JPH1022107A - デジタル可変抵抗および電源装置 - Google Patents

デジタル可変抵抗および電源装置

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JPH1022107A
JPH1022107A JP17526596A JP17526596A JPH1022107A JP H1022107 A JPH1022107 A JP H1022107A JP 17526596 A JP17526596 A JP 17526596A JP 17526596 A JP17526596 A JP 17526596A JP H1022107 A JPH1022107 A JP H1022107A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部からのデジタル信号により抵抗値を変更
できる簡単な構成のデジタル可変抵抗を実現する。 【解決手段】 出力電圧調整回路4のIC11の端子V
O と端子VR との間には、抵抗値が1:2:4:8に設
定され、かつ、互いに直列に接続された抵抗R3aない
しR3dが設けられている。端子VO には出力電圧VO
が印加され、端子VR は、抵抗R2および抵抗R1を介
して接地される。さらに、抵抗R3aないしR3dに並
列に、トランジスタTr1aないしTr1dがそれぞれ
設けられている。トランジスタTr1aは、導通時に抵
抗R3aの両端を短絡し、遮断時に抵抗R3aの両端を
開放する。電圧制御信号D0ないしD3に応じて、対応
するトランジスタTr1aないしTr1dの導通あるい
は遮断が個別に制御され、IC11の端子VO と端子V
R との間の抵抗値が変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部からのデジタ
ル信号に応じて抵抗値を変更できるデジタル可変抵抗、
および、当該デジタル可変抵抗を用いた電源装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年では、パーソナルコンピュータな
ど、マイクロプロセッサを有する機器が目覚ましく普及
している。これらのマイクロプロセッサは、処理速度の
向上や消費電力の削減を目指して、次々とバージョンア
ップされており、これに伴って、該マイクロプロセッサ
を動作させるための駆動電圧も次々と変更されている。
【0003】ここで、マイクロプロセッサへ電力を供給
する従来の電源回路について簡単に説明する。すなわ
ち、図7に示すように、電源回路51において、例え
ば、5Vの定電圧VINは、レギュレータ53を介して、
マイクロプロセッサ52などの負荷へ供給されている。
レギュレータ53の出力電圧VO は、抵抗R51および
R52によって、基準電圧Vref に分圧された後、レギ
ュレータ53に再び入力される。レギュレータ53は、
この基準電圧Vref と、レギュレータ53内部で生成す
る定電圧とを比較して、両者が一致するように出力電圧
O を調整する。これにより、レギュレータ53は、負
荷の変動に関わらず、一定の出力電圧VO をマイクロプ
ロセッサ52へ供給できる。
【0004】上記構成の電源回路51では、マイクロプ
ロセッサ52の駆動電圧VCCを変更する際、抵抗R51
・R52の抵抗値を変更する必要がある。したがって、
例えば、両抵抗R51・R52を可変抵抗にしておい
て、その抵抗値を駆動電圧VCCに合わせて調整したり、
あるいは、両抵抗R51・R52を取り替えるなどの作
業が必要となる。この結果、開発者は、マイクロプロセ
ッサ52の変更毎に、電源回路51を変更あるいは調整
する必要がある。したがって、マイクロプロセッサ52
の開発効率を悪化させる原因の1つになっている。ま
た、エンドユーザにとっては、マイクロプロセッサ52
のバージョンアップ時に、電源回路51の交換などのた
めに費用が別に必要となり、割高になるという問題を生
じている。
【0005】これらの問題を解決するために、マイクロ
プロセッサが駆動電圧を示す信号を出力すると共に、当
該信号に基づいて、電源回路がマイクロプロセッサへ供
給する電圧を自動的に調整する方法が行われている。
【0006】図2に示すように、マイクロプロセッサ5
2aは、電源回路51aへ駆動電圧VCCを示す電圧制御
信号D0ないしD3を出力する。この電圧制御信号D0
ないしD3は、それぞれ、”0”か”1”かを示すデジ
タル信号であり、少ない信号線で多くの駆動電圧VCC
指定できるように、上記各信号D0ないしD3の組み合
わせで駆動電圧VCCを指定するように設定されている。
この場合は、信号の数が4つなので、16種類の駆動電
圧VCCを指定できる。一方、上記両抵抗R51・R52
に代えて設けられた出力電圧調整回路54は、信号D0
ないしD3に基づき、レギュレータ53の出力電圧VO
を所定の分圧比で分圧して基準電圧Vre f を生成する。
これにより、レギュレータ53は、マイクロプロセッサ
52aの駆動電圧VCCに応じた出力電圧VO を安定して
供給できる。
【0007】ここで、従来より広く用いられている出力
電圧調整回路54の一例として、トランジスタを用いた
出力電圧調整回路54について説明する。図8に示すよ
うに、上記出力電圧調整回路54において、デコーダ6
1は、受け取った電圧制御信号D0ないしD3に基づい
て、どの駆動電圧VCCが指定されているかを判別して、
各制御信号d1ないしd16(総称するときは、符号d
で示す)のうち、駆動電圧VCCに対応する制御信号dの
みを0レベルに、他の制御信号d…を1レベルにする。
【0008】一方、出力電圧調整回路54には、各制御
信号d16ないしd1に対応して、16個の可変抵抗部
62aないし62pが設けられている。各可変抵抗部6
2に設けられた抵抗R63は、高電位側の端部が、前段
の可変抵抗部62内の抵抗R63へ接続されており、低
電位側の端部が、後段の可変抵抗部62内の抵抗R63
へ接続されている。なお、最後段の可変抵抗部62pで
は、抵抗R63の低電位側は、抵抗R61およびR62
を介して接地されている。また、両抵抗R61・R62
の接続点の電位は、基準電圧Vref として、図2に示す
レギュレータ53へ出力される。
【0009】デコーダ61が、ある制御信号dを0レベ
ルにすると、対応する可変抵抗部62において、出力電
圧VO と抵抗R63との間に設けられたトランジスタT
r61が導通する。この結果、出力電圧VO は、当該抵
抗R63および後段の抵抗R63…を介して、抵抗R6
1へ印加される。例えば、制御信号d16のみが0レベ
ルになった場合、最前段の可変抵抗部62のトランジス
タTr61が導通するので、出力電圧VO は、全ての抵
抗R63を介して抵抗61へ印加される。
【0010】出力電圧調整回路54は、いずれの制御信
号d…を0レベルにするかによって、互いに直列に接続
された抵抗R63…のうち、どの場所に出力電圧VO
印加するかを選択できるので、指示された分圧比で出力
電圧VO を分圧して基準電圧Vref を生成できる。これ
により、図2に示すように、電源回路51は、マイクロ
プロセッサ52aの指示する駆動電圧VCCを安定して供
給できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の出力電圧調整回路54では、選択可能な駆動電圧V
CCの数に合わせた可変抵抗部62を用意する必要がある
ため、構成が複雑になるという問題を生じている。
【0012】例えば、図8に示すように、4系統の電圧
制御信号D0ないしD3を用い、16ステップで分圧比
を可変する場合、16個の可変抵抗部62が必要とな
る。各可変抵抗部62は、抵抗R63とトランジスタT
r61とだけではなく、トランジスタTr61駆動用の
抵抗R64・R65も有しているため、出力電圧調整回
路54全体では、トランジスタが16個、抵抗がおよそ
50個必要になる。さらに、1つの可変抵抗部62のみ
に制御信号dを与えるために、デコーダ61が必要にな
る。
【0013】また、出力電圧調整回路54は、オーディ
オアンプのように、アテネータを機械的に動かして抵抗
値を変更することによっても実現できる。ところが、ア
テネータは、機械部分を含むため、構造が複雑になりが
ちである。また、マイクロプロセッサ52aは、通常、
デジタル信号を出力し、アテネータは、アナログ信号に
よって駆動する。したがって、両者の間にアナログ−デ
ジタル変換器が必要となり、出力電圧調整回路54の構
造は、さらに複雑になる。
【0014】したがって、従来の各出力電圧調整回路5
4では、構造が複雑になるため、コストアップや搭載ス
ペースの増加などの問題を解決するに至っていない。
【0015】本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、簡単な構成によって、外部か
らのデジタル信号によって抵抗値を可変可能なデジタル
可変抵抗を実現すると共に、これを用いた電源装置を提
供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るデ
ジタル可変抵抗は、上記問題を解決するために、直列に
接続された複数の第1抵抗と、上記各第1抵抗に対応す
るトランジスタとを有するデジタル可変抵抗において、
上記第1抵抗のうち、少なくとも2つは、抵抗値が互い
に異なっており、上記各トランジスタは、エミッタが対
応する第1抵抗の一端に、コレクタが当該第1抵抗の他
端に接続されていることを特徴としている。
【0017】上記構成では、各トランジスタが第1抵抗
に並列に設けられているので、トランジスタが導通する
と、トランジスタおよび第1抵抗の接続点に流入する電
流は、第1抵抗を流れず、トランジスタを流れる。この
結果、第1抵抗の両端間電圧は略0になる。一方、トラ
ンジスタの遮断時には、トランジスタおよび第1抵抗の
接続点に流入する電流は、トランジスタを流れず、第1
抵抗を流れる。この結果、第1抵抗の両端間には、当該
電流に応じた電圧が現われる。これにより、トランジス
タの導通/遮断によって、対応する第1抵抗両端間を個
別に短絡あるいは開放できる。したがって、各トランジ
スタの導通/遮断の組み合わせによって、デジタル可変
抵抗の抵抗値を変更できる。
【0018】ところで、従来のトランジスタを用いたデ
ジタル可変抵抗では、指示された抵抗値に対応するトラ
ンジスタを導通させてデジタル可変抵抗の抵抗値を変更
している。したがって、設定可能な抵抗値の数と同数の
トランジスタおよび第1抵抗が必要である。また、デジ
タル可変抵抗の抵抗値を2値レベルの組み合わせによっ
て指示する場合、指示された組み合わせから導通させる
トランジスタを1つ選択するために、デコーダが必要で
ある。
【0019】ところが、請求項1記載のデジタル可変抵
抗では、トランジスタの導通/遮断の組み合わせによっ
て、デジタル可変抵抗の抵抗値を変更するため、トラン
ジスタおよび第1抵抗の数を従来に比べて削減できる。
具体的には、16種類の抵抗値を設定する場合、従来
は、第1抵抗およびトランジスタを16個ずつ必要とす
る。一方、請求項1記載のデジタル可変抵抗では、4つ
の第1抵抗およびトランジスタを用い、これらのトラン
ジスタの導通/遮断を組み合わせて16種類の抵抗値を
設定できる。
【0020】さらに、デジタル可変抵抗の抵抗値を2値
レベルの組み合わせによって指示する場合にもデコーダ
が不要になる。それゆえ、デジタル可変抵抗の構造をさ
らに簡単にできる。この結果、製造コストが安く、かつ
小型のデジタル可変抵抗を実現できる。また、トランジ
スタと抵抗とを組み合わせた単純な回路で実現できるの
で、デジタル可変抵抗の信頼性を向上させることができ
る。
【0021】加えて、トランジスタおよび第1抵抗によ
ってデジタル可変抵抗を構成しているため、例えば、バ
イポーラプロセスなどを用いて、デジタル可変抵抗を容
易に集積できる。この結果、デジタル可変抵抗をより小
型にすることができる。
【0022】また、請求項2の発明に係るデジタル可変
抵抗は、請求項1記載の発明の構成において、上記トラ
ンジスタは、PNP型のトランジスタであることを特徴
としている。
【0023】請求項1記載のデジタル可変抵抗では、ト
ランジスタの導通時において、第1抵抗の両端間電圧
は、厳密に言うと、該トランジスタのコレクタ−エミッ
タ間飽和電圧になる。したがって、デジタル可変抵抗の
両端間電圧は、コレクタ−エミッタ間飽和電圧だけ高く
なる。
【0024】請求項2記載のデジタル可変抵抗では、N
PN型のトランジスタに比べて、コレクタ−エミッタ間
飽和電圧を低くできるPNP型のトランジスタを用いて
いる。この結果、デジタル可変抵抗において、トランジ
スタのコレクタ−エミッタ間飽和電圧に起因する誤差を
抑制できる。
【0025】一方、請求項3の発明に係るデジタル可変
抵抗は、請求項1または2記載の発明の構成において、
上記各第1抵抗の抵抗値は、対応するトランジスタのコ
レクタ側に接続された上記第1抵抗の抵抗値に比べて小
さく設定されていることを特徴としている。
【0026】請求項1記載のデジタル可変抵抗では、ト
ランジスタの導通時において、当該トランジスタのベー
ス電流によって、エミッタ電流がコレクタ電流に比べて
大きくなる。したがって、あるトランジスタが遮断され
ている場合、当該トランジスタに対応する第1抵抗に
は、当該第1抵抗よりもコレクタ側のトランジスタが導
通していると、より多くの電流が流れる。この結果、当
該第1抵抗の両端間には、抵抗値とベース電流による増
加分との積に応じた電圧が現われる。
【0027】ところが、請求項3記載のデジタル可変抵
抗は、よりエミッタ側に接続される第1抵抗の抵抗値を
小さく設定している。したがって、ベース電流による誤
差が発生しても、デジタル可変抵抗の両端間電圧は増加
しにくくなる。この結果、デジタル可変抵抗において、
ベース電流による誤差を抑制できる。
【0028】さらに、請求項4の発明に係るデジタル可
変抵抗は、請求項1、2、または3記載の発明の構成に
おいて、上記各第1抵抗の抵抗値は、次に小さな第1抵
抗の抵抗値の2倍に設定されていることを特徴としてい
る。
【0029】それゆえ、デジタル可変抵抗において、設
定可能な抵抗値のステップ幅を、最小の第1抵抗の抵抗
値に揃えることができる。したがって、デジタル可変抵
抗の設定可能な抵抗値を均一に配置できる。
【0030】また、請求項5の発明に係るデジタル可変
抵抗は、請求項4記載の発明の構成において、コレクタ
電流に対するベース電流の比率が0.1以下であると共
に、コレクタ−エミッタ間飽和電圧が、最も抵抗値の小
さな第1抵抗の両端電圧の0.3倍以下であることを特
徴としている。
【0031】それゆえ、デジタル可変抵抗において、ト
ランジスタのコレクタ−エミッタ間飽和電圧およびベー
ス電流に起因する誤差をさらに低減できる。
【0032】加えて、請求項6の発明に係るデジタル可
変抵抗は、請求項1、2、3、4、または5に記載の発
明の構成において、上記第1抵抗に直列に接続された第
2抵抗を備え、上記第2抵抗の抵抗値は、各トランジス
タのベース電流およびコレクタ−エミッタ間飽和電圧に
起因する誤差を補償するように、当該デジタル可変抵抗
の最小抵抗値よりも小さく設定されていることを特徴と
している。
【0033】上記構成では、各トランジスタのコレクタ
−エミッタ間飽和電圧およびベース電流に起因する誤差
は、いずれもデジタル可変抵抗の抵抗値を増加させる。
したがって、第2抵抗の抵抗値を予め小さく設定するこ
とによって、デジタル可変抵抗の設定可能な抵抗値全般
において、誤差を低減できる。
【0034】また、請求項7の発明に係る電源装置は、
請求項1、2、3、4、5または6記載のデジタル可変
抵抗と、上記デジタル可変抵抗の一端に接続された第3
抵抗と、上記デジタル可変抵抗と第3抵抗との接続点の
電位に基づいて、負荷および上記デジタル可変抵抗の他
端へ出力する電圧レベルを増減する電圧調整手段とを備
えていることを特徴としている。
【0035】上記構成では、デジタル可変抵抗は、入力
に基づいて、トランジスタの導通/遮断を制御して、デ
ジタル可変抵抗の抵抗値を設定している。例えば、スイ
ッチングレギュレータやシリーズレギュレータなどの電
圧調整手段は、例えば、マイクロプロセッサなどの負荷
およびデジタル可変抵抗の一端へ電圧を出力している。
当該出力電圧は、デジタル可変抵抗と第3抵抗とによっ
て分圧された後、基準電圧として電圧調整手段へ与えら
れる。例えば、負荷の変動などによって、負荷へ印加す
る電圧が変化すると、これに伴って、上記基準電圧も変
化する。電圧調整手段は、当該基準電圧に基づいて、例
えば、出力電圧の変動を打ち消すように出力電圧を調整
する。
【0036】一方、新たな入力が与えられると、デジタ
ル可変抵抗のトランジスタは、該入力に基づいて導通/
遮断が制御される。これにより、デジタル可変抵抗の抵
抗値が変化して、分圧比、すなわち、出力電圧と基準電
圧との比率が変化する。この結果、電源装置は、デジタ
ル信号によって、出力電圧を調整できる。
【0037】デジタル信号によって出力電圧を調整しな
い従来の電源装置と比較した場合、追加された請求項
1、2、3、4、または6記載のデジタル可変抵抗は、
従来に比べて構成が簡単である。したがって、少ないコ
ストアップおよび外形の増加で、外部からのデジタル信
号に対応して、出力電圧の調整が可能な電源装置を実現
できる。
【0038】加えて、電圧調整手段は、通常、トランジ
スタや抵抗を備えている。したがって、これらの部材
と、上記デジタル可変抵抗とは、例えば、バイポーラプ
ロセスなどを用いて集積することが容易である。この結
果、外部からのデジタル信号によって出力電圧を調整可
能な電源装置をより小型に構成できる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図1
ないし図4に基づいて説明すると以下の通りである。す
なわち、本実施形態に係るデジタル可変抵抗は、例え
ば、電源回路がマイクロプロセッサなどの負荷へ電力を
供給する際、マイクロプロセッサや外部からの指示に基
づいて、供給する電圧を変更するために用いられてい
る。
【0040】図2に示すように、本実施形態に係る電源
回路1は、マイクロプロセッサ2へ電力を供給するもの
であって、基準電圧Vref に基づいて、出力電圧VO
調整するレギュレータ(電圧調整手段)3と、マイクロ
プロセッサ2の駆動電圧VCCを示す電圧制御信号D…に
基づいて、出力電圧VO から基準電圧Vref を生成する
出力電圧調整回路(デジタル可変抵抗)4とを備えてい
る。
【0041】上記レギュレータ3は、シリーズ型、ある
いは、チョッパ型(スイッチング型)などのレギュレー
タであり、例えば、5Vなど、略一定の直流電圧で与え
られる入力電圧VINを昇圧あるいは降圧して、一定の出
力電圧VO を出力できる。なお、入力電圧VINは、例え
ば、交流で与えられる商用電源を整流したり、バッテリ
から直接供給するなどにより、レギュレータ3へ与えら
れる。
【0042】このレギュレータ3は、例えば、図3に示
すように、出力電圧VO を調整するトランジスタ3a
と、該トランジスタ3aを制御する制御部3bとを備え
ている。上記制御部3bは、出力電圧調整回路4が生成
する基準電圧Vref が、レギュレータ3内部で生成する
定電圧へ一致するように、トランジスタ3aのベース電
流を制御して、出力電圧VO を増減させる。なお、レギ
ュレータ3がシリーズ型の場合、制御部3bは、直流の
入力電圧VINの増幅(減衰)率を調整して出力電圧VO
を調整する。また、チョッパ型の場合、制御部3bは、
例えば、入力電圧VINを出力する導通期間と出力しない
遮断期間との割合を調整する。さらに、断続する電流を
平滑化させることによって、出力電圧VO を増減する。
なお、レギュレータ3は、図3の構成に限らず、入力さ
れた基準電圧Vref に基づいて、出力電圧VO を制御す
るものであれば、他の構成でもよい。
【0043】また、図2に示すように、本実施形態に係
るマイクロプロセッサ2は、電圧制御信号D0ないしD
3によって、自らの駆動電圧VCCを出力電圧調整回路4
へ指示できる。電圧制御信号D…は、それぞれ、1レベ
ルあるいは0レベルの何れかを示す信号であり、これら
の組み合わせで示される各セレクトコードは、例えば、
以下の表1に示すように、レギュレータ3の出力電圧V
O に対応している。
【0044】
【表1】
【0045】なお、上記表1では、例えば、マイクロプ
ロセッサ2が4つの電圧制御信号D0ないしD3を出力
する場合を示している。
【0046】さらに、本実施形態に係る出力電圧調整回
路4は、電圧制御信号D0ないしD3が示す比率に基づ
いて、出力電圧VO から基準電圧Vref を生成できる。
なお、出力電圧調整回路4の構成については、後で詳細
に説明する。
【0047】例えば、マイクロプロセッサ2などの負荷
変動によって、出力電圧VO が変化すると、これに伴っ
て、基準電圧Vref が変化しようとする。ところが、レ
ギュレータ3が基準電圧Vref と上記定電圧とが一致す
るように、出力電圧VO を調整するので、レギュレータ
3は、負荷変動に関わらず、マイクロプロセッサ2へ一
定の駆動電圧VCCを安定して供給できる。
【0048】ところで、レギュレータ3は、基準電圧V
ref が所定の値となるように、出力電圧VO を調整して
いるので、出力電圧調整回路4が出力電圧VO と基準電
圧Vref との比率を変更すると、これに伴って、出力電
圧VO も変化する。具体的には、基準電圧Vref に対す
る出力電圧VO の比率が高くなればなるほど、出力電圧
O が高くなる。したがって、出力電圧調整回路4が出
力電圧VO と基準電圧Vref との比率を変更することに
よって、レギュレータ3の出力電圧VO を、例えば、駆
動電圧VCCなど、所望の値に外部から変更できる。
【0049】図1に示すように、本実施形態に係る出力
電圧調整回路4は、端子D0ないしD3(総称するとき
は符号Dで示す)の信号レベルに応じて、端子VO ・V
R 間の抵抗が変更するIC( Integrated circuit )1
1を備えている。上記端子VO には、レギュレータ3の
出力電圧VO が印加されており、端子VR は、抵抗R1
(第3抵抗)およびR2(第2抵抗)を介して接地され
ている。また、両抵抗R1・R2の接続点の電圧は、基
準電圧Vref としてレギュレータ3へ印加される。
【0050】上記IC11は、各端子D…に対応する複
数の可変抵抗部12…を備えている。当該各可変抵抗部
12は、対応する端子Dのレベルに応じて、入力端部1
3と出力端部14との間の抵抗値を変更できる。各可変
抵抗部12は、入力端部13が前段の可変抵抗部12の
出力端部14へ、出力端部14が後段の入力端部13
へ、それぞれ接続されている。また、最前段の可変抵抗
部12では、入力端部13が端子VO に接続されてお
り、最後段の可変抵抗部12では、出力端部14が端子
R に接続されている。
【0051】本実施形態では、4つの可変抵抗部12a
ないし12dが設けられており、可変抵抗部12aが端
子D0に、可変抵抗部12bないし12dが端子D1な
いしD3に、それぞれ対応している。ただし、可変抵抗
部12の数は、これに限るものではなく、外部から与え
られる電圧制御信号D…の数と同数であれば、幾つでも
よい。なお、以下では、各可変抵抗部12の部材を参照
する際、通常は、例えば、抵抗R3のように特に区別せ
ず、区別する必要がある場合には、例えば、可変抵抗部
12aの抵抗R3aのように、可変抵抗部12に付した
アルファベットと同じアルファベットを付して説明す
る。
【0052】上記各可変抵抗部12は、入力端部13と
出力端部14との間に設けられた抵抗R3(第1抵抗)
と、当該抵抗R3に並列に接続されたトランジスタTr
1と、該トランジスタTr1の導通/遮断を制御するト
ランジスタTr2とを備えている。具体的には、上記ト
ランジスタTr1のエミッタは、抵抗R3の高電位側の
端部に、コレクタは、当該抵抗R3の低電位側の端部に
接続されている。また、トランジスタTr1のベース
は、ベース電流制限用の抵抗R4を介して、トランジス
タTr2のコレクタに接続されている。さらに、トラン
ジスタTr2のベースは、対応する端子Dに接続されて
いる。なお、トランジスタTr2のエミッタは、接地さ
れている。また、トランジスタTr1のベースと、端子
O との間には、トランジスタTr2のリーク電流によ
る誤動作を防止するために、抵抗R5が設けられてい
る。
【0053】また、後述するように、トランジスタTr
1のコレクタ−エミッタ間飽和電圧Vce(sat) が可変抵
抗部12の精度に影響を及ぼすので、トランジスタTr
1として、Vce(sat) が小さい(低飽和型)PNP型の
トランジスタが用いられている。トランジスタTr1の
ce(sat) は、選択可能な出力電圧VO のステップ幅V
STの3/10倍以下に設定される。例えば、0.1V刻
みに出力電圧VO を調整したい場合は、Vce(sat) が3
0mV以下のトランジスタTr1が採用され、0.2V
刻みに調整する場合には、トランジスタTr1のV
ce(sat) は60mV以下に設定する。
【0054】各可変抵抗部12において、端子Dが1レ
ベルになると、トランジスタTr2が導通する。これに
より、トランジスタTr1のベース電位が略GNDレベ
ルになるので、トランジスタTr1は、遮断する。この
結果、可変抵抗部12において、抵抗R3の両端間の抵
抗値は、抵抗R3の抵抗値となる。一方、端子Dが0レ
ベルになると、トランジスタTr2が遮断され、トラン
ジスタTr1が導通する。この結果、可変抵抗部12に
おいて、抵抗R3両端間は、略短絡される。
【0055】これにより、各可変抵抗部12は、対応す
る端子Dの電圧レベルに応じ、トランジスタTr1の導
通/遮断を制御して、抵抗R3両端間の短絡/開放を選
択する。したがって、各可変抵抗部12において、入力
端部13と出力端部14との間の抵抗値が変化する。こ
の結果、端子D…の電圧レベルの組み合わせによって、
IC11の端子VO と端子VR との間の抵抗値を変更で
きる。
【0056】例えば、マイクロプロセッサ2が、電圧制
御信号D0ないしD3を1レベルにすると、トランジス
タTr1aないしTr1dが導通するため、上記両端子
O・VR 間の抵抗値は、略0になり、抵抗R2が出力
電圧VO に直接接続される。
【0057】この結果、出力電圧VO は、以下の式
(1)に示すように、 VO ≒Vref ×(1+R2/R1) …(1) となる。このとき、出力電圧VO は、選択可能な出力電
圧VO (セレクト電圧)中最小のVSSとなる。ただし、
実際には、トランジスタTr1aないしTr1dのコレ
クタ−エミッタ間飽和電圧Vce(sat) 分が出力電圧VO
へ加えられるが、Vce(sat) による誤差については、後
で詳細に説明する。
【0058】次に電圧制御信号D0のみが0レベルにな
ると、トランジスタTr1aのみが遮断されるため、上
記両端子VO ・VR 間の抵抗値は、R3aになる。抵抗
R3aが抵抗R2に直列に接続されるので、その分だけ
出力電圧VO が上昇する。以下は、同様に電圧制御信号
D0ないしD3の信号レベルの組み合わせによって、出
力電圧VO が調整される。
【0059】最終的に、電圧制御信号D0ないしD3全
てが0レベルになると、トランジスタTr1aないしT
r1dが遮断されるので、上記両端子VO ・VR 間の抵
抗値は、R3a+R3b+R3c+R3dとなり、抵抗
R3aないしR3dが抵抗R2に直列に接続される。
【0060】この結果、出力電圧VO は、以下の式
(2)に示すように、 VO =Vref ×(1+(R2+R3a+R3b+R3c+R3d)/R1) …(2) となる。この場合の出力電圧VO は、セレクト電圧の最
大値VSLである。
【0061】電圧制御信号D…の組み合わせによって、
両端VO ・VR 間の抵抗値を変化させて、IC11およ
び抵抗R2と、抵抗R1との分圧比を変更できる。これ
により、図2に示す出力電圧調整回路4は、電圧制御信
号D…によって、出力電圧VO と基準電圧Vref との比
率を調整できる。また、該信号D…に応じて、電源回路
1は、出力電圧VO を調整できる。
【0062】ここで、上記各抵抗R1ないしR5の抵抗
値について、詳細に説明する。また、具体的な設定例と
して、出力電圧VO を2.0Vから3.5Vまで0.1
V刻みに変化させ、かつ、レギュレータ3が基準電圧V
ref を1.25Vに保持する場合の抵抗値を算出する。
【0063】図2に示す電源回路1の動作時、レギュレ
ータ3は、基準電圧Vref が内部で生成した定電圧と一
致するように出力電圧VO を制御している。したがっ
て、抵抗R1の両端電圧(Vref )は、端子D…のレベ
ルや、負荷変動に関わらず、略一定に保たれている。こ
の結果、抵抗R1には、以下の式(3)に示すように、 IR1=Vref /R1 …(3) 略一定の電流IR1が流れる。また、抵抗R1には、抵抗
R2および抵抗R3…が直列に接続されているので、ト
ランジスタTr1…の影響を無視すれば、各抵抗R1・
R2・R3…を流れる電流は同一である。
【0064】電流IR1が低すぎると、上記レギュレータ
3において、上記基準電圧Vref と上記定電圧とを比較
する比較器(図示せず)のバイアス電流が変動した場
合、これに伴って、電流IR1が大きく変動する。この結
果、出力電圧VO の変動に関わらず、基準電圧Vref
不所望に変動し、電源回路1の安定性を低下させる。一
方、電流IR1が大きいと、電源回路1の消費電力が増大
する。
【0065】したがって、電流IR1は、レギュレータ3
の比較器のバイアス電流に起因する誤差を無視できる程
度、具体的には、バイアス電流の100倍程度に設定す
ることが望まれる。この結果、抵抗R1の抵抗値R1
は、電流IR1は、0.0数mAから数mA程度、より好
ましくは、0.01mAから1mA程度になるように、
設定される。
【0066】例えば、本実施形態に係るレギュレータ3
は、基準電圧Vref を1.25Vに保持する。したがっ
て、抵抗R1の抵抗値は、1kΩ〜100kΩ程度、よ
り好ましくは、12.5kΩに設定される。
【0067】次に、抵抗R2の抵抗値について説明す
る。本実施形態では、全ての可変抵抗部12において、
抵抗R3両端を短絡すると、IC11の端子VO と端子
R との間の抵抗値は、略0Vになるので、抵抗R2と
抵抗R1との分圧比によって、基準電圧Vref が決ま
る。したがって、抵抗R2の抵抗値は、設定可能な出力
電圧VO の最小値VSSと抵抗R1と、基準電圧Vref
から、概ね以下の式(4)に示すように、 R2=R1×(VSS/Vref −1) …(4) に設定される。
【0068】ただし、本実施形態では、セレクト電圧全
般に渡って、各可変抵抗部12の誤差gを抑えるため
に、抵抗R2の両端電圧が、後述の補正電圧Xだけ低く
なるように設定している。したがって、抵抗R2の抵抗
値は、以下の式(5)に示すように、 R2=R1×〔(VSS−X)/Vref −1〕 …(5) となる。
【0069】例えば、補正電圧Xを考慮に入れない場
合、出力電圧VO の最小値VSSが2.0Vなので、R2
の抵抗値は、7.5kΩとなる。また、補正電圧Xを4
8.3mVすると、抵抗R2の抵抗値は、7.017k
Ωとなる。なお、補正電圧Xについては、可変抵抗部1
2の誤差gと併せて、後で詳細に説明する。
【0070】また、抵抗R3の抵抗値は、セレクト電圧
それぞれに応じて設定される。本実施形態では、各抵抗
R3毎に、両端間の短絡/開放を選択し、それらの組み
合わせによって、IC11の端子VO と端子VR との間
の抵抗値を決定する。したがって、端子Dの数が決めら
れている場合、設定値の数を多くするために、各抵抗R
3の抵抗値は、互いに異なっている方がよい。また、各
セレクト電圧を均一に配置するために、各抵抗R3の抵
抗値は、次に小さい抵抗値の2倍に設定する必要があ
る。この場合、最も小さい抵抗値R3mIN は、各セレク
ト電圧のステップ幅VST、基準電圧Vref 、抵抗R1の
抵抗値とから、以下の式(6)に示すように、 R3mIN =R1・VST/Vref …(6) となる。
【0071】さらに、後述するように、各可変抵抗部1
2において、ベース電流IB による誤差g2を小さくす
るためには、低電位側の抵抗R3の抵抗値は、より高電
位側に比べて高く設定する必要がある。具体的には、各
抵抗R3の抵抗値は、当該抵抗R3の端子VO 側端部に
接続された抵抗R3、すなわち、1つ高電位側の抵抗R
3の抵抗値の2倍に設定される。
【0072】例えば、本実施形態に係るIC11は、4
つの可変抵抗部12aないし12dを備えている。した
がって、抵抗R3aないし抵抗R3dの抵抗値の比は、
R3a:R3b:R3c:R3d=1:2:4:8とな
る。また、出力電圧VO のステップVSTが0.1Vであ
ることから、抵抗R3aの抵抗値は1kΩ、抵抗R3b
ないしR3dの抵抗値は、2kΩ、4kΩ、あるいは、
8kΩに、それぞれ設定される。
【0073】また、各可変抵抗部12において、抵抗R
4は、トランジスタTr1のベース電流IB を制限して
いる。電流IB が大きいと、トランジスタTr1の電圧
誤差が大きくなり、可変抵抗部12の精度が悪化する。
一方、電流IB が小さいと、トランジスタTr1のコレ
クタ−エミッタ間飽和電圧Vce(sat) が大きくなる。し
たがって、トランジスタTr1導通時に抵抗R3の両端
間電圧が大きくなるので、やはり可変抵抗部12の精度
が悪化する。この結果、両者のバランスをとるために、
抵抗R4の抵抗値は、抵抗R4を流れる電流、すなわ
ち、トランジスタTr1のベース電流IB が電流IR1
1/10以下になるように設定される。電流の比率IB
/IR1は、1/10〜1/50程度が、さらに好まし
い。例えば、本実施形態では、抵抗R4の抵抗値は、3
00kΩに設定されている。
【0074】さらに、抵抗R5の抵抗値は、トランジス
タTr2のリーク電流によるトランジスタTr1の誤動
作を防止するために、数10kΩから数MΩ程度に設定
される。本実施形態では、例えば、抵抗R5の抵抗値
は、1MΩに設定される。
【0075】また、他の設定例として、基準電圧Vref
などが異なる場合の抵抗R1ないしR5の抵抗値を示
す。この例では、基準電圧Vref が1.26V、最小値
SSが2.0V、ステップ幅VSTが0.1Vに設定され
ている。また、電流IR1は1mA、後述する補正電圧X
は、50mVに設定される。この場合、各抵抗R1ない
しR5の抵抗値は、それぞれ、R1=1260Ω、R2
=690Ω、R3a=100Ω、R3b=200Ω、R
3c=400Ω、R3d=800Ω、R4=12kΩ、
R5=数百kΩとなる。
【0076】ここで、本実施形態に係る出力電圧調整回
路4の誤差gについて、表2ないし表6に基づいて説明
する。なお、以下では、抵抗R3の抵抗値の設定が誤差
gへ与える影響を説明するために、本実施形態と同様の
構成を持ちながら、より高電位側(端子VO )側の抵抗
R3の抵抗値が大きく設定されている場合(比較例)
と、本実施形態とを比較しながら説明する。この比較例
では、抵抗R3aないし抵抗R3dの抵抗値の比率が、
8:4:2:1に設定されている。
【0077】出力電圧調整回路4の誤差gは、トランジ
スタTr1のコレクタ−エミッタ間飽和電圧Vce(sat)
による誤差g1と、ベース電流IB による誤差g2とに
大別できる。
【0078】上記誤差g1は、トランジスタTr1導通
時において、抵抗R3が完全に短絡されないために発生
する。可変抵抗部12において、端子Dへ1レベルの信
号が印加されてトランジスタTr1が導通すると、入力
端部13および出力端部14間の電圧は、0Vになるこ
とが望まれる。しかし、実際には、トランジスタTr1
のコレクタ−エミッタ間が飽和するため、トランジスタ
Tr1の導通時において、両端部13・14間の電圧
は、コレクタ−エミッタ間飽和電圧Vce(sat) となる。
したがって、以下の表2に示すように、出力電圧調整回
路4では、導通しているトランジスタTr1の個数に応
じた誤差g1が発生する。
【0079】
【表2】
【0080】なお、上記表2では、各トランジスタTr
1において、Vce(sat) =0.1Vとしている。また、
表2および以下の表3において、1、2、4、8の見出
しを付けた列は、各可変抵抗部12a・12b・12c
・12dに、それぞれ対応している。なお、この見出し
は、可変抵抗部12…の抵抗R3の抵抗が1:2:4:
8に設定されていることを示している。
【0081】次に、誤差g2について説明する。誤差g
2は、導通しているトランジスタTr1のベース電流I
B によって、該トランジスタTr1より高電位側で抵抗
R3を流れる電流値が増加するために発生する。
【0082】本実施形態では、各抵抗R3の両端を個別
に短絡あるいは開放して出力電圧VO を変更している。
したがって、各抵抗R3の両端間の抵抗値、すなわち、
抵抗R3を流れる電流値は、他の抵抗R3の状態に関わ
らず、一定であることが望まれる。
【0083】ところが、トランジスタTr1が導通して
いる場合、該トランジスタTr1のエミッタ電流I
e は、コレクタ電流IC に比べて、ベース電流IB 分だ
け増加する。この結果、当該トランジスタTr1より高
電位側では、各抵抗R3に直列に接続されている抵抗R
1を流れる電流IR1よりも多くの電流が流れる。したが
って、上記高電位側の可変抵抗部12において、トラン
ジスタTr1が遮断され、抵抗R3へ、電流IR1より多
い電流が流れると、抵抗R3の両端間電圧は、所望の値
よりも増加する。
【0084】例えば、トランジスタTr1aのみが遮断
され、トランジスタTr1bないしTr1dが導通して
いる場合、トランジスタTr1dのエミッタ電流I
e1は、(1+IB /IC )×IR1となる。トランジスタ
Tr1cおよびTr1bでも同様にエミッタ電流Ie
増加するので、トランジスタTr1bのエミッタ電流I
e3、Ie3≒(1+3×IB /IC )×IR1となる。した
がって、抵抗R3aの両端間電圧Vは、V=(1+3×
B /IC )×IR1×R3となり、誤差g2=3×(I
B /IC )×IR1×R3だけ増加する。
【0085】したがって、以下の表3に示すように、各
可変抵抗部12において、トランジスタTr1の遮断時
に、当該トランジスタTr1よりも低電位側(端子VR
