JPH10219155A - 塗膜剥離用組成物および塗膜剥離方法 - Google Patents

塗膜剥離用組成物および塗膜剥離方法

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JPH10219155A
JPH10219155A JP2680297A JP2680297A JPH10219155A JP H10219155 A JPH10219155 A JP H10219155A JP 2680297 A JP2680297 A JP 2680297A JP 2680297 A JP2680297 A JP 2680297A JP H10219155 A JPH10219155 A JP H10219155A
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coating film
composition
weight
coated
coating
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Ikuo Kawakami
育雄 河上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被塗物上の塗膜を、被塗物に悪影響を与える
ことなく、確実に剥離する。 【解決手段】 式R1 O−Xn−R2 (式中、R1 及び
2 は炭素数1〜12のアルキル基、Xはエチレンオキ
シド基又はプロピレンオキシド基、nは1〜10)のエ
チレングリコールジエーテル又はプロピレングリコール
ジエーテルを1〜95重量%、硝酸を5〜30重量%、
残部が水からなる組成物に被塗物を浸漬した後、上記エ
チレングリコールジエーテル又はプロピレングリコール
ジエーテルを含有した水溶液でリンスし、その後、エア
ブロー等の物理力を与えて塗膜を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被塗物上の樹脂塗
膜を剥離するために使用する塗膜剥離用組成物および塗
膜剥離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐候性や外観の向上、商標の印刷等を目
的として、金属製の部品および製品の表面にラッカー、
ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂およびアクリ
ル樹脂等をはけ塗り、スプレー塗付、静電吸着、粉体お
よび電着などの方法で塗装することが行われている。多
くの場合、これらの塗装工程においては、しばしば発生
する塗装不良品の再生、被塗物を固定するハンガー等の
治具の再利用のため、塗膜の除去が行われている。また
塗膜の除去は、製造工程のみならず、使用している製品
の補修や塗り替え、使用後の製品のリサイクルのときに
も行なわれている。これらの表面の塗膜の除去は、被塗
物自体にできるだけ損傷を与えずに行なう必要から、剥
離剤を用いる方法が一般的である。例えば、特公昭62
−12319号公報には、有機酸、有機溶媒および界面
活性剤を含む剥離剤を用い、樹脂塗膜を剥離剤で膨潤さ
せて剥離する方法が示されている。また特公昭51−3
1807号公報には、20〜40重量%の硝酸を用いた
剥離方法が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭62−
12319号公報に開示されている有機酸、有機溶媒お
よび界面活性剤を含む剥離剤は、塗装前の金属表面に防
錆性、塗膜の付着性の向上等を目的として行われる化成
処理によって形成したリン酸亜鉛、リン酸クロムおよび
クロメート等の化成皮膜の剥離には有効でない。そのた
め、化成皮膜とこれに強固に付着している一部の塗膜が
残存し易いという問題がある。
【0004】これに対し、剥離剤と接触させて膨潤した
塗膜に水を噴射させることが行われているが、この方法
では、有機酸、有機溶媒を滲出して膨潤前の状態に戻っ
て剥離し難くなるため、極力、短時間で剥離しなければ
ならず、塗膜が残存したときは、塗膜を剥離するため、
剥離剤に再度接触させて塗膜を膨潤させる必要があると
いう問題もある。
【0005】特公昭51−31807号公報に開示され
ている硝酸のみを含む剥離剤では、常温に近い20℃で
アルミ缶を浸漬した場合、全て剥離するのに最低でも約
250時間要する。このように長時間を要するのは、樹
脂塗膜がほとんど膨潤しないためである。また、長時間
の浸漬を行なうと、その間にアルミニウムの溶解が進行
するという問題もある。このアルミニウムの溶解は、7
0℃での浸漬においても同様に発生するものである。
【0006】本発明はこのような従来の問題点を考慮し
てなされたものであり、被塗物上の樹脂塗膜を剥離する
のに有効な塗膜剥離用組成物、および塗膜を膨潤前の状
態に戻すことのない塗膜剥離方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の塗膜剥離用組成
物は総重量を基準として、以下の(A),(B),
(C)を含み、且つ実質量の塩素系溶剤を含まない組成
物である。 (A)式1からなるエチレングリコールジエーテル又はプロピレングリコールジ エーテル 1〜95重量% R1 O−Xn−R2 ・・・・式1 (式中R1 およびR2 は独立に炭素数1〜12のアルキル基であり、Xは各々 独立にエチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基であり、nは1〜10であ る。) (B)硝酸 5〜50重量% (C)水 残分
【0008】本発明の塗膜剥離用組成物は、実質量の塩
素系溶剤を含んでいない。「実質量を含まない」とは、
塩素系溶剤が5重量%未満、好ましくは2重量%未満、
より好ましくは0.1重量%未満であることを意味す
る。最も好ましくは本発明の塗膜剥離用組成物は塩素系
溶剤を含まない。
【0009】本発明の塗膜剥離用組成物は、上記成分
(A)を1〜95重量%含有する。5重量%未満では、
塗膜の種類によっては剥離しないことがあり、50重量
%を越えると剥離液自体が高価になる。この成分(A)
の配合比として、好ましくは5〜50、より好ましくは
10〜30重量%である。10重量%未満では、塗膜の
種類によっては剥離に長時間を要することがあり、30
重量%を越えると塗膜の種類によっては溶解して剥離液
を汚すことがある。成分(B)については、5〜50、
好ましくは10〜40、より好ましくは20〜30重量
%含有し、残分として水(C)を含む。本発明の塗膜剥
離用組成物の成分(A)として用いられる式1のエチレ
ングリコールジエーテルおよぴプロピレングリコールジ
エーテルは、成分(B)に示した上記範囲内において、
硝酸により分解したり、過酸化物を生成しない。
【0010】式1において、R1 およびR2 は独立に1
〜12、好ましくは1〜4、より好ましくは1または2
個の炭素原子を有するアルキル基である。このアルキル
基は、直鎖または分岐鎖のいずれであっても良い。この
アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、
ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウン
デシル、ドデシル基を選択できる。これらのアルキル基
のうち、メチル、エチル基が好ましい。他のアルキル基
を有するジエーテルより極性が高く、極性の高い成分
(B)、(C)に相溶しやすく分離しにくいからであ
る。
【0011】式1のより好ましいジエーテルとしては、
1 ,R2 の両方がメチルであるもの、R1 ,R2 の両
方がエチルであるもの、およびR1 ,R2 の一方がメチ
ルで他方がエチルであるものである。最も好ましくは、
R1,R2の両方がエチルであるものである。
【0012】Xは各々独立にエチレンオキシド基もしく
はプロピレンオキシド基であり、好ましくは、Xはすべ
て同じである。nは1〜10、好ましくは、1〜5、よ
り好ましくは1、2または3である。
【0013】式1のジエーテルの好ましい例は、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ト
リエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレン
グリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコール
エチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチル
エーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、
ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールエチルメチルエーテル、トリプロピレング
リコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコール
ジエチルエーテルおよびトリプロピレングリコールエチ
ルメチルエーテルである。
【0014】式1の異なるジエーテルのブレンドも有効
であるが、その総量は本発明の塗膜剥離用組成物の成分
(A)に示した上記範囲内が良好である。本発明の塗膜
剥離用組成物では、成分(B)に示した上記範囲外、即
ち50重量%以上のものは可燃性物質を発火させる危険
性を有する為、有機物である塗膜の剥離に用いるには適
当ではない。また、5重量%未満のものでは、塗膜が剥
離しないことが多くなる為、用いるには適当ではない。
【0015】本発明では、被塗物からラッカー、ビニル
樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂
等の1つ以上の層からなる塗膜を除去するために、被塗
物を本発明の組成物に接触させる。被塗物と塗膜剥離用
組成物の接触は浸漬が良好であるが、これに限らず、塗
布、スプレー噴射等、他の公知の方法を用いても良い。
被塗物を浸漬させる際の塗膜剥離用組成物の温度は、周
囲と同程度が都合が良いが、これに限らず、周囲温度よ
りも高くても低くてもよい。
【0016】被塗物自体の材質として、金属、セラミッ
ク、プラスチックおよびこれらの組み合わせを利用でき
るが、本発明の塗膜剥離用組成物の使用においては、金
属上の塗膜の除去が適しており、最も適しているのは、
金属と塗膜の間にリン酸亜鉛、リン酸クロムおよびクロ
メート等の化成皮膜が存在する被塗物である。
【0017】被塗物が本発明の塗膜剥離用組成物に接触
することにより、被塗物表面の塗膜に塗膜剥離用組成物
が浸透して実質的に被着力が緩められる。被塗物が金属
であって化成皮膜が形成されている場合、化成皮膜は塗
膜剥離用組成物の成分である硝酸によって分解されるた
め、塗膜は下地より剥離する。
【0018】本発明の塗膜剥離方法は、請求項1に記載
の塗膜剥離組成物に被塗物を接触させる剥離工程と、式
1のエチレングリコールジエーテル又はプロピレングリ
コールジエーテル5〜100重量%、残分として水を含
み、かつ実質量の酸性もしくは塩基性化合物を含まない
リンス用組成物に剥離工程後の被塗物を接触させるリン
ス工程と、リンス工程後の被塗物に物理力を作用させて
塗膜を除去する除去工程と、を備えていることを特徴と
する。
【0019】本発明の剥離方法に用いられるリンス用組
成物は、5〜100、好ましくは5〜50、より好まし
くは10〜30重量%の式1のエチレングリコールジエ
ーテルもしくはプロピレングリコールジエーテルを含
む。このジエーテルは上述した本発明の塗膜剥離用組成
物のジエーテルと異なる物であっても構わないが、同じ
ジエーテルであることが好ましい。被塗物を接触させる
際のリンス用組成物の温度は、周囲と同じ温度にすると
都合がよいが、それより高くても低くてもよい。被塗物
に与える物理力は、ブラッシング、エアブロー等それ自
体公知のものが使用できる。
【0020】本発明の塗膜剥離用組成物に充分に接触さ
せた被塗物表面の塗膜は、被塗物から完全に剥離されて
いることもあるが、多くの場合は部分的に剥離し、残り
の塗膜が剥離し易い状態になっている。この状態の塗膜
に対しては、本発明の塗膜剥離用組成物が浸透してい
る。
【0021】本発明では、塗膜に浸透した塗膜剥離用組
成物をリンス用組成物に置換させるため、リンス用組成
物に被塗物を接触させる。被塗物とリンス用組成物の接
触は浸漬に限らず、塗布、スプレー噴射等、公知の方法
を用いることができる。
【0022】リンス用組成物に被塗物を十分に浸漬した
のち、被塗物にエアーブロー等の物理力を与えて塗膜を
完全に除去する。本発明の剥離方法では、リンス用組成
物に実質量の酸性もしくは塩基性化合物を含まないこと
から、被塗物にエアブロー等の物理力を与えて塗膜を除
去する際に、リンス用組成物及び塗膜が飛散しても、人
体に害をほとんど与えないという利点を有する。また、
万一、被塗物の浸漬が不十分で、エアブロー後の被塗物
に塗膜が残存した場合、リンス用組成物に再度浸漬する
必要があるが、塗膜に浸透しているリンス用組成物がエ
アブローによってほとんど滲出しないため、浸漬時間が
長くならないという利点もある。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)被塗物として、5000系アルミニウ
ム合金(Al−Mg−Si系)からなり、50mm×2
5mm×5mmの板状のテストピースを使用した。この
