JPH10221357A - 流体計測装置および流体計測方法 - Google Patents

流体計測装置および流体計測方法

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JPH10221357A
JPH10221357A JP2759797A JP2759797A JPH10221357A JP H10221357 A JPH10221357 A JP H10221357A JP 2759797 A JP2759797 A JP 2759797A JP 2759797 A JP2759797 A JP 2759797A JP H10221357 A JPH10221357 A JP H10221357A
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particles
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な手段を用いてノイズに強く、後処理の
必要のないPTV法の解析手法を用いた流体計測装置及
び流体計測方法を提供すること。 【解決手段】 PTV法による流体解析を行う流体計測
装置1において、時間的に連続した複数の画像間(Pl
ain1とPlain2)の各トレーサー粒子同士の対
応付けを行うに際して、対応付けの基準となるトレーサ
ー粒子像P0 の空間的な相対座標情報と最も類似した空
間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子像Q0 を対
応先とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体計測装置およ
び流体計測方法に関し、より詳細には、流体場の定量的
情報を得るために、粒子追跡法で可視化した流れ場を撮
像し、時間的に隣接する画像の対応付け情報から、流れ
場のベクトル情報を獲得するPTV法を使用する流体計
測装置および流体計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、流体現象を解析するために、
粒子状のトレーサーを多数流れに混入させ流れの挙動を
明確化する粒子追跡法が用いられている。より具体的に
は、かかる粒子追跡方法は、流れの中に流れを構成する
媒質(水、空気等)と同比重で十分小さい粒子を縣濁さ
せ、その粒子の挙動によって、流れの性質を可視化させ
る手法である。この手法を特にトレーサー法という。対
象となる流れによってトレーサーの種類は異なるが、一
般に、空気流では煙・火花、液体流ではナイロン球・ア
ルミ粉等が使用される。例えば,この可視化手法は、自
動車・飛行機周辺の流れの解析で頻繁に使用されてい
る。ただし、この粒子の挙動は、人間の主観で判断する
場合が多く、一般にそのままでは、定量的情報を得るこ
とができない。
【0003】そこで、従来、粒子追跡法を利用して定量
的情報を得るための種々の手法が提案されている。以
下、その手法を説明する。
【0004】先ず、特開昭59−87369では、水流
中のオリフィスから多数の微細な気泡を発生させ、スリ
ット光を当てて気泡の乱反射により流れ場を可視化し、
散乱光の変化を異なる2点間でフォトセンサで測定し、
流体の速度を計測する水流モデルにおける速度測定方法
が開示されている。
【0005】ところが、かかる測定方法は、解析精度が
高い反面、水流に限る等、汎用性が殆どなく、非定常現
象に対応できないという課題がある。
【0006】また、特開昭63−179218では、専
用の相関器を用いて、流れに混入されたトレーサーの散
乱光の相関により、流れを計測する相関式流量計が開示
されている。
【0007】ところが、かかる流量計では、相関器を用
いた構成であるため、コストが高くなるという課題があ
る。
【0008】また、特開平1−178823では、ガス
に特殊なトレーサーを注入して流れを可視化し、専用の
センサを用いて流れを計測する水流モデルにおける速度
測定方法が開示されている。
【0009】ところが、かかる測定方法では、解析精度
が高い反面、汎用性が殆ど無いという課題がある。
【0010】そこで、従来、解析精度が高く、かつ汎用
性に富むPTV(Particle Tracking Velocimetry )法
が提案されている。かかるPTV法は、可視化画像の相
関を用いて、時間的に隣接する画像の対応付け情報か
ら、流れ場のベクトル情報を獲得し定量的情報を得るも
のであり、換言すると、PTV法は、粒子追跡法によっ
て、可視化された流れを撮影した動画像を用いて、画像
パターン対応付によって流れの速度ベクトル場情報を獲
得する手法である。
【0011】かかるPTV法は、演算量が膨大になるた
め演算時間を大量に要し、従来あまり利用されていなか
ったが、近年の計算機の発達により高速に演算すること
が可能となり、利用されるようになってきた。
【0012】このPTV法は上記のような解析手法に比
して、特殊なセンサ類が不必要なこと、汎用性が格段に
高いこと、低コストであること、および非定常現象に対
応できること等の長所がある。
【0013】以下、PTV法による流体解析手法を具体
的に説明する。PTV法は、上記した如く、画像処理の
一技法である粒子対応付けを使用することが多い。粒子
対応付けとは、複数の画像間において、一方の画像の着
目するひとつのかたまりの画像群(以後、粒子という)
が他方の画像群のどの粒子に対応するかを判定する手法
である。特に、ひとかたまりの画像群を粒子として認識
する手法は、ラベリングと呼ばれる。一般に、画像は、
グレースケール、若しくは2値で表され、グレースケー
ルの場合、画像の各画素の濃度を示す数値は濃度の大き
さに従って連続的に変化していなくてはならない。階調
レベルの表現は256レベル(8ビット)が一般的であ
る。
【0014】PTV法では、粒子追跡法によって可視化
された時系列的に連続する2枚の流れ画像を用いて、流
れ場全体に亘ってすべての粒子についてこの粒子対応付
け操作を行い、流れ場の速度ベクトル情報を求める。す
なわち、対応づけられた粒子の移動ベクトルを、画像間
の隔たった時間間隔で割り、その粒子の座標における流
れの速度ベクトルが得られるからである。
【0015】例えば、このPVC法のパターンマッチン
