JPH10215818A - 肉食品の発色助剤 - Google Patents
肉食品の発色助剤Info
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Abstract
食品の赤味発色を高めることができる発色助剤を提供す
る。 【解決手段】 食用蛋白質を蛋白質分解酵素で分解して
得られる分子量3000以下のペプチドを含む肉食品の発色
助剤。ペプチドとして、乳ペプチド、コーンペプチド、
大豆ペプチド、卵白ペプチド、魚肉ペプチド等が好まし
い。特に好ましいのは、乳蛋白質を蛋白質分解酵素で分
解した生成物をエタノール水溶液で抽出した後、該抽出
液を固液分離した上清から得られた乳ペプチド、または
乳蛋白質を蛋白質分解酵素で分解し、次いで乳酸発酵ま
たは乳酸添加を行ない、必要に応じてアルカリを添加し
てpH調整を行うことにより得られた乳ペプチドであ
る。
Description
分野に属し、特に、肉食品の発色を促進するための新規
な発色助剤に関する。
肉製品においては、商品価値を高め購買意欲を引き起こ
すために、赤味色(鮮紅色)を促進する添加剤が使用さ
れている。従来より肉製品の発色剤として添加が認めら
れているのは亜硝酸またはその塩である。亜硝酸が添加
されると、肉の還元作用により生じた一酸化窒素が肉中
のミオグロブリンと反応することによって呈色が起こる
ものと解されている。一般には、この発色効果を助長す
る目的でアスコルビン酸またはその塩などの発色助剤が
併用されることが多い。
ン物質(ニトロソアミン)を生成する可能性があること
が見出され、その使用をできるだけ抑制すべきであると
指摘されている。従来より採用されているアスコルビン
酸(塩)などの発色助剤では、亜硝酸(塩)の使用量を
減少させると所望の発色効果を得ることはできない。そ
こで、亜硝酸(塩)の使用を可及的に削減させて、効果
的に発色を高めることのできる新しいタイプの発色助剤
の開発が望まれる。
いられている亜硝酸(塩)による肉食品の発色処理にお
ける効果的な発色助剤について研究を重ねたところ、各
種の食用蛋白質由来のペプチドには、肉食品の発色を高
める機能があることを発見し、本発明を導き出した。
分解酵素で分解して得られる分子量3000以下のペプチド
を含むことを特徴とする肉食品の発色助剤を提供するも
のである。本発明の肉食品の発色助剤に含まれる好適な
ペプチドとしては、乳ペプチド、コーンペプチド、大豆
ペプチド、卵白ペプチド、魚肉ペプチド等がある。
蛋白質を蛋白質分解酵素で分解した生成物をエタノール
水溶液で抽出した後、該抽出液を固液分離した上清から
得られるペプチドである。別の好ましい例は、乳蛋白質
を蛋白質分解酵素で分解し、次いで乳酸発酵または乳酸
添加を行い、必要に応じてアルカリを添加してpH調整
を行うことにより得られる乳ペプチドである。
用蛋白質)を蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)で分解
(加水分解)し低分子化して得られるペプチドを用いる
と、亜硝酸(塩)の使用量を減少させても肉製品の発色
(赤味色ないしは鮮紅色)が認められるということに基
づくものである。本発明者が見出した事実によれば、驚
くべきことに、このような発色効果が奏されるのは、特
定の蛋白質由来のペプチドに限定されるものではなく、
さらに特定の蛋白質分解酵素により分解されて得られる
ペプチドに限られず、多くのペプチドにおいて一般に分
子量が3000以下の成分が大部分を占めるようになると亜
硝酸(塩)を大幅に減少させても優れた発色効果が発現
されることが確認されている。
亜硝酸塩の使用量を激減させても優れた発色効果が発揮
される理由は未だ分からないが、蛋白質が蛋白質分解酵
素でオリゴペプチドのレベルにまで低分子化されると蛋
白質の高次構造がくずされて、肉食品の退色化を促進す
る酸化を抑制する作用あるいは還元作用が発現されるよ
うになるものと推測される。
ては、分子量3000以下の成分を可及的に多く含有するよ
うな分子量分布を有するものを用いる。実用上受け入れ
られるような肉製品の赤味発色効果を得るには、一般的
に、分子量3000以下の成分が約60%以上、好ましくは約
70%以上を占めるようにする。なお、本発明に関して用
いる分子量は、特に言及していない限りHPLC(高速
液体クロマトグラフィー)で測定されたものである。
動物性蛋白質または植物性蛋白質を問わず、各種の食用
蛋白質が蛋白質分解酵素で分解されることによって得ら
れるものである。好適な動物性蛋白質由来のペプチドの
例としては、乳ペプチド、卵白ペプチド、魚肉ペプチド
等がある。また、植物性蛋白質由来のペプチドとして
は、コーンペプチド、大豆ペプチド等が好適である。
するペプチドを得るための蛋白質分解酵素は特に限定さ
れるものではない。例えば、好適な蛋白質分解酵素とし
ては、ペプシン、アクチナーゼ、スミチームなどがあ
る。本発明者は、乳蛋白質を加水分解して乳ペプチドを
得るには、微生物由来の酵素、たとえば、アルカラーゼ
およびフレーバーザイムと称されているものが優れてい
ることを見出しているが、これに限られるものではな
い。 なお、アルカラーゼは、ノボノルディスク(Novo
Nordisk) 社から販売され、Bacillus licheniformisか
ら得られるエンド型プロテアーゼであり、その主要な酵
素成分は、サブティリシンA(Subtilisin Carlsberg)
であり、活性中心はセリンである。また、フレーバーザ
イムは、やはりノボノルディスク(Novo Nordisk)社か
ら販売され、Aspergillus oryzae由来のエンド型プロテ
アーゼとエキソ型プロテアーゼの両活性を有する複合酵
素である。
や反応時間などの反応条件は用いる酵素によって幾分異
なるが、前述したような分子量(分子量分布)のペプチ
ドを得られるように分解反応を実施すればよい。本発明
の発色助剤を得るのに好適な酵素の1種であるアルカラ
ーゼやフレーバーザイムの場合、加水分解反応は一般に
50〜55℃において2〜24時間行われる。反応は、一般
に、高温下に加熱(例えば、90℃で20〜30分間)して酵
素を失活させることにより終了させる。
適なペプチドの例は乳ペプチド、すなわち、乳蛋白質を
含有する各種の乳製品を蛋白質分解酵素で分解すること
によって得られるものである。使用可能な乳製品は、一
般に、生乳、牛乳(普通牛乳)、脱脂乳、加工乳、濃縮
乳、各種乳飲料などの液状乳であるが、粉末状、固形
状、またはゼリー状の乳製品を再溶解または懸濁して得
られるような液状物も同様に適用される。例えば、粉状
脱脂乳、粉状ホエー等を液状化したものを原料として酵
素分解することによっても本発明の発色助剤を得ること
ができる。
白質(乳製品)を蛋白質分解酵素で分解した生成物をエ
タノール水溶液(一般に50%エタノール)で抽出した
後、該抽出液を固液分離(例えば、遠心分離)した上清
から得られるものが好ましい。このような乳ペプチド
は、上述したような分子量3000以下のペプチド成分を多
量に含んでいるので特に発色効果が優れている。 ま
た、発色助剤として乳ペプチドを用いる場合、蛋白質分
解酵素による分解に次いで、乳酸発酵または乳酸添加を
行ってもよい。
定されるものではなく、市販されているものでもよい。
好適な乳酸菌の例としては、Lactobacillus bulgaricus
とStreptococcus thermophilusの混合菌体であり、この
菌体はハンセン社より凍結乾燥菌体として販売されてい
るものである。乳酸発酵は、pHが4.0 〜5.0 (好まし
くはpH約4.5)になるまで実施し、所定のpHになるま
で発酵を行わせた後、加熱殺菌(例えば、65℃で30分
間)して発酵反応を停止させる。
て発色効果の優れた発色助剤が得られるが、蛋白質分解
酵素による分解生成の後に乳酸発酵の代わりに、乳酸を
添加してpHを4.0 〜5.0 (好ましくはpH約4.5)とす
ることによっても同様に発色効果の優れた発色助剤が得
られる。
たものから得られる発色剤は発色効果の点で優れている
