JPH10207934A - ネットワークの設計方法 - Google Patents

ネットワークの設計方法

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JPH10207934A
JPH10207934A JP1988197A JP1988197A JPH10207934A JP H10207934 A JPH10207934 A JP H10207934A JP 1988197 A JP1988197 A JP 1988197A JP 1988197 A JP1988197 A JP 1988197A JP H10207934 A JPH10207934 A JP H10207934A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】障害・負荷変動に対処し各デマンドペア(要求
対)の容量を満たすネットワーク(NW)を低コストで
設計する方法の提供。 【解決手段】NWトポロジー、障害箇所を指定する障害
パタン、各時間帯・方向において各要求対の現用パスの
要求容量、現用パスが障害時に予備パスに対する要求容
量、各要求対の現用、予備パスの組合候補を与え、各時
間帯で各要求対を結ぶ現用、予備パスの組合の使用の有
無を示すインディケータ、各リンクの割当容量を変数に
含み、各要求対でインディケータの総和が1である制約
条件、各時間帯と各状態と各要求対にてリンク経由の現
用パスの障害の影響の有無に応じ現用パス/予備パスを
収容しリンクに収容される全てのパスの要求容量の総和
は該リンクの容量以下という制約条件を含みリンク容量
起因のコストを最小化する目的関数を備える整数計画問
題を解く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワークの設
計方法に関し、特に、ネットワークの障害と要求容量の
時間変動に対処するネットワークの設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のネットワーク構成の一例を図5に
示す。図5に示すように、ネットワークはノード(図中
11、12、…、15)とリンク(図中21、22、
…、26)と、から構成される。複数のノードおよびリ
ンクを経由してある1組のノード間で終端される通信路
を「パス」と呼ぶ。各ノードはパスを中継または終端
し、各リンクはパスを収容する。
【0003】図5を参照すると、例えばパス33は、ノ
ード11、13によって終端され、ノード12によって
中継される。また、パス33は、リンク21、22に収
容される。ここで、あるパスを終端する1組みのノード
を特に「デマンド(demand)ペア」と呼ぶ。
【0004】ネットワークを構成する全てのノードある
いはリンクに障害が発生していない正常状態において、
各デマンドペアが使用するパスを「現用パス」と呼ぶ。
例えば図5において、ノード11、13のデマンドペア
では、パス31が現用パスである。
【0005】ノードもしくはリンクに障害が発生した場
合、現用パスがその影響を受けたデマンドペアは、現用
パスを障害の影響を受けていない別のパスに切替える
が、このためのパスを「予備パス」と呼ぶ。例えば図5
において、ノード11、13のデマンドペアの予備パス
としては、パス32とパス33が考えられ、このデマン
ドペアは、現用パスであるパス31が障害の影響を受け
たことが検知されると、予備パスとして、パス32また
はパス33を使用することになる。
【0006】ここで、各パスには、デマンドペア間にお
いて該パスが経由するノードもしくはリンクの順列で規
定することができる経路という要素に加えて、「容量」
という要素が付随する。そして、容量cを割り当てられ
たパスが、あるリンクに収容できるということは、その
リンクにc分の空き容量があることを意味する。
【0007】現用パスがネットワークの障害の影響を受
けた各デマンドペアが、予備パスを設定できるようにす
るためには、各デマンドペアの現用パスを収容するのに
必要となる容量に加えて、予備パスを収容するのに必要
となる容量を各リンクに予め割り当てておく必要があ
る。
【0008】従来のネットワークの設計方法は、ノード
とリンクからなるネットワークのトポロジーとデマンド
ペア間での要求容量と、障害パターンが与えられた時
に、各リンクに割り当てる容量と、各デマンドペアが使
用するパスの経路を決定することを目的としている。
【0009】例えば、文献(“Robust traffic desi
gn for dynamic routing networks”,IEEE p
roceedings of INFOCOM'91,1991,pp.508-51
4)には、ネットワークで障害が発生しても、各デマン
ドペアがその際に使用すべきパスを各リンクが収容でき
るという条件のもとで、リンクの容量に付随するコスト
が最小になるようにパスを決定する方法が記載されてい
る。
【0010】この問題を定式化するための記号について
説明する。まず、番号を次の様に振る。
【0011】・l=1,…,L:リンクに振る番号。 ・m=1,…,M:デマンドペアに振る番号。 ・im=1,…,Im:デマンドペアmが使用するパスの
候補に振る番号。 ・s=0:ネットワークの正常状態に振る番号。 ・s=1,…,S:ネットワークの各障害状態に対して
振る番号。
【0012】また、定数を次のように定義する。
【0013】・ω:リンク容量の増設単位(例えば、フ
ァイバ当たりの伝送容量)。 ・al:リンクlの容量増設単位ω当たりのコスト。 ・gim l:パスimがリンクlに収容されている時
「1」、収容されていない時「0」をとるインディケー
タ。 ・vm s:デマンドペアmがネットワークの状態sで要求
する容量。 ・im 0:デマンドペアmが使用する現用パス。 ・dl 0:各デマンドペアの現用パスを収容するのにリン
クlで必要になる容量増設単位数。この場合、リンクl
の総合容量はωdl 0で与えられる。
【0014】また、変数を次のように定義する。 ・cim s:状態sでパスimに割り当てる容量を表す。 ・dl:リンクlにおける容量増設単位数であり、リン
クの総合容量はωdlで与えられる。また、リンクlで
のコストはallで与えられる。
【0015】以上の記号を用いて、従来のネットワーク
の設計方法では、次の線形計画問題を解いて、各状態で
各デマンドペアが使用すべきパスとその容量を決定す
る。
【0016】ここで、目的関数を、制約条件が満たされ
る変数の値の範囲で、最適化(最小化もしくは最大化)
する変数の値と、その変数の値に対する目的関数の値
(最適値ともいう)を求める問題を「数理計画問題」と
呼び、特に、目的関数および制約条件が、すべて変数に
関する線形式で記述される数理計画問題を「線形計画問
題」と呼ぶ。
【0017】以下の問題を解くに当たっては、あらかじ
め各デマンドペア毎に使用する可能性のあるパスの候補
を与える必要があり、これよりインディケータgim l
生成する。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、上式(1)は、各リンク容量に付
随するコストの合計が最小化すべき目的関数であること
を示す。
【0020】また、上式(2)は、各障害状態で、各リ
ンクに収容されるパスの容量の総和は、そのリンクの総
和容量を超えないという制約を表す。
【0021】さらに、上式(3)は、各デマンドペアが
各障害状態で使用するパスに割り当てた容量の総和は、
各デマンドペアがネットワークの各障害状態に要求する
容量以上であるという制約を表す。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のネットワーク設計方法においては下記記載の問
題点を有している。
【0023】(1)第1の問題点は、現用パスが障害の
影響を受けた際の予備パスへの切替え制御が複雑にな
る、ということである。
【0024】その理由は、ネットワークの各障害状態毎
に各パスに割り当てる容量を変数に含む問題を解いて、
各障害状態で使用するパスを決定するため、一般に異る
ネットワークの障害状態毎に各デマンドペアが使用すべ
き予備パスが異り、これらもネットワークの障害状態毎
に使用すべき予備パスが1本であるとは限らない、から
である。
【0025】(2)第2の問題点は、現用パスおよび予
備パスを同時に設計したり、時間帯毎、あるいは方向毎
に異る要求容量を考慮して設計したりした場合に比べ
て、コストが高くなる、ということである。
【0026】その理由は、予め与えられた現用パスとこ
れを収容するリンクの容量を与えてから、更に、ネット
ワークの各障害状態においても、デマンドペア間での要
求容量を満たすパスを収容できるように設計を行ってい
る、ことによる。
【0027】また要求容量が、時間帯毎、あるいは方向
毎によって異る場合には、各時間帯、あるいは各方向で
の最大値を要求容量とする必要がある、からである。
【0028】したがって、本発明は、上記問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的は、ネットワーク内
の各デマンドペアによる分散型制御に基づいて、障害発
生および負荷変動に対処しながら、各デマンドペアの要
求容量を満たすネットワークをより少ないコストで設計
可能とするネットワーク設計方法を提供することにあ
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明は、パスを終端あるいは中継するノードと、前記パス
を収容するリンクからなるネットワークにおいて、Nを
2以上の任意の整数とし、要求容量を持つ前記ノードの
ペアからなるデマンドペアに対して、使用すべき第1の
パスから第Nのパスの組合せの候補を与え、前記各デマ
ンドペアが、単一もしくは複数の時間帯、および各方向
において、前記組合せの候補の各々を、現用パス、およ
び前記現用パスに対する第1予備パスから第N−1予備
パスの組合せとして使用するか否かを示すインディケー
タを変数に含み、前記デマンドペアと、前記単一もしく
は複数の時間帯、および前記各方向において、前記各候
補に対する前記インディケータの総和は「1」であると
いう第1の制約条件と、前記単一もしくは複数の時間
帯、前記各方向、および前記ネットワークの正常状態お
よび各障害状態において、前記各リンクが収容する前記
現用パスは、前記現用パスが前記ネットワークの障害の
影響を受けない場合には、前記現用パスに割り当てるべ
き容量を持ち、前記リンクが収容する前記第1の予備パ
スは、前記第1の予備パスに対する前記現用パスが前記
ネットワークの障害の影響を受ける場合は、前記第1の
予備パスに割り当てるべき容量を持ち、Nが3以上の整
数の場合、前記リンクが収容する第n(n=2,…,N
−1)の予備パスは、前記第nの予備パスに対する前記
現用パスおよび第1の予備パスから第n−1の予備パス
までの各々が前記ネットワークの障害の影響を受ける場
合には、前記第nの予備パスに割り当てるべき容量を持
ち、前記リンクが収容する前記現用パス、および前記第
1の予備パスから第N−1の予備パスがそれぞれ持つ前
記容量の前記各デマンドペアに関する総和は前記リンク
に割り当てる容量を超えないことを示す第2の制約条件
と、を含む数理計画問題を解き、前記数理計画問題の解
に基づいて、前記単一もしくは複数の時間帯、および前
記各方向において、前記各デマンドペアが使用する前記
現用パス、および前記第1の予備パスから前記第N−1
の予備パスまでの1つの組合せ、および前記各リンクに
割り当てる容量とを決定する、ことを特徴とする。
【0030】また、本発明は、パスを終端あるいは中継
するノードと、前記パスを収容するリンクからなるネッ
トワークにおいて、Nを2以上の任意の整数とし、要求
容量を持つ前記ノードのペアからなるデマンドペアに対
して、使用すべき第1のパスから第Nのパスの組合せの
候補を与え、前記各デマンドペアが、単一もしくは複数
の時間帯、および各方向とにおいて、前記組合せの候補
の各々において、前記第1のパスから前記第Nのパスを
それぞれ現用パス、および前記現用パスに対する第1の
予備パスから第N−1の予備パスの組み合わせとして割
り当てるべき容量を変数に含み、前記デマンドペアが、
前記単一もしくは複数の時間帯、および前記各方向にお
いて、前記現用パスに割り当てる容量の総和は、前記デ
マンドペアの要求容量を満たすという第1の制約条件
と、前記単一もしくは複数の時間帯、前記各方向、およ
び前記ネットワークの正常状態および各障害状態におい
て、前記各リンクが収容する前記現用パスは、前記現用
パスが前記ネットワークの障害の影響を受けない場合に
は、前記現用パスに割り当てるべき容量を持ち、前記リ
ンクが収容する前記第1の予備パスは、前記第1の予備
パスに対する前記現用パスが前記ネットワークの障害の
影響を受ける場合には、前記第1の予備パスに割り当て
るべき容量を持ち、Nが3以上の整数の場合、前記リン
クが収容する第n(n=2,…,N−1)の予備パス
は、前記第nの予備パスに対する前記現用パスおよび第
1の予備パスから第n−1の予備パスまでの各々が前記
ネットワークの障害の影響を受ける場合は、前記第nの
予備パスに割り当てるべき容量を持ち、前記リンクが収
容する前記現用パス、および前記第1の予備パスから第
N−1の予備パスがそれぞれ持つ前記容量の前記各デマ
ンドペアに関する総和は前記リンクに割り当てる容量を
超えないことを示す第2の制約条件と、を含む数理計画