グの精度向上および計算の高速化の技術に関しては、日
本機械学会論文集(B編)55巻509号(1988−
1)小林敏夫氏らの「2次元流れ場実時間ディジタル画
像計測システムの開発」による報告例として、時系列的
に連続する3枚以上の画像間でトレーサーを追跡する複
数時刻間追跡アルゴリズム等の研究がある。
【0016】上記した粒子対応付けのアルゴリズムは、
解析精度に直接関わり、流体解析を行う上で重要な技術
である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粒子相
互の対応付けをとるアルゴリズムを使用するPTV法
は、一般に精度が良いとされているが、解析対象である
流れの可視化画像の品質に依存している部分が多く、特
にノイズが混入している画像を使用すると、全く異なっ
た解析結果が得られるという問題点があった。なお、か
かる問題については、解析結果が出た後に修正を行う後
処理が一般的であるが、この後処理は、解析を行う者の
の主観が入ったり、解析に要する時間が長くなるという
問題点があった。
【0018】また、一般に可視化画像から判断する場
合、トレーサーかノイズかの判断を計算機に行わせるこ
とは大変難しく、トレーサーかノイズかの判断を計算機
に行わせるためには、その手法にユニークなトレーサー
を使用しなければならないため、極端に汎用性が低くな
るという問題点が発生する。
【0019】また、流れの様々な性質、乱流の程度・速
度などを加味し、精度を向上させる有効な解析アルゴリ
ズムが提案されていないという問題点もあった。
【0020】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、簡便な手段を用いてノイズに強く、後処理の必
要のないPTV法の解析手法を用いた流体計測装置およ
び流体計測方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
請求項1記載の発明は、被検知体の流体現象を解析すべ
く、当該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当
該被検知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れ
を撮像して得られる時間的に連続した複数の画像を用い
て、PTV(Particle Tracking Velocimetry )法によ
る画像パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場
情報を獲得し流体現象を解析する流体計測装置におい
て、前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー
粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像
の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同
士の対応付けの最適値を得る粒子対応付け手段を具備し
た構成としたものである。
【0022】上記構成によれば、PTV法による流体解
析を行う流体計測装置において、時間的に連続した複数
の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際
して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用
して、トレーサー粒子同士を対応付る構成であるので、
極めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精
度を向上させることができる。付言すると、周囲の複数
の粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、あ
る程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高
解析精度な流体計測装置を提供することが可能となる。
【0023】上記課題を解決すべく、請求項2記載の発
明は、被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知体
に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流れ
の挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得られ
る時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Part
icle Tracking Velocimetry )法による画像パターン対
応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流体
現象を解析する流体計測装置において、時間的に連続し
た複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行
うに際して、対応付けの基準となるトレーサー粒子像P
0 の空間的な相対座標情報と最も類似した空間的な相対
座標を有するトレーサー粒子像Q0 を対応先とする粒子
対応付け手段を具備した構成としたものである。
【0024】上記構成によれば、PTV法による流体解
析を行う流体計測装置において、時間的に連続した複数
の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際
して、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒
子同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準とな
るトレーサー粒子像P0 の空間的な相対座標情報と最も
類似した空間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子
像Q0 を対応先とする構成であるので、極めて簡便かつ
低コストな手段によって、流体計測の精度を向上させる
ことができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対