が、得られる食品の酸味が幾分強くなる傾向がある。そ
こで、本発明の好ましい態様に従えば、発色助剤を調製
するに当たり、乳酸発酵後または乳酸添加後、アルカリ
(例えば、NaOH)を添加してpHを5.5 〜6.5 に調
整する。
ペプチドの他、各種の食用蛋白質由来のペプチドが使用
され得る。それらのペプチドは、各食用蛋白質を蛋白質
分解酵素で所定の分子量(分子量分布)になるまで低分
子化することによって容易に得ることができる。さら
に、本発明者は、予め蛋白質分解酵素による処理を受け
食品添加剤や栄養補給剤等として市販されている各種の
ペプチド素材もそのまま使用できることを見出してい
る。
プチドの例としては、コーンペプチドである「ペプチー
ノ」(日本食品化工株式会社製)、大豆ペプチドである
「ハイニュート」(不二製油株式会社製)、卵白ペプチ
ドである「卵白ペプタイドEP−1」(キューピー株式
会社製)、魚肉ペプチドである「ペプタイドF−2−3
0」(仙味エキス株式会社製)などが挙げられる。 本
発明の発色助剤は、酵素分解後の液状で供することもで
きるが、一般的には酵素分解を受けた後(場合によって
は、上述したような付加的な処理工程を受けた後)に乾
燥された粉状物である。乾燥は、一般に、凍結乾燥また
はスプレードライ(噴霧乾燥)による。また、単一のペ
プチドのみならず、複数種のペプチドを混合して本発明
の発色助剤とすることもできる。
種の肉食品に適用でき、特に、各種の畜肉および魚肉由
来のソーセージ、ハム、ベーコン、コーンビーフ、缶詰
などの食品の発色に効果的である。本発明の発色助剤
は、一般に、ケーシング前に、亜硝酸塩の他、食品の調
整、加工に用いられる各種の添加剤とともに食品に添加
されて混合される。
使用を完全になくすことはできないが、現在一般的に実
施されている亜硝酸塩の使用量(75ppm 〜85ppm)の約1
/2〜1/5程度で充分な赤味色の発色が確保される。
なお、亜硝酸塩を含有する天然の物質(例えば、ダイコ
ンの抽出液)を本発明の発色助剤とともに食品に添加す
ると、従来より用いられている合成の亜硝酸塩化合物を
全く使用しなくても優れた発色が得られることも見出さ
れている。
下に実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこの
実施例によって制限されるものではない。 〔実施例1:乳ペプチドによる発色試験〕試料の調製 乳蛋白質原料として脱脂乳を用い、次に示すように乳ペ
プチド由来の試料(発色助剤)を調製した。 (1)SFC400D:脱脂乳を限外濾過により4倍濃
度に濃縮したものを凍結乾燥した後、粉体化した粉末。 (2)SFC400D分解物の上清:上記SFC400
Dに蛋白質分解酵素として0.02%(V/V)アルカラーゼお
よび0.042 %(W/V)フレーバザイム(共にノボノルディ
スク社製)を添加し、攪拌しながら50℃で酵素反応を行
い、5時間後、90℃で20分間加熱し、酵素を失活させた
後、凍結乾燥し粉体化してSF400D分解物を得た。
この分解物を50%エタノール水溶液で抽出し、抽出液を
遠心操作により分離して上澄み液を凍結乾燥により粉体
化した粉末。なお、上記上澄み液(上清)をゲル濾過に
より4つに分けた画分のうちの2つ(画分1および画分
2)を凍結乾燥により粉体化して得た試料についても試
験を行った。
挽肉にしてフードプロセッサーで材料を混ぜ合わせてか
ら、ビニール袋に入れ真空シールを行った後、豚もも肉
混合物については75℃で20分間、また、豚肩肉混合物に
ついては75℃で30分間ボイルした。4℃で1夜放置した
後、後述のように色差計による色度測定を行った。全体
の配合組成は以下に示すとおりである。 豚もも肉または豚肩肉 100グラム 食塩 2グラム 水(氷) 15グラム 亜硝酸ナトリウム 17 ppm 試料(発色助剤) 10グラム
差計CM−5081(主光源D65、視野10”)を用
いて色彩測定を行った。その結果を表1および表2に示
す。表1および表2は、JIS Z8729においても
採用されているL・a・b表色系に沿って色度を示した
ものであり、このうちaが赤色の色度(色相と彩度)を
表し、この値が大きくなるに従って赤色が鮮やかにな
る。なお、表において、対照(1)とは、上記の試料の
いずれも添加せず亜硝酸ナトリウム濃度を17 ppmとして
同様に調製したソーセージ、また、対照(2)とは、上
記のいずれの試料も添加しないが、亜硝酸ナトリウムの
濃度を75 ppmとして同様に調製したソーセージについて
の測定結果である。
定した。測定はHPLCを用いて行ない、カラムとして
TSK-GEL G2000SWXL (東ソー社製)を使用した。試料は
タンパク濃度が1mg/ml となるように移動相に溶解した
後、0.45μm のフィルターで濾過した。移動相は、0.1
%TFAを含む45%アセトニトリルを用いた。測定は室
温で行ない、流速0.5ml/分、検出器として紫外吸光光度
計を用い215nm における吸光度を検出した。分子量のマ
ーカーとして、インシュリン(MW:5749.5)、インシュリ
ンchain B フラグメント22-30(MW:1086.3)、トリプトフ
ァン(MW:204.23) を用い、分子量分布検量線を作成し、
分子量5000、3000、1500、500 、200 の溶出時間を求め
た。その結果を図1および表2に示す。なお、表2に
は、後記の実施例2および実施例3において用いた試料
の分子量分布も併せて示している。
質を酵素分解した分解物の抽出液上清から得られる乳ペ
プチドを添加することによってaの値が高くなってお
り、ソーセージの赤色発色が増加していることが認めら
れる。これらの乳ペプチドはいずれも分子量が実質的に
3000以下の成分から構成されており、亜硝酸ナトリウム
を従来より使用されているような濃度の1/4 〜1/5 にし
ても、従来の高濃度の亜硝酸ナトリウムを用いた対照と
同等以上の発色効果が発揮されていることが分かる。
験〕市販されている各種の食用蛋白質由来のペプチドを
用いて発色試験を行った。 1)大豆ペプチド:不二製油(株)製「ハイニュートD
L」および「ハイニュートR」を使用した。製品カタロ
グによれば、これらのペプチドは、脱脂豆乳を酵素分解
することによって得られたオリゴペプチドである。 2)コーンペプチド:日本食品加工(株)製「日食ペプ
チーノ」を使用した。製品カタログによれば、このペプ
チドは、とうもろこし蛋白(コーングルテンミール)を
エンド型プロテアーゼにより加水分解することによって
得られたものであり、蛋白質含有量90%以上である。 3)卵白ペプチド:キューピー(株)製「卵白ペプタイ
ドEP−1」を使用した。製品カタログによれば、この
ペプチドは鶏卵白を酵素で加水分解することによって得
られた平均分子量約1100の非熱凝固性ペプチドである。
(挽肉)100gに、水(氷)15g 、食塩2g、亜硝酸ナト
リウム40ppm 、アスコルビン酸ナトリウム200ppm、各試
料(ペプチド)5gを添加し、フードプロセッサーで材
料を混合した後、三角ビニールに入れて真空シールを行
った。4℃で3時間放置した後、75℃で30分間ボイル
し、4℃で1夜放置した後、実施例1と同様に色差計に
よる測定を行った。
LCにより各ペプチドの分子量を測定した場合のクロマ
トグラフを図2、およびその分子量分布を表2に示す。
なお、対照(1)とは、亜硝酸ナトリウム、アスコルビ
ン酸ナトリウムおよび試料(ペプチド)を添加せずに同
様に製造したソーセージ、また、対照(2)とは、亜硝
酸ナトリウムおよびアスコルビン酸ナトリウムを添加し
ているが試料(ペプチド)を添加せずに同様に製造した
ソーセージについての測定結果である。
白質由来の各種ペプチドを使用すると色差計測定におけ
るa値が高くなっており、赤味色の発色が向上してい
る。これらのペプチドは、いずれも分子量3000以下の成
分が大部分を占めていることが認められる。
ドの発色試験〕各種の蛋白質分解酵素を用いて、酵素の
違いが発色効果に影響を及ぼすか否かを調べた。乳蛋白
質としてカゼインナトリウムを使用し、酵素としてアル
カラーゼ、フレーバーザイム、アクチナーゼ、スミチー
ム、ペプシン、トリプシン、を用いて加水分解を行うこ
とにより以下のように乳ペプチドから成る発色助剤を調
製した。
溶解し、溶解後、50℃まで冷却して各酵素を添加した
(ペプシンはpHを調製してから添加した)。50℃にお
いて所定時間、酵素反応を行った後、90℃で20分間加熱
して酵素を失活させ、凍結乾燥により粉体化して発色助
剤試料とした。被検ソーセージは、豚赤身100g、水
(氷)15g 、食塩2g、亜硝酸ナトリウム40ppm 、アス
コルビン酸ナトリウム200ppm、試料(乳ペプチド)5g
を混合し、実施例2と同様の操作により製造した。
行った結果を表4に示す。さらに、各試料(乳ペプチ
ド)のHPLCによる分子量分布を表3に示し、また、
そのクロマトグラムを図3に示す。なお、表4におい
て、対照(1)とは、亜硝酸ナトリウム、アスコルビン
酸ナトリウムおよび試料(乳ペプチド)を添加せずに同
様に製造したソーセージ、また、対照(2)とは、亜硝
酸ナトリウムおよびアスコルビン酸ナトリウムを添加し
ているが試料(乳ペプチド)を添加せずに同様に製造し
たソーセージについての測定結果である。さらに、表4
には市販ソーセージについての測定結果も併せて示す。
問わず、酵素分解による低分子化により得られるペプチ
ドを使用すると、a値の向上が認められ赤色発色効果が
あることが認められる。また、分解反応時間を長くする
等により分解が進み、特に3000以下の分子量の割合が多
くなったペプチドを使用すると赤色発色が強くなること
が認められる。
加した乳ペプチドの発色試験〕乳蛋白質原料として、脱
脂乳を限外濾過により4倍濃度に濃縮したものを用い、
酵素分解の後に、乳酸発酵または乳酸添加を行い、次に
示すようなAからEの発色助剤試料を調製した。 A:濃縮脱脂乳に0.02%(V/V)アルカラーゼおよび0.04
2 %(W/V)フレーバザイム(共にノボノルディスク社
製)を添加し、攪拌しながら50℃で酵素反応を行った。
5時間後、90℃で20分間加熱し、酵素を失活させた。次
に、乳酸菌(Streptcoccus thermophilus およびLactob
acillus bulgaricus)を0.005 %(W/V)を接種し、45℃
でpH4.5 になるまで発酵を行った。65℃で30分間加熱
して発酵を停止した後、凍結乾燥を行った。得られた乾
燥物を細かく粉砕した。 B:濃縮脱脂乳に0.02%(V/V)アルカラーゼおよび0.04
2 %(W/V)フレーバザイム(共にノボノルディスク社
製)を添加し、攪拌しながら50℃で酵素反応を行った。
5時間後、90℃で20分間加熱し、酵素を失活させた。次
に、pH4.5 になるまで乳酸を添加した後、凍結乾燥を
行った。得られた乾燥物を細かく粉砕した。 C:濃縮脱脂乳に0.02%(V/V)アルカラーゼおよび0.04
2 %(W/V)フレーバザイム(共にノボノルディスク社
製)を添加し、攪拌しながら50℃で酵素反応を行った。
5時間後、90℃で20分間加熱し、酵素を失活させた。次
に、乳酸菌(Streptcoccus thermophilus およびLactob
acillus bulgaricus)を0.005 %(W/V)を接種し、45℃
でpH4.5 になるまで発酵を行った。65℃で30分間加熱
して発酵を停止した後、スプレードライを行い、粉体を
得た。 D:濃縮脱脂乳に0.02%(V/V)アルカラーゼおよび0.04
2 %(W/V)フレーバザイム(共にノボノルディスク社
製)を添加し、攪拌しながら50℃で酵素反応を行った。
5時間後、90℃で20分間加熱し、酵素を失活させた。次
に、乳酸菌(Streptcoccus thermophilus およびLactob
acillus bulgaricus)を0.005 %(W/V)を接種し、45℃
でpH4.5 になるまで発酵を行った。発酵物を1N N
aOHでpH5.5 に調整した後、スプレードライを行
い、粉体を得た。 E:濃縮脱脂乳に0.02%(V/V)アルカラーゼおよび0.04
2 %(W/V)フレーバザイム(共にノボノルディスク社
製)を添加し、攪拌しながら50℃で酵素反応を行った。
5時間後、90℃で20分間加熱し、酵素を失活させた。次
に、乳酸菌(Streptcoccus thermophilus およびLactob
acillus bulgaricus)を0.005 %(W/V)を接種し、45℃
でpH4.5 になるまで発酵を行った。発酵物を1N N
aOHでpH6.5 に調整した後、スプレードライを行
い、粉体を得た。
亜硝酸ナトリウム17ppm および各発色助剤試料10グラム
を混合して実施例1と同様に被検ソーセージを製造し色
差計による測定を行ったところ、次のa値を得た:試料
A(9.7)、試料B(9.8)、試料C(9.5)、試料D(9.
2)、試料E(8.4)。ちなみに、上記試料のいずれも添加
せず、亜硝酸ナトリウムの濃度を75ppm として製造した
被検ソーセージのa値は7.6 であった。したがって、乳
酸発酵または乳酸添加を付加することによって発色効果
が高められていることが分かる。
指摘されている亜硝酸(塩)の使用を可及的に減少させ
ながら肉食品の赤味色発色を確保することができる。し
かも本発明の発色助剤は、それ自身が食用蛋白質由来の
栄養成分や機能成分を含有している点において肉食品の
付加価値を高めるという利点もある。
試料の分子量分布を示すHPLCによるクロマトグラム
である。
試料の分子量分布を示すHPLCによるクロマトグラム
である。
試料の分子量分布を示すHPLCによるクロマトグラム
である。なお、図中、矢印で示す数値はマーカーによる
分子量値である。
Claims (4)
- 【請求項1】 食用蛋白質を蛋白質分解酵素で分解して
得られる分子量3000以下のペプチドを含むことを特徴と
する肉食品の発色助剤。 - 【請求項2】 ペプチドが、乳ペプチド、コーンペプチ
ド、大豆ペプチド、卵白ペプチド、および魚肉ペプチド
から成る群より選ばれることを特徴とする請求項1の肉
食品の発色助剤。 - 【請求項3】 乳ペプチドが、乳蛋白質を蛋白質分解酵
素で分解した生成物をエタノール水溶液で抽出した後、
該抽出液を固液分離した上清から得られるものであるこ
とを特徴とする請求項2の肉食品の発色助剤。 - 【請求項4】 乳ペプチドが、乳蛋白質を蛋白質分解酵
素で分解し、次いで乳酸発酵または乳酸添加を行い、必
要に応じてアルカリを添加してpH調整を行うことによ
り得られるものであることを特徴とする請求項2の発色
助剤。
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JP34060096 | 1996-12-05 | ||
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JP (1) | JP3805090B2 (ja) |
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JP2006042757A (ja) * | 2003-08-20 | 2006-02-16 | Seikagaku Kogyo Co Ltd | 酵素の安定化剤 |
JPWO2008007667A1 (ja) * | 2006-07-10 | 2009-12-10 | キリン協和フーズ株式会社 | チキンエキスおよびチキンエキスの製造方法 |
CN105919138A (zh) * | 2016-05-03 | 2016-09-07 | 刘涛 | 一种提高机体免疫力的特殊膳食蛋白粉配方 |
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- 1997-12-04 JP JP34998297A patent/JP3805090B2/ja not_active Expired - Fee Related
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