JPH10221342A - 生化学分析方法 - Google Patents

生化学分析方法

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JPH10221342A
JPH10221342A JP2122397A JP2122397A JPH10221342A JP H10221342 A JPH10221342 A JP H10221342A JP 2122397 A JP2122397 A JP 2122397A JP 2122397 A JP2122397 A JP 2122397A JP H10221342 A JPH10221342 A JP H10221342A
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analyte
substance
antibody
biochemical analysis
analysis method
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JP2122397A
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English (en)
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Tomoharu Kajiyama
智晴 梶山
Yuji Miyahara
裕二 宮原
Tomoya Sakurai
智也 桜井
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗体、DNA断片、生体物質等のタンパク質の
固相への非特異的吸着を減少する生化学分析方法を提供
する。 【解決手段】 セル2は、溶液流入口21、作用電極22、
上部電極23、参照電極24、溶液排出口25および光窓26で
構成される。溶液流入口21より測定セル2に導入された
磁性微粒子93とフリーな標識抗体94のうち、磁性微粒子
93は作用電極22の表面に保持される。塩化ナトリウムを
含む電気化学発光反応用の還元試薬を測定セル2に導入
し、測定セル2内に分散しているフリーな標識抗体94を
溶液排出口25より排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学分析方法に
関し、特に、免疫測定技術または遺伝子診断技術に適応
される生化学分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抗原とそれに対応する抗体が結合する反
応は極めて特異的である。また、抗原と抗体は極めて低
濃度でも反応し、反応の結果生じた複合体は通常かなり
安定で温和な条件下では容易に解離しない。この抗原抗
体反応の特徴を利用し、サンプル中の低濃度の抗原また
は抗体を定量的に評価する多くの測定技術があり、「酵
素免疫測定法(第3版)」(石川榮治、他編集、医学書
院1987年発行、第31頁から54頁)および「化学
発光イムノアッセイ」(辻章夫、他編著、ライフ・サイ
エンス社1992年発行、第5頁から16頁)に記載さ
れている。
【0003】これらの測定技術のうち、抗原または抗体
を予め何らかの固相に固定し、抗原抗体反応の後、抗原
抗体結合物(以下、B(bound))と結合していない抗原ま
たは抗体(以下、F(free))を物理的に分離し、bound成
分を測定する方法(B/F分離法)がある。B/F分離
法の一例として、サンドイッチ法による酵素免疫測定に
ついて説明する。
【0004】図9は、酵素免疫測定の従来技術を示す図
である。図9(a)は、測定の初期状態である。反応容器7
1中に、測定対象である抗原72と、固相である支持体73
と、支持体73に固定され抗原72と特異的に結合する固定
化抗体74がある。ただし、固定化抗体74は、抗原72に対
し十分過剰な量が存在するとする。反応容器71中の温度
等を適当に設定し抗原抗体反応を進行させると、図9
(b)で示すように固定化抗体74は、抗原72と固定化抗体7
4の結合した状態741と、抗原の結合していない状態742
に分かれる。次に、酵素751で標識され、抗原72と特異
的に結合する標識抗体75を、抗原72に対し十分過剰な量
混入し、抗原抗体反応を進行させると、図9(c)の様
に、標識抗体結合部76と結合していない標識抗体75の混
合状態となる。ここで抗原抗体反応が完全である場合、
生成した標識抗体結合部76の量は初期の抗原72の量と等
しい。したがって、結合していない標識抗体75を含む溶
液を排出する(B/F分離)と、反応容器71中に存在す
る酵素751の量は初期の抗原72の量と等しい。ここで、
図9(d)のように酵素751により酵素反応を生じる基質7
7を反応容器71内に導入し、反応後の生成物78の濃度
を定量することにより、初期の抗原72の濃度が定量でき
る。
【0005】図10は、従来の検出方法を示す図であ
る。生成物78の濃度測定は、直接検出の場合や、図10
(a)のように光源81より光透過窓82を通し検出器83で検
出される透過光強度から溶液の濁度の変化を検出し生成
物濃度とする場合などがある。
【0006】酵素を用いない免疫測定法として、図10
(b)の様に標識として化学発光反応を有する物質84(例
えば、アクリルジニウムエステル誘導体)を用い、B/
F分離後に化学発光反応を誘導しその発光量を光窓82よ
り光検出器83で検出する方法や、図10(c)の様に標識
としてラジオアイソトープ85を用い、B/F分離後に電
磁波源または放射線源86から電磁波または放射線を照射
してラジオアイソトープ85を励起し、得られる発光の光
量を光窓82より光検出器83で検出する方法や、例えば特
開平7-173185号公報に記載の如く、図10(d)のように
標識として電気化学発光反応を有する金属錯体87を用
い、B/F分離後に電極88の表面上において電気化学発
光を誘導しその発光量を光窓82より光検出器83で検出す
る方法などがある。
【0007】また、上記の総ての方法において、図3の
様に固相として磁性部粒子93を用いB/F分離の際に磁
石4の磁力を利用する場合は、多検体を連続して測定す
ることが可能なフロースルー方式利用免疫分析法におい
て有利である。
【0008】また、抗原抗体反応と同様に結合反応が極
めて特異的であるものとして、DNA結合がある。この特
異性を利用し、例えば、クリニカル・ケミストリ、37(1
991年)第1626頁から1632頁 (Clinical Chemistry 37(19
91)pp1626-1632)に記載のような遺伝子診断技術も報告
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、B
/F分離方式免疫測定法では、固相や光窓を含む反応容
器壁面、電極表面などへのタンパク質が吸着する点に問
題がある。ここでタンパク質とは、サンプル中に通常混
入している生体物質、測定に用いるフリーな抗体及び標
識抗体、遺伝子診断におけるDNAなどである。
【0010】フリーな標識抗体が固相に吸着した場合、
B/F分離後に固相表面に存在する標識は、標識抗体結
合部と吸着により残留したフリーな標識の合算されたも
のとなる。つまり初期におけるサンプル中の抗原量と比
較し、吸着により残留したfree標識分だけ過剰な標識が
存在する。その結果、測定で得られる抗原濃度値は真の
濃度値より大きくなってしまい、正確な定量評価が不可
能となる。このタンパク質の吸着現象は量的再現性が期
待できないため、吸着により残留し、フリーな標識分に
相当する抗原濃度が測定装置の測定限界となり、装置性
能が低下してしまう。
【0011】光の透過度や反応時の発光量により標識量
を定量化する方法では、光窓面に吸着したタンパク質が
光を散乱し、信号光強度を低下する場合がある。また、
電極表面における電気化学発光反応を利用する方法で
は、標識を有しないタンパク質が電極表面に吸着するこ
とにより電気化学発光反応が阻害される。この様な場
合、測定で得られる抗原濃度値は真の濃度値より小さく
なり、正確な定量評価が不可能となる。
【0012】本発明の目的は、タンパク質が電極表面に
非特異的に吸着するのを防止する生化学分析方法を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、固相へのタンパク質の吸着は、液相中に
ハロゲンイオンの塩を添加することにより低減すること
を特徴とする。特に、ハロゲンイオンの内、塩素イオン
が有効であることが実験的に判明した。ハロゲンイオン
の塩を含む溶液を準備し、B/F分離時にその溶液によ
り反応容器内部を洗浄する。また、電気化学発光反応を
利用する免疫分析法では反応開始を電圧印加により制御
できるため、反応時に使用する反応試薬にハロゲンイオ
ンの塩を添加し、B/F分離時の溶液と兼用することも
有効である。
【0014】また、フロースルー方式利用免疫分析法の
様に、測定後に反応容器内部を洗浄するための洗浄溶液
を利用する免疫分析法では、洗浄時に利用する洗浄溶液
にハロゲンイオンの塩を添加してもよい。これは、洗浄
後にセル内部に僅かに残留するイオン成分が、次段の試
料導入時に影響を与えるためである。
【0015】以下より詳細に本発明の特徴を説明する
と、本発明では、担体と、被検体と、被検体が特異的に
結合する第一の物質と、標識が結合され、被検体が特異
的に結合する第二の物質と、を有し、第二の物質が結合
した被検体と特異的に結合した第一の物質が担体の表面
に結合した被検体保持担体を含む試料溶液から、ハロゲ
ン化物を有する溶液により未反応の第二の物質を除去す
る。
【0016】担体が、磁性微粒子であり、被検体保持担
体を測定セル内の電極表面に磁力を用いて保持し、測定
セルにハロゲン化物を有する溶液を導入して、未反応の
第二の物質を除去する。標識が金属錯体であり、溶液
は、金属錯体との電気化学発光反応を誘導するための反
応試薬を含み、反応試薬を測定セルに導入して電気化学
発光を行い、発光量を検出して、発光量から被検体保持
担体に保持された金属錯体の総量を推定し、推定された
金属錯体の総量から被検体を定量する。
【0017】金属錯体が、Ru錯体またはOs錯体であ
ってもよく、第一の物質が抗体であり、被検体が抗原で
あり、第二の物質が抗体であってもよく、第一の物質が
抗抗体であり、被検体が抗体であり、第二の物質が抗
原、抗抗体、または抗原と抗体との結合物であってもよ
い。測定セルが、フロースルー型セルであってもよい。
【0018】また、標識に、電磁波または放射線を照射
し、標識からの発光を検出し、発光の量から被検体保持
担体に保持された標識の総量を推定し、推定された標識
の総量から被検体を定量してもよく、標識の酵素反応に
より、酵素反応の生成物の量を測定し、生成物の測定さ
せた量から被検体保持担体に保持された標識の総量を推
定し、推定された標識の総量から被検体を定量してもよ
い。また、標識の酵素反応により、酵素反応の生成物を
含む溶液の光透過率の変化を測定して、生成物の総量を
推定し、推定された生成物の総量から被検体を定量して
もよい。
【0019】また、ハロゲン化物が、塩化ナトリウムで
あり、塩化ナトリウムの濃度が、10mM以下であって
もよい。
【0020】また、磁性体微粒子と、被検体と、被検体
が特異的に結合する第一の物質と、金属錯体が標識さ
れ、被検体が特異的に結合する第二の物質と、を有し、
第二の物質が結合した被検体と特異的に結合した第一の
物質が磁性体微粒子の表面に結合した被検体保持磁性微
粒子をフローセル内の電極表面に磁力を用いて保持し、
金属錯体との電気化学発光反応を誘導するための反応試
薬をフローセルに導入して電気化学発光を行い、発光量
を検出して、発光量から被検体保持磁性微粒子に保持さ
れた金属錯体の総量を推定し、推定された金属錯体の総
量から被検体を定量し、フローセルにハロゲン化物を有
する溶液を導入して、フローセルを洗浄する。
【0021】また、磁性体微粒子と、第一の核酸と、金
属錯体が標識され、第一の核酸が特異的に結合する第二
の核酸と、を有し、第二の核酸が結合した第一の核酸が
磁性体微粒子の表面に結合した金属錯体保持磁性体微粒
子をフローセル内の電極表面に磁力を用いて保持し、フ
ローセルにハロゲン化物を有する溶液を導入して、未反
応の第二の核酸を除去する。 溶液は、金属錯体との電
気化学発光反応を誘導するための反応試薬を含み、反応
溶液をフローセルに導入して電気化学発光を行い、発光
量を検出して、第二の核酸が特異的に結合する第一の核
酸を検出する。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第一の実施例)図1は、本発明の効果を検証するため
に利用した電気化学発光免疫測定装置である。本装置
は、試料及び試薬を選択して吸引するプローブ部1と、
電気化学発光測定用セル2と、発光検出フォトマル3
と、磁性微粒子保持のために外部より磁力を作用する可
動磁石4と、溶液吸引を行うポンプ5および廃液受け6
と、フォトンカウンタ7と、ポテンシオスタット8と、
装置全体の制御を行う制御部9で構成されている。溶液
は、ポンプ5の吸引力により、プローブ部1から測定セ
ル2を通り廃液受け6に流れる。可動磁石4は、制御部
9のON/OFF信号により図中の(a)/(b)で示
した位置に動作する。測定試料は、試料受け10に設置す
る。また、試薬は、電気化学発光反応に必要な還元剤ト
リプロピルアミン(以下、「TPA」と略す。)を含む反
応試薬(以下、「AB」と略す。(AB: AssayBuffer))
と、免疫測定後に電気化学発光測定用セル2内部を洗浄
する時に使用する水酸化カリウム洗浄溶液(以下、「C
C」と略す。(CC: Cell Cleaner))があり、両試薬と
も試薬入れ11及び12に設置する。
【0023】本装置の測定手順を以下に説明する。ま
ず、プローブ部1の先端を試料受け10の測定試料に挿入
した状態でポンプ5を駆動し、予め設定された液量の測
定試料をプローブ部1から測定セル2に導入する。
【0024】図2は、測定試料の組成を示す概略図であ
る。導入する測定試料は、通常の免疫測定の場合、サン
プル中の抗原91の濃度に比例した量のRu錯体標識92を表
面に固定化した磁性微粒子93と、余剰のフリーな標識抗
体94の混合溶液である。この試料は、予め他の反応装置
においてサンドイッチ法の原理により調整する。
【0025】図3は、測定用セル2を模式的に説明する
断面図である。セル2は、溶液流入口21、作用電極22、
上部電極23、参照電極24、溶液排出口25及び光窓26で構
成される。ポテンシオスタット8は、参照電極24と作用
電極22の電位差を測定し、その電位差が予め設定された
電圧差プログラムと等しくなるように上部電極23に電圧
を印加する機能を有する。可動磁石4が図の様にONに
動作している場合、溶液流入口21より測定セルに導入さ
れた磁性微粒子93とフリーな標識抗体94のうち、磁性微
粒子93は図の様に作用電極22の表面に保持される。一
方、フリーな標識抗体94は磁力の影響を受けないため、
測定セル内に分散している。また、一部は作用電極22の
表面や光窓26などのセル壁面に非特異的に吸着する。こ
こで、プローブ部1の先端をABの試薬入れ11に挿入した
状態でポンプ5を駆動し、予め設定された液量のABをプ
ローブ部1から測定セル2に導入する(図1)。する
と、作用電極22の表面に保持された磁性微粒子93はその
ままの状態で、測定セル内に分散しているフリーな標識
抗体94は溶液排出口25より排出される。理想的には、非
特異的吸着成分を含むフリーな標識抗体は、ここで吸着
成分を完全に排出することが期待される。このB/F分
離の精度が装置の測定限界を決定する因子のひとつとな
る。
【0026】その後、作用電極表面において電気化学発
光反応を起こす。その時、磁性微粒子表面の標識量に比
例した光量の信号光が、光窓26を通りフォトマル3に入
射する。測定後、可動磁石4をOFFに動作し、プロー
ブ部1の先端をCCの試薬入れ12に挿入した状態でポンプ
5を駆動し、予め設定された液量のCCをプローブ部1か
ら測定セル2に導入する。その結果、磁性微粒子93を溶
液排出口25より排出でき、並行して測定セル内部のタン
パク質の吸着などの汚れを洗浄できる。