的位置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避
けられない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体
計測装置を提供することが可能となる。
【0025】また、この場合、請求項3記載の発明の如
く、請求項1または2記載の発明において、前記粒子対
応付け手段は、対応付けの基準となるトレーサー粒子P
0 の相対座標情報を周囲の近傍のi(但し、i≧4)個
のトレーサー粒子P1 〜Piのうち、4粒子の重心座標
との相対位置ベクトルを利用して算出する構成としたも
のである。
【0026】上記構成によれば、粒子P0 における最適
な解析条件を提示する構成であるので、請求項1または
2記載の発明の効果に加えて、解析精度を向上させると
いう目的の上で、適切な解析に使用する情報の設定を行
うことができる。
【0027】また、この場合、請求項4記載の発明の如
く、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明におい
て、前記粒子対応付け手段は、対応先となるトレーサー
粒子Q 0 の相対座標情報を周囲の近傍のj個のトレーサ
ー粒子Q1 〜Qj のうち、4粒子の重心座標との相対位
置ベクトルを利用して算出する構成としたものである。
【0028】上記構成によれば、粒子Q0 における最適
な解析条件を提示する構成であるので、請求項1〜3の
いずれか1つに記載の発明の効果に加えて、解析精度を
向上させるという目的の上で、適切な解析に使用する情
報の設定を行うことができる。
【0029】また、この場合、請求項5記載の発明の如
く、請求項4記載の発明において、前記粒子対応付け手
段は、対応付けの基準となるトレーサー粒子P0 とトレ
ーサー粒子Q0 との対応度を下記式1で表現される誤差
値ERで評価し、当該誤差値が最も小さい値をとる粒子
0 を、粒子P0 の対応粒子とする構成としたものであ
る。
【数4】
【0030】上記構成によれば、請求項4記載の発明の
効果に加えて、適切な対応付けの評価値の設定を行う構
成であるので、通常の流れ場(定常状態)を解析する場
合に、上記相対座標情報を利用する上で、適切な対応付
の評価値の算出を行うことのできる式を提示することが
可能となる。
【0031】また、この場合、請求項6記載の発明の如
く、請求項4記載の発明において、前記粒子対応付け手
段は、対応元のトレーサー粒子P0 とトレーサー粒子Q
0 との対応度を下記式2で表現される誤差値ERで評価
し、当該誤差値が最も小さい値をとる粒子Q0 を、粒子
0 の対応粒子とする構成としたものである。
【0032】
【数5】
【0033】上記構成によれば、適切な対応付けの評価
値の設定を行う構成であるので、請求項4記載の発明の
効果に加えて、特に、微細な流れ場の構造を把握した場
合に、適切な対応づけの評価値の算出を行うことのでき
る式を提示することが可能となる。
【0034】また、この場合、請求項7記載の発明の如
く、請求項4記載の発明において、前記粒子対応付け手
段は、対応元のトレーサー粒子P0 とトレーサー粒子Q
0 との対応度を下記式3で表現される誤差値ERで評価
し、当該誤差値が最も小さい値をとる粒子Q0 を、粒子
0 の対応粒子とする構成としたものである。
【0035】
【数6】
【0036】上記構成によれば、適切な対応付の評価値
の設定を行う構成であるので、請求項4記載の発明の効
果に加えて、特に乱れた流れ場を解析する場合に、適切
な対応付の評価値の算出を行うことのできる式を提示す
ることが可能となる。
【0037】また、この場合、請求項8記載の発明の如
く、請求項3〜7のいずれか1つに記載の発明におい
て、i=4としたものである。
【0038】上記構成によれば、請求項3〜7のいずれ
か1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行
う上で、計算時間の短縮化が可能となり、ノイズが十分
少ないと思われる可視化結果に対して、対応付を行う基
準となる粒子P0 に関して、使用する情報の条件を設定
し、計算時間を短縮化する。
【0039】また、この場合、請求項9記載の発明の如
く、請求項4〜7のいずれか1つに記載に発明におい
て、j=4としたものである。
【0040】上記構成によれば、請求項4〜7のいずれ
か1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行
う上で、計算時間の短縮化が可能となり、ノイズが十分
少ないと思われる可視化結果に対して、対応付けを評価
する粒子Q0 に関して、使用する情報の条件を設定し、
計算時間を短縮化する。
【0041】また、この場合、請求項10記載の発明の
如く、請求項3〜7のいずれか1つに記載の発明におい
て、i=5〜6としたものである。
【0042】上記構成によれば、請求項3〜7のいずれ
か1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行
う上で、解析精度を向上させる構成であるので、ノイズ
が多いと思われる可視化結果に対して、対応づけを行う
基となる粒子P1 に関して、使用する情報の条件を設定
し、解析精度を向上させることが可能となる。
【0043】また、この場合、請求項11記載の発明の
如く、請求項4〜7のいずれか1つに記載の発明におい
て、j=5〜6としたものである。
【0044】上記構成によれば、請求項4〜7のいずれ
か1つに記載の発明の効果に加えて、評価値の設定を行
う上で、解析精度を向上させる構成であるので、ノイズ
が多いと思われる可視化結果に対して、対応づけを評価
する粒子Q1 に関して、使用する情報の条件を設定し、
解析精度を向上させることが可能となる。
【0045】上記課題を解決すべく、請求項12記載の
発明は、被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知
体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流
れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得ら
れる時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Pa
