JPH10221434A - パッシブソーナー装置 - Google Patents

パッシブソーナー装置

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JPH10221434A
JPH10221434A JP1901897A JP1901897A JPH10221434A JP H10221434 A JPH10221434 A JP H10221434A JP 1901897 A JP1901897 A JP 1901897A JP 1901897 A JP1901897 A JP 1901897A JP H10221434 A JPH10221434 A JP H10221434A
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の行合船が存在する場合は、最適な雑音
除去が行われない可能性があり、また、オペレータには
経験及び情報が必要となり指向性パターンの方位設定が
困難となり、雑音除去のナル方向の方位を求める工程に
時間を要する。 【解決手段】 雑音レベル計測部1は、受波部4により
受波されて得られた音響信号に基づき指向性パターンを
回転して雑音レベルを計測する。信号レベル計算部2
は、目標対象の信号レベルの方位特性を計算に求める。
方位計算手段3は、雑音レベル計測部1からの雑音レベ
ルと信号レベル計算部2からの信号レベルとからSN比
を計算し、その中の最大となるSN比を出力する。指向
性形成部5は方位計算部3からの最大SN比に基づき、
その方位に指向性パターンを回転し、受波部4からの音
響信号をその指向性パターンで得られた音響信号として
周波数分析部6へ出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパッシブソーナー装
置に係り、特にソノブイを用いた水中音響による目標探
知の際に、雑音除去を図ったパッシブソーナー装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】ソノブイを用いた水中音響による目標探
知を行うパッシブソーナー装置における雑音除去は、従
来、行合船の存在によりSN比が悪化し、対象目標から
発生する音響信号の検出が難しい場合に検出改善(SN
比改善)を目的として用いられる。
【0003】図6は従来のパッシプソーナー装置の一例
のブロック図、図7は図6中の各受波器及び指向性形成
過程の指向性のパターン図を示す。図6において、受波
部4は3種の受波器41、42及び43からなり、水中
の音波を受波して音響−電気変換を行い、電気信号であ
る音響信号を出力する。3種の受波器41、42及び4
3のうち、受波器41は図7(A)に示すような無指向
性の指向性を有し、受波器42は図7(B)に示すよう
なcosθで表される指向性を有し、受波器43は図7
(C)に示すようなsinθで表される指向性を有す
る。
【0004】図6の指向性形成部5は受波部4からの音
響信号を入力信号として受け、オペレータが入力した方
位αに基づいて、指向性のナル方向(感度最低の方向)
が方位αになるように、入力音響信号を用いて指向性パ
ターンを形成し、形成した指向性で得られた音響信号を
周波数分析部6へ出力する。周波数分析部6は入力され
た音響信号の周波数分析を行う。
【0005】次に、この従来のパッシブソーナー装置の
動作について説明する。受波部4では、受波器41、4
2及び43のそれぞれにおいて水中の音波を圧電素子
(圧力変化を電気信号に変換する素子)を用いて電気信
号である音響信号に変換し、それを指向性形成部5に入
力する。
【0006】オペレータは、対象目標の存在する方位と
対象目標の音響信号の雑音源となる行合船の方位、距
離、雑音放射レベルをデータとし、作図等の解析を経
て、雑音が最適に除去できるナル方向の方位を求める。
ここで、「方位」とは、受波部4の位置を基準点とした
方位である。通常、行合船が1隻であれば、ナル方向を
行合船の方位とする。なぜならば、ナル方向の受波感度
が低いために、ナル方向の方位を行合船に向けることで
行合船の雑音を確実に除去できるからである。解析で求
められたナル方向の方位は、方位αとして指向性形成部
5に入力される。
【0007】指向性形成部5では、受波器42から入力
された音響信号に乗算器51でcosαを乗算した乗算
結果と、受波器43から入力された音響信号に乗算器5
2でsinαを乗算した乗算結果とを加算器53で加算
する。このときの指向性は(1)式のように表され、指
向性パターンは図7(D)に示すものとなる。
【0008】 cosθ・cosα+sinθ・sinα=cos(θ−α) (1) すなわち、2つの受波器42及び43で得られた音響信
号は、乗算加算されることにより、αだけ回転したco
sθの指向性パターンを持つ受波器で得られた音響信号
と同じものとなる。
【0009】更に、指向性形成部5は、加算器53より
得られた加算結果に乗算器54により”−1”を乗算し
た後加算器55に供給し、ここで受波器41からの音響
信号と加算させる。このときの指向性波(2)式のよう
に表され、指向性パターンは図7(E)に示すものとな
る。
【0010】 1−cos(θ−α) (2) 図7(E)に示す指向性パターンは、カージオイド(C
ARDIOID)と呼ばれる指向性パターンである。
【0011】指向性形成部5において、受波部4の3つ
の受波器41、42及び43の出力音響信号から、入力
方位αを変化させることで、任意に指向性パターンを回
転することができるカージオイド指向性を得ることがで
きる。指向性形成部5で形成された指向性により得られ
た音響信号は、周波数分析部6に供給されて周波数分析
される。
【0012】このように、方位αの値を変化させること
により、指向性パターンを回転させることができ、行合
船の雑音を受波感度の低いところで受信し、また対象目
標の信号を受波感度の高いところで受信することで行合
船の雑音の受信レベルを低下させ、雑音除去を行ってい
る。従来装置では、この雑音除去処理により、対象目標
の信号のSN比を高め、検出改善を行っている。
【0013】また、従来の他のソーナー装置として、雑
音除去を行うために対象目標方向に対し、受波感度が低
い受波器にて雑音を受信し、主となる受波器で得られる
雑音との相関度に応じ重み付けを行い、相関度の高い雑
音を除去するソーナー装置が知られている(特開平2−
275379号公報)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、図6に示し
た従来のパッシブソーナー装置では、最適な雑音除去を
行うには行合船の位置(距離)、雑音の放射レベル及び
受波器の位置等の情報を正確に把握しなければならない
が、実際には、正確にそれらの情報を入手することは困
難であるため、行合船が特に複数存在する場合には、最
適な雑音除去が行われない可能性がある。
【0015】また、行合船が複数になると、オペレータ
の経験及び情報が必要となり、オペレータは作図等を行
いながら総合的に解析し、ナル方向の方位を求めている
ため、雑音除去するためのナル方向の方位を求める工程
に長時間を必要とするという問題もある。
【0016】なお、特開平2−275379号公報記載
のソーナー装置では、雑音の方位特性の測定及びSN比
を計算し、雑音を除去する技術等は何ら記載されていな
い。
【0017】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
容易に最適な雑音除去を行い得るパッシブソーナー装置
を提供することを目的とする。
【0018】本発明の他の目的は、短時間に雑音除去を
最適に行い得るナル方向の方位を求めることができるパ
ッシブソーナー装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、互いに異なる指向性を持ち、それぞれ音波
を受波して音響信号に変換する複数の受波器からなる受
波部と、受波部からの音響信号を入力信号として受け、
指向性パターンを回転させて雑音レベルを計測する雑音
レベル計測部と、対象目標方位に対象目標が存在すると
仮定して、指向性パターンを回転させたときに得られる
であろう信号の受信レベルを計算する信号レベル計算部
と、雑音レベル計測部により計測された雑音レベルで、
信号レベル計算部により計算された受信レベルを除算し
て各方位のSN比を計算し、その中から最大SN比を示
す方位を計算する方位計算部と、方位計算部により計算
された最大SN比を示す方位に基づき指向性パターンを
形成し、受波部からの音響信号を形成した指向性パター
ンで得られた音響信号として出力する指向性形成部とを
有する構成としたものである。
【0020】本発明では、指向性パターンを回転させ
て、雑音レベルと受信レベルを計算しこれらに基づいて
最大SN比を示す方位に基づき指向性パターンを形成
し、受波部からの音響信号を、形成した指向性パターン
で得られた音響信号として出力するようにしたため、一
度目標対象方位を設定すると、常に最大SN比が得られ
る指向性パターンで音響信号を受信できる。
【0021】また、本発明は、対象目標の周波数と受波
部からの音響信号を入力信号として受け、入力された音
響信号のレベル比及び位相から対象目標の周波数の音響
信号の到来する方位を解析し、解析した方位を対象目標
方位として信号レベル計算部へ入力するダイファー処理
部を更に設けたものである。
【0022】本発明では、対象目標の周波数を設定する
と、対象目標が移動しても対象目標の方位を追尾できる
ため、オペレータの経験や情報を基にした作図等を行い
ながら解析してナル方向の方位を求めるという従来の作
業が不要であり、オペレータは対象目標の周波数を入力
するだけで、最適な指向性パターンの向きを自動的に設
定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の各実施の形態につ
いて図面と共に説明する。
【0024】図1は本発明になるパッシブソーナー装置
の第1の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図6
と同一構成部分には同一符号を付してある。図1に示す
実施の形態は、従来のパッシブソーナー装置の構成に、
雑音レベル計測部1、信号レベル計算部2及び方位計算
部3を追加した構成である。
【0025】図1において、受波部4は無指向性の受波
器41、指向性がcosθである受波器42及び指向性
がsinθである受波器43からなり、それぞれ水中の
音波を受波し、それを音響−電気変換して音響信号を発
生し、雑音レベル計測部1及び指向性形成部5へそれぞ
れ出力する。なお、図1において、例えば受波部4がソ
ノブイとして海中に設置され、得られた音響信号が無線
送信され、雑音レベル計測部1、信号レベル計算部2、
方位計算部3、指向性形成部5及び周波数分析部6をそ
れぞれ搭載した例えば航空機がこれを受信する。
【0026】雑音レベル計測部1は、受波部4からの音
響信号を受け、指向性パターンを形成し、受信した雑音
レベルの方位特性を計測(実測)する。ここで、「方位
特性」とは、指向性パターンのナル方向(感度最低)を
基準とし、その方位を0〜360度まで変化させたとき
に得られる特性のことである。信号レベル計算部2は、
対象目標が方位βに存在すると仮定して、受信する信号
レベルの方位特性を計算する。
【0027】方位計算部3は、雑音レベル計測部1で計
測された雑音レベルLN(α)と、信号レベル計算部2
で計算された方位特性LS(α,β)とを入力信号とし
て受け、SN比の方位特性を計算し、最大SN比となる
方位αβを指向性形成部5に送出する。指向性形成部5
は、入力された最大SN比となる方位αβに基づき、指
向性パターンを回転させ、受波部4からの音響信号を用
いて回転された指向性パターンで得られた音響信号を周
波数分析部6に供給する。周波数分析部6は、入力され
た音響信号について周波数分析を行う。
【0028】次に、この第1の実施の形態の動作につい
て図2、図3及び図4を併せ参照して説明する。対象目
標や行合船等から放出された音波は、水中を伝搬して受
波部4内の受波器41、42及び43にそれぞれ到達
し、それぞれにおいて電気信号である音響信号に変換さ
れる。受波器41、42及び43のそれぞれより取り出
された音響信号は、雑音レベル計測部1及び指向性形成
部5にそれぞれ供給される。
【0029】雑音レベル計測部1は、まず、受波部4か
ら入力された音響信号を一時記憶する。一時的に音響信
号を記憶する理由は、全方位において同じ音響信号を計
測に使用することにより、雑音レベルの方位特性の計測
を正確に行うためである。次に、雑音レベル計測部1
は、この一時的に記憶した音響信号を用いて図2(A)
のフローチャートに従って雑音レベルの計測を行う。
【0030】すなわち、雑音レベル計測部1は、まず、
ナル方向の方位αを0°とし(ステップ101)、この
場合の指向性パターンを形成し(ステップ102)、こ
の指向性パターンで得られる雑音レベルを計測する(ス
テップ103)。ここで、雑音レベルの計測は、数回の
計測値の平均とする。これは実環境の雑音レベルは変動
し易く、安定した計測を行うためである。また、指向性
パターンの形成については、図5に示した従来のパッシ
ブソーナー装置の指向性形成部5と同じ方法で形成され
る。
【0031】次に、雑音レベル計測部1は、計測された
雑音レベルデータLN(α)(ただし、ここではα=0
である)を方位計算部3へ送出する(ステップ10
4)。続いて、方位αの値を一定角度dだけシフトし
(ステップ105)、方位αが360°以上であるかど
うか判定し(ステップ106)、360°未満であると
きはナル方向の方位αをd°とした場合の指向性パター
ンを同様に形成し(ステップ102)、雑音レベルを計
測し(ステップ103)、その雑音レベルデータL
N(α)を送出する(ステップ104)。
【0032】ここで、方位αのシフト量の角度dの値で
あるが、これはオペレータが求めたい方位精度と同じに
するのが最適である。例えば、オペレータが10°の精
度で雑音レベルを求めたいのであれば、角度dは10°
とする。この雑音計測の工程は、ナル方向の方位αを角
度dずつ順次増加させていき、それぞれの方位での雑音
レベルの計測と送出を、ナル方向の方位αが0〜360
°の範囲で繰り返す(ステップ102〜106)。
【0033】参考として、図3に示すように、パッシブ
ソーナー装置の受波部4(ソノブイ)が20で示す位置
に存在し、また行合船a、bが受波部4(20)に対し
北の方向から時計方向に70°、310°それぞれ回転
した方位に存在し、更に対象目標30が北の方向から時
計方向に170°(=β)回転した方位に存在するもの
とする。この場合、図4(A)で示されるような雑音レ
ベルの方位特性を計測により得ることができる。ここ
で、ナル方向(感度最低の方向)を基準としているため
に、行合船a,b間(方位30°)で最低の雑音レベル
となっていることが分かる。
【0034】一方、図1に示した信号レベル計算部2
は、オペレータから入力された対象目標方位βに基づ
き、方位βに対象目標が存在すると仮定して、指向性パ
ターンを回転させたときに得られるであろう信号の受信
レベルを、図2(B)に示すフローチャートに従って計
算する。
【0035】すなわち、信号レベル計算部2は、まず、
ナル方向の方位αを0°とし(ステップ201)、この
場合の指向性パターンで得られるであろう信号レベルL
S(α,β)を次式に基づき計算する(ステップ20
2)。
【0036】 LS(α,β)=1−cos(β−α) (3) よって、ナル方向の方位α=0の場合の信号レベルLS
(0,β)は、(3)式にα=0を代入することにより
(4)式より得られる。
【0037】 LS(0,β)=1−cos(β−0) (4) 信号レベル計算部2は、(4)式により計算した信号レ
ベルLS(0,β)のデータを方位計算部3へ出力した
後(ステップ203)、方位αの値を一定角度dだけシ
フトし(ステップ204)、シフト後の方位αが360
°以上であるかどうか判断し(ステップ205)、36
0°未満であるときは再びステップ202〜204の処
理を実行する。以下、上記と同様にして、信号レベル計
算部2は、ナル方向の方位αを角度dずつ順次増加させ
ていき、それぞれの方位をナル方向とする指向性パター
ンで得られるであろう信号レベルの計算と、その計算結
果の送出を、ナル方向の方位αが0〜360°の範囲で
繰り返す。
【0038】従って、信号レベル計算部2は、図3に示
したように、対象目標30が北の方向から時計方向に1
70°(=β)回転した方位に存在する場合、(3)式
中のβに170°を代入することにより、図4(B)に
示すような信号レベルの方位特性を得る。図4(B)に
おいて、方位170°、すなわち対象目標30の方向に
ナル方向を向けると、対象目標30の信号を受信しない
ことが分かる。
【0039】図1に示した方位計算部3は、上記の雑音
レベルLN(α)と信号レベルLS(α,β)とを入力信
号として受け、図2(C)に示すフローチャートに従っ
て方位計算を行う。すなわち、方位計算部3は、まず、
ナル方向の方位αを0°とし(ステップ301)、この
場合の指向性パターンで得られるであろうSN比S/N
(α,β)を次式に基づき計算する(ステップ30
2)。
【0040】 S/N(α,β)=LS(α,β)LN(α) (5) よって、ナル方向の方位α=0の場合のS/N(0,
β)は、(5)式にα=0を代入することにより(6)
式より得られる。
【0041】 S/N(0,β)=LS(0,β)LN(0) (6) 方位計算部3は、(6)式により計算したS/N(0,
β)のデータを一時的に記憶した後、方位αの値を一定
角度dだけシフトし(ステップ303)、シフト後の方
位αが360°以上であるかどうか判断し(ステップ3
04)、360°未満であるときは再びステップ302
及び303の処理を実行する。
【0042】以下、上記と同様にして、方位計算部3
は、ナル方向の方位αを角度dずつ順次増加させてい
き、それぞれの方位をナル方向とする指向性パターンで
得られるであろうSN比の計算を、ナル方向の方位αが
0〜360°の範囲で繰り返す。これにより、方位計算
部2は、図3に示したような位置に、行合船a及びbと
対象目標30が存在する場合、図4(A)及び(B)の
結果から図4(C)に示すような方位特性を得る。
【0043】続いて、方位計算部2は、計算された方位
特性からSN比が最大となる方位αβを検索する(ステ
ップ305)。このSN比が最大となる方位αβが、最
適に雑音を除去することができるナルの方位である。な
ぜならば、SN比が最大ということは、雑音レベルに対
する信号レベルの割合が最大ということであり、SN比
が最大となる方位αβの方向に指向性パターンを回転
し、音響信号を得ることができれば、雑音が低減される
こととなる。求められたSN比が最大となる方位αβ
は、図1の指向性形成部5へ送出される(ステップ30
6)。
【0044】指向性形成部5は入力されたSN比が最大
となる方位αβに基づき、ナル方向を方位αβとする指
向性パターンを形成し、その指向性パターンで得られた
音響信号を周波数分析部6に出力する。周波数分析部6
は入力された音響信号を周波数分析する。また、行合船
等は時間経過に伴い移動し、雑音レベルの状況が変化し
ていくので、一定時間毎にこれら全行程を繰り返す。
【0045】以上のように、指向性パターンを回転さ
せ、音響信号を得ることで行合船が複数存在しても、行
合船の雑音を全体的に低く受信し対象目標の信号を高く
受信することができる。
【0046】この第1の実施の形態によれば、一定方位
に待ち受けての雑音低減が実現できる。その理由は、一
度対象目標の方位を設定することにより、行合船が移動
し雑音レベルの状況が変化しても、常に最適な雑音除去
ができるからである。これは、目標探知の運用におい
て、対象目標の存在方位が確定又は推定される場合に有
効な雑音低減の方法である。
【0047】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図5は本発明になるパッ
シブソーナー装置の第2の実施の形態のブロック図を示
す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、
その説明を省略する。図5に示すように、第2の実施の
形態は、受信部4と信号レベル計算部2の間に、信号の
到来方位を解析するダイファー(DIFER:directional fr
equency analysis and recording)処理部7が設けられ
ている点に特徴がある。
【0048】ダイファー処理部7は、受波部4を構成す
る3つの受波器41、42及び43から送られてくる音
響信号のレベル比及び位相から周波数毎に音響信号の到
来する方位を解析し、出力する処理部である。オペレー
タが対象とする周波数をダイファー処理部7に入力する
と、ダイファー処理部7は入力周波数の信号の到来方位
を解析し、第1の実施の形態のオペレータの代わりに信
号レベル計算部2へ方位βを入力する。後の動作は第1
の実施の形態の動作と同様である。
【0049】この第2の実施の形態の効果は、第1の実
施の形態の効果(一定方位待ち受け)に対し、一定周波
数に待ち受けての雑音低減が実現できることである。そ
の理由は、一度周波数を設定すれば、対象目標が移動し
ても、ダイファー処理部7にて対象目標の方位が追尾さ
れ、常に最適な雑音除去ができるからである。これは、
目標探知の運用において、対象目標が判明(発生周波数
既知)し、移動する場合に有効な雑音低減の方法であ
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
対象目標の信号のSN比が最大となる方向に指向性パタ
ーンを回転させ、音波を受信するようにしたため、最適
に雑音の低減ができる。
【0051】また、本発明によれば、オペレータは目標
の方位又は周波数を入力するだけで最適に雑音除去がで
きる指向性パターンの向きを設定するようにしたため、
オペレータの負荷低減ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のブロック図であ
る。
【図2】図1の各部の動作説明用フローチャートであ
る。
【図3】本発明が適用される行合船及び対象目標位置関
係図である。
【図4】図3の場合に図1の本発明装置により得られる
各方位特性を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のブロック図であ
る。
【図6】従来の一例のブロック図である。
【図7】図6の各受波器及び指向性形成過程の指向性の
パターン図である。
【符号の説明】
1 雑音レベル計測部 2 信号レベル計算部 3 方位計算部 4 受波部 5 指向性形成部 6 周波数分析部 7 ダイファー処理部 41、42、43 受波器 51、52、54 乗算器 53、55 加算器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる指向性を持ち、それぞれ音
    波を受波して音響信号に変換する複数の受波器からなる
    受波部と、 前記受波部からの前記音響信号を入力信号として受け、
    指向性パターンを回転させて雑音レベルを計測する雑音
    レベル計測部と、 対象目標方位に対象目標が存在すると仮定して、指向性
    パターンを回転させたときに得られるであろう信号の受
    信レベルを計算する信号レベル計算部と、 前記雑音レベル計測部により計測された雑音レベルで、
    前記信号レベル計算部により計算された受信レベルを除
    算して各方位のSN比を計算し、その中から最大SN比
    を示す方位を計算する方位計算部と、 前記方位計算部により計算された最大SN比を示す方位
    に基づき指向性パターンを形成し、前記受波部からの音
    響信号を該形成した指向性パターンで得られた音響信号
    として出力する指向性形成部とを有することを特徴とす
    るパッシブソーナー装置。
  2. 【請求項2】 対象目標の周波数と前記受波部からの音
    響信号を入力信号として受け、入力された該音響信号の
    レベル比及び位相から前記対象目標の周波数の音響信号
    の到来する方位を解析し、解析した方位を前記対象目標
    方位として前記信号レベル計算部へ入力するダイファー
    処理部を更に設けたことを特徴とする請求項1記載のパ
    ッシブソーナー装置。
  3. 【請求項3】 前記受波部は、無指向性の第1の受波器
    とcosθの指向性を持つ第2の受波器とsinθの指
    向性を持つ第3の受波器とからなり、前記雑音レベル計
    測部は、0°〜360°の範囲でナル方向の方位αが一
    定角度ずつシフトするようにした指向性パターンのそれ
    ぞれにおける雑音レベルL(α)を計測し、前記信号
    レベル計算部は、前記対象目標方位βに基づき0°〜3
    60°の範囲でナル方向の方位αが一定角度ずつシフト
    するようにした指向性パターンのそれぞれにおける信号
    レベルL(α,β)を{1−cos(β−α)}によ
    り計算し、前記方位計算部は、0°〜360°の範囲で
    ナル方向の方位αが一定角度ずつシフトするようにした
    指向性パターンのそれぞれにおいて計算式L(α,
    β)/L(α)により求めた値から最大となる方位α
    βを求めることを特徴とする請求項1又は2記載のパッ
    シブソーナー装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2700798C2 (ru) * 2017-07-11 2019-09-23 Федеральное государственное казенное военное образовательное учреждение высшего образования "Военный учебно-научный центр Военно-Морского Флота "Военно-морская академия им. Адмирала Флота Советского Союза Н.Г. Кузнецова" Устройство обнаружения широкополосных полигармонических сигналов на фоне аддитивной помехи

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