JPH1021412A - 部品画像のエッジ検出方法および部品形状認識装置 - Google Patents

部品画像のエッジ検出方法および部品形状認識装置

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JPH1021412A
JPH1021412A JP8170512A JP17051296A JPH1021412A JP H1021412 A JPH1021412 A JP H1021412A JP 8170512 A JP8170512 A JP 8170512A JP 17051296 A JP17051296 A JP 17051296A JP H1021412 A JPH1021412 A JP H1021412A
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伸 宮治
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吉伸 中村
Minoru Higashihara
稔 東原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明の目的は、撮像画像に部品を吸着
しているノズル画像が現れている場合においても、部品
画像のエッジ点を正確に検出できる部品画像のエッジ点
検出方法を提供することにある。 【解決手段】 吸着ノズルに吸着された部品の撮像画像
に基づいて、部品画像の輪郭上の点をエッジ点として検
出する部品画像のエッジ検出方法であって、撮像画像に
おけるノズルの中心位置を放射状スキャン原点とし、ス
キャン開始半径を撮像画像におけるノズルの半径より大
きな値として、撮像画像に対して放射状スキャンを行な
うことにより、部品画像の輪郭上のエッジ点を検出する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、部品画像のエッ
ジ点検出方法および部品形状認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気製品の小型化、軽量化に伴い、チッ
プ状電子部品のプリント基板上への実装は、さらなる高
密度化が要求されている。その要求を満たす実装精度を
実現するためには、画像処理技術を応用した電子部品の
位置決め処理が必要不可欠となっている。
【0003】位置決め処理は、部品のコーナ位置、部品
の輪郭のエッジ位置を検出することによって行なわれる
ので、部品の各種のサイズのみならず、コーナ形状、エ
ッジ形状等の部品の局所形状に関する情報が必要とな
る。
【0004】このような部品の局所形状に関する情報の
登録は、作業者の手入力によって行なわれているのが現
状であり、作業者の負担が大きいという問題がある。
【0005】そこで、本出願人は、部品画像に基づい
て、部品画像の輪郭上の点をエッジ点として検出し、部
品画像を大局的に四角形とみなして、その四角形の4辺
ごとに、エッジ点をクラス分けし、各クラスごとに、そ
のクラスに対応する辺とそのクラスに属する各エッジ点
との距離の分布を求め、求められた分布に基づいて、部
品の局所形状を認識する部品形状認識方法を開発し、既
に特許出願している(平成8年特許願第116725
号)。ただし、上記特許出願は、本明細書の出願時にお
いては、未だ公開されていない。
【0006】本出願人が開発した部品形状認識方法にお
いては、部品画像の重心位置から放射状に走査しながら
微分処理を行なうことにより、部品画像の重心位置を原
点とする極座標系において、部品画像の輪郭上のエッジ
点の位置が検出される。
【0007】ところで、電子部品自動装着システムに、
上記部品形状認識方法を適用した場合には、電子部品は
吸着ノズルに吸着された状態で、部品画像が撮像され
る。このようにして、部品画像を撮像した場合には、図
14に示すように、ノズル画像102の一部が、部品画
像101から突出している画像が得られることがある。
このような画像に対して、部品画像の重心位置Gから放
射状に走査することによって、部品画像のエッジ点を検
出しようとすると、図14に符号103で示すように、
ノズル画像のエッジ点も部品画像のエッジ点として、検
出されてしまう。したがって、正確な部品形状認識を行
なえなくなる。
【0008】また、図16に示すように、認識対象であ
る部品が細長い部品である場合に、その部品画像111
の重心位置Gから所定回転角度間隔おきに放射状に走査
することによって部品画像のエッジ点を検出しようとす
ると、コーナ部分において検出されるエッジ点の間隔が
疎となる。さらに、図17に示すように、認識対象であ
る部品のコーナ部に窪み112があると、図17に示す
ように、重心位置Gと窪み112の輪郭上のエッジとを
結ぶ線の延長上にある部品コーナ部のエッジ点が検出さ
れなくなり、正確な部品形状認識を行なえなくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、部
品画像内の点を中心として放射状に走査することにより
部品画像のエッジを検出する方法において、撮像画像に
部品を吸着しているノズル画像が現れている場合におい
ても、部品画像のエッジ点を正確に検出できる部品画像
のエッジ点検出方法を提供することにある。
【0010】この発明の他の目的は、部品画像内の点を
中心として放射状に走査することにより部品画像のエッ
ジを検出する方法において、部品形状にかかわらず、部
品画像のエッジ点を密に検出できる部品画像のエッジ点
検出方法を提供することにある。
【0011】この発明のさらに他の目的は、部品の局所
形状を自動的にかつ正確に認識できる部品形状認識装置
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明による第1の部
品画像のエッジ検出方法は、吸着ノズルに吸着された部
品の撮像画像に基づいて、部品画像の輪郭上の点をエッ
ジ点として検出する部品画像のエッジ検出方法であっ
て、撮像画像におけるノズルの中心位置を放射状スキャ
ン原点とし、スキャン開始半径を撮像画像におけるノズ
ルの半径より大きな値として、撮像画像に対して放射状
スキャンを行なうことにより、部品画像の輪郭上のエッ
ジ点を検出することを特徴とする。
【0013】この発明による第2の部品画像のエッジ検
出方法は、吸着ノズルに吸着された部品の撮像画像に基
づいて、部品画像の輪郭上の点をエッジ点として検出す
る部品画像のエッジ検出方法であって、撮像画像におけ
るノズルの中心位置を放射状スキャン原点とし、スキャ
ン開始半径を撮像画像におけるノズルの半径より大きな
値として、撮像画像に対して放射状スキャンを行ないな
がら微分処理を行なうことにより、部品画像の輪郭上の
エッジ点を検出することを特徴とする。
【0014】この発明による第1または第2の部品画像
のエッジ検出方法によれば、撮像画像に部品を吸着して
いるノズル画像が現れている場合においても、部品画像
のエッジ点を正確に検出できるようになる。
【0015】この発明による第3の部品画像のエッジ検
出方法は、部品画像に基づいて、部品画像の輪郭上の点
をエッジ点として検出する部品画像のエッジ検出方法で
あって、部品画像内部に複数の放射状スキャン原点を設
定し、部品画像に対して各放射状スキャン原点ごとに、
放射状スキャンを行ないながら微分処理を行なうことに
より、部品画像の輪郭上のエッジ点を検出することを特
徴とする。
【0016】この発明による第3の部品画像のエッジ検
出方法によれば、部品形状にかかわらず、部品画像のエ
ッジ点を密に検出できるようになる。
【0017】この発明による第4の部品画像のエッジ検
出方法は、略長方形の部品画像に基づいて、部品画像の
輪郭上の点をエッジ点として検出する部品画像のエッジ
検出方法であって、部品画像内部であって部品画像の慣
性主軸上に、所定間隔おきに複数の放射状スキャン原点
を設定し、部品画像に対して各放射状スキャン原点ごと
に、放射状スキャンを行ないながら微分処理を行なうこ
とにより、部品画像の輪郭上のエッジ点を検出すること
を特徴とする。
【0018】この発明による第4の部品画像のエッジ検
出方法によれば、部品形状にかかわらず、部品画像のエ
ッジ点を密に検出できるようになる。
【0019】この発明による第1の部品形状認識装置
は、吸着ノズルに吸着された部品の撮像画像に基づい
て、部品画像の輪郭上の点をエッジ点として検出するエ
ッジ検出手段、部品画像を大局的に四角形とみなして、
その四角形の4辺ごとに、エッジ点をクラス分けするク
ラスタリング手段、各クラスごとに、そのクラスに対応
する辺とそのクラスに属する各エッジ点との距離の分布
を求める分布作成手段、および求められた分布に基づい
て、部品の局所形状を認識する認識手段を備えており、
エッジ検出手段は、撮像画像におけるノズルの中心位置
を放射状スキャン原点とし、スキャン開始半径を撮像画
像におけるノズルの半径より大きな値として、撮像画像
に対して放射状スキャンを行ないながら微分処理を行な
うことにより、部品画像の輪郭上のエッジ点および各エ
ッジ点のグラディエント方向を検出する手段、ならびに
検出された各エッジ点を部品画像の重心位置を原点とす
る極座標系における座標値に変換する手段を備えている
ことを特徴とする。
【0020】この発明による第1の部品形状認識装置に
よれば、撮像画像に部品を吸着しているノズル画像が現
れている場合においても、部品画像のエッジ点を正確に
検出できるようになり、部品形状認識精度が向上する。
【0021】この発明による第2の部品形状認識装置
は、部品画像に基づいて、部品画像の輪郭上の点をエッ
ジ点として検出するエッジ検出手段、部品画像を大局的
に四角形とみなして、その四角形の4辺ごとに、エッジ
点をクラス分けするクラスタリング手段、各クラスごと
に、そのクラスに対応する辺とそのクラスに属する各エ
ッジ点との距離の分布を求める分布作成手段、および求
められた分布に基づいて、部品の局所形状を認識する認
識手段を備えており、エッジ検出手段は、部品画像内部
に複数の放射状スキャン原点を設定し、部品画像に対し
て各放射状スキャン原点ごとに、放射状スキャンを行な
いながら微分処理を行なうことにより、部品画像の輪郭
上のエッジ点および各エッジ点のグラディエント方向を
検出する手段、ならびに検出された各エッジ点を部品画
像の重心位置を原点とする極座標系における座標値に変
換する手段を備えていることを特徴とする。
【0022】この発明による第2の部品形状認識装置に
よれば、部品形状にかかわらず、部品画像のエッジ点を
密に検出できるようになり、部品形状認識精度が向上す
る。
【0023】この発明による上記第1または第2の部品
形状認識装置におけるクラスタリング手段としては、た
とえば、部品画像を大局的に四角形とみなして、その四
角形の各辺に対する法線ベクトルを求める法線ベクトル
算出手段、各辺に対する法線ベクトルおよびハフ変換式
により得られた方程式に基づいて、部品画像の重心位置
から各辺までの距離を求める距離算出手段、ならびに各
辺に対する法線ベクトルおよび部品画像の重心位置から
各辺までの距離に基づいて4つの辺を特定し、特定され
た4辺における隣り合う辺の交点位置に対応する極座標
系の方向と、各エッジ点の極座標系の方向とに基づい
て、各エッジ点がどの辺に属するかをクラス分けする手
段を備えているものが用いられる。
【0024】法線ベクトル算出手段としては、たとえ
ば、グラディエント方向に対するエッジ点の度数分布に
基づいて、四角形の各辺に対する法線ベクトルを求める
ものが用いられる。
【0025】グラディエント方向に対するエッジ点の度
数分布は、各エッジ点の第1のグラディエント方向およ
び第2のグラディエント方向の両方を考慮して作成され
ることが好ましい。各エッジ点の第1のグラディエント
方向は、エッジ検出手段によって求められたグラディエ
ント方向である。各エッジ点の第2のグラディエント方
向は、注目エッジ点を中心として互いに反対方向にある
2つのエッジ点であって、第1のグラディエント方向が
注目エッジ点の第1のグラディエント方向とほぼ等しい
2つのエッジ点を結ぶ直線に対する法線ベクトルであ
る。
【0026】距離算出手段は、上記四角形の各辺ごと
に、部品画像の重心位置から注目辺までの距離を求める
ものであり、たとえば、法線ベクトル算出手段によって
求められた注目辺に対する法線ベクトルに似通ったグラ
ディエント方向を持つエッジ点を選択し、選択した各エ
ッジ点ごとに、注目辺に対する法線ベクトルとハフ変換
式により得られた方程式とを用いて、その点を通りかつ
注目辺に対する法線ベクトルと等しい法線ベクトルを持
つ直線と部品画像の重心位置との距離を算出する手段、
ならびに、算出された距離に対するエッジ点の度数分布
を作成し、度数の最も大きい距離を部品画像の重心位置
から注目辺までの距離として選択する手段を備えている
ものが用いられる。
【0027】注目辺に対する法線ベクトルに似通ったグ
ラディエント方向を持つエッジ点は、各エッジ点の第1
のグラディエント方向および第2のグラディエント方向
の両方を考慮して選択されることが好ましい。各エッジ
点の第1のグラディエント方向は、エッジ検出手段によ
