、27,27a…リング材、30…金型
(第2の金型)、31…第1の金型、35…芯材、36
…治具。
フロントページの続き (72)発明者 酒井 俊彦 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 山本 典明 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 石上 孝 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 伊藤 元哉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 田島 文男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 渋川 末太郎 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 妹尾 正治 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロータの外周側に配されるステータコイル
    と、該ステータコイルで発生した磁気の磁気回路が形成
    されるステータコアとを有する電気回転機のステータに
    おいて、 高透磁率の軟磁性粒子を含有する樹脂で、前記ステータ
    コイルの前記ロータと対向する部分、及びコイルが折り
    返される前記ステータコイルの端部を含む該ステータコ
    イルの全体が覆われ、 前記ステータコイルの全体を覆っている、高透磁率の軟
    磁性粒子を含有する前記樹脂が、前記ステータコアを形
    成していることを特徴とする電気回転機のステータ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電気回転機のステータにお
    いて、 前記ステータコアの部分であって、前記ステータコイル
    の前記ロータと対向する部分を覆っている有効コア部の
    厚さに対して、前記ステータコアの部分であって、前記
    ステータコイルの前記端部を覆っているコイル端被覆部
    の厚さが薄いことを特徴とする電気回転機のステータ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の電気回転機のステー
    タにおいて、 前記ステータコアは、表層部の樹脂密度が、該表層部の
    内側に位置している内部の樹脂密度よりも高いことを特
    徴とする電気回転機のステータ。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載の電気回転機のス
    テータにおいて、 前記ステータコアは、前記ロータと対向する該ステータ
    コアの内周側部分における、前記樹脂に対する前記軟磁
    性粒子の重量比率が、該ステータコアの外周側部分より
    も大きいことを特徴とする電気回転機のステータ。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4記載の電気回転機
    のステータにおいて、 前記ステータコアは、前記ステータコイルの内周側部分
    における、前記樹脂に対する前記軟磁性粒子の重量比率
    が、該ステータコイルの外周側部分よりも大きいことを
    特徴とする電気回転機のステータ。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5記載の電気回
    転機のステータと、 前記ステータの内周側に回転可能に配される前記ロータ
    と、 前記ステータ及び前記ロータを覆うと共に、前記ステー
    タが内周面に固定され、前記ロータを回転可能に支持す
    るケーシングと、 を備えていることを特徴とする電気回転機。
  7. 【請求項7】ロータの外周側に配されるステータコイル
    と、該ステータコイルで発生した磁気の磁気回路が形成
    されるステータコアとを有する電気回転機のステータ製
    造方法において、 前記ステータコイルの前記ロータと対向する部分、及び
    コイルが折り返される前記ステータコイルの端部を含む
    該ステータコイルの全体が収まる空間が形成されている
    金型を予め準備しておき、 導電性線材を巻いて、前記ステータコイルを形成し、 前記ステータコイルを前記金型の前記空間内に収めた
    後、該空間内に、高透磁率の軟磁性粒子を含有する熔融
    樹脂を射出し、該軟磁性粒子を含有する該樹脂で前記ス
    テータコアを形成することを特徴とする電気回転機のス
    テータ製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の電気回転機のステータ製造
    方法において、 前記ステータコイルを形成する前に、該ステータコイル
    の材料である前記導電性線材を巻き付ける治具を、高透
    磁率の軟磁性粒子を含有する樹脂で形成しておき、 前記治具に、前記導電性線材を巻き付けて、前記ステー
    タコイルを形成し、 前記金型の空間内に、前記ステータコイルと共に該ステ
    ータコイルが巻き付いている前記治具を収め、 前記ステータコイル及び前記治具が収められている前記
    空間内に、高透磁率の軟磁性粒子を含有する熔融樹脂を
    射出し、射出した該軟磁性粒子を含有する該樹脂、及び
    前記治具で前記ステータコアを形成することを特徴とす
    る電気回転機のステータ製造方法。
  9. 【請求項9】請求項7又は8記載の電気回転機のステー
    タ製造方法において、 前記ステータコアの部分であって、前記樹脂に対する前
    記軟磁性粒子の重量比率を多くしたい又は少なくしたい
    部分(以下、磁性粒子密度変更部とする。)を、該重量
    比が目標の重量比になるよう、前記樹脂及び前記軟磁性
    粒子で予め成形しておき、 前記金型の空間内に、前記ステータコイルと共に、予め
    成形しておいた前記磁性粒子密度変更部を収め、 前記ステータコイル及び前記磁性粒子密度変更部が収め
    られている空間内に、高透磁率の前記軟磁性粒子を含有
    する熔融樹脂を射出し、射出した該軟磁性粒子を含有す
    る該樹脂、及び前記磁性粒子密度変更部で前記ステータ
    コアを形成することを特徴とする電気回転機のステータ
    製造方法。
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