rticle Tracking Velocimetry )法による画像パターン
対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流
体現象を解析する流体計測方法において、前記時間的に
連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付
けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座
標情報を利用して、トレーサー粒子同士の対応付けの最
適値を得るステップを含むものである。
【0046】上記構成によれば、PTV法による流体解
析を行う流体計測方法において、時間的に連続した複数
の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際
して、トレーサー粒子像の空間的な相対座標情報を利用
して、トレーサー粒子同士を対応付る構成であるので、
極めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精
度を向上させることができる。付言すると、周囲の複数
の粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、あ
る程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高
解析精度な流体計測方法を提供することが可能となる。
【0047】上記課題を解決すべく、請求項13記載の
発明は、被検知体の流体現象を解析すべく、当該被検知
体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知体の流
れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像して得ら
れる時間的に連続した複数の画像を用いて、PTV(Pa
rticle Tracking Velocimetry )法による画像パターン
対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲得し流
体現象を解析する流体計測方法において、時間的に連続
した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを
行うに際して、対応付けの基準となるトレーサー粒子像
0 の空間的な相対座標情報と最も類似した空間的な相
対座標を有するトレーサー粒子像Q0 を対応先とするス
テップを含むものである。
【0048】上記構成によれば、PTV法による流体解
析を行う流体計測方法において、時間的に連続した複数
の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際
して、時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒
子同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準とな
るトレーサー粒子像P0 の空間的な相対座標情報と最も
類似した空間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子
像Q0 を対応先とする構成であるので、極めて簡便かつ
低コストな手段によって、流体計測の精度を向上させる
ことができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対
的位置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避
けられない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体
計測方法を提供することが可能となる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、本発
明に係る好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0050】本発明では、PTV法において、時間的に
連続した複数枚の画像間の各トレーサー粒子同士の対応
付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対
座標情報を利用して、トレーサー粒子同士の対応付けを
行うアルゴリズムを用いている。
【0051】より具体的には、本発明では、対応付けに
使用する粒子がトレーサーかノイズかの判断は行わず、
粒子像をトレーサーと判断して、顕著な誤差が出ない場
合、そのトレーサーの座標を対応付けの情報に使用する
といるアルゴリズムを用いる。すなわち、画像に粒子と
誤認されたノイズが混入してもそのノイズに対応した粒
子が存在しないので、ノイズの情報は使用されることが
ない。従って、この手法により解析精度を向上できる。
【0052】以下、本発明に係る流体計測装置および流
体計測方法で用いられる粒子対応付けアルゴリズムを、
図1を参照して説明する。
【0053】図1は、本発明に係る流体計測装置および
流体計測方法で用いられる粒子対応付けアルゴリズムを
説明するためのモデル図である。図1において、対応付
けを行う時間的に連続しているフレームの時間的に前の
ものを図1(a)に示すPlain1、後のものを図2
(b)に示すPlain2とする。対応づけの基準とな
る粒子P0 はPlain1に、対応付けを評価される粒
子Q0 はPlain2に夫々分布している。
【0054】図1(a)に示すように、対応付の基準と
なる粒子P0 の近傍粒子を近い方から順にP1 〜Pi
する(但し、i≧4の整数)。ここで、i個存在する粒
子のうち、下記式1の条件を満たす粒子のうち4つの粒
子(Pa 、Pb 、Pc 、Pd)の重心座標を対応付けの
情報に使用することが好ましい。
【0055】また、図1(b)に示すように、粒子P0
との対応度を評価するPlain2内の粒子Q0 につい
て、粒子Q0 の近傍粒子を近い方から順にQ0 〜Qj
する。j個存在するこの粒子のうち、下記数1の条件を
満たす粒子のうち、4つの粒子(Q1 、Qm 、Qn 、Q
O )の重心座標を対応付の情報に使用することが好まし
い。
【0056】重心座標の対応付け情報に、4つの粒子を
用いることとしたのは、解析精度を維持したまま、計算
時間を可能な限り小さくできるからである。情報を利用
する粒子の数を3以下にすると、計算速度は早いが解析
精度は落ち、粒子の数を5以上にすると計算時間が遅く
なるのに比して解析精度は殆ど上がらないためである。
【0057】対応付けの評価判断は、「対応する粒子
は、周囲の粒子との相対的位置関係が最も似ている粒子
である。」という仮説に基づいて以下の如く行う。図2
は、対応付けの基準となる粒子P0 と対応先として評価
される粒子Q0 との位置関係を示す図である。図2にお
いては、対応づけの基準となる粒子P0 と当該粒子P0
の近傍にある粒子Pa ,Pb ,Pc ,Pd との相対的位
置関係と、対応先の粒子Q0 と当該粒子Q0 の近傍にあ
る粒子Q1 ,Qm ,Qn ,QO との相対的位置関係が最
も類似していることを示している。
【0058】通常の流れ場の解析(定常状態)、すなわ
ち、ほぼ層流の流れで顕著な渦・乱流などが存在しない
場の解析には、P0 の近傍粒子P1 〜Pi 、Q0 の近傍
粒子Q1 〜Qj の粒子の重心座標を用いて、下記式1に
よって表される誤差値ERをもって対応づけを評価す
る。
【0059】
【数7】
【0060】上記式1によって、解析空間内のすべての
粒子についてERを計算し、得られたERが最も小さい
値を持つ粒子Q0 を、P0 に対応する粒子であると判断
することができる。上記粒子の相対ベクトルの情報を効
果的に利用し、解析精度を上げる効果を達成することが
できる。
【0061】又、通常の流れ場の解析では、上記式1に
示す式でも評価は可能であるが、より微細な流れの構造
を把握したいという要求がある場合がある。この場合に
は、下記式2による評価式を用いる。
【0062】
【数8】
【0063】これにより、より綿密に相互の粒子ベクト
ルの移動度を評価することができるという効果を得るこ
とができる。
【0064】他方、流れ場が激しく乱れている場合、上
記評価では問題が生じる場合がある。つまりトレーサー
が激しく運動し互いの相対位置関係が大きく変動してし
まい、上記式1や式2に示す評価式では、各ベクトルの
差の値が大きくなりすぎる場合である。このような条件
下では、下記式3に示す評価式を用いる。
【0065】
【数9】
【0066】上記式3の評価式により、乱流の影響など
により、激しくトレーサーの位置関係が変動するような
流れ場でも適切に対応度の評価が可能になるという効果
を得ることができる。
【0067】上記の仮定は、流体の可視化画像の撮影間
隔が十分小さければ、ほぼ成立する仮定であるが、対象
となる流れの可視化方法・代表の長さ・速度など、様々
な周囲の条件や、特に画像ノイズの混入度から一概にど
の条件が最適かを選択するのは一般に難しい。
【0068】上記式1〜3においては、使用するP0
0 の周囲の粒子情報の個数iとjを変化させること
で、簡便に対処できる。すなわち、殆どノイズの影響を
無視できる理想に近い可視化条件では、i=4かつj=
4に設定することで、計算時間を短縮化し、かつ、解析
精度を向上するという効果を得ることができる。
【0069】また、実験条件によっては、明瞭な可視化
画像がえられず、画像にノイズが多く混入する場合が多
い。このような場合は、i=5〜6かつj=5〜6に設
定することで通常精度が落ちるとされているこういった
場合でも、解析結果の信頼性を増すことができる。
【0070】この場合、iの値(或いはj)の値をnに
するということは、すなわち、平均的にn−i個(n−
j個)のノイズが画像上に存在していることになる。ノ
イズが多いと考えられる可視化結果について、i,jそ
れぞれに対してn=5〜6の値が、最も精度を効率的に
上げることができる。
【0071】ノイズが更に多い場合でも、nが7以上の
値では、計算時間が多くかかりすぎ、かつ解析精度はか
えって落ちる傾向にある。このため、n=5〜6の値が
最も効果的である。
【0072】粒子追跡法によって可視化された時系列的
に連続する2枚の流れ画像を用いて、流れ場全体に亘っ
てすべての粒子についてこの粒子対応付け操作を行え
ば、流れ場の速度ベクトル情報が求めることができる。
【0073】図3は、上記粒子対応付けアルゴリズムを
利用して流体解析を行う流体計測装置の機能ブロック構
成例を示す図である。
【0074】流体計測装置1は、被検知体(流体)の可
視化像を撮像する撮像部4と、光源3と、撮像された可
視化像をデータ処理して流体解析を行うデータ処理装置
5と、解析結果を表示する表示部12等とから構成され
る。
【0075】撮像部4は、CCDビデオカメラ等を用い
ることができ、光源3で照光された被検知体(例えば、
水槽で、毎秒10回転する撹拌翼によって撹拌させた液
流の表面を多数のナイロン球により流れを可視化された
像)を、所定時間間隔で撮像して、例えば、時間的に連
続した2枚の静止画像をデータ処理装置5に出力する。
【0076】データ処理装置5では、先ず、フィルタ部
6が、画像処理フィルタにより入力される画像のノイズ
を除去した後、2値化部7により、適切な閾値によって
2値化する。そして、ラベリング処理部8は、2値化し
た画像をラベリング処理によって予め粒子像を認識し、
その重心座標を算出する。このラベリング処理には特に
流れや粒子の情報を使用した特殊な処理を行う必要はな
い。
【0077】続いて、粒子対応付け処理部9は、上記式
1〜式3で示した粒子対応付けアルゴリズムを用いて、
前フレームの画像内の粒子Pと後フレーム内の画像内の
粒子Qとを対応付ける。式1〜式3のいずれかを用いる
かは、上記した如く、通常の解析条件か、過度状態かに
より選択される。この対応づけを、撮像したフレーム内
のすべての粒子について行う。
【0078】速度ベクトル算出部10では、互いに対応
づけされたすべての粒子P、Qの重心座標の移動ベクト
ルPQを算出し、この移動ベクトルPQを、画像間の隔
たった時間間隔tで割り、その粒子の重心座標における
流れの速度ベクトルを算出する。
【0079】表示出力部11は、算出された速度ベクト
ルに基づいて解析モデル図を作成してを表示部12に表
示させる。
【0080】なお、上記において、ラベリング処理部8