【0027】本実施例は、ABに固相へのタンパク質吸着
を軽減する塩化ナトリウムを添加するものである。評価
は2種類の試料を用いて行った。まず、フリーな標識抗
体94のみの試料を試料受けに準備し、それを測定試料と
した場合の発光量を評価した。この場合、得られる発光
量は、電極表面に非特異的に吸着した標識抗体量であ
る。ABへ添加する塩の濃度を変化させた場合の発光量の
測定結果を、図4に示す。縦軸の発光量は、従来法(横
軸の0[mM])における値を用いて規格化した。フリーな
標識抗体の非特異的吸着は、ABに塩を10[mM]以上添加し
た場合に、従来と比較し約40%減少している。この場
合、減少量は濃度にあまり依存していないことがわか
る。そのため、本実施例の技術を用いる場合、塩の添加
量は10[mM]で吸着を低減することが可能であると言え
る。また、本実施例の方法を使用して測定装置のダイナ
ミックレンジを約1.8倍に拡大した。
【0028】つぎに、本免疫測定装置を用いた免疫分析
において典型的な発光量が得られる標識抗体濃度を磁性
微粒子に結合させた磁性微粒子と、余剰のフリーな標識
抗体の混合溶液を試料受けに準備し、それを測定試料と
した場合の発光量を評価した。ABへ添加する塩(NaC
l)の濃度を変化させた場合の発光量の測定結果を、図
5に示す。図4と同様に縦軸の発光量は、従来法(横軸
の0[mM])における値を用いて規格化した。磁性微粒子
の発光量は塩の濃度と共に増加し、塩濃度が100[mM]で
は従来法の約1.46倍に達している。これは、光窓への抗
体の吸着が減少したこと、および塩素イオンが電気化学
発光反応を活性化した結果である。
【0029】以上の実験結果より、ABに塩を添加した場
合、抗体の非特異的吸着を減少し信号光強度を増加させ
ることが可能である。
【0030】本実施例では、検出に電気化学発光反応を
用いる例を示したが、従来の酵素免疫測定法(図9およ
び図10)を用いてもよい。また、本実施例ではRu錯
体標識を用いたが、Ru錯体標識の代わりにOs錯体標
識を用いてもよい。
【0031】また、測定試料中の抗体の濃度を測定する
場合、抗体・抗抗体反応を利用することが可能である。
この場合、まず磁性微粒子表面には測定対象の抗体と特
異的に結合する抗抗体を固定し、図2の抗原91の代わ
りに測定対象の抗体とし、標識92を有する抗体94の
代わりに測定対象と特異的に結合する抗原とすることで
達成できる。また、まず磁性微粒子表面には測定対象の
抗体と特異的に結合する抗抗体を固定し、図2の抗原9
1の代わりに測定対象の抗体とし、標識92を有する抗
体94の代わりに測定対象と特異的に結合する抗抗体と
することで達成できる。また、まず磁性微粒子表面には
測定対象の抗体と特異的に結合する抗抗体を固定し、図
2の抗原91の代わりに測定対象の抗体とし、標識92
を有する抗体94の代わりに測定対象と特異的に結合す
る抗原とこの抗原と結合する抗体との結合物とすること
で達成できる。
【0032】(第二の実施例)本実施例では、B/F分
離のためにセルを洗浄する溶液と電気化学発光反応のAB
を同一溶液で兼用したが、ハロゲン塩を含む洗浄専用溶
液を準備し、B/F分離過程と電気化学発光反応過程を
順に行う場合において同様の効果が得られることは明ら
かである。
【0033】(第三の実施例)本発明の他の実施例とし
て、測定セルのCCに塩を添加し、第一の実施例と同じ2
種類の試料を用いた実験を行った。
【0034】図6に、フリーな標識抗体94のみの試料を
測定試料とした場合の発光量を評価した結果を示す。ま
た、図7に、本免疫測定装置を用いた免疫分析において
典型的な発光量が得られる標識抗体濃度を磁性微粒子に
結合させた磁性微粒子と、余剰のフリーな標識抗体の混
合溶液を、測定試料とした場合の発光量を評価した結果
を示す。それぞれ、横軸はCCへ添加した塩の濃度を示し
ている。縦軸の発光量は、従来法(横軸の0[mM])にお
ける値を用いて規格化した。これより、CCに塩を添加し
た場合、第一の実施例と同様な効果が得られることがわ
かる。ただし、効果を得るために必要な塩の濃度は、第
一の実施例の場合と比較し大きい。この効果は、洗浄後
にセル内部に僅かに残留するイオン成分が、次段の試料
導入時に影響を与えるためである。以上の実験結果よ
り、CCに塩を添加した場合も抗体の非特異的吸着を減少
し信号光強度を増加させることが可能である。
【0035】(第四の実施例)本発明は、抗原抗体反応
の様に極めて特異的な結合を有する反応を利用した総て
測定方法において有効である。例えば、DNAの相補結合
が挙げられる。DNAプローブ法は、測定対象のDNA塩基配
列の全体または一部が、予め設定されている塩基配列順
序(以下、「関心塩基配列順序」と略す。)と等しいか
否かを評価するものである。
【0036】図8は、本実施例の測定試料の組成を示す
概略図である。101は、測定対象のDNA1本鎖であ
る。前処理により、本実施例で固相として用いる磁性微
粒子102の表面に固定してある。103は、DNAプロ
ーブである。DNAプローブは、関心塩基配列順序の塩基
配列と、相補的に結合する様に合成された塩基配列の1
本鎖であり、測定に利用する標識104を有している。
101と103をDNA相補結合の行われる条件下で混合
すると、101の塩基配列の全体または一部が関心塩基
配列順序である場合には101と103は結合し、10
1の塩基配列中に関心塩基配列順序が全くない場合は結
合しない。この混合試料を図3の測定用セルに導入し、
磁石4を用いて作用電極表面に磁性微粒子93を保持す
る。その後、本発明のハロゲン塩を添加したABをセル内
に導入し、101と結合していないDNAプローブをセル
外に排出する。この過程において、作用電極22の表面
や光窓26に非特異的に吸着しているDNAプローブもセ
ル外に排出することが出来る。その後、セル内に存在す
る標識量を測定する。本実施例では、電気化学発光によ
り標識の発光を誘導し、フォトマル3により発光を検出
することにより測定する。十分な強度の発光が確認され
れば、101と103は相補的に結合したことを意味す
る。
【0037】また、ハロゲン塩を含む洗浄専用溶液を準
備し、セル内にABを導入する前に、洗浄専用溶液を用い
て、作用電極22の表面や光窓26に非特異的に吸着し
ているDNAプローブをセル外に排出する方法も可能であ
る。
【0038】また、測定セルのCCに塩を添加し、評価後
にCCによりセル内部を洗浄し、浄後にセル内部に僅かに
残留するイオン成分により、次段の試料導入時のDNAプ
ローブの非特異的吸着を減少させる場合もある。
【0039】本実施例は、検出手段として電気化学発光
反応を利用したが、本発明の効果は発光量または光透過
率測定を利用する総ての場合においてタンパク質の非特
異的吸着を減少することが可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明の手法を用いることにより、測定
限界を決定する因子の一つであるタンパク質の非特異的
吸着を、従来より低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した電気化学発光免疫測定装置の
概略図。
【図2】第一の実施例の測定試料の組成を示す概略図。
【図3】電気化学発光免疫測定装置の測定セルの概略
図。
【図4】第一の実施例の実験結果を示す図。
【図5】第一の実施例の他の実験結果を示す図。
【図6】第三の実施例の実験結果を示す図。
【図7】第三の実施例の他の実験結果を示す図。
【図8】第四の実施例の測定試料の組成を示す概略図。
【図9】従来技術の酵素免疫測定の概略を説明するもの
で、(a)測定の初期状態、(b)結合状態、(c)混
合状態、および(d)濃度定量時の状態を示す図。
【図10】従来の検出方法を示すもので、(a)透過光
強度の測定、(b)化学発光による発光量の測定、
(c)ラジオアイソトープによる発光量の測定、および
(d)電気化学発光による発光量の測定を示す図。
【符号の説明】
1…プローブ部、2…電気化学発光測定用セル、3…フ
ォトマル、4…磁石、5…ポンプ、6…廃液受け、7…
フォトンカウンタ、8…ポテンシオスタット、9…制御
部、10…試料受け、11…反応試薬、12…洗浄溶
液、21…溶液流入口、22…作用電極、23…上部電
極、24…参照電極、25…溶液排出口、26…光窓、
91…抗原、92…標識、93…磁性微粒子、94…標
識抗体。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担体と、被検体と、前記被検体が特異的に
    結合する第一の物質と、標識が結合され、前記被検体が
    特異的に結合する第二の物質と、を有し、前記第二の物
    質が結合した前記被検体と特異的に結合した前記第一の
    物質が前記担体の表面に結合した被検体保持担体を含む
    試料溶液から、ハロゲン化物を有する溶液により未反応
    の前記第二の物質を除去することを特徴とする生化学分
    析方法。
  2. 【請求項2】前記担体が、磁性微粒子であり、前記被検
    体保持担体を測定セル内の電極表面に磁力を用いて保持
    し、前記測定セルにハロゲン化物を有する前記溶液を導
    入して、未反応の前記第二の物質を除去することを特徴
    とする請求項1に記載の生化学分析方法。
  3. 【請求項3】前記標識が金属錯体であり、前記溶液は、
    前記金属錯体との電気化学発光反応を誘導するための反
    応試薬を含み、前記反応試薬を前記測定セルに導入して
    電気化学発光を行い、発光量を検出して、前記発光量か
    ら前記被検体保持担体に保持された前記金属錯体の総量
    を推定し、推定された前記金属錯体の前記総量から前記
    被検体を定量することを特徴とする請求項2に記載の生
    化学分析方法。
  4. 【請求項4】前記金属錯体が、Ru錯体またはOs錯体
    であることを特徴とする請求項3に記載の生化学分析方
    法。
  5. 【請求項5】前記第一の物質が抗体であり、前記被検体
    が抗原であり、前記第二の物質が抗体であることを特徴
    とする請求項3に記載の生化学分析方法。
  6. 【請求項6】前記第一の物質が抗抗体であり、前記被検
    体が抗体であり、前記第二の物質が抗原、抗抗体、また
    は抗原と抗体との結合物であることを特徴とする請求項
    3に記載の生化学分析方法。
  7. 【請求項7】前記測定セルが、フロースルー型セルであ
    ることを特徴とする請求項5または6に記載の生化学分
    析方法。
  8. 【請求項8】前記標識に、電磁波または放射線を照射
    し、前記標識からの発光を検出し、前記発光の量から前
    記被検体保持担体に保持された前記標識の総量を推定
    し、推定された前記標識の前記総量から前記被検体を定
    量することを特徴とする請求項1に記載の生化学分析方
    法。
  9. 【請求項9】前記標識の酵素反応により、前記酵素反応
    の生成物の量を測定し、前記生成物の測定させた量から
    前記被検体保持担体に保持された前記標識の総量を推定
    し、推定された前記標識の前記総量から前記被検体を定
    量することを特徴とする請求項1に記載の生化学分析方
    法。
  10. 【請求項10】前記標識の酵素反応により、前記酵素反
    応の生成物を含む溶液の光透過率の変化を測定して、前
    記生成物の総量を推定し、推定された前記生成物の前記
    総量から前記被検体を定量することを特徴とする請求項
    1に記載の生化学分析方法。
  11. 【請求項11】前記ハロゲン化物が、塩化ナトリウムで
    あることを特徴とする請求項1に記載の生化学分析方
    法。
  12. 【請求項12】前記塩化ナトリウムの濃度が、10mM
    以下であることを特徴とする請求項11に記載の生化学
    分析方法。
  13. 【請求項13】磁性体微粒子と、被検体と、前記被検体
    が特異的に結合する第一の物質と、金属錯体が標識さ
    れ、前記被検体が特異的に結合する第二の物質と、を有
    し、前記第二の物質が結合した被検体と特異的に結合し
    た前記第一の物質が前記磁性体微粒子の表面に結合した
    被検体保持磁性微粒子をフローセル内の電極表面に磁力
    を用いて保持し、前記フローセルにハロゲン化物を有す
    る溶液を導入して、未反応の前記第二の物質を除去し、
    前記溶液は、前記金属錯体との電気化学発光反応を誘導
    するための反応試薬を含み、前記反応溶液を前記フロー
    セルに導入して電気化学発光を行い、発光量を検出し
    て、前記発光量から前記被検体保持磁性微粒子に保持さ
    れた前記金属錯体の総量を推定し、推定された前記金属
    錯体の前記総量から前記被検体を定量する、ことを特徴
    とする生化学分析方法。
  14. 【請求項14】前記金属錯体が、Ru錯体またはOs錯
    体であることを特徴とする請求項13に記載の生化学分
    析方法。
  15. 【請求項15】前記第一の物質が抗体であり、前記被検
    体が抗原であり、前記第二の物質が抗体であることを特
    徴とする請求項13に記載の生化学分析方法。
  16. 【請求項16】前記第一の物質が抗抗体であり、前記被
    検体が抗体であり、前記第二の物質が抗原、抗抗体、ま
    たは抗原と抗体との結合物であるあることを特徴とする
    請求項13に記載の生化学分析方法。
  17. 【請求項17】前記ハロゲン化物が、塩化ナトリウムで
    あることを特徴とする請求項13に記載の生化学分析方
    法。
  18. 【請求項18】前記塩化ナトリウムの濃度が、10mM
    以下であることを特徴とする請求項13に記載の生化学
    分析方法。
  19. 【請求項19】磁性体微粒子と、被検体と、前記被検体
    が特異的に結合する第一の物質と、金属錯体が標識さ
    れ、前記被検体が特異的に結合する第二の物質と、を有
    し、前記第二の物質が結合した被検体と特異的に結合し
    た前記第一の物質が前記磁性体微粒子の表面に結合した
    被検体保持磁性微粒子をフローセル内の電極表面に磁力
    を用いて保持し、前記金属錯体との電気化学発光反応を
    誘導するための反応試薬を前記フローセルに導入して電
    気化学発光を行い、発光量を検出して、前記発光量から
    前記被検体保持磁性微粒子に保持された前記金属錯体の
    総量を推定し、推定された前記金属錯体の前記総量から
    前記被検体を定量し、前記フローセルにハロゲン化物を
    有する溶液を導入して、前記フローセルを洗浄すること
    を特徴とする生化学分析方法。
  20. 【請求項20】磁性体微粒子と、第一の核酸と、金属錯
    体が標識され、前記第一の核酸が特異的に結合する第二
    の核酸と、を有し、前記第二の核酸が結合した前記第一
    の核酸が前記磁性体微粒子の表面に結合した金属錯体保
    持磁性体微粒子をフローセル内の電極表面に磁力を用い
    て保持し、前記フローセルにハロゲン化物を有する溶液
    を導入して、未反応の前記第二の核酸を除去することを
    特徴とする生化学分析方法。
  21. 【請求項21】前記溶液は、前記金属錯体との電気化学
    発光反応を誘導するための反応試薬を含み、前記反応溶
    液を前記フローセルに導入して電気化学発光を行い、発
    光量を検出して、前記第二の核酸が特異的に結合する前
    記第一の核酸を検出することを特徴とする請求項20に
    記載の生化学分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007232675A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd 遺伝子検出方法
WO2014122996A1 (ja) * 2013-02-08 2014-08-14 株式会社日立ハイテクノロジーズ 自動分析装置

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