被塗物を常法により脱脂、酸洗した。その後、表面処理
剤アロジン1200(日本パーカライジング(株)製)
を7.5g/リットル、濃度調整剤AJ−4763(日
本パーカライジング(株)製)を1.24g/リットル
含むクロメート処理液を35℃に加温し、被塗物を1分
間浸漬して、クロメート皮膜処理を施した。次に、この
表面処理後の被塗物の表面にポリエステル樹脂ベースの
市販のペイントまたはポリウレタンコーティング組成物
をはけ塗りした。次いでこの被塗物をオーブンに入れ、
50℃で48時間乾燥した。
【0024】一方、これとは別に表面処理後の被塗物に
電極を取り付け、市販のアクリル樹脂型アニオン型電着
塗料、またはエポキシ樹脂ベースのカチオン型電着塗料
を用いて電着塗装を行なった。電着塗料の液温は常温と
し、200V、3分間の処理後、未電着の持ち出し塗料
を水洗で除去し、80℃、10分の予備乾燥後、180
℃で30分の加熱硬化を行なった。
【0025】以上のようにして塗装した被塗物を塗膜剥
離用組成物および比較溶媒に常温で16時間浸漬した。
結果を表1に示す。表1の「○」は浸漬後、塗膜が膨
潤、軟化および部分的に剥離して物理的な剥離が十分に
可能になったもの、「×」は、そうでないものである。
【0026】表1において、総重量%が100重量%と
なっていないものは、残分として水を混合したものであ
る。又、「EDE」はジエチレングリコールジエチルエ
ーテル、「MDM」はジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、「EDM」はジエチレングリコールエチルメチ
ルエーテル、「MDPOM」はジプロピレングリコール
ジメチルエーテル、「MTPOM」はトリプロピレング
リコールジメチルエーテルの略記である。これらのジエ
ーテルは東邦化学工業(株)製のものを使用した。な
お、「*」は本発明の例ではない比較溶液である。
【0027】
【表1】
【0028】表1は、ジエーテルおよび硝酸が単独で、
もしくはジエーテルと請求の範囲に示した量未満の硝酸
を混合した場合よりも、ジエーテルと硝酸を共に請求の
範囲に示した量だけ混合した場合の方が塗膜の剥離にお
いて等しいか若しくはより有効であることを示してい
る。表1から20重量%のジエーテル、30重量%の硝
酸および残分としての水を含む塗膜剥離用組成物は、ク
ロメート処理を施し、次いで各種塗装を施したアルミニ
ウム合金製のテストピースから塗膜を剥離することがで
きている。
【0029】(実施の形態2)被塗物として、鉄製から
なり、50mm×25mm×5mmの板状のテストピー
スを使用した。この被塗物を常法により脱脂、酸洗し
た。その後、所定濃度に希釈した処理剤パルボンドL1
8(日本パーカライジング(株)製)に被塗物を常温で
5分間浸漬して、リン酸亜鉛皮膜を形成した。次に、こ
の表面処理した被塗物に、実施の形態1と同様の各種塗
装を施した。
【0030】そして、塗装した被塗物を、実施の形態1
と同様に、塗膜剥離用組成物および比較溶液に常温で1
6時間浸漬した。その結果、実施の形態1とほぼ同じ剥
離を示した。実施の形態1と異なる点は、硝酸の濃度が
20重量%以下では、リン酸亜鉛皮膜の消失と共に鉄素
地の腐食が急速に進行した点である。この実施の形態で
は、20重量%のジエーテル、30重量%の硝酸および
残分としての水を含む塗膜剥離用組成物が、リン酸亜鉛
処理を施し、次いで各種塗装を施した鉄製のテストピー
スから塗膜を良好に剥離することができた。
【0031】(実施の形態3)被塗物として、5000
系アルミニウム合金(Al−Mg−Si系)からなる5
0mm×25mm×5mmのテストピースを使用した。
この被塗物を常法により脱脂、酸洗した。その後、所定
濃度に希釈した表面処理剤アロジン407(日本パーカ
ライジング(株)製)とアロジン47(日本パーカライ
ジング(株)製)とを含むクロメート処理液を35℃に
加温し、これに被塗物を2分間浸漬して、クロメート皮
膜処理を施した。次に、この表面処理した被塗物に電極
を取り付け、市販のアクリル樹脂型アニオン型電着塗料
を用いて電着塗装を行なった。電着塗料の液温は常温と
し、200V,3分間の処理後、未電着の持ち出し塗料
を水洗で除去し、80℃、10分の予備乾燥後、180
℃で30分の加熱硬化を行なった。
【0032】このようにして塗装した被塗物を、表1の
20重量%のジエチレングリコールジエチルエーテルと
30重量%の硝酸と50重量%の水からなる塗膜剥離用
組成物に常温で16時間浸漬した。この浸漬後、表2に
示す順序により、リンス及び/又は物理力を与えた。結
果を表2に示す。「○」は塗膜が完全に除去されたも
の、「×」は除去されないものを示す。
【0033】表2において、リンス用組成物の残分は水
である。又、「EDE」はジエチレングリコールジエチ
ルエーテルの略記であり、「*」は本発明の例ではない
比較用リンス液である。
【0034】
【表2】
【0035】表2は、塗膜剥離用組成物に浸漬後の被塗
物を30重量%のジエチレングリコールジエチルエーテ
ルからなるリンス用組成物に浸漬した後、エアブローあ
るいはブラッシングの物理力を与えることが、塗膜の剥
離において有効であることを示している。表2はまた、
リンス用組成物として、ジエチレングリコールジエチル
エーテルが請求の範囲に示した量未満の場合よりも、請
求の範囲に示した量だけ混合した場合の方が塗膜の剥離
においてより有効であることを示している。表2は更
に、塗膜剥離用組成物が浸透して被着力が緩められた塗
膜をシャワー水洗で除去する方法は無効であることと、
シャワー水洗によって塗膜から塗膜剥離用組成物が滲出
した後では、リンス用組成物に短時間浸漬しても元の緩
められた状態には戻り難いことを示している。
【0036】このような実施の形態では、20重量%の
ジエチレングリコールジエチルエーテルと30重量%の
硝酸と50重量%の水との混合からなる塗膜剥離用組成
物に被塗物を浸漬させ、次いで30重量%のジエチレン
グリコールジエチルスーテルからなるリンス用組成物に
浸漬させたのち、被塗物にエアブローあるいはブラッシ
ングの物理力を与えることにより、塗膜を膨潤前の状態
に戻すことなく剥離することができた。
【0037】本発明は以下の発明を含有している。 (1) 総重量を基準として、以下の(A),(B),
(C)を含み、且つ実質量の塩素系溶剤を含まない塗膜
剥離用組成物。 (A) 式1からなるエチレングリコールジエーテル又はプロピレングリコール ジエーテル 1〜95重量% R1 O−Xn−R2 ・・・・式1 (式中R1 およびR2 は独立にエチル基又はメチル基であり、Xは各々独立に エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基であり、nは1〜10である。) (B)硝酸 5〜50重量% (C)水 残分
【0038】(2) 上記(1)項における式1のエチ
レングリコールジエーテル又はプロピレングリコールジ
エーテルが5〜50重量%、硝酸が10〜40重量%で
あり、残分として水を含むことを特徴とする塗膜剥離用
組成物。
【0039】
【発明の効果】本発明の塗膜剥離用組成物では、被塗物
上に樹脂塗膜を被塗物に悪影響を与えることなく、確実
に剥離することができる。
【0040】又、本発明の塗膜剥離方法では、塗膜剥離
用組成物の膨潤前の状態に塗膜を戻すことなく、剥離す
ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 総重量を基準として、以下の(A),
    (B),(C)を含み、且つ実質量の塩素系溶剤を含ま
    ない塗膜剥離用組成物。 (A) 式1からなるエチレングリコールジエーテル又はプロピレングリコール ジエーテル 1〜95重量% R1 O−Xn−R2 ・・・・式1 (式中R1 およびR2 は独立に炭素数1〜12のアルキル基であり、Xは各々 独立にエチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基であり、nは1〜10であ る。) (B)硝酸 5〜50重量% (C)水 残分
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の塗膜剥離用組成物に被
    塗物を接触させる剥離工程と、式1のエチレングリコー
    ルジエーテル又はプロピレングリコールジエーテル5〜
    100重量%、残分として水を含み、かつ実質量の酸性
    もしくは塩基性化合物を含まないリンス用組成物に剥離
    工程後の被塗物を接触させるリンス工程と、リンス工程
    後の被塗物に物理力を作用させて塗膜を除去する除去工
    程と、を備えていることを特徴とする塗膜剥離方法。
JP2680297A 1997-02-10 1997-02-10 塗膜剥離用組成物および塗膜剥離方法 Withdrawn JPH10219155A (ja)

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