から表示出力部11までは、画像処理プロセッサ、制御
用ソフトウエア(記憶媒体に格納されているプログラ
ム)およびマイクロコンピュータを組み合わせて具体化
できる。
【0081】図4は、データ処理装置5で処理される手
順を示すフローチャートである。
【0082】撮像部4により、被検知体(例えば、水槽
で、毎秒10回転する撹拌翼によって撹拌させた液流の
表面を多数のナイロン球により流れを可視化された像)
が、所定時間間隔で撮像されて、例えば、時間的に連続
した2枚の静止画像がデータ処理装置5に入力される
(ステップS1)。次いで、データ処理装置5では、フ
ィルタ処理により、入力される画像のノイズを除去し
(ステップS2)、ノイズ除去された画像を、A/D変
換し、適切な閾値によって2値化する(ステップS
3)。
【0083】さらに、2値化した画像をラベリング処理
によって、予め粒子像を認識し、その重心座標を算出す
る(ステップS4)。続いて、粒子対応づけ処理によ
り、上記式1〜式3で示した粒子対応付けアルゴリズム
を用いて、前フレームの画像内のすべての粒子と後フレ
ーム内の画像内の粒子とを対応付ける(ステップS
5)。そして、速度ベクトル算出処理により、互いに対
応付けされたすべての粒子P、Qの重心座標の移動ベク
トルPQを算出し、この移動ベクトルPQを、画像間の
隔たった時間間隔tで割り、その粒子の重心座標におけ
る流れの速度ベクトルを算出する(ステップS6)。最
後に、算出された速度ベクトルに基づいて解析モデル図
を作成して解析結果を表示出力する(ステップS7)。
【0084】次に、本発明による粒子対応付けアルゴリ
ズムの処理による効果を、従来技術との比較において、
図5を参照して説明する。
【0085】解析例として、装置の表面流れを扱う。ト
レーサーとしてナイロンの微細粒子を用いる。可視化は
この粒子を液流に混入させることで行う。液表面の可視
化は光源の乱反射などによる影響で、画像ノイズの影響
が避けられず、一般に解析が困難である。本発明による
技術でこの現象の解析をおこなった。
【0086】実験は、毎秒10回転する撹拌翼によって
撹拌させた液流の表面を多数のナイロン球により流れを
可視化し、撮像部4(例えば、一般の家庭用ビデオ)に
よってその様子を撮影する。撮影された画像をデータ処
理装置に取り込んだ。取り込んだ画像はフィルタ部6
で、画像処理フィルタ−をかけた後、2値化部7で、適
切な閾値によって2値化する。2値化した画像はラベリ
ング処理部8で、予め粒子像を認識し、各粒子の重心座
標を把握しておく。
【0087】本発明では、このラベリング処理には特に
流れや粒子の情報を使用した特殊な処理を行う必要はな
い。このようにして、得られた画像には、光源などによ
る画像ノイズが多く混入している。この画像を、従来の
粒子像単体の情報のみを使用する手法と、本発明による
手法によりそれぞれ解析を行った。
【0088】従来の手法では、計算速度は高速である
が、図5(a)に示す如く、明らかに流体の連続の式に
合致していない箇所が多く見られ、不適切な解析結果と
言える。
【0089】他方、本発明による手法では、図5(b)
に示す如く、画像ノイズに影響されること無く、良好な
解析結果を得ることができる。同図(b)は本発明によ
る特にノイズが多い場合の処理技術を利用した解析結果
であるが、良好な解析結果をことができている。換言す
れば、画像ノイズに惑わされることなく、精度の良い解
析結果をきわめて簡便に獲得することができる。
【0090】以上説明したように、本実施の形態におい
ては、PTV法を使用した流体解析手法において、認識
されたトレーサー粒子に対応する別画面内での粒子を探
索するために行う対応付け処理において、対象となるそ
れぞれに粒子の対応度を評価するために、それぞれの粒
子の周囲に存在する複数の粒子との相対位置座標の差、
すなわち、ベクトル情報を利用して対応づけを行う構成
であるので、簡便な手段により、ノイズに強く、かつ後
処理の必要のない解析手法を提供することが可能とな
る。
【0091】なお、上記した実施の形態では、水流の解
析に関して説明したが、本発明は、空気流の解析に適用
可能であり、汎用性が高い。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、PTV法による流体解析を行う流体計測装
置において、時間的に連続した複数の画像間の各トレー
サー粒子同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒
子像の空間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒
子同士を対応付る構成であるので、極めて簡便かつ低コ
ストな手段によって、流体計測の精度を向上させること
ができる。付言すると、周囲の複数の粒子との相対的位
置関係の情報を利用することで、ある程度混入を避けら
れない画像ノイズにも影響されず高解析精度な流体計測
装置を提供することが可能となる。
【0093】請求項2記載の発明によれば、PTV法に
よる流体解析を行う流体計測装置において、時間的に連
続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付け
を行うに際して、時間的に連続した複数の画像間の各ト
レーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、対応付け
の基準となるトレーサー粒子像P0 の空間的な相対座標
情報と最も類似した空間的な相対座標情報を有するトレ
ーサー粒子像Q0 を対応先とする構成であるので、極め
て簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精度を
向上させることができる。付言すると、周囲の複数の粒
子との相対的位置関係の情報を利用することで、ある程
度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高解析
精度な流体計測装置を提供することが可能となる。
【0094】請求項3記載の発明によれば、粒子P0
おける最適な解析条件を提示する構成であるので、請求
項1または2記載の発明の効果に加えて、解析精度を向
上させるという目的の上で、適切な解析に使用する情報
の設定を行うことができる。