側)において導通しているトランジスタTr1の個数に
応じて、誤差g2が発生する。
【0086】
【表3】
【0087】なお、上記表3において、ベース電流IB
とコレクタ電流IC との比率IB /IC が1/10に設
定されている場合を示している。
【0088】同様にして、以下の表4および表5に示す
ように、比較例における誤差g1・g2を算出する。な
お、表中、8、4、2、1の見出しを付けた列は、各可
変抵抗部12a・12b・12c・12dに、それぞれ
対応している。なお、この見出しは、可変抵抗部12…
の抵抗R3の抵抗が8:4:2:1に設定されているこ
とを示している。
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】表2ないし表5に示すように、上記V
ce(sat) による誤差g1とIB による誤差g2は、いず
れも電圧の目標値を増加させる方向に発生する。したが
って、出力電圧調整回路4全体の誤差gは、以下の表6
に示すように、両者g1・g2の和として算出できる。
【0092】
【表6】
【0093】上記表6に示すように、本実施形態に係る
出力電圧調整回路4は、比較例に比べて、誤差gが抑制
されている。これは、誤差g2が、抵抗R3の抵抗値
と、当該抵抗R3より低電位側にて導通しているトラン
ジスタTr1の数とに依存しているためである。なお、
誤差g1は、導通しているトランジスタTr1の数にの
み依存するため、抵抗R3の抵抗値によって変化しな
い。この結果、本実施形態に係る出力電圧調整回路4の
ように、より高電位側(端子VO 側)の抵抗R3の抵抗
値を、より高く設定することによって、出力電圧調整回
路4の誤差gを削減できる。
【0094】ところで、上記誤差gは、何れも出力電圧
O を目標値より増加させる。したがって、例えば、抵
抗R2の抵抗値を予め小さく設定するなどして、出力電
圧VO の目標値を補正電圧Xだけ低下させることによ
り、セレクト電圧全体における誤差gを抑制できる。
【0095】ここで、補正電圧Xを変化させた場合、出
力電圧VO の目標値と誤差gとの関係を以下の表7およ
び表8に示す。なお、表中、設定値は、補正電圧Xを加
えた場合の出力電圧VO を示している。
【0096】
【表7】
【0097】
【表8】
【0098】上記表7および表8に示すように、各セレ
クト電圧において、誤差gは、補正電圧Xに応じて変化
する。
【0099】続いて、補正電圧Xの設定方法の一例とし
て、セレクト電圧全体に渡って、誤差gの比率の最大値
(絶対値)を抑制する場合について説明する。
【0100】補正電圧Xが0の場合、誤差gの比率が最
大になるのは、誤差gが最大なセレクト電圧のうち、最
も低いセレクト電圧Vgのときである。この場合の誤差
gをG〔V〕とする。一方、誤差gの比率が最小なの
は、最大のセレクト電圧VSLのときである。このとき
は、全てのトランジスタTr1が遮断されているので、
誤差g1・g2が共に0となり、誤差gは0である。
【0101】補正電圧Xを増加させるに従って、補正電
圧Xより大きい場合、誤差gは、減少し、補正電圧Xよ
り小さい場合、誤差gは増加する。したがって、Vg時
の誤差gの比率とVSL時の誤差gの比率とが一致するよ
うに、補正電圧Xを選択すると、誤差gの比率の最大値
(絶対値)が最も小さくなる。具体的には、以下の式
(7)に示すように、 X=G×VSL/(Vg+VSL) …(7) と設定すればよい。
【0102】ここで、補正電圧Xを設定例として、V
ce(sat) およびIC /IB を変化させた場合の、セレク
ト電圧の最小値VSSと、補正電圧Xおよび最大の誤差g
(%)との関係を以下の表9および表10に示す。
【0103】
【表9】
【0104】
【表10】
【0105】さらに、コレクタ−エミッタ間飽和電圧V
ce(sat) と、ベース電流IB /コレクタ電流IC との組
み合わせの中から、Vce(sat) が0.1V、IB /IC
が0.1の場合において、セレクト電圧の最小値V
SSと、補正電圧Xとの関係を図4に示す。表9、表1
0、式(7)および図4に示すように、セレクト電圧の
最小値VSSが増加するに従って、最適な補正電圧Xは減
少する。
【0106】なお、本実施形態に係る可変抵抗部12で
は、図1に示すように、トランジスタTr2を端子Dに
直接接続しており、端子Dが1レベル場合、トランジス
タTr1が導通するが、これに限るものではない。例え
ば、可変抵抗部12に代えて、図5に示す可変抵抗部2
1を用いてもよい。当該可変抵抗部21では、トランジ
スタTr2のベースを、抵抗R6を介して端子Dへ接続
すると共に、抵抗R7を介して、電源電圧VCCに接続し
ている。これにより、端子Dが0レベルの時にトランジ
スタTr1を導通させることができる。この場合、2進
数で表現したセレクトコードの大小と出力電圧VO (抵
抗値)の大小とが一致する。いずれにしても、端子Dの
信号レベルによって、トランジスタTr1を個別に導通
/遮断できれば、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0107】以上のように、本実施形態に係る出力電圧
調整回路4のIC11は、図1に示すように、互いに直
列に接続された抵抗R3…と、各抵抗R3…に対応する
トランジスタTr1…とを備えている。また、少なくと
も2つの抵抗R3…の抵抗値は、互いに異なって設定さ
れている。さらに、上記トランジスタTr1は、エミッ
タが対応する抵抗R3の端子VO 側に、コレクタが当該
抵抗R3の端子VR 側に接続されている。
【0108】上記構成では、各トランジスタTr1が対
応する抵抗R3に、並列に設けられている。したがっ
て、各トランジスタTr1の導通/遮断によって、対応
する抵抗R3の両端間を個別に短絡あるいは開放でき
る。この結果、各トランジスタTr1の導通/遮断の組
み合わせ、すなわち、電圧制御信号D0ないしD3の信
号レベルによって、IC11の両端子VO ・VR 間の抵
抗値を変更できる。
【0109】ところで、従来のトランジスタを用いた出
力電圧調整回路54(図8参照)では、指示された抵抗
値に対応するトランジスタTr61を導通させて出力電
圧調整回路54の抵抗値を変更している。したがって、
16種類の抵抗値を設定する場合、トランジスタTr6
1および抵抗R63が16個ずつ必要である。また、各
トランジスタTr61を駆動するために、抵抗R64お
よびR65を備えているために、トランジスタおよび抵
抗の数は、さらに多くなる。加えて、電圧制御信号D0
ないしD3のように、デジタル信号の組み合わせによっ
て抵抗値(駆動電圧VCC)を指示する場合、指示された
組み合わせから導通させるトランジスタTr61を1つ
選択するために、デコーダ61が必要である。
【0110】ところが、図1に示すように、本実施形態
に係る出力電圧調整回路4は、トランジスタTr1の導
通/遮断の組み合わせによって、IC11の両端子VO
・VR 間の抵抗値を変更する。したがって、トランジス
タTr1および抵抗R3の数は、4つずつになり、従来
に比べて大幅に削減できる。また、トランジスタTr1
の数が少ないため、例えば、トランジスタTr2や抵抗
R4・R5など、該トランジスタTr1を駆動する回路
の数も大幅に削減できる。加えて、電圧制御信号D0な
いしD3のように、2値レベルの組み合わせによって抵
抗値が指示される場合であっても、デコーダ61は不要
である。
【0111】この結果、従来に比べて、出力電圧調整回
路4の構造を大幅に簡単にできる。したがって、製造コ
ストが安く、かつ小型の出力電圧調整回路4を実現でき
る。また、回路が単純なため、信頼性が高い出力電圧調
整回路4を実現できる。
【0112】なお、本実施形態では、各可変抵抗部12
…をIC11として実現しているが、個別に設けられた
抵抗とトランジスタとによって構成してもよい。ただ
し、各部材をICに集積した場合、配線や部品点数を削
減できる。また、トランジスタおよび抵抗の特性を容易
に揃えることができるので、特性のバラツキに起因する
誤差を低減できる。この結果、高精度で、かつ、よりサ
イズの小さな出力電圧調整回路4を実現できる。特に、
ICでは、抵抗の抵抗値がバラつくことがあっても、一
般に、抵抗値の比は略正確に決定される。したがって、
各可変抵抗部12間で抵抗R3の比率(1:2:4:
8)を略正確に決定でき、誤差の低減に効果が大きい。
なお、可変抵抗部12は、トランジスタおよび抵抗によ
って構成されているので、例えば、バイポーラプロセス
を用いることによって、特に工夫せずにICを作成する
ことができる。また、CMOSプロセスを使用する場合
は、トランジスタは、MOSFETに置き換えると、本
実施形態と同様の効果が得られる。
【0113】さらに、本実施形態に係るIC11では、
抵抗R1および抵抗R2を外付けにしている。したがっ
て、両抵抗R1・R2の抵抗値を選択することによっ
て、出力電圧VO の最大値、最小値、およびステップ幅
を自由に設定できる。なお、ステップ幅は、上述の式
(6)に示すように、抵抗R3の抵抗値と、抵抗R1を
流れる電流IR1とによって設定できる。
【0114】また、本実施形態に係る出力電圧調整回路
4では、トランジスタTr1に、コレクタ−エミッタ間
飽和電圧Vce(sat) を小さいPNP型のトランジスタを
用いている。したがって、出力電圧調整回路4におい
て、Vce(sat) に起因する誤差g1を抑制できる。
【0115】さらに、本実施形態に係る抵抗R3の抵抗
値は、R3a<R3b<R3c<R3dのように、端子
O 側が小さく設定されているので、ベース電流IB
起因する誤差g2を低減できる。
【0116】加えて、R3a:R3b:R3c:R3d
=1:2:4:8のように、上記各抵抗R3の抵抗値
は、次に小さい抵抗R3の抵抗値の2倍に設定されてい
る。これにより、出力電圧VO のステップ幅VSTを一定
にできる。
【0117】また、本実施形態に係るトランジスタTr
1は、IB /IC が1/10以下に、かつ、コレクタ−
エミッタ間飽和電圧Vce(sat) が、出力電圧VO のステ
ップ幅VSTの3/10以下に設定されている。それゆ
え、出力電圧調整回路4において、トランジスタTr1
のVce(sat) およびIB に起因する誤差をさらに低減で
きる。
【0118】ところで、上記出力電圧調整回路4に要求
される誤差gは、用途によって異なる。電源回路1に使
用する場合を例にすると、マイクロプロセッサ2など、
電源回路1を使用する機器は、出力電圧VO の精度(バ
ラツキ)として、±5%程度を要望している。一方、電
源回路1を構成する他の要素は、出力電圧VO の精度を
±2.5%程度の誤差に抑制できる程度の実力を有して
いる。したがって、電源回路1に使用する場合、出力電
圧調整回路4の誤差gが±2.5%程度であれば許容さ
れる。また、誤差gの最大値(%)は、上述したよう
に、Vce(sat) あるいはIB /IC の増加に伴って増加
する。ところが、本実施形態では、Vce(s at) およびI
B /IC を上記のように設定しているので、上述表9お
よび表10に示すように、誤差gの最大値(%)は、±
2.5%以下になる。これにより、実用上十分な範囲、
すなわち、許容誤差の範囲内に、誤差gを抑えることが
できる。
【0119】さらに、本実施形態に係る出力電圧調整回
路4は、IC11の端子VR に接続された抵抗R2を備
えている。該抵抗R2の抵抗値は、上述した式(5)に
示すように、補正電圧X分だけ小さく設定されている。
これにより、セレクト電圧全体に渡って、出力電圧VO
の誤差gを削減できる。
【0120】なお、本実施形態では、上述の式(7)に
示すように、セレクト電圧全体に渡って、誤差gの比率
の最大値が小さくなるように、補正電圧Xを設定してい
るがこれに限るものではない。誤差gの最大値や合計が
問題になる場合には、これらを小さくするように、補正
電圧Xを設定すれば、本実施形態と同様の効果が得られ
る。
【0121】また、本実施形態では、抵抗R2の抵抗値
を小さくして、補正電圧Xを生成しているが、これに限
らず、電圧源を用いて補正電圧Xを生成してもよい。た
だし、この場合は、電圧源が別に必要になるため構成が
複雑になる。これに対して、本実施形態では、抵抗R3
の両端が全て短絡している場合の抵抗値を決定するため
に、通常設けられている抵抗R2を用いている。したが
って、補正電圧Xを生成する場合でも構成が複雑になら
ない。
【0122】一方、図2に示すように、本実施形態に係
る電源回路1は、上記抵抗R2の低電圧側に接続された
抵抗R1を含む出力電圧調整回路4と、当該出力電圧調
整回路4が生成した基準電圧Vref に基づいて、当該出
力電圧調整回路4、および、マイクロプロセッサ2など
の負荷へ出力電圧VO を調整するレギュレータ3とを備
えている。
【0123】したがって、負荷変動などによって、出力
電圧VO が不所望に変化しても、レギュレータ3は、基
準電圧Vref に基づいて出力電圧VO の変動を検出し
て、変動を打ち消すように出力電圧VO を調整できる。
この結果、電源回路1は、負荷へ安定して電力を供給で
きる。
【0124】また、マイクロプロセッサ2が電圧制御信
号D0ないしD3によって駆動電圧VCCを指示すると、
出力電圧調整回路4は、これに基づいて、出力電圧VO
と基準電圧Vref との比率を変更する。出力電圧調整回
路4は、従来に比べて少数のトランジスタおよび抵抗に
よって構成されているため、少ないコストアップおよび
外形の増加で、外部からのデジタル信号に対応して出力
電圧の調整が可能な電源回路1を実現できる。
【0125】また、レギュレータ3は、通常、図3に示
すように、通常、トランジスタ3aと、トランジスタや
抵抗を備えた制御部3bとを備えている。したがって、
例えば、図6に示すIC22のように、レギュレータ3
の制御部3bと、可変抵抗部12…とを集積できる。両
回路3b・12…は、どちらも、例えば、バイポーラプ
ロセスで製造できるため、容易に1チップに集積でき
る。さらに、レギュレータ3のトランジスタ3aとIC
22とを樹脂などによって固着して1デバイス化しても
よい。また、負荷が軽い場合には、レギュレータ3のト
ランジスタ3aも1チップに集積できる。これにより、
外部から与えられるデジタル信号によって、出力電圧V
O を選択可能でありながら、高精度、かつ、より小さな
電源回路1を実現できる。
【0126】なお、本実施形態では、負荷であるマイク
ロプロセッサ2が電圧制御信号D0ないしD3を指示し
ているが、これに限らず、負荷以外からの信号であって
もよい。外部からデジタル信号を与えるものであれば、
本実施形態と同様の効果が得られる。
【0127】さらに、出力電圧調整回路4は、電源回路
1の出力電圧VO を調整するために用いているが、これ
に限るものではない。外部から与えられるデジタル信号
に基づいて、抵抗値、すなわち、両端電圧を調整できる
ので、例えば、DCモータの制御など、他の用途にも広
く適用できる。
【0128】
【発明の効果】請求項1の発明に係るデジタル可変抵抗
は、以上のように、互いに直列に接続された第1抵抗の
うち、少なくとも2つは、抵抗値が互いに異なってお
り、各トランジスタは、エミッタが対応する第1抵抗の
一端に、コレクタが当該第1抵抗の他端に接続されてい
る構成である。
【0129】上記構成では、各トランジスタの導通/遮
断の組み合わせによって、デジタル可変抵抗の抵抗値を
変更できるので、トランジスタおよび第1抵抗の数を従
来より削減できる。この結果、外部からのデジタル信号
に対応した出力電圧の調整が可能なデジタル可変抵抗に
おいて、構成が簡略にできると共に、信頼性を向上でき
るという効果を奏する。
【0130】加えて、少ない数のトランジスタと抵抗と
によって構成できるので、集積しやすい。したがって、
さらに小型なデジタル可変抵抗を容易に実現できるとい
う効果を併せて奏する。
【0131】請求項2の発明に係るデジタル可変抵抗
は、以上のように、請求項1記載の発明の構成におい
て、上記トランジスタは、PNP型のトランジスタであ
る構成である。それゆえ、デジタル可変抵抗において、
トランジスタのコレクタ−エミッタ間飽和電圧に起因す
る誤差を抑制できるという効果を奏する。
【0132】請求項3の発明に係るデジタル可変抵抗
は、以上のように、請求項1または2記載の発明の構成
において、上記各第1抵抗の抵抗値は、対応するトラン
ジスタのコレクタ側に接続された上記第1抵抗の抵抗値
に比べて小さく設定されている構成である。
【0133】トランジスタのベース電流によって電流が
増加しがちなエミッタ側に、より小さな抵抗値を持つ第
1抵抗を配することによって、デジタル可変抵抗におい
て、ベース電流に起因する誤差を抑制できるという効果
を奏する。
【0134】請求項4の発明に係るデジタル可変抵抗
は、以上のように、請求項1、2、または3記載の発明
の構成において、上記各第1抵抗の抵抗値は、次に小さ
な第1抵抗の抵抗値の2倍に設定されている構成であ
る。
【0135】それゆえ、デジタル可変抵抗において、設
定可能な抵抗値のステップ幅を、最小の第1抵抗の抵抗
値に揃えることができる。したがって、デジタル可変抵
抗の設定可能な抵抗値を均一に配置できる。
【0136】請求項5の発明に係るデジタル可変抵抗
は、以上のように、請求項4記載の発明の構成におい
て、コレクタ電流に対するベース電流の比率が0.1以
下であると共に、コレクタ−エミッタ間飽和電圧が、最
も抵抗値の小さな第1抵抗の両端電圧の0.3倍以下で
ある構成である。
【0137】それゆえ、デジタル可変抵抗において、ト
ランジスタのコレクタ−エミッタ間飽和電圧およびベー
ス電流に起因する誤差をさらに低減できるという効果を
奏する。
【0138】請求項6の発明に係るデジタル可変抵抗
は、以上のように、請求項1、2、3、4、または5に
記載の発明の構成において、上記第1抵抗に直列に接続
された第2抵抗を備え、上記第2抵抗の抵抗値は、各ト
ランジスタのベース電流およびコレクタ−エミッタ間飽
和電圧に起因する誤差を補償するように、当該デジタル
可変抵抗の最小抵抗値よりも小さく設定されている構成
である。
【0139】上記構成では、各トランジスタのコレクタ
−エミッタ間飽和電圧およびベース電流に起因する誤差
は、いずれもデジタル可変抵抗の抵抗値を増加させる。
したがって、第2抵抗の抵抗値を予め小さく設定するこ
とによって、デジタル可変抵抗の設定可能な抵抗値全般
において、誤差を低減できるという効果を奏する。
【0140】請求項7の発明に係る電源装置は、以上の
ように、請求項1、2、3、4、5または6記載のデジ
タル可変抵抗と、上記デジタル可変抵抗の一端に接続さ
れた第3抵抗と、上記デジタル可変抵抗と第3抵抗との
接続点の電位に基づいて、負荷および上記デジタル可変
抵抗の他端へ出力する電圧レベルを増減する電圧調整手
段とを備えている構成である。
【0141】上記構成では、外部からのデジタル信号に
対応して、出力電圧の調整が可能な電源装置が、デジタ
ル信号によって出力電圧を調整しない従来の電源装置に
比べて、少ないコストアップおよび外形の増加で実現で
きるという効果を奏する。
【0142】加えて、電圧調整手段に設けられたトラン
ジスタや抵抗と、上記デジタル可変抵抗とは、容易に集
積できるので、外部からのデジタル信号によって出力電
圧を調整可能な電源装置を、より小型化できるという効
果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、出力電
圧調整回路の要部を示す回路図である。
【図2】上記出力電圧調整回路を備えた電源回路の要部
を示すブロック図である。
【図3】上記電源回路において、レギュレータの要部を
示す構成図である。
【図4】上記出力電圧調整回路において、最大セレクト
電圧と補正電圧との関係の一例を示すグラフである。
【図5】上記出力電圧調整回路の一変形例を示すもので
あり、可変抵抗部を示す回路図である。
【図6】上記電源回路の一変形例を示すものであり、レ
ギュレータ周辺を示すブロック図である。
【図7】従来例を示すものであり、電源回路の要部を示
すブロック図である。
【図8】従来例を示すものであり、出力電圧調整回路の
要部を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 電源回路(電源装置) 3 レギュレータ(電圧調整手段) 4 出力電圧調整回路(デジタル可変抵抗) Tr1 トランジスタ R1 抵抗(第3抵抗) R2 抵抗(第2抵抗) R3 抵抗(第1抵抗)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直列に接続された複数の第1抵抗と、上記
    各第1抵抗に対応するトランジスタとを有するデジタル
    可変抵抗において、 上記第1抵抗のうち、少なくとも2つは、抵抗値が互い
    に異なっており、 上記各トランジスタは、エミッタが対応する第1抵抗の
    一端に、コレクタが当該第1抵抗の他端に接続されてい
    ることを特徴とするデジタル可変抵抗。
  2. 【請求項2】上記トランジスタは、PNP型のトランジ
    スタであることを特徴とする請求項1記載のデジタル可
    変抵抗。
  3. 【請求項3】上記各第1抵抗の抵抗値は、対応するトラ
    ンジスタのコレクタ側に接続された上記第1抵抗の抵抗
    値に比べて小さく設定されていることを特徴とする請求
    項1または2記載のデジタル可変抵抗。
  4. 【請求項4】上記各第1抵抗の抵抗値は、次に小さな第
    1抵抗の抵抗値の2倍に設定されていることを特徴とす
    る請求項1、2、または3記載のデジタル可変抵抗。
  5. 【請求項5】コレクタ電流に対するベース電流の比率が
    0.1以下であると共に、 コレクタ−エミッタ間飽和電圧が、最も抵抗値の小さな
    第1抵抗の両端電圧の0.3倍以下であることを特徴と
    する請求項4記載のデジタル可変抵抗。
  6. 【請求項6】上記第1抵抗に直列に接続された第2抵抗
    を備え、 上記第2抵抗の抵抗値は、各トランジスタのベース電流
    およびコレクタ−エミッタ間飽和電圧に起因する誤差を
    補償するように、当該デジタル可変抵抗の最小抵抗値よ
    りも小さく設定されていることを特徴とする請求項1、
    2、3、4、または5記載のデジタル可変抵抗。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5または6記載の
    デジタル可変抵抗と、 上記デジタル可変抵抗の一端に接続された第3抵抗と、 上記デジタル可変抵抗と第3抵抗との接続点の電位に基
    づいて、負荷および上記デジタル可変抵抗の他端へ出力
    する電圧レベルを増減する電圧調整手段とを備えている
    ことを特徴とする電源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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