って求められたグラディエント方向である。各エッジ点
の第2のグラディエント方向は、注目エッジ点を中心と
して互いに反対方向にある2つのエッジ点であって、第
1のグラディエント方向が注目エッジ点の第1のグラデ
ィエント方向とほぼ等しい2つのエッジ点を結ぶ直線に
対する法線ベクトルである。
【0028】分布作成手段としては、たとえば、ハフ変
換式により得られた方程式および各辺に対する法線ベク
トルに基づいて、エッジ点を通りかつそのエッジ点が属
するクラスの辺に対して平行な直線と、部品画像の重心
位置との距離を、各エッジ点ごとに求める手段、および
エッジ点を通りかつそのエッジ点が属する辺と平行な直
線と部品画像の重心位置との距離と、部品画像の重心位
置からそのエッジ点が属するクラスの辺までの距離との
差を各エッジ点ごとに求め、求められた差に基づいて、
各クラスごとにそのクラスに対応する辺とそのクラスに
属する各エッジ点との距離の分布を作成する手段を備え
ているものが用いられる。
【0029】認識手段としては、たとえば、各エッジ点
を4つのコーナ部分と4つのエッジ部分とにクラス分け
する手段、分布作成手段によって作成された各エッジ部
分に対する距離分布に基づいてエッジ形状を認識するエ
ッジ形状認識手段、および分布作成手段によって作成さ
れた各コーナ部分に対する距離分布に基づいてコーナ形
状を認識するコーナ形状認識手段を備えているものが用
いられる。
【0030】エッジ形状認識手段としては、たとえば、
対象エッジ部分に属するエッジ点がその対象エッジ部分
に対応する辺上に位置しているか否かを判定するしきい
値を、上記辺に直交する方向の距離として設定し、当該
対象エッジ部分に属する各エッジ点と上記辺との距離
を、しきい値と比較することにより、対象エッジ部分の
エッジ形状を認識するものが用いられる。
【0031】エッジ形状認識手段として、複数の部品画
像から得られた複数のエッジ部分に対する距離分布を入
力パターンとし、入力パターンに対応するエッジ形状を
表す信号を教師信号として、学習が行なわれたニューラ
ルネットワークに、分布作成手段によって作成された対
象エッジ部分に対する距離分布を入力することによっ
て、対象エッジ部分のエッジ形状を認識するものを用い
てもよい。
【0032】コーナ形状認識手段として、複数の部品画
像から得られた複数のコーナ部分に対する距離分布を入
力パターンとし、入力パターンに対応するコーナ形状を
表す信号を教師信号として、学習が行なわれたニューラ
ルネットワークに、分布作成手段によって作成された対
象コーナ部分に対する距離分布を入力することによっ
て、対象コーナ部分のコーナ形状を認識するものを用い
てもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
を電子部品自動装着システムに適用した場合の実施の形
態について説明する。
【0034】本願発明の特徴は、電子部品画像のエッジ
点の検出方法にある。それ以外の点は、本出願人が既に
開発した部品形状認識方法と同じである。そこで、ま
ず、図1〜図13に基づいて、本出願人が既に開発した
部品形状認識方法が採用された電子部品自動装着システ
ムについて説明し、その後に図14〜図24に基づいて
本願発明の特徴である電子部品画像のエッジ点の検出方
法について説明することにする。
【0035】〔1〕本出願人が既に開発した部品形状認
識方法が採用された電子部品自動装着システムの説明
【0036】図1は、電子部品自動装着システムの全体
的な構成を示している。電子部品自動装着システムは、
システム全体を制御するホストコンピュータ1、電子部
品をプリント基板に装着する電子部品装着装置2、およ
び部品位置認識、形状認識等を行なう画像処理装置3を
備えている。ホストコンピュータ1は、電子部品の位置
認識に用いられる標準データが記憶されたデータベース
4を備えている。画像処理装置3には、モニタ5および
ユーザーインタフェース6が接続されている。
【0037】電子部品装着装置2は、ノズルに吸着され
た電子部品をCCDカメラで撮像し、部品画像を取得す
る部品画像入力手段21を備えている。
【0038】画像処理装置3は、部品画像入力手段21
によって得られた部品画像を、たとえば512×512
画素、8ビット256階調の濃淡画像として画像メモリ
に取込み、画像処理により電子部品の位置認識、標準デ
ータの計測等を行なう。モニタ5には、部品画像、処理
結果等が表示される。
【0039】画像処理装置3は、位置認識手段31およ
び標準データ計測手段32を備えている。位置認識手段
31は、電子部品画像と、ホストコンピュータ1から供
給される電子部品の種類、サイズ、形状等の標準データ
とに基づいて、電子部品の重心位置、傾き角度等を検出
する。標準データ計測手段32は、電子部品画像に基づ
いて、電子部品の種類、サイズ、形状情報等の標準デー
タを求める。
【0040】ユーザーインタフェース6は、必要に応じ
て、標準データ計測手段32によって求められた標準デ
ータの修正等を行なう。ホストコンピュータは、各装置
の制御の他、標準データの統計学的処理、標準データの
データベースへの登録、更新および読み出しを行なう。
【0041】図2および図3は、標準データとして用い
られる電子部品の局所形状を示している。図2はエッジ
形状の例を示し、図3はコーナ形状の例を示している。
【0042】エッジ形状には、”直線形状”(図2
(a))、”突起あり”(図2(b))、”陥没あり”
(図2(c))およびその他の形状(”不良形状”)
(図2(d))がある。
【0043】コーナ形状には、”R面取り”(図3
(a))、”C面取り”(図3(b))およびその他の
形状(”不良形状”)(図3(c))がある。
【0044】図4は、標準データ計測手段32によって
行なわれる局所形状認識処理手順を示している。
【0045】(1) まず、図5に示すように、部品画
像の重心位置Gが、ブロブ解析等によって求められる
(ステップ1)。
【0046】(2) そして、重心位置Gを放射状スキ
ャン原点として、放射状に画像データをアクセス(ラジ
アルスキャン)しながら、微分処理を行なうことによ
り、部品の輪郭上の点(エッジ点)(x,y)とその点
のグラディエント(gradient) 方向(エッジベクトル)
αとが検出される(ステップ2)。検出されたエッジ点
のxy座標値は、重心位置Gを原点とする極座標系
(r,θ)の座標値(r,θ)に変換される。
【0047】このエッジ検出には、たとえば、sobel の
微分オペレータが用いられる。図6(a)は、sobel の
x方向の微分オペレータの重み付けを示している。図6
(b)は、sobel のy方向の微分オペレータの重み付け
を示している。図6(c)のように、局所領域内の画素
の位置および値をA〜Iで表すと、水平方向の微分値S
xは数式1で表され、垂直方向の微分値Syは数式2で
表される。
【0048】
【数1】
【0049】
【数2】
【0050】そして、画素Eの場所におけるエッジ強度
Sは次の数式3で与えられ、グラディエント方向αは次
の数式4で与えられる。
【0051】
【数3】
【0052】
【数4】
【0053】ただし、通常arctanは、−π/2〜π/2
の範囲で計算されるが、ここでは、極座標系の方向θに
合わせて0〜2πの範囲で計算される。
【0054】ラジアルスキャン方向θごとに、エッジ強
度Sが最大となる点(x,y)が、部品のエッジ(輪
郭)として抽出される。また、この点のグラディエント
方向αがそのエッジ点でのエッジベクトルとされる。抽
出されたエッジ強度Sが最大となる点のxy座標値は、
重心位置Gを原点とする極座標系(r,θ)の座標値
(r,θ)に変換される。このようにして、部品画像の
各エッジ点のr、θ、αが抽出される。
【0055】(3) 次に、エッジベクトルの補正処理
が行なわれる(ステップ3)。つまり、図5に示すよう
に、注目エッジ点Aから互いに反対方向に所定距離離れ
た2つのエッジ点B、Cが選択され、選択された2つの
エッジ点B、Cを結ぶ直線の方向に直交する方向(内側
から外側に向かう方向)が、注目エッジ点Aのエッジベ
クトルαとされる。
【0056】ただし、注目エッジ点から互いに反対方向
に所定距離離れた2つのエッジ点であっても、その点の
グラディエント方向αが注目エッジ点のグラディエント
方向αとほぼ等しくない場合には、その点は選択されな
い。このような場合には、グラディエント方向αが注目
エッジ点のグラディエント方向αと等しくないエッジ点
の代わりに、そのエッジ点から注目エッジ点により近い
エッジ点であって、グラディエント方向αが注目エッジ
点のグラディエント方向αとほぼ等しいエッジ点が選択
される。
【0057】このようなエッジベクトルαの補正が全て
のエッジ点に対して行なわれる。ステップ2で抽出され
た各エッジ点のグラディエント方向αにノイズ誤差があ
っても、上記補正処理により精度の高いグラディエント
方向(エッジベクトル)αが得られる。なお、ステップ
2で求められた各エッジ点のグラディエント方向αを補
正前のグラディエント方向αといい、ステップ3で求め
られた各エッジ点のグラディエント方向αを補正後のグ
ラディエント方向αということにする。
【0058】次に、部品画像を対局的に四角形とみな
し、その四角形の4辺(以下、モールド直線という)に
対する法線ベクトルα1〜α4と、原点Gから各モール
ド直線までの距離ρ1〜ρ4が求められる(ステップ
4、5)。
【0059】まず、直線の方程式について説明する。図
5において、重心Gを原点とするXY座標を想定する
と、原点Gからθ方向に距離rのエッジ点DのXY座標
値は、rとθとを用いて次の数式5で表される。
【0060】
【数5】
【0061】また、電子部品の上辺の直線の方程式は、
原点Gからその直線までの距離をρとし、その直線の法
線ベクトルをαとすると、ハフ変換により数式6で与え
られる。
【0062】
【数6】
【0063】数式6から、x、yを消去すると、数式7
が得られる。
【0064】
【数7】
【0065】数式7で得られた直線の方程式のパラメー
タには、法線ベクトルαと原点Gから直線までの距離ρ
とがある。
【0066】(4) そこで、まず、各モールド直線に
対する法線ベクトルα1〜α4が求められる(ステップ
4)。
【0067】図7(a)は、横軸にエッジベクトルα
(補正前のエッジベクトルαおよび補正後のエッジベク
トルαの両方を含む)をとり、縦軸にラジアルスキャン
方向θをとって、各エッジ点の分布を表したものであ
る。この分布に基づいて、エッジベクトルαに対するエ
ッジ点の度数を表すヒストグラムが生成される。エッジ
ベクトルαに対するエッジ点のヒストグラムを図7
(b)に示す。
【0068】電子部品は大局的に四角形とみなすことが
できるので、その4辺に対応して4箇所に、エッジベク
トルαの度数のピークP1〜P4ができる。四角形の各
辺の方向は90°ずつ異なっているので、エッジベクト
ルαの度数のピークP1〜P4の間隔も90°ごとに現
れる。
【0069】図7(b)のヒストグラムが90°単位に
4分割され、各90°単位のヒストグラムが足し合わさ
れる。これにより、図7(c)に示すヒストグラムが得
られる。図7(c)のヒストグラムには、1つの大きな
ピークPが現れる。このピークPに対応するエッジベク
トルが、1つのモールド直線に対する法線ベクトルα1
として抽出される。
【0070】抽出された1つのモールド直線に対する法
線ベクトルα1に、90°、180°および270°が
それぞれ加算されることにより、他の3つのモールド直
線に対する法線ベクトルα2、α3およびα4が求めら
れる。このような法線ベクトルα1〜α4の求め方を第
1方法ということにする。
【0071】ところで、実際の部品には、微小な形状の
歪みがあるため、対辺どうしが平行になるとは限らな
い。そこで、微小な形状の歪みを吸収するために、4つ
のモールド直線に対する法線ベクトルα1〜α4を、次
のようにして求めてもよい。ここでは、法線ベクトルα
2についてのみ説明する。
【0072】図7(b)のヒストグラムの横軸上におい
て、第1方法によって求められた法線ベクトルα2を中
心とする幅±Δαの範囲を設定する。Δαとしては、た
とえば5°が設定される。そして、その範囲内の各αご
とに、αの値とそれに対するエッジ点の度数との積を求
め、求められた積を加算する。つまり、αの値とそれに
対するエッジ点の度数との積の累積値を求める。得られ
た累積値を、上記範囲内の度数の累積値で除算すること
により、その範囲内でのαの平均値を算出する。そし
て、得られた平均値を法線ベクトルα2とする。このよ
うな法線ベクトルα1〜α4の求め方を第2方法という
ことにする。
【0073】また、部品の中には、1辺が隣り合う2辺
と直角でない台形状のものがある。このような部品にお
いては、隣り合う2辺と直角でない傾斜辺において、そ
の辺に沿ったモールド直線を検出することが好ましい。
【0074】そこで、4つのモールド直線に対する法線
ベクトルα1〜α4を、次のようにして求めてもよい。
ここでは、法線ベクトルα2についてのみ説明する。
【0075】図7(b)のヒストグラムにおいて、図7
(c)に基づいて上記のようにして求められた法線ベク
トルα2の付近で度数がピークとなるαを局所的に探索
し、探索されたαを法線ベクトルα2とする。この方法
では、図7(b)のP1、P2、P3、P4が法線ベク
トルα1、α2、α3、α4となる。このような法線ベ
クトルα1〜α4の求め方を第3方法ということにす
る。
【0076】なお、第2方法と同様に、第3方法によっ
て求められた法線ベクトルα1、α2、α3、α4付近
のαの平均値を法線ベクトルα1、α2、α3、α4と
してもよい。
【0077】(5) 次に、原点Gから各モールド直線
までの距離ρ1〜ρ4が求められる(ステップ5)。
【0078】つまり、ステップ4で求められた4個の法
線ベクトルα1〜α4のうち、まず、法線ベクトルα1
に似通ったエッジベクトル(補正前のエッジベクトルα
および補正後のエッジベクトルαの両方を含む)を持つ
エッジ点が選択される。そして、選択された各エッジ点
ごとに、数式7により、ρが計算される。この際、数式
7のαとしては、α1が用いられる。そして、得られた
ρに基づいて、ρに対するエッジ点の度数を表すヒスト
グラムを作成し、度数の最も大きいρが、法線ベクトル
α1に対応するモールド直線に対するρ(=ρ1)とし
て抽出される。これにより、法線ベクトルがα1である
直線のうちの最も長い直線と、原点Gとの距離がρ1と
して選択される。
【0079】同様にして、法線ベクトルα2、α3およ
びα4に対応するモールド直線のρ2、ρ3およびρ4
が抽出される。
【0080】通常のハフ変換では、全ての検出エッジ点
に対してその点のグラディエント方向αをパラメータと
してρが計算される。そして、各エッジ点のグラディエ
ント方向αおよびρがα−ρ空間に投票され、票の多い
α、ρの組み合わせを用いて直線が決定される。しかし
ながら、この方法では角チップのように4本の直線しか
存在しない部品では問題はないが、異形部品、IC等の
リード部品ではモールドの他、コーナ部分、モールドか
ら突出した部分にも直線部分があるので、票の多い順に
4本の直線を選択すると、モールドの4直線以外の直線
が選択されてしまうことがある。
【0081】上記実施の形態では、モールド直線の法線
ベクトルが先に決定され、この法線ベクトルに似通った
エッジベクトルを持つエッジ点に対してのみρの計算を
行なっているので、モールド直線とは別の法線ベクトル
を持つ直線が検出されるといったことがない。
【0082】(6) 次に、各エッジ点が、四角形の4
辺ごとにクラス分けされる(ステップ6)。つまり、隣
り合う2本のモールド直線の交点に対する極座標系の方
向θ1、θ2、θ3およびθ4が求められる。隣り合う
2本のモールド直線の交点を、コーナ位置と定義する。
各エッジ点のθにより、各エッジ点がどの辺(モールド
直線)に属するかがクラス分けされる。
【0083】隣り合う2本のモールド直線の交点に対す
る極座標系の方向θ1、θ2、θ3およびθ4は、次の
ようにして求められる。
【0084】法線ベクトルがα1のモールド直線に対す
るρをρ1とし、法線ベクトルがα2のモールド直線に
対するρをρ2とし、これらのモールド直線の交点(コ
ーナ位置)のXY座標を(xo,yo)とすると、数式
6から次の数式8が成り立つ。
【0085】
【数8】
【0086】数式8から、上記両モールド直線の交点の
XY座標(xo,yo)は、次の数式9によって求めら
れる。
【0087】
【数9】
【0088】このようにして、4つのコーナ位置のXY
座標が求められると、各コーナ位置が原点Gからどの方
向に位置しているかが計算されることにより、隣り合う
2本のモールド直線の交点に対する極座標系の方向θ
1、θ2、θ3およびθ4が求められる。
【0089】(7) 次に、各クラス毎に、各エッジ点
からそのエッジ点が属するクラスの辺(モールド直線)
までの距離Δρが算出される(ステップ7)。
【0090】つまり、まず、数式7を用いて各エッジ点
ごとにρが求められる。この際、法線ベクトルαとして
は、当該エッジ点が属するクラスのモールド直線の法線
ベクトルα1、α2、α3、α4が用いられる。つま
り、エッジ点を通りかつそのエッジ点が属するモールド
直線と平行な直線と、原点Gとの距離ρが算出される。
【0091】次に、各エッジ点に対して求められたρ
と、そのエッジ点が属するモールド直線のρ1、ρ2、
ρ3またはρ4との差Δρ、すなわち、エッジ点からモ
ールド直線までの距離が求められる。図8は、モールド
直線Lに対応するクラスに属するエッジ点と、これらの
エッジ点ごとに求められたΔρを示している。図8にお
いて、R1およびR2は、コーナ位置を示している。エ
ッジ点がモールド直線上にある場合には、そのΔρは0
となる。エッジ点がモールド直線より外側にある場合に
は、そのΔρは正の値(Δρ>0)となる。エッジ点が
モールド直線より内側にある場合には、そのΔρは負の
値(Δρ<0)となる。
【0092】(8)次に、各エッジ点が、エッジ部分と
コーナ部分とにクラス分けされる(ステップ8)。
【0093】まず、コーナ位置の方向θ付近にあるエッ
ジ点からモールド直線の中央部に向かって、各エッジ点
のΔρが調べられ、最初にΔρが0となるエッジ点がエ
ッジ端点とされる。図8の例では、点Q1、Q2、Q
3、Q8がエッジ端点である。モールド直線上の2つの
エッジ端点Q1、Q2の間部分がエッジ部分とされる。
また、2つのモールド直線のコーナ点付近にある2のエ
ッジ端点の間部分、すなわち、図8の点Q1とQ8との
間部分、点Q2とQ3との間部分がコーナ部分とされ
る。
【0094】(9)次に、4つのエッジ部分におけるΔ
ρの分布に基づいてエッジ形状が認識され、4つのコー
ナ部分におけるΔρの分布に基づいてコーナ形状が認識
される。
【0095】エッジ形状認識は、たとえば、次のように
して行なわれる。まず、エッジ点がモールド直線上に位
置しているか否かを判定するしきい値を、モールド直線
に直交する方向の距離として設定する。そして、エッジ
部分に属するエッジ点のうち、そのΔρが+方向および
−方向にそのしきい値を越えているエッジ点が存在しな
い場合には、そのエッジ部分の形状を”直線形状”と判
定する。
【0096】エッジ部分のエッジ点のうち、そのΔρが
+方向にそのしきい値を越えているエッジ点が存在する
場合には、原則的にそのエッジ部分の形状を”突起あ
り”と判定する。また、エッジ部分のエッジ点のうち、
そのΔρが−方向にそのしきい値を越えているエッジ点
が存在する場合には、原則的にそのエッジ部分の形状
を”陥没あり”と判定する。ただし、突起または陥没が
3個以上存在する場合には、そのエッジ部分の形状を”
不良形状”と判定する。
【0097】コーナ形状認識は、コーナ部分のΔρの分
布だけでなく、コーナ部分の2つのエッジ端点を結ぶ直
線を一方の対角線とする正方形または長方形領域内の部
品部分の面積と背景部分の面積との比やコーナ部分の各
エッジ点のベクトルの方向の変化に基づいて判定しても
よい。
【0098】図9は部品画像の一例を示している。図1
0は、図9の画像から求められたΔρの分布を示してい
る。図9において、R1〜R4はコーナ位置を示し、Q
1〜Q8はエッジ端点を示している。この例では、各エ
ッジ部分のΔρの分布に基づいて、左側エッジ部EL
は”突起あり”と認識され、下側エッジ部EDは”直線
形状”と認識され、右側エッジ部ERは”不良形状”と
認識され、上側エッジ部EUは”直線形状”と認識され
る。
【0099】また、各コーナ部分のΔρの分布に基づい
て、右上コーナ部および右下コーナ部は”C面取り”と
認識され、左上コーナ部および左下コーナ部は”不良形
状”と認識される。左上コーナ部および左下コーナ部
が”R面取り”と認識されず、”不良形状”と認識され
ているのは、コーナ部が突起に連続している場合に
は、”不良形状”と認識するようにしたことによる。
【0100】コーナ形状認識を、コーナ部分の2つのエ
ッジ点を結ぶ直線を一方の対角線とする正方形領域内の
部品部分の面積と背景部分の面積との比に基づいて判定
する方法について説明する。
【0101】図11の(a)、(b)、(c)は、コー
ナ部分の2つのエッジ端点を結ぶ直線を一方の対角線と
する正方形領域を示している。図11(a)はコーナ形
状が”C面取り”の例を示し、図11(b)はコーナ形
状が”R面取り”の例を示し、図11(c)はコーナ形
状が”不良形状”の例を示している。
【0102】正方形領域内の背景部分の面積S1と部品
部分の面積S2との比(S1/S2)がほぼ1であれ
ば、そのコーナ形状は”C面取り”と判定される。正方
形領域内の背景部分の面積S1と部品部分の面積S2と
の比(S1/S2)が{(4−π)/π}=0.27に
ほぼ等しければ、そのコーナ形状は”R面取り”と判定
される。正方形領域内の背景部分の面積S1と部品部分
の面積S2との比(S1/S2)が、1または0.27
にほぼ等しくない場合には、そのコーナ形状は”不良形
状”と判定される。
【0103】なお、エッジ形状の認識およびコーナ形状
の認識を、ニューラルネットワークを用いて行なうよう
にしてもよい。ニューラルネットワークとしては、たと
えば、図12に示すように、入力層、中間層および出力
層からなる階層型ニューラルネットワークが用いられ
る。
【0104】このようなニューラルネットワークを用い
てエッジ形状の認識を行なう場合について説明する。複
数の電子部品画像から得られた複数のエッジ部分におけ
るモールド直線との差分Δρの分布を入力パターンと
し、入力パターンに対応するエッジ形状を表す信号を教
師信号として、ニューラルネットワークを学習させる。
出力層のユニット数が4である場合には、図13に示す
ように、”直線形状”に対応する教師信号としては
(1,0,0,0)が、”突起あり”に対応する教師信
号としては(0,1,0,0)が、”陥没あり”に対応
する教師信号としては(0,0,1,0)が、”不良形
状”に対応する教師信号としては(0,0,0,1)が
用いられる。
【0105】学習後のニューラルネットワークに、形状
認識対象である電子部品画像から得られたエッジ部分に
おけるΔρの分布を入力信号として与えると、そのエッ
ジ部分の形状に応じた出力が得られる。なお、エッジ部
分の長さが異なる場合には、たとえば写像変換により、
当該エッジ部分におけるΔρの数を、入力層のユニット
数に合わせればよい。
【0106】ニューラルネットワークを用いてコーナ形
状の認識を行なう場合は、複数の電子部品画像から得ら
れた複数のコーナ部分におけるΔρの分布を入力パター
ンとし、入力パターンに対応するコーナ形状を表す信号
を教師信号として、ニューラルネットワークを学習させ
る。
【0107】学習後のニューラルネットワークに、形状
認識対象である電子部品画像から得られたコーナ部分に
おけるΔρの分布を入力信号として与えると、そのコー
ナ部分の形状に応じた出力が得られる。
【0108】〔2〕本願発明の特徴である電子部品画像
のエッジ点の検出方法についての説明
【0109】〔2−1〕第1の実施の形態の説明
【0110】ところで、電子部品は吸着ノズルに吸着さ
れた状態で、部品画像が撮像される。このようにして、
部品画像を撮像した場合には、図14に示すように、ノ
ズル画像102の一部が、部品画像101から突出して
いる画像が得られることがある。このような画像に対し
て、部品画像の重心位置Gをラジアルスキャン原点とし
てラジアルスキャンすることによって、部品画像のエッ
ジ点を検出しようとすると、図14に符号103で示す
ように、ノズル画像のエッジ点も部品画像のエッジ点と
して、検出されてしまう。したがって、正確な部品形状
認識を行なえなくなる。
【0111】そこで、第1の実施の形態では、次のよう
にして、電子部品画像のエッジ点が検出される。つま
り、図15に示すように、撮像画像におけるノズルの中
心位置Oをラジアルスキャン原点として設定する。ま
た、スキャンを開始する半径(スキャン開始半径)を撮
像画像におけるノズルの半径より大きな値に設定する。
そして、撮像画像に対して放射状スキャンを行ないなが
ら微分処理を行なうことにより、部品画像101の輪郭
上の点104{エッジ点(x,y)}およびその点のグ
ラディエント方向(エッジベクトル)αを検出する。検
出されたエッジ点のxy座標値を、重心位置Gを原点と
する極座標系(r,θ)の座標値(r,θ)に変換す
る。これにより、部品画像の各エッジ点のr、θ、αが
抽出される。
【0112】上記第1実施の形態によれば、ノズル画像
102の一部が、部品画像101から突出している画像
であっても、ノズル画像のエッジ点を部品画像のエッジ
点として誤検出するといったことが回避されるので、正
確な部品形状認識が行なえるようになる。
【0112】〔2−2〕第2の実施の形態の説明
【0113】図16に示すように、認識対象である部品
が細長い長方形部品である場合に、その部品画像111
の重心位置から所定回転角度間隔おきに放射状に走査す
ることによって部品画像のエッジ点を検出しようとする
と、コーナ部分において検出されるエッジ点の間隔が疎
となる。さらに、図17に示すように、認識対象である
部品のコーナ部に窪み112があると、図17に示すよ
うに、重心位置Gと窪み112の輪郭上のエッジとを結
ぶ線の延長上にある部品コーナ部のエッジ点が検出され
なくなり、正確な部品形状認識を行なえなくなる。
【0114】このような場合には、図18に示すよう
に、コーナ付近にも放射状スキャン原点Uを追加設定
し、追加設定された放射状スキャン原点Uを中心として
放射状スキャンを行ないながら微分処理を行なうことに
より、部品画像111のコーナ付近の輪郭上の点(エッ
ジ点)およびその点のグラディエント方向αを検出すれ
ばよい。なお、検出されたエッジ点のxy座標値は、重
心位置Gを原点とする極座標系(r,θ)の座標値
(r,θ)に変換される。
【0115】つまり、認識対象である部品が細長い長方
形部品である場合には、部品画像内部に複数の放射状ス
キャン原点を設定し、撮像画像に対して各放射状スキャ
ン原点ごとに、放射状スキャンを行ないながら微分処理
を行なうことにより、部品画像の輪郭上の点(エッジ
点)およびその点のグラディエント方向αを検出すれば
よい。
【0116】図19に基づいて、細長い長方形の部品画
像内部に複数の放射状スキャン原点を設定する方法につ
いて説明する。
【0117】まず、ブロブ解析等により、部品画像12
1の重心Gを求めるとともに慣性主軸PAの角度を求め
る。次に、慣性主軸PAと部品画像の慣性主軸PAに直
交する2辺との交点Pa、Pbの座標を求める。また、
重心Gを通りかつ慣性主軸PAに直交する線と、部品画
像の慣性主軸PAに平行な2辺との交点Pc、Pdの座
標を求める。
【0118】そして、点Paと点Pbとの間の距離(部
品画像の長軸方向長さ)aと、点Pcと点Pdとの間の
距離(部品画像の短軸方向長さ)bとを求める。次に、
部品画像の長軸方向長さaと、部品画像の短軸方向長さ
bとの比(a/b)とに基づいて、放射状スキャン原点
の数と放射状スキャン原点の配置間隔とを求める。比
(a/b)が大きいほど、放射状スキャン原点の数は多
くなる。そして、求められた放射状スキャン原点の数と
配置間隔とに基づいて、部品画像内であって慣性主軸P
A上に複数の放射状スキャン原点Uが設定される。
【0119】図20は放射状スキャン原点が3つ設定さ
れた例を示し、図21は放射状スキャン原点が2つ設定
された例を示している。
【0120】複数の放射状スキャン原点が設定された場
合には、隣り合う放射状スキャン原点間において、放射
状スキャン原点を切り替える必要がある。図22に基づ
いて、隣り合う放射状スキャン原点U1、U2におい
て、放射状スキャン原点U1を中心とする放射状スキャ
ンから、放射状スキャン原点U2を中心とする放射状ス
キャンに切り替える方法について説明する。
【0121】放射状スキャン原点U1を中心とするスキ
ャンによってエッジ点が検出されるごとに、放射状スキ
ャン原点U1から検出されたエッジ点までの距離L1
と、放射状スキャン原点U2から検出されたエッジ点ま
での距離L2とを算出する。そして、算出された距離L
1と距離L2とを比較し、距離L1が距離L2より大き
くなった時点で、放射状スキャン原点をU1からU2に
切り替える。
【0122】このような放射状スキャン原点の切り替え
は、全ての隣合う放射状スキャン原点間で行なわれる。
そして、部品画像の重心からみて、1周分のエッジ点が
検出された時点で、エッジ点検出処理を終了する。
【0123】上記第1の実施の形態による電子部品画像
のエッジ点の検出方法および上記第2の実施の形態によ
る電子部品画像のエッジ点の検出方法を図4の局所形状
認識処理に組み入れる場合には、図4のステップ1から
ステップ2までの処理は、図23に示すような処理に置
き換えられる。
【0124】つまり、まず、部品画像の重心位置が、ブ
ロブ解析等によって求められる(ステップ11)。
【0125】次に、撮像画像において、部品画像からノ
ズル画像がはみ出しているか否かが判定される(ステッ
プ12)。部品画像からノズル画像がはみ出していると
判定された場合には、ノズル画像の中心に放射状スキャ
ン原点が設定された後(ステップ13)、ステップ14
に進む。部品画像からノズル画像がはみ出していないと
判定された場合には、ステップ14に進む。
【0126】ステップ14では、慣性主軸PAに基づい
て、部品画像の長軸方向長さと、部品画像の短軸方向長
さとの比が算出される。そして、算出された比に基づい
て、放射状スキャン原点を複数設定する必要があるか否
かが判定される(ステップ15)。
【0127】放射状スキャン原点を複数設定する必要が
あると判定された場合には、放射状スキャン原点の数と
配置間隔とに基づいて、複数の放射状スキャン原点が設
定される(ステップ16)。この際、ステップ13にお
いて、ノズル画像の中心に放射状スキャン原点が設定さ
れている場合には、ステップ13で設定された放射状ス
キャン原点も残される。そして、ステップ17に進む。
放射状スキャン原点を複数設定する必要がないと判定さ
れた場合には、ステップ17に進む。
【0128】ステップ17では、既に放射状スキャン原
点が設定されている場合には、設定されているスキャン
原点に基づいて部品画像のエッジ点が検出される。既に
放射状スキャン原点が設定されている場合には、次の3
つの場合がある。
【0129】(1)ステップ13においてノズル画像の
中心に放射状スキャン原点が設定されており、ステップ
16において複数の放射状スキャン原点が設定されてい
ない場合。この場合は、放射状スキャン原点は1つだけ
設定されていることになる。
【0130】(2)ステップ13においてノズル画像の
中心に放射状スキャン原点が設定されておらず、ステッ
プ16において複数の放射状スキャン原点が設定されて
いる場合。この場合は、放射状スキャン原点は複数設定
されていることになる。
【0131】(2)ステップ13においてノズル画像の
中心に放射状スキャン原点が設定されているとともにス
テップ16においても複数の放射状スキャン原点が設定
されている場合。この場合は、放射状スキャン原点は複
数設定されていることになる。
【0132】ステップ17において、既に放射状スキャ
ン原点が設定されていない場合には、部品画像の重心を
放射状スキャン原点として、部品画像のエッジ点が検出
される。
【0133】〔2−3〕第3の実施の形態の説明
【0134】図24に示すように、認識対象である部品
が局所的に特異な形状を持つ部品である場合を想定す
る。図24の例では、横長の第1四角形部分と、第1四
角形部分の右部分から上方に突出する第2四角形部分と
からなる。
【0135】このような部品画像131の重心位置Gか
ら所定回転角度間隔おきに放射状に走査することによっ
て部品画像のエッジ点を検出しようとすると、第2四角
形部分の上辺と左辺のエッジ部においては、A、B、C
のエッジ点が検出される。つまり、第2四角形部分の点
B、点Cとの間のエッジ部分においてはエッジ点が検出
されなくなる。したがって、第2四角形部分の上辺と左
辺のエッジ部においてはほとんどエッジ点が検出されな
くなり、正確な部品形状認識を行なえなくなる。
【0136】このような場合には、点A、B、Cを頂点
とする3角形の重心位置に放射状スキャン原点Uを追加
設定すればよい。
【0137】あるいは、認識対象である部品が局所的に
特異な形状を持つ部品である場合には、次のようにして
部品画像のエッジ点を検出するようにしてもよい。
【0138】つまり、まず、部品画像の重心Gを放射状
スキャン原点として、エッジ検出処理を実行する。この
後、検出エッジ点間の距離を解析することによって、欠
落しているエッジ間を抽出する。抽出されたエッジ間の
エッジ点を検出できるような位置に放射状スキャン原点
を設定する。そして、設定された放射状スキャン原点に
基づいてエッジ検出処理を行なう。
【0139】
【発明の効果】この発明によれば、撮像画像に部品を吸
着しているノズル画像が現れている場合においても、部
品画像のエッジ点を正確に検出できるようになる。
【0140】この発明によれば、部品形状にかかわら
ず、部品画像のエッジ点を密に検出できるようになる。
【0141】この発明によれば、部品の局所形状を自動
的にかつ正確に認識できる部品形状認識装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子部品自動装着システムの全体的な構成を示
すブロック図である。
【図2】エッジ形状の種類を示す模式図である。
【図3】コーナ形状の種類を示す模式図である。
【図4】局所形状認識処理の手順を示すフローチャート
である。
【図5】部品画像の一例を示す模式図である。
【図6】微分オペレータの重み付けを示す模式図であ
る。
【図7】各モールド直線に対する法線ベクトルα1〜α
4を求める方法を説明するためのグラフである。
【図8】モールド直線Lに対応するクラスに属するエッ
ジ点と、これらのエッジ点ごとに求められたΔρを示す
模式図である。
【図9】部品画像の一例を示す模式図である。
【図10】図9の画像から求められたΔρの分布を示す
グラフである。
【図11】コーナ部分の2つのエッジ端点を結ぶ直線を
一方の対角線とする正方形領域を示す模式図である。
【図12】ニューラルネットワークの構成例を示す模式
図である。
【図13】教師信号の一例を示す説明図である。
【図14】ノズル画像の一部が部品画像から突出してい
る画像の一例を示す模式図である。
【図15】ノズル画像の一部が部品画像から突出してい
る画像に対して実行されるエッジ検出方法を説明するた
めの模式図である。
【図16】細長い部品の部品画像の一例を示す模式図で
ある。
【図17】細長い部品であってかつコーナ部に窪みを有
する部品の画像の一例を示す模式図である。
【図18】細長い部品であってかつコーナ部に窪みを有
する部品の画像に対して実行されるエッジ検出方法を説
明するための模式図である。
【図19】細長い長方形の部品画像内部に複数の放射状
スキャン原点を設定する方法を説明するための模式図で
ある。
【図20】放射状スキャン原点が3つ設定された例を示
す模式図である。
【図21】放射状スキャン原点が2つ設定された例を示
す模式図である。
【図22】隣り合う放射状スキャン原点間において、放
射状スキャン原点を切り替える方法を説明するための模
式図である。
【図23】第1の実施の形態による電子部品画像のエッ
ジ点の検出方法および第2の実施の形態による電子部品
画像のエッジ点の検出方法を局所形状認識処理に組み入
れた場合におけるエッジ検出処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図24】局所的に特異な形状を持つ部品の画像に対し
て実行されるエッジ検出方法を説明するための模式図で
ある。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ 2 電子部品装着装置 3 画像処理装置 4 データベース 31 位置認識手段 32 標準データ計測手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 部品画像のエッジ検出方法および部品
形状認識装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、部品画像のエッ
ジ点検出方法および部品形状認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気製品の小型化、軽量化に伴い、チッ
プ状電子部品のプリント基板上への実装は、さらなる高
密度化が要求されている。その要求を満たす実装精度を
実現するためには、画像処理技術を応用した電子部品の
位置決め処理が必要不可欠となっている。
【0003】位置決め処理は、部品のコーナ位置、部品
の輪郭のエッジ位置を検出することによって行なわれる
ので、部品の各種のサイズのみならず、コーナ形状、エ
ッジ形状等の部品の局所形状に関する情報が必要とな
る。
【0004】このような部品の局所形状に関する情報の
登録は、作業者の手入力によって行なわれているのが現
状であり、作業者の負担が大きいという問題がある。
【0005】そこで、本出願人は、部品画像に基づい
て、部品画像の輪郭上の点をエッジ点として検出し、部
品画像を大局的に四角形とみなして、その四角形の4辺
ごとに、エッジ点をクラス分けし、各クラスごとに、そ
のクラスに対応する辺とそのクラスに属する各エッジ点
との距離の分布を求め、求められた分布に基づいて、部
品の局所形状を認識する部品形状認識方法を開発し、既
に特許出願している(平成8年特許願第116725
号)。ただし、上記特許出願は、本明細書の出願時にお
いては、未だ公開されていない。
【0006】本出願人が開発した部品形状認識方法にお
いては、部品画像の重心位置から放射状に走査しながら
微分処理を行なうことにより、部品画像の重心位置を原
点とする極座標系において、部品画像の輪郭上のエッジ
点の位置が検出される。
【0007】ところで、電子部品自動装着システムに、
上記部品形状認識方法を適用した場合には、電子部品は
吸着ノズルに吸着された状態で、部品画像が撮像され
る。このようにして、部品画像を撮像した場合には、図
14に示すように、ノズル画像102の一部が、部品画
像101から突出している画像が得られることがある。
このような画像に対して、部品画像の重心位置Gから放
射状に走査することによって、部品画像のエッジ点を検
出しようとすると、図14に符号103で示すように、
ノズル画像のエッジ点も部品画像のエッジ点として、検
出されてしまう。したがって、正確な部品形状認識を行
なえなくなる。
【0008】また、図16に示すように、認識対象であ
る部品が細長い部品である場合に、その部品画像111
の重心位置Gから所定回転角度間隔おきに放射状に走査
することによって部品画像のエッジ点を検出しようとす
ると、コーナ部分において検出されるエッジ点の間隔が
疎となる。さらに、図17に示すように、認識対象であ
る部品のコーナ部に窪み112があると、図17に示す
ように、重心位置Gと窪み112の輪郭上のエッジとを
結ぶ線の延長上にある部品コーナ部のエッジ点が検出さ
れなくなり、正確な部品形状認識を行なえなくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、部
品画像内の点を中心として放射状に走査することにより
部品画像のエッジを検出する方法において、撮像画像に
部品を吸着しているノズル画像が現れている場合におい
ても、部品画像のエッジ点を正確に検出できる部品画像
のエッジ点検出方法を提供することにある。
【0010】この発明の他の目的は、部品画像内の点を
中心として放射状に走査することにより部品画像のエッ
ジを検出する方法において、部品形状にかかわらず、部
品画像のエッジ点を密に検出できる部品画像のエッジ点
検出方法を提供することにある。
【0011】この発明のさらに他の目的は、部品の局所
形状を自動的にかつ正確に認識できる部品形状認識装置
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明による第1の部
品画像のエッジ検出方法は、吸着ノズルに吸着された部
品の撮像画像に基づいて、部品画像の輪郭上の点をエッ
ジ点として検出する部品画像のエッジ検出方法であっ
て、撮像画像におけるノズルの中心位置を放射状スキャ
ン原点とし、スキャン開始半径を撮像画像におけるノズ
ルの半径より大きな値として、撮像画像に対して放射状
スキャンを行なうことにより、部品画像の輪郭上のエッ
ジ点を検出することを特徴とする。
【0013】この発明による第2の部品画像のエッジ検
出方法は、吸着ノズルに吸着された部品の撮像画像に基
づいて、部品画像の輪郭上の点をエッジ点として検出す
る部品画像のエッジ検出方法であって、撮像画像におけ
るノズルの中心位置を放射状スキャン原点とし、スキャ
ン開始半径を撮像画像におけるノズルの半径より大きな
値として、撮像画像に対して放射状スキャンを行ないな
がら微分処理を行なうことにより、部品画像の輪郭上の
エッジ点を検出することを特徴とする。
【0014】この発明による第1または第2の部品画像
のエッジ検出方法によれば、撮像画像に部品を吸着して
いるノズル画像が現れている場合においても、部品画像
のエッジ点を正確に検出できるようになる。
【0015】この発明による第3の部品画像のエッジ検
出方法は、部品画像に基づいて、部品画像の輪郭上の点
をエッジ点として検出する部品画像のエッジ検出方法で
あって、部品画像内部に複数の放射状スキャン原点を設
定し、部品画像に対して各放射状スキャン原点ごとに、
放射状スキャンを行ないながら微分処理を行なうことに
より、部品画像の輪郭上のエッジ点を検出することを特
徴とする。
【0016】この発明による第3の部品画像のエッジ検
出方法によれば、部品形状にかかわらず、部品画像のエ
ッジ点を密に検出できるようになる。
【0017】この発明による第4の部品画像のエッジ検
出方法は、略長方形の部品画像に基づいて、部品画像の
輪郭上の点をエッジ点として検出する部品画像のエッジ
検出方法であって、部品画像内部であって部品画像の慣
性主軸上に、所定間隔おきに複数の放射状スキャン原点
を設定し、部品画像に対して各放射状スキャン原点ごと
に、放射状スキャンを行ないながら微分処理を行なうこ
とにより、部品画像の輪郭上のエッジ点を検出すること
を特徴とする。
【0018】この発明による第4の部品画像のエッジ検
出方法によれば、部品形状にかかわらず、部品画像のエ
ッジ点を密に検出できるようになる。
【0019】この発明による第1の部品形状認識装置
は、吸着ノズルに吸着された部品の撮像画像に基づい
て、部品画像の輪郭上の点をエッジ点として検出するエ
ッジ検出手段、部品画像を大局的に四角形とみなして、
その四角形の4辺ごとに、エッジ点をクラス分けするク
ラスタリング手段、各クラスごとに、そのクラスに対応
する辺とそのクラスに属する各エッジ点との距離の分布
を求める分布作成手段、および求められた分布に基づい
て、部品の局所形状を認識する認識手段を備えており、
エッジ検出手段は、撮像画像におけるノズルの中心位置
を放射状スキャン原点とし、スキャン開始半径を撮像画
像におけるノズルの半径より大きな値として、撮像画像
に対して放射状スキャンを行ないながら微分処理を行な
うことにより、部品画像の輪郭上のエッジ点および各エ
ッジ点のグラディエント方向を検出する手段、ならびに
検出された各エッジ点を部品画像の重心位置を原点とす
る極座標系における座標値に変換する手段を備えている
ことを特徴とする。
【0020】この発明による第1の部品形状認識装置に
よれば、撮像画像に部品を吸着しているノズル画像が現
れている場合においても、部品画像のエッジ点を正確に
検出できるようになり、部品形状認識精度が向上する。
【0021】この発明による第2の部品形状認識装置
は、部品画像に基づいて、部品画像の輪郭上の点をエッ
ジ点として検出するエッジ検出手段、部品画像を大局的
に四角形とみなして、その四角形の4辺ごとに、エッジ
点をクラス分けするクラスタリング手段、各クラスごと
に、そのクラスに対応する辺とそのクラスに属する各エ
ッジ点との距離の分布を求める分布作成手段、および求
められた分布に基づいて、部品の局所形状を認識する認
識手段を備えており、エッジ検出手段は、部品画像内部
に複数の放射状スキャン原点を設定し、部品画像に対し
て各放射状スキャン原点ごとに、放射状スキャンを行な
いながら微分処理を行なうことにより、部品画像の輪郭
上のエッジ点および各エッジ点のグラディエント方向を
検出する手段、ならびに検出された各エッジ点を部品画
像の重心位置を原点とする極座標系における座標値に変
換する手段を備えていることを特徴とする。
【0022】この発明による第2の部品形状認識装置に
よれば、部品形状にかかわらず、部品画像のエッジ点を
密に検出できるようになり、部品形状認識精度が向上す
る。
【0023】この発明による上記第1または第2の部品
形状認識装置におけるクラスタリング手段としては、た
とえば、部品画像を大局的に四角形とみなして、その四
角形の各辺に対する法線ベクトルを求める法線ベクトル
算出手段、各辺に対する法線ベクトルおよびハフ変換式
により得られた方程式に基づいて、部品画像の重心位置
から各辺までの距離を求める距離算出手段、ならびに各
辺に対する法線ベクトルおよび部品画像の重心位置から
各辺までの距離に基づいて4つの辺を特定し、特定され
た4辺における隣り合う辺の交点位置に対応する極座標
系の方向と、各エッジ点の極座標系の方向とに基づい
て、各エッジ点がどの辺に属するかをクラス分けする手
段を備えているものが用いられる。
【0024】法線ベクトル算出手段としては、たとえ
ば、グラディエント方向に対するエッジ点の度数分布に
基づいて、四角形の各辺に対する法線ベクトルを求める
ものが用いられる。
【0025】グラディエント方向に対するエッジ点の度
数分布は、各エッジ点の第1のグラディエント方向およ
び第2のグラディエント方向の両方を考慮して作成され
ることが好ましい。各エッジ点の第1のグラディエント
方向は、エッジ検出手段によって求められたグラディエ
ント方向である。各エッジ点の第2のグラディエント方
向は、注目エッジ点を中心として互いに反対方向にある
2つのエッジ点であって、第1のグラディエント方向が
注目エッジ点の第1のグラディエント方向とほぼ等しい
2つのエッジ点を結ぶ直線に対する法線ベクトルであ
る。
【0026】距離算出手段は、上記四角形の各辺ごと
に、部品画像の重心位置から注目辺までの距離を求める
ものであり、たとえば、法線ベクトル算出手段によって
求められた注目辺に対する法線ベクトルに似通ったグラ
ディエント方向を持つエッジ点を選択し、選択した各エ
ッジ点ごとに、注目辺に対する法線ベクトルとハフ変換
式により得られた方程式とを用いて、その点を通りかつ
注目辺に対する法線ベクトルと等しい法線ベクトルを持
つ直線と部品画像の重心位置との距離を算出する手段、
ならびに、算出された距離に対するエッジ点の度数分布
を作成し、度数の最も大きい距離を部品画像の重心位置
から注目辺までの距離として選択する手段を備えている
ものが用いられる。
【0027】注目辺に対する法線ベクトルに似通ったグ
ラディエント方向を持つエッジ点は、各エッジ点の第1
のグラディエント方向および第2のグラディエント方向
の両方を考慮して選択されることが好ましい。各エッジ
点の第1のグラディエント方向は、エッジ検出手段によ
って求められたグラディエント方向である。各エッジ点
の第2のグラディエント方向は、注目エッジ点を中心と
して互いに反対方向にある2つのエッジ点であって、第
1のグラディエント方向が注目エッジ点の第1のグラデ
ィエント方向とほぼ等しい2つのエッジ点を結ぶ直線に
対する法線ベクトルである。
【0028】分布作成手段としては、たとえば、ハフ変
換式により得られた方程式および各辺に対する法線ベク
トルに基づいて、エッジ点を通りかつそのエッジ点が属
するクラスの辺に対して平行な直線と、部品画像の重心
位置との距離を、各エッジ点ごとに求める手段、および
エッジ点を通りかつそのエッジ点が属する辺と平行な直
線と部品画像の重心位置との距離と、部品画像の重心位
置からそのエッジ点が属するクラスの辺までの距離との
差を各エッジ点ごとに求め、求められた差に基づいて、
各クラスごとにそのクラスに対応する辺とそのクラスに
属する各エッジ点との距離の分布を作成する手段を備え
ているものが用いられる。
【0029】認識手段としては、たとえば、各エッジ点
を4つのコーナ部分と4つのエッジ部分とにクラス分け
する手段、分布作成手段によって作成された各エッジ部
分に対する距離分布に基づいてエッジ形状を認識するエ
ッジ形状認識手段、および分布作成手段によって作成さ
れた各コーナ部分に対する距離分布に基づいてコーナ形
状を認識するコーナ形状認識手段を備えているものが用
いられる。
【0030】エッジ形状認識手段としては、たとえば、
対象エッジ部分に属するエッジ点がその対象エッジ部分
に対応する辺上に位置しているか否かを判定するしきい
値を、上記辺に直交する方向の距離として設定し、当該
対象エッジ部分に属する各エッジ点と上記辺との距離
を、しきい値と比較することにより、対象エッジ部分の
エッジ形状を認識するものが用いられる。
【0031】エッジ形状認識手段として、複数の部品画
像から得られた複数のエッジ部分に対する距離分布を入
力パターンとし、入力パターンに対応するエッジ形状を
表す信号を教師信号として、学習が行なわれたニューラ
ルネットワークに、分布作成手段によって作成された対
象エッジ部分に対する距離分布を入力することによっ
て、対象エッジ部分のエッジ形状を認識するものを用い
てもよい。
【0032】コーナ形状認識手段として、複数の部品画
像から得られた複数のコーナ部分に対する距離分布を入
力パターンとし、入力パターンに対応するコーナ形状を
表す信号を教師信号として、学習が行なわれたニューラ
ルネットワークに、分布作成手段によって作成された対
象コーナ部分に対する距離分布を入力することによっ
て、対象コーナ部分のコーナ形状を認識するものを用い
てもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
を電子部品自動装着システムに適用した場合の実施の形
態について説明する。
【0034】本願発明の特徴は、電子部品画像のエッジ
点の検出方法にある。それ以外の点は、本出願人が既に
開発した部品形状認識方法と同じである。そこで、ま
ず、図1〜図13に基づいて、本出願人が既に開発した
部品形状認識方法が採用された電子部品自動装着システ
ムについて説明し、その後に図14〜図24に基づいて
本願発明の特徴である電子部品画像のエッジ点の検出方
法について説明することにする。
【0035】〔1〕本出願人が既に開発した部品形状認
識方法が採用された電子部品自動装着システムの説明
【0036】図1は、電子部品自動装着システムの全体
的な構成を示している。電子部品自動装着システムは、
システム全体を制御するホストコンピュータ1、電子部
品をプリント基板に装着する電子部品装着装置2、およ
び部品位置認識、形状認識等を行なう画像処理装置3を
備えている。ホストコンピュータ1は、電子部品の位置
認識に用いられる標準データが記憶されたデータベース
4を備えている。画像処理装置3には、モニタ5および
ユーザーインタフェース6が接続されている。
【0037】電子部品装着装置2は、ノズルに吸着され
た電子部品をCCDカメラで撮像し、部品画像を取得す
る部品画像入力手段21を備えている。
【0038】画像処理装置3は、部品画像入力手段21
によって得られた部品画像を、たとえば512×512
画素、8ビット256階調の濃淡画像として画像メモリ
に取込み、画像処理により電子部品の位置認識、標準デ
ータの計測等を行なう。モニタ5には、部品画像、処理
結果等が表示される。
【0039】画像処理装置3は、位置認識手段31およ
び標準データ計測手段32を備えている。位置認識手段
31は、電子部品画像と、ホストコンピュータ1から供
給される電子部品の種類、サイズ、形状等の標準データ
とに基づいて、電子部品の重心位置、傾き角度等を検出
する。標準データ計測手段32は、電子部品画像に基づ
いて、電子部品の種類、サイズ、形状情報等の標準デー
タを求める。
【0040】ユーザーインタフェース6は、必要に応じ
て、標準データ計測手段32によって求められた標準デ
ータの修正等を行なう。ホストコンピュータは、各装置
の制御の他、標準データの統計学的処理、標準データの
データベースへの登録、更新および読み出しを行なう。
【0041】図2および図3は、標準データとして用い
られる電子部品の局所形状を示している。図2はエッジ
形状の例を示し、図3はコーナ形状の例を示している。
【0042】エッジ形状には、”直線形状”(図2
(a))、”突起あり”(図2(b))、”陥没あり”
(図2(c))およびその他の形状(”不良形状”)
(図2(d))がある。
【0043】コーナ形状には、”R面取り”(図3
(a))、”C面取り”(図3(b))およびその他の
形状(”不良形状”)(図3(c))がある。
【0044】図4は、標準データ計測手段32によって
行なわれる局所形状認識処理手順を示している。
【0045】(1) まず、図5に示すように、部品画
像の重心位置Gが、ブロブ解析等によって求められる
(ステップ1)。
【0046】(2) そして、重心位置Gを放射状スキ
ャン原点として、放射状に画像データをアクセス(ラジ
アルスキャン)しながら、微分処理を行なうことによ
り、部品の輪郭上の点(エッジ点)(x,y)とその点
のグラディエント(gradient) 方向(エッジベクトル)
αとが検出される(ステップ2)。検出されたエッジ点
のxy座標値は、重心位置Gを原点とする極座標系
(r,θ)の座標値(r,θ)に変換される。
【0047】このエッジ検出には、たとえば、sobel の
微分オペレータが用いられる。図6(a)は、sobel の
x方向の微分オペレータの重み付けを示している。図6
(b)は、sobel のy方向の微分オペレータの重み付け
を示している。図6(c)のように、局所領域内の画素
の位置および値をA〜Iで表すと、水平方向の微分値S
xは数式1で表され、垂直方向の微分値Syは数式2で
表される。
【0048】
【数1】
【0049】
【数2】
【0050】そして、画素Eの場所におけるエッジ強度
Sは次の数式3で与えられ、グラディエント方向αは次
の数式4で与えられる。
【0051】
【数3】
【0052】
【数4】
【0053】ただし、通常arctanは、−π/2〜π/2
の範囲で計算されるが、ここでは、極座標系の方向θに
合わせて0〜2πの範囲で計算される。
【0054】ラジアルスキャン方向θごとに、エッジ強
度Sが最大となる点(x,y)が、部品のエッジ(輪
郭)として抽出される。また、この点のグラディエント
方向αがそのエッジ点でのエッジベクトルとされる。抽
出されたエッジ強度Sが最大となる点のxy座標値は、
重心位置Gを原点とする極座標系(r,θ)の座標値
(r,θ)に変換される。このようにして、部品画像の
各エッジ点のr、θ、αが抽出される。
【0055】(3) 次に、エッジベクトルの補正処理
が行なわれる(ステップ3)。つまり、図5に示すよう
に、注目エッジ点Aから互いに反対方向に所定距離離れ
た2つのエッジ点B、Cが選択され、選択された2つの
エッジ点B、Cを結ぶ直線の方向に直交する方向(内側
から外側に向かう方向)が、注目エッジ点Aのエッジベ
クトルαとされる。
【0056】ただし、注目エッジ点から互いに反対方向
に所定距離離れた2つのエッジ点であっても、その点の
グラディエント方向αが注目エッジ点のグラディエント
方向αとほぼ等しくない場合には、その点は選択されな
い。このような場合には、グラディエント方向αが注目
エッジ点のグラディエント方向αと等しくないエッジ点
の代わりに、そのエッジ点から注目エッジ点により近い
エッジ点であって、グラディエント方向αが注目エッジ
点のグラディエント方向αとほぼ等しいエッジ点が選択
される。
【0057】このようなエッジベクトルαの補正が全て
のエッジ点に対して行なわれる。ステップ2で抽出され
た各エッジ点のグラディエント方向αにノイズ誤差があ
っても、上記補正処理により精度の高いグラディエント
方向(エッジベクトル)αが得られる。なお、ステップ
2で求められた各エッジ点のグラディエント方向αを補
正前のグラディエント方向αといい、ステップ3で求め
られた各エッジ点のグラディエント方向αを補正後のグ
ラディエント方向αということにする。
【0058】次に、部品画像を対局的に四角形とみな
し、その四角形の4辺(以下、モールド直線という)に
対する法線ベクトルα1〜α4と、原点Gから各モール
ド直線までの距離ρ1〜ρ4が求められる(ステップ
4、5)。
【0059】まず、直線の方程式について説明する。図
5において、重心Gを原点とするXY座標を想定する
と、原点Gからθ方向に距離rのエッジ点DのXY座標
値は、rとθとを用いて次の数式5で表される。
【0060】
【数5】
【0061】また、電子部品の上辺の直線の方程式は、
原点Gからその直線までの距離をρとし、その直線の法
線ベクトルをαとすると、ハフ変換により数式6で与え
られる。
【0062】
【数6】
【0063】数式6から、x、yを消去すると、数式7
が得られる。
【0064】
【数7】
【0065】数式7で得られた直線の方程式のパラメー
タには、法線ベクトルαと原点Gから直線までの距離ρ
とがある。
【0066】(4) そこで、まず、各モールド直線に
対する法線ベクトルα1〜α4が求められる(ステップ
4)。
【0067】図7(a)は、横軸にエッジベクトルα
(補正前のエッジベクトルαおよび補正後のエッジベク
トルαの両方を含む)をとり、縦軸にラジアルスキャン
方向θをとって、各エッジ点の分布を表したものであ
る。この分布に基づいて、エッジベクトルαに対するエ
ッジ点の度数を表すヒストグラムが生成される。エッジ
ベクトルαに対するエッジ点のヒストグラムを図7
(b)に示す。
【0068】電子部品は大局的に四角形とみなすことが
できるので、その4辺に対応して4箇所に、エッジベク
トルαの度数のピークP1〜P4ができる。四角形の各
辺の方向は90°ずつ異なっているので、エッジベクト
ルαの度数のピークP1〜P4の間隔も90°ごとに現
れる。
【0069】図7(b)のヒストグラムが90°単位に
4分割され、各90°単位のヒストグラムが足し合わさ
れる。これにより、図7(c)に示すヒストグラムが得
られる。図7(c)のヒストグラムには、1つの大きな
ピークPが現れる。このピークPに対応するエッジベク
トルが、1つのモールド直線に対する法線ベクトルα1
として抽出される。
【0070】抽出された1つのモールド直線に対する法
線ベクトルα1に、90°、180°および270°が
それぞれ加算されることにより、他の3つのモールド直
線に対する法線ベクトルα2、α3およびα4が求めら
れる。このような法線ベクトルα1〜α4の求め方を第
1方法ということにする。
【0071】ところで、実際の部品には、微小な形状の
歪みがあるため、対辺どうしが平行になるとは限らな
い。そこで、微小な形状の歪みを吸収するために、4つ
のモールド直線に対する法線ベクトルα1〜α4を、次
のようにして求めてもよい。ここでは、法線ベクトルα
2についてのみ説明する。
【0072】図7(b)のヒストグラムの横軸上におい
て、第1方法によって求められた法線ベクトルα2を中
心とする幅±Δαの範囲を設定する。Δαとしては、た
とえば5°が設定される。そして、その範囲内の各αご
とに、αの値とそれに対するエッジ点の度数との積を求
め、求められた積を加算する。つまり、αの値とそれに
対するエッジ点の度数との積の累積値を求める。得られ
た累積値を、上記範囲内の度数の累積値で除算すること
により、その範囲内でのαの平均値を算出する。そし
て、得られた平均値を法線ベクトルα2とする。このよ
うな法線ベクトルα1〜α4の求め方を第2方法という
ことにする。
【0073】また、部品の中には、1辺が隣り合う2辺
と直角でない台形状のものがある。このような部品にお
いては、隣り合う2辺と直角でない傾斜辺において、そ
の辺に沿ったモールド直線を検出することが好ましい。
【0074】そこで、4つのモールド直線に対する法線
ベクトルα1〜α4を、次のようにして求めてもよい。
ここでは、法線ベクトルα2についてのみ説明する。
【0075】図7(b)のヒストグラムにおいて、図7
(c)に基づいて上記のようにして求められた法線ベク
トルα2の付近で度数がピークとなるαを局所的に探索
し、探索されたαを法線ベクトルα2とする。この方法
では、図7(b)のP1、P2、P3、P4が法線ベク
トルα1、α2、α3、α4となる。このような法線ベ
クトルα1〜α4の求め方を第3方法ということにす
る。
【0076】なお、第2方法と同様に、第3方法によっ
て求められた法線ベクトルα1、α2、α3、α4付近
のαの平均値を法線ベクトルα1、α2、α3、α4と
してもよい。
【0077】(5) 次に、原点Gから各モールド直線
までの距離ρ1〜ρ4が求められる(ステップ5)。
【0078】つまり、ステップ4で求められた4個の法
線ベクトルα1〜α4のうち、まず、法線ベクトルα1
に似通ったエッジベクトル(補正前のエッジベクトルα
および補正後のエッジベクトルαの両方を含む)を持つ
エッジ点が選択される。そして、選択された各エッジ点
ごとに、数式7により、ρが計算される。この際、数式
7のαとしては、α1が用いられる。そして、得られた
ρに基づいて、ρに対するエッジ点の度数を表すヒスト
グラムを作成し、度数の最も大きいρが、法線ベクトル
α1に対応するモールド直線に対するρ(=ρ1)とし
て抽出される。これにより、法線ベクトルがα1である
直線のうちの最も長い直線と、原点Gとの距離がρ1と
して選択される。
【0079】同様にして、法線ベクトルα2、α3およ
びα4に対応するモールド直線のρ2、ρ3およびρ4
が抽出される。
【0080】通常のハフ変換では、全ての検出エッジ点
に対してその点のグラディエント方向αをパラメータと
してρが計算される。そして、各エッジ点のグラディエ
ント方向αおよびρがα−ρ空間に投票され、票の多い
α、ρの組み合わせを用いて直線が決定される。しかし
ながら、この方法では角チップのように4本の直線しか
存在しない部品では問題はないが、異形部品、IC等の
リード部品ではモールドの他、コーナ部分、モールドか
ら突出した部分にも直線部分があるので、票の多い順に
4本の直線を選択すると、モールドの4直線以外の直線
が選択されてしまうことがある。
【0081】上記実施の形態では、モールド直線の法線
ベクトルが先に決定され、この法線ベクトルに似通った
エッジベクトルを持つエッジ点に対してのみρの計算を
行なっているので、モールド直線とは別の法線ベクトル
を持つ直線が検出されるといったことがない。
【0082】(6) 次に、各エッジ点が、四角形の4
辺ごとにクラス分けされる(ステップ6)。つまり、隣
り合う2本のモールド直線の交点に対する極座標系の方
向θ1、θ2、θ3およびθ4が求められる。隣り合う
2本のモールド直線の交点を、コーナ位置と定義する。
各エッジ点のθにより、各エッジ点がどの辺(モールド
直線)に属するかがクラス分けされる。
【0083】隣り合う2本のモールド直線の交点に対す
る極座標系の方向θ1、θ2、θ3およびθ4は、次の
ようにして求められる。
【0084】法線ベクトルがα1のモールド直線に対す
るρをρ1とし、法線ベクトルがα2のモールド直線に
対するρをρ2とし、これらのモールド直線の交点(コ
ーナ位置)のXY座標を(xo,yo)とすると、数式
6から次の数式8が成り立つ。
【0085】
【数8】
【0086】数式8から、上記両モールド直線の交点の
XY座標(xo,yo)は、次の数式9によって求めら
れる。
【0087】
【数9】
【0088】このようにして、4つのコーナ位置のXY
座標が求められると、各コーナ位置が原点Gからどの方
向に位置しているかが計算されることにより、隣り合う
2本のモールド直線の交点に対する極座標系の方向θ
1、θ2、θ3およびθ4が求められる。
【0089】(7) 次に、各クラス毎に、各エッジ点
からそのエッジ点が属するクラスの辺(モールド直線)
までの距離Δρが算出される(ステップ7)。
【0090】つまり、まず、数式7を用いて各エッジ点
ごとにρが求められる。この際、法線ベクトルαとして
は、当該エッジ点が属するクラスのモールド直線の法線
ベクトルα1、α2、α3、α4が用いられる。つま
り、エッジ点を通りかつそのエッジ点が属するモールド
直線と平行な直線と、原点Gとの距離ρが算出される。
【0091】次に、各エッジ点に対して求められたρ
と、そのエッジ点が属するモールド直線のρ1、ρ2、
ρ3またはρ4との差Δρ、すなわち、エッジ点からモ
ールド直線までの距離が求められる。図8は、モールド
直線Lに対応するクラスに属するエッジ点と、これらの
エッジ点ごとに求められたΔρを示している。図8にお
いて、R1およびR2は、コーナ位置を示している。エ
ッジ点がモールド直線上にある場合には、そのΔρは0
となる。エッジ点がモールド直線より外側にある場合に
は、そのΔρは正の値(Δρ>0)となる。エッジ点が
モールド直線より内側にある場合には、そのΔρは負の
値(Δρ<0)となる。
【0092】(8)次に、各エッジ点が、エッジ部分と
コーナ部分とにクラス分けされる(ステップ8)。
【0093】まず、コーナ位置の方向θ付近にあるエッ
ジ点からモールド直線の中央部に向かって、各エッジ点
のΔρが調べられ、最初にΔρが0となるエッジ点がエ
ッジ端点とされる。図8の例では、点Q1、Q2、Q
3、Q8がエッジ端点である。モールド直線上の2つの
エッジ端点Q1、Q2の間部分がエッジ部分とされる。
また、2つのモールド直線のコーナ点付近にある2のエ
ッジ端点の間部分、すなわち、図8の点Q1とQ8との
間部分、点Q2とQ3との間部分がコーナ部分とされ
る。
【0094】(9)次に、4つのエッジ部分におけるΔ
ρの分布に基づいてエッジ形状が認識され、4つのコー
ナ部分におけるΔρの分布に基づいてコーナ形状が認識
される。
【0095】エッジ形状認識は、たとえば、次のように
して行なわれる。まず、エッジ点がモールド直線上に位
置しているか否かを判定するしきい値を、モールド直線
に直交する方向の距離として設定する。そして、エッジ
部分に属するエッジ点のうち、そのΔρが+方向および
−方向にそのしきい値を越えているエッジ点が存在しな
い場合には、そのエッジ部分の形状を”直線形状”と判
定する。
【0096】エッジ部分のエッジ点のうち、そのΔρが
+方向にそのしきい値を越えているエッジ点が存在する
場合には、原則的にそのエッジ部分の形状を”突起あ
り”と判定する。また、エッジ部分のエッジ点のうち、
そのΔρが−方向にそのしきい値を越えているエッジ点
が存在する場合には、原則的にそのエッジ部分の形状
を”陥没あり”と判定する。ただし、突起または陥没が
3個以上存在する場合には、そのエッジ部分の形状を”
不良形状”と判定する。
【0097】コーナ形状認識は、コーナ部分のΔρの分
布だけでなく、コーナ部分の2つのエッジ端点を結ぶ直
線を一方の対角線とする正方形または長方形領域内の部
品部分の面積と背景部分の面積との比やコーナ部分の各
エッジ点のベクトルの方向の変化に基づいて判定しても
よい。
【0098】図9は部品画像の一例を示している。図1
0は、図9の画像から求められたΔρの分布を示してい
る。図9において、R1〜R4はコーナ位置を示し、Q
1〜Q8はエッジ端点を示している。この例では、各エ
ッジ部分のΔρの分布に基づいて、左側エッジ部EL
は”突起あり”と認識され、下側エッジ部EDは”直線
形状”と認識され、右側エッジ部ERは”不良形状”と
認識され、上側エッジ部EUは”直線形状”と認識され
る。
【0099】また、各コーナ部分のΔρの分布に基づい
て、右上コーナ部および右下コーナ部は”C面取り”と
認識され、左上コーナ部および左下コーナ部は”不良形
状”と認識される。左上コーナ部および左下コーナ部
が”R面取り”と認識されず、”不良形状”と認識され
ているのは、コーナ部が突起に連続している場合に
は、”不良形状”と認識するようにしたことによる。
【0100】コーナ形状認識を、コーナ部分の2つのエ
ッジ点を結ぶ直線を一方の対角線とする正方形領域内の
部品部分の面積と背景部分の面積との比に基づいて判定
する方法について説明する。
【0101】図11の(a)、(b)、(c)は、コー
ナ部分の2つのエッジ端点を結ぶ直線を一方の対角線と
する正方形領域を示している。図11(a)はコーナ形
状が”C面取り”の例を示し、図11(b)はコーナ形
状が”R面取り”の例を示し、図11(c)はコーナ形
状が”不良形状”の例を示している。
【0102】正方形領域内の背景部分の面積S1と部品
部分の面積S2との比(S1/S2)がほぼ1であれ
ば、そのコーナ形状は”C面取り”と判定される。正方
形領域内の背景部分の面積S1と部品部分の面積S2と
の比(S1/S2)が{(4−π)/π}=0.27に
ほぼ等しければ、そのコーナ形状は”R面取り”と判定
される。正方形領域内の背景部分の面積S1と部品部分
の面積S2との比(S1/S2)が、1または0.27
にほぼ等しくない場合には、そのコーナ形状は”不良形
状”と判定される。
【0103】なお、エッジ形状の認識およびコーナ形状
の認識を、ニューラルネットワークを用いて行なうよう
にしてもよい。ニューラルネットワークとしては、たと
えば、図12に示すように、入力層、中間層および出力
層からなる階層型ニューラルネットワークが用いられ
る。
【0104】このようなニューラルネットワークを用い
てエッジ形状の認識を行なう場合について説明する。複
数の電子部品画像から得られた複数のエッジ部分におけ
るモールド直線との差分Δρの分布を入力パターンと
し、入力パターンに対応するエッジ形状を表す信号を教
師信号として、ニューラルネットワークを学習させる。
出力層のユニット数が4である場合には、図13に示す
ように、”直線形状”に対応する教師信号としては
(1,0,0,0)が、”突起あり”に対応する教師信
号としては(0,1,0,0)が、”陥没あり”に対応
する教師信号としては(0,0,1,0)が、”不良形
状”に対応する教師信号としては(0,0,0,1)が
用いられる。
【0105】学習後のニューラルネットワークに、形状
認識対象である電子部品画像から得られたエッジ部分に
おけるΔρの分布を入力信号として与えると、そのエッ
ジ部分の形状に応じた出力が得られる。なお、エッジ部
分の長さが異なる場合には、たとえば写像変換により、
当該エッジ部分におけるΔρの数を、入力層のユニット
数に合わせればよい。
【0106】ニューラルネットワークを用いてコーナ形
状の認識を行なう場合は、複数の電子部品画像から得ら
れた複数のコーナ部分におけるΔρの分布を入力パター
ンとし、入力パターンに対応するコーナ形状を表す信号
を教師信号として、ニューラルネットワークを学習させ
る。
【0107】学習後のニューラルネットワークに、形状
認識対象である電子部品画像から得られたコーナ部分に
おけるΔρの分布を入力信号として与えると、そのコー
ナ部分の形状に応じた出力が得られる。
【0108】〔2〕本願発明の特徴である電子部品画像
のエッジ点の検出方法についての説明
【0109】〔2−1〕第1の実施の形態の説明
【0110】ところで、電子部品は吸着ノズルに吸着さ
れた状態で、部品画像が撮像される。このようにして、
部品画像を撮像した場合には、図14に示すように、ノ
ズル画像102の一部が、部品画像101から突出して
いる画像が得られることがある。このような画像に対し
て、部品画像の重心位置Gをラジアルスキャン原点とし
てラジアルスキャンすることによって、部品画像のエッ
ジ点を検出しようとすると、図14に符号103で示す
ように、ノズル画像のエッジ点も部品画像のエッジ点と
して、検出されてしまう。したがって、正確な部品形状
認識を行なえなくなる。
【0111】そこで、第1の実施の形態では、次のよう
にして、電子部品画像のエッジ点が検出される。つま
り、図15に示すように、撮像画像におけるノズルの中
心位置Oをラジアルスキャン原点として設定する。ま
た、スキャンを開始する半径(スキャン開始半径)を撮
像画像におけるノズルの半径より大きな値に設定する。
そして、撮像画像に対して放射状スキャンを行ないなが
ら微分処理を行なうことにより、部品画像101の輪郭
上の点104{エッジ点(x,y)}およびその点のグ
ラディエント方向(エッジベクトル)αを検出する。検
出されたエッジ点のxy座標値を、重心位置Gを原点と
する極座標系(r,θ)の座標値(r,θ)に変換す
る。これにより、部品画像の各エッジ点のr、θ、αが
抽出される。
【0112】 上記第1実施の形態によれば、ノズル画像
102の一部が、部品画像101から突出している画像
であっても、ノズル画像のエッジ点を部品画像のエッジ
点として誤検出するといったことが回避されるので、正
確な部品形状認識が行なえるようになる。
【0113】 〔2−2〕第2の実施の形態の説明
【0114】 図16に示すように、認識対象である部品
が細長い長方形部品である場合に、その部品画像111
の重心位置から所定回転角度間隔おきに放射状に走査す
ることによって部品画像のエッジ点を検出しようとする
と、コーナ部分において検出されるエッジ点の間隔が疎
となる。さらに、図17に示すように、認識対象である
部品のコーナ部に窪み112があると、図17に示すよ
うに、重心位置Gと窪み112の輪郭上のエッジとを結
ぶ線の延長上にある部品コーナ部のエッジ点が検出され
なくなり、正確な部品形状認識を行なえなくなる。
【0115】 このような場合には、図18に示すよう
に、コーナ付近にも放射状スキャン原点Uを追加設定
し、追加設定された放射状スキャン原点Uを中心として
放射状スキャンを行ないながら微分処理を行なうことに
より、部品画像111のコーナ付近の輪郭上の点(エッ
ジ点)およびその点のグラディエント方向αを検出すれ
ばよい。なお、検出されたエッジ点のxy座標値は、重
心位置Gを原点とする極座標系(r,θ)の座標値
(r,θ)に変換される。
【0116】 つまり、認識対象である部品が細長い長方
形部品である場合には、部品画像内部に複数の放射状ス
キャン原点を設定し、撮像画像に対して各放射状スキャ
ン原点ごとに、放射状スキャンを行ないながら微分処理
を行なうことにより、部品画像の輪郭上の点(エッジ
点)およびその点のグラディエント方向αを検出すれば
よい。
【0117】 図19に基づいて、細長い長方形の部品画
像内部に複数の放射状スキャン原点を設定する方法につ
いて説明する。
【0118】 まず、ブロブ解析等により、部品画像12
1の重心Gを求めるとともに慣性主軸PAの角度を求め
る。次に、慣性主軸PAと部品画像の慣性主軸PAに直
交する2辺との交点Pa、Pbの座標を求める。また、
重心Gを通りかつ慣性主軸PAに直交する線と、部品画
像の慣性主軸PAに平行な2辺との交点Pc、Pdの座
標を求める。
【0119】 そして、点Paと点Pbとの間の距離(部
品画像の長軸方向長さ)aと、点Pcと点Pdとの間の
距離(部品画像の短軸方向長さ)bとを求める。次に、
部品画像の長軸方向長さaと、部品画像の短軸方向長さ
bとの比(a/b)とに基づいて、放射状スキャン原点
の数と放射状スキャン原点の配置間隔とを求める。比
(a/b)が大きいほど、放射状スキャン原点の数は多
くなる。そして、求められた放射状スキャン原点の数と
配置間隔とに基づいて、部品画像内であって慣性主軸P
A上に複数の放射状スキャン原点Uが設定される。
【0120】 図20は放射状スキャン原点が3つ設定さ
れた例を示し、図21は放射状スキャン原点が2つ設定
された例を示している。
【0121】 複数の放射状スキャン原点が設定された場
合には、隣り合う放射状スキャン原点間において、放射
状スキャン原点を切り替える必要がある。図22に基づ
いて、隣り合う放射状スキャン原点U1、U2におい
て、放射状スキャン原点U1を中心とする放射状スキャ
ンから、放射状スキャン原点U2を中心とする放射状ス
キャンに切り替える方法について説明する。
【0122】 放射状スキャン原点U1を中心とするスキ
ャンによってエッジ点が検出されるごとに、放射状スキ
ャン原点U1から検出されたエッジ点までの距離L1
と、放射状スキャン原点U2から検出されたエッジ点ま
での距離L2とを算出する。そして、算出された距離L
1と距離L2とを比較し、距離L1が距離L2より大き
くなった時点で、放射状スキャン原点をU1からU2に
切り替える。
【0123】 このような放射状スキャン原点の切り替え
は、全ての隣合う放射状スキャン原点間で行なわれる。
そして、部品画像の重心からみて、1周分のエッジ点が
検出された時点で、エッジ点検出処理を終了する。
【0124】 上記第1の実施の形態による電子部品画像
のエッジ点の検出方法および上記第2の実施の形態によ
る電子部品画像のエッジ点の検出方法を図4の局所形状
認識処理に組み入れる場合には、図4のステップ1から
ステップ2までの処理は、図23に示すような処理に置
き換えられる。
【0125】 つまり、まず、部品画像の重心位置が、ブ
ロブ解析等によって求められる(ステップ11)。
【0126】 次に、撮像画像において、部品画像からノ
ズル画像がはみ出しているか否かが判定される(ステッ
プ12)。部品画像からノズル画像がはみ出していると
判定された場合には、ノズル画像の中心に放射状スキャ
ン原点が設定された後(ステップ13)、ステップ14
に進む。部品画像からノズル画像がはみ出していないと
判定された場合には、ステップ14に進む。
【0127】 ステップ14では、慣性主軸PAに基づい
て、部品画像の長軸方向長さと、部品画像の短軸方向長
さとの比が算出される。そして、算出された比に基づい
て、放射状スキャン原点を複数設定する必要があるか否
かが判定される(ステップ15)。
【0128】 放射状スキャン原点を複数設定する必要が
あると判定された場合には、放射状スキャン原点の数と
配置間隔とに基づいて、複数の放射状スキャン原点が設
定される(ステップ16)。この際、ステップ13にお
いて、ノズル画像の中心に放射状スキャン原点が設定さ
れている場合には、ステップ13で設定された放射状ス
キャン原点も残される。そして、ステップ17に進む。
放射状スキャン原点を複数設定する必要がないと判定さ
れた場合には、ステップ17に進む。
【0129】 ステップ17では、既に放射状スキャン原
点が設定されている場合には、設定されているスキャン
原点に基づいて部品画像のエッジ点が検出される。既に
放射状スキャン原点が設定されている場合には、次の3
つの場合がある。
【0130】 (1)ステップ13においてノズル画像の
中心に放射状スキャン原点が設定されており、ステップ
16において複数の放射状スキャン原点が設定されてい
ない場合。この場合は、放射状スキャン原点は1つだけ
設定されていることになる。
【0131】 (2)ステップ13においてノズル画像の
中心に放射状スキャン原点が設定されておらず、ステッ
プ16において複数の放射状スキャン原点が設定されて
いる場合。この場合は、放射状スキャン原点は複数設定
されていることになる。
【0132】 (2)ステップ13においてノズル画像の
中心に放射状スキャン原点が設定されているとともにス
テップ16においても複数の放射状スキャン原点が設定
されている場合。この場合は、放射状スキャン原点は複
数設定されていることになる。
【0133】 ステップ17において、既に放射状スキャ
ン原点が設定されていない場合には、部品画像の重心を
放射状スキャン原点として、部品画像のエッジ点が検出
される。
【0134】 〔2−3〕第3の実施の形態の説明
【0135】 図24に示すように、認識対象である部品
が局所的に特異な形状を持つ部品である場合を想定す
る。図24の例では、横長の第1四角形部分と、第1四
角形部分の右部分から上方に突出する第2四角形部分と
からなる。
【0136】 このような部品画像131の重心位置Gか
ら所定回転角度間隔おきに放射状に走査することによっ
て部品画像のエッジ点を検出しようとすると、第2四角
形部分の上辺と左辺のエッジ部においては、A、B、C
のエッジ点が検出される。つまり、第2四角形部分の点
B、点Cとの間のエッジ部分においてはエッジ点が検出
されなくなる。したがって、第2四角形部分の上辺と左
辺のエッジ部においてはほとんどエッジ点が検出されな
くなり、正確な部品形状認識を行なえなくなる。
【0137】 このような場合には、点A、B、Cを頂点
とする3角形の重心位置に放射状スキャン原点Uを追加
設定すればよい。
【0138】 あるいは、認識対象である部品が局所的に
特異な形状を持つ部品である場合には、次のようにして
部品画像のエッジ点を検出するようにしてもよい。
【0139】 つまり、まず、部品画像の重心Gを放射状
スキャン原点として、エッジ検出処理を実行する。この
後、検出エッジ点間の距離を解析することによって、欠
落しているエッジ間を抽出する。抽出されたエッジ間の
エッジ点を検出できるような位置に放射状スキャン原点
を設定する。そして、設定された放射状スキャン原点に
基づいてエッジ検出処理を行なう。
【0140】
【発明の効果】この発明によれば、撮像画像に部品を吸
着しているノズル画像が現れている場合においても、部
品画像のエッジ点を正確に検出できるようになる。
【0141】 この発明によれば、部品形状にかかわら
ず、部品画像のエッジ点を密に検出できるようになる。
【0142】 この発明によれば、部品の局所形状を自動
的にかつ正確に認識できる部品形状認識装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子部品自動装着システムの全体的な構成を示
すブロック図である。
【図2】エッジ形状の種類を示す模式図である。
【図3】コーナ形状の種類を示す模式図である。
【図4】局所形状認識処理の手順を示すフローチャート
である。
【図5】部品画像の一例を示す模式図である。
【図6】微分オペレータの重み付けを示す模式図であ
る。
【図7】各モールド直線に対する法線ベクトルα1〜α
4を求める方法を説明するためのグラフである。
【図8】モールド直線Lに対応するクラスに属するエッ
ジ点と、これらのエッジ点ごとに求められたΔρを示す
模式図である。
【図9】部品画像の一例を示す模式図である。
【図10】図9の画像から求められたΔρの分布を示す
グラフである。
【図11】コーナ部分の2つのエッジ端点を結ぶ直線を
一方の対角線とする正方形領域を示す模式図である。
【図12】ニューラルネットワークの構成例を示す模式
図である。
【図13】教師信号の一例を示す説明図である。
【図14】ノズル画像の一部が部品画像から突出してい
る画像の一例を示す模式図である
【図15】ノズル画像の一部が部品画像から突出してい
る画像に対して実行されるエッジ検出方法を説明するた
めの模式図である。
【図16】細長い部品の部品画像の一例を示す模式図で
ある。
【図17】細長い部品であってかつコーナ部に窪みを有
する部品の画像の一例を示す模式図である。
【図18】細長い部品であってかつコーナ部に窪みを有
する部品の画像に対して実行されるエッジ検出方法を説
明するための模式図である。
【図19】細長い長方形の部品画像内部に複数の放射状
スキャン原点を設定する方法を説明するための模式図で
ある。
【図20】放射状スキャン原点が3つ設定された例を示
す模式図である。
【図21】放射状スキャン原点が2つ設定された例を示
す模式図である。
【図22】隣り合う放射状スキャン原点間において、放
射状スキャン原点を切り替える方法を説明するための模
式図である。
【図23】第1の実施の形態による電子部品画像のエッ
ジ点の検出方法および第2の実施の形態による電子部品
画像のエッジ点の検出方法を局所形状認識処理に組み入
れた場合におけるエッジ検出処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図24】局所的に特異な形状を持つ部品の画像に対し
て実行されるエッジ検出方法を説明するための模式図で
ある。
【符号の説明】 1 ホストコンピュータ 2 電子部品装着装置 3 画像処理装置 4 データベース 31 位置認識手段 32 標準データ計測手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着ノズルに吸着された部品の撮像画像
    に基づいて、部品画像の輪郭上の点をエッジ点として検
    出する部品画像のエッジ検出方法であって、 撮像画像におけるノズルの中心位置を放射状スキャン原
    点とし、スキャン開始半径を撮像画像におけるノズルの
    半径より大きな値として、撮像画像に対して放射状スキ
    ャンを行なうことにより、部品画像の輪郭上のエッジ点
    を検出する部品画像のエッジ検出方法。
  2. 【請求項2】 吸着ノズルに吸着された部品の撮像画像
    に基づいて、部品画像の輪郭上の点をエッジ点として検
    出する部品画像のエッジ検出方法であって、 撮像画像におけるノズルの中心位置を放射状スキャン原
    点とし、スキャン開始半径を撮像画像におけるノズルの
    半径より大きな値として、撮像画像に対して放射状スキ
    ャンを行ないながら微分処理を行なうことにより、部品
    画像の輪郭上のエッジ点を検出する部品画像のエッジ検
    出方法。
  3. 【請求項3】 部品画像に基づいて、部品画像の輪郭上
    の点をエッジ点として検出する部品画像のエッジ検出方
    法であって、 部品画像内部に複数の放射状スキャン原点を設定し、部
    品画像に対して各放射状スキャン原点ごとに、放射状ス
    キャンを行ないながら微分処理を行なうことにより、部
    品画像の輪郭上のエッジ点を検出する部品画像のエッジ
    検出方法。
  4. 【請求項4】 略長方形の部品画像に基づいて、部品画
    像の輪郭上の点をエッジ点として検出する部品画像のエ
    ッジ検出方法であって、 部品画像内部であって部品画像の慣性主軸上に、所定間
    隔おきに複数の放射状スキャン原点を設定し、部品画像
    に対して各放射状スキャン原点ごとに、放射状スキャン
    を行ないながら微分処理を行なうことにより、部品画像
    の輪郭上のエッジ点を検出する部品画像のエッジ検出方
    法。
  5. 【請求項5】 吸着ノズルに吸着された部品の撮像画像
    に基づいて、部品画像の輪郭上の点をエッジ点として検
    出するエッジ検出手段、 部品画像を大局的に四角形とみなして、その四角形の4
    辺ごとに、エッジ点をクラス分けするクラスタリング手
    段、 各クラスごとに、そのクラスに対応する辺とそのクラス
    に属する各エッジ点との距離の分布を求める分布作成手
    段、および求められた分布に基づいて、部品の局所形状
    を認識する認識手段を備えており、 エッジ検出手段は、撮像画像におけるノズルの中心位置
    を放射状スキャン原点とし、スキャン開始半径を撮像画
    像におけるノズルの半径より大きな値として、撮像画像
    に対して放射状スキャンを行ないながら微分処理を行な
    うことにより、部品画像の輪郭上のエッジ点および各エ
    ッジ点のグラディエント方向を検出する手段、ならびに
    検出された各エッジ点を部品画像の重心位置を原点とす
    る極座標系における座標値に変換する手段を備えている
    部品形状認識装置。
  6. 【請求項6】 部品画像に基づいて、部品画像の輪郭上
    の点をエッジ点として検出するエッジ検出手段、 部品画像を大局的に四角形とみなして、その四角形の4
    辺ごとに、エッジ点をクラス分けするクラスタリング手
    段、 各クラスごとに、そのクラスに対応する辺とそのクラス
    に属する各エッジ点との距離の分布を求める分布作成手
    段、および求められた分布に基づいて、部品の局所形状
    を認識する認識手段を備えており、 エッジ検出手段は、部品画像内部に複数の放射状スキャ
    ン原点を設定し、部品画像に対して各放射状スキャン原
    点ごとに、放射状スキャンを行ないながら微分処理を行
    なうことにより、部品画像の輪郭上のエッジ点および各
    エッジ点のグラディエント方向を検出する手段、ならび
    に検出された各エッジ点を部品画像の重心位置を原点と
    する極座標系における座標値に変換する手段を備えてい
    る部品形状認識装置。
  7. 【請求項7】 クラスタリング手段は、部品画像を大局
    的に四角形とみなして、その四角形の各辺に対する法線
    ベクトルを求める法線ベクトル算出手段、 各辺に対する法線ベクトルおよびハフ変換式により得ら
    れた方程式に基づいて、部品画像の重心位置から各辺ま
    での距離を求める距離算出手段、ならびに各辺に対する
    法線ベクトルおよび部品画像の重心位置から各辺までの
    距離に基づいて4つの辺を特定し、特定された4辺にお
    ける隣り合う辺の交点位置に対応する極座標系の方向
    と、各エッジ点の極座標系の方向とに基づいて、各エッ
    ジ点がどの辺に属するかをクラス分けする手段、 を備えていることを特徴とする請求項5および6のいず
    れかに記載の部品形状認識装置。
  8. 【請求項8】 分布作成手段は、 ハフ変換式により得られた方程式および各辺に対する法
    線ベクトルに基づいて、エッジ点を通りかつそのエッジ
    点が属するクラスの辺に対して平行な直線と、部品画像
    の重心位置との距離を、各エッジ点ごとに求める手段、
    およびエッジ点を通りかつそのエッジ点が属する辺と平
    行な直線と部品画像の重心位置との距離と、部品画像の
    重心位置からそのエッジ点が属するクラスの辺までの距
    離との差を各エッジ点ごとに求め、求められた差に基づ
    いて、各クラスごとにそのクラスに対応する辺とそのク
    ラスに属する各エッジ点との距離の分布を作成する手
    段、 を備えている請求項5、6および7のいずれかに記載の
    部品形状認識装置。
  9. 【請求項9】 認識手段は、 各エッジ点を4つのコーナ部分と4つのエッジ部分とに
    クラス分けする手段、 分布作成手段によって作成された各エッジ部分に対する
    距離分布に基づいてエッジ形状を認識するエッジ形状認
    識手段、および分布作成手段によって作成された各コー
    ナ部分に対する距離分布に基づいてコーナ形状を認識す
    るコーナ形状認識手段、 を備えている請求項5、6、7および8のいずれかに記
    載の部品形状認識装置。
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