【0095】請求項4記載の発明によれば、粒子Q0
おける最適な解析条件を提示する構成であるので、請求
項1〜3のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、
解析精度を向上させるという目的の上で、適切な解析に
使用する情報の設定を行うことができる。
【0096】請求項5記載の発明によれば、適切な対応
付けの評価値の設定を行う構成であるので、請求項4記
載の発明の効果に加えて、通常の流れ場(定常状態)を
解析する場合に、上記相対座標情報を利用する上で、適
切な対応付の評価値の算出を行うことのできる式を提示
することが可能となる。
【0097】請求項6記載の発明によれば、適切な対応
付けの評価値の設定を行う構成であるので、請求項4記
載の発明の効果に加えて、特に、微細な流れ場の構造を
把握した場合に、適切な対応づけの評価値の算出を行う
ことのできる式を提示することが可能となる。
【0098】請求項7記載の発明によれば、適切な対応
付の評価値の設定を行う構成であるので、請求項4記載
の発明の効果に加えて、特に乱れた流れ場を解析する場
合に、適切な対応付の評価値の算出を行うことのできる
式を提示することが可能となる。
【0099】請求項8記載の発明によれば、請求項3〜
7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価値
の設定を行う上で、計算時間の短縮化が可能となり、ノ
イズが十分少ないと思われる可視化結果に対して、対応
付を行う基準となる粒子P0に関して、使用する情報の
条件を設定し、計算時間を短縮化する。
【0100】請求項9記載の発明によれば、請求項4〜
7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価値
の設定を行う上で、計算時間の短縮化が可能となり、ノ
イズが十分少ないと思われる可視化結果に対して、対応
付けを評価する粒子Q0 に関して、使用する情報の条件
を設定し、計算時間を短縮化する。
【0101】請求項10記載の発明によれば、請求項3
〜7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価
値の設定を行う上で、解析精度を向上させる構成である
ので、ノイズが多いと思われる可視化結果に対して、対
応づけを行う基となる粒子P 1 に関して、使用する情報
の条件を設定し、解析精度を向上させることが可能とな
る。
【0102】請求項11記載の発明によれば、請求項4
〜7のいずれか1つに記載の発明の効果に加えて、評価
値の設定を行う上で、解析精度を向上させる構成である
ので、ノイズが多いと思われる可視化結果に対して、対
応づけを評価する粒子Q1 に関して、使用する情報の条
件を設定し、解析精度を向上させることが可能となる。
【0103】請求項12記載の発明によれば、PTV法
による流体解析を行う流体計測方法において、時間的に
連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付
けを行うに際して、トレーサー粒子像の空間的な相対座
標情報を利用して、トレーサー粒子同士を対応付る構成
であるので、極めて簡便かつ低コストな手段によって、
流体計測の精度を向上させることができる。付言する
と、周囲の複数の粒子との相対的位置関係の情報を利用
することで、ある程度混入を避けられない画像ノイズに
も影響されず高解析精度な流体計測方法を提供すること
が可能となる。
【0104】請求項13記載の発明によれば、PTV法
による流体解析を行う流体計測方法において、時間的に
連続した複数の画像間の各トレーサー粒子同士の対応付
けを行うに際して、時間的に連続した複数の画像間の各
トレーサー粒子同士の対応付けを行うに際して、対応付
けの基準となるトレーサー粒子像P0 の空間的な相対座
標情報と最も類似した空間的な相対座標情報を有するト
レーサー粒子像Q0 を対応先とする構成であるので、極
めて簡便かつ低コストな手段によって、流体計測の精度
を向上させることができる。付言すると、周囲の複数の
粒子との相対的位置関係の情報を利用することで、ある
程度混入を避けられない画像ノイズにも影響されず高解
析精度な流体計測方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体計測装置および流体計測方法
で用いられる粒子対応付けアルゴリズムを説明するため
のモデル図である。
【図2】対応付けの基準となる粒子P0 と対応先として
評価される粒子Q0 との位置関係を示す図である。
【図3】本発明に係る粒子対応付けアルゴリズムを利用
して流体解析を行う流体計測装置の機能ブロック構成例
を示す図である。
【図4】図3のデータ処理装置5で処理される手順を示
すフローチャートである。
【図5】本発明による粒子対応付けアルゴリズムの処理
による効果を、従来技術との比較において説明するため
の図である。
【符号の説明】
1 流体計測装置 2 被検知体 3 光源 4 撮像部 5 データ処理装置 6 フィルタ部 7 2値化部 8 ラベリング処理部 9 粒子対応付け処理部 10 速度ベクトル算出部 11 表示出力部 12 表示部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検知体の流体現象を解析すべく、当該
    被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知
    体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像し
    て得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、PT
    V(ParticleTracking Velocimetry )法による画像パ
    ターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲
    得し流体現象を解析する流体計測装置において、 前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子
    同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空
    間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士の
    対応付けの最適値を得る粒子対応付け手段を具備したこ
    とを特徴とする流体計測装置。
  2. 【請求項2】 被検知体の流体現象を解析すべく、当該
    被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検知
    体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像し
    て得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、PT
    V(ParticleTracking Velocimetry )法による画像パ
    ターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を獲
    得し流体現象を解析する流体計測装置において、 前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子
    同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準となる
    トレーサー粒子像P0 の空間的な相対座標情報と最も類
    似した空間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子像
    0 を対応先とする粒子対応付け手段を具備したことを
    特徴とする流体計測装置。
  3. 【請求項3】 前記粒子対応付け手段は、対応付けの基
    準となるトレーサー粒子P0 の相対座標情報を周囲の近
    傍のi(但し、i≧4)個のトレーサー粒子P1 〜Pi
    のうち、4粒子の重心座標との相対位置ベクトルを利用
    して算出することを特徴とする請求項1または2に記載
    の流体計測装置。
  4. 【請求項4】 前記粒子対応付け手段は、対応先となる
    トレーサー粒子Q0の相対座標情報を周囲の近傍のj個
    のトレーサー粒子Q1 〜Qj のうち、4粒子の重心座標
    との相対位置ベクトルを利用して算出することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1つに記載の流体計測装
    置。
  5. 【請求項5】 前記粒子対応付け手段は、対応付けの基
    準となるトレーサー粒子P0 とトレーサー粒子Q0 との
    対応度を下記式1で表現される誤差値ERで評価し、当
    該誤差値が最も小さい値をとる粒子Q0 を、粒子P0
    対応粒子とすることを特徴とする請求項4に記載の流体
    計測装置。 【数1】
  6. 【請求項6】 前記粒子対応付け手段は、対応元のトレ
    ーサー粒子P0 とトレーサー粒子Q0 との対応度を下記
    式2で表現される誤差値ERで評価し、当該誤差値が最
    も小さい値をとる粒子Q0 を、粒子P0 の対応粒子とす
    ることを特徴とする請求項4に記載の流体計測装置。 【数2】
  7. 【請求項7】 前記粒子対応付け手段は、対応元のトレ
    ーサー粒子P0 とトレーサー粒子Q0 との対応度を下記
    式3で表現される誤差値ERで評価し、当該誤差値が最
    も小さい値をとる粒子Q0 を、粒子P0 の対応粒子とす
    ることを特徴とする請求項4に記載の流体計測装置。 【数3】
  8. 【請求項8】 i=4であることを特徴とする請求項3
    〜7のいずれか1つにに記載の流体計測装置。
  9. 【請求項9】 j=4であることを特徴とする請求項4
    〜7のいずれか1つに記載の流体計測装置。
  10. 【請求項10】 i=5〜6であることを特徴とする請
    求項3〜7のいずれか1つに記載の流体計測装置。
  11. 【請求項11】 j=5〜6であることを特徴とする請
    求項4〜7のいずれか1つに記載の流体計測装置。
  12. 【請求項12】 被検知体の流体現象を解析すべく、当
    該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検
    知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像
    して得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、P
    TV(Particle Tracking Velocimetry )法による画像
    パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を
    獲得し流体現象を解析する流体計測方法において、 前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子
    同士の対応付けを行うに際して、トレーサー粒子像の空
    間的な相対座標情報を利用して、トレーサー粒子同士の
    対応付けの最適値を得るステップを含むことを特徴とす
    る流体計測方法。
  13. 【請求項13】 被検知体の流体現象を解析すべく、当
    該被検知体に粒子状のトレーサーを混入させて当該被検
    知体の流れの挙動を可視化し、可視化された流れを撮像
    して得られる時間的に連続した複数の画像を用いて、P
    TV(Particle Tracking Velocimetry )法による画像
    パターン対応付けによって流れの速度ベクトル場情報を
    獲得し流体現象を解析する流体計測方法において、 前記時間的に連続した複数の画像間の各トレーサー粒子
    同士の対応付けを行うに際して、対応付けの基準となる
    トレーサー粒子像P0 の空間的な相対座標情報と最も類
    似した空間的な相対座標情報を有するトレーサー粒子像
    0 を対応先とするステップを含むことを特徴とする流
    体計測方法。
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