問題を解き、前記数理計画問題の解に基づいて、前記単
一もしくは複数の時間帯、および前記各方向において、
前記各デマンドペアに対する前記現用パス、および前記
第1の予備パスから前記第N−1の予備パスのそれぞれ
に割り当てる容量、および前記各リンクに割り当てる容
量とを決定する、ことを特徴とする。
【0031】[発明の概要]本発明の原理について以下
に説明する。本発明においては、予め各デマンドペアが
使用する現用パスと予備パスの組合せの候補を与え、各
々の候補を使用するか否かを示すインディケータ、ある
いは各組合せにおいて現用パスおよび予備パスに割り当
てる容量を変数に含み、現用パスは、ネットワークの障
害の影響を受けない場合には、現用パスに割り当てるべ
き容量を持ち、予備パスは、これに対する現用パスがネ
ットワークの障害の影響を受ける場合には、予備パスに
割り当てるべき容量を持ち、各リンクで収容されるパス
が持つ容量の総和がリンク容量を超えないという制約条
件を含む数理計画問題を設定して解く。また、上記の変
数や制約式は、異る時間帯および異る方向に関して設定
される。
【0032】本発明においては、ネットワークの障害状
態に依存せずに、現用パスと予備パスの組合せに対して
変数を設定するので、障害状態に依存せずに、現用パス
に対して1つの予備パスが得られ、また使用すべき現用
パスと予備パスを同時に最適化することによるコスト削
減が図られる。
【0033】また本発明においては、各時間帯毎、およ
び方向毎に異る要求容量を考慮するため、異るデマンド
ペアと異る障害間、および異る時間帯、異る方向間でリ
ンク容量の共有化によるコストの削減が図られる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して以下に説明する。
【0035】
【実施の形態1】本発明の第1の実施の形態について説
明する。ここでは、各デマンドペアが使用する現用パス
に対して1本だけ用意された予備パスで対処できる障害
状態のみを考える。
【0036】この設計問題の定式化において用いられる
記号について説明する。
【0037】まず定数についてその記号を説明する。
【0038】・h=1,…,H:想定する時間帯に振る
番号。要求容量が時間帯に異ることを考慮している。 ・im=1,…,Im:デマンドペアmが使用する現用パ
スの候補に振る番号。 ・jm=1,…,Im:デマンドペアmが使用する予備パ
スの候補に振る番号。 ・n=1,…,N:ノードに振る番号。 ・μ:ノード容量の増設単位を表す。例えばノードに設
置する装置のポート数がこれに相当する。 ・γ:ノードコストのリンクコストに対する比。 ・vm Nh:時間帯hにおけるデマンドペアmの現用パス
への要求容量。 ・vm Fh:時間帯hにおけるデマンドペアmの予備パス
への要求容量。
【0039】・hl n:リンクlがノードnに接続する時
「1」、接続しない時「0」を取るインディケータ。 ・om n:デマンドペアmがノードnを含む時「1」、含
まない時「0」を取るインディケータ。 ・fl s:状態sでリンクlが正常の時「1」、障害の時
「0」を取るインディケータ。
【0040】例えばリンクl1、l2が同時に障害である
2重リンク障害の状態sにおいては、fl1 s=fl2 s=0
であり、他のl−2のリンクはfl s=1となる。
【0041】また、sがあるノードの障害を含む場合
は、そのノードが終端する全てのリンクlに対して、f
l s=0となる。
【0042】・πim s:状態sでパスimがネットワー
ク障害の影響を受けない時「1」、影響を受ける時
「0」の値をとるインディケータであり、次式(6)の
ように定式化される。
【0043】
【数2】
【0044】以下は、変数である。
【0045】・en:ノードnでの容量増設単位の総数
を表す整数変数。ノードの総合容量はμenで与えられ
る。
【0046】・rh imjm:時間帯hにおいてデマンドペ
アmがパスimおよびパスjmを、現用パスと予備パス
の組合せとして使用する場合「1」、使用しない場合
「0」をとる整数変数。
【0047】以上の記号を用いて、本発明の第1の実施
の形態におけるネットワークの設計方法では、次の整数
計画問題([問題1.0])を設定する。ここで、整数
計画問題とは、線形計画問題で、変数がすべて整数しか
取り得ないという条件を加えた数理計画問題をいう。
【0048】この問題を設定するに当たり、予め現用パ
スと予備パスの組合せの候補を与えるが、各候補の中の
これら2つのパスは、上記の想定された各々の障害状態
において同時に障害を受けることはないものとする。
【0049】例えば、各リンクが同時に1つだけ障害を
起こす全ての独立な障害状態(1重リンク障害)に対し
ては、各デマンドペア毎に、互いに同一のリンクに収容
されない2つのパスA、Bを見付ければ、これらは(現
用パス、予備パス)という組合せの2つの候補(A、
B)および(B、A)を与えることになる。
【0050】[問題1.0]:
【0051】
【数3】
【0052】上記問題1.0の変数の数は、次式(1
4)で与えられ、変数の下界を除いた制約式の数は、次
式(15)で与えられる。
【0053】
【数4】
【0054】H{(S+1)L+N+M} …(15)
【0055】上式(7)は、各リンクおよび各ノードに
それぞれ割り当てられる容量に起因するコストの総和が
最小化すべき目的関数であることを示す。
【0056】上式(9)は、各ノードが終端するリンク
容量単位の総和は、そのノードの総合容量を超えないこ
とを示す制約条件である。
【0057】上式(8)は、パスimは現用パス、かつ
パスjmは予備パスとして使用され、パスimはリンクl
に収容され(gim l=1)、かつ状態sでネットワーク
の障害の影響を受けない(πim s=1)ならば、現用パ
スに対する要求容量vm hが割り当てられ、またはパスj
mはリンクlに収容され(gjm l=1)、かつ状態sでパ
スimがネットワークの障害の影響を受ければ(1−π
im s=1)、予備パスに対する要求容量vm hが割り当て
られ、それを全てのデマンドペア毎に現用パス、予備パ
スの組み合わせで取った総和は、状態sでリンクlが正
常(fl s=1)ならば、その総合容量ωdlを超えない
という条件を出す。
【0058】上式(10)は、各時間帯とネットワーク
の各状態とにおいて、デマンドペアmは現用パスおよび
予備パスの組合せのいずれか1つを用いるという条件を
表す。
【0059】本発明の第1の実施の形態では、障害の影
響を受けた現用パスが経由する正常な各リンクで使用し
ている資源は全て解放することを前提として設計問題の
定式化を行っている。この第1の実施の形態の第1の変
形例は、上記資源を解放しない場合の上式(8)の変形
を考える。
【0060】まず、imが現用パスであるという条件の
もとで、パスimが正常なリンクlを経由し、状態sに
おいてリンクl以外に経由する他の全てのリンクの中で
1つでも障害であるリンクがある時「1」、障害である
リンクがない時「0」となるインディケータをφim s
すると、φim sは、次式(16)で計算できる。
【0061】
【数5】
【0062】これより、時間帯hと状態sで正常なリン
クlにおいて、現用パスimが経由する他のリンクの障
害の影響を受けても資源を解放しない場合のリンクlに
おける占有資源は、次式(17)で与えられる。
【0063】
【数6】
【0064】状態sと、時間帯hにおいて収容すべきパ
スの容量の総和はリンクの容量を超えてはならないの
で、現用パスがネットワークの障害の影響を受けたデマ
ンドペアが、現用パスが経由する各リンクにおいて現用
パスの資源を解放しない場合は、上式(8)を次式(1
8)で置き換える。
【0065】
【数7】
【0066】これはまた、着目するあるリンクを経由す
る現用パスが、経由する他のリンクで障害を受けても、
その着目するリンクが正常な限り資源を解放しないこと
から、上式(8)の左辺の第1項において、πim sをfl
sに置き換えたと説明してもよい。
【0067】本発明の第1の実施の形態の第2の変形例
は、現用パスim=im 0(m=1,…,M)とこれを収
容するための各リンクにおける容量増設単位数dl 0(l
=1,…,L)が与えられた時の、現用パスおよび予備
パスを収容するための各リンクでの容量増設単位の数
と、各デマンドペアが現用パスに対して使用すべき予備
パスを求めるものがある。上式(10)を次式(19)
で置き換え、さらに上式(11)を次式(20)で置き
換える。
【0068】
【数8】
【0069】本発明の第1の実施の形態の第3の変形例
は、ネットワークに障害が生じた際(s=1,…,S)
に、障害の影響を受けなかった現用パスへの要求容量を
デマンドペア毎にβm(<1)倍に削減することを考慮
してより少ないコストで設計するもので、上式(8)を
次式(21)で置き換える。
【0070】
【数9】
【0071】次に、本発明の第1の実施の形態における
実施例について、図1の流れ図を参照して説明する。
【0072】まず、ネットワークのトポロジーと、全て
の1重リンク障害までの障害パターンと、各時間帯にお
いて、各デマンドペアの現用パスおよび予備パスへの要
求容量と、各デマンドペアにおける現用パスおよび予備
パスの組合せの候補を与える(ステップA1)。
【0073】次に、これに基づいて上記問題1.0の整
数計画問題を設定して解く(ステップA2)。
【0074】そして、この解から、dlをリンクlでの
容量増設単位数とし、時間帯hとデマンドペアmにおい
て、πh imjm=1なるパスimを現用パスとし、パスjm
を予備パスとする(ステップA3)。
【0075】こうして、第1の実施の形態においては、
各デマンドペアの時間帯毎に異る要求容量を考慮し、か
つ現用パスおよび予備パスの選択を同時に考慮するの
で、より少ないコストでネットワークを設計することが
可能となる。
【0076】
【実施の形態2】次に本発明の第2の実施の形態につい
て説明する。この第2の実施の形態でも、前記第1の実
施の形態と同様に、各デマンドペアは1本の現用パスし
か用いない場合を考えるが、前記第1の実施の形態で
は、予備パス1本で対処可能な障害状態に対する設計で
あったのに対し、この第2の実施の形態では、想定した
障害状態に対して第2の予備パスまで使用する必要があ
る場合のネットワークの設計について考える。ここで、
「第2の予備パス」とは、現用パスおよび第1の予備パ
スが同時にネットワークの障害の影響を受けた場合に設
定されるパスをいう。
【0077】ここで、第2の予備パスに関して次の記号
を定義する。
【0078】・km=1,…,Im:デマンドペアmが使
用する第2予備パスに振る番号。
【0079】・rh imjmkm:時間帯hでデマンドペアm
がパスimを現用パスとして使用し、パスjmを第1予
備パスとして使用し、かつパスkmを第2予備パスとし
て使用する時「1」、これ以外の時「0」をとり整数変
数。
【0080】以上の記号を用いて、本発明によるネット
ワークの設計方法では、次の整数計画問題を設定して解
く。
【0081】この問題を設定するに当たり、あらかじめ
各デマンドペア毎に現用パス、第1予備パス、および第
2予備パスの組合せの候補を与えるが、各候補の中のこ
れら3つのパスは上記の想定された各々の障害状態にお
いて、同時に障害の影響を受けることはないものとす
る。
【0082】例えば、各リンクが同時に2つだけ障害を
起こす全ての独立な障害状態(2重リンク障害)に対し
ては、各デマンドペア毎に、互いに同一のリンクに収容
されない3本1組のパスA、B、Cを見付ければ、それ
らは、(現用パス、第1予備パス、第2予備パス)とい
う組合せの6つの候補(A、B、C)、(A、C、
B)、(B、A、C)、(B、C、A)、(C、A、
B)、(C、B、A)を与えることになる。
【0083】[問題2.0]:
【0084】
【数10】
【0085】この問題の変数の数は、次式(29)で与
えられ、変数の下界を除いた制約式の数は、次式(3
0)で与えられる。
【0086】
【数11】
【0087】H{(S+1)L+N+M} …(30)
【0088】この第2の実施の形態の第1の変形例は、
正常なリンクを経由する現用パスが他のリンクの障害の
影響を受けても資源を解放しない場合に、第1の実施の
形態の第1の変形例を参照して、上式(23)を次式
(31)で置き換える。
【0089】
【数12】
【0090】この第2の実施の形態の第2の変形例は、
現用パスim 0(m=1,…,M)とそれを収容するため
の各リンクにおける容量増設単位数dl 0が与えられた時
の、各デマンドペアにおける第1予備パス、第2予備パ
ス、およびそれらを収容するために各リンクで必要とな
る容量増設単位数を求めるものである。上式(25)を
次式(32)で置き換え、さらに上式(26)を次式
(33)で置き換える。
【0091】
【数13】
【0092】第2の実施の形態の第3の変形例は、前記
した第1の実施の形態の第3の変形例と同じく、ネット
ワークに障害が生じた際(s=1,…,S)に、障害の
影響を受けなかった現用パスへの要求容量をデマンドペ
ア毎にβm(<1)倍に削減することを考慮してより少
ないコストで設計するもので、上式(23)を次式(3
4)、(35)で置き換える。
【0093】
【数14】
【0094】次に、この第2の実施の形態における実施
例について、図2の流れ図を参照して説明する。
【0095】まず、ネットワークのトポロジーと、全て
の2重リンク障害までの障害パターンと、各時間帯にお
いて、各デマンドペアの現用パス、および予備パスへの
要求容量と、各デマンドペアにおける現用パス、第1予
備パスおよび第2予備パスの組合せの候補を与える(ス
テップB1)。
【0096】次に、これに基づいて上記問題2.0の整
数計画問題を設定して解く(ステップB2)。
【0097】そして、この問題2.0を解いて得られる
結果から、dlをリンクlでの容量増設単位数とし、時
間帯hとデマンドペアmにおいて、πh imjmkm=1なる
パスimを現用パスとし、パスjmをパスimに対する第
1予備パスとし、パスkmをパスimに対する第2予備パ
スとする。
【0098】実際の運用に当たっては、現用パスがネッ
トワークの障害の影響を受けた場合は、第1予備パスを
使用し、現用パスも第1予備パスもいずれもネットワー
クの障害の影響を受けた場合には、第2予備パスを使用
する。
【0099】このようにして、本発明の第2の実施の形
態においては、各デマンドペアの時間帯毎に異る要求容
量を考慮し、かつ現用パス、第1予備パスおよび第2予
備パスの選択を同時に考慮するので、より少ないコスト
で、例えば任意の2重リンク障害に対処するネットワー
ク設計が可能となる。
【0100】
【実施の形態3】次に本発明の第3の実施の形態につい
て説明する。
【0101】前記第1、2の実施の形態では、現用パス
と予備パスの組合せを使用するか否かを変数として、各
デマンドペアが使用する現用パスは1本に限定される場
合を考え、それぞれ予備パスが1本または2本必要にな
る障害状態に対するネットワークの設計を行った。
【0102】この第3の実施の形態では、各デマンドペ
アが使用する可能性のある現用パスとそれに対する予備
パスの組合せにおいて、それらの現用パスおよび予備パ
スにそれぞれ割り当てる容量を変数に設定することで、
各デマンドペアで複数の現用パスの使用を許す場合を考
える。
【0103】この問題を設定するために、更に以下の記
号を追加定義する。
【0104】・ch imjm:時間帯hにおいて、デマンド
ペアmがパスimを現用パスとして使用し、パスjmを
予備パスとして使用する時、現用パスに割り当てる容量
を表す変数。
【0105】以上の記号を用いて、本発明の第3の実施
の形態によるネットワークの設計方法では、次の混合整
数計画問題([問題3.0])を設定する。ここで、混
合整数計画問題とは、線形計画問題において一部の変数
が整数である数理計画問題をさす。ここでは、予め各デ
マンドペア毎に現用パスおよび予備パスの候補の組合せ
を与えるが、これは前記第1の実施の形態と同じであ
る。
【0106】[問題3.0]:
【0107】
【数15】
【0108】この問題の変数の数は、次式(44)で与
えられ、変数の下界を除いた制約式の数は次式(45)
で与えられる。
【0109】
【数16】
【0110】ここで、上式(40)は、予備パスに割り
当てられる要求容量c′h imjmは現用パスに割り当てら
れる容量ch imjmに、要求回復率vm Fh/vm Nhを掛けた
ものより小さくならないという条件を表している。
【0111】この第3の実施の形態の第1の変形例は、
障害発生時に、障害を受けた現用パスが、収容される各
リンクで使用している資源を、障害を受けていないリン
クで解放しない場合の、上式(38)の変形である。
【0112】状態sと、時間帯hにおいて収容すべきパ
スの容量の総和はリンクの容量を超えてはならないの
で、現用パスがネットワークの障害の影響を受けたデマ
ンドペアが、現用パスが経由する各リンクにおいて現用
パスの資源を解放しない場合には、上式(37)を次式
(46)で置き換える。
【0113】
【数17】
【0114】この第3の実施の形態の第2の変形例は、
各デマンドペアにおいて、現用パスim=im 0(m=
1,…,M)と、これを収容するための各リンクでの容
量増設単位数dl 0(l=1,…,L)が与えられた時、
各リンクで現用パスおよび予備パスを収容するのに必要
となる容量増設単位数と、予備パスの決定である。上式
(39)を次式(47)で置き換える。
【0115】
【数18】
【0116】また、リンク容量に関する制約式である上
式(41)を次式(48)で置き換える。
【0117】dl≧dl 0(l=1,…,L) …(48)
【0118】この第3の実施の形態の第3の変形例は、
第1の実施の形態の第3の変形例と同じく、ネットワー
クに障害が生じた際(s=1,…,S)に、障害の影響
を受けなかった現用パスへの要求容量をデマンドペア毎
にβm(<1)倍に削減することを考慮してより少ない
コストで設計するもので、上式(37)を次式(4
9)、(50)で置き換える。
【0119】
【数19】
【0120】次に、この第3の実施の形態における実施
例について、図3の流れ図を参照して説明する。
【0121】まず、ネットワークのトポロジーと、全て
の1重リンク障害までの障害パターンと、各時間帯にお
いて、各デマンドペアの現用パスおよび予備パスへの要
求容量と、各デマンドペアにおける現用パスおよび予備
パスの組合せの候補を与える(ステップC1)。
【0122】次に、これに基づいて上記問題3.0の混
合整数計画問題を設定して解く(ステップC2)。
【0123】そしてこの解から、dlをリンクlでの容
量増設単位数とし、時間帯hとデマンドペアmにおい
て、パスimを現用パスとして容量ch imjmを割り当て、
パスjmをそれに対する予備パスとして設定する場合
は、容量c′h imjmを割り当てる(ステップC3)。
【0124】このようにして、この第3の実施の形態に
おいては、デマンドペア間で複数の現用パスの使用を許
すので、前記第1の実施の形態に比べて、例えば全ての
1重リンク障害に対処するネットワークがより少ないコ
ストで設計できる。
【0125】
【実施の形態4】次に、本発明の第4の実施の形態につ
いて説明する。この第4の実施の形態でも、前記第3の
実施の形態と同じく、各々のデマンドペア間で、複数の
現用パスの使用を許す設計を考える。そして、前記第2
の実施の形態と同様、第2予備パスまで準備する必要が
ある障害状態に対処する設計を考える。
【0126】このためには、次の記号を定義する。
【0127】・ch imjmkm:時間帯hにおいて、デマン
ドペアmがパスimを現用パスとして使用し、パスjm
を第1予備パスとして使用し、パスkmを第2予備パス
として使用する時、現用パスに割り当てる容量を表す変
数。
【0128】以上の記号を用いて、本発明の第4の実施
の形態によるネットワークの設計方法では、以下の混合
整数計画問題([問題4.0])を設定して解く。ここ
では、予め現用パス、第1予備パス、および第2予備パ
スの組合せの候補を与えるが、これは前記第2の実施の
形態と同じである。
【0129】[問題4.0]
【0130】
【数20】
【0131】この問題の変数の数は,次式(59)で与
えられ、変数の下界を除いた制約式の数は次式(60)
で与えられる。
【0132】
【数21】
【0133】次に、この第4の実施の形態の第1の変形
例においては、正常なリンクを経由する現用パスが他の
リンクの障害の影響を受けても資源を解放しない場合
に、上式(52)を次式(61)で置き換える。
【0134】
【数22】
【0135】この第4の実施の形態の第2の変形例は、
前記第3の実施の形態の第2の変形例と同様にして、各
デマンドペアにおいて、現用パスim=im 0(m=1,
…,M)と、これを収容するための容量増設単位数dl 0
(l=1,…,L)が与えられた時の、各デマンドペア
における第1予備パス第2予備パス、およびそれらを収
容するために各リンクで必要となる容量増設単位数を求
めるものである。
【0136】上式(54)を次式(62)で置き換え
る。
【0137】
【数23】
【0138】また、リンク容量に関する制約式である上
式(56)を次式(63)で置き換える。
【0139】dl≧dl 0(l=1,…,L) …(63)
【0140】この第4の実施の形態の第3の変形例は、
前記第1の実施の形態の第3の変形例と同じく、ネット
ワークに障害が生じた際(s=1,…,S)に、障害の
影響を受けなかった現用パスへの要求容量をデマンドペ
ア毎にβm(<1)倍に削減することを考慮して、より
少ないコストで設計するもので、上式(52)を次式
(64)、(65)で置き換える。
【0141】
【数24】
【0142】次に、この第4の実施の形態における実施
例について、図4を参照して説明する。
【0143】まず、ネットワークのトポロジーと、全て
の2重リンク障害までの障害パターンと、各時間帯にお
ける、各デマンドペアの現用パスおよび予備パスへの要
求容量と、各デマンドペアにおける現用パス、第1予備
パス、および第2予備パスの組合せの候補を与える(ス
テップD1)。
【0144】次に、これに基づいて上記問題4.0の混
合整数計画問題を設定して解く(ステップD2)。
【0145】そして、この問題4.0を解いて得られる
結果から、dlをリンクlでの容量増設単位数とし、時
間帯hとデマンドペアmにおいて、パスimを現用パス
として容量ch imjmkmを割り当て、それに対して、パス
mを第1予備パスとして設定する場合、およびパスkm
を第2予備パスとして設定する場合にはそれぞれ容量
c′h imjmkmを割り当てる(ステップD3)。
【0146】このようにして、この第4の実施の形態に
おいては、各デマンドペア間で複数の現用パスの使用を
許すので、前記第2の実施の形態に比べて、例えば独立
な全2重リンク障害に対するネットワークがより少ない
コストで設計できる。
【0147】最後に、前記第1から第4までの実施の形
態に共通の変形例について説明する。要求容量がパスの
方向によって異なる場合において、特に次のように番
号、定数、変数の設定を行う。
【0148】すなわち、ノードに番号を振り、デマンド
ペア、パスおよびリンクはノード番号の小さな方から大
きな方の方向に対して偶数番号を、大きな方から小さな
方の方向に対して奇数番号をそれぞれ振る。このため、
デマンドペアに振る番号は、2m,2m+1(m=1,
…,M)、リンクに振る番号は、2l,2l+1(l=
1,…,L)、現用パスに振る番号は、2im,2im
1(im=1,…,Im)となる。
【0149】そして、第1予備パスに振る番号は、2j
m,2jm+1(jm=1,…,Im)、第2予備パスに振
る番号は、2km,2km+1(km=1,…,Im)とな
る。
【0150】これに応じて、変数も、
【0151】
【数25】
【0152】となり、一般に異なるとした要求容量も v2m Nh,v2m+1 Nh,v2m Fh,v2m+1 Fhと表す。
【0153】コスト係数は、 a2l=a2l+1 という形で与える。
【0154】パスは双方向で同一経路をとるのが通常で
あるが、この場合、
【数26】
【0155】を満たすようにインディケータの値を与え
る。
【0156】また、各パスは双方向同時に使用される必
要があるので、
【0157】
【数27】
【0158】という制約条件が加わる。
【0159】こうして、この変形例においては、双方向
で要求容量が異なる場合、リンク、デマンドペア、パス
に関して各方向毎に定数、変数を設定した問題を定式化
しているので、各方向で要求容量の大きな方を用いて、
方向性を考慮せずに設計する場合に比べて、コストの削
減が可能となる。
【0160】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば下
記記載の効果を奏する。
【0161】(1)本発明の第1の効果は、各デマンド
ペアは現用パスが障害の影響を受けたと判断した場合に
使用するパスを予備パスに切替えるという分散型の切替
え制御が容易に実現できる、ということである。
【0162】その理由は、本発明においては、各デマン
ドペアが、現用パスと予備パスの組合せに対して設定し
た変数を含み、現用パスはネットワークの障害の影響を
受けない場合は、現用パスに割り当てるべき容量を持
ち、予備パスは、それに対する現用パスがネットワーク
の障害の影響を受ける場合は、予備パスに割り当てるべ
き容量を持ち、各リンクが収容する各パスが持つ容量の
総和がそのリンク容量を超えないという制約条件を含む
数理計画問題を解いてネットワークを設計するので、各
現用パス毎に、ネットワークの障害状態に依存せずに使
用できる予備パスを決定することができるからである。
【0163】(2)本発明の第2の効果は、与えられた
現用パスに対して予備パスを収容するように設計した
り、各時間帯毎に異る要求容量の最大値に対して設計し
たり、方向毎に異なる要求容量の最大値に対して設計し
たりする場合に比べて、コストをより小さくすることが
できる、ということである。
【0164】その理由は、本発明においては、現用パス
と予備パスの組合せに対して変数を設定し、異なる時間
帯毎、および異なる方向毎に、各リンクに収容されるパ
スの容量の総和がリンク容量を超えないという制約条件
を含む数理計画問題を解いてネットワークを設計するよ
うにしたことにより、使用すべき現用パスと予備パスを
同時に考慮してコストの最適化が行われ、また異るデマ
ンドペア、異る障害状態間、異る時間帯、および異る方
向間でリンク容量の共有化を図ることができる、からで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するためのフロー
チャートである。
【図2】本発明の第2の実施例を説明するためのフロー
チャートである。
【図3】本発明の第3の実施例を説明するためのフロー
チャートである。
【図4】本発明の第4の実施例を説明するためのフロー
チャートである。
【図5】設計対象となるネットワークの説明図である。
【符号の説明】
11〜15 ノード 21〜26 リンク 31〜33 パス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パスを終端あるいは中継するノードと、前
    記パスを収容するリンクからなるネットワークにおい
    て、 Nを2以上の任意の整数とし、要求容量を有する前記ノ
    ードのペアからなるデマンドペアに対して、使用すべき
    第1のパスから第Nのパスの組合せの候補を与え、 前記各デマンドペアが、単一もしくは複数の時間帯、お
    よび各方向において、前記組合せの候補の各々を、現用
    パス、および前記現用パスに対する第1予備パスから第
    N−1予備パスの組合せとして使用するか否かを示すイ
    ンディケータを変数に含み、 前記デマンドペアと、前記単一もしくは複数の時間帯、
    および前記各方向において、前記各候補に対する前記イ
    ンディケータの総和は「1」であるという第1の制約条
    件と、 前記単一もしくは複数の時間帯、前記各方向、および前
    記ネットワークの正常状態および各障害状態において、
    前記各リンクが収容する前記現用パスは、前記現用パス
    が前記ネットワークの障害の影響を受けない場合には、
    前記現用パスに割り当てるべき容量を持ち、 前記リンクが収容する前記第1の予備パスは、前記第1
    の予備パスに対する前記現用パスが前記ネットワークの
    障害の影響を受ける場合には、前記第1の予備パスに割
    り当てるべき容量を持ち、 Nが3以上の整数の場合、前記リンクが収容する第n
    (n=2,…,N−1)の予備パスは、前記第nの予備
    パスに対する前記現用パスおよび第1の予備パスから第
    n−1の予備パスまでの各々が前記ネットワークの障害
    の影響を受ける場合には、前記第nの予備パスに割り当
    てるべき容量を持ち、 前記リンクが収容する前記現用パス、および前記第1の
    予備パスから第N−1の予備パスがそれぞれ持つ前記容
    量の前記各デマンドペアに関する総和は前記リンクに割
    り当てる容量を超えないことを示す第2の制約条件と、 を含む数理計画問題を解き、 前記数理計画問題の解に基づいて、前記単一もしくは複
    数の時間帯、および前記各方向において、前記各デマン
    ドペアが使用する前記現用パス、および前記第1の予備
    パスから前記第N−1の予備パスまでの1つの組合せ、
    および前記各リンクに割り当てる容量とを決定する、 ことを特徴とするネットワークの設計方法。
  2. 【請求項2】パスを終端あるいは中継するノードと、前
    記パスを収容するリンクからなるネットワークにおい
    て、 Nを2以上の任意の整数とし、要求容量を持つ前記ノー
    ドのペアからなるデマンドペアに対して、使用すべき第
    1のパスから第Nのパスの組合せの候補を与え、 前記各デマンドペアが、単一もしくは複数の時間帯、お
    よび各方向とにおいて、前記組合せの候補の各々におい
    て、前記第1のパスから前記第Nのパスをそれぞれ現用
    パス、および前記現用パスに対する第1の予備パスから
    第N−1の予備パスの組み合わせとして割り当てるべき
    容量を変数に含み、 前記デマンドペアが、前記単一もしくは複数の時間帯、
    および前記各方向において、 前記現用パスに割り当てる容量の総和は、前記デマンド
    ペアの要求容量を満たすという第1の制約条件と、 前記単一もしくは複数の時間帯、前記各方向、および前
    記ネットワークの正常状態および各障害状態において、 前記各リンクが収容する前記現用パスは、前記現用パス
    が前記ネットワークの障害の影響を受けない場合には、
    前記現用パスに割り当てるべき容量を持ち、 前記リンクが収容する前記第1の予備パスは、前記第1
    の予備パスに対する前記現用パスが前記ネットワークの
    障害の影響を受ける場合には、前記第1の予備パスに割
    り当てるべき容量を持ち、 Nが3以上の整数の場合、前記リンクが収容する第n
    (n=2,…,N−1)の予備パスは、前記第nの予備
    パスに対する前記現用パスおよび第1の予備パスから第
    n−1の予備パスまでの各々が前記ネットワークの障害
    の影響を受ける場合は、前記第nの予備パスに割り当て
    るべき容量を持ち、 前記リンクが収容する前記現用パス、および前記第1の
    予備パスから第N−1の予備パスがそれぞれ持つ前記容
    量の前記各デマンドペアに関する総和は前記リンクに割
    り当てる容量を超えないことを示す第2の制約条件と、 を含む数理計画問題を解き、 前記数理計画問題の解に基づいて、前記単一もしくは複
    数の時間帯、および前記各方向において、前記各デマン
    ドペアに対する前記現用パス、および前記第1の予備パ
    スから前記第N−1の予備パスのそれぞれに割り当てる
    容量、および前記各リンクに割り当てる容量とを決定す
    る、ことを特徴とするネットワークの設計方法。
  3. 【請求項3】パスを終端あるいは中継するノードと、前
    記パスを収容するリンクからなるネットワークにおい
    て、 Nを2以上の任意の整数とし、要求容量を有する前記ノ
    ードのペアからなるデマンドペアに対して、使用すべき
    第1のパスから第Nのパスの組合せの候補を与え、 前記各デマンドペアが、単一もしくは複数の時間帯、お
    よび各方向において、前記組合せの候補の各々を、現用
    パス、および前記現用パスに対する第1予備パスから第
    N−1予備パスの組合せとして使用するか否かを示すイ
    ンディケータを変数に含み、 前記デマンドペアと、前記単一もしくは複数の時間帯、
    および前記各方向において、前記各候補に対する前記イ
    ンディケータの総和は「1」であるという第1の制約条
    件と、 前記単一もしくは複数の時間帯、前記各方向、および前
    記ネットワークの正常状態および各障害状態において、
    前記各リンクが収容する前記現用パスは、前記現用パス
    が前記ネットワークの障害の影響を受けない場合には、
    前記現用パスに割り当てるべき容量を持ち、 前記リンクが収容する前記第1の予備パスは、前記第1
    の予備パスに対する前記現用パスが前記ネットワークの
    障害の影響を受ける場合には、前記第1の予備パスに割
    り当てるべき容量を持ち、 Nが3以上の整数の場合、前記リンクが収容する第n
    (n=2,…,N−1)の予備パスは、前記第nの予備
    パスに対する前記現用パスおよび第1の予備パスから第
    n−1の予備パスまでの各々が前記ネットワークの障害
    の影響を受ける場合には、前記第nの予備パスに割り当
    てるべき容量を持ち、 前記リンクが収容する前記現用パス、および前記第1の
    予備パスから第N−1の予備パスがそれぞれ持つ前記容
    量の前記各デマンドペアに関する総和は前記リンクに割
    り当てる容量を超えないことを示す第2の制約条件と、 を含む数理計画問題を解き、 前記数理計画問題の解に基づいて、前記単一もしくは複
    数の時間帯、および前記各方向において、前記各デマン
    ドペアが使用する前記現用パス、および前記第1の予備
    パスから前記第N−1の予備パスまでの1つの組合せ、
    および前記各リンクに割り当てる容量とを決定する、 上記各処理によってネットワークの設計を情報処理装置
    で実行させるプログラムを含む記録媒体。
  4. 【請求項4】パスを終端あるいは中継するノードと、前
    記パスを収容するリンクからなるネットワークにおい
    て、 Nを2以上の任意の整数とし、要求容量を持つ前記ノー
    ドのペアからなるデマンドペアに対して、使用すべき第
    1のパスから第Nのパスの組合せの候補を与え、 前記各デマンドペアが、単一もしくは複数の時間帯、お
    よび各方向とにおいて、前記組合せの候補の各々におい
    て、前記第1のパスから前記第Nのパスをそれぞれ現用
    パス、および前記現用パスに対する第1の予備パスから
    第N−1の予備パスの組み合わせとして割り当てるべき
    容量を変数に含み、 前記デマンドペアが、前記単一もしくは複数の時間帯、
    および前記各方向において、 前記現用パスに割り当てる容量の総和は、前記デマンド
    ペアの要求容量を満たすという第1の制約条件と、 前記単一もしくは複数の時間帯、前記各方向、および前
    記ネットワークの正常状態および各障害状態において、 前記各リンクが収容する前記現用パスは、前記現用パス
    が前記ネットワークの障害の影響を受けない場合には、
    前記現用パスに割り当てるべき容量を持ち、 前記リンクが収容する前記第1の予備パスは、前記第1
    の予備パスに対する前記現用パスが前記ネットワークの
    障害の影響を受ける場合には、前記第1の予備パスに割
    り当てるべき容量を持ち、 Nが3以上の整数の場合、前記リンクが収容する第n
    (n=2,…,N−1)の予備パスは、前記第nの予備
    パスに対する前記現用パスおよび第1の予備パスから第
    n−1の予備パスまでの各々が前記ネットワークの障害
    の影響を受ける場合は、前記第nの予備パスに割り当て
    るべき容量を持ち、 前記リンクが収容する前記現用パス、および前記第1の
    予備パスから第N−1の予備パスがそれぞれ持つ前記容
    量の前記各デマンドペアに関する総和は前記リンクに割
    り当てる容量を超えないことを示す第2の制約条件と、 を含む数理計画問題を解き、 前記数理計画問題の解に基づいて、前記単一もしくは複
    数の時間帯、および前記各方向において、前記各デマン
    ドペアに対する前記現用パス、および前記第1の予備パ
    スから前記第N−1の予備パスのそれぞれに割り当てる
    容量、および前記各リンクに割り当てる容量とを決定す
    る、 上記各処理によってネットワークの設計を情報処理装置
    で実行させるプログラムを含む記録媒体。
  5. 【請求項5】パスを終端あるいは中継するノードと、前
    記パスを収容するリンクからなるネットワークの設計に
    おいて、 (a)ネットワークのトポロジーと、ネットワークの障
    害箇所を指定する障害パターンと、各時間帯と、各方向
    において、パスを終端する1組のノードであるデマンド
    ペアの各々の現用パスに対する要求容量、および現用パ
    スがネットワークの障害を受けた際に用いる予備パスに
    対する要求容量と、前記各デマンドペアにおける現用パ
    スと予備パスの組合せの候補を与え、 (b)上記工程で与えられた情報に基づいて、各時間帯
    において、各デマンドペアを結ぶ現用パスと予備パスと
    の組合せを使用するか否かを示すインディケータと、各
    リンクに割り当てる容量とを変数に含み、各デマンドペ
    アにおいて、このインディケータの総和は「1」である
    という第1の制約条件と、 各時間帯とネットワークの各状態と各デマンドペアにお
    いて、各リンクを経由する現用パスが障害の影響を受け
    なければ、該現用パスを収容し、前記現用パスが障害の
    影響を受け、これに対する予備パスが該リンクを経由す
    る場合には、該予備パスを収容し、この結果、あるリン
    クに収容される全てのパスに要求される容量の総和はそ
    のリンクの容量を超えないという第2の制約条件と、 を含み、リンク容量に起因するコストを最小化すべき目
    的関数として持つ整数計画問題を解き、 (c)上記整数計画問題を解いて得られる結果から、リ
    ンク容量と、各デマンドペアが各時間帯で使用する現用
    パスおよび予備パスを、決定する、 ことを特徴とする、ネットワーク設計方法。
  6. 【請求項6】前記現用パス及び前記予備パスが同時にネ
    ットワーク障害を受けた場合に設定される第2の予備パ
    スを考慮して、各デマンドペアについて、現用パス、予
    備パス、及び第2の予備パスの組合せ候補を与え、これ
    に基づき、ある時間帯においてデマンドペアmがあるパ
    スimを現用パスが使用し、パスjmを予備パスとして
    使用し、更にパスkmを第2の予備パスとして使用する
    時値「1」をとる整数変数を導入して、上記整数計画問
    題を解くことを特徴とする、請求項5記載のネットワー
    ク設計方法。
  7. 【請求項7】ある時間帯においてデマンドペアmがある
    パスimを現用パスとして使用し、且つパスjmを予備
    パス及び/又はパスkmを第2の予備パスとして使用す
    る際に現用パスに割り当てる容量を表す変数として導入
    し、予備パスに割り当てられる容量は、現用パスに割り
    当てられる容量に要求回復率を乗じたものを下回ること
    はないという条件を含む混合整数問題を解き、各時間帯
    とデマンドペアにおいてパスを現用パス、予備パスに応
    じて容量を割り当てる、ことを特徴とする、請求項5又
    は6記載のネットワーク設計方法。
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