JPH10212330A - 粘弾性組成物及び制振材 - Google Patents

粘弾性組成物及び制振材

Info

Publication number
JPH10212330A
JPH10212330A JP9016503A JP1650397A JPH10212330A JP H10212330 A JPH10212330 A JP H10212330A JP 9016503 A JP9016503 A JP 9016503A JP 1650397 A JP1650397 A JP 1650397A JP H10212330 A JPH10212330 A JP H10212330A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
meth
acrylate
macromer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9016503A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3447189B2 (ja
Inventor
Hajime Nosetani
元 野世渓
Akira Nakasuga
章 中寿賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP01650397A priority Critical patent/JP3447189B2/ja
Publication of JPH10212330A publication Critical patent/JPH10212330A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3447189B2 publication Critical patent/JP3447189B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予め被着体表面を清浄化したり、別の接着剤
を併用したりすることなく、優れた油面接着性を発揮す
ると共に、優れた制振性を有する粘弾性組成物、及び、
その粘弾性組成物を用いた制振材を提供することを課題
とする。 【解決手段】 アルキル基の炭素数が2〜14のアルキ
ル(メタ)アクリレート及び該アルキル(メタ)アクリ
レートと共重合可能な極性基含有ビニルモノマーからな
るアクリル系モノマーとエチレン−ブチレン系マクロマ
ー及び/又はエチレン−プロピレン系マクロマーとを共
重合して得られるアクリル系共重合体、及び、粘着付与
樹脂を含有してなり、且つ、表面濡れ指数が30dyn
/cm以下であることを特徴とする粘弾性組成物、及
び、上記粘弾性組成物を用いて製せられていることを特
徴とする制振材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘弾性組成物及び
それを用いた制振材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、ブチルゴム等の合成
ゴムを主成分とする粘弾性組成物が、自動車、機械器
具、船舶、建築材料、音響材料等の振動やそれに伴って
発生する騒音等を防止するための制振材、防振材、免振
材等(以下、単に「制振材」と記す)として一般的に用
いられている。
【0003】しかし、上記合成ゴム系粘弾性組成物は、
制振材として用いる場合、制振等を施そうとする対象材
料(以下、単に「被着体」と記す)に対する接着性が十
分でないという問題点があり、この問題点に対応するた
め、近年、アクリル系ポリマーを主成分とする粘弾性組
成物を用いた制振材の検討が行われている。
【0004】上記アクリル系ポリマーを主成分とする粘
弾性組成物の一例として、例えば、特開平4−2025
86号公報では、「アルキル基の炭素数が8〜12のア
クリル酸アルキルエステルを必須とする主モノマー75
〜92重量%と、ホモポリマーのガラス転移温度が50
℃以上であるカルボキシル基含有モノマー25〜8重量
%との共重合ポリマーの架橋構造体を含んでなり、溶剤
不溶分が95重量%以上で、SUS板に対するT剥離強
度が400g/20mm幅以上であることを特徴とする
制振材用感圧性接着剤組成物」が提案されている。
【0005】しかし、上記提案にあるようなアクリル系
ポリマーを主成分とする粘弾性組成物は、一般的に、被
着体の表面が清浄である場合には良好な接着性を示すも
のの、被着体の表面に例えば切削油等の油類が付着して
いる場合、接着性が乏しくなる、即ち、油面接着性が乏
しくなるという欠点があり、予め被着体表面を洗浄等に
より清浄化したり、油面接着性の良好な別の接着剤を併
用したりする必要が生じ、作業性が著しく悪くなるとい
う問題点がある。
【0006】上述の如く、優れた油面接着性と優れた制
振性を兼備する粘弾性組成物及びその粘弾性組成物を用
いた制振材は実用化されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、予め被着体表面を清浄化した
り、別の接着剤を併用したりすることなく、優れた油面
接着性を発揮すると共に、優れた制振性を有する粘弾性
組成物、及び、その粘弾性組成物を用いた制振材を提供
することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、「第1発明」と記す)による粘弾性組成物は、アル
キル基の炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレ
ート及び該アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能
な極性基含有ビニルモノマーからなるアクリル系モノマ
ーとエチレン−ブチレン系マクロマー及び/又はエチレ
ン−プロピレン系マクロマーとを共重合して得られるア
クリル系共重合体、及び、粘着付与樹脂を含有してな
り、且つ、表面濡れ指数が30dyn/cm以下である
ことを特徴とする。
【0009】又、請求項2記載の発明(以下、「第2発
明」と記す)による粘弾性組成物は、上記第1発明によ
る粘弾性組成物において、アクリル系共重合体が、アル
キル基の炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレ
ート70〜99.5重量%及び極性基含有ビニルモノマ
ー30〜0.5重量%からなるアクリル系モノマー10
0重量部とエチレン−ブチレン系マクロマー及び/又は
エチレン−プロピレン系マクロマー1〜100重量部と
を共重合して得られるアクリル系共重合体であり、且
つ、上記アクリル系共重合体100重量部に対し、粘着
付与樹脂1〜50重量部が含有されていることを特徴と
する。
【0010】さらに、請求項3記載の発明(以下、「第
3発明」と記す)による制振材は、上記第1発明又は第
2発明による粘弾性組成物を用いて製せられていること
を特徴とする。
【0011】第1発明又は第2発明による粘弾性組成物
に用いられるアクリル系共重合体を構成するアルキル基
の炭素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレート
(以下、単に「アルキル(メタ)アクリレート」と記
す)としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
ペンチル(アミル)(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オ
クチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)ア
クリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メ
タ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(ドデシル)(メタ)アクリレート、トリデシ
ル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリ
レート等が挙げられ、好適に用いられる。尚、ここで言
う「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」もし
くは「メタクリレート」を意味する。
【0012】上記アルキル(メタ)アクリレートは、単
独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0013】又、上記アルキル(メタ)アクリレートと
共重合可能な極性基含有ビニルモノマーとしては、特に
限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、
(無水)フマル酸、カルボキシエチルアクリレートのよ
うなカルボキシアルキル(メタ)アクリレート類等のカ
ルボキシル基含有ビニルモノマー;2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の水酸基
含有ビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、N−
ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビ
ニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリ
ン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N
−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモ
ノマー等が挙げられ、好適に用いられる。
【0014】上記極性基含有ビニルモノマーは、単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0015】第1発明で用いられるアクリル系モノマー
は、前記アルキル(メタ)アクリレートと上記極性基含
有ビニルモノマーとの混合モノマーであれば良く、その
混合割合は特に限定されるものではない。
【0016】又、第2発明で用いられるアクリル系モノ
マーは、前記アルキル(メタ)アクリレート70〜9
9.5重量%、好ましくは75〜90重量%、と上記極
性基含有ビニルモノマー30〜0.5重量%、好ましく
は25〜10重量%、とからなることが必要である。
【0017】第2発明で用いられるアクリル系モノマー
中におけるアルキル(メタ)アクリレートの量が70重
量%未満であるか、もしくは、極性基含有ビニルモノマ
ーの量が30重量%を超えると、得られる粘弾性組成物
が硬くなって作業性が悪くなり、逆にアルキル(メタ)
アクリレートの量が99.5重量%を超えるか、もしく
は、極性基含有ビニルモノマーの量が0.5重量%未満
であると、得られる粘弾性組成物の凝集力が低くなって
耐熱性が乏しくなる。
【0018】第1発明又は第2発明による粘弾性組成物
は、上記アクリル系モノマーとエチレン−ブチレン系マ
クロマー及び/又はエチレン−プロピレン系マクロマー
とを共重合して得られるアクリル系共重合体を主成分と
する。
【0019】上記エチレン−ブチレン系マクロマーと
は、エチレン−ブチレン骨格の繰り返しから成るポリマ
ー構造を有し、且つ、一方の末端にラジカル重合性の不
飽和結合を有するものである。
【0020】上記エチレン−ブチレン系マクロマーの具
体例としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、商品名「KRATON LIQUID Polym
erHPVM−1251」(Shell Chemic
al社製)、「KLP L−1203」(油化シェル社
製)等が挙げられ、好適に用いられる。
【0021】又、上記エチレン−プロピレン系マクロマ
ーとは、エチレン−プロピレン骨格の繰り返しから成る
ポリマー構造を有し、且つ、一方の末端にラジカル重合
性の不飽和結合を有するものである。
【0022】前記アクリル系モノマーと共重合される上
記エチレン−ブチレン系マクロマー及び/又は上記エチ
レン−プロピレン系マクロマーは、単独で用いられても
良いし、両者が併用されても良い。
【0023】アクリル系モノマーとエチレン−ブチレン
系マクロマー及び/又はエチレン−プロピレン系マクロ
マーとを共重合して得られるアクリル系共重合体は、ポ
リマー中にエチレン−ブチレン骨格及び/又はエチレン
−プロピレン骨格を有するので、後述する粘着付与樹脂
との相溶性が向上し、得られる粘弾性組成物は、吸油性
(油を吸収する性質)に富むものとなり、優れた油面接
着性を発揮すると共に、優れた制振性を示す。
【0024】アクリル系モノマーとエチレン−ブチレン
系マクロマー及び/又はエチレン−プロピレン系マクロ
マーとの共重合方法は、特に限定されるものではなく、
例えば、塊状重合法、溶液重合法、光重合法等を採用し
て、重合触媒の存在下、常法により共重合を行えば良
い。
【0025】第1発明による粘弾性組成物においては、
前述したアクリル系モノマーと上記エチレン−ブチレン
系マクロマー及び/又はエチレン−プロピレン系マクロ
マーとを共重合して得られるアクリル系共重合体が用い
られれば良く、アクリル系モノマーとエチレン−ブチレ
ン系マクロマー及び/又はエチレン−プロピレン系マク
ロマーとの共重合割合は特に限定されるものではない。
【0026】又、第2発明による粘弾性組成物において
は、前述したアクリル系モノマー100重量部と上記エ
チレン−ブチレン系マクロマー及び/又はエチレン−プ
ロピレン系マクロマー1〜100重量部、好ましくは5
〜90重量部、とを共重合して得られるアクリル系共重
合体が用いられることが必要である。
【0027】第2発明において、アクリル系モノマー1
00重量部に対するエチレン−ブチレン系マクロマー及
び/又はエチレン−プロピレン系マクロマーの共重合量
が1重量部未満であると、アクリル系共重合体の粘着付
与樹脂との相溶性が十分に向上しないので、得られる粘
弾性組成物の油面接着性や制振性等が不十分となる。
【0028】逆にアクリル系モノマー100重量部に対
するエチレン−ブチレン系マクロマー及び/又はエチレ
ン−プロピレン系マクロマーの共重合量が100重量部
を超えると、アクリル系共重合体が硬くなって、得られ
る粘弾性組成物の接着性が低下する。
【0029】第1発明又は第2発明による粘弾性組成物
に用いられる粘着付与樹脂としては、特に限定されるも
のではないが、C5系(脂肪族系)石油樹脂、C9系
(芳香族系)石油樹脂等の石油系樹脂;水添ロジン樹
脂、水添ロジンエステル樹脂、不均化ロジン樹脂、不均
化ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエ
ステル樹脂等のロジン系樹脂;水添テルペン樹脂、水添
テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂;水添クマ
ロンインデン樹脂等が挙げられ、好適に用いられるが、
なかでも不飽和結合の少ない粘着付与樹脂がより好適に
用いられる。
【0030】上記粘着付与樹脂は、単独で用いられても
良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】第1発明による粘弾性組成物においては、
前述したアクリル系モノマーとエチレン−ブチレン系マ
クロマー及び/又はエチレン−プロピレン系マクロマー
とを共重合して得られるアクリル系共重合体と上記粘着
付与樹脂が含有されていれば良く、両者の含有割合は特
に限定されるものではない。
【0032】又、第2発明による粘弾性組成物において
は、前述したアクリル系モノマー100重量部とエチレ
ン−ブチレン系マクロマー及び/又はエチレン−プロピ
レン系マクロマー1〜100重量部とを共重合して得ら
れるアクリル系共重合体100重量部に対し、上記粘着
付与樹脂1〜50重量部、好ましくは10〜40重量
部、が含有されていることが必要である。
【0033】上記アクリル系共重合体100重量部に対
する粘着付与樹脂の含有量が1重量部未満であると、得
られる粘弾性組成物の吸油性が不十分となるため、油面
接着性が十分に向上せず、逆にアクリル系共重合体10
0重量部に対する粘着付与樹脂の含有量が50重量部を
超えると、得られる粘弾性組成物の凝集力が低下して、
耐熱性が不十分となる。
【0034】第1発明又は第2発明による粘弾性組成物
は、表面濡れ指数が30dyn/cm以下であることが
必要である。
【0035】上記粘弾性組成物の表面濡れ指数が30d
yn/cmを超えると、接着性が不十分となる。
【0036】又、上記粘弾性組成物の表面濡れ指数は、
30dyn/cm以下で小さい方が好ましいが、現実的
には、材質面の制約があり、15dyn/cm未満とす
ることは困難である。
【0037】上記粘弾性組成物の表面濡れ指数は、JI
S Z−1529「印刷用粘着フィルム」に規定されて
いるものであり、例えば、自動接触角計(例えば、型式
「G2」、KRUSS社製)を用い、接触角を測定する
ことにより求めることが出来る。
【0038】第1発明又は第2発明による粘弾性組成物
には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じ
て、充填材、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、安定剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、架橋剤、有機溶
剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が含有されて
いても良い。
【0039】第1発明又は第2発明による粘弾性組成物
の製造方法は、特別なものではなく、予め、アクリル系
モノマーとエチレン−ブチレン系マクロマー及び/又は
エチレン−プロピレン系マクロマーとを共重合して得ら
れるアクリル系共重合体を前述した重合法のいずれかで
作製した後、ニーダー、プラネタリウムミキサー、バン
バリーミキサー、ロール等の通常の混合装置を使用し
て、常温もしくは加熱下で、必須成分である上記アクリ
ル系共重合体及び粘着付与樹脂、及び、必要に応じて含
有させる各種添加剤の1種もしくは2種以上からなる組
成物を、均一に攪拌混合して、所望の粘弾性組成物を得
れば良い。
【0040】又、上記アクリル系共重合体を光重合法で
作製する場合、アクリル系モノマー、エチレン−ブチレ
ン系マクロマー及び/又はエチレン−プロピレン系マク
ロマー、光重合触媒、粘着付与樹脂、及び、必要に応じ
て含有させる各種添加剤の1種もしくは2種以上からな
る組成物に、例えば、イナートゾーン中で、ケミカルラ
ンプ等を使用して光照射を行い、一挙に所望の粘弾性組
成物を得ても良い。
【0041】次に、第3発明による制振材は、第1発明
又は第2発明による上述の粘弾性組成物を用いて製せら
れていることを特徴とする。
【0042】上記制振材には、必須成分である第1発明
又は第2発明による粘弾性組成物以外に、本発明の課題
達成を阻害しない範囲で必要に応じて、制振を施す対象
材料の剛性と制振材の剛性を適合させたり、制振性を向
上させるために、充填材が含有されていても良い。
【0043】上記充填材としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ガラスバルーン、アルミナバルー
ン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン等の無機
系中空充填材;ガラスビーズ、シリカビーズ、シリカゲ
ル、アルミナシリカ、フライアッシュ、合成雲母等の無
機系充填材;珪藻土、多孔質シリカ等の多孔質充填材;
ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−塩化ビニ
リデン共重合体、ポリスチレン、フェノール樹脂等から
なる有機系中空充填材;ポリメタクリル酸メチルビー
ズ、ポリスチレンビーズ、スチレン−アクリル共重合体
ビーズ、ウレタンビーズ、シリコーンビーズ、ポリプロ
ピレンビーズ、エチレン−酢酸ビニル共重合体ビーズ、
ポリアクリル酸エチルビーズ等の有機系充填材;立方体
アルミナシリカ、ガラスフレーク、ガラス繊維、鎖状粘
土鉱物等が挙げられ、好適に用いられる。
【0044】上記充填材は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0045】又、第3発明による制振材は、凝集力を上
げて、耐クリープ性や耐熱性等を向上させるために、ア
クリル系モノマーとエチレン−ブチレン系マクロマー及
び/又はエチレン−プロピレン系マクロマーとの共重合
時に予め架橋処理が施されたアクリル系共重合体を用い
ても良いし、又、制振材の成形時に架橋処理が施されて
いても良い。
【0046】第3発明による制振材の成形方法は、特別
なものではなく、必須成分である前記粘弾性組成物と、
必要に応じて含有させる上記充填材の1種もしくは2種
以上とからなる混合組成物を、押出し成形法、プレス成
形法等の成形法を採用して、常法により成形し、所望の
制振材を得れば良い。
【0047】又、粘弾性組成物を構成する前記アクリル
系共重合体を光重合法で作製する場合、アクリル系モノ
マー、エチレン−ブチレン系マクロマー及び/又はエチ
レン−プロピレン系マクロマー、光重合触媒、粘着付与
樹脂、及び、必要に応じて含有させる上記充填材の1種
もしくは2種以上、並びに、必要に応じて含有させる前
記各種添加剤の1種もしくは2種以上からなる組成物
を、例えば、離型紙上に所望の厚みで塗布し、イナート
ゾーン中で、ケミカルランプ等を使用して光照射を行
い、一挙に所望の制振材を得ても良い。
【0048】
【作用】第1発明による粘弾性組成物は、アルキル基の
炭素数が特定されたアルキル(メタ)アクリレート及び
極性基含有ビニルモノマーからなるアクリル系モノマー
とエチレン−ブチレン系マクロマー及び/又はエチレン
−プロピレン系マクロマーとを共重合して得られるアク
リル系共重合体を主成分とするので、粘着付与樹脂との
相溶性が良くなり、吸油性が向上すると共に、表面濡れ
指数が特定されているので、優れた油面接着性を発揮
し、且つ、優れた制振性を有する。
【0049】又、第2発明による粘弾性組成物は、上記
第1発明による粘弾性組成物において、アクリル系モノ
マーとエチレン−ブチレン系マクロマー及び/又はエチ
レン−プロピレン系マクロマーとの共重合割合が特定さ
れており、且つ、得られるアクリル系共重合体に対する
粘着付与樹脂の含有量が特定されているので、一段と優
れた油面接着性と制振性を兼備する。
【0050】さらに、第3発明による制振材は、上記第
1発明又は第2発明による粘弾性組成物を用いて製せら
れているので、優れた油面接着性と制振性を兼備する。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「重量
部」を意味する。
【0052】(実施例1)
【0053】(1)光重合性組成物の調製 セパラブルフラスコ中に、2−エチルヘキシルアクリレ
ート90部、アクリル酸10部、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート(HDDA)0.08部、エチレン
−ブチレン系マクロマー(商品名「KLP L−120
3」、油化シェル社製)10部、粘着付与樹脂(商品名
「スーパーエステルA140」、荒川化学工業社製)5
部及び光重合触媒(商品名「イルガキュアー651」、
チバガイギー社製)0.1部を投入し、均一に攪拌混合
した後、窒素ガスを30分間パージして系内の溶存酸素
を除去し、光重合性組成物を調製した。
【0054】(2)粘弾性組成物の作製 上記で得られた光重合性組成物を、20℃に維持されて
いるステンレス板に密着させた表面離型性を有するポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み50
μm)の離型面上に、塗布厚みが1.5mmとなるよう
に塗布し、その塗布面上に、表面離型性を有するPET
フィルム(厚み50μm)の離型面を積層した。次い
で、ケミカルランプを紫外線の光源として使用し、その
照射面の光強度が2mW/cm2 となるようにケミカル
ランプの高さを設定して、積層されたPETフィルム面
を通して10分間紫外線を照射し、光重合性組成物の光
重合を行って、シート状の粘弾性組成物を作製した。
尚、上記光強度は、波長365nmに最大感度を有する
光強度測定機(型式「UVR−1」、東京光学機械社
製)を用いて測定した光強度である。
【0055】上記で得られたシート状の粘弾性組成物の
表面濡れ指数を以下の方法で測定したところ、表面濡れ
指数は23.2dyn/cmであった。 〔表面濡れ指数の測定方法〕シート状の粘弾性組成物の
一方の面のPETフィルムを剥離した後、自動接触角計
(型式「G2」、KRUSS社製)を使用し、溶媒とし
て水、cis−ジヨードエチレン、1,1−ジヨードエ
タンを用いて、各々の接触角を測定した。次いで、ヤン
グ・デュプレー式により表面濡れ指数(dyn/cm)
を求めた。
【0056】(3)制振材の作製 上記で得られたシート状の粘弾性組成物をそのまま制振
材とした。
【0057】(4)評価 上記で得られた制振材の性能(油面接着性、及び、
制振性)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示
すとおりであった。尚、評価は、特に記載の無い限り、
23℃−65%RHの雰囲気下で行った。
【0058】油面接着性 幅20mm×長さ80mmに裁断された制振材の一方の
面のPETフィルムを剥離した後、JIS H−400
0規定のアルミニウム箔(品番「1100P」、幅20
mm×長さ100mm×厚み0.05mm)を貼り付け
た。次に、予め塗布量6g/m2 で防錆油を塗布し、2
4時間放置して準備した被着体であるJIS H−40
00規定のアルミニウム板(品番「1100P」、幅5
0mm×長さ100mm×厚み2mm)の防錆油塗布面
上に、制振材の他方の面のPETフィルムを剥離して積
層し、2Kgの圧着ローラーを2往復させて接着し、測
定用試験片を作成した。次いで、引張り試験機を使用
し、引張り速度300mm/分の条件で、接着10分後
及び接着24時間後の測定用試験片の90度角剥離強度
(Kg/20mm)を測定した。
【0059】制振性 幅20mm×長さ200mmに裁断された制振材の一方
の面のPETフィルムを剥離した後、予め塗布量6g/
2 で防錆油を塗布して準備した被着体である鋼板(幅
20mm×長さ200mm×厚み1mm)の防錆油塗布
面上に積層し、2Kgの圧着ローラーを2往復させて接
着し、測定用試験片を作成した。次いで、24時間放置
後の測定用試験片をインパルスハンマー法により加振
し、共振周波数及び半値幅から対数減衰率を求めた。
【0060】(実施例2〜4、及び、比較例1〜3)表
1に示すような配合組成で、実施例1と同様にして、6
種類の光重合性組成物を調製した。次に、得られた6種
類の光重合性組成物を用い、実施例1と同様にして、6
種類のシート状の粘弾性組成物を作製した。得られた6
種類の粘弾性組成物の表面濡れ指数を実施例1と同様に
して測定したところ、表1に示すような結果であった。
【0061】次いで、上記で得られた6種類のシート状
の粘弾性組成物をそのまま制振材として用い、その性能
を実施例1と同様にして評価した。その結果は表1に示
すとおりであった。
【0062】
【表1】
【0063】表1に示されるように、本発明による実施
例1〜4の制振材(粘弾性組成物)は、初期(接着10
分後)及び経時後(接着24時間後)のいずれにおいて
も優れた油面接着性を発揮し、且つ、制振性も優れてい
る。
【0064】これに対し、比較例1〜3の制振材(粘弾
性組成物)は、制振性については実施例1〜4の制振材
と比較しても遜色ないが、初期(接着10分後)及び経
時後(接着24時間後)の油面接着性が悪いことがわか
る。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、第1発明又は第2発
明による粘弾性組成物は、優れた油面接着性と制振性を
兼備するので、制振材等として好適に用いられる。
【0066】又、第3発明による制振材は、優れた油面
接着性を発揮するので、予め被着体表面を清浄化した
り、別の接着剤を併用したりする必要がなく、作業性に
優れると共に、制振性も優れているので、自動車、機械
器具、船舶、建築材料、音響材料等、各種用途の制振材
として好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G10K 11/16 G10K 11/16 J 11/162 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基の炭素数が2〜14のアルキ
    ル(メタ)アクリレート及び該アルキル(メタ)アクリ
    レートと共重合可能な極性基含有ビニルモノマーからな
    るアクリル系モノマーとエチレン−ブチレン系マクロマ
    ー及び/又はエチレン−プロピレン系マクロマーとを共
    重合して得られるアクリル系共重合体、及び、粘着付与
    樹脂を含有してなり、且つ、表面濡れ指数が30dyn
    /cm以下であることを特徴とする粘弾性組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル系共重合体が、アルキル基の炭
    素数が2〜14のアルキル(メタ)アクリレート70〜
    99.5重量%及び該アルキル(メタ)アクリレートと
    共重合可能な極性基含有ビニルモノマー30〜0.5重
    量%からなるアクリル系モノマー100重量部とエチレ
    ン−ブチレン系マクロマー及び/又はエチレン−プロピ
    レン系マクロマー1〜100重量部とを共重合して得ら
    れるアクリル系共重合体であり、且つ、上記アクリル系
    共重合体100重量部に対し、粘着付与樹脂1〜50重
    量部が含有されていることを特徴とする請求項1記載の
    粘弾性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の粘弾性組成
    物を用いて製せられていることを特徴とする制振材。
JP01650397A 1997-01-30 1997-01-30 粘弾性組成物及び制振材 Expired - Fee Related JP3447189B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01650397A JP3447189B2 (ja) 1997-01-30 1997-01-30 粘弾性組成物及び制振材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01650397A JP3447189B2 (ja) 1997-01-30 1997-01-30 粘弾性組成物及び制振材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10212330A true JPH10212330A (ja) 1998-08-11
JP3447189B2 JP3447189B2 (ja) 2003-09-16

Family

ID=11918089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01650397A Expired - Fee Related JP3447189B2 (ja) 1997-01-30 1997-01-30 粘弾性組成物及び制振材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3447189B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008539108A (ja) * 2005-04-26 2008-11-13 シロー インダストリーズ インコーポレイテッド アクリルレート系減音材及びその製造方法
WO2009031494A1 (ja) * 2007-09-07 2009-03-12 Nitto Denko Corporation 制振シート

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008539108A (ja) * 2005-04-26 2008-11-13 シロー インダストリーズ インコーポレイテッド アクリルレート系減音材及びその製造方法
WO2009031494A1 (ja) * 2007-09-07 2009-03-12 Nitto Denko Corporation 制振シート
JP2009063122A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Nitto Denko Corp 制振シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP3447189B2 (ja) 2003-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9334423B2 (en) Compositions comprising an acrylic block copolymer and a UV-curable copolymer and methods of making and using the same
JP5186142B2 (ja) アクリル系粘弾性組成物、及び感圧性接着テープ又はシート
JP4825992B2 (ja) アクリル系粘着剤組成物、該組成物を用いた粘着テープの製造方法および粘着テープ
JP6223989B2 (ja) 感圧性接着剤組成物
JP5265874B2 (ja) 粘着剤組成物および粘着シート
AU762483B2 (en) Acrylic copolymer, acrylic pressure-sensitive adhesive composition, acrylic pressure-sensitive adhesive tape or sheet, and acrylic adhesive composition
WO2008047636A1 (en) Acrylic adhesive tape or sheet, and method for producing the same
JP2003013027A (ja) アクリル系粘着剤組成物及び粘着テープ
KR20150088283A (ko) 다층 감압 접착 조립체
EP1318181A1 (en) Hot melt acrylic pressure sensitive adhesive and use thereof
JP2005105288A (ja) 感圧接着剤
US11578162B2 (en) Curable compositions for pressure-sensitive adhesives
JP4115811B2 (ja) 両面粘着テープおよび固定方法
JPH11152457A (ja) アクリル系粘着テープもしくはシート
JP3447189B2 (ja) 粘弾性組成物及び制振材
JPH11140406A (ja) 粘着剤組成物
JP2002012629A (ja) 重合性組成物、粘着剤、粘着テープ及び粘着シート
JP3444423B2 (ja) カルバメート官能性モノマーを含む紫外線硬化性アクリル系感圧接着剤組成物及びそれから調製された接着剤
JPH10306267A (ja) 自着性シート
JP3043292B2 (ja) エネルギー重合性組成物及び硬化型粘接着シート
WO2005080522A1 (ja) アクリル系粘着剤組成物及びアクリル系粘着テープ
JP2003253225A (ja) 粘着フィルムの製造方法及び粘着剤用液状組成物
JP3154739B2 (ja) 光重合性接着剤組成物とこれを用いた感圧性接着剤およびその接着シ―ト類
JP2008115374A (ja) アクリル系粘着テープ又はシート、およびその製造方法
JPH1053608A (ja) 光重合性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees