JPH102063A - 軽量コンクリート瓦 - Google Patents

軽量コンクリート瓦

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JPH102063A
JPH102063A JP15426596A JP15426596A JPH102063A JP H102063 A JPH102063 A JP H102063A JP 15426596 A JP15426596 A JP 15426596A JP 15426596 A JP15426596 A JP 15426596A JP H102063 A JPH102063 A JP H102063A
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JP
Japan
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tile
lightweight concrete
roof tile
synthetic resin
roof
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Application number
JP15426596A
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English (en)
Inventor
Ichiro Nakajima
一郎 仲嶋
Kumiko Osugi
久美子 大杉
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH102063A publication Critical patent/JPH102063A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱性、遮音性と同時に排水性、換気性が良
好であり、且つ前記大型カッターで容易に切断可能な軽
量コンクリート瓦を提供すること。 【解決手段】 合成樹脂発泡体を骨材として含有する水
硬性結合材組成物を、厚みが略6乃至25mmとなるよう
に大略平板状に成形加工してなる軽量コンクリート瓦。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、合成樹脂発泡体を骨材と
して含有した軽量コンクリート瓦に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅の屋根瓦として、化粧石綿ス
レートを用いたものがあり、この化粧石綿スレート瓦は
軽量であるとともに、厚みが4乃至7mm程度と比較的薄
いため、屋根の端部における瓦の切断を、大型カッター
を用いて短時間で容易に行え、施工性が極めて良好であ
る。しかしながら、化粧石綿スレート瓦は、薄いことに
起因して、断熱性、遮音性が悪くなるばかりでなく、瓦
と野地板との間で充分な通気性が得られず、その結果、
瓦の裏面側に位置する野地板や化粧石綿スレートが腐食
したり、かびが生える等の問題が生じ易くなる。
【0003】又、従来、窯業系の瓦として、厚形スレー
ト瓦や粘土瓦があり、これらの瓦は、厚みが10乃至2
0mm程度と充分に厚いので、断熱性、遮音性が良好であ
るばかりでなく、波板状に加工すること等により、充分
な通気性、排水性が得られる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記厚形ス
レート瓦や粘土瓦は、重量が大きくなるばかりでなく、
厚いことに起因して、前記大型カッターによる切断が不
可能な問題がある。この場合、小型カッターにより、切
断線に沿って順次クラックを形成した後、せん断力を加
えることにより瓦の切断を行う必要があるので、瓦の切
断が極めて煩雑で能率に劣るという問題がある。また、
電動鋸を用いて瓦の切断を行う場合もあるが、ほこりが
多量に出るため、作業性が悪いという問題があり、その
解決が切望されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決し、瓦に必要な不燃性を充分に保持したままで、断
熱性、遮音性と同時に排水性、換気性が良好であり、且
つ前記大型カッターで容易に切断可能な軽量コンクリー
ト瓦を提供することを目的とする。そのため、請求項1
に係る軽量コンクリート瓦は、合成樹脂発泡体を骨材と
して含有する水硬性結合材組成物を、厚みが略6乃至2
5mmとなるように大略平板状に成形加工してなるもので
ある。尚、前記瓦の厚みのより好ましい範囲は、略8乃
至17mm、最も好ましい範囲は、略9乃至12mmであ
る。
【0006】この軽量コンクリート瓦は、水硬性結合材
を主成分とし、瓦として必要な強度及び不燃性を有した
上に、これに合成樹脂発泡体を骨材として含有させるこ
とにより、軽量化を図ることを可能とした。又、厚みを
略6乃至25mmと従来の石綿スレート瓦より厚く設計で
きることにより、充分な断熱性、遮音性を合せ有するこ
とができる。更に、合成樹脂発泡体を含有させたので、
前記の良好な特性を有するにもかかわらず、前記大型カ
ッターによって容易に切断することが可能な程度に局部
強度が小さくなる。すなわち、本軽量コンクリート瓦
は、大型カッターでの切断ができ、電動鋸を用いる必要
がないので、厚みが略6乃至25mmと大きいにもかかわ
らず、発塵のない効率的な切断が可能となった。
【0007】請求項2に係る軽量コンクリート瓦は、請
求項1の構成において、前記軽量コンクリート瓦の一辺
の両端に位置する2つのコーナ部に、前記一辺に対して
傾斜する傾斜部が形成されていることを特徴とするもの
である。
【0008】ここでは、傾斜した屋根(野地板等)に沿
って瓦を葺く際に、横方向に隣接する軽量コンクリート
瓦の前記一辺同士が連続せず、前記一辺同士の間に傾斜
部が介在するので、この傾斜部を介して軽量コンクリー
ト瓦と野地板間で空気の流通が可能となり、通気性が良
好なものとなる。
【0009】請求項3に係る軽量コンクリート瓦は、請
求項1又は2の構成において、前記軽量コンクリート瓦
の表面に排水溝又は通気溝が形成されていることを特徴
とするものである。ここで、軽量コンクリート瓦の表面
とは、瓦の表側の表面及び/又は裏側の表面、更には、
これらに加えて側面をも含むものである。
【0010】このように、瓦の表面に排水溝又は通気溝
を形成することにより、排水性、通気性を一層良好なも
のとすることができる。
【0011】請求項4に係る軽量コンクリート瓦は、請
求項3の構成において、前記軽量コンクリート瓦の表面
には、該瓦の幅方向と直交する方向に互いに平行に延び
る2本の排水溝が形成され、各排水溝は前記軽量コンク
リート瓦を幅方向に2分割した各分割領域の幅方向の中
央に位置していることを特徴としている。
【0012】ここでは、瓦の表面に2本の排水溝を形成
するとともに、各排水溝を幅方向に2分割した各分割領
域の中央に位置させたので、屋根に沿って上下に隣接す
る2列の瓦(横方向に並ぶ瓦が列を構成する)を屋根の
幅方向に瓦の幅方向サイズの1/2ずつずらして配置す
る通常の瓦の葺き方を行った場合に、上下に隣接する瓦
の排水溝が屋根の上下方向で1直線を成すようになり、
排水性を極めて良好なものとすることができる。
【0013】請求項5に係る軽量コンクリート瓦は、請
求項1乃至4のいずれかの構成において、前記軽量コン
クリート瓦の表面に、厚み方向の突出量が略5mm以内の
凸部が形成されていることを特徴とするものである。
【0014】ここでは、瓦の表面にリブ等の凸部を形成
することにより、強度アップ等の効果を得ることができ
るとともに、前記凸部の厚みを略5mm以内と充分小さく
したので、瓦を切断する際の切断性に悪影響を与えるこ
ともない。
【0015】請求項6に係る軽量コンクリート瓦は、請
求項1乃至5のいずれかの構成において、前記軽量コン
クリート瓦の比重が略1.6乃至2.0であることを特
徴とするものである。
【0016】すなわち、軽量コンクリート瓦の比重が
1.6未満であれば、軽量化及び断熱性の観点からは極
めて好ましいものとなるが、合成樹脂発泡体の混合割合
が多くなることから、難燃性(不燃性)が低下するとと
もに瓦の強度が低下し、また価格的にも高価なものとな
る傾向がある。一方、比重が2.0を超えれば、軽量化
及び切断性や断熱性の観点から好ましくなくなる傾向を
有する。
【0017】請求項7に係る軽量コンクリート瓦は、請
求項1乃至6のいずれかの構成において、前記合成樹脂
発泡体の骨材が、平均粒径略2mm以下のビーズであるこ
とを特徴とするものである。
【0018】合成樹脂発泡体は、発泡合成樹脂を粉砕し
た粉砕品や異形のものであっても良いが、球形又は略球
形の、いわゆる、ビーズに形成したものの方が、重量及
び容積の計量誤差が少なく、これを混入した軽量コンク
リート瓦の比重のバラツキが少なくなり品質の安定した
瓦を得ることができるので好ましい。また、前記合成樹
脂発泡体を混入した軽量コンクリート瓦に応力がかかっ
た場合、ビーズであればこれを分散させることができ、
強度の高いコンクリート瓦を得ることができるが、粉砕
品や異形の場合には応力集中がかかり、強度が弱くなる
ので、できるだけビーズであることが望ましい。
【0019】合成樹脂発泡体は粉砕品、異形、ビーズの
いずれの場合であっても、その平均径が0.1乃至2.
0mmの範囲、更に好ましくは0.1乃至1.5mmの
範囲が良い。0.1mm以下になれば小さくなり過ぎ
て、水及び水硬性結合材との混練時に、混練物の流動性
が下がり易く、合成樹脂発泡体の混入量を充分に確保す
るのが困難であるため、これを混入した瓦を充分に軽量
化することが難しくなり易い。又、前記平均径が2.0
mm以上となれば、瓦の単位体積当たりの合成樹脂発泡
体の個数が少なくなるため、強度的に弱くなる傾向があ
るので、あまり好ましくない。前記合成樹脂発泡体が粉
砕品、異形である場合の平均径は、最大長と最小長の平
均値として表わしている。
【0020】請求項8に係る軽量コンクリート瓦は、請
求項1乃至7のいずれかの構成において、前記合成樹脂
発泡体としてポリスチレン発泡体を用いたことを特徴と
するものである。
【0021】合成樹脂発泡体の原料となる合成樹脂とし
ては、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリプロピ
レン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、アクリル
ニトリル−スチレン共重合体、スチレン−エチレン共重
合体などの各種共重合体(勿論、ランダム、ブロック、
グラフト体などを含む)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデンなどの塩化ビニル系樹脂などが挙げられるが、
この内、ポリスチレンを用いた場合には、強度が強く、
安価であることから最も望ましいものとなる。
【0022】請求項9に係る軽量コンクリート瓦は、請
求項1乃至8のいずれかの構成において、前記合成樹脂
発泡体の比重が、略0.07乃至0.12であることを
特徴とするものである。
【0023】前記比重を略0.07乃至0.12の範囲
とした理由は、適度な強度が得られることに加えて、経
済的にも適しているからである。これを発泡倍率に換算
すると、およそ8乃至15倍の範囲内である。比重が
0.07未満であると完成した製品の強度が弱くなる傾
向となり、逆に0.12を超えると強度の観点からは優
れたものとはなるものの、難燃性(不燃性)が低下する
と共に材料コストが高くなる傾向を有する。
【0024】請求項10に係る軽量コンクリート瓦は、
請求項1乃至9のいずれかの構成において、得られた軽
量コンクリート瓦中に略10乃至40%の容積の砂等の
細骨材を含有したことを特徴とするものである。
【0025】前記砂等の細骨材は、細骨材としての通常
の作用の他に、加圧成形時に合成樹脂発泡体が水硬性結
合材組成物の内部で圧縮されて生ずる変形量を低減させ
る役割を果たす。すなわち、合成樹脂発泡体が加圧さ
れ、一定量以上変形すると座屈し、加圧解放後には復元
する作用が生じるために、製品の表面に小さな凹凸また
はマイクロクラックができ易いが、細骨材の混入によっ
て外部から加えられた圧力が吸収され、合成樹脂発泡体
の変形、座屈を低減させる結果、圧力解放後の形状変化
を防止し、滑らかな表面になる利点が生じるので、好ま
しい。細骨材としては、最も一般的でコスト的にも有利
な砂を使用するのが好ましい。
【0026】前記細骨材として砂を用いる場合、この砂
は、コンクリート用細骨材として通常使用される粒径が
5mm以下、比重としては、例えば、2.6程度の範囲の
ものでよく、その種類も特に限定されるものではない。
又、砂の代わりとして、JISA 5012に規定されるごと
き、高炉スラグ細骨材(粒の大きさ5mm以下、比重が、
例えば、2.0乃至2.6程度)や、JIS A 5002に規定
される構造用軽量コンクリート骨材の細骨材(粒の大き
さ5mm以下、比重が、例えば、1.3乃至2.3程度)
のものを使用し得る。
【0027】前記軽量コンクリート瓦中での細骨材の含
有量は、得られる瓦の絶対容積で略10乃至40%の範
囲が好ましく、20乃至35%が一層好ましく、27乃
至31%の範囲が最も好ましい。細骨材の含有量が10
%未満の場合、成形加工時、合成樹脂発泡体の骨材が座
屈し易い傾向となり、また座屈した合成樹脂発泡体の復
元力により瓦の表面或いは内部にマイクロクラックが発
生し、曲げ強度や表面性の低下が起こる場合もある。一
方、細骨材の含有量が40%を超える場合、軽量化及び
切断性や断熱性の観点から余り望ましくなくなる。
【0028】請求項11に係る軽量コンクリート瓦は、
請求項1乃至10のいずれかの構成において、前記水硬
性結合材がセメントであることを特徴としている。
【0029】水硬性結合材としては、セメント、石灰、
石膏、接着剤等が挙げられるが、この内のセメントは強
度が強く、耐水性に優れ、比較的安価であるから最も望
ましい。セメントとしては、普通ポルトランドセメン
ト、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセ
メント、中庸熱ポルトランドセメントなどのポルトラン
ドセメント、または、高炉セメント、シリカセメント、
フライアッシュセメントなどの混合セメント、或いは、
超早強セメント、膨張セメント、化粧用セメント(白色
セメント、カラーセメント)などの特殊セメント、もし
くは、アルミナセメントなどを用いることができ、用途
により使い分けるのが好ましい。
【0030】請求項12に係る軽量コンクリート瓦は、
請求項1乃至11のいずれかの構成において、耐アルカ
リガラス繊維等の繊維補強材を絶対容積で略0.2乃至
0.6%混入したことを特徴とするものである。
【0031】前記繊維補強材を混入することによって強
靱で曲げ強度の強い軽量コンクリート瓦を得ることがで
きる。繊維補強材としては、耐アルカリガラス繊維、ビ
ニロン繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維等が挙
げられるが、その内、耐アルカリガラス繊維は、高い曲
げ強度が得られ、アルカリに対する抵抗性があることか
ら、特に好ましく使用される。
【0032】前記耐アルカリガラス繊維の長さは、平均
して10mm乃至20mm程度が好ましいが、特に限定され
るものではない。尚、耐アルカリガラス繊維等の繊維補
強材の混入割合を絶対容積で0.2%未満とすると曲げ
強度が弱くなり、一方、0.6%を超えると、モルタル
の流動性が低下し易い傾向があったり、加圧成形時間が
長くなったりすることもあり、充填性が悪くなって製造
原価が高くなる場合も起こり得るので、上記した範囲が
適当であり、好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
説明する。ここでは、まず、図面に基いて、本発明の軽
量コンクリート瓦の形状、寸法等につき説明し、後に瓦
の材料である水硬性結合材組成物の組成や材料特性等を
実際の配合例に基いて説明する。図1及び図2に示すよ
うに、本実施の形態に係る軽量コンクリート瓦1(以
下、瓦1という)は、後述する水硬性結合材組成物を所
定の圧力下でプレス加工することにより、平板状に形成
されている。この瓦1は、矩形形状の幅方向の一辺であ
る上辺1aの両端に位置する2つのコーナ部に、前記上
辺1aに対して対称に傾斜する2つの傾斜部2が形成さ
れ、6角形状の平面形状をなしている。
【0034】瓦1の表面側には、2本の排水溝3が形成
されている。排水溝3は、垂直部3aと傾斜部3bとか
らなり、2本の排水溝3の垂直部3a同士は、互いに平
行に瓦1の長手方向(傾斜した屋根の上下方向に対応)
に延びるとともに、各垂直部3aは瓦1を便宜上幅方向
に2分割した各分割領域の、幅方向の中央に位置してい
る。一方、各傾斜部3bは、垂直部3aの上端に連続す
るとともに、左右の傾斜部2と略平行な傾斜角度を有
し、各垂直部3aの上端同士が互いに連結されている。
【0035】瓦1の一辺1a近傍において、各排水溝3
の傾斜部3bと、前記各コーナ部における傾斜部2との
間には、交互に横及び上下方向に屈曲した通気溝4が形
成されている。更に、瓦1には、傾斜部3bの上端部を
取り囲むように、円弧状の排水溝5が形成されるととも
に、2つの垂直部3aの上端部間及び各垂直部3aと瓦
1の側端部間に、狭幅で浅い波形溝6、7が形成されて
いる。
【0036】各傾斜部3bの外側方で、瓦1に釘穴8が
形成されている。この釘穴8は、瓦1を厚み方向に貫通
するように設けておいても良いが、厚み方向の1/2又
は2/3程度の穴を釘穴8として部分的に貫通していな
い状態で開けておいて、瓦1を野地板10(図4参照)
に釘で固定する際の釘打ち作業によって、釘穴8を貫通
させるようにすることもできる。又、瓦1の表面には、
屋根上での他の瓦1との重ね合わせ位置の目安となる重
ね合わせ線11が、浅い溝によって、例えば、点線状に
形成されている。
【0037】前記瓦1の寸法例を示すと、瓦1の厚みが
略12mm、上下方向の長さLが略450mm、この内傾斜
部2の長さL1が略180mm、左右幅Bが略400mm、
排水溝3の垂直部3aの左右幅B1が略50mm、瓦1の
左右端から排水溝3の中心までの距離B2は瓦1の左右
幅Bの1/4である100mm、排水溝3の深さが略5m
m、通気溝4の深さが略2mm、波形溝6、7の深さが略
1mmである。但し、これらの値はあくまでも目安であっ
て、瓦1及びその各部の寸法は適宜変更することができ
る。例えば、瓦1の厚みは、前記のように、略6乃至2
5mmの範囲で変更可能であり、排水溝3の深さも略0.
1乃至10mmの範囲で変更可能である。
【0038】傾斜した屋根に沿って瓦1を葺いてゆく際
には、図3及び図4に示すように、野地板10上に下方
から順次、瓦1を釘穴8を介して釘打ちして固定してゆ
く。この場合、上下に隣接する2列(屋根の横方向に並
ぶ瓦1が列を構成する)の瓦1は、互いに横方向に瓦1
の幅寸法Bの1/2ずつずらして配置される。前述のよ
うに、排水溝3の垂直部3aは、瓦1を便宜上左右に2
分割した各分割領域の幅方向の中央に位置しているの
で、上下に隣接する瓦1の垂直部3a同士は上下方向に
1直線を構成し、その結果、屋根全体として良好な排水
性が確保される。尚、前記屋根上の最も下方の列の瓦1
a及び最も上方の列の瓦1bは、各々切断線A−A、B
−Bに沿って切断されるが、この場合の切断は前記大型
カッターにより容易に行われる。
【0039】瓦1の上辺1a(瓦1の裏面における上辺
1a)は、瓦1が野地板10に固定された状態で野地板
10の表面に接する。この場合、瓦1が完全な矩形状で
あれば、横方向に隣接する瓦1の上辺1a同士が連続
し、瓦1と野地板10間の空間が密閉状態となり、外部
との空気の流通経路がなくなるために、瓦1と野地板1
0間の通気が行われにくいという問題が生じ兼ねない。
しかし、本実施の形態では、瓦1の上辺1aの左右両端
に位置するコーナ部に傾斜部2が設けられ、横方向に隣
接する瓦1の上辺1a同士が連続しないようにされてい
るので、この傾斜部2によって、瓦1の裏側と外部との
間の通気性が良好なものとなる。
【0040】又、瓦1の表面の上辺1a近傍に通気溝4
を形成しているので、瓦1の上辺1aが2列上方の瓦1
によって覆われるにもかかわらず、この上辺1a近傍に
おける通気性も充分に確保されることになる。尚、上記
実施の形態では、瓦1の凹凸として排水溝3及び通気溝
4等を設けたが、これに代わる凹凸として、瓦1にリブ
を設けたり、瓦1に厚みに対して充分小さな波を付ける
こともできる。それらの場合も、リブ又は波状の凹凸の
瓦1の厚み方向のサイズは、略0.1乃至5mm程度の範
囲とすることができる。
【0041】次に、瓦1の組成や材料特性等につき、瓦
1の材料である水硬性結合材組成物の配合例に基いて説
明する。表1、2に配合例を示す。尚、EPSは、発泡
ポリスチレン(Expandable Polystyrene)を表す。又、ビ
ーズは粒状物を表すが、EPSビーズと記さず、単にE
PSと略記することがある。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】上記各比較例および実施例の軽量コンクリ
ート瓦の配合例において、合成樹脂発泡体としては、ポ
リスチレンを発泡させた比重0.06、0.10、0.
15の平均径が0.9mmのビーズ状のもの(EPSビー
ズ)を使用した。セメントとしては、普通ポルトランドセメント
を使用した。また、繊維補強材として、13mmの耐アル
カリガラス繊維を使用した。砂としては、径が2.5mm
以下の川砂を使用した。以上のように配合した軽量コン
クリートをプレス型枠成形にて120kgf/cm2の圧力を
加え、図1及び図2に示すような形状の瓦に成形してか
ら蒸気養生して硬化させた。
【0045】上記実施例1乃至4の瓦の特性を、比較例
1乃至7と比較した結果を表3、表4に示す。
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】表3、表4から明らかなように、本発明の
実施例の軽量コンクリート瓦は、従来のコンクリート瓦
(比較例1)と比較して、密度が小さく、軽量化が達成
されており、有用なものである。曲げ強度は若干低い値
となっているが、JISでの規格値を充分満たしてお
り、実用上問題ない充分な強度である。実施例3は耐ア
ルカリガラス繊維を混入したことにより、曲げ強さが最
も強くなっている。一方、比較例2はパーライトを使用
したために、混練が困難となり、密度ばらつきが大きく
なって成形性が悪くなる問題がある。又、比較例4は砂
を使用しなかったために、また比較例5はEPSの比重
が小さいために、いずれも瓦の表面にクラックが発生し
易く、曲げ強度が低い値となっている。
【0048】尚、実施例3の処方にて、EPSビーズの
平均粒径を1.2mm、1.7mm、2mmを超えたも
のの3種類に変更しただけの実験を行った。その結果
は、1.2mmのものは表面性が良で、表面の凹凸は少
なく、好ましい。又、1.7mmのものは水硬性結合材
組成物としての混合が可能であり、製品は容易に製造し
得るが、表面の凹凸が多少観察された。2mmを超えた
ものでは、該組成物が分離し易い傾向が見られ、混合に
注意が必要であった。又、比較例1や比較例7のように
砂の含有量の多いものでは、切断性や釘打ち性が低下す
る傾向があった。ここで、釘打ち容易性とは、より具体
的には、瓦に釘が通り易く、且つ釘打ちの際の瓦の割れ
が生じにくい程、釘打ち容易性は良好となる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る軽
量コンクリート瓦は、合成樹脂発泡体を骨材として含有
する水硬性結合材組成物を、厚みが略6乃至25mmとな
るように大略平板状に成形加工してなるものであるか
ら、瓦として必要な強度が得られるばかりでなく、合成
樹脂発泡体によって軽量化を図ることができ、又、厚み
が比較的大きいので、充分な断熱性、遮音性が得られ
る。更に、合成樹脂発泡体を含有させたので、局部強度
が小さくなり、大型カッターによって容易に切断するこ
とが可能となる。
【0050】請求項2に係る軽量コンクリート瓦は、前
記軽量コンクリート瓦の一辺の両端に位置する2つのコ
ーナ部に、前記一辺に対して傾斜する傾斜部が形成され
ているので、傾斜した屋根に沿って瓦を葺いてゆく際
に、横方向に隣接する軽量コンクリート瓦の前記一辺同
士が連続せず、前記一辺同士の間に前記傾斜部が介在す
るので、この傾斜部を介して軽量コンクリート瓦と野地
板間で空気の流通が可能となり、通気性が良好なものと
なる。
【0051】請求項3に係る軽量コンクリート瓦は、前
記軽量コンクリート瓦の表面に排水溝又は通気溝が形成
されているので、排水性、通気性が一層良好なものとな
る。
【0052】請求項4に係る軽量コンクリート瓦は、前
記軽量コンクリート瓦の表面に、該瓦の幅方向と直交す
る方向に互いに平行に延びる2本の排水溝が形成され、
各排水溝は前記軽量コンクリート瓦を幅方向に2分割し
た各分割領域の幅方向の中央に位置しているので、屋根
に沿って上下に隣接する瓦を幅方向に瓦の幅寸法の1/
2ずつずらして配置する通常の瓦の葺き方を行った場合
に、上下に隣接する瓦の排水溝が屋根面の上下方向で1
直線を成すようになり、排水性を極めて良好なものとす
ることができる。
【0053】請求項5に係る軽量コンクリート瓦は、前
記軽量コンクリート瓦の表面に、厚み方向の突出量が略
5mm以内の凸部が形成されているので、前記凸部によ
り、強度アップ等の効果を得ることができるとともに、
凸部の突出量を略5mm以内と充分小さくしたので、瓦を
切断する際の切断性に悪影響を与えることもない。
【0054】請求項6に係る軽量コンクリート瓦は、前
記軽量コンクリート瓦の比重が略1.6乃至2.0であ
るから、ある程度の軽量化及び断熱性を確保しながら、
同時に難燃性も確保できることができて、好適である。
【0055】請求項7に係る軽量コンクリート瓦は、前
記合成樹脂発泡体の骨材が、ビーズであるので、重量及
び容積の計量誤差が少なく、これを混入した軽量コンク
リート瓦の比重のバラツキが少なくなり品質の安定した
瓦を得ることができるとともに、平均粒径が略2mm以下
であるので、瓦の単位体積当たりの合成樹脂発泡体の個
数を充分に確保することができ、瓦の強度を確保でき
る。
【0056】請求項8に係る軽量コンクリート瓦は、前
記合成樹脂発泡体としてポリスチレン発泡体を用いたの
で、合成樹脂発泡体の強度を高くでき、且つ材料費を安
価なものとすることができる。
【0057】請求項9に係る軽量コンクリート瓦は、前
記合成樹脂発泡体の比重が、略0.07乃至0.12で
あるので、適度な強度が得られるとともに、経済的にも
適したものとなる。
【0058】請求項10に係る軽量コンクリート瓦は、
得られた軽量コンクリート瓦中に略10乃至40%の容
積の砂等の細骨材を含有したものであり、この場合、前
記細骨材を適量混入することによって外部から加えられ
た圧力が吸収され、合成樹脂発泡体の変形、座屈を低減
させる結果、圧力解放後の形状変化を防止し、滑らかな
表面になる利点が生じる。
【0059】請求項11に係る軽量コンクリート瓦は、
前記水硬性結合材がセメントであるので、強度が強く、
耐水性に優れ、比較的安価なものとなる。
【0060】請求項12に係る軽量コンクリート瓦は、
耐アルカリガラス繊維等の繊維補強材を絶対容積で略
0.2乃至0.6%混入したので、前記繊維補強材を適
量混入することによって強靱で曲げ強度の強い軽量コン
クリート瓦を得ることができ、特に、耐アルカリガラス
繊維を混入した場合、高い曲げ強度が得られるととも
に、アルカリに対する抵抗性があることから、好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る軽量コンクリート瓦
を示す概略平面図。
【図2】図1のX方向概略矢視図。
【図3】前記軽量コンクリート瓦を葺いた屋根を示す概
略平面図。
【図4】前記軽量コンクリート瓦を葺いた屋根を示す概
略側面図。
【符号の説明】
1 軽量コンクリート瓦 3 排水溝 4 通気溝

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂発泡体を骨材として含有する水
    硬性結合材組成物を、厚みが略6乃至25mmとなるよう
    に大略平板状に成形加工してなる軽量コンクリート瓦。
  2. 【請求項2】 前記軽量コンクリート瓦の一辺の両端に
    位置する2つのコーナ部に、前記一辺に対して傾斜する
    傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の軽量コンクリート瓦。
  3. 【請求項3】 前記軽量コンクリート瓦の表面に排水溝
    又は通気溝が形成されていることを特徴とする請求項3
    記載の軽量コンクリート瓦。
  4. 【請求項4】 前記軽量コンクリート瓦の表面には、該
    瓦の幅方向と直交する方向に互いに平行に延びる2本の
    排水溝が形成され、各排水溝は前記軽量コンクリート瓦
    を幅方向に2分割した各分割領域の幅方向の中央に位置
    していることを特徴とする請求項3記載の軽量コンクリ
    ート瓦。
  5. 【請求項5】 前記軽量コンクリート瓦の表面に、厚み
    方向の突出量が略5mm以内の凸部が形成されていること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の軽量コン
    クリート瓦。
  6. 【請求項6】 前記軽量コンクリート瓦の比重が略1.
    6乃至2.0であることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか記載の軽量コンクリート瓦。
  7. 【請求項7】 前記合成樹脂発泡体の骨材が、平均粒径
    略2mm以下のビーズであることを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれか記載の軽量コンクリート瓦。
  8. 【請求項8】 前記合成樹脂発泡体としてポリスチレン
    発泡体を用いたことを特徴とする請求項1乃至7のいず
    れか記載の軽量コンクリート瓦。
  9. 【請求項9】 前記合成樹脂発泡体の比重が、略0.0
    7乃至0.12であることを特徴とする請求項1乃至8
    のいずれか記載の軽量コンクリート瓦。
  10. 【請求項10】 得られた軽量コンクリート瓦中に略1
    0乃至40%の容積の砂等の細骨材を含有したことを特
    徴とする請求項1乃至9のいずれか記載の軽量コンクリ
    ート瓦。
  11. 【請求項11】 前記水硬性結合材がセメントであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至10のいずれか記載の軽量
    コンクリート瓦。
  12. 【請求項12】 耐アルカリガラス繊維等の繊維補強材
    を絶対容積で略0.2乃至0.6%混入したことを特徴
    とする請求項1乃至11のいずれか記載の軽量コンクリ
    ート瓦。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7557292B2 (en) * 2003-03-10 2009-07-07 Sunpower Corporation, Systems Modular shade system with solar tracking panels

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