JPH10223765A - 配線処理方法及び配線処理装置並びに配線処理プログラム用記録媒体 - Google Patents

配線処理方法及び配線処理装置並びに配線処理プログラム用記録媒体

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JPH10223765A
JPH10223765A JP9264022A JP26402297A JPH10223765A JP H10223765 A JPH10223765 A JP H10223765A JP 9264022 A JP9264022 A JP 9264022A JP 26402297 A JP26402297 A JP 26402297A JP H10223765 A JPH10223765 A JP H10223765A
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delay
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則之 伊藤
Tomoyuki Isomura
知之 磯村
Hiroshi Ikeda
弘 池田
Toshihiko Tada
敏彦 多田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば大規模集積回路の設計を行なう際に用
いられる配線処理方法において、正確に等ディレイ分岐
点を決定することによりクロック同期式回路におけるク
ロック分配回路のクロックスキューを低減できるように
する。 【解決手段】 クロックネットにおける2つのレシーバ
間を接続する配線を3個以上のセグメントに分割するス
テップS1と、セグメントの一端に位置する一分岐点か
ら一方のレシーバへの第1ディレイ時間と一分岐点から
他方のレシーバへの第2ディレイ時間とを比較するとと
もに、セグメントの他端に位置する他分岐点から一方の
レシーバへの第3ディレイ時間と他分岐点から他方のレ
シーバへの第4ディレイ時間とを比較し、第1ディレイ
時間と第2ディレイ時間との大小関係と第3ディレイ時
間と第4ディレイ時間との大小関係とが反転するセグメ
ントを等ディレイ分岐セグメントとして決定するステッ
プS2と、等ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分
岐点を求めるステップS3とをそなえるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次) 発明の属する技術分野 従来の技術(図32〜図36) 発明が解決しようとする課題(図34) 課題を解決するための手段 発明の実施の形態 (a)本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装置
の構成の説明(図1,図2) (b)本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装置
による配線処理方法の説明 (b1)クロックスキューを低減させるための配線処理
方法の第1の態様の説明(図3〜図8) (b2)クロックスキューを低減させるための配線処理
方法の第2の態様の説明(図9〜図14) (b3)クロックスキューを低減させるための配線処理
方法の第3の態様の説明(図15,図16) (b4)配線経路を決定するための配線処理方法の第1
の態様の説明(図17〜図24) (b5)配線経路を決定するための配線処理方法の第2
の態様の説明(図25〜図28) (b6)配線経路を決定するための配線処理方法の第3
の態様の説明(図29〜図31) 発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、計算機支援設計シ
ステム(CAD;computer aided design )において、
大規模集積回路(LSI;large scale integration)の
設計の際に用いて好適な、配線処理方法及び配線処理装
置並びに配線処理プログラム用記録媒体に関する。
【0003】例えばクロック同期式回路におけるクロッ
ク分配回路上の各クロックネットにおいては、クロック
発生回路(ドライバ)から各クロック受信回路(レシー
バ)へのディレイ時間(クロックの伝搬遅延時間)を等
しくする、即ち、クロックの伝搬遅延時間の差分である
クロックスキューを小さくすることは、クロック分配回
路の動作を安定させるために非常に重要な技術である。
即ち、クロックスキューが大きいと、各クロックネット
においては各レシーバが同期動作を行なうことができな
くなるため、クロック分配回路のクロックスキューを低
減する必要がある。
【0004】また、LSIにおいては、処理の高速化を
図るために、LSI上の各回路を接続する配線長の最小
化及び配線性を向上させる必要もある。この際に、配線
を行なう前段階で配線可能性を見積もり、この配線可能
性により各回路の配置の改善や配線領域の最適化を行な
うことも考えられる。特に、現在では、配線対象が巨大
化しているため、早い段階での配線可能性の算出及び評
価が必要とされている。
【0005】
【従来の技術】クロック同期式回路におけるクロックの
伝搬遅延時間(ディレイ時間)の差分であるクロックス
キューを低減させるための配線処理方法は、これまでに
数多く報告されている。以下では、クロックスキューを
低減させるための配線処理方法のうちで、代表的な方法
であるIBMによる方法について説明する。なお、この
方法は、「Ren-Song Tsay,"Exact zero skew",Proc.IEE
E Int.Conference on CAD,pp336-339,1991」に詳細に記
載されている。
【0006】ここで、このクロックスキューを低減させ
るための配線処理方法を説明するにあたり、まず、クロ
ック同期式回路におけるクロック分配回路上のクロック
ネットにおけるクロック・トリーの構成を図34に示
す。クロック・トリー130は、図34に示すように、
レシーバ(クロック受信回路)112とワイヤ118か
らなるサブ・クロック・トリーと、レシーバ(クロック
受信回路)115とワイヤ121からなるサブ・クロッ
ク・トリーとが、等ディレイ分岐点(タッピングポイン
ト:tapping point )xを介して接続されることにより
構成されている。
【0007】即ち、クロック・トリー130において
は、図34においては図示しないドライバ(クロック発
生回路)からのクロックが、等ディレイ分岐点xを介し
てレシーバ112,115に供給されるようになってい
る。ここで、レシーバ112は、フリップフロップ回路
(時定数t1 )113とコンデンサ(容量C1 )114
とをそなえて構成され、レシーバ115は、フリップフ
ロップ回路(時定数t2 )116とコンデンサ(容量C
2 )117とをそなえて構成されている。
【0008】また、ワイヤ118は、1つの抵抗(抵抗
値r1 )119と2つのコンデンサ(容量c1 /2)1
20からなるΠ型RC回路により構成されている。さら
に、ワイヤ121も、ワイヤ118と同様に1つの抵抗
(抵抗値r2 )122と2つのコンデンサ(容量c2
2)123からなるΠ型RC回路により構成されてい
る。
【0009】ここで、図34において、レシーバ11
2,115間を接続する配線を1つのΠ型RC回路で表
す理由について説明する。まず、1つのサブ・クロック
・トリーについて着目して考える。図32は、バッファ
付きクロック・トリーをモデル化して示したものであ
り、バッファ付きクロック・トリー100は、図32に
示すように、ドライバとしてのクロック発生回路(クロ
ックソース;clock source)101と、レシーバとして
のクロック受信回路(ラッチ;latch )103とがバッ
ファ(buffer)102を介して接続されることにより構
成されたものである。
【0010】ここで、クロックソース101とバッファ
102とはワイヤ(wire)104により接続され、バッ
ファ102とラッチ103とはワイヤ(wire)105に
より接続されている。このバッファ付きクロック・トリ
ー100は、詳細には、図33に示すような構成を有し
ている。
【0011】クロックソース101は抵抗(抵抗値
s )106をそなえており、バッファ102はディレ
イ回路(内部ディレイ時間db )111,抵抗(抵抗値
b )107及びコンデンサ(容量cb )109をそな
えており、ラッチ103はコンデンサ(容量c1 )11
0をそなえている。ここで、クロックソース101から
ラッチ103までのディレイ時間としては、バッファ1
02のディレイ回路111による内部ディレイ時間db
のほか、ワイヤ104,105の配線抵抗によるディレ
イ時間等が考えられる。
【0012】このうち、配線抵抗については、近年の半
導体微細加工技術の進歩によるトランジスタサイズ及び
配線断面積の減少ため、無視することができなくなって
いる。そこで、ディレイ時間の予測精度上、ワイヤ10
4,105を、分布定数回路として扱うことが必要とな
っており、この分布定数回路を模式化した集中定数回路
として、ワイヤ104,105を、図33に示すよう
に、それぞれ1つの抵抗(抵抗値rs )106と2つの
コンデンサ(容量c1 /2)108からなるΠ型RC回
路で評価する考え方が一般的となっている。
【0013】ところで、等ディレイ分岐点xは、前述し
たように、図34においては図示しないドライバ(クロ
ック発生回路)からのクロックが入力される点である。
この図34に示すクロック・トリー130においては、
等ディレイ分岐点xの位置により、クロック・トリー1
30の2つのサブ・クロック・トリーにおけるクロック
スキューが変化するため、クロック・トリー130にお
けるクロックスキューを低減させるには、等ディレイ分
岐点xの位置の設定を正確に行なうことが必要となる。
【0014】ここで、2つのサブ・クロック・トリー間
の配線における等ディレイ分岐点xの決定方法(zero-s
kew-merge ) について説明すると、この等ディレイ分岐
点xは、次式を満たすことが知られている。 r1 (c1 /2+C1 )+t1 =r2 (c2 /2+
2 )+t2 このとき、 L:2つのサブ・クロック・トリー間の線長 α:線路の単位長当たりの抵抗 β:線路の単位長当たりの容量 とすると、等ディレイ分岐点xは、 x=〔(t2 −t1 )+αL(C2 +βL/2)〕/
〔αL(βL+C1 +C2 )〕 により決定することができる。
【0015】ところで、LSI上の各回路は、自動配線
において探索された最適な配線経路により接続される。
自動配線において配線経路を探索する方法は、これまで
数多く報告されているが、以下では、線分探索法の一種
である三上・田淵による方法(三上・田淵法)について
説明する。
【0016】ここで、線分探索法とは、垂直又は水平の
探針を次々に発生することにより配線経路を探索する方
法であり、少ない記憶容量で高速処理できる利点があ
る。三上・田淵法では、図35に示すように、まず探索
の開始点S及び探索の終了点Tからレベル0の仮線分を
水平方向に発生し、これらの仮線分が重複しない場合に
は、続いてレベル0の仮線分に垂直に交わるレベル1の
仮線分を発生する。
【0017】そして、これらのステップを繰り返し、両
側からの仮線分が交差したときには、交差した仮線分を
逆探索することにより、例えば図36に示すような配線
経路を見つけることができる。この三上・田淵法では、
配線経路が存在する場合は必ずその配線経路を見つける
ことができるが、レベルが増すに伴って加速度的に仮線
分数が増すことから、最悪の場合は格子点の数に等しい
仮線分を調べることになる。このため、通常は仮線分の
レベル数を例えば2又は3に限定して用いている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図34
に示すようなクロック・トリー130においては、前述
したようにワイヤ118,121を、それぞれシングル
Π型RC回路(Π型RCモデル)で評価している。これ
は、等ディレイ分岐点xを決定する際に、等ディレイ分
岐点xの両側の配線における単位グリッド当たりの抵抗
及び容量が場所によらず等しいと仮定しているからであ
る。
【0019】ところが、現実には、単位グリッド当たり
の抵抗及び容量が場所によらず等しいということはあり
えないため、ワイヤ118,121を複数のセグメント
に分割することにより直列Π型RC回路(直列Π型RC
モデル)で評価して、等ディレイ分岐点xを決定する必
要があるという課題がある。また、図34に示すような
クロック・トリー130においては、等ディレイ分岐点
xを決定する際に、より現実に即したものとするため
に、図示しないクロック発生回路に負荷がつくことによ
り増加するゲートディレイ(外部クロックディレイ時
間;extra-source gate delay )を考慮しながら、クロ
ック発生回路から各クロック受信回路までのディレイ時
間を目的値に設定する必要があるという課題もある。
【0020】さらに、前述したような、自動配線におい
て配線経路を探索する方法の1つである三上・田淵法に
おいては、同レベルの各仮線分(探索線分)の処理は相
互に影響を及ぼさないため、各探索線分の処理を並列に
実行することができれば探索処理の高速化が可能であ
る。また、この三上・田淵法では、一度探索された点は
再度探索されることはないため、最適な配線経路が探索
される前に最適でない配線経路が探索された場合には、
最適ではない配線経路が選択されてしまうという課題が
ある。
【0021】このため、複数の配線経路を探索できるよ
うにして、その中から最適な配線経路を選択する方法が
必要である。さらに、前述したように、LSIにおいて
は、配線を行なう前段階で配線可能性を見積もることが
できれば、この配線可能性により各回路の配置の改善や
配線領域の最適化を行なうことも考えられる。
【0022】しかしながら、各回路の配置終了時に配線
対象の配線可能性を知ることは困難であるため、配線を
行なうまでは配線可能性を知ることができないという課
題がある。本発明は、このような課題に鑑み創案された
もので、CADにおいて、LSIの設計の際に用いて好
適な配線処理方法であって、具体的には、正確に等ディ
レイ分岐点を決定したり外部クロックディレイ時間を考
慮することによりクロック分配回路のクロックスキュー
を低減させ、配線経路の探索における各探索線分の処理
を並列に実行できるようにして処理の高速化を図り、最
適な配線経路を選択できるようにしてLSI上の各回路
を接続する配線長の最小化及び配線性を向上させ、配線
を行なう前段階で配線可能性を見積もることにより各回
路の配置の改善や配線領域の最適化を行なえるようにし
た、配線処理方法及び配線処理装置を提供することを目
的とするとともに、更にはこのような配線処理を行なう
ための手順をコンピュータに実行させるための配線処理
プログラムを記録した配線処理プログラム用記録媒体を
提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の配線
処理方法は、クロック同期式回路におけるクロック分配
回路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間を接
続する配線について、2個以上の分岐点を設定すること
により、3個以上のセグメントに分割するセグメント分
割ステップと、該セグメント分割ステップで得られたセ
グメントについて、該セグメントの一端に位置する一分
岐点から上記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへ
の第1ディレイ時間と、該一分岐点から上記2つのレシ
ーバのうちの他方のレシーバへの第2ディレイ時間とを
比較するとともに、該セグメントの他端に位置する他分
岐点から上記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへ
の第3ディレイ時間と、該他分岐点から上記2つのレシ
ーバのうちの他方のレシーバへの第4ディレイ時間とを
比較し、上記の第1ディレイ時間と第2ディレイ時間と
の大小関係と上記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時
間との大小関係とが反転するセグメントを等ディレイ分
岐点が存在する等ディレイ分岐セグメントとして決定す
る等ディレイ分岐セグメント決定ステップと、該等ディ
レイ分岐セグメント決定ステップで求められた該等ディ
レイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点を求める等デ
ィレイ分岐点決定ステップとをそなえて構成されたこと
を特徴としている(請求項1)。
【0024】ここで、該セグメント分割ステップにおい
て設定される該分岐点は、該配線上の物理的な分岐点で
あってもよく(請求項2)、該セグメント分割ステップ
において設定される該分岐点は、該配線の単位長当たり
のインピーダンスが変化する点であってもよい(請求項
3)。また、該セグメント分割ステップにおいて求めら
れる該セグメントはシングルΠ型回路で評価することが
できる(請求項4)。
【0025】さらに、該等ディレイ分岐セグメント決定
ステップにおける上記の第1〜第4ディレイ時間は、
【0026】
【数3】 により求めることができる(請求項5)。また、該等デ
ィレイ分岐点決定ステップにおける該等ディレイ分岐点
は、
【0027】
【数4】 により求めることができる(請求項6)。さらに、本発
明の配線処理方法は、クロック同期式回路におけるクロ
ック分配回路上の配線について、2個以上の分岐点を設
定することにより、3個以上のセグメントに分割するセ
グメント分割ステップと、該セグメント分割ステップで
得られた各セグメント毎のディレイ時間を考慮した該配
線のプロパゲーションディレイ時間を求めるプロパゲー
ションディレイ時間決定ステップと、該プロパゲーショ
ンディレイ時間決定ステップで求められた該配線のプロ
パゲーションディレイ時間と設定時間とを比較して、こ
の比較結果に基づいて、該セグメント単位で配線長を調
整する配線長調整ステップとをそなえて構成されたこと
を特徴としている(請求項7)。
【0028】ここで、該セグメント分割ステップにおい
て設定される該分岐点は、該配線の単位長当たりのイン
ピーダンスが変化する点であってもよい(請求項8)。
また、該セグメント分割ステップにおいて求められる該
セグメントはシングルΠ型回路で評価することができる
(請求項9)。さらに、本発明の配線処理方法は、クロ
ック同期式回路におけるクロック分配回路上のクロック
ネットにおける2つのレシーバ間を接続する配線につい
て、2個以上の分岐点を設定することにより、3個以上
のセグメントに分割する第1セグメント分割ステップ
と、該第1セグメント分割ステップで得られたセグメン
トについて、該セグメントの一端に位置する一分岐点か
ら上記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第1
ディレイ時間と、該一分岐点から上記2つのレシーバの
うちの他方のレシーバへの第2ディレイ時間とを比較す
るとともに、該セグメントの他端に位置する他分岐点か
ら上記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第3
ディレイ時間と、該他分岐点から上記2つのレシーバの
うちの他方のレシーバへの第4ディレイ時間とを比較
し、上記の第1ディレイ時間と第2ディレイ時間との大
小関係と上記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時間と
の大小関係とが反転するセグメントを等ディレイ分岐点
が存在する等ディレイ分岐セグメントとして決定する等
ディレイ分岐セグメント決定ステップと、該等ディレイ
分岐セグメント決定ステップで求められた該等ディレイ
分岐セグメント中で等ディレイ分岐点を求める等ディレ
イ分岐点決定ステップと、該等ディレイ分岐点決定ステ
ップで求められた該等ディレイ分岐点から各レシーバへ
の第5ディレイ時間を求めるディレイ時間決定ステップ
と、該等ディレイ分岐点から外部クロック源取込み部へ
至る配線について、2個以上の分岐点を設定することに
より、3個以上のセグメントに分割する第2セグメント
分割ステップと、該第2セグメント分割ステップで得ら
れた各セグメント毎のディレイ時間を考慮した該配線の
プロパゲーションディレイ時間を求めるプロパゲーショ
ンディレイ時間決定ステップと、該ディレイ時間決定ス
テップで求められた該等ディレイ分岐点から各レシーバ
への該第5ディレイ時間と該プロパゲーションディレイ
時間決定ステップで求められた該配線のプロパゲーショ
ンディレイ時間とを加算した時間と、設定時間とを比較
して、この比較結果に基づいて、セグメント単位で配線
長を調整する配線長調整ステップとをそなえて構成され
たことを特徴としている(請求項10)。
【0029】ここで、該配線長調整ステップにて、該第
5ディレイ時間と該プロパゲーションディレイ時間と該
外部クロック源取込み部での外部クロックディレイ時間
とを加算した時間と、設定時間とを比較した比較結果に
基づいて、セグメント単位で配線長を調整してもよい
(請求項11)。また、本発明の配線処理方法は、回路
基板上の配線についての配線経路を決定するに際し、予
め、該配線の最小ピッチを単位として、配線領域を格子
状に分割し、格子点が該配線に使用可能であるかどうか
を示す使用可能フラグと、格子点に探索線分が到着した
ことを示す到着状況フラグと、格子点に探索線分が到着
した方向を示す到着方向フラグとを用意した状態で、該
到着状況フラグが探索線分到着を示している格子点に隣
接する隣接格子点について、該使用可能フラグが使用可
能状態を示しており、且つ、該到着状況フラグが探索線
分未到着を示している場合に、該隣接格子点の該到着状
況フラグを探索線分到着を示す状態にするともに、該隣
接格子点の該到着方向フラグにその探索方向を表示させ
る隣接格子点フラグ処理手順を並列的に実行し、更に該
隣接格子点フラグ処理手順を、各探索線分について、該
到着状況フラグを探索線分到着を示す状態にするような
格子点がなくなるまで、繰り返して実行する前方探索処
理ステップと、該前方探索処理ステップの後に、所望の
格子点から該到着方向フラグに従って、配線経路をさか
のぼっていくことにより、配線経路を検索する後方探索
処理ステップとをそなえて構成されていることを特徴と
している(請求項12)。
【0030】さらに、本発明の配線処理方法は、回路基
板上の配線についての配線経路を決定するに際し、予
め、該配線の最小ピッチを単位として、配線領域を格子
状に分割し、格子点に探索線分が到着した方向を示す到
着方向フラグを用意した状態で、各格子点について、該
到着方向フラグにその探索方向を複数表示させながら、
前方探索を行なっていく前方探索処理ステップと、該前
方探索処理ステップの後に、所望の格子点から該到着方
向フラグに従って、配線経路をさかのぼっていくことに
より、複数の配線経路を検索する後方探索処理ステップ
と、該後方探索処理ステップで得られた複数の配線経路
から最適な配線経路を決定する最適配線経路決定ステッ
プとをそなえて構成されていることを特徴としている
(請求項13)。
【0031】また、本発明の配線処理方法は、回路基板
上の回路についての配置を決定する回路配置決定ステッ
プと、該回路配置決定ステップにて、該回路についての
配置を決定した後に、該回路を接続する配線の総配線長
をLとし、該配線に使用される点の数をGとして、(L
−G)/Lを該配線についての配線混雑度として評価す
る配線混雑度評価ステップとそなえて構成されているこ
とを特徴としている(請求項14)。
【0032】さらに、本発明の配線処理装置は、クロッ
ク同期式回路におけるクロック分配回路上のクロックネ
ットにおける2つのレシーバ間を接続する配線につい
て、2個以上の分岐点を設定することにより、3個以上
のセグメントに分割するセグメント分割処理部と、該セ
グメント分割処理部で得られたセグメントについて、該
セグメントの一端に位置する一分岐点から上記2つのレ
シーバのうちの一方のレシーバへの第1ディレイ時間
と、該一分岐点から上記2つのレシーバのうちの他方の
レシーバへの第2ディレイ時間とを比較するとともに、
該セグメントの他端に位置する他分岐点から上記2つの
レシーバのうちの一方のレシーバへの第3ディレイ時間
と、該他分岐点から上記2つのレシーバのうちの他方の
レシーバへの第4ディレイ時間とを比較し、上記の第1
ディレイ時間と第2ディレイ時間との大小関係と上記の
第3ディレイ時間と第4ディレイ時間との大小関係とが
反転するセグメントを等ディレイ分岐点が存在する等デ
ィレイ分岐セグメントとして決定する等ディレイ分岐セ
グメント決定処理部と、該等ディレイ分岐セグメント決
定処理部で求められた該等ディレイ分岐セグメント中で
等ディレイ分岐点を求める等ディレイ分岐点決定処理部
とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項
15)。
【0033】また、本発明の配線処理装置は、クロック
同期式回路におけるクロック分配回路上の配線につい
て、2個以上の分岐点を設定することにより、3個以上
のセグメントに分割するセグメント分割処理部と、該セ
グメント分割処理部で得られた各セグメント毎のディレ
イ時間を考慮した該配線のプロパゲーションディレイ時
間を求めるプロパゲーションディレイ時間決定処理部
と、該プロパゲーションディレイ時間決定処理部で求め
られた該配線のプロパゲーションディレイ時間と設定時
間とを比較して、この比較結果に基づいて、該セグメン
ト単位で配線長を調整する配線長調整処理部とをそなえ
て構成されたことを特徴としている(請求項16)。
【0034】さらに、本発明の配線処理装置は、クロッ
ク同期式回路におけるクロック分配回路上のクロックネ
ットにおける2つのレシーバ間を接続する配線につい
て、2個以上の分岐点を設定することにより、3個以上
のセグメントに分割する第1セグメント分割処理部と、
該第1セグメント分割処理部で得られたセグメントにつ
いて、該セグメントの一端に位置する一分岐点から上記
2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第1ディレ
イ時間と、該一分岐点から上記2つのレシーバのうちの
他方のレシーバへの第2ディレイ時間とを比較するとと
もに、該セグメントの他端に位置する他分岐点から上記
2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第3ディレ
イ時間と、該他分岐点から上記2つのレシーバのうちの
他方のレシーバへの第4ディレイ時間とを比較し、上記
の第1ディレイ時間と第2ディレイ時間との大小関係と
上記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時間との大小関
係とが反転するセグメントを等ディレイ分岐点が存在す
る等ディレイ分岐セグメントとして決定する等ディレイ
分岐セグメント決定処理部と、該等ディレイ分岐セグメ
ント決定処理部で求められた該等ディレイ分岐セグメン
ト中で等ディレイ分岐点を求める等ディレイ分岐点決定
処理部と、該等ディレイ分岐点決定処理部で求められた
該等ディレイ分岐点から各レシーバへの第5ディレイ時
間を求めるディレイ時間決定処理部と、該等ディレイ分
岐点から外部クロック源取込み部へ至る配線について、
2個以上の分岐点を設定することにより、3個以上のセ
グメントに分割する第2セグメント分割処理部と、該第
2セグメント分割処理部で得られた各セグメント毎のデ
ィレイ時間を考慮した該配線のプロパゲーションディレ
イ時間を求めるプロパゲーションディレイ時間決定処理
部と、該ディレイ時間決定処理部で求められた該等ディ
レイ分岐点から各レシーバへの該第5ディレイ時間と該
プロパゲーションディレイ時間決定処理部で求められた
該配線のプロパゲーションディレイ時間とを加算した時
間と、設定時間とを比較して、この比較結果に基づい
て、セグメント単位で配線長を調整する配線長調整処理
部とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求
項17)。
【0035】また、本発明の配線処理装置は、回路基板
上の配線の最小ピッチを単位とし配線領域を格子状に分
割して得られた格子点に探索線分が到着したことを示す
到着状況フラグが探索線分到着を示している格子点に隣
接する隣接格子点について、格子点が該配線に使用可能
であるかどうかを示す使用可能フラグが使用可能状態を
示しており、且つ、該到着状況フラグが探索線分未到着
を示している場合に、該隣接格子点の該到着状況フラグ
を探索線分到着を示す状態にするともに、該隣接格子点
において、該隣接格子点に探索線分が到着した方向を示
す到着方向フラグにその探索方向を表示させる隣接格子
点フラグ処理手順を並列的に実行し、更に該隣接格子点
フラグ処理手順を、各探索線分について、該到着状況フ
ラグを探索線分到着を示す状態にするような格子点がな
くなるまで、繰り返して実行する前方探索処理を行なう
前方探索処理部と、該前方探索処理部における該前方探
索処理の後に、所望の格子点から該到着方向フラグに従
って、配線経路をさかのぼっていくことにより、配線経
路を検索する後方探索処理を行なう後方探索処理部とを
そなえて構成されたことを特徴としている(請求項1
8)。
【0036】さらに、本発明の配線処理装置は、回路基
板上の配線の最小ピッチを単位とし配線領域を格子状に
分割して得られた各格子点について、該格子点に探索線
分が到着した方向を示す到着方向フラグにその探索方向
を複数表示させながら、前方探索を行なっていく前方探
索処理部と、該前方探索処理部における該前方探索の後
に、所望の格子点から該到着方向フラグに従って、配線
経路をさかのぼっていくことにより、複数の配線経路を
検索する後方探索処理部と、該後方探索処理部で得られ
た複数の配線経路から最適な配線経路を決定する最適配
線経路決定処理部とをそなえて構成されたことを特徴と
している(請求項19)。
【0037】また、本発明の配線処理装置は、回路基板
上の回路についての配置を決定する回路配置決定処理部
と、該回路配置決定処理部にて、該回路についての配置
を決定した後に、該回路を接続する配線の総配線長をL
とし、該配線に使用される点の数をGとして、(L−
G)/Lを該配線についての配線混雑度として評価する
配線混雑度評価処理部とをそなえて構成されたことを特
徴としている(請求項20)。
【0038】さらに、本発明の配線処理プログラム用記
録媒体は、クロック同期式回路におけるクロック分配回
路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間を接続
する配線について、2個以上の分岐点を設定することに
より、3個以上のセグメントに分割するセグメント分割
手順と、該セグメント分割手順で得られたセグメントに
ついて、該セグメントの一端に位置する一分岐点から上
記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第1ディ
レイ時間と、該一分岐点から上記2つのレシーバのうち
の他方のレシーバへの第2ディレイ時間とを比較すると
ともに、該セグメントの他端に位置する他分岐点から上
記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第3ディ
レイ時間と、該他分岐点から上記2つのレシーバのうち
の他方のレシーバへの第4ディレイ時間とを比較し、上
記の第1ディレイ時間と第2ディレイ時間との大小関係
と上記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時間との大小
関係とが反転するセグメントを等ディレイ分岐点が存在
する等ディレイ分岐セグメントとして決定する等ディレ
イ分岐セグメント決定手順と、該等ディレイ分岐セグメ
ント決定手順で求められた該等ディレイ分岐セグメント
中で等ディレイ分岐点を求める等ディレイ分岐点決定手
順とを、コンピュータに実行させるための配線処理プロ
グラムを記録したことを特徴としている(請求項2
1)。
【0039】また、本発明の配線処理プログラム用記録
媒体は、クロック同期式回路におけるクロック分配回路
上の配線について、2個以上の分岐点を設定することに
より、3個以上のセグメントに分割するセグメント分割
手順と、該セグメント分割手順で得られた各セグメント
毎のディレイ時間を考慮した該配線のプロパゲーション
ディレイ時間を求めるプロパゲーションディレイ時間決
定手順と、該プロパゲーションディレイ時間決定手順で
求められた該配線のプロパゲーションディレイ時間と設
定時間とを比較して、この比較結果に基づいて、該セグ
メント単位で配線長を調整する配線長調整手順とを、コ
ンピュータに実行させるための配線処理プログラムを記
録したことを特徴としている(請求項22)。
【0040】さらに、本発明の配線処理プログラム用記
録媒体は、クロック同期式回路におけるクロック分配回
路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間を接続
する配線について、2個以上の分岐点を設定することに
より、3個以上のセグメントに分割する第1セグメント
分割手順と、該第1セグメント分割手順で得られたセグ
メントについて、該セグメントの一端に位置する一分岐
点から上記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの
第1ディレイ時間と、該一分岐点から上記2つのレシー
バのうちの他方のレシーバへの第2ディレイ時間とを比
較するとともに、該セグメントの他端に位置する他分岐
点から上記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの
第3ディレイ時間と、該他分岐点から上記2つのレシー
バのうちの他方のレシーバへの第4ディレイ時間とを比
較し、上記の第1ディレイ時間と第2ディレイ時間との
大小関係と上記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時間
との大小関係とが反転するセグメントを等ディレイ分岐
点が存在する等ディレイ分岐セグメントとして決定する
等ディレイ分岐セグメント決定手順と、該等ディレイ分
岐セグメント決定手順で求められた該等ディレイ分岐セ
グメント中で等ディレイ分岐点を求める等ディレイ分岐
点決定手順と、該等ディレイ分岐点決定手順で求められ
た該等ディレイ分岐点から各レシーバへの第5ディレイ
時間を求めるディレイ時間決定手順と、該等ディレイ分
岐点から外部クロック源取込み部へ至る配線について、
2個以上の分岐点を設定することにより、3個以上のセ
グメントに分割する第2セグメント分割手順と、該第2
セグメント分割手順で得られた各セグメント毎のディレ
イ時間を考慮した該配線のプロパゲーションディレイ時
間を求めるプロパゲーションディレイ時間決定手順と、
該ディレイ時間決定手順で求められた該等ディレイ分岐
点から各レシーバへの該第5ディレイ時間と該プロパゲ
ーションディレイ時間決定手順で求められた該配線のプ
ロパゲーションディレイ時間とを加算した時間と、設定
時間とを比較して、この比較結果に基づいて、セグメン
ト単位で配線長を調整する配線長調整手順とを、コンピ
ュータに実行させるための配線処理プログラムを記録し
たことを特徴としている(請求項23)。
【0041】また、本発明の配線処理プログラム用記録
媒体は、回路基板上の配線の最小ピッチを単位とし配線
領域を格子状に分割して得られた格子点に探索線分が到
着したことを示す到着状況フラグが探索線分到着を示し
ている格子点に隣接する隣接格子点について、格子点が
該配線に使用可能であるかどうかを示す使用可能フラグ
が使用可能状態を示しており、且つ、該到着状況フラグ
が探索線分未到着を示している場合に、該隣接格子点の
該到着状況フラグを探索線分到着を示す状態にするとも
に、該隣接格子点において、該隣接格子点に探索線分が
到着した方向を示す到着方向フラグにその探索方向を表
示させる隣接格子点フラグ処理手順を並列的に実行し、
更に該隣接格子点フラグ処理手順を、各探索線分につい
て、該到着状況フラグを探索線分到着を示す状態にする
ような格子点がなくなるまで、繰り返して実行する前方
探索処理手順と、該前方探索処理手順の後に、所望の格
子点から該到着方向フラグに従って、配線経路をさかの
ぼっていくことにより、配線経路を検索する後方探索処
理手順とを、コンピュータに実行させるための配線処理
プログラムを記録したことを特徴としている(請求項2
4)。
【0042】さらに、本発明の配線処理プログラム用記
録媒体は、回路基板上の配線の最小ピッチを単位とし配
線領域を格子状に分割して得られた各格子点について、
該格子点に探索線分が到着した方向を示す到着方向フラ
グにその探索方向を複数表示させながら、前方探索を行
なっていく前方探索処理手順と、該前方探索処理手順の
後に、所望の格子点から該到着方向フラグに従って、配
線経路をさかのぼっていくことにより、複数の配線経路
を検索する後方探索処理手順と、該後方探索処理手順で
得られた複数の配線経路から最適な配線経路を決定する
最適配線経路決定手順とを、コンピュータに実行させる
ための配線処理プログラムを記録したことを特徴として
いる(請求項25)。
【0043】また、本発明の配線処理プログラム用記録
媒体は、回路基板上の配線の総配線長をLとし、該配線
に使用される点の数をGとして、(L−G)/Lを該配
線についての配線混雑度として評価する配線混雑度評価
手順をコンピュータに実行させるための配線処理プログ
ラムを記録したことを特徴としている(請求項26)。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (a)本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装置
の構成の説明 図1は本発明の一実施形態にかかる配線処理装置として
の会話型回路設計装置の構成を示すブロック図である。
【0045】この図1に示す会話型回路設計装置1にお
いて、3は各種回路設計過程や各回路を接続する配線経
路等を表示する表示部、4はこの表示部3上における表
示状態を制御する表示制御部、7は表示部3上の表示デ
ータを参照し設計者がその表示データに対する応答情報
を入力するキーボード,マウス等の入力部である。5は
外部ファイル書込部で、この外部ファイル書込部5は、
入力部7からの指示に応じて、表示制御部4により表示
部3に表示された配線経路図等を外部ファイル5Aに書
き込むものである。
【0046】また、6は印字部で、この印字部6は、入
力部7からの指示に応じて、表示制御部4により表示部
3に表示された配線経路図等を所定の記録用紙に印字出
力するものである。さらに、8はハードディスクで、こ
のハードディスク8は、会話型回路設計装置1が各種回
路設計の際に用いる一切の情報(論理回路情報やレイア
ウト情報等)を記録するものであるとともに、後述する
(b)において詳細に説明するような各種の配線処理方
法を実現するための手順を会話型回路設計装置1に実行
させるための配線処理プログラム(配線処理ソフトウエ
ア)を記録するものであり、本実施形態においては配線
処理プログラム用記録媒体として機能するものである。
【0047】また、2は会話型回路設計装置1を構成す
る各部を統括的に管理するためのCPUである。なお、
表示制御部4の機能は、具体的には、CPU2がハード
ディスク8に格納されたプログラム(ソフトウエア)を
実行することにより実現されるものであるが、図1にお
いては、その機能を明確にすべく、表示制御部4をブロ
ック化して示している。
【0048】従って、本実施形態にかかる会話型回路設
計装置1は、CPU2,表示部3,外部ファイル書込部
5,印字部6,入力部7,ハードディスク8等を有する
一般的な計算機システム(コンピュータ;図2参照)を
用いて実現することが可能である。なお、図2におい
て、9はコンピュータ本体である。 (b)本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装置
による配線処理方法の説明 (b1)クロックスキューを低減させるための配線処理
方法の第1の態様の説明 本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装置1にお
ける配線処理方法として、クロック同期式回路における
クロックの伝搬遅延時間(ディレイ時間)の差分である
クロックスキューを低減させるための配線処理方法の第
1の態様について説明する。
【0049】ここで、本態様を説明するにあたり、ま
ず、クロック同期式回路におけるクロック分配回路上の
クロックネットのクロック・トリーの構成を図5及び図
6に示す。クロック・トリー30は、図6に示すよう
に、レシーバ(クロック受信回路)31とワイヤ37か
らなるサブ・クロック・トリーと、レシーバ(クロック
受信回路)34とワイヤ40からなるサブ・クロック・
トリーとが、等ディレイ分岐点(タッピングポイント:
tapping point )xを介して接続されることにより構成
されている。
【0050】即ち、クロック・トリー30においては、
図6においては図示しないドライバ(クロック発生回
路)からのクロックが、等ディレイ分岐点xを介してレ
シーバ31,34に供給されるようになっている。ここ
で、レシーバ31は、フリップフロップ回路(時定数t
A )32とコンデンサ(容量CA )33とをそなえて構
成され、レシーバ34は、フリップフロップ回路(時定
数tB )35とコンデンサ(容量CB )36とをそなえ
て構成されている。
【0051】また、ワイヤ37は、後述するような理由
から、1つの抵抗(抵抗値r1 )38と2つのコンデン
サ(容量c1 /2)39からなるΠ型RC回路(即ちセ
グメント43)を複数そなえて構成されている。さら
に、ワイヤ40も、ワイヤ37と同様に、後述するよう
な理由から、1つの抵抗(抵抗値r2 )41と2つのコ
ンデンサ(容量c2 /2)42からなるΠ型RC回路
(即ちセグメント43)を複数そなえて構成されてい
る。
【0052】なお、この図6では、ワイヤ37,40に
おけるΠ型RC回路(セグメント43)をそれぞれ1つ
しか図示しておらず、その他のセグメント43について
は図示を省略している。また、図5では、ワイヤ37,
40の図示を省略しているが、レシーバ31,34間の
配線における複数のセグメントを符号43で示している
(図5の網かけ部)。
【0053】ところで、図6に示す等ディレイ分岐点x
は、前述したように、図6では図示しないドライバ(ク
ロック発生回路)からのクロックが入力される点であ
る。この図6に示すクロック・トリー30においては、
等ディレイ分岐点xの位置により、クロック・トリー3
0の2つのサブ・クロック・トリーにおけるクロックス
キューが変化するため、クロック・トリー30における
クロックスキューを低減させるには、等ディレイ分岐点
xの位置の設定を正確に行なうことが必要となる。
【0054】ここで、2つのサブ・クロック・トリー間
の配線における等ディレイ分岐点xの決定方法(zero-s
kew-merge ) について説明する。本態様における等ディ
レイ分岐点xを決定するための配線処理方法は、図7に
示すように、セグメント分割ステップ(ステップS
1),等ディレイ分岐セグメント決定ステップ(ステッ
プS2)及び等ディレイ分岐点決定ステップ(ステップ
S3)をそなえて構成されている。
【0055】セグメント分割ステップ(ステップS1)
は、例えば図5に示すように、レシーバ31,34間を
接続する配線について、少なくとも2個以上の分割点
(分岐点)P1 ,…,Pn+1 を設定することにより、少
なくとも3個以上のセグメント43に分割するステップ
である。ここで、レシーバ31,34間を接続する配線
(図6に示すワイヤ37,40)を複数のセグメント4
3に分割する理由について説明する。
【0056】まず、1つのサブ・クロック・トリーにつ
いて着目して考える。図3は、バッファ付きクロック・
トリーをモデル化して示したものであり、バッファ付き
クロック・トリー10は、図3に示すように、ドライバ
としてのクロック発生回路(クロックソース;clock so
urce)11と、レシーバとしてのクロック受信回路(ラ
ッチ;latch )13とがバッファ(buffer)12を介し
て接続されることにより構成されたものである。
【0057】ここで、クロックソース11とバッファ1
2とはワイヤ(wire)14により接続され、バッファ1
2とラッチ13とはワイヤ(wire)15により接続され
ている。このバッファ付きクロック・トリー10は、詳
細には、図4に示すような構成を有している。
【0058】クロックソース11は抵抗(抵抗値rs
16をそなえており、バッファ12はディレイ回路(内
部ディレイ時間db )19,抵抗(抵抗値rb )17及
びコンデンサ(容量cb )18をそなえており、ラッチ
13はコンデンサ(容量c1)20をそなえている。こ
こで、クロックソース11からラッチ13までのディレ
イ時間としては、図33を用いて前述したように、バッ
ファ12のディレイ回路19による内部ディレイ時間d
b のほか、ワイヤ14,15の配線抵抗によるディレイ
時間等が考えられる。
【0059】このうち、配線抵抗については、近年の半
導体微細加工技術の進歩によるトランジスタサイズ及び
配線断面積の減少ため、無視することができなくなって
いるため、ディレイ時間の予測精度上、ワイヤ14,1
5を、分布定数回路として扱うことが必要となってい
る。前述した図33に示すようなバッファ付きクロック
・トリー100においては、この分布定数回路を模式化
した集中定数回路として、ワイヤ104,105を、そ
れぞれ1つのΠ型RC回路(シングルΠ型RCモデル)
で評価しているが、本態様においては、配線(ワイヤ1
4,15)における単位グリッド当たりの抵抗及び容量
が場所によらず等しくないことを考慮するために、ワイ
ヤ14,15を複数のセグメント43に分割することに
より複数のΠ型RC回路で評価しているのである。
【0060】なお、ワイヤ14は、図4に示すように、
1つの抵抗(抵抗値r1 …rk )21Aと2つのコンデ
ンサ〔容量(c1 /2)…(ck /2)〕21Bからな
るΠ型RC回路(即ちセグメント)21を複数そなえて
構成され、ワイヤ15は、図4に示すように、1つの抵
抗(抵抗値rm …rn )22Aと2つのコンデンサ〔容
量(cm /2)…(cn /2)〕22BからなるΠ型R
C回路(即ちセグメント)22を複数そなえて構成され
ている。
【0061】ここで、このセグメント分割ステップ(ス
テップS1)においては、図5に示すレシーバ31,3
4間を接続する配線は、具体的には以下のような条件の
分割点P1 ,…,Pn+1 でセグメント43に分割され
る。 (1)レシーバ31,34間を接続する配線上の物理的
な分岐点。ここで、物理的な分岐点とは配線の層が変わ
る点であり、例えば図5では分割点P4 ,P7 がこの点
に当たる。
【0062】(2)レシーバ31,34間を接続する配
線の単位長当たりのインピーダンスが変化する点。ここ
で、配線の単位長当たりのインピーダンスは、配線の層
が変わると変化するが、配線の層が変わらなくても変化
することがあるため(配線の下層に電源が配置される場
合等)、配線の単位長当たりのインピーダンスが変化す
る点を分割点とすることが有効となる。なお、インピー
ダンスは抵抗または容量である。
【0063】(3)セグメント43の長さがある決めら
れた長さs(任意の定数)を超える点。ここで、セグメ
ント長sは、経験的に求められる長さである。上述した
(1)〜(3)のいずれかに該当する分割点P1 ,…,
n+1 において分割された各セグメント43は、上述し
たように、それぞれ1つのΠ型RCモデルで評価され
る。
【0064】また、等ディレイ分岐セグメント決定ステ
ップ(ステップS2)は、セグメント分割ステップ(ス
テップS1)で得られたセグメント43について、等デ
ィレイ分岐点xが存在するセグメント43を、等ディレ
イ分岐セグメントとして決定するステップである。具体
的には、この等ディレイ分岐セグメント決定ステップ
(ステップS2)においては、セグメント43の一端に
位置する一分割点Pk から上記2つのレシーバ31,3
4のうちの一方のレシーバ(図5では次段のゲートAと
接続されるレシーバ31)へのディレイ時間が、第1デ
ィレイ時間〔Delay (Pk →A)〕として求められると
ともに、一分割点Pk から上記2つのレシーバ31,3
4のうちの他方のレシーバ(図5では次段のゲートBと
接続されるレシーバ34)へのディレイ時間が、第2デ
ィレイ時間〔Delay (Pk →B)〕として求められる。
【0065】そして、これらの第1ディレイ時間〔Dela
y (Pk →A)〕と第2ディレイ時間〔Delay (Pk
B)〕とが比較される。さらに、セグメント43の他端
に位置する他分割点Pk+1 から上記2つのレシーバ3
1,34のうちの一方のレシーバへのディレイ時間が、
第3ディレイ時間〔Delay (Pk+1 →A)〕として求め
られるとともに、他分割点Pk+1 から上記2つのレシー
バ31,34のうちの他方のレシーバへのディレイ時間
が、第4ディレイ時間〔Delay (Pk+1 →B)〕として
求められる。
【0066】そして、これらの第3ディレイ時間〔Dela
y (Pk+1 →A)〕と第4ディレイ時間〔Delay (P
k+1 →B)〕とが比較される。さらに、上記の第1ディ
レイ時間〔Delay (Pk →A)〕と第2ディレイ時間
〔Delay (Pk →B)〕との大小関係と、上記の第3デ
ィレイ時間〔Delay (P k+1 →A)〕と第4ディレイ時
間〔Delay (Pk+1 →B)〕との大小関係とが反転する
セグメント43が、等ディレイ分岐点xが存在する等デ
ィレイ分岐セグメントとして決定される。
【0067】即ち、この等ディレイ分岐セグメント決定
ステップ(ステップS2)は、分割点P1 〜Pn+1 の中
から2分法により、 Delay (Pk →A) ≦ Delay (Pk →B) Delay (Pk+1 →A) ≧ Delay (Pk+1 →B) となる条件を満たす分割点Pk ,Pk+1 を求めるステッ
プであり、等ディレイ分岐セグメントは、分割点Pk
k+1 間のセグメント(セグメントPk k+1 )とな
る。
【0068】ここで、上記の第1ディレイ時間〔Delay
(Pk →A)〕,第2ディレイ時間〔Delay (Pk
B)〕,第3ディレイ時間〔Delay (Pk+1 →A)〕,
第4ディレイ時間〔Delay (Pk+1 →B)〕は、等ディ
レイ分岐セグメントにおける抵抗の抵抗値をrk , 等デ
ィレイ分岐セグメントにおけるコンデンサの容量をck
とすると、次式により求めることができる。
【0069】
【数5】 さらに、等ディレイ分岐点決定ステップ(ステップS
3)は、等ディレイ分岐セグメント決定ステップ(ステ
ップS2)で求められた等ディレイ分岐セグメント中で
等ディレイ分岐点xを求めるステップである。この等デ
ィレイ分岐点決定ステップ(ステップS3)において
は、図6に示すように、分割点Pk からゲートAまでを
サブ・クロック・トリーAとしてtA とCA が計算され
るとともに、分割点Pk+1 からゲートBまでをサブ・ク
ロック・トリーBとしてtB とCB が計算される。
【0070】ここで、 CA :分割点Pk からゲートAまでの容量の合計 CB :分割点Pk+1 からゲートBまでの容量の合計 tA :分割点Pk からゲートAまでの配線ディレイ tB :分割点Pk+1 からゲートBまでの配線ディレイ である。
【0071】そして、分割点Pk から分割点Pk+1 まで
は単位長当たりの容量及び抵抗が同じ区間であるので、
従来技術であるIBMによる方法と同様に、等ディレイ
分岐点xは、次式により決定することができる。
【0072】
【数6】 ここで、上述したような各ステップ(ステップS1〜S
3)からなる配線処理方法は、会話型回路設計装置1の
CPU2(図1参照)が、図8に示すようなセグメント
分割処理部A1,等ディレイ分岐セグメント決定処理部
A2及び等ディレイ分岐点決定処理部A3に相当する機
能を有することにより実行される。
【0073】セグメント分割処理部A1は、クロック同
期式回路におけるクロック分配回路上のクロックネット
における2つのレシーバ31,34間を接続する配線に
ついて、少なくとも2個以上の分割点P1 ,…,Pn+1
を設定することにより、少なくとも3個以上のセグメン
ト43に分割する処理を行なうものである。また、等デ
ィレイ分岐セグメント決定処理部A2は、セグメント分
割処理部A1で得られたセグメント43について、等デ
ィレイ分岐点xが存在するセグメント43を、等ディレ
イ分岐セグメントとして決定する処理を行なうものであ
る。
【0074】具体的には、この等ディレイ分岐セグメン
ト決定処理部A2は、セグメント43の一端に位置する
一分割点Pk から上記2つのレシーバ31,34のうち
の一方のレシーバ(図5では次段のゲートAと接続され
るレシーバ31)への第1ディレイ時間〔Delay (Pk
→A)〕と、一分割点Pk から上記2つのレシーバ3
1,34のうちの他方のレシーバ(図5では次段のゲー
トBと接続されるレシーバ34)への第2ディレイ時間
〔Delay (Pk →B)〕とを比較するとともに、セグメ
ントの他端に位置する他分割点Pk+1 から上記2つのレ
シーバ31,34のうちの一方のレシーバへの第3ディ
レイ時間〔Delay (Pk+1 →A)〕と、他分割点Pk+1
から上記2つのレシーバ31,34のうちの他方のレシ
ーバへの第4ディレイ時間〔Delay (Pk+1 →B)〕と
を比較し、上記の第1ディレイ時間〔Delay (Pk
A)〕と第2ディレイ時間〔Delay (Pk →B)〕との
大小関係と上記の第3ディレイ時間〔Delay (Pk+1
A)〕と第4ディレイ時間〔Delay (Pk+1 →B)〕と
の大小関係とが反転するセグメント43を等ディレイ分
岐点が存在する等ディレイ分岐セグメントとして決定す
る処理を行なうものである。
【0075】さらに、等ディレイ分岐点決定処理部A3
は、等ディレイ分岐セグメント決定処理部A2で求めら
れた等ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点x
を求める処理を行なうものである。そして、実際には、
このような各処理部A1〜A3に相当する機能は、後述
するような各手順を、会話型回路設計装置1のCPU2
に実行させるための配線処理プログラムをハードディス
ク8に格納することにより実現することができる。
【0076】ここで、本態様における配線処理プログラ
ムは、セグメント分割手順,等ディレイ分岐セグメント
決定手順及び等ディレイ分岐点決定手順を、会話型回路
設計装置1に実行させるためのソフトウェアである。セ
グメント分割手順は、クロック同期式回路におけるクロ
ック分配回路上のクロックネットにおける2つのレシー
バ31,34間を接続する配線について、少なくとも2
個以上の分割点P1 ,…,Pn+1 を設定することによ
り、少なくとも3個以上のセグメント43に分割する手
順である。
【0077】また、等ディレイ分岐セグメント決定手順
は、セグメント分割手順で得られたセグメント43につ
いて、等ディレイ分岐点xが存在するセグメント43
を、等ディレイ分岐セグメントとして決定する手順であ
る。具体的には、この等ディレイ分岐セグメント決定手
順は、セグメント43の一端に位置する一分割点Pk
ら上記2つのレシーバ31,34のうちの一方のレシー
バ(図5では次段のゲートAと接続されるレシーバ3
1)への第1ディレイ時間〔Delay (Pk →A)〕と、
一分割点Pk から上記2つのレシーバ31,34のうち
の他方のレシーバ(図5では次段のゲートBと接続され
るレシーバ34)への第2ディレイ時間〔Delay (Pk
→B)〕とを比較するとともに、セグメントの他端に位
置する他分割点Pk+1 から上記2つのレシーバ31,3
4のうちの一方のレシーバへの第3ディレイ時間〔Dela
y (Pk+1 →A)〕と、他分割点Pk+1 から上記2つの
レシーバ31,34のうちの他方のレシーバへの第4デ
ィレイ時間〔Delay (Pk+1 →B)〕とを比較し、上記
の第1ディレイ時間〔Delay (Pk →A)〕と第2ディ
レイ時間〔Delay (Pk →B)〕との大小関係と上記の
第3ディレイ時間〔Delay (Pk+1 →A)〕と第4ディ
レイ時間〔Delay (Pk+1 →B)〕との大小関係とが反
転するセグメント43を等ディレイ分岐点が存在する等
ディレイ分岐セグメントとして決定する手順である。
【0078】さらに、等ディレイ分岐点決定手順は、等
ディレイ分岐セグメント決定手順で求められた等ディレ
イ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点xを求める手順
である。上述の構成により、本発明の一実施形態にかか
る会話型回路設計装置1においては、以下のように動作
することにより、2つのサブ・クロック・トリー間の配
線における等ディレイ分岐点xが決定される。
【0079】即ち、会話型回路設計装置1においては、
セグメント分割ステップ(ステップS1)により、レシ
ーバ31,34間を接続する配線が、少なくとも2個以
上の分割点P1 ,…,Pn+1 が設定されることにより、
少なくとも3個以上のセグメント43に分割される。続
いて、等ディレイ分岐セグメント決定ステップ(ステッ
プS2)により、セグメント分割ステップ(ステップS
1)で得られたセグメント43について、前述したよう
に第1〜第4ディレイ時間〔それぞれDelay (Pk
A),〔Delay(Pk →B),Delay (Pk+1 →A),D
elay (Pk+1 →B)〕が求められ、第1ディレイ時間
〔Delay (Pk →A)〕と第2ディレイ時間〔Delay
(Pk →B)〕とが比較されるとともに、第3ディレイ
時間〔Delay (Pk+1 →A)〕と第4ディレイ時間〔De
lay (Pk+1 →B)〕とが比較される。
【0080】そして、第1ディレイ時間〔Delay (Pk
→A)〕と第2ディレイ時間〔Delay (Pk →B)〕と
の大小関係と、上記の第3ディレイ時間〔Delay (P
k+1 →A)〕と第4ディレイ時間〔Delay (Pk+1
B)〕との大小関係とが反転するセグメント43が、等
ディレイ分岐点xが存在する等ディレイ分岐セグメント
として決定される。
【0081】さらに、等ディレイ分岐点決定ステップ
(ステップS3)により、等ディレイ分岐セグメント決
定ステップ(ステップS2)で求められた等ディレイ分
岐セグメント中で等ディレイ分岐点xが決定される。こ
のように、本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計
装置1におけるクロックスキューを低減させるための配
線処理方法の第1の態様によれば、クロック同期式回路
におけるクロック分配回路上の各クロックネットにおい
て、レシーバ31,34間を接続する配線を複数のセグ
メント43に分割して複数のシングルΠ型RC回路で評
価することにより、配線における単位グリッド当たりの
抵抗及び容量が場所によらず等しくないことを考慮する
ことができるため、レシーバ31,34間を接続する配
線における等ディレイ分岐点xを正確に決定することが
できる。
【0082】また、分割点P1 ,…,Pn+1 を、(1)
レシーバ31,34間を接続する配線上の物理的な分岐
点,(2)レシーバ31,34間を接続する配線の単位
長当たりのインピーダンスが変化する点,(3)セグメ
ント43の長さがある決められた長さs(任意の定数)
を超える点,のいずれかとすることにより、各クロック
ネットの状態に応じた分割点P1 ,…,Pn+1 を設定す
ることができ、等ディレイ分岐点xをより正確に決定す
ることができる。
【0083】そして、このように等ディレイ分岐点xを
正確に決定することができることにより、ドライバ(図
6では図示せず)からレシーバ31,34までのディレ
イ時間を等しくすることができ、これにより、各クロッ
クネットのクロック・トリー30におけるクロックスキ
ューを低減させることができる。 (b2)クロックスキューを低減させるための配線処理
方法の第2の態様の説明さらに、本発明の一実施形態に
かかる会話型回路設計装置1における配線処理方法とし
て、クロック同期式回路におけるクロックの伝搬遅延時
間(ディレイ時間)の差分であるクロックスキューを低
減させるための配線処理方法の第2の態様について説明
する。
【0084】クロックスキューを低減させるための配線
処理方法の第2の態様においては、各レシーバ間を接続
する配線における等ディレイ分岐点を決定する際に、ク
ロック発生回路であるドライバに負荷がつくことにより
増加するゲートディレイ(外部クロックディレイ時間;
extra-source gate delay )を考慮するために、この等
ディレイ分岐点とドライバ出力点(外部クロック源取込
み部)との間の配線長を調整して、ドライバから各レシ
ーバまでのディレイ時間を目的値に設定することによ
り、効果的に各クロックネットにおけるクロックスキュ
ーを低減させる方法について説明する。
【0085】図9は、ドライバ(クロック発生回路)4
5A及びクロック・トリー45Bからなるクロックネッ
ト44の構成を模式的に示す図である。ここで、クロッ
クネット44は、クロック同期式回路におけるクロック
分配回路上にあり、クロック・トリー45Bは、複数の
クロック・トリー(図5及び図6の符号30参照)をそ
なえて構成されている。
【0086】即ち、この図9は、複数のレシーバ(図5
及び図6の符号31,34参照)間の配線を完了してク
ロック・トリーを形成し、更にこのように形成された複
数のクロック・トリー間の配線を完了してクロック・ト
リー45Bを形成した後、このクロック・トリー45B
の等ディレイ分岐点(レシーバ間の配線の最終の等ディ
レイ分岐点)Qとドライバ出力点(外部クロック源取込
み部)Pとの間を最短配線により接続した様子を示して
いる。
【0087】本態様においては、クロック・トリー45
Bにおいて正確に等ディレイ分岐点Qを決定した後に、
前述のごとくドライバ出力点Pからクロック・トリー4
5Bにおける各レシーバまでのディレイ時間が予め設定
した時間となるようにするために、等ディレイ分岐点Q
とドライバ出力点Pとの間の配線の長さを調整するよう
になっている。
【0088】ここで、本態様における配線処理方法は、
図13に示すように、第1セグメント分割ステップ(ス
テップS4),等ディレイ分岐セグメント決定ステップ
(ステップS5),等ディレイ分岐点決定ステップ(ス
テップS6),ディレイ時間決定ステップ(ステップS
7),第2セグメント分割ステップ(ステップS8),
プロパゲーションディレイ時間決定ステップ(ステップ
S9)及び配線長調整ステップ(ステップS10)をそ
なえて構成されている。
【0089】第1セグメント分割ステップ(ステップS
4)は、クロックネット44のクロック・トリー45B
における2つのレシーバ間を接続する配線(これは前述
の図5に示すものと同様である)について、少なくとも
2個以上の分割点(分岐点)を設定することにより、少
なくとも3個以上のセグメントに分割するステップであ
る。
【0090】本態様においても、前述の場合と同様に、
配線における単位グリッド当たりの抵抗及び容量が場所
によらず等しくないことを考慮するために、クロックネ
ット44における2つのレシーバ間を接続する配線を複
数のセグメントに分割して、複数のΠ型RC回路(図6
の符号43参照)で評価している。なお、図9において
は、クロック・トリー45Bにおける分割点及びセグメ
ントの図示は省略している。
【0091】また、分割点は、前述の場合と同様に、
(1)レシーバ間を接続する配線上の物理的な分岐点,
(2)レシーバ間を接続する配線の単位長当たりのイン
ピーダンスが変化する点,(3)セグメントの長さがあ
る決められた長さs(任意の定数)を超える点,のいず
れかである。さらに、等ディレイ分岐セグメント決定ス
テップ(ステップS5)は、第1セグメント分割ステッ
プ(ステップS4)で得られたセグメントについて、等
ディレイ分岐点Qが存在するセグメントを、等ディレイ
分岐セグメントとして決定するステップである。
【0092】具体的には、この等ディレイ分岐セグメン
ト決定ステップ(ステップS5)は、前述の場合と同様
に、セグメントの一端に位置する一分割点から上記2つ
のレシーバのうちの一方のレシーバへの第1ディレイ時
間と、一分割点から上記2つのレシーバのうちの他方の
レシーバへの第2ディレイ時間とを比較するとともに、
セグメントの他端に位置する他分割点から上記2つのレ
シーバのうちの一方のレシーバへの第3ディレイ時間
と、他分割点から上記2つのレシーバのうちの他方のレ
シーバへの第4ディレイ時間とを比較し、上記の第1デ
ィレイ時間と第2ディレイ時間との大小関係と上記の第
3ディレイ時間と第4ディレイ時間との大小関係とが反
転するセグメントを等ディレイ分岐点Qが存在する等デ
ィレイ分岐セグメントとして決定するステップである。
【0093】なお、上記の第1〜第4ディレイ時間につ
いても、(b1)にて前述した場合と同様にして求める
ことができる〔それぞれ前述の、Delay (Pk →A),
Delay (Pk →B),Delay (Pk+1 →A),Delay
(Pk+1 →B)参照〕。また、等ディレイ分岐点決定ス
テップ(ステップS6)は、等ディレイ分岐セグメント
決定ステップ(ステップS5)で求められた等ディレイ
分岐セグメント中で等ディレイ分岐点Qを求めるステッ
プである。
【0094】なお、この等ディレイ分岐点Qについて
も、(b1)にて前述した場合と同様にして求めること
ができる。さらに、ディレイ時間決定ステップ(ステッ
プS7)は、等ディレイ分岐点決定ステップ(ステップ
S6)で求められた等ディレイ分岐点Qから各レシーバ
への第5ディレイ時間tR を求めるステップである。
【0095】即ち、この第5ディレイ時間tR は、図1
0に示すように、クロック・トリー45Bにおける等デ
ィレイ分岐点Qから各レシーバへのディレイ時間であ
る。ここで、第5ディレイ時間tR は、 tR =r1 (c1 /2+CA )+tA =αLQ(βLQ+CA )+tA L:各レシーバ間を接続する配線長 α:配線の単位長当たりの抵抗 β:配線の単位長当たりの容量 により求めることができる。
【0096】また、第2セグメント分割ステップ(ステ
ップS8)は、図9に示すように、等ディレイ分岐点Q
からドライバ出力点Pへ至る配線について、少なくとも
2個以上の分割点(分岐点)P1 ,…,Pn+1 を設定す
ることにより、少なくとも3個以上のセグメント46に
分割するステップである。本態様においても、前述の場
合と同様に、配線における単位グリッド当たりの抵抗及
び容量が場所によらず等しくないことを考慮するため
に、等ディレイ分岐点Q,ドライバ出力点P間を接続す
る配線を複数のセグメント46に分割して、複数のΠ型
RC回路(図10参照)で評価している。
【0097】この第2セグメント分割ステップ(ステッ
プS8)においては、等ディレイ分岐点Qとドライバ出
力点Pとの間の配線は、具体的には以下のような条件の
分割点P1 ,…,Pn+1 でセグメント46に分割され
る。 (1)等ディレイ分岐点Qとドライバ出力点Pとの間の
配線の単位長当たりのインピーダンスが変化する点。
【0098】ここで、配線の単位長当たりのインピーダ
ンスは、前述したように、配線の層が変わると変化する
が、配線の層が変わらなくても変化することがあるた
め、配線の単位長当たりのインピーダンスが変化する点
を分割点とすることが有効となる。なお、インピーダン
スは抵抗または容量である。 (2)セグメント46の長さがある決められた長さs
(任意の定数)を超える点。
【0099】ここで、セグメント長sは、経験的に求め
られる長さである。上述した(1),(2)のいずれか
に該当する分割点P1 ,…,Pn+1 において分割された
各セグメント46は、図10に示すように、1つの抵抗
(抵抗値Ra1 …Ran )48と2つのコンデンサ〔容
量(Ca1 /2)…(Can /2)〕47からなるΠ型
RC回路(Π型RCモデル)で評価される。
【0100】さらに、プロパゲーションディレイ時間決
定ステップ(ステップS9)は、第2セグメント分割ス
テップ(ステップS8)で得られた各セグメント46毎
のディレイ時間を考慮した配線のプロパゲーションディ
レイ時間(propagation delay )tPQを求めるステップ
である。ここで、プロパゲーションディレイ時間t
PQは、
【0101】
【数7】 により求めることができる。また、配線長調整ステップ
(ステップS10)は、ドライバ出力点Pから各レシー
バまでのディレイ時間〔Delay (P→各レシーバ)〕
と、設定時間とを比較して、この比較結果に基づいて、
セグメント単位で配線長を調整するステップである。
【0102】ここで、ドライバ出力点Pから各レシーバ
までのディレイ時間〔Delay (P→各レシーバ)〕は、
ディレイ時間決定ステップ(ステップS7)で求められ
た等ディレイ分岐点Qから各レシーバへの第5ディレイ
時間tR ,プロパゲーションディレイ時間決定ステップ
(ステップS9)で求められた配線のプロパゲーション
ディレイ時間tPQ及びドライバ出力点Pでの外部クロッ
クディレイ時間(extra-source gate delay )tLOAD
加算した時間である。
【0103】即ち、図10に示すように、クロック・ト
リー45Bにおける等ディレイ分岐点Qから各レシーバ
までのディレイ時間(第5ディレイ時間)をtR ,等デ
ィレイ分岐点Qから各レシーバまでの容量の合計をCR
とすると、ドライバ出力点Pから各レシーバまでのディ
レイ時間〔Delay (P→各レシーバ)〕は次式により求
められる。
【0104】Delay (P→各レシーバ) ≒ tLOAD
PQ +t R ここで、外部クロックディレイ時間(extra source gat
e delay )tLOADについて、図12を用いて説明する
と、ドライバ(SOURCE)とレシーバ(LOAD)との間の配
線におけるディレイ時間TINTERCONNECT delayは、 TINTERCONNECT delay≒TAC−TAB(0) =〔TAB(L)−TAB(0)〕+TBC である。
【0105】なお、 TAB(0):アンローデッド・ソース・ゲートからのデ
ィレイ時間(delay through an unloaded source gate
) TAB(L):長さLのインターコネクト・ネットにより
ロードされた同一ソース・ゲートからのディレイ時間
(delay through the same source gate loadedby an i
nterconnect net of length L) である。
【0106】そして、上記の式における〔TAB(L)−
AB(0)〕が、外部クロックディレイ時間tLOADを表
わしている。ここで、配線長調整ステップ(ステップS
10)においては、図9,図10に示す分割点P1 での
LOADを求めるために、分割点P1 から見たアドミッタ
ンス算出用のy1,y2,y3が計算される。
【0107】即ち、分割点P1 でのtLOADは、分割点P
1 から見たアドミッタンス算出用のy1,y2,y3と
いう式を計算し、これら3つの式を用いて所定の計算
(この内容の詳細は本態様とは特に関係しない)を行な
うことにより求めることができる。即ち、tLOADは、 tLOAD=F(y1,y2,y3) である。
【0108】本実施形態において、アドミッタンス算出
用のy1,y2,y3の計算は、「P.R.O'Brien and T.
L.Savarino,"Modeling the Driving-Point Characteris
ticsof Resistive Interconnect for Accurate Delay E
stimation,IEEE Intl.Conference on CAD,pp512-515,19
89 」に記載された方法に基づいて行なわれる。ここ
で、y1,y2,y3を求めるための、一般的な配線モ
デルの一例を図11に示す。
【0109】図11において、49はコンデンサ,50
は抵抗,51はドライバ又はレシーバの出力ピンであ
り、P1 〜P9 は分割点である。以下に、分割点P1
ら見たアドミッタンス算出用のy1,y2,y3の算出
方法を示す。まず、ラプラス変換式をyi (s)で示
し、レシーバ側からドライバ側へラプラス変換式を求め
ると、 y8 (s) = CA ・s ⇒ y6 (s) ⇒ y4 (s) y9 (s) = CB ・s ⇒ y7 (s) ⇒ y5 (s) y3 (s) = y4 (s)+y5 (s) ⇒ y2 (s) ⇒ y1 (s) となる。
【0110】そして、このy1 (s)を、ラプラス表現
の3次近似を行なうと、 y1 (s) = y1・s+y2・s2 +y3・s3 となるため、この式の係数y1,y2,y3が求められ
る。このようにして、配線長調整ステップ(ステップS
10)においては、前述の式により計算されたドライバ
出力点Pから各レシーバまでのディレイ時間〔Delay
(P→各レシーバ)〕と、予め設定された時間γとを比
較して、この比較結果に基づいて、セグメント単位で等
ディレイ分岐点Qとドライバ出力点Pとの間の配線長が
調整されるのである。
【0111】なお、ドライバ出力点Pから各レシーバま
でのディレイ時間〔Delay (P→各レシーバ)〕が、初
めから予め設定された時間γを超えている場合には、ド
ライバ45Aやクロック・トリー45B(図9,図10
参照)の配置変更を行なった後に、再度等ディレイ分岐
点Qとドライバ出力点Pとの間の配線長が調整される。
【0112】具体的には、以下のように配置変更や配線
長調整が行なわれる。 Delay (P→各レシーバ) > γ ならば配置変更 Delay (P→各レシーバ) = γ ならば終了 Delay (P→各レシーバ) < γ ならば配線長調整 なお、配線長の調整は、分割点P1 と分割点P2 との間
で行なう必要がある。
【0113】ここで、分割点P1 と分割点P2 との間の
最短の実配線長をLLOWER とすると、分割点P1 と分割
点P2 での配線の単位長当たりの抵抗α及び容量βは、
以下のようになる。 α=Ra1 /LLOWER β=Ca1 /LLOWER そして、分割点P1 と分割点P2 との間で配線長の調整
により新たに引かれる配線においては、上記のα,βを
使用して、 Delay (P→各レシーバ) = γ となるための分割点P1 と分割点P2 との間の配線長L
は、 LLOWER < L < LUPPER の範囲にある。
【0114】ここで、LUPPER は、許容される最長の実
配線長であり、LUPPER を求めるためには、図11に示
すドライバの出力ピン51と分割点P1 との間に長さs
〔これはラプラス変換式yi (s)のsとは無関係であ
る〕のセグメントをひとつずつ挿入していき、その度毎
に新たなy1,y2,y3を求めて、tLOADを求めてい
くことになる。
【0115】LUPPER は、以下のような再帰的計算によ
り求めることができる。 t0 =tPQ+tR
【0116】
【数8】 0 =LLOWER y10 =y1 y20 =y2 y30 =y3 ti =ti-1 +αs(βs/2+Ci-1 ) Ci =Ci-1 +βs Li =Li-1 +s ここで、P.R.O'Brien and T.L.Savarinoの文献を参照す
ると、 y1i =f(y1i-1 ) y2i =g(y1i-1 ,y2i-1 ) y3i =h(y1i-1 ,y2i-1 ,y3i-1 ) これにより、 tLOAD=F(y1i ,y2i ,y3i ) ここで、 ti +tLOAD>γ とはじめてなったときのs・i+LLOWER の値をL
UPPER とし、Li-1 値を新たにLLOWER とする。なお、
sは自然数であるが、50くらいが適当であると考えら
れる。
【0117】さらに、s・(i−1)+LLOWER とL
UPPER との間で2分法により、分割点P1 と分割点P2
との間の配線長Lを決定しながら、ドライバ出力点Pか
ら各レシーバまでのディレイ時間〔Delay (P→各レシ
ーバ)〕が計算され、これにより、ディレイ時間が設定
時間γとなる配線長Lが決定される。即ち、ドライバの
出力ピン51と分割点P1 との間に長さsのセグメント
を順次挿入したと仮定し、ドライバ出力点P(図9,図
10参照)から各レシーバまでのディレイ時間が設定値
γを超えるまで計算を続けると、この設定値γを超えた
ときは、全体としてはs・i(iは繰り返し回数)の長
さのセグメントを挿入したことになる。
【0118】そこで、ディレイ時間が設定値γとなる配
線長Lは、 〔s・(i−1)+LUPPER 〕 < L < (s・i
+LUPPER ) となるため、2分法により設定値γとなる配線長Lを求
めることができる。そして、分割点P1 と分割点P2
の間の配線を削除して、配線長Lで再配線を行なう。
【0119】ここで、上述したような各ステップ(ステ
ップS4〜S10)からなる配線処理方法は、会話型回
路設計装置1のCPU2(図1参照)が、図14に示す
ような第1セグメント分割処理部A4,等ディレイ分岐
セグメント決定処理部A5,等ディレイ分岐点決定処理
部A6,ディレイ時間決定処理部A7,第2セグメント
分割処理部A8,プロパゲーションディレイ時間決定処
理部A9及び配線長調整処理部A10に相当する機能を
有することにより実行される。
【0120】第1セグメント分割処理部A4は、クロッ
ク同期式回路におけるクロック分配回路上のクロックネ
ット44における2つのレシーバ間を接続する配線につ
いて、少なくとも2個以上の分岐点を設定することによ
り、少なくとも3個以上のセグメントに分割する処理を
行なうものである。また、等ディレイ分岐セグメント決
定処理部A5は、第1セグメント分割処理部A4で得ら
れたセグメントについて、セグメントの一端に位置する
一分割点から上記2つのレシーバのうちの一方のレシー
バへの第1ディレイ時間と、一分割点から上記2つのレ
シーバのうちの他方のレシーバへの第2ディレイ時間と
を比較するとともに、セグメントの他端に位置する他分
割点から上記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへ
の第3ディレイ時間と、他分割点から上記2つのレシー
バのうちの他方のレシーバへの第4ディレイ時間とを比
較し、上記の第1ディレイ時間と第2ディレイ時間との
大小関係と上記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時間
との大小関係とが反転するセグメントを等ディレイ分岐
点が存在する等ディレイ分岐セグメントとして決定する
処理を行なうものである。
【0121】さらに、等ディレイ分岐点決定処理部A6
は、等ディレイ分岐セグメント決定処理部A5で求めら
れた等ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点Q
を求める処理を行なうものである。また、ディレイ時間
決定処理部A7は、等ディレイ分岐点決定処理部A6で
求められた等ディレイ分岐点Qから各レシーバへの第5
ディレイ時間tR を求める処理を行なうものである。
【0122】さらに、第2セグメント分割処理部A8
は、等ディレイ分岐点Qからドライバ出力点Pへ至る配
線について、少なくとも2個以上の分割点P1 ,…,P
n+1 を設定することにより、少なくとも3個以上のセグ
メント46に分割する処理を行なうものである。また、
プロパゲーションディレイ時間決定処理部A9は、第2
セグメント分割処理部A8で得られた各セグメント46
毎のディレイ時間を考慮した配線のプロパゲーションデ
ィレイ時間tPQを求める処理を行なうものである。
【0123】さらに、配線長調整処理部A10は、ドラ
イバ出力点Pから各レシーバまでのディレイ時間〔Dela
y (P→各レシーバ)〕、即ち、ディレイ時間決定処理
部A7で求められた等ディレイ分岐点Qから各レシーバ
への第5ディレイ時間tR ,プロパゲーションディレイ
時間決定処理部A9で求められた配線のプロパゲーショ
ンディレイ時間tPQ及びドライバ出力点Pでの外部クロ
ックディレイ時間tLO ADを加算した時間と、設定時間γ
とを比較して、この比較結果に基づいて、セグメント単
位で配線長を調整する処理を行なうものである。
【0124】そして、実際には、このような各処理部A
4〜A10に相当する機能は、後述するような各手順
を、会話型回路設計装置1のCPU2に実行させるため
の配線処理プログラムをハードディスク8に格納するこ
とにより実現することができる。ここで、本態様におけ
る配線処理プログラムは、第1セグメント分割手順,等
ディレイ分岐セグメント決定手順,等ディレイ分岐点決
定手順,ディレイ時間決定手順,第2セグメント分割手
順,プロパゲーションディレイ時間決定手順及び配線長
調整手順を、会話型回路設計装置1に実行させるための
ソフトウェアである。
【0125】第1セグメント分割手順は、クロック同期
式回路におけるクロック分配回路上のクロックネット4
4における2つのレシーバ間を接続する配線について、
少なくとも2個以上の分岐点を設定することにより、少
なくとも3個以上のセグメントに分割する手順である。
また、等ディレイ分岐セグメント決定手順は、第1セグ
メント分割手順で得られたセグメントについて、セグメ
ントの一端に位置する一分割点から上記2つのレシーバ
のうちの一方のレシーバへの第1ディレイ時間と、一分
割点から上記2つのレシーバのうちの他方のレシーバへ
の第2ディレイ時間とを比較するとともに、セグメント
の他端に位置する他分割点から上記2つのレシーバのう
ちの一方のレシーバへの第3ディレイ時間と、他分割点
から上記2つのレシーバのうちの他方のレシーバへの第
4ディレイ時間とを比較し、上記の第1ディレイ時間と
第2ディレイ時間との大小関係と上記の第3ディレイ時
間と第4ディレイ時間との大小関係とが反転するセグメ
ントを等ディレイ分岐点が存在する等ディレイ分岐セグ
メントとして決定する手順である。
【0126】さらに、等ディレイ分岐点決定手順は、等
ディレイ分岐セグメント決定手順で求められた等ディレ
イ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点Qを求める手順
である。また、ディレイ時間決定手順は、等ディレイ分
岐点決定手順で求められた等ディレイ分岐点Qから各レ
シーバへの第5ディレイ時間tR を求める手順である。
【0127】さらに、第2セグメント分割手順は、等デ
ィレイ分岐点Qからドライバ出力点Pへ至る配線につい
て、少なくとも2個以上の分割点P1 ,…,Pn+1 を設
定することにより、少なくとも3個以上のセグメント4
6に分割する手順である。また、プロパゲーションディ
レイ時間決定手順は、第2セグメント分割手順で得られ
た各セグメント46毎のディレイ時間を考慮した配線の
プロパゲーションディレイ時間tPQを求める手順であ
る。
【0128】さらに、配線長調整手順は、ドライバ出力
点Pから各レシーバまでのディレイ時間〔Delay (P→
各レシーバ)〕、即ち、ディレイ時間決定手順で求めら
れた等ディレイ分岐点Qから各レシーバへの第5ディレ
イ時間tR ,プロパゲーションディレイ時間決定手順で
求められた配線のプロパゲーションディレイ時間tPQ
びドライバ出力点Pでの外部クロックディレイ時間t
LOADを加算した時間と、設定時間γとを比較して、この
比較結果に基づいて、セグメント単位で配線長を調整す
る手順である。
【0129】上述の構成により、本発明の一実施形態に
かかる会話型回路設計装置1においては、以下のように
動作することにより、等ディレイ分岐点Qが決定され、
等ディレイ分岐点Qとドライバ出力点Pとの間の配線長
が調整される。即ち、会話型回路設計装置1において
は、第1セグメント分割ステップ(ステップS4)によ
り、クロックネット44における2つのレシーバ間を接
続する配線が、少なくとも2個以上の分割点が設定され
ることにより、少なくとも3個以上のセグメントに分割
される。
【0130】続いて、等ディレイ分岐セグメント決定ス
テップ(ステップS5)により、第1セグメント分割ス
テップ(ステップS4)で得られたセグメントについ
て、等ディレイ分岐点Qが存在するセグメントが、等デ
ィレイ分岐セグメントとして決定され、等ディレイ分岐
点決定ステップ(ステップS6)により、等ディレイ分
岐セグメント決定ステップ(ステップS5)で求められ
た等ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点Qが
決定される。
【0131】また、ディレイ時間決定ステップ(ステッ
プS7)により、等ディレイ分岐点決定ステップ(ステ
ップS6)で求められた等ディレイ分岐点Qから各レシ
ーバへの第5ディレイ時間tR が求められる。さらに、
第2セグメント分割ステップ(ステップS8)により、
図9に示すように、等ディレイ分岐点Qからドライバ出
力点Pへ至る配線が、少なくとも2個以上の分割点(分
岐点)P1 ,…,Pn+1 が設定されることにより、少な
くとも3個以上のセグメント46に分割される。
【0132】続いて、プロパゲーションディレイ時間決
定ステップ(ステップS9)により、第2セグメント分
割ステップ(ステップS8)で得られた各セグメント4
6毎のディレイ時間を考慮した配線のプロパゲーション
ディレイ時間tPQが求められる。さらに、配線長調整ス
テップ(ステップS10)により、ドライバ出力点P
(図9,図10参照)から各レシーバまでのディレイ時
間〔Delay (P→各レシーバ)〕と、設定時間γとが比
較される。
【0133】例えば、ドライバ出力点Pから各レシーバ
までのディレイ時間〔Delay (P→各レシーバ)〕が、
初めから予め設定された時間γを超えている場合〔即
ち、Delay (P→各レシーバ) > γ 〕には、ドラ
イバ45Aやクロック・トリー45B(図9,図10参
照)の配置変更が行なわれる。また、ドライバ出力点P
から各レシーバまでのディレイ時間〔Delay (P→各レ
シーバ)〕が、予め設定された時間γ未満である場合
〔即ち、Delay (P→各レシーバ) < γ 〕には、
分割点P1 と分割点P2 との間に長さsのセグメントを
順次挿入したと仮定しその都度ドライバ出力点Pから各
レシーバまでのディレイ時間〔Delay (P→各レシー
バ)〕が計算される。
【0134】このドライバ出力点Pから各レシーバまで
のディレイ時間〔Delay (P→各レシーバ)〕の計算
は、当該ディレイ時間が設定値γを超えるまで継続さ
れ、その結果、2分法により設定値γとなる分割点
1 ,P2 間の配線長Lが求められ、これにより等ディ
レイ分岐点Qとドライバ出力点Pとの間の配線長が調整
される。
【0135】このように、本発明の一実施形態にかかる
会話型回路設計装置1におけるクロックスキューを低減
させるための配線処理方法の第2の態様によれば、クロ
ック同期式回路におけるクロック分配回路上の各クロッ
クネット44において、クロック・トリー45Bにおけ
るレシーバ間を接続する配線を複数のセグメントに分割
して複数のシングルΠ型RC回路で評価することによ
り、配線における単位グリッド当たりの抵抗及び容量が
場所によらず等しくないことを考慮することができるた
め、レシーバ間を接続する配線における等ディレイ分岐
点Qを正確に決定することができる。
【0136】また、このとき、分割点を、(1)レシー
バ間を接続する配線上の物理的な分岐点,(2)レシー
バ間を接続する配線の単位長当たりのインピーダンスが
変化する点,(3)セグメントの長さがある決められた
長さs(任意の定数)を超える点,のいずれかとするこ
とにより、各クロックネット44の状態に応じた分割点
を設定することができ、等ディレイ分岐点Qをより正確
に決定することができる。
【0137】さらに、図9に示すように、等ディレイ分
岐点Qからドライバ出力点Pへ至る配線を、複数のセグ
メント46に分割して複数のシングルΠ型RC回路で評
価することにより、配線における単位グリッド当たりの
抵抗及び容量が場所によらず等しくないことを考慮する
ことができ、このとき、分割点P1 ,…,Pn+1 を、
(1)等ディレイ分岐点Qとドライバ出力点Pとの間の
配線の単位長当たりのインピーダンスが変化する点,
(2)セグメント46の長さがある決められた長さs
(任意の定数)を超える点のいずれかとすることによ
り、各クロックネット44の状態に応じた分割点P1
…,Pn+1 を設定することができる。
【0138】また、クロックネット44において、ドラ
イバ出力点Pからクロック・トリー45Bにおける各レ
シーバまでのディレイ時間〔Delay (P→各レシー
バ)〕と、設定時間とを比較して、この比較結果に基づ
いて、等ディレイ分岐点Qからドライバ出力点Pへ至る
配線についてセグメント単位で配線長を調整することに
より、ドライバ45Aに負荷がつくことにより増加する
外部クロックディレイ時間を考慮しながら、クロックネ
ット44におけるドライバ45Aからクロック・トリー
45Bにおける各レシーバまでのディレイ時間を等しく
することができ、これにより、クロックネット44のク
ロック・トリー45Bにおけるクロックスキューを更に
効果的に低減させることができる。 (b3)クロックスキューを低減させるための配線処理
方法の第3の態様の説明 また、本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装置
1における配線処理方法として、クロック同期式回路に
おけるクロックの伝搬遅延時間(ディレイ時間)の差分
であるクロックスキューを低減させるための配線処理方
法の第3の態様について説明する。
【0139】クロックスキューを低減させるための配線
処理方法の第3の態様においては、クロック同期式回路
におけるクロック分配回路上の各クロックネットにおい
て、各レシーバ間を接続する配線における等ディレイ分
岐点が予め正確に決定されている場合には、この等ディ
レイ分岐点とドライバ出力点(外部クロック源取込み
部)との間の配線長を調整するだけで、ドライバに負荷
がつくことにより増加する外部クロックディレイ時間を
考慮しながら、クロックネットにおけるクロックスキュ
ーを低減させることができる。
【0140】本態様における配線処理方法は、図15に
示すように、セグメント分割ステップ(ステップS1
1),プロパゲーションディレイ時間決定ステップ(ス
テップS12)及び配線長調整ステップ(ステップS1
3)をそなえて構成されている。ここで、セグメント分
割ステップ(ステップS11)は、等ディレイ分岐点と
ドライバ出力点との間の配線について、少なくとも2個
以上の分割点を設定することにより、少なくとも3個以
上のセグメントに分割するステップである。
【0141】このセグメント分割ステップ(ステップS
11)は、前述の図13における第2セグメント分割ス
テップ(ステップS8)と同様のステップである。ま
た、プロパゲーションディレイ時間決定ステップ(ステ
ップS12)は、セグメント分割ステップ(ステップS
11)で得られた各セグメント毎のディレイ時間を考慮
した配線のプロパゲーションディレイ時間を求めるステ
ップである。
【0142】このプロパゲーションディレイ時間決定ス
テップ(ステップS12)は、前述の図13におけるプ
ロパゲーションディレイ時間決定ステップ(ステップS
9)と同様のステップである。さらに、配線長調整ステ
ップ(ステップS13)は、プロパゲーションディレイ
時間決定ステップ(ステップS12)で求められた配線
のプロパゲーションディレイ時間と設定時間とを比較し
て、この比較結果に基づいて、セグメント単位で配線長
を調整するステップである。
【0143】この配線長調整ステップ(ステップS1
3)は、前述の図13における配線長調整ステップ(ス
テップS10)と同様のステップである。ここで、上述
したような各ステップ(ステップS11〜S13)から
なる配線処理方法は、会話型回路設計装置1のCPU2
(図1参照)が、図16に示すようなセグメント分割処
理部A11,プロパゲーションディレイ時間決定処理部
A12及び配線長調整処理部A13に相当する機能を有
することにより実行される。
【0144】セグメント分割処理部A11は、クロック
同期式回路におけるクロック分配回路上の配線につい
て、少なくとも2個以上の分岐点を設定することによ
り、少なくとも3個以上のセグメントに分割する処理を
行なうものである。また、プロパゲーションディレイ時
間決定処理部A12は、セグメント分割処理部A11で
得られた各セグメント毎のディレイ時間を考慮した配線
のプロパゲーションディレイ時間を求める処理を行なう
ものである。
【0145】さらに、配線長調整処理部A13は、プロ
パゲーションディレイ時間決定処理部A12で求められ
た配線のプロパゲーションディレイ時間と設定時間とを
比較して、この比較結果に基づいて、セグメント単位で
配線長を調整する処理を行なうものである。そして、実
際には、このような各処理部A11〜A13に相当する
機能は、後述するような各手順を、会話型回路設計装置
1のCPU2に実行させるための配線処理プログラムを
ハードディスク8に格納することにより実現することが
できる。
【0146】ここで、本態様における配線処理プログラ
ムは、セグメント分割手順,プロパゲーションディレイ
時間決定手順及び配線長調整手順を、会話型回路設計装
置1に実行させるためのソフトウェアである。セグメン
ト分割手順は、クロック同期式回路におけるクロック分
配回路上の配線について、少なくとも2個以上の分岐点
を設定することにより、少なくとも3個以上のセグメン
トに分割する手順である。
【0147】また、プロパゲーションディレイ時間決定
手順は、セグメント分割手順で得られた各セグメント毎
のディレイ時間を考慮した配線のプロパゲーションディ
レイ時間を求める手順である。さらに、配線長調整手順
は、プロパゲーションディレイ時間決定手順で求められ
た配線のプロパゲーションディレイ時間と設定時間とを
比較して、この比較結果に基づいて、セグメント単位で
配線長を調整する手順である。
【0148】上述の構成により、本発明の一実施形態に
かかる会話型回路設計装置1においても、図15に示す
各ステップ(ステップS11〜S13)により、図13
に示す各ステップ(ステップS8〜S10)と同様の動
作が行なわれることにより、等ディレイ分岐点とドライ
バ出力点との間の配線長が調整される。このようにして
も、クロックネットにおけるドライバから各レシーバま
でのディレイ時間を等しくすることができ、ドライバに
負荷がつくことにより増加する外部クロックディレイ時
間を考慮しながら、クロックネットのクロック・トリー
におけるクロックスキューを効果的に低減させることが
できる。
【0149】(b4)配線経路を決定するための配線処
理方法の第1の態様の説明 さらに、本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装
置1における配線処理方法として、LSI上の各回路を
接続する際に最適な配線経路を決定するための配線処理
方法の第1の態様について説明する。前述のごとく、L
SI上の各回路は、自動配線において探索された最適な
配線経路により接続される。
【0150】ここで、本態様における配線経路の決定方
法について説明する。本態様における配線経路を決定す
るための配線処理方法は、図23に示すように、前方探
索処理ステップ(ステップS14)及び後方探索処理ス
テップ(ステップS16)をそなえて構成されている。
まず、本態様においては、回路基板上の配線についての
配線経路を決定するに際し、予め、図1,図2に示す会
話型回路計算装置1のハードディスク8か、又は図示し
ないメモリに、使用可能フラグ,到着状況フラグ及び到
着方向フラグが用意される。
【0151】ここで、使用可能フラグは、配線の最小ピ
ッチを単位として、配線領域を格子状に分割し、格子点
が配線に使用可能であるかどうかを示すフラグであり、
例えば図18(b)に示すように、格子点が配線に使用
可能である場合には“1”が設定され、格子点が配線に
使用不可である場合には“0”が設定される。また、到
着状況フラグは、格子点に探索線分が到着したことを示
すフラグであり、例えば図18(c)に示すように、格
子点に探索線分が到着した場合には到着済を示す“1”
が設定され、格子点に探索線分が到着していない場合に
は未到着を示す“0”が設定される。
【0152】なお、使用可能フラグ及び到達状況フラグ
は、配線層毎に各1ビットずつ用意される。さらに、到
着方向フラグは、格子点に探索線分が到着した方向を示
すフラグであり、配線層に毎に数ビット用意される。例
えば、1層配線においては、使用可能フラグ及び到達状
況フラグが各1ビット用意される。
【0153】また、X軸を水平方向,Y軸を垂直方向と
定義すると、到着方向フラグとしては、到達方向がX軸
方向かY軸方向かを示すXY方向フラグ〔例えば図18
(d)参照〕が1ビット用意されるとともに、到達方向
が正方向が負方向かを示す正負方向フラグ〔例えば図1
8(e)参照〕が1ビット用意される。なお、XY方向
フラグは、例えば図18(d)に示すように、到達方向
がX軸方向である場合には“1”が設定され、到達方向
がY軸方向である場合には“0”が設定される。
【0154】また、正負方向フラグは、例えば図18
(e)に示すように、到達方向が正方向である場合には
“1”が設定され、到達方向が負方向である場合には
“0”が設定される。ここで、上述した使用可能フラ
グ,到着状況フラグ及び到着方向フラグは、後述にて詳
述する前方探索処理ステップ(ステップS14)におけ
る線分探索のための演算を並列処理にて行なうために、
例えば図17に示すように、メモリ等におけるバイトア
ドレス及びビット数がそのまま格子点の座標を表すよう
なテーブル形式により構成されている。
【0155】即ち、本態様においては、前方探索処理ス
テップ(ステップS14)における線分探索のための演
算を並列的に行なえるようにするために、各格子点を1
ビットで表わし、各フラグを図17に示すような形式に
て構成している。ここで、図17に示すテーブル52
は、当該演算をY軸方向に対して1ワードずつ並列処理
(図17に示す例では並列度8)にて行なえるように構
成されている。
【0156】なお、図17に示すテーブル52をX軸と
Y軸とを入れ換えた形式により構成して、このようなテ
ーブルにより各フラグを保持すれば、当該演算をX軸方
向に対して1ワードずつ並列処理にて行なえるようにす
ることもできる。本態様における配線処理方法について
説明すると、前方探索処理ステップ(ステップS14)
は、隣接格子点フラグ処理手順S15を並列的に実行す
るステップである。
【0157】ここで、隣接格子点フラグ処理手順S15
は、到着状況フラグが“1”である格子点に隣接する隣
接格子点について、使用可能フラグが“1”であり、且
つ、到着状況フラグが“0”である場合に、隣接格子点
の到着状況フラグを“1”にするような演算を行なうと
もに、隣接格子点の到着方向フラグにその探索方向を表
示させる(即ち、その探索方向に応じて、XY方向フラ
グ及び正負方向フラグを“1”又は“0”に設定する)
ような処理手順である。
【0158】さらに、この前方探索処理ステップ(ステ
ップS14)は、この隣接格子点フラグ処理手順S15
を、各探索線分について、到着状況フラグが“1”であ
る格子点がなくなるまで、繰り返して実行することによ
り、順次線分を発生させていくステップである。また、
後方探索処理ステップ(ステップS16)は、前方探索
処理ステップ(ステップS14)において、探索の終了
点を示す格子点の到着状況フラグが“1”となった後に
(即ち探索線分が終了点まで到達した後に)、探索の終
了点を示す格子点から探索の開始点を示す格子点まで、
到着方向フラグに従って配線経路をさかのぼって逆探索
することにより、最適な配線経路を検索するステップで
ある。
【0159】ここで、上述したような各ステップ(ステ
ップS14,S16)からなる配線処理方法は、会話型
回路設計装置1のCPU2(図1参照)が、図24に示
すような前方探索処理部A14及び後方探索処理部A1
6に相当する機能を有することにより実行される。前方
探索処理部A14は、隣接格子点フラグ処理部A15を
そなえ、この隣接格子点フラグ処理部A15により、前
述した隣接格子点フラグ処理手順S15を並列的に実行
するものであり、更に、この隣接格子点フラグ処理手順
S15を、各探索線分について、到着状況フラグが
“1”である格子点がなくなるまで、繰り返して実行す
ることにより、順次線分を発生させていく前方探索処理
を行なうものである。
【0160】また、後方探索処理部A16は、前方探索
処理部A14において探索の終了点を示す格子点の到着
状況フラグが“1”となった後に(即ち探索線分が終了
点まで到達した後に)、探索の終了点を示す格子点から
探索の開始点を示す格子点まで、到着方向フラグに従っ
て配線経路をさかのぼって逆探索することにより、最適
な配線経路を検索する後方探索処理を行なうものであ
る。
【0161】そして、実際には、このような各処理部A
14,A16に相当する機能は、後述するような各手順
を、会話型回路設計装置1のCPU2に実行させるため
の配線処理プログラムをハードディスク8に格納するこ
とにより実現することができる。ここで、本態様におけ
る配線処理プログラムは、前方探索処理手順及び後方探
索処理手順を、会話型回路設計装置1に実行させるため
のソフトウェアである。
【0162】前方探索処理手順は、回路基板上の配線の
最小ピッチを単位とし配線領域を格子状に分割して得ら
れた格子点に探索線分が到着したことを示す到着状況フ
ラグが“1”である格子点に隣接する隣接格子点につい
て、格子点が配線に使用可能であるかどうかを示す使用
可能フラグが“1”であり、且つ、到着状況フラグが
“0”である場合に、隣接格子点の到着状況フラグを
“1”にするような演算を行なうともに、隣接格子点に
おいて、隣接格子点に探索線分が到着した方向を示す到
着方向フラグにその探索方向を表示させる(即ち、その
探索方向に応じて、XY方向フラグ及び正負方向フラグ
を“1”又は“0”に設定する)隣接格子点フラグ処理
手順S15(図23参照)を並列的に実行する手順であ
り、更にこの隣接格子点フラグ処理手順を、各探索線分
について、到着状況フラグが“1”である格子点がなく
なるまで、繰り返して実行することにより、順次線分を
発生させていく手順である。
【0163】また、後方探索処理手順は、前方探索処理
手順において探索の終了点を示す格子点の到着状況フラ
グが“1”となった後に(即ち探索線分が終了点まで到
達した後に)、探索の終了点を示す格子点から探索の開
始点を示す格子点まで、到着方向フラグに従って配線経
路をさかのぼって逆探索することにより、最適な配線経
路を検索する手順である。
【0164】上述の構成により、本発明の一実施形態に
かかる会話型回路設計装置1においては、以下のように
動作することにより、配線経路が検索され、最適な配線
経路が決定される。以下では、図18(a)に示すよう
な回路基板上の配線についての配線経路を決定する場合
について説明する。
【0165】ここで、図18(a)は、回路基板の初期
状態(配線経路の決定前の状態)を示す図であり、この
図18(a)においては、探索の開始点をSで示すとと
もに、探索の終了点をTで示している。なお、図18
(a)においては、各回路の存在等による回路基板上の
配線禁止領域を実線で示している。この図18(a)に
示す回路基板の初期状態時の使用可能フラグ,到達状況
フラグ,XY方向フラグ及び正負方向フラグを、それぞ
れ図18(b)〜図18(e)に示す。
【0166】なお、図18(b)〜図18(e)におい
ては、フラグが“1”である格子点を網かけで示す。図
18(b)に示すように、初期状態時には、開始点Sの
到達状況フラグが“1”にされている。会話型回路設計
装置1においては、まず、前方探索処理ステップ(ステ
ップS14)により、到達状況フラグが“1”である格
子点に対し、その格子点の探索方向に隣接する格子点の
使用可能フラグが“1”であり到達状況フラグが“0”
である場合には、隣接格子点の到達状況フラグが“1”
に設定されるとともに探索方向が到達方向フラグに記録
される。
【0167】前方探索処理ステップ(ステップS14)
においては、上述の動作が、各探索線分について到達状
況フラグが“1”になる格子点がなくなるまで行なわれ
る。即ち、図18(a)に示すような回路基板上の配線
についての配線経路を決定する際には、図19(a)に
示すように、まず、演算により開始点SからX軸方向に
検索線分を発生する(検索レベル1)。なお、このとき
の使用可能フラグ,到達状況フラグ,XY方向フラグ及
び正負方向フラグは、それぞれ図19(b)〜図19
(e)に示すようになる。
【0168】続いて、図20(a)に示すように、上述
の検索レベル1で発生した検索線分から、Y軸方向に検
索線分を発生する(検索レベル2)。この検索レベル2
や以下の検索レベル(検索レベル3,4)において、各
検索線分の発生を並列的に行なうようにすれば、処理速
度を向上させることができる。なお、このときの使用可
能フラグ,到達状況フラグ,XY方向フラグ及び正負方
向フラグは、それぞれ図20(b)〜図20(e)に示
すようになる。
【0169】さらに、図21(a)に示すように、上述
の検索レベル2で発生した検索線分から、X軸方向に検
索線分を発生する(検索レベル3)。なお、このときの
使用可能フラグ,到達状況フラグ,XY方向フラグ及び
正負方向フラグは、それぞれ図21(b)〜図21
(e)に示すようになる。また、図22(a)に示すよ
うに、上述の検索レベル3で発生した検索線分から、Y
軸方向に検索線分を発生する(検索レベル4)。なお、
このときの使用可能フラグ,到達状況フラグ,XY方向
フラグ及び正負方向フラグは、それぞれ図22(b)〜
図22(e)に示すようになる。
【0170】そして、検索線分が終了点Tに到達した
後、後方探索処理ステップ(ステップS16)により、
図22(f)に示すように、終了点Tから開始点Sま
で、到着方向フラグに従って配線経路をさかのぼって逆
探索することにより、最適な配線経路を決定することが
できる。このように、本発明の一実施形態にかかる会話
型回路設計装置1における配線経路を決定するための配
線処理方法の第1の態様によれば、各格子点の使用可能
フラグ,到着状況フラグ及び到着方向フラグを、例えば
図17に示すように、メモリ等におけるバイトアドレス
及びビット数がそのまま格子点の座標を表すように構成
することにより、前方探索処理ステップ(ステップS1
4)における演算を並列処理にて高速に行なうことがで
きるようになるため、配線経路の探索に要する時間を大
幅に短縮することができる。
【0171】(b5)配線経路を決定するための配線処
理方法の第2の態様の説明 続いて、本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装
置1における配線処理方法として、LSI上の各回路を
接続する際に最適な配線経路を決定するための配線処理
方法の第2の態様について説明する。ここで、本態様に
おける配線経路を決定するための配線処理方法は、図2
7に示すように、前方探索処理ステップ(ステップS1
7),後方探索処理ステップ(ステップS18)及び最
適配線経路決定ステップ(ステップS19)をそなえて
構成されている。
【0172】まず、本態様においては、回路基板上の配
線についての配線経路を決定するに際し、予め、図1,
図2に示す会話型回路計算装置1のハードディスク8
か、又は図示しないメモリに、到着方向フラグが用意さ
れる。ここで、到着方向フラグは、配線の最小ピッチを
単位として、配線領域を格子状に分割し、格子点に探索
線分が到着した方向を示すフラグである。
【0173】この到着方向フラグとしては、各方向毎
に、各格子点について探索線分が到達したことを“1”
で示すフラグが1ビットずつ用意される。例えば、1層
配線においては、X軸を水平方向にY軸を垂直方向に定
義し、X軸の正方向,X軸の負方向,Y軸の正方向,Y
軸の負方向の各々についてフラグが用意される。
【0174】ここで、複数の配線経路の探索が許されな
い場合には、配線経路として、先に検索された配線経路
〔例えば図25(a)に示す例では、終了点Tの左側か
ら到達した配線経路〕が選択されるため、図25(b)
に示すように、最適ではない配線経路が選択される可能
性がある。このため、本実施形態においては、配線経路
として、例えば図26(a)に示すように複数の配線経
路を探索して、複数の配線経路の中から最適な配線経路
〔例えば図26(b)に示す例では、配線長が最短とな
る配線経路〕を選択できるようにするために、到着方向
フラグを、各方向から探索線分が到達したことを示す4
種類のフラグにより構成している。
【0175】ここで、前方探索処理ステップ(ステップ
S17)は、例えば図26(a)に示すような回路基板
上の配線についての配線経路を決定する際に、各格子点
について、到着方向フラグにその探索方向を複数表示さ
せながら、前方探索を行なっていくステップである。即
ち、前方探索処理ステップ(ステップS17)において
は、各格子点について、複数の方向から探索線分が到達
した場合には、その方向に対応する到着方向フラグが
“1”に設定される。
【0176】また、後方探索処理ステップ(ステップS
18)は、前方探索処理ステップ(ステップS17)に
おいて探索の終了点を示す格子点の到着方向フラグが
“1”となった後に(即ち探索線分が終了点まで到達し
た後に)、例えば図26(a)に示すように、探索の終
了点Tを示す格子点から探索の開始点Sを示す格子点ま
で、到着方向フラグに従って配線経路をさかのぼって逆
探索することにより、複数の配線経路〔図26(a)で
は4通りの配線経路〕を検索するステップである。
【0177】さらに、最適配線経路決定ステップ(ステ
ップS19)は、後方探索処理ステップ(ステップS1
8)で得られた複数の配線経路の配線長又は配線コスト
を求めることにより、例えば図26(b)に示すよう
に、最適な配線経路を決定するステップである。具体的
には、この最適配線経路決定ステップ(ステップS1
9)においては、配線長又は配線コストが最小である配
線経路が最適な配線経路であると決定される。
【0178】ここで、上述したような各ステップ(ステ
ップS17〜S19)からなる配線処理方法は、会話型
回路設計装置1のCPU2(図1参照)が、図28に示
すような前方探索処理部A17,後方探索処理部A18
及び最適配線経路決定処理部A19に相当する機能を有
することにより実行される。前方探索処理部A17は、
例えば図26(a)に示すような回路基板上の配線につ
いての配線経路を決定する際に、回路基板上の配線の最
小ピッチを単位とし配線領域を格子状に分割して得られ
た各格子点について、格子点に探索線分が到着した方向
を示す到着方向フラグにその探索方向を複数表示させな
がら、前方探索を行なうものである。
【0179】また、後方探索処理部A18は、前方探索
処理部A17において探索の終了点を示す格子点の到着
方向フラグが“1”となった後に(即ち探索線分が終了
点まで到達した後に)、例えば図26(a)に示すよう
に、探索の終了点Tを示す格子点から探索の開始点Sを
示す格子点まで、到着方向フラグに従って配線経路をさ
かのぼって逆探索することにより、複数の配線経路〔図
26(a)では4通りの配線経路〕を検索する処理を行
なうものである。
【0180】さらに、最適配線経路決定処理部A19
は、後方探索処理部A18で得られた複数の配線経路の
配線長又は配線コストを求めることにより、例えば図2
6(b)に示すように、配線長又は配線コストが最小で
ある配線経路を最適な配線経路として決定する処理を行
なうものである。そして、実際には、このような各処理
部A17〜A19に相当する機能は、後述するような各
手順を、会話型回路設計装置1のCPU2に実行させる
ための配線処理プログラムをハードディスク8に格納す
ることにより実現することができる。
【0181】ここで、本態様における配線処理プログラ
ムは、前方探索処理手順,後方探索処理手順及び最適配
線経路決定手順を、会話型回路設計装置1に実行させる
ためのソフトウェアである。前方探索処理手順は、例え
ば図26(a)に示すような回路基板上の配線について
の配線経路を決定する際に、回路基板上の配線の最小ピ
ッチを単位とし配線領域を格子状に分割して得られた各
格子点について、格子点に探索線分が到着した方向を示
す到着方向フラグにその探索方向を複数表示させなが
ら、前方探索を行なっていく手順である。
【0182】また、後方探索処理手順は、前方探索処理
手順において探索の終了点を示す格子点の到着方向フラ
グが“1”となった後に(即ち探索線分が終了点まで到
達した後に)、例えば図26(a)に示すように、探索
の終了点Tを示す格子点から探索の開始点Sを示す格子
点まで、到着方向フラグに従って配線経路をさかのぼっ
て逆探索することにより、複数の配線経路〔図26
(a)では4通りの配線経路〕を検索する手順である。
【0183】さらに、最適配線経路決定手順は、後方探
索処理手順で得られた複数の配線経路の配線長又は配線
コストを求めることにより、例えば図26(b)に示す
ように、配線長又は配線コストが最小である配線経路を
最適な配線経路として決定する手順である。上述の構成
により、本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装
置1においては、以下のように動作することにより、配
線経路が検索され、最適な配線経路が決定される。
【0184】会話型回路設計装置1においては、まず、
前方探索処理ステップ(ステップS17)により、各格
子点について、複数の方向から探索線分が到達した場合
には、その方向に対応する到着方向フラグが“1”に設
定されながら、前方探索が行なわれる。そして、前方探
索処理ステップ(ステップS17)において探索の終了
点を示す格子点の到着方向フラグが“1”となった後に
(即ち探索線分が終了点まで到達した後に)、後方探索
処理ステップ(ステップS18)により、例えば図26
(a)に示すように、探索の終了点Tを示す格子点から
探索の開始点Sを示す格子点まで、到着方向フラグに従
って配線経路をさかのぼって逆探索することにより、複
数の配線経路が検索される。
【0185】例えば、図26(a)に示すような回路基
板上の配線についての配線経路を決定する際には、後方
探索処理ステップ(ステップS18)においては、到着
方向フラグに従って配線経路を逆探索することにより、
4通りの配線経路が検索される。さらに、後方探索処理
ステップ(ステップS18)において、複数の配線経路
が検索されると、最適配線経路決定ステップ(ステップ
S19)により、この複数の配線経路から、例えば図2
6(b)に示すように、最適な配線経路が決定される。
【0186】例えば、図26(a)に示すような回路基
板上の配線についての配線経路を決定する際には、最適
配線経路決定ステップ(ステップS19)においては、
後方探索処理ステップ(ステップS18)で得られた各
々の配線経路について、配線長を求めることにより配線
長が最短である配線経路が決定される。このように、本
発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装置1におけ
る配線経路を決定するための配線処理方法の第2の態様
によれば、到着方向フラグが、格子点に探索線分が到着
した方向を示すように構成される(具体的には、到着方
向フラグが格子点に対して各方向から探索線分が到達し
たことを示す4種類のフラグにより構成される)ことに
より、配線経路として複数の配線経路を探索してその中
から最適な配線経路を選択することができるため、配線
長を最小化して配線性を向上させることが可能となる。
【0187】なお、配線領域を小領域に分割した場合の
各分割領域の配線混雑度,複数の配線層をもつ場合の各
配線層のディレイ値等に基づいて、各格子点毎に配線コ
ストを設定すれば、上述した最適配線経路決定ステップ
(ステップS19)において、配線性や回路の性能まで
考慮した最適の経路を決定することができる。 (b6)配線経路を決定するための配線処理方法の第3
の態様の説明 さらに、本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装
置1における配線処理方法として、LSI上の各回路を
接続する際に最適な配線経路を決定するための配線処理
方法の第3の態様について説明する。
【0188】ここで、本態様においては、最適な配線経
路を決定するために、各回路の配置終了段階において、
配線を行なう前に配線可能性として配線混雑度を見積も
り、この配線混雑度による評価に応じて、回路配置の修
正を適宜行なう方法について説明する。本態様における
配線経路を決定するための配線処理方法は、図30に示
すように、回路配置決定ステップ(ステップS20),
配線混雑度評価ステップ(ステップS21)及び回路配
置修正ステップ(ステップS22)をそなえて構成され
ている。
【0189】ここで、回路配置決定ステップ(ステップ
S20)は、回路基板上の回路についての配置を決定す
るステップである。この回路配置決定ステップ(ステッ
プS20)においては、従来よりの方法等により回路基
板上の回路についての配置が決定される。また、配線混
雑度評価ステップ(ステップS21)は、回路配置決定
ステップ(ステップS20)にて、回路についての配置
を決定した後に、回路を接続する配線についての配線混
雑度を求めることにより、回路配置決定ステップ(ステ
ップS20)にて決定された回路配置についての評価を
行なうステップである。
【0190】ここで、配線混雑度評価ステップ(ステッ
プS21)における配線混雑度評価方法について説明す
る。まず、図29に示すような配線により構成されるネ
ットが、配線領域における点を占有する確率について考
える。ネットが配線領域における点を占有する確率は、
配線されるネットの端子(図29では端子を●で示す)
を包含する最小矩形の面積S,ネットの論長lを用いて
表現することができる。
【0191】即ち、面積Si の矩形内の点を、論長li
のネットiが占める確率pi は、 pi =li /Si であると仮定する。ここで、各ネットの論長li を合計
したものを総配線長Lとすると、総配線長Lは次式のよ
うに定義される。
【0192】
【数9】 一方で、各ネットの重複(重なり)を許した場合の配線
に使用される点の数Gは、「1つのネットだけが点を使
用する確率」+「2つのネットだけが点を使用する確
率」+「3つのネットだけが点を使用する確率」+…+
「全ネットが点を使用する確率」を、全配線領域に包含
される点について合計することで計算できる。
【0193】ここで、「1つのネットだけが点を使用す
る確率」は、次式により求めることができる。
【0194】
【数10】 また、「2つのネットだけが点を使用する確率」は、次
式により求めることができる。
【0195】
【数11】 以下、同様にして、「nのネットだけが点を使用する確
率」は、
【0196】
【数12】 により求めることができる。ここで、論長li のネット
iが占める確率pi は、1と比較して小さい値であると
考えられ、nが大きくなるに従って「nのネットだけが
点を使用する確率」は急速に収束するものと考えられ
る。
【0197】このため、適当なネット数までの値を用い
ることにより、使用される点の数Gを近似することがで
きる。ところで、総配線長Lが等しければ、使用される
点の数Gが少ない方が配線混雑度が大きいと考えること
ができることから、配線混雑度の評価値として、 (L−G)/L を考える。
【0198】また、総配線長Lは、 L=1×「1つのネットだけが点を使用する確率」+…
+「全ネット数」×「全ネットが点を使用する確率」 とも表現することができるため、上記の式を使用して、
論長li のネットiが占める確率pi が4つ以上積算さ
れる項を無視して計算すると、 L−G=Σ〔(1/2)T1 2+(1/2)T1 2
(1/2)T2−(1/6)T1 3−(1/3)T3 〕 (Σは配線領域の全点における和) 但し、T1 =Σpi ,T2 =Σ(pi 2 ),T3 =Σ
(pi 3 ) となる。
【0199】これにより、各ネットのある点を占める確
率の積の和を用いて、(L−G)を計算することができ
る。以上より、配線可能性をはかる配線混雑度を評価す
る値として、(L−G)/Lが計算される。このよう
に、配線混雑度評価ステップ(ステップS21)におい
ては、回路配置決定ステップ(ステップS20)にて回
路についての配置を決定した後に、回路を接続する配線
の総配線長をLとし、配線に使用される点の数をGとし
て、(L−G)/Lを配線についての配線混雑度として
評価することにより、回路配置決定ステップ(ステップ
S20)にて決定された回路配置についての評価が行な
われるのである。
【0200】ところで、回路配置修正ステップ(ステッ
プS22)は、配線混雑度評価ステップ(ステップS2
1)にて配線混雑度を求めて回路配置についての評価を
行なった後に、配線混雑度による評価に応じて回路配置
を修正することにより、各回路の配置の改善や配線領域
の最適化を行なうステップである。この回路配置修正ス
テップ(ステップS22)においては、従来よりの方法
等により各回路の配置の改善や配線領域の最適化が行な
われる。
【0201】なお、会話型回路設計装置1においては、
回路配置修正ステップ(ステップS22)により、回路
配置が適宜修正された後に、最適な配線経路での配線処
理が行なわれるようになっている。ここで、上述したよ
うな各ステップ(ステップS20〜S22)からなる配
線処理方法は、会話型回路設計装置1のCPU2(図1
参照)が、図31に示すような回路配置決定処理部A2
0,配線混雑度評価処理部A21及び回路配置修正処理
部A22に相当する機能を有することにより実行され
る。
【0202】回路配置決定処理部A20は、回路基板上
の回路についての配置を決定する処理を行なうものであ
る。また、配線混雑度評価処理部A21は、回路配置決
定処理部A20にて回路についての配置を決定した後
に、回路を接続する配線の総配線長をLとし、配線に使
用される点の数をGとして、(L−G)/Lを配線につ
いての配線混雑度として評価することにより、回路配置
決定処理部A20にて決定された回路配置についての評
価する処理を行なうものである。
【0203】さらに、回路配置修正処理部A22は、配
線混雑度評価処理部A21にて配線混雑度を求めて回路
配置についての評価を行なった後に、配線混雑度による
評価に応じて回路配置を修正することにより、各回路の
配置の改善や配線領域の最適化を行なうものである。そ
して、実際には、このような各処理部A20〜A22に
相当する機能は、後述するような各手順を、会話型回路
設計装置1のCPU2に実行させるための配線処理プロ
グラムをハードディスク8に格納することにより実現す
ることができる。
【0204】ここで、本態様における配線処理プログラ
ムは、回路配置決定手順,配線混雑度評価手順及び回路
配置修正手順を、会話型回路設計装置1に実行させるた
めのソフトウェアである。回路配置決定手順は、回路基
板上の回路についての配置を決定する手順である。
【0205】また、配線混雑度評価手順は、回路配置決
定手順にて回路についての配置を決定した後に、回路を
接続する配線の総配線長をLとし、配線に使用される点
の数をGとして、(L−G)/Lを配線についての配線
混雑度として評価することにより、回路配置決定手順に
て決定された回路配置についての評価を行なう手順であ
る。
【0206】さらに、回路配置修正手順は、配線混雑度
評価手順にて配線混雑度を求めて回路配置についての評
価を行なった後に、配線混雑度による評価に応じて回路
配置を修正することにより、各回路の配置の改善や配線
領域の最適化を行なう手順である。上述の構成により、
本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装置1にお
いては、以下のように動作することにより、回路配置が
決定され、その決定された回路配置が配線混雑度により
評価され、配線混雑度による評価に応じて回路配置が修
正される。
【0207】会話型回路設計装置1においては、まず、
回路配置決定ステップ(ステップS20)により、回路
基板上の回路についての配置が決定される。続いて、回
路配置決定ステップ(ステップS20)にて、回路につ
いての配置が決定されると、配線混雑度評価ステップ
(ステップS21)により、回路を接続する配線につい
ての配線混雑度が求められ、この配線混雑度に基づい
て、回路配置決定ステップ(ステップS20)にて決定
された回路配置についての評価が行なわれる。
【0208】さらに、配線混雑度評価ステップ(ステッ
プS21)での配線混雑度による評価に応じて、回路配
置修正ステップ(ステップS22)により、回路配置の
修正が適宜行なわれる。そして、会話型回路設計装置1
においては、回路配置修正ステップ(ステップS22)
により、回路配置が適宜修正された後に、最適な配線経
路での配線処理が行なわれる。
【0209】このように、本発明の一実施形態にかかる
会話型回路設計装置1における配線経路を決定するため
の配線処理方法の第3の態様によれば、各回路の配置終
了段階において、配線を行なう前に配線可能性として配
線混雑度を見積もり、この配線混雑度による評価に応じ
て回路配置の修正を適宜行なうことにより、最適な配線
経路を決定することができる。
【0210】また、この配線混雑度を評価する値(L−
G)/Lを算出することにより、各回路の配置終了段階
において、配線を行なう前に配線可能性を見積もること
ができるため、配線対象の巨大化に伴い要求されている
早い段階での配線可能性の算出及び評価が可能となる。
さらに、この配線混雑度を評価する値(L−G)/Lに
基づいて、回路配置の修正を行なうことにより、配線領
域の最適化を適切に行なうことができる。
【0211】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の配線処理
方法によれば、クロック同期式回路におけるクロック分
配回路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間を
接続する配線について、3個以上のセグメントに分割し
て等ディレイ分岐点を求めることにより、配線における
単位グリッド当たりの抵抗及び容量が場所によらず等し
くないことを考慮して等ディレイ分岐点を正確に決定す
ることができ、これにより、クロック同期式回路におけ
るクロックの伝搬遅延時間(ディレイ時間)の差分であ
るクロックスキューを低減させることができる利点があ
る(請求項1〜6)。
【0212】また、本発明の配線処理方法によれば、ク
ロック同期式回路におけるクロック分配回路上の配線に
ついて、3個以上のセグメントに分割してセグメント単
位で配線長を調整することにより、外部クロックディレ
イ時間を考慮して各レシーバまでのディレイ時間を等し
くすることができ、これにより、クロック同期式回路に
おけるクロックの伝搬遅延時間(ディレイ時間)の差分
であるクロックスキューを低減させることができる利点
がある(請求項7〜9)。
【0213】さらに、本発明の配線処理方法によれば、
クロック同期式回路におけるクロック分配回路上のクロ
ックネットにおける2つのレシーバ間を接続する配線に
ついて、3個以上のセグメントに分割して等ディレイ分
岐点を求めるとともに、この等ディレイ分岐点から外部
クロック源取込み部へ至る配線について、3個以上のセ
グメントに分割してセグメント単位で配線長を調整する
ことにより、配線における単位グリッド当たりの抵抗及
び容量が場所によらず等しくないことを考慮して等ディ
レイ分岐点を正確に決定することができるとともに、外
部クロックディレイ時間を考慮して各レシーバまでのデ
ィレイ時間を等しくすることができ、これにより、クロ
ック同期式回路におけるクロックの伝搬遅延時間(ディ
レイ時間)の差分であるクロックスキューを効果的に低
減させることができる利点がある(請求項10,1
1)。
【0214】また、本発明の配線処理方法によれば、回
路基板上の配線についての配線経路を決定するに際し、
予め使用可能フラグ,到着状況フラグ及び到着方向フラ
グを用意した状態で、到着状況フラグが探索線分到着を
示している格子点に隣接する隣接格子点について、使用
可能フラグが使用可能状態を示しており、且つ、到着状
況フラグが探索線分未到着を示している場合に、隣接格
子点の到着状況フラグを探索線分到着を示す状態にする
ともに、隣接格子点の到着方向フラグにその探索方向を
表示させる隣接格子点フラグ処理手順を並列的に実行す
ることにより、前方探索処理ステップにおける演算を並
列処理にて高速に行なうことができるため、配線経路の
探索に要する時間を大幅に短縮することができる利点が
ある(請求項12)。
【0215】さらに、本発明の配線処理方法によれば、
回路基板上の配線についての配線経路を決定するに際
し、予め到着方向フラグを用意した状態で、各格子点に
ついて、到着方向フラグにその探索方向を複数表示させ
ることにより、配線経路として複数の配線経路を探索し
てその中から最適な配線経路を選択することができるた
め、配線長を最小化して配線性を向上させることができ
る利点がある(請求項13)。
【0216】また、本発明の配線処理方法によれば、回
路についての配置を決定した後に、回路を接続する配線
の総配線長をLとし、配線に使用される点の数をGとし
て、(L−G)/Lを配線についての配線混雑度として
評価する配線混雑度評価ステップとそなえて構成される
ことにより、各回路の配置終了段階において、配線を行
なう前に配線可能性として配線混雑度を見積もることが
できるため、配線対象の巨大化に伴い要求されている早
い段階での配線可能性の算出及び評価が可能となる利点
がある(請求項14)。
【0217】さらに、本発明の配線処理装置によれば、
クロック同期式回路におけるクロック分配回路上のクロ
ックネットにおける2つのレシーバ間を接続する配線に
ついて、2個以上の分岐点を設定することにより、3個
以上のセグメントに分割するセグメント分割処理部と、
等ディレイ分岐点が存在する等ディレイ分岐セグメント
を決定する等ディレイ分岐セグメント決定処理部と、等
ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点を求める
等ディレイ分岐点決定処理部とをそなえて構成されるこ
とにより、配線における単位グリッド当たりの抵抗及び
容量が場所によらず等しくないことを考慮して等ディレ
イ分岐点を正確に決定することができ、これにより、ク
ロック同期式回路におけるクロックの伝搬遅延時間(デ
ィレイ時間)の差分であるクロックスキューを低減させ
ることができる利点がある(請求項15)。
【0218】また、本発明の配線処理装置によれば、ク
ロック同期式回路におけるクロック分配回路上の配線に
ついて、2個以上の分岐点を設定することにより、3個
以上のセグメントに分割するセグメント分割処理部と、
各セグメント毎のディレイ時間を考慮した該配線のプロ
パゲーションディレイ時間を求めるプロパゲーションデ
ィレイ時間決定処理部と、配線のプロパゲーションディ
レイ時間と設定時間とを比較して、この比較結果に基づ
いて、セグメント単位で配線長を調整する配線長調整処
理部とをそなえて構成されることにより、外部クロック
ディレイ時間を考慮して各レシーバまでのディレイ時間
を等しくすることができ、これにより、クロック同期式
回路におけるクロックの伝搬遅延時間(ディレイ時間)
の差分であるクロックスキューを低減させることができ
る利点がある(請求項16)。
【0219】さらに、本発明の配線処理装置によれば、
クロック同期式回路におけるクロック分配回路上のクロ
ックネットにおける2つのレシーバ間を接続する配線に
ついて、2個以上の分岐点を設定することにより、3個
以上のセグメントに分割する第1セグメント分割処理部
と、等ディレイ分岐点が存在する等ディレイ分岐セグメ
ントを決定する等ディレイ分岐セグメント決定処理部
と、等ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点を
求める等ディレイ分岐点決定処理部と、等ディレイ分岐
点から各レシーバへの第5ディレイ時間を求めるディレ
イ時間決定処理部と、等ディレイ分岐点から外部クロッ
ク源取込み部へ至る配線について、2個以上の分岐点を
設定することにより、3個以上のセグメントに分割する
第2セグメント分割処理部と、各セグメント毎のディレ
イ時間を考慮した配線のプロパゲーションディレイ時間
を求めるプロパゲーションディレイ時間決定処理部と、
等ディレイ分岐点から各レシーバへの第5ディレイ時間
と配線のプロパゲーションディレイ時間とを加算した時
間と、設定時間とを比較して、この比較結果に基づい
て、セグメント単位で配線長を調整する配線長調整処理
部とをそなえて構成されることにより、配線における単
位グリッド当たりの抵抗及び容量が場所によらず等しく
ないことを考慮して等ディレイ分岐点を正確に決定する
ことができるとともに、外部クロックディレイ時間を考
慮して各レシーバまでのディレイ時間を等しくすること
ができ、これにより、クロック同期式回路におけるクロ
ックの伝搬遅延時間(ディレイ時間)の差分であるクロ
ックスキューを効果的に低減させることができる利点が
ある(請求項17)。
【0220】また、本発明の配線処理装置によれば、回
路基板上の配線の最小ピッチを単位とし配線領域を格子
状に分割して得られた格子点に探索線分が到着したこと
を示す到着状況フラグが探索線分到着を示している格子
点に隣接する隣接格子点について、格子点が配線に使用
可能であるかどうかを示す使用可能フラグが使用可能状
態を示しており、且つ、到着状況フラグが探索線分未到
着を示している場合に、隣接格子点の到着状況フラグを
探索線分到着を示す状態にするともに、隣接格子点にお
いて、隣接格子点に探索線分が到着した方向を示す到着
方向フラグにその探索方向を表示させる隣接格子点フラ
グ処理手順を並列的に実行し、更に隣接格子点フラグ処
理手順を、各探索線分について、到着状況フラグを探索
線分到着を示す状態にするような格子点がなくなるま
で、繰り返して実行する前方探索処理を行なう前方探索
処理部と、前方探索処理の後に、所望の格子点から到着
方向フラグに従って、配線経路をさかのぼっていくこと
により、配線経路を検索する後方探索処理を行なう後方
探索処理部とをそなえて構成されることにより、前方探
索処理における演算を並列処理にて高速に行なうことが
できるため、配線経路の探索に要する時間を大幅に短縮
することができる利点がある(請求項18)。
【0221】さらに、本発明の配線処理装置によれば、
回路基板上の配線の最小ピッチを単位とし配線領域を格
子状に分割して得られた各格子点について、格子点に探
索線分が到着した方向を示す到着方向フラグにその探索
方向を複数表示させながら、前方探索を行なっていく前
方探索処理部と、前方探索の後に、所望の格子点から該
到着方向フラグに従って、配線経路をさかのぼっていく
ことにより、複数の配線経路を検索する後方探索処理部
と、複数の配線経路から最適な配線経路を決定する最適
配線経路決定処理部とをそなえて構成されることによ
り、配線経路として複数の配線経路を探索してその中か
ら最適な配線経路を選択することができるため、配線長
を最小化して配線性を向上させることができる利点があ
る(請求項19)。
【0222】また、本発明の配線処理装置によれば、回
路基板上の回路についての配置を決定する回路配置決定
処理部と、回路についての配置を決定した後に、回路を
接続する配線の総配線長をLとし、配線に使用される点
の数をGとして、(L−G)/Lを配線についての配線
混雑度として評価する配線混雑度評価処理部とをそなえ
て構成されることにより、各回路の配置終了段階におい
て、配線を行なう前に配線可能性として配線混雑度を見
積もることができるため、配線対象の巨大化に伴い要求
されている早い段階での配線可能性の算出及び評価が可
能となる利点がある(請求項20)。
【0223】さらに、本発明の配線処理プログラム用記
録媒体によれば、クロック同期式回路におけるクロック
分配回路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間
を接続する配線について、3個以上のセグメントに分割
するセグメント分割手順と、等ディレイ分岐点が存在す
る等ディレイ分岐セグメントを決定する等ディレイ分岐
セグメント決定手順と、等ディレイ分岐セグメント中で
等ディレイ分岐点を求める等ディレイ分岐点決定手順と
を、コンピュータに実行させるための配線処理プログラ
ムを記録することにより、配線における単位グリッド当
たりの抵抗及び容量が場所によらず等しくないことを考
慮して等ディレイ分岐点を正確に決定することができ、
これにより、クロック同期式回路におけるクロックの伝
搬遅延時間(ディレイ時間)の差分であるクロックスキ
ューを低減させることができる利点がある(請求項2
1)。
【0224】また、本発明の配線処理プログラム用記録
媒体によれば、クロック同期式回路におけるクロック分
配回路上の配線について、3個以上のセグメントに分割
するセグメント分割手順と、各セグメント毎のディレイ
時間を考慮した配線のプロパゲーションディレイ時間を
求めるプロパゲーションディレイ時間決定手順と、配線
のプロパゲーションディレイ時間と設定時間とを比較し
て、この比較結果に基づいて、セグメント単位で配線長
を調整する配線長調整手順とを、コンピュータに実行さ
せるための配線処理プログラムを記録することにより、
外部クロックディレイ時間を考慮して各レシーバまでの
ディレイ時間を等しくすることができ、これにより、ク
ロック同期式回路におけるクロックの伝搬遅延時間(デ
ィレイ時間)の差分であるクロックスキューを低減させ
ることができる利点がある(請求項22)。
【0225】さらに、本発明の配線処理プログラム用記
録媒体によれば、クロック同期式回路におけるクロック
分配回路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間
を接続する配線について、3個以上のセグメントに分割
する第1セグメント分割手順と、等ディレイ分岐点が存
在する等ディレイ分岐セグメントを決定する等ディレイ
分岐セグメント決定手順と、等ディレイ分岐セグメント
中で等ディレイ分岐点を求める等ディレイ分岐点決定手
順と、等ディレイ分岐点から各レシーバへの第5ディレ
イ時間を求めるディレイ時間決定手順と、等ディレイ分
岐点から外部クロック源取込み部へ至る配線について、
3個以上のセグメントに分割する第2セグメント分割手
順と、各セグメント毎のディレイ時間を考慮した配線の
プロパゲーションディレイ時間を求めるプロパゲーショ
ンディレイ時間決定手順と、等ディレイ分岐点から各レ
シーバへの第5ディレイ時間と配線のプロパゲーション
ディレイ時間とを加算した時間と、設定時間とを比較し
て、この比較結果に基づいて、セグメント単位で配線長
を調整する配線長調整手順とを、コンピュータに実行さ
せるための配線処理プログラムを記録することにより、
配線における単位グリッド当たりの抵抗及び容量が場所
によらず等しくないことを考慮して等ディレイ分岐点を
正確に決定することができるとともに、外部クロックデ
ィレイ時間を考慮して各レシーバまでのディレイ時間を
等しくすることができ、これにより、クロック同期式回
路におけるクロックの伝搬遅延時間(ディレイ時間)の
差分であるクロックスキューを効果的に低減させること
ができる利点がある(請求項23)。
【0226】また、本発明の配線処理プログラム用記録
媒体によれば、回路基板上の配線の最小ピッチを単位と
し配線領域を格子状に分割して得られた格子点に探索線
分が到着したことを示す到着状況フラグが探索線分到着
を示している格子点に隣接する隣接格子点について、格
子点が配線に使用可能であるかどうかを示す使用可能フ
ラグが使用可能状態を示しており、且つ、到着状況フラ
グが探索線分未到着を示している場合に、隣接格子点の
到着状況フラグを探索線分到着を示す状態にするとも
に、隣接格子点において、隣接格子点に探索線分が到着
した方向を示す到着方向フラグにその探索方向を表示さ
せる隣接格子点フラグ処理手順を並列的に実行し、更に
隣接格子点フラグ処理手順を、各探索線分について、到
着状況フラグを探索線分到着を示す状態にするような格
子点がなくなるまで、繰り返して実行する前方探索処理
手順と、前方探索処理手順の後に、所望の格子点から到
着方向フラグに従って、配線経路をさかのぼっていくこ
とにより、配線経路を検索する後方探索処理手順とを、
コンピュータに実行させるための配線処理プログラムを
記録することにより、前方探索処理手順における演算を
並列処理にて高速に行なうことができるため、配線経路
の探索に要する時間を大幅に短縮することができる利点
がある(請求項24)。
【0227】さらに、本発明の配線処理プログラム用記
録媒体によれば、回路基板上の配線の最小ピッチを単位
とし配線領域を格子状に分割して得られた各格子点につ
いて、格子点に探索線分が到着した方向を示す到着方向
フラグにその探索方向を複数表示させながら、前方探索
を行なっていく前方探索処理手順と、前方探索処理手順
の後に、所望の格子点から到着方向フラグに従って、配
線経路をさかのぼっていくことにより、複数の配線経路
を検索する後方探索処理手順と、後方探索処理手順で得
られた複数の配線経路から最適な配線経路を決定する最
適配線経路決定手順とを、コンピュータに実行させるた
めの配線処理プログラムを記録することにより、配線経
路として複数の配線経路を探索してその中から最適な配
線経路を選択することができるため、配線長を最小化し
て配線性を向上させることができる利点がある(請求項
25)。
【0228】また、本発明の配線処理プログラム用記録
媒体によれば、回路基板上の配線の総配線長をLとし、
配線に使用される点の数をGとして、(L−G)/Lを
配線についての配線混雑度として評価する配線混雑度評
価手順をコンピュータに実行させるための配線処理プロ
グラムを記録することにより、各回路の配置終了段階に
おいて、配線を行なう前に配線可能性として配線混雑度
を見積もることができるため、配線対象の巨大化に伴い
要求されている早い段階での配線可能性の算出及び評価
が可能となる利点がある(請求項26)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる会話型回路設計装
置の全体構成を示す図である。
【図3】本発明のクロックスキューを低減させるための
配線処理方法の第1の態様におけるバッファ付きクロッ
ク・トリーをモデル化して示す図である。
【図4】本発明のクロックスキューを低減させるための
配線処理方法の第1の態様におけるバッファ付きクロッ
ク・トリーの要部構成を示す図である。
【図5】本発明のクロックスキューを低減させるための
配線処理方法の第1の態様におけるクロック分配回路上
のクロックネットのクロック・トリーの構成を模式的に
示す図である。
【図6】本発明のクロックスキューを低減させるための
配線処理方法の第1の態様におけるクロック分配回路上
のクロックネットのクロック・トリーの構成を模式的に
示す図である。
【図7】本発明のクロックスキューを低減させるための
配線処理方法の第1の態様を説明するためのフローチャ
ートである。
【図8】本発明のクロックスキューを低減させるための
配線処理装置の第1の態様を説明するための機能ブロッ
ク図である。
【図9】本発明のクロックスキューを低減させるための
配線処理方法の第2の態様におけるクロック分配回路上
のクロックネットの構成を模式的に示す図である。
【図10】本発明のクロックスキューを低減させるため
の配線処理方法の第2の態様におけるクロック分配回路
上のクロックネットの構成を模式的に示す図である。
【図11】アドミッタンス算出用のy1,y2,y3の
算出方法を説明するための図である。
【図12】外部クロックディレイ時間を説明するための
図である。
【図13】本発明のクロックスキューを低減させるため
の配線処理方法の第2の態様を説明するためのフローチ
ャートである。
【図14】本発明のクロックスキューを低減させるため
の配線処理装置の第2の態様を説明するための機能ブロ
ック図である。
【図15】本発明のクロックスキューを低減させるため
の配線処理方法の第3の態様を説明するためのフローチ
ャートである。
【図16】本発明のクロックスキューを低減させるため
の配線処理装置の第3の態様を説明するための機能ブロ
ック図である。
【図17】使用可能フラグ,到着状況フラグ及び到着方
向フラグの構成を説明するための図である。
【図18】(a)〜(e)はそれぞれ、本発明の配線経
路を決定するための配線処理方法の第1の態様を説明す
るための図である。
【図19】(a)〜(e)はそれぞれ、本発明の配線経
路を決定するための配線処理方法の第1の態様を説明す
るための図である。
【図20】(a)〜(e)はそれぞれ、本発明の配線経
路を決定するための配線処理方法の第1の態様を説明す
るための図である。
【図21】(a)〜(e)はそれぞれ、本発明の配線経
路を決定するための配線処理方法の第1の態様を説明す
るための図である。
【図22】(a)〜(f)はそれぞれ、本発明の配線経
路を決定するための配線処理方法の第1の態様を説明す
るための図である。
【図23】本発明の配線経路を決定するための配線処理
方法の第1の態様を説明するためのフローチャートであ
る。
【図24】本発明の配線経路を決定するための配線処理
装置の第1の態様を説明するための機能ブロック図であ
る。
【図25】(a),(b)はそれぞれ、本発明の配線経
路を決定するための配線処理方法の第2の態様を説明す
るための図である。
【図26】(a),(b)はそれぞれ、本発明の配線経
路を決定するための配線処理方法の第2の態様を説明す
るための図である。
【図27】本発明の配線経路を決定するための配線処理
方法の第2の態様を説明するためのフローチャートであ
る。
【図28】本発明の配線経路を決定するための配線処理
装置の第2の態様を説明するための機能ブロック図であ
る。
【図29】本発明の配線経路を決定するための配線処理
方法の第3の態様を説明するための図である。
【図30】本発明の配線経路を決定するための配線処理
方法の第3の態様を説明するためのフローチャートであ
る。
【図31】本発明の配線経路を決定するための配線処理
装置の第3の態様を説明するための機能ブロック図であ
る。
【図32】バッファ付きクロック・トリーをモデル化し
て示す図である。
【図33】バッファ付きクロック・トリーの要部構成を
示す図である。
【図34】2つのサブ・クロック・トリーからなるクロ
ック・トリーの構成を示す図である。
【図35】自動配線において配線経路を探索する方法を
説明するための図である。
【図36】自動配線において配線経路を探索する方法を
説明するための図である。
【符号の説明】
1 会話型回路設計装置(配線処理装置) 2 CPU 3 表示部 4 表示制御部 5 外部ファイル書込部 5A 外部ファイル 6 印字部 7 入力部 8 ハードディスク(配線処理プログラム用記録媒体) 9 コンピュータ本体 10 バッファ付きクロック・トリー 11 クロック発生回路(クロックソース) 12 バッファ 13 クロック受信回路(ラッチ) 14,15 ワイヤ 16,17 抵抗 18,20 コンデンサ 19 ディレイ回路 21,22 Π型RC回路(セグメント) 21A,22A 抵抗 21B,22B コンデンサ 30 クロック・トリー 31,34 レシーバ(クロック受信回路) 32,35 フリップフロップ回路 33,36 コンデンサ 37,40 ワイヤ 38,41 抵抗 39,42 コンデンサ 43 セグメント 44 クロックネット 45A ドライバ(クロック発生回路) 45B クロック・トリー 46 セグメント 47,49 コンデンサ 48,50 抵抗 51 出力ピン 52 テーブル 100 バッファ付きクロック・トリー 101 クロック発生回路(クロックソース) 102 バッファ 103 クロック受信回路(ラッチ) 104,105 ワイヤ 106,107 抵抗 108,109,110 コンデンサ 111 ディレイ回路 112,115 レシーバ(クロック受信回路) 113,116 フリップフロップ回路 114,117 コンデンサ 118,121 ワイヤ 119,122 抵抗 120,123 コンデンサ A1 セグメント分割処理部 A2 等ディレイ分岐セグメント決定処理部 A3 等ディレイ分岐点決定処理部 A4 第1セグメント分割処理部 A5 等ディレイ分岐セグメント決定処理部 A6 等ディレイ分岐点決定処理部 A7 ディレイ時間決定処理部 A8 第2セグメント分割処理部 A9 プロパゲーションディレイ時間決定処理部 A10 配線長調整処理部 A11 セグメント分割処理部 A12 プロパゲーションディレイ時間決定処理部 A13 配線長調整処理部 A14 前方探索処理部 A15 隣接格子点フラグ処理部 A16 後方探索処理部 A17 前方探索処理部 A18 後方探索処理部 A19 最適配線経路決定処理部 A20 回路配置決定処理部 A21 配線混雑度評価処理部 A22 回路配置修正処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 弘 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 多田 敏彦 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロック同期式回路におけるクロック分
    配回路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間を
    接続する配線について、2個以上の分岐点を設定するこ
    とにより、3個以上のセグメントに分割するセグメント
    分割ステップと、 該セグメント分割ステップで得られたセグメントについ
    て、該セグメントの一端に位置する一分岐点から上記2
    つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第1ディレイ
    時間と、該一分岐点から上記2つのレシーバのうちの他
    方のレシーバへの第2ディレイ時間とを比較するととも
    に、該セグメントの他端に位置する他分岐点から上記2
    つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第3ディレイ
    時間と、該他分岐点から上記2つのレシーバのうちの他
    方のレシーバへの第4ディレイ時間とを比較し、上記の
    第1ディレイ時間と第2ディレイ時間との大小関係と上
    記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時間との大小関係
    とが反転するセグメントを等ディレイ分岐点が存在する
    等ディレイ分岐セグメントとして決定する等ディレイ分
    岐セグメント決定ステップと、 該等ディレイ分岐セグメント決定ステップで求められた
    該等ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点を求
    める等ディレイ分岐点決定ステップとをそなえて構成さ
    れたことを特徴とする、配線処理方法。
  2. 【請求項2】 該セグメント分割ステップにおいて設定
    される該分岐点が、該配線上の物理的な分岐点であるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の配線処理方法。
  3. 【請求項3】 該セグメント分割ステップにおいて設定
    される該分岐点が、該配線の単位長当たりのインピーダ
    ンスが変化する点であることを特徴とする、請求項1記
    載の配線処理方法。
  4. 【請求項4】 該セグメント分割ステップにおいて求め
    られる該セグメントがシングルΠ型回路で評価されるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の配線処理方法。
  5. 【請求項5】 該等ディレイ分岐セグメント決定ステッ
    プにおける上記の第1〜第4ディレイ時間が、 【数1】 により求められることを特徴とする、請求項1記載の配
    線処理方法。
  6. 【請求項6】 該等ディレイ分岐点決定ステップにおけ
    る該等ディレイ分岐点が、 【数2】 により求められることを特徴とする、請求項1記載の配
    線処理方法。
  7. 【請求項7】 クロック同期式回路におけるクロック分
    配回路上の配線について、2個以上の分岐点を設定する
    ことにより、3個以上のセグメントに分割するセグメン
    ト分割ステップと、 該セグメント分割ステップで得られた各セグメント毎の
    ディレイ時間を考慮した該配線のプロパゲーションディ
    レイ時間を求めるプロパゲーションディレイ時間決定ス
    テップと、 該プロパゲーションディレイ時間決定ステップで求めら
    れた該配線のプロパゲーションディレイ時間と設定時間
    とを比較して、この比較結果に基づいて、該セグメント
    単位で配線長を調整する配線長調整ステップとをそなえ
    て構成されたことを特徴とする、配線処理方法。
  8. 【請求項8】 該セグメント分割ステップにおいて設定
    される該分岐点が、該配線の単位長当たりのインピーダ
    ンスが変化する点であることを特徴とする、請求項7記
    載の配線処理方法。
  9. 【請求項9】 該セグメント分割ステップにおいて求め
    られる該セグメントがシングルΠ型回路で評価されるこ
    とを特徴とする、請求項7記載の配線処理方法。
  10. 【請求項10】 クロック同期式回路におけるクロック
    分配回路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間
    を接続する配線について、2個以上の分岐点を設定する
    ことにより、3個以上のセグメントに分割する第1セグ
    メント分割ステップと、 該第1セグメント分割ステップで得られたセグメントに
    ついて、該セグメントの一端に位置する一分岐点から上
    記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第1ディ
    レイ時間と、該一分岐点から上記2つのレシーバのうち
    の他方のレシーバへの第2ディレイ時間とを比較すると
    ともに、該セグメントの他端に位置する他分岐点から上
    記2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第3ディ
    レイ時間と、該他分岐点から上記2つのレシーバのうち
    の他方のレシーバへの第4ディレイ時間とを比較し、上
    記の第1ディレイ時間と第2ディレイ時間との大小関係
    と上記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時間との大小
    関係とが反転するセグメントを等ディレイ分岐点が存在
    する等ディレイ分岐セグメントとして決定する等ディレ
    イ分岐セグメント決定ステップと、 該等ディレイ分岐セグメント決定ステップで求められた
    該等ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点を求
    める等ディレイ分岐点決定ステップと、 該等ディレイ分岐点決定ステップで求められた該等ディ
    レイ分岐点から各レシーバへの第5ディレイ時間を求め
    るディレイ時間決定ステップと、 該等ディレイ分岐点から外部クロック源取込み部へ至る
    配線について、2個以上の分岐点を設定することによ
    り、3個以上のセグメントに分割する第2セグメント分
    割ステップと、 該第2セグメント分割ステップで得られた各セグメント
    毎のディレイ時間を考慮した該配線のプロパゲーション
    ディレイ時間を求めるプロパゲーションディレイ時間決
    定ステップと、 該ディレイ時間決定ステップで求められた該等ディレイ
    分岐点から各レシーバへの該第5ディレイ時間と該プロ
    パゲーションディレイ時間決定ステップで求められた該
    配線のプロパゲーションディレイ時間とを加算した時間
    と、設定時間とを比較して、この比較結果に基づいて、
    セグメント単位で配線長を調整する配線長調整ステップ
    とをそなえて構成されたことを特徴とする、配線処理方
    法。
  11. 【請求項11】 該配線長調整ステップにて、該第5デ
    ィレイ時間と該プロパゲーションディレイ時間と該外部
    クロック源取込み部での外部クロックディレイ時間とを
    加算した時間と、設定時間とを比較した比較結果に基づ
    いて、セグメント単位で配線長が調整されることを特徴
    とする、請求項10記載の配線処理方法。
  12. 【請求項12】 回路基板上の配線についての配線経路
    を決定するに際し、 予め、該配線の最小ピッチを単位として、配線領域を格
    子状に分割し、格子点が該配線に使用可能であるかどう
    かを示す使用可能フラグと、格子点に探索線分が到着し
    たことを示す到着状況フラグと、格子点に探索線分が到
    着した方向を示す到着方向フラグとを用意した状態で、 該到着状況フラグが探索線分到着を示している格子点に
    隣接する隣接格子点について、該使用可能フラグが使用
    可能状態を示しており、且つ、該到着状況フラグが探索
    線分未到着を示している場合に、該隣接格子点の該到着
    状況フラグを探索線分到着を示す状態にするともに、該
    隣接格子点の該到着方向フラグにその探索方向を表示さ
    せる隣接格子点フラグ処理手順を並列的に実行し、更に
    該隣接格子点フラグ処理手順を、各探索線分について、
    該到着状況フラグを探索線分到着を示す状態にするよう
    な格子点がなくなるまで、繰り返して実行する前方探索
    処理ステップと、 該前方探索処理ステップの後に、所望の格子点から該到
    着方向フラグに従って、配線経路をさかのぼっていくこ
    とにより、配線経路を検索する後方探索処理ステップと
    をそなえて構成されていることを特徴とする、配線処理
    方法。
  13. 【請求項13】 回路基板上の配線についての配線経路
    を決定するに際し、 予め、該配線の最小ピッチを単位として、配線領域を格
    子状に分割し、格子点に探索線分が到着した方向を示す
    到着方向フラグを用意した状態で、 各格子点について、該到着方向フラグにその探索方向を
    複数表示させながら、前方探索を行なっていく前方探索
    処理ステップと、 該前方探索処理ステップの後に、所望の格子点から該到
    着方向フラグに従って、配線経路をさかのぼっていくこ
    とにより、複数の配線経路を検索する後方探索処理ステ
    ップと、 該後方探索処理ステップで得られた複数の配線経路から
    最適な配線経路を決定する最適配線経路決定ステップと
    をそなえて構成されていることを特徴とする、配線処理
    方法。
  14. 【請求項14】 回路基板上の回路についての配置を決
    定する回路配置決定ステップと、 該回路配置決定ステップにて、該回路についての配置を
    決定した後に、該回路を接続する配線の総配線長をLと
    し、該配線に使用される点の数をGとして、(L−G)
    /Lを該配線についての配線混雑度として評価する配線
    混雑度評価ステップとそなえて構成されていることを特
    徴とする、配線処理方法。
  15. 【請求項15】 クロック同期式回路におけるクロック
    分配回路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間
    を接続する配線について、2個以上の分岐点を設定する
    ことにより、3個以上のセグメントに分割するセグメン
    ト分割処理部と、 該セグメント分割処理部で得られたセグメントについ
    て、該セグメントの一端に位置する一分岐点から上記2
    つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第1ディレイ
    時間と、該一分岐点から上記2つのレシーバのうちの他
    方のレシーバへの第2ディレイ時間とを比較するととも
    に、該セグメントの他端に位置する他分岐点から上記2
    つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第3ディレイ
    時間と、該他分岐点から上記2つのレシーバのうちの他
    方のレシーバへの第4ディレイ時間とを比較し、上記の
    第1ディレイ時間と第2ディレイ時間との大小関係と上
    記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時間との大小関係
    とが反転するセグメントを等ディレイ分岐点が存在する
    等ディレイ分岐セグメントとして決定する等ディレイ分
    岐セグメント決定処理部と、 該等ディレイ分岐セグメント決定処理部で求められた該
    等ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点を求め
    る等ディレイ分岐点決定処理部とをそなえて構成された
    ことを特徴とする、配線処理装置。
  16. 【請求項16】 クロック同期式回路におけるクロック
    分配回路上の配線について、2個以上の分岐点を設定す
    ることにより、3個以上のセグメントに分割するセグメ
    ント分割処理部と、 該セグメント分割処理部で得られた各セグメント毎のデ
    ィレイ時間を考慮した該配線のプロパゲーションディレ
    イ時間を求めるプロパゲーションディレイ時間決定処理
    部と、 該プロパゲーションディレイ時間決定処理部で求められ
    た該配線のプロパゲーションディレイ時間と設定時間と
    を比較して、この比較結果に基づいて、該セグメント単
    位で配線長を調整する配線長調整処理部とをそなえて構
    成されたことを特徴とする、配線処理装置。
  17. 【請求項17】 クロック同期式回路におけるクロック
    分配回路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間
    を接続する配線について、2個以上の分岐点を設定する
    ことにより、3個以上のセグメントに分割する第1セグ
    メント分割処理部と、 該第1セグメント分割処理部で得られたセグメントにつ
    いて、該セグメントの一端に位置する一分岐点から上記
    2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第1ディレ
    イ時間と、該一分岐点から上記2つのレシーバのうちの
    他方のレシーバへの第2ディレイ時間とを比較するとと
    もに、該セグメントの他端に位置する他分岐点から上記
    2つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第3ディレ
    イ時間と、該他分岐点から上記2つのレシーバのうちの
    他方のレシーバへの第4ディレイ時間とを比較し、上記
    の第1ディレイ時間と第2ディレイ時間との大小関係と
    上記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時間との大小関
    係とが反転するセグメントを等ディレイ分岐点が存在す
    る等ディレイ分岐セグメントとして決定する等ディレイ
    分岐セグメント決定処理部と、 該等ディレイ分岐セグメント決定処理部で求められた該
    等ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点を求め
    る等ディレイ分岐点決定処理部と、 該等ディレイ分岐点決定処理部で求められた該等ディレ
    イ分岐点から各レシーバへの第5ディレイ時間を求める
    ディレイ時間決定処理部と、 該等ディレイ分岐点から外部クロック源取込み部へ至る
    配線について、2個以上の分岐点を設定することによ
    り、3個以上のセグメントに分割する第2セグメント分
    割処理部と、 該第2セグメント分割処理部で得られた各セグメント毎
    のディレイ時間を考慮した該配線のプロパゲーションデ
    ィレイ時間を求めるプロパゲーションディレイ時間決定
    処理部と、 該ディレイ時間決定処理部で求められた該等ディレイ分
    岐点から各レシーバへの該第5ディレイ時間と該プロパ
    ゲーションディレイ時間決定処理部で求められた該配線
    のプロパゲーションディレイ時間とを加算した時間と、
    設定時間とを比較して、この比較結果に基づいて、セグ
    メント単位で配線長を調整する配線長調整処理部とをそ
    なえて構成されたことを特徴とする、配線処理装置。
  18. 【請求項18】 回路基板上の配線の最小ピッチを単位
    とし配線領域を格子状に分割して得られた格子点に探索
    線分が到着したことを示す到着状況フラグが探索線分到
    着を示している格子点に隣接する隣接格子点について、
    格子点が該配線に使用可能であるかどうかを示す使用可
    能フラグが使用可能状態を示しており、且つ、該到着状
    況フラグが探索線分未到着を示している場合に、該隣接
    格子点の該到着状況フラグを探索線分到着を示す状態に
    するともに、該隣接格子点において、該隣接格子点に探
    索線分が到着した方向を示す到着方向フラグにその探索
    方向を表示させる隣接格子点フラグ処理手順を並列的に
    実行し、更に該隣接格子点フラグ処理手順を、各探索線
    分について、該到着状況フラグを探索線分到着を示す状
    態にするような格子点がなくなるまで、繰り返して実行
    する前方探索処理を行なう前方探索処理部と、 該前方探索処理部における該前方探索処理の後に、所望
    の格子点から該到着方向フラグに従って、配線経路をさ
    かのぼっていくことにより、配線経路を検索する後方探
    索処理を行なう後方探索処理部とをそなえて構成された
    ことを特徴とする、配線処理装置。
  19. 【請求項19】 回路基板上の配線の最小ピッチを単位
    とし配線領域を格子状に分割して得られた各格子点につ
    いて、該格子点に探索線分が到着した方向を示す到着方
    向フラグにその探索方向を複数表示させながら、前方探
    索を行なっていく前方探索処理部と、 該前方探索処理部における該前方探索の後に、所望の格
    子点から該到着方向フラグに従って、配線経路をさかの
    ぼっていくことにより、複数の配線経路を検索する後方
    探索処理部と、 該後方探索処理部で得られた複数の配線経路から最適な
    配線経路を決定する最適配線経路決定処理部とをそなえ
    て構成されたことを特徴とする、配線処理装置。
  20. 【請求項20】 回路基板上の回路についての配置を決
    定する回路配置決定処理部と、 該回路配置決定処理部にて、該回路についての配置を決
    定した後に、該回路を接続する配線の総配線長をLと
    し、該配線に使用される点の数をGとして、(L−G)
    /Lを該配線についての配線混雑度として評価する配線
    混雑度評価処理部とをそなえて構成されたことを特徴と
    する、配線処理装置。
  21. 【請求項21】 クロック同期式回路におけるクロック
    分配回路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間
    を接続する配線について、2個以上の分岐点を設定する
    ことにより、3個以上のセグメントに分割するセグメン
    ト分割手順と、 該セグメント分割手順で得られたセグメントについて、
    該セグメントの一端に位置する一分岐点から上記2つの
    レシーバのうちの一方のレシーバへの第1ディレイ時間
    と、該一分岐点から上記2つのレシーバのうちの他方の
    レシーバへの第2ディレイ時間とを比較するとともに、
    該セグメントの他端に位置する他分岐点から上記2つの
    レシーバのうちの一方のレシーバへの第3ディレイ時間
    と、該他分岐点から上記2つのレシーバのうちの他方の
    レシーバへの第4ディレイ時間とを比較し、上記の第1
    ディレイ時間と第2ディレイ時間との大小関係と上記の
    第3ディレイ時間と第4ディレイ時間との大小関係とが
    反転するセグメントを等ディレイ分岐点が存在する等デ
    ィレイ分岐セグメントとして決定する等ディレイ分岐セ
    グメント決定手順と、 該等ディレイ分岐セグメント決定手順で求められた該等
    ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点を求める
    等ディレイ分岐点決定手順とを、コンピュータに実行さ
    せるための配線処理プログラムを記録したことを特徴と
    する、配線処理プログラム用記録媒体。
  22. 【請求項22】 クロック同期式回路におけるクロック
    分配回路上の配線について、2個以上の分岐点を設定す
    ることにより、3個以上のセグメントに分割するセグメ
    ント分割手順と、 該セグメント分割手順で得られた各セグメント毎のディ
    レイ時間を考慮した該配線のプロパゲーションディレイ
    時間を求めるプロパゲーションディレイ時間決定手順
    と、 該プロパゲーションディレイ時間決定手順で求められた
    該配線のプロパゲーションディレイ時間と設定時間とを
    比較して、この比較結果に基づいて、該セグメント単位
    で配線長を調整する配線長調整手順とを、コンピュータ
    に実行させるための配線処理プログラムを記録したこと
    を特徴とする、配線処理プログラム用記録媒体。
  23. 【請求項23】 クロック同期式回路におけるクロック
    分配回路上のクロックネットにおける2つのレシーバ間
    を接続する配線について、2個以上の分岐点を設定する
    ことにより、3個以上のセグメントに分割する第1セグ
    メント分割手順と、 該第1セグメント分割手順で得られたセグメントについ
    て、該セグメントの一端に位置する一分岐点から上記2
    つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第1ディレイ
    時間と、該一分岐点から上記2つのレシーバのうちの他
    方のレシーバへの第2ディレイ時間とを比較するととも
    に、該セグメントの他端に位置する他分岐点から上記2
    つのレシーバのうちの一方のレシーバへの第3ディレイ
    時間と、該他分岐点から上記2つのレシーバのうちの他
    方のレシーバへの第4ディレイ時間とを比較し、上記の
    第1ディレイ時間と第2ディレイ時間との大小関係と上
    記の第3ディレイ時間と第4ディレイ時間との大小関係
    とが反転するセグメントを等ディレイ分岐点が存在する
    等ディレイ分岐セグメントとして決定する等ディレイ分
    岐セグメント決定手順と、 該等ディレイ分岐セグメント決定手順で求められた該等
    ディレイ分岐セグメント中で等ディレイ分岐点を求める
    等ディレイ分岐点決定手順と、 該等ディレイ分岐点決定手順で求められた該等ディレイ
    分岐点から各レシーバへの第5ディレイ時間を求めるデ
    ィレイ時間決定手順と、 該等ディレイ分岐点から外部クロック源取込み部へ至る
    配線について、2個以上の分岐点を設定することによ
    り、3個以上のセグメントに分割する第2セグメント分
    割手順と、 該第2セグメント分割手順で得られた各セグメント毎の
    ディレイ時間を考慮した該配線のプロパゲーションディ
    レイ時間を求めるプロパゲーションディレイ時間決定手
    順と、 該ディレイ時間決定手順で求められた該等ディレイ分岐
    点から各レシーバへの該第5ディレイ時間と該プロパゲ
    ーションディレイ時間決定手順で求められた該配線のプ
    ロパゲーションディレイ時間とを加算した時間と、設定
    時間とを比較して、この比較結果に基づいて、セグメン
    ト単位で配線長を調整する配線長調整手順とを、コンピ
    ュータに実行させるための配線処理プログラムを記録し
    たことを特徴とする、配線処理プログラム用記録媒体。
  24. 【請求項24】 回路基板上の配線の最小ピッチを単位
    とし配線領域を格子状に分割して得られた格子点に探索
    線分が到着したことを示す到着状況フラグが探索線分到
    着を示している格子点に隣接する隣接格子点について、
    格子点が該配線に使用可能であるかどうかを示す使用可
    能フラグが使用可能状態を示しており、且つ、該到着状
    況フラグが探索線分未到着を示している場合に、該隣接
    格子点の該到着状況フラグを探索線分到着を示す状態に
    するともに、該隣接格子点において、該隣接格子点に探
    索線分が到着した方向を示す到着方向フラグにその探索
    方向を表示させる隣接格子点フラグ処理手順を並列的に
    実行し、更に該隣接格子点フラグ処理手順を、各探索線
    分について、該到着状況フラグを探索線分到着を示す状
    態にするような格子点がなくなるまで、繰り返して実行
    する前方探索処理手順と、 該前方探索処理手順の後に、所望の格子点から該到着方
    向フラグに従って、配線経路をさかのぼっていくことに
    より、配線経路を検索する後方探索処理手順とを、コン
    ピュータに実行させるための配線処理プログラムを記録
    したことを特徴とする、配線処理プログラム用記録媒
    体。
  25. 【請求項25】 回路基板上の配線の最小ピッチを単位
    とし配線領域を格子状に分割して得られた各格子点につ
    いて、該格子点に探索線分が到着した方向を示す到着方
    向フラグにその探索方向を複数表示させながら、前方探
    索を行なっていく前方探索処理手順と、 該前方探索処理手順の後に、所望の格子点から該到着方
    向フラグに従って、配線経路をさかのぼっていくことに
    より、複数の配線経路を検索する後方探索処理手順と、 該後方探索処理手順で得られた複数の配線経路から最適
    な配線経路を決定する最適配線経路決定手順とを、コン
    ピュータに実行させるための配線処理プログラムを記録
    したことを特徴とする、配線処理プログラム用記録媒
    体。
  26. 【請求項26】 回路基板上の配線の総配線長をLと
    し、該配線に使用される点の数をGとして、(L−G)
    /Lを該配線についての配線混雑度として評価する配線
    混雑度評価手順をコンピュータに実行させるための配線
    処理プログラムを記録したことを特徴とする、配線処理
    プログラム用記録媒体。
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US6442740B1 (en) 1999-06-30 2002-08-27 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Clock signal analysis device and clock signal